説明

車両用前照灯

【課題】3個以上のランプユニットのそれぞれの光軸を個別に調整すると共に、各ランプユニットのLED光源が発生した熱の放熱効率を向上させる。
【解決手段】LED光源1とリフレクタ2とシェード3と投影レンズ4とヒートシンク5とを具備するランプユニット106a,106b,106cを3個以上設け、それらを左右方向に配列した車両用前照灯100において、左端のランプユニット106aとブラケット105とを光軸調整ボルト111aを介して接続し、右端のランプユニット106cとブラケット105とを光軸調整ボルト111cを介して接続し、中央のランプユニット106bとブラケット105とを、光軸調整ボルトを介することなく接続し、ブラケット105と車両用前照灯ハウジング101とをエイミングスクリュー104を介して接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源とリフレクタとシェードと投影レンズとを具備するランプユニットを3個以上設け、3個以上のランプユニットとブラケットとを接続し、ブラケットと車両用前照灯ハウジングとをエイミングスクリューを介して接続した車両用前照灯に関する。
【0002】
特に、本発明は、3個以上のランプユニットのそれぞれの光軸を個別に調整することができると共に、各ランプユニットのLED光源が発生した熱の放熱効率を向上させることができる車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、LED光源とリフレクタとシェードと投影レンズとを具備するランプユニットを3個以上設け、3個以上のランプユニットとブラケットとを接続し、ブラケットと車両用前照灯ハウジングとをエイミングスクリューを介して接続した車両用前照灯が知られている。この種の車両用前照灯の例としては、例えば特開2005−235431号公報に記載されたものがある。
【0004】
特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、10個のランプユニットが設けられており、各ランプユニットに、LED光源とリフレクタとシェードと投影レンズとが設けられている。更に、それらのランプユニットとメインブラケットとが、サブブラケットを介して接続されている。
【0005】
また、特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、メインブラケットと車両用前照灯ハウジングとが、エイミングスクリューを介して接続されている。
【0006】
そのため、特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、エイミングスクリューを回転させることにより、メインブラケットを車両用前照灯ハウジングに対して回動させることができる。つまり、特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、エイミングスクリューを回転させることにより、メインブラケットに取り付けられた10個のランプユニットを、車両用前照灯ハウジングに対して回動させることができる。
【0007】
ところで、特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、各ランプユニットとメインブラケットとの間に、サブブラケットが介在せしめられているものの、光軸調整ボルトが介在せしめられていない。
【0008】
そのため、特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、各ランプユニットをメインブラケットに対して回動させることができない。つまり、特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯では、エイミングスクリューを回転させることにより、10個のランプユニットの光軸を一括して調整することができるものの、各ランプユニットの光軸を個別に調整することができない。
【0009】
【特許文献1】特開2005−235431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記問題点に鑑み、本発明は、3個以上のランプユニットのそれぞれの光軸を個別に調整することができると共に、各ランプユニットのLED光源が発生した熱の放熱効率を向上させることができる車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、LED光源(1)と、LED光源(1)からの光を反射するためのリフレクタ(2)と、リフレクタ(2)からの光の一部を遮るためのシェード(3)と、シェード(3)によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ(4)と、LED光源(1)が発生した熱を放熱するためのヒートシンク(5)とを具備するランプユニット(106a,106b,106c)を3個以上設け、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)とブラケット(105)とを接続し、ブラケット(105)と車両用前照灯ハウジング(101)とをエイミングスクリュー(104)を介して接続した車両用前照灯(100)において、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)を左右方向に配列し、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、左端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とを光軸調整ボルト(111a)を介して接続し、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、右端のランプユニット(106c)とブラケット(105)とを光軸調整ボルト(111c)を介して接続し、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)とブラケット(105)とを、光軸調整ボルトを介することなく接続したことを特徴とする車両用前照灯(100)が提供される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、光軸調整ボルトを介することなく接続されるランプユニット(106b)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)を配置し、ランプユニット(106b)とブラケット(105)とをねじ止めによって結合することにより、ランプユニット(106b)とブラケット(105)とを熱的に接続したことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯が提供される。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、LED光源(1)と、LED光源(1)からの光を反射するためのリフレクタ(2)と、リフレクタ(2)からの光の一部を遮るためのシェード(3)と、シェード(3)によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ(4)と、LED光源(1)が発生した熱を放熱するためのヒートシンク(5)とを具備するランプユニット(106a,106b,106c)を3個以上設け、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)とブラケット(105)とを接続し、ブラケット(105)と車両用前照灯ハウジング(101)とをエイミングスクリュー(104)を介して接続した車両用前照灯(100)において、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)を上下方向に配列し、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、下端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とを光軸調整ボルト(111a)を介して接続し、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、下端のランプユニット(106a)と上端のランプユニット(106c)との間に配置されているランプユニット(106b)とブラケット(105)とを、光軸調整ボルト(111b)を介して接続し、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、上端のランプユニット(106c)とブラケット(105)とを、光軸調整ボルトを介することなく接続したことを特徴とする車両用前照灯(100)が提供される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、光軸調整ボルトを介することなく接続されるランプユニット(106c)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)を配置し、ランプユニット(106c)とブラケット(105)とをねじ止めによって結合することにより、ランプユニット(106c)とブラケット(105)とを熱的に接続したことを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯が提供される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、LED光源(1)と、LED光源(1)からの光を反射するためのリフレクタ(2)と、リフレクタ(2)からの光の一部を遮るためのシェード(3)と、シェード(3)によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ(4)と、LED光源(1)が発生した熱を放熱するためのヒートシンク(5)とを具備するランプユニット(106a,106b,106c)が、3個以上設けられている。
【0016】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)とブラケット(105)とが接続されている。
【0017】
詳細には、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)が、左右方向に配列されている。
【0018】
更に、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、左端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とが、光軸調整ボルト(111a)を介して接続されている。
【0019】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、左端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とを接続している光軸調整ボルト(111a)を回転させることにより、左端のランプユニット(106a)の光軸を個別に調整することができる。
【0020】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、右端のランプユニット(106c)とブラケット(105)とが、光軸調整ボルト(111c)を介して接続されている。
【0021】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、右端のランプユニット(106c)とブラケット(105)とを接続している光軸調整ボルト(111c)を回転させることにより、右端のランプユニット(106c)の光軸を個別に調整することができる。
【0022】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)とブラケット(105)とが、光軸調整ボルトを介することなく接続されている。更に、ブラケット(105)と車両用前照灯ハウジング(101)とが、エイミングスクリュー(104)を介して接続されている。
【0023】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、エイミングスクリュー(104)を回転させることにより、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)の光軸を個別に調整することができる。
【0024】
つまり、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のそれぞれの光軸を個別に調整することができる。
【0025】
また、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のそれぞれにヒートシンク(5)が設けられている。
【0026】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、ヒートシンクが各ランプユニットに個別に設けられていない特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯よりも、各ランプユニット(106a,106b,106c)のLED光源(1)が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0027】
更に、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)を左右方向に配列すると、左端のランプユニット(106a)のヒートシンク(5)からの放熱効率および右端のランプユニット(106c)のヒートシンク(5)からの放熱効率に比べ、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)のヒートシンク(5)からの放熱効率が低くなってしまう点に鑑み、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)が、光軸調整ボルトを介することなくブラケット(105)に接続されている。
【0028】
つまり、請求項1に記載の車両用前照灯(100)では、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)のLED光源(1)が発生した熱の一部が、ブラケット(105)に伝熱され、ブラケット(105)から放熱される。
【0029】
そのため、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)が光軸調整ボルトを介してブラケット(105)に接続されている場合よりも、ランプユニット(106b)のLED光源(1)が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0030】
換言すれば、請求項1に記載の車両用前照灯(100)によれば、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のそれぞれの光軸を個別に調整することができると共に、各ランプユニット(106a,106b,106c)のLED光源(1)が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0031】
請求項2に記載の車両用前照灯(100)では、光軸調整ボルトを介することなく接続されるランプユニット(106b)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)が配置されている。更に、ランプユニット(106b)とブラケット(105)とが、ねじ止めによって結合されている。それにより、ランプユニット(106b)とブラケット(105)とが熱的に接続されている。
【0032】
そのため、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、ランプユニット(106b)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)が配置されていない場合よりも、ランプユニット(106b)からブラケット(105)への伝熱効率を向上させることができる。
【0033】
更に、請求項2に記載の車両用前照灯(100)によれば、ランプユニット(106b)およびブラケット(105)がねじ止めによって熱伝導性部材(112)に対して押圧されていない場合よりも、ランプユニット(106b)からブラケット(105)への伝熱効率を向上させることができる。
【0034】
請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、LED光源(1)と、LED光源(1)からの光を反射するためのリフレクタ(2)と、リフレクタ(2)からの光の一部を遮るためのシェード(3)と、シェード(3)によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ(4)と、LED光源(1)が発生した熱を放熱するためのヒートシンク(5)とを具備するランプユニット(106a,106b,106c)が、3個以上設けられている。
【0035】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)とブラケット(105)とが接続されている。
【0036】
詳細には、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)が、上下方向に配列されている。
【0037】
更に、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、下端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とが、光軸調整ボルト(111a)を介して接続されている。
【0038】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、下端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とを接続している光軸調整ボルト(111a)を回転させることにより、下端のランプユニット(106a)の光軸を個別に調整することができる。
【0039】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、下端のランプユニット(106a)と上端のランプユニット(106c)との間に配置されているランプユニット(106b)とブラケット(105)とが、光軸調整ボルト(111b)を介して接続されている。
【0040】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、下端のランプユニット(106a)と上端のランプユニット(106c)との間に配置されているランプユニット(106b)とブラケット(105)とを接続している光軸調整ボルト(111b)を回転させることにより、ランプユニット(106b)の光軸を個別に調整することができる。
【0041】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、上端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とが、光軸調整ボルトを介することなく接続されている。更に、ブラケット(105)と車両用前照灯ハウジング(101)とが、エイミングスクリュー(104)を介して接続されている。
【0042】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、エイミングスクリュー(104)を回転させることにより、上端のランプユニット(106c)の光軸を個別に調整することができる。
【0043】
つまり、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のそれぞれの光軸を個別に調整することができる。
【0044】
また、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のそれぞれにヒートシンク(5)が設けられている。
【0045】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、ヒートシンクが各ランプユニットに個別に設けられていない特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯よりも、各ランプユニット(106a,106b,106c)のLED光源(1)が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0046】
更に、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)を上下方向に配列すると、上端のランプユニット(106c)のヒートシンク(5)からの放熱効率が最も低くなってしまう点に鑑み、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、上端のランプユニット(106c)が、光軸調整ボルトを介することなくブラケット(105)に接続されている。
【0047】
つまり、請求項3に記載の車両用前照灯(100)では、上端のランプユニット(106c)のLED光源(1)が発生した熱の一部が、ブラケット(105)に伝熱され、ブラケット(105)から放熱される。
【0048】
そのため、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、上端のランプユニット(106c)が光軸調整ボルトを介してブラケット(105)に接続されている場合よりも、上端のランプユニット(106c)のLED光源(1)が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0049】
換言すれば、請求項3に記載の車両用前照灯(100)によれば、3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のそれぞれの光軸を個別に調整することができると共に、各ランプユニット(106a,106b,106c)のLED光源(1)が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0050】
請求項4に記載の車両用前照灯(100)では、光軸調整ボルトを介することなく接続されるランプユニット(106c)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)が配置されている。更に、ランプユニット(106c)とブラケット(105)とが、ねじ止めによって結合されている。それにより、ランプユニット(106c)とブラケット(105)とが熱的に接続されている。
【0051】
そのため、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、ランプユニット(106c)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)が配置されていない場合よりも、ランプユニット(106c)からブラケット(105)への伝熱効率を向上させることができる。
【0052】
更に、請求項4に記載の車両用前照灯(100)によれば、ランプユニット(106c)およびブラケット(105)がねじ止めによって熱伝導性部材(112)に対して押圧されていない場合よりも、ランプユニット(106c)からブラケット(105)への伝熱効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、本発明の車両用前照灯の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の車両用前照灯100の部分断面平面図、図2は第1の実施形態の車両用前照灯100の正面図、図3は第1の実施形態の車両用前照灯100の部分断面右側面図である。
【0054】
図4は図1〜図3に示した第1の実施形態の車両用前照灯100に適用されているランプユニット106a,106b,106cの斜視図、図5は図4に示したランプユニット106aの断面図である。詳細には、図5(A)は図2のA−A線に沿ったランプユニット106aの断面図、図5(B)は図2のB−B線に沿ったランプユニット106aの断面図である。
【0055】
図6は図4に示したランプユニット106a,106b,106cの一部を構成するヒートシンク5の拡大部品図である。詳細には、図6(A)はヒートシンク5の平面図、図6(B)はヒートシンク5を右上側かつ前側から見た斜視図、図6(C)はヒートシンク5の正面図、図6(D)はヒートシンク5の右側面図である。
【0056】
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1〜図3に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106c(図4参照)が、車両用前照灯ハウジング101とカバーレンズ102とによって画定される灯室103内に配置されている。第1の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット106a、ランプユニット106bおよびランプユニット106cとして同一構成のものが用いられているが、第2の実施形態の車両用前照灯では、代わりに、例えばランプユニット106aおよびランプユニット106bとしてロービーム用ランプユニットを用い、ランプユニット106cとしてハイビーム用ランプユニットを用いることも可能である。
【0057】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1〜図3に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106cが左右方向(図1および図2の左右方向)に配列されている。
【0058】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1および図2に示すように、左端のランプユニット106aとブラケット105とが、3本の光軸調整ボルト111aを介して接続されている。詳細には、3本の光軸調整ボルト111aが、ブラケット105に対して回転可能にブラケット105に支持されている。また、3本の光軸調整ボルト111aの雄ねじ部が、ランプユニット106aのヒートシンク5(図4参照)のベース部5b(図4参照)およびサブベース部5f1,5f2(図4参照)に形成された雌ねじ部と螺合せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、左端のランプユニット106aとブラケット105とを接続している3本の光軸調整ボルト111aのいずれかを回転させることにより、左端のランプユニット106aをブラケット105に対して回動させることができる。その結果、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、左端のランプユニット106aの光軸CLaを上下左右方向に個別に調整することができる。
【0059】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1〜図3に示すように、右端のランプユニット106cとブラケット105とが、3本の光軸調整ボルト111cを介して接続されている。詳細には、3本の光軸調整ボルト111cが、ブラケット105に対して回転可能にブラケット105に支持されている。また、3本の光軸調整ボルト111cの雄ねじ部が、ランプユニット106cのヒートシンク5(図4参照)のベース部5b(図4参照)およびサブベース部5f1,5f2(図4参照)に形成された雌ねじ部と螺合せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、右端のランプユニット106cとブラケット105とを接続している3本の光軸調整ボルト111cのいずれかを回転させることにより、右端のランプユニット106cをブラケット105に対して回動させることができる。その結果、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、右端のランプユニット106cの光軸CLcを上下左右方向に個別に調整することができる。
【0060】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1および図2に示すように、中央のランプユニット106bとブラケット105とが、光軸調整ボルトを介することなく接続されている。詳細には、ランプユニット106a,106cのように光軸調整ボルト111a,111cによってブラケット105に橋絡されるのではなく、中央のランプユニット106bとブラケット105とが、ねじ120によって結合されている。
【0061】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1〜図3に示すように、ブラケット105と車両用前照灯ハウジング101とが、エイミングスクリュー104および玉継手107を介して接続されている。詳細には、2本のエイミングスクリュー104が、車両用前照灯ハウジング101に対して回転可能に車両用前照灯ハウジング101に支持されている。また、2本のエイミングスクリュー104の雄ねじ部が、ブラケット105に形成された雌ねじ部と螺合せしめられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、2本のエイミングスクリュー104の一方あるいは両方を回転させることにより、中央のランプユニット106bおよびブラケット105を車両用前照灯ハウジング101に対して回動させることができる。その結果、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、中央のランプユニット106bの光軸CLbを上下左右方向に個別に調整することができる。
【0062】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、3個のランプユニット106a,106b,106cのそれぞれの光軸CLa,CLb,CLcを個別に調整することができる。
【0063】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4および図5に示すように、LED光源1と、LED光源1からの光を反射するためのリフレクタ2と、リフレクタ2からの光の一部を遮るためのシェード3と、シェード3によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ4と、LED光源1が発生した熱を放熱するためのヒートシンク5とが、ランプユニット106a,106b,106cに設けられている。
【0064】
詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4および図5に示すように、リフレクタ2を構成する部材と、シェード3およびレンズホルダを構成する部材と、投影レンズ4とが、例えば溶着によって相互に接続され、組立体11を構成している。更に、LED光源1が搭載されている基板6が、例えばねじ止めによってヒートシンク5のLED光源取り付け部5aに取り付けられ、組立体12を構成している。
【0065】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(B)に示すように、LED光源1(図5(A)参照)を支持するためにLED光源1の下側(図5(A)の下側)に配置されているLED光源取り付け部5aが、概略板状に構成されている。更に、LED光源取り付け部5aの根元部分5a1から上側(図6(B)の上側)に延びている概略板状のベース部5bが、ヒートシンク5に設けられている。
【0066】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(A)、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源取り付け部5aの下面から下側(図6(B)および図6(C)の下側)に延びると共に、ベース部5bの後面から後側(図6(A)の上側、図6(B)の右上側)に延びており、ベース部5bと概略直交する概略板状の複数の放熱フィン部5cが、ヒートシンク5に設けられている。
【0067】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図5(A)、図6(A)および図6(B)に示すように、LED光源1が発生した熱の一部が、LED光源1の下側に配置されているLED光源取り付け部5aに伝熱され、次いで、LED光源取り付け部5aの根元部分5a1から上側に延びているベース部5bに伝熱され、次いで、ベース部5bの後面から後側に延びている放熱フィン部5cに伝熱され、放熱フィン部5cから放熱される。
【0068】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図5(A)、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源1が発生した熱の一部が、LED光源1の下側に配置されているLED光源取り付け部5aに伝熱され、次いで、LED光源取り付け部5aの下面から下側に延びている放熱フィン部5cに伝熱され、放熱フィン部5cから放熱される。
【0069】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1、図2および図4に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106cのそれぞれにヒートシンク5が設けられている。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ヒートシンクが各ランプユニットに個別に設けられていない特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯よりも、各ランプユニット106a,106b,106cのLED光源1が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0070】
ところで、図1および図2に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106cを左右方向に配列すると、左端のランプユニット106aのヒートシンク5からの放熱効率および右端のランプユニット106cのヒートシンク5からの放熱効率に比べ、中央のランプユニット106bのヒートシンク5からの放熱効率が低くなってしまうおそれがある。
【0071】
この点に鑑み、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1に示すように、左端のランプユニット106aおよび右端のランプユニット106cのように光軸調整ボルト111a,111cを介してブラケット105に橋絡されるのではなく、中央のランプユニット106bが、光軸調整ボルトを介することなくブラケット105に接続されている。
【0072】
つまり、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1および図2に示すように、中央のランプユニット106bのLED光源1(図4参照)が発生した熱の一部が、ブラケット105に伝熱され、ブラケット105から放熱される。そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、中央のランプユニット106bが光軸調整ボルトを介してブラケット105に接続されている場合よりも、中央のランプユニット106bのLED光源1が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0073】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1に示すように、中央のランプユニット106bとブラケット105との間に、例えば熱伝導性シート、熱伝導性グリス等のような熱伝導性部材112が配置されている。つまり、中央のランプユニット106bとブラケット105とによって熱伝導性部材112が狭持されている。更に、図1および図2に示すように、ランプユニット106bとブラケット105とが、ねじ120によって結合されている。それにより、ランプユニット106bとブラケット105とが熱的に接続されている。
【0074】
そのため、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット106bとブラケット105との間に熱伝導性部材112が配置されていない場合よりも、ランプユニット106bからブラケット105への伝熱効率を向上させることができる。
【0075】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット106bおよびブラケット105がねじ120によって熱伝導性部材112に対して押圧されていない場合よりも、ランプユニット106bからブラケット105への伝熱効率を向上させることができる。
【0076】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図5(B)および図6(C)に示すように、隣接する放熱フィン部5cの間に形成される空気通路5dが、ベース部5bの前側(図5(B)の下側、図6(C)の手前側)と後側(図5(B)の上側、図6(C)の奥側)とで連通(貫通)せしめられている。
【0077】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図4および図5(B)に示すように、フック11aおよびねじ11bによって、組立体11と組立体12とが結合されている。詳細には、図4、図5(B)および図6に示すように、組立体11のフック11aと係合するための突起5gと、ねじ11bと螺合するためのねじ穴5eとが、ヒートシンク5に形成されている。
【0078】
更に詳細には、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(C)に示すように、ねじ穴5eが、LED光源1(図4参照)を含む鉛直面Pに対して左右方向(図6(C)の左右方向)にずらした位置に形成されている。
【0079】
また、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源1(図4参照)を含む鉛直面Pよりも左側の複数の放熱フィン部5cを橋絡するためのサブベース部5f1が、LED光源1を含む鉛直面Pよりも左側の複数の放熱フィン部5cの前下縁部に形成されている。更に、LED光源1を含む鉛直面Pよりも右側の複数の放熱フィン部5cを橋絡するためのサブベース部5f2が、LED光源1を含む鉛直面Pよりも右側の複数の放熱フィン部5cの前下縁部に形成されている。
【0080】
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源1(図4参照)を含む鉛直面Pよりも左側の複数の放熱フィン部5cがサブベース部5f1によって互いに橋絡され、LED光源1を含む鉛直面Pよりも右側の複数の放熱フィン部5cがサブベース部5f2によって互いに橋絡されている。
【0081】
更に、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源1(図4参照)を含む鉛直面P上の放熱フィン部5cとサブベース部5f1とが離間せしめられている。また、LED光源1を含む鉛直面P上の放熱フィン部5cとサブベース部5f2とが離間せしめられている。
【0082】
換言すれば、第1の実施形態の車両用前照灯100では、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源1(図4参照)を含む鉛直面P上の放熱フィン部5cの左側(図6(C)の左側)の空気通路5dが、サブベース部5f1の前側(図6(C)の手前側)と後側(図6(C)の奥側)とで連通せしめられている。また、LED光源1を含む鉛直面P上の放熱フィン部5cの右側(図6(C)の右側)の空気通路5dが、サブベース部5f2の前側(図6(C)の手前側)と後側(図6(C)の奥側)とで連通せしめられている。
【0083】
第1の実施形態の車両用前照灯100では、図1および図2に示すように、左端のランプユニット106aと右端のランプユニット106cとの間の中央のランプユニット106bとして1個のランプユニット106bが設けられているが、第3の実施形態の車両用前照灯では、代わりに、左端のランプユニットと右端のランプユニットとの間の中央のランプユニットとして、複数個のランプユニットを設けることも可能である。詳細には、第3の実施形態の車両用前照灯では、複数個の中央のランプユニットのうち、1個のランプユニットが、第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット106bのように、光軸調整ボルトを介することなくブラケットに接続されている。また、複数個の中央のランプユニットのうち、他のランプユニットが、第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット106a,106cのように、光軸調整ボルトを介してブラケットに接続されている。
【0084】
以下、本発明の車両用前照灯の第4の実施形態について説明する。図7は第4の実施形態の車両用前照灯100の要部の部分断面平面図、図8は第4の実施形態の車両用前照灯100の要部の正面図、図9は第4の実施形態の車両用前照灯100の要部の部分断面右側面図である。
【0085】
第4の実施形態の車両用前照灯100では、ランプユニット106a、ランプユニット106bおよびランプユニット106cとして、図4〜図6に示した第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット106a,106b,106cと同一構成のものが用いられている。第5の実施形態の車両用前照灯では、代わりに、例えばランプユニット106aおよびランプユニット106bとしてロービーム用ランプユニットを用い、ランプユニット106cとしてハイビーム用ランプユニットを用いることも可能である。
【0086】
第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7〜図9に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106c(図4参照)が、車両用前照灯ハウジング101とカバーレンズ102とによって画定される灯室103内に配置されている。
【0087】
詳細には、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7〜図9に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106cが上下方向(図8および図9の上下方向)に配列されている。
【0088】
更に、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図8および図9に示すように、下端のランプユニット106aとブラケット105とが、3本の光軸調整ボルト111aを介して接続されている。詳細には、3本の光軸調整ボルト111aが、ブラケット105に対して回転可能にブラケット105に支持されている。また、3本の光軸調整ボルト111aの雄ねじ部が、ランプユニット106aのヒートシンク5(図4参照)のベース部5b(図4参照)およびサブベース部5f1,5f2(図4参照)に形成された雌ねじ部と螺合せしめられている。そのため、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、下端のランプユニット106aとブラケット105とを接続している3本の光軸調整ボルト111aのいずれかを回転させることにより、下端のランプユニット106aをブラケット105に対して回動させることができる。その結果、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、下端のランプユニット106aの光軸CLaを上下左右方向に個別に調整することができる。
【0089】
また、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図8および図9に示すように、中央のランプユニット106bとブラケット105とが、3本の光軸調整ボルト111bを介して接続されている。詳細には、3本の光軸調整ボルト111bが、ブラケット105に対して回転可能にブラケット105に支持されている。また、3本の光軸調整ボルト111bの雄ねじ部が、ランプユニット106bのヒートシンク5(図4参照)のベース部5b(図4参照)およびサブベース部5f1,5f2(図4参照)に形成された雌ねじ部と螺合せしめられている。そのため、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、中央のランプユニット106bとブラケット105とを接続している3本の光軸調整ボルト111bのいずれかを回転させることにより、中央のランプユニット106bをブラケット105に対して回動させることができる。その結果、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、中央のランプユニット106bの光軸CLbを上下左右方向に個別に調整することができる。
【0090】
更に、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7〜図9に示すように、上端のランプユニット106cとブラケット105とが、光軸調整ボルトを介することなく接続されている。詳細には、ランプユニット106a,106bのように光軸調整ボルト111a,111bによってブラケット105に橋絡されるのではなく、上端のランプユニット106bとブラケット105とが、ねじ120によって結合されている。
【0091】
また、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7〜図9に示すように、ブラケット105と車両用前照灯ハウジング101とが、エイミングスクリュー104および玉継手107を介して接続されている。詳細には、2本のエイミングスクリュー104が、車両用前照灯ハウジング101に対して回転可能に車両用前照灯ハウジング101に支持されている。また、2本のエイミングスクリュー104の雄ねじ部が、ブラケット105に形成された雌ねじ部と螺合せしめられている。そのため、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、2本のエイミングスクリュー104の一方あるいは両方を回転させることにより、上端のランプユニット106cおよびブラケット105を車両用前照灯ハウジング101に対して回動させることができる。その結果、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、上端のランプユニット106cの光軸CLcを上下左右方向に個別に調整することができる。
【0092】
つまり、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、3個のランプユニット106a,106b,106cのそれぞれの光軸CLa,CLb,CLcを個別に調整することができる。
【0093】
また、第4の実施形態の車両用前照灯100では、第1の実施形態の車両用前照灯100と同様に、図4および図5に示すように、LED光源1と、LED光源1からの光を反射するためのリフレクタ2と、リフレクタ2からの光の一部を遮るためのシェード3と、シェード3によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ4と、LED光源1が発生した熱を放熱するためのヒートシンク5とが、ランプユニット106a,106b,106cに設けられている。
【0094】
詳細には、第4の実施形態の車両用前照灯100では、第1の実施形態の車両用前照灯100と同様に、図5(A)、図6(A)および図6(B)に示すように、LED光源1が発生した熱の一部が、LED光源1の下側に配置されているLED光源取り付け部5aに伝熱され、次いで、LED光源取り付け部5aの根元部分5a1から上側に延びているベース部5bに伝熱され、次いで、ベース部5bの後面から後側に延びている放熱フィン部5cに伝熱され、放熱フィン部5cから放熱される。
【0095】
また、第4の実施形態の車両用前照灯100では、第1の実施形態の車両用前照灯100と同様に、図5(A)、図6(B)および図6(C)に示すように、LED光源1が発生した熱の一部が、LED光源1の下側に配置されているLED光源取り付け部5aに伝熱され、次いで、LED光源取り付け部5aの下面から下側に延びている放熱フィン部5cに伝熱され、放熱フィン部5cから放熱される。
【0096】
つまり、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図4および図7〜図9に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106cのそれぞれにヒートシンク5が設けられている。そのため、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、ヒートシンクが各ランプユニットに個別に設けられていない特開2005−235431号公報に記載された車両用前照灯よりも、各ランプユニット106a,106b,106cのLED光源1が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0097】
ところで、図8および図9に示すように、3個のランプユニット106a,106b,106cを上下方向に配列すると、下端のランプユニット106aのヒートシンク5からの放熱効率および中央のランプユニット106bのヒートシンク5からの放熱効率に比べ、上端のランプユニット106cのヒートシンク5からの放熱効率が低くなってしまうおそれがある。
【0098】
この点に鑑み、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7および図9に示すように、下端のランプユニット106aおよび中央のランプユニット106cのように光軸調整ボルト111a,111bを介してブラケット105に橋絡されるのではなく、上端のランプユニット106cが、光軸調整ボルトを介することなくブラケット105に接続されている。
【0099】
つまり、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7および図9に示すように、上端のランプユニット106cのLED光源1(図4参照)が発生した熱の一部が、ブラケット105に伝熱され、ブラケット105から放熱される。そのため、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、上端のランプユニット106cが光軸調整ボルトを介してブラケット105に接続されている場合よりも、上端のランプユニット106cのLED光源1が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
【0100】
更に、第4の実施形態の車両用前照灯100では、図7および図9に示すように、上端のランプユニット106cとブラケット105との間に、例えば熱伝導性シート、熱伝導性グリス等のような熱伝導性部材112が配置されている。つまり、上端のランプユニット106cとブラケット105とによって熱伝導性部材112が狭持されている。更に、図7〜図9に示すように、ランプユニット106cとブラケット105とが、ねじ120によって結合されている。それにより、ランプユニット106cとブラケット105とが熱的に接続されている。
【0101】
そのため、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット106cとブラケット105との間に熱伝導性部材112が配置されていない場合よりも、ランプユニット106cからブラケット105への伝熱効率を向上させることができる。
【0102】
更に、第4の実施形態の車両用前照灯100によれば、ランプユニット106cおよびブラケット105がねじ120によって熱伝導性部材112に対して押圧されていない場合よりも、ランプユニット106cからブラケット105への伝熱効率を向上させることができる。
【0103】
第4の実施形態の車両用前照灯100では、図8および図9に示すように、下端のランプユニット106aと上端のランプユニット106cとの間の中央のランプユニット106bとして1個のランプユニット106bが設けられているが、第6の実施形態の車両用前照灯では、代わりに、下端のランプユニットと上端のランプユニットとの間の中央のランプユニットとして、複数個のランプユニットを設けることも可能である。詳細には、第6の実施形態の車両用前照灯では、複数個の中央のランプユニットのすべてが、第1の実施形態の車両用前照灯100のランプユニット106bのように、光軸調整ボルトを介してブラケットに接続されている。
【0104】
第7の実施形態では、第1から第6の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の車両用前照灯は、例えばヘッドランプ、フォグランプ、デイタイムランニングランプ等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】第1の実施形態の車両用前照灯100の部分断面平面図である。
【図2】図2は第1の実施形態の車両用前照灯100の正面図である。
【図3】図3は第1の実施形態の車両用前照灯100の部分断面右側面図である。
【図4】図4は図1〜図3に示した第1の実施形態の車両用前照灯100に適用されているランプユニット106a,106b,106cの斜視図である。
【図5】図5は図4に示したランプユニット106aの断面図である。
【図6】図6は図4に示したランプユニット106a,106b,106cの一部を構成するヒートシンク5の拡大部品図である。
【図7】図7は第4の実施形態の車両用前照灯100の要部の部分断面平面図である。
【図8】図8は第4の実施形態の車両用前照灯100の要部の正面図である。
【図9】図9は第4の実施形態の車両用前照灯100の要部の部分断面右側面図である。
【符号の説明】
【0107】
1 LED光源
2 リフレクタ
3 シェード
4 投影レンズ
5 ヒートシンク
5a LED光源取り付け部
5a1 根元部分
5b ベース部
5c 放熱フィン部
5d 空気通路
5e ねじ穴
5f1,5f2 サブベース部
11 組立体
11a フック
11b ねじ
12 組立体
100 車両用前照灯
101 車両用前照灯ハウジング
102 カバーレンズ
104 エイミングスクリュー
105 ブラケット
106a,106b,106c ランプユニット
111a,111b,111c 光軸調整ボルト
112 熱伝導性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源(1)と、LED光源(1)からの光を反射するためのリフレクタ(2)と、リフレクタ(2)からの光の一部を遮るためのシェード(3)と、シェード(3)によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ(4)と、LED光源(1)が発生した熱を放熱するためのヒートシンク(5)とを具備するランプユニット(106a,106b,106c)を3個以上設け、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)とブラケット(105)とを接続し、
ブラケット(105)と車両用前照灯ハウジング(101)とをエイミングスクリュー(104)を介して接続した車両用前照灯(100)において、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)を左右方向に配列し、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、左端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とを光軸調整ボルト(111a)を介して接続し、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、右端のランプユニット(106c)とブラケット(105)とを光軸調整ボルト(111c)を介して接続し、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、左端のランプユニット(106a)と右端のランプユニット(106c)との間に配置されている1個のランプユニット(106b)とブラケット(105)とを、光軸調整ボルトを介することなく接続したことを特徴とする車両用前照灯(100)。
【請求項2】
光軸調整ボルトを介することなく接続されるランプユニット(106b)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)を配置し、
ランプユニット(106b)とブラケット(105)とをねじ止めによって結合することにより、
ランプユニット(106b)とブラケット(105)とを熱的に接続したことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
LED光源(1)と、LED光源(1)からの光を反射するためのリフレクタ(2)と、リフレクタ(2)からの光の一部を遮るためのシェード(3)と、シェード(3)によって遮られなかった光を投影するための投影レンズ(4)と、LED光源(1)が発生した熱を放熱するためのヒートシンク(5)とを具備するランプユニット(106a,106b,106c)を3個以上設け、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)とブラケット(105)とを接続し、
ブラケット(105)と車両用前照灯ハウジング(101)とをエイミングスクリュー(104)を介して接続した車両用前照灯(100)において、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)を上下方向に配列し、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、下端のランプユニット(106a)とブラケット(105)とを光軸調整ボルト(111a)を介して接続し、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、下端のランプユニット(106a)と上端のランプユニット(106c)との間に配置されているランプユニット(106b)とブラケット(105)とを、光軸調整ボルト(111b)を介して接続し、
3個以上のランプユニット(106a,106b,106c)のうち、上端のランプユニット(106c)とブラケット(105)とを、光軸調整ボルトを介することなく接続したことを特徴とする車両用前照灯(100)。
【請求項4】
光軸調整ボルトを介することなく接続されるランプユニット(106c)とブラケット(105)との間に熱伝導性部材(112)を配置し、
ランプユニット(106c)とブラケット(105)とをねじ止めによって結合することにより、
ランプユニット(106c)とブラケット(105)とを熱的に接続したことを特徴とする請求項3に記載の車両用前照灯。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−211966(P2009−211966A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54290(P2008−54290)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】