説明

車両用天井材および車両用天井材の製造方法

【課題】 生産性向上を実現でき、吸音性能を高めることができる車両用天井材および車両用天井材の製造方法を提供する。
【解決手段】 車両用天井材20は、基材と、基材の表面側に設けられ車室内の天井面を形成する表皮層と、基材の裏面側に設けられる補強用の繊維層と、繊維層の裏面に付着させた接着剤と、接着剤により繊維層に接着される通気止め用の裏面層32と、基材と裏面層32の間に設けられる裏面層よりも幅狭の接着防止層33と、を積層し、ホットプレス成形で一体化してなる天井材であり、ホットプレス成形時に、接着防止層33および裏面層32を表皮層側に凹ませた後、裏面層32の凹みを戻すことで接着防止層33と裏面層32の間に形成される空間層38を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用天井材および車両用天井材の製造方法に関し、より詳細には、車両用天井材に空間層を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
基材の表面側に表皮層を有し、基材の裏面側に裏面層を有する車両用天井材において、基材と裏面層の間に断熱用の空間層を形成する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示される車両用内装材は、基材、表皮層および赤外線反射シート(裏面層)を有する。基材の裏面には、複数の支持突部が設けられており、複数の支持突部に赤外線反射シートが接着される。これにより、基材と赤外線反射シートの間には、空間層が形成される。
【0004】
強い日差しによって車両のルーフが温められると、ルーフが熱源となって赤外線を放射する。赤外線の大半は、赤外線反射シートによって反射される。このとき、赤外線反射シートは、赤外線の一部を吸収して熱を帯びるが、空間層の断熱作用により、基材および表皮層への熱の伝達が抑制される。結果、車室内の温度上昇を抑制することができる。
【0005】
このような空間層を有する車両用天井材の製造方法を図9に基づいて説明する。
図9は、従来の製造方法を説明する図であり、(a)に示すように、先ず、基材101、表皮層102、および接着層を兼ねる繊維層103,104を積層し、上型105および下型106で挟み、ホットプレス成形を行う。上型105の成形面には、複数の凸部107が設けられる。なお、符号108は、繊維層104が上型105に接着することを防ぐ離型用の層である。
【0006】
図9(b)に示すように、成形された成形品110には、凸部107によって複数の凹部111が形成される、複数の凹部111により形成される複数の凸部には、接着剤112が塗布される。
【0007】
そして、図9(c)に示すように、成形品110の凸部側に裏面層113を重ね、上型114および下型115で挟み、成形品110の凸部に裏面層113を接着する。これにより、図9(d)に示すように、空間層116を有する車両用天井材100を得ることができる。
【0008】
ところで、車両用天井材のコスト低減が求められる中、車両用天井材の生産性向上が求められている。このため、より少ない工数で車両用天井材を製造できる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−113513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、空間層を有する車両用天井材の場合、上述した従来の製造方法では、成形品110に凹部111を形成する成形工程に加え、成形品110に裏面層113を接着する接着工程を必要とする。この接着工程を省略できれば、生産性が格段に向上し、しかも接着剤の使用量を削減できる。よって、接着工程を必要としない空間層の形成技術が望まれる。
【0011】
また、一般に車両用天井材は、断熱性能と共に吸音性能を有するが、近年、車両用天井材には、より優れた吸音性能が求められている。しかし、特許文献1に開示される車両用内装材では、吸音性能が基材の発泡密度や各層の厚みで決まるため、さらなる吸音性能の向上は容易でない。
【0012】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、生産性向上を実現でき、吸音性能を高めることができる車両用天井材および車両用天井材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両用天井材は、基材と、前記基材の表面側に設けられ車室内の天井面を形成する表皮層と、前記基材の裏面側に設けられる補強用の繊維層と、前記繊維層の裏面に付着させた接着剤と、前記接着剤により前記繊維層に接着される通気止め用の裏面層と、を有する車両用天井材において、前記繊維層と前記裏面層との間に、前記裏面層よりも幅狭の接着防止層を有し、前記接着防止層と前記裏面層との間に、前記表皮層側に凹む空間層を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の車両用天井材の製造方法は、基材と、前記基材の表面側に設けられ車室内の天井面を形成する表皮層と、前記基材の裏面側に設けられる補強用の繊維層と、前記繊維層の裏面に付着させた接着剤と、前記接着剤により前記繊維層に接着される通気止め用の裏面層と、前記繊維層と前記裏面層の間に設けられる前記裏面層よりも幅狭の接着防止層と、を積層し、積層した成形素材を成形金型で挟んでホットプレス成形を行い、成形品を得る車両用天井材の製造方法であって、前記表皮層側を成形する第1の金型と、前記第1の金型に向けて突出する凸部を有して前記裏面層側を成形する第2の金型と、を備える成形金型を用い、前記成形素材を前記第1の金型と前記第2の金型で挟み、前記凸部により、前記成形素材を前記裏面層側から前記表皮層側に凹ませ、前記接着防止層の凹みを前記繊維層に接着した後、前記成形品の離型により前記裏面層を前記凸部から解放することで、前記裏面層の凹みを前記接着防止層の凹みから離れる方向に戻し、このように戻した裏面層と前記接着防止層の凹みとの間を空間層としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、生産性向上を実現でき、吸音性能を高めることができる車両用天井材および車両用天井材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる第1実施形態の車両用天井材を備える車両の斜視図である。
【図2】図1のC矢視図であり、車両用天井材の平面図である。
【図3】第1実施形態の車両用天井材の層構成を説明する断面図である。
【図4】第1実施形態の車両用天井材の製造方法を説明する図であり、(a)は素材準備工程を説明する図、(b)は成形工程を説明する図である。
【図5】凸部の作用を説明する図であり、(a)は図4(b)のD部拡大図、(b)は離型時の凸部の作用を説明する図、(c)は成形後の裏面層の形態を説明する図である。
【図6】第1実施形態の車両用天井材の平面図であり、接着領域、非接着領域および空間層それぞれの位置を説明する図である。
【図7】第2実施形態の車両用天井材の製造方法を説明する図である。
【図8】第2実施形態の車両用天井材の平面図である。
【図9】従来の車両用天井材の製造方法を説明する図であり、(a)は成形工程を説明する図、(b)は成形品の断面図、(c)は接着工程を説明する図、(d)は車両用天井材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための第1実施形態について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、左・右は、車両の進行方向に対する左・右とする。また、天井材の各層の表面は、車室に向く側の面とし、各層の裏面は、車両のルーフに向く側の面とする。
【0018】
図1に示すように、車両10は、車体11、前輪12、後輪13、車室14を備える。車体11は、車室14の上方を覆うルーフ15を備える。ルーフ15の内側には、車室14の天井面を内装する車両用天井材20が設けられる。
【0019】
図2に示すように、天井材20は、平面視で略長方形を呈しており、前部21が略平板状に形成される。前部21よりも後方部分には、中央に行くに従って高くなる湾曲部22が形成される。天井材20には、室内灯(いわゆるルームランプやマップランプなど)を取り付けるための開口部23や、サンバイザーを取り付けるための開口部24や、グリップを取り付けるための開口部25が設けられる。
【0020】
次に、天井材20の層構成を図3に基づいて説明する。
図3に示すように、天井材20は、基材26と、基材26を挟むように配設される補強用の表面側繊維層27および裏面側繊維層28と、表面側繊維層27の表面に設けられ車室14(図1参照)内の天井面を形成する表皮層31と、裏面側繊維層28の裏面に接着される通気止め用の裏面層32と、を積層してなる。そして、裏面側繊維層28と裏面層32との間には、裏面側繊維層28よりも面積の小さい幅狭の接着防止層33が介在される。なお、図3では、製造工程における各層の位置に合わせ、上位に表皮層31を配置し、下位に裏面層32を配置している。
【0021】
基材26は、半硬質ウレタンフォーム等の発泡材料からなる。表面側繊維層27および裏面側繊維層28は、ガラスマット等の繊維材料からなり、それぞれの表裏両面には、全面に亘って接着剤S(図中、多数の黒い点で表す)が塗布される。表面側繊維層27および裏面側繊維層28のそれぞれは、天井材20を補強する補強層であると共に、表皮層31および裏面層32を基材26側に接着する接着層としての役割も果たす。
【0022】
表皮層31は、不織布、織布、ニット等の通気性の材料から任意に選択される。裏面層32は、非通気性の材料で構成され、車室内から天井材20の裏側への空気の流れを止め、表皮層31の表面に埃等が付着することを防止する。また、裏面層32は、ルーフ15(図1参照)からの赤外線を反射して車室14(図1参照)内の温度上昇を抑制するアルミ蒸着フィルム等の遮熱材料から選択することが好ましい。
【0023】
接着剤Sとしては、イソシアネート等の湿気硬化型接着剤または熱硬化性樹脂接着剤が好適である。なお、ここでは、表面側繊維層27および裏面側繊維層28に接着剤Sを塗布して表皮層31および裏面層32を接着するようにしたが、基材26に接着剤を塗布または含侵させるようにしても差し支えない。この場合、基材26に塗布または含侵させた接着剤を表面側繊維層27および裏面側繊維層28に浸透させ、表面側繊維層27の表面および裏面側繊維層28の裏面に接着剤を付着させる。この付着した接着剤によって、表面側繊維層27および裏面側繊維層28のそれぞれに表皮層31および裏面層32を接着する。
【0024】
接着防止層33の長さ寸法(車両長さ方向の長さ)は、裏面層32の長さと同程度である。接着防止層33の幅寸法(車両幅方向の寸法)W1は、裏面層32や裏面側繊維層28の幅寸法W2よりも小さく設定される。接着防止層33の材質は、紙や、合成樹脂製フィルムなど、任意の材料から選択可能であるが、ポリエステル製スパンレースに代表される各種レースや不織布、スラブウレタン等の多孔質材料など、通気性を有する材料が好ましい。
【0025】
次に、第1実施形態の天井材20の製造方法を図4、図5に基づいて説明する。
天井材20の製造方法は、成形素材を得る素材準備工程と、この成形素材を用いてホットプレス成形を行う成形工程とを含む。
【0026】
図4(a)に示すように、素材準備工程では、基材26、表面側繊維層27、裏面側繊維層28、表皮層31および裏面層32を積層させる共に、裏面側繊維層28と裏面層32の間に、接着防止層33を車両長さ方向に沿って介在させ、成形素材35を得る。このとき、接着防止層33の左右両端(車両幅方向両端)を裏面層32の両端よりも所定の幅(たとえば(W2−W1)/2)だけ中央側に位置させる。
【0027】
次に、成形素材35を成形金型40に搬送し、セットする。成形工程では、表皮層31側を成形する上型(第1の金型)41および裏面層32側を成形する下型(第2の金型)42からなる成形金型40を用いる。下型42には、上型41に向けて突出する凸部43が設けられる。
【0028】
凸部43は、平面視で略長方形に形成される。凸部43の幅寸法および長さ寸法は、それぞれ接着防止層33の幅および長さよりも小さく設定される。また、凸部43の高さ(成形面42aから突出する方向の高さ)寸法は、型締め時に、基材26の元板厚に対して基材26を10〜50%程度潰すことができる大きさに設定することが好ましい。
【0029】
図4(b)に示すように、上型41と下型42を合わせて型締めし、成形素材35を上型41と下型42で挟む。このとき、裏面層32のうち、接着防止層33よりも車両幅方向外側の左右の領域では、裏面層32と裏面側繊維層28とを接触させる。一方、左右の領域の間では、接着防止層33により裏面層32と裏面側繊維層28とを接触させないようにして、ホットプレス成形を行う。
【0030】
同時に、凸部43を用い、以下のようにして空間層を形成する。
図5(a)に示すように、成形金型を型締めしたとき、凸部43により成形素材35を裏面層32側から表皮層側に潰して凹ませる。このとき、接着防止層33の凹み36は、裏面側繊維層28に接するため、接着剤Sで裏面側繊維層28に接着される。これに対し、裏面層32の凹み37は、凸部43に押されて凹んでいるものの、接着防止層33の存在により接着されない。
【0031】
次に、成形金型を型開きした後、矢印(1)で示す方向に、成形品(天井材)を下型42から離型する。このとき、成形品から凸部43が離れると、裏面層32の凹み37が略平坦状に戻る。すなわち、凹み37は、図5(b)に示すように、凸部43から解放されると、接着防止層33の凹み36から離れる方向(矢印(2)で示す方向)に、復元する。この復元は、凹み37の弾性による作用あるいは凸部43から受ける摩擦力等の作用などにより起きる。凹み37の復元により、接着防止層33の凹み36と裏面層32との間には、空間層38が形成される。なお、図5(c)に示すように、裏面層32は、凸部43で延ばされているため、完全な平坦には復元せず、若干弛むことが考えられるが、空間層38を形成することが重要であり、弛むことは重要でない。
【0032】
ここで、接着防止層33の好適な質量について述べる。
接着防止層33の単位面積当たりの質量は、50〜100(g/m)の範囲から設定される。しかし、接着剤Sの塗布量に対し、接着防止層33の質量を小さく設定しすぎると、接着防止層33を凸部43で潰す際、接着剤Sが接着防止層の裏面33a(図5(a)参照)から染み出すおそれがある。接着剤Sが染み出すと、凹み37が接着防止層33に接着してしまう。これでは、空間層38が形成されない。そのため、接着防止層33の質量は、接着剤Sの塗布量に応じて設定することが好ましい。
【0033】
そこで、本発明者は、接着防止層33の好適な質量を調査した。調査の結果、接着防止層33の質量を、裏面側繊維層28の裏面に塗布される接着剤Sの質量よりも、40(g/m)以上大きく設定することで、接着剤Sの染み出しを防止できることを見出した。たとえば、接着剤Sにイソシアネートを用い、接着防止層33にスパンレースを用いた場合、イソシアネートの質量が17(g/m)であるとき、スパンレースの質量を57(g/m)以上に設定すれば、空間層38が良好に形成されることを確認した。
【0034】
まとめると、接着防止層33の好適な質量は、50〜100(g/m)で、かつ、裏面側繊維層28の裏面に塗布される接着剤Sの質量よりも、40(g/m)以上大きく設定されることが好適である。
【0035】
以上に説明した天井材20および製造方法によれば、図6に示すように、裏面層32は、裏面側繊維層28に接着される左右の接着領域Aと、接着が防止された非接着領域B(図中、斜線で模式的に示す領域)と、を有するようになる。
【0036】
すなわち、左右の接着領域Aでは、接着剤Sで裏面層32と裏面側繊維層28とがしっかりと接着されるが、中央側の非接着領域Bでは、接着防止層33によって、裏面層32と裏面側繊維層28とが接着されない。これにより、浮張の裏面層32が得られる。結果、裏面層32が振動可能になり、膜振動による吸音性能を天井材20に付与することができる。なお、接着防止層33の幅寸法W1を調整することにより、接着領域Aおよび非接着領域Bのそれぞれの位置や面積を調整することができる。
【0037】
また、非接着領域Bには、平面視で略長方形の空間層38が形成される。空間層38は、湾曲部22上部の広い範囲に形成される。空間層38では、裏面層32が完全に浮くため、より良好な膜振動を得ることができ、天井材20の吸音性能をより一層高めることができる。なお、空間層38は、裏面層32から表皮層側(車室側)に熱が伝わることを抑制する断熱層の役割も果たすことはもちろんである。
【0038】
また、成形工程で空間層38を同時に成形することができるので、従来の接着工程が不要になり、生産性向上を実現することができる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる第2実施形態を図7、図8に基づいて説明する。なお、前述した第1実施形態と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0040】
前述した第1実施形態では、1個の凸部を下型に設け、1つの空間層を形成したが、複数の凸部を下型に設け、複数の空間層を形成してもよい。たとえば、図7に示すように、下型42の成形面42aに複数の凸部43Aを車両幅方向および車両長さ方向に整列させて設ける。このような複数の凸部43Aを用いてホットプレス成形を行うことにより、図8に示すように、接着防止層33と裏面層32との間に、整列した複数の空間層38Aを形成することができる。
【0041】
第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の作用効果が得られることに加え、空間層38Aを複数設けることで、求められる吸音性能あるいは断熱性能に応じて、空間層の容積や位置を自由に設計することができる。
【0042】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0043】
たとえば、実施形態では、裏面層における車両幅方向両端を含む領域を接着領域としたが、接着防止層の車両長さ方向の長さを繊維層の長さよりも短く設定して、裏面層における車両長さ方向両端を含む前後の領域を接着領域としてもよい。
【0044】
また、第2の金型に設けられる凸部の個数や形状、大きさ、配置は、実施形態に限定されるものではなく、任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 車両
14 車室
20 車両用天井材
26 基材
28 裏面側繊維層(繊維層)
31 表皮層
32 裏面層
33 接着防止層
35 成形素材
36 凹み
37 凹み
38 空間層
38A 空間層
40 成形金型
41 上型(第1の金型)
42 下型(第2の金型)
43 凸部
43A 凸部
S 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の表面側に設けられ車室内の天井面を形成する表皮層と、前記基材の裏面側に設けられる補強用の繊維層と、前記繊維層の裏面に付着させた接着剤と、前記接着剤により前記繊維層に接着される通気止め用の裏面層と、を有する車両用天井材において、
前記繊維層と前記裏面層との間に、前記裏面層よりも幅狭の接着防止層を有し、
前記接着防止層と前記裏面層との間に、前記表皮層側に凹む空間層を有することを特徴とする車両用天井材。
【請求項2】
基材と、前記基材の表面側に設けられ車室内の天井面を形成する表皮層と、前記基材の裏面側に設けられる補強用の繊維層と、前記繊維層の裏面に付着させた接着剤と、前記接着剤により前記繊維層に接着される通気止め用の裏面層と、前記繊維層と前記裏面層の間に設けられる前記裏面層よりも幅狭の接着防止層と、を積層し、積層した成形素材を成形金型で挟んでホットプレス成形を行い、成形品を得る車両用天井材の製造方法であって、
前記表皮層側を成形する第1の金型と、前記第1の金型に向けて突出する凸部を有して前記裏面層側を成形する第2の金型と、を備える成形金型を用い、
前記成形素材を前記第1の金型と前記第2の金型で挟み、前記凸部により、前記成形素材を前記裏面層側から前記表皮層側に凹ませ、前記接着防止層の凹みを前記繊維層に接着した後、
前記成形品の離型により前記裏面層を前記凸部から解放することで、前記裏面層の凹みを前記接着防止層の凹みから離れる方向に戻し、このように戻した裏面層と前記接着防止層の凹みとの間を空間層としたことを特徴とする車両用天井材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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