説明

車両用情報表示装置

【課題】表示項目の表示を切替える際に切替え要因を車両の乗員に容易に認識させる。
【解決手段】車両用情報表示装置10は、単一の表示領域に複数の表示項目を重畳して表示可能かつ複数の表示項目の輝度を個別に変更して表示を切り替える表示制御部23および表示装置12を備え、複数の表示項目の優先度を記憶する記憶部22と、表示領域に既に表示されている表示項目の優先度と、表示領域に新たに表示される表示項目の優先度とを比較する優先度比較部21とを備え、表示制御部23は、優先度比較部21の比較結果に基づき、表示領域に既に表示されている表示項目から相対的に優先度が高い表示項目が変化時間に応じて表示領域に表示される場合には、変化時間経過直後に相対的に優先度が高い表示項目の輝度を一時的に所定最大輝度よりも増大させて表示領域に新たに表示される表示項目への表示領域での表示の切り替えの切り替え態様を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば通常時には予め設定された複数の表示項目を表示すると共に、操作者によるスイッチの操作に応じて表示項目を変化させ、異常時には、異常状態に対応した表示項目を、通常の表示項目よりも優先して表示する表示ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−35191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る表示ユニットによれば、優先順位に応じて表示項目が変更される際に、表示の切り替わり方が一様であるため、表示の変化が生じた要因を車両の乗員に的確に認識させることが困難であり、例えば既に表示されている表示項目に比べてより優先度が高い表示項目の表示が割り込み実行されたのか否か、あるいは、例えば既に表示されている表示項目に対応する事象が解消されたのか否かなどを報知することができないという問題が生じる。
しかも、例えば異常状態や危険状態の発生に伴い、表示項目を変更する場合であっても、表示の切り替わり方が一様であると、異常の程度や危険の程度を車両の乗員に認識させることができず、迅速に適切な対応をおこなわせることができない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、表示項目の表示を切り替える際に、切り替えの要因を車両の乗員に容易に認識させることが可能な車両用情報表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1の発明に係る車両用情報表示装置は、単一の表示領域に複数の表示項目を重畳して表示可能であり、かつ、前記複数の前記表示項目の輝度を個別に変更することにより前記表示項目の表示の切り替えを行う表示手段(例えば、実施の形態での表示制御部23および表示装置12)を備える車両用情報表示装置であって、前記表示手段により表示される前記複数の前記表示項目の優先度を予め記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での記憶部22)と、前記表示領域に既に表示されている前記表示項目の優先度と、前記表示領域に新たに表示される前記表示項目の優先度とを比較する優先度比較手段(例えば、実施の形態での優先度比較部21)とを備え、前記記憶手段は、前記優先度に応じて前記表示項目毎に設定される前記輝度の変化時間を記憶し、前記輝度は、前記表示項目の切り替え時にゼロから所定最大輝度または所定最大輝度からゼロまで徐々に変更され、前記表示手段は、前記優先度比較手段の比較結果に基づき、前記表示領域に既に表示されている前記表示項目から相対的に前記優先度が高い前記表示項目が前記変化時間に応じて前記表示領域に表示される場合には、前記変化時間経過直後に前記相対的に前記優先度が高い前記表示項目の前記輝度を一時的に前記所定最大輝度よりも増大させて前記表示領域に新たに表示される前記表示項目への前記表示領域での表示の切り替えの切り替え態様を変更する。
【0006】
また、本発明の第2の発明に係る車両用情報表示装置は、単一の表示領域に複数の表示項目を重畳して表示可能であり、かつ、前記複数の前記表示項目の輝度を個別に変更することにより前記表示項目の表示の切り替えを行う表示手段(例えば、実施の形態での表示制御部23および表示装置12)を備える車両用情報表示装置であって、前記表示手段により表示される前記複数の前記表示項目の優先度を予め記憶する記憶手段(例えば、実施の形態での記憶部22)と、前記表示領域に既に表示されている前記表示項目の優先度と、前記表示領域に新たに表示される前記表示項目の優先度とを比較する優先度比較手段(例えば、実施の形態での優先度比較部21)とを備え、前記記憶手段は、前記優先度に応じて前記表示項目毎に設定される前記輝度の変化時間を記憶し、前記輝度は、前記表示項目の切り替え時にゼロから所定最大輝度または所定最大輝度からゼロまで徐々に変更され、前記表示手段は、前記優先度比較手段の比較結果に基づき、前記表示領域に既に表示されている前記表示項目から相対的に前記優先度が高い前記表示項目が前記変化時間に応じて前記表示領域に表示される場合には、前記変化時間内に前記相対的に前記優先度が高い前記表示項目の前記輝度を一時的に所定輝度まで増大させて前記表示領域に新たに表示される前記表示項目への前記表示領域での表示の切り替えの切り替え態様を変更する。
【0007】
さらに、本発明の第3の発明に係る車両用情報表示装置では、前記表示手段は、前記輝度をゼロから前記所定最大輝度まで徐々に変更し、該輝度を一時的に増大させる際、該輝度が前記所定最大輝度に変更された時点で該輝度を一時的に増大させた後、該輝度を前記所定最大輝度へ変化させる。
【0008】
さらに、本発明の第4の発明に係る車両用情報表示装置では、前記表示手段は、前記輝度をゼロから前記所定最大輝度まで徐々に変更し、該輝度を一時的に増大させる際、該輝度が徐々に変更されている過程の中で該輝度を一時的に増大させた後、該輝度を前記所定最大輝度へ徐々に変化させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1から第4の発明に係る車両用情報表示装置によれば、表示項目を切り替える際に切り替え前後の表示項目の優先度に応じて切り替え態様(例えば、輝度の時間変化など)を変更することにより、切り替え前後の表示項目の優先度が、上昇するか、あるいは、低下するかを、車両の乗員に的確かつ直感的に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用情報表示装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る表示項目の優先度の例を示す図である。
【図3】本発明の参考技術に係る比較例および実施例での刺激強度(輝度)の時間変化の例を示す図である。
【図4】本発明の参考技術の第1変形例に係る各表示項目毎の優先度と個別切替時間との対応関係の例を示す図である。
【図5】本発明の参考技術の第1変形例に係る表示領域での表示項目の切り替えの時間変化の例を示す図である。
【図6】本発明の参考技術の第2変形例に係る表示領域での表示項目の刺激強度(輝度)の時間変化の例を示す図である。
【図7】本発明の参考技術の第3変形例に係る表示領域での表示項目の刺激強度(輝度)の時間変化の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る表示領域での表示項目の刺激強度(輝度)の時間変化の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る表示領域での表示項目の刺激強度(輝度)の時間変化の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用情報表示装置について添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
本実施の形態による車両用情報表示装置10は、例えば図1に示すように、車両状態センサ11と、表示装置12と、処理装置13とを備えて構成されている。
さらに、処理装置13は、例えば優先度比較部21と、記憶部22と、表示制御部23とを備えて構成されている。
【0013】
車両状態センサ11は、自車両の車両情報として、例えば自車両の速度(車速)を検出する車速センサや、車体に作用する加速度を検出する加速度センサや、車体の姿勢や進行方向を検出するジャイロセンサや、ヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検出するヨーレートセンサや、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号などの測位信号を受信する受信機や、例えばウィンドウォッシャー液の残量やパーキングブレーキの非解除状態やシートベルトの非着用状態などの各種の状態を検出するセンサなどを備えて構成されている。
【0014】
表示装置12は、例えば車両のフロントガラスの所定領域を表示領域として各種の表示項目を投影するヘッドアップディスプレイであって、光源および表示器およびミラー(図示略)などを備えて構成され、処理装置13から出力される制御信号に応じて、単一の表示領域に複数の表示項目を重畳して表示可能であり、かつ、複数の表示項目の刺激強度(例えば、輝度、面積、色など)を個別に変更することにより表示項目の表示の切り替えを行う。
なお、刺激強度において、輝度の増大および低下は、例えば面積の増大および減小と、例えば緑から黄、黄から赤への色の変化および赤から黄、黄から緑赤への色の変化と、に対応する。
【0015】
処理装置13の優先度比較部21は、例えば車両状態センサ11から出力される各種の車両情報に応じて、予め記憶部22に記憶されている各種の車両情報と表示項目との対応関係を参照して、表示装置12の表示領域に表示される表示項目を取得すると共に、予め記憶部22に記憶されている複数の表示項目の優先度との対応関係を参照して、表示装置12の表示領域に既に表示されている表示項目の優先度と、表示領域に新たに表示される表示項目の優先度とを比較する。
例えば図2に示すように、ウィンドウォッシャー液の残量が所定量以下であることを示すウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの表示項目と、パーキングブレーキが非解除状態であることを示すブレーキ警告灯Bの表示項目と、シートベルトが非着用状態であることを示すシートベルト非着用警告灯Cの表示項目とに対しては、順次、優先度が増大するように設定されている。
【0016】
本発明の参考技術において、表示制御部23は、優先度比較部21による比較結果に基づき、表示装置12の表示領域に既に表示されている表示項目から表示領域に新たに表示される表示項目への表示領域での表示の切り替えに要する切り替え時間を変更する。
例えば表示制御部23は、予め記憶部22に記憶されている表示の切り替え前後の表示項目の優先度の比較結果と切り替え時間との対応関係を参照して、切り替え時間を取得し、この切り替え時間に応じて表示の切り替え、つまり各表示項目の刺激強度(例えば、輝度)の変更を制御する。
【0017】
上述したように、本発明の参考技術による車両用情報表示装置10によれば、表示装置12の表示領域での表示項目が切り替えられる際に切り替え前後の表示項目の優先度に応じて切り替えに要する切り替え時間が変更される。
これにより、例えば図3(a)に示す比較例のように、切り替え前後の表示項目の優先度に拘らずに、切り替え時間TEがゼロとされて、適宜の時刻teにおいて、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと変更される場合に比べて、例えば図3(b)に示す実施例のように、切り替え前後の表示項目の優先度の比較結果に応じて、切り替え時間TEが適宜の時間tbとされ、適宜の切り替え開始時刻tb1から切り替え終了時刻tb2に亘って、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更されることにより、切り替え前後の表示項目の優先度が変化することを車両の乗員に的確かつ直感的に認識させることができる。
【0018】
以下に、上述した参考技術の第1変形例について説明する。
この第1変形例では、記憶部22は、例えば図4に示すように、優先度に応じて表示項目毎に設定される個別切替時間を記憶しており、表示制御部23は、表示領域に新たに表示される表示項目の個別切替時間に基づいて切り替え時間を設定して表示領域での表示項目の表示の切り替えを行う。
例えば図4においては、優先度が増大することに伴い、個別切替時間が短縮傾向に変化するように設定されており、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aと、ブレーキ警告灯Bと、シートベルト非着用警告灯Cとに対して、順次、各優先度pa,pb,pc(pa<pb<pc)に応じて、個別切替時間ta,tb,tc(ta>tb>tc)が設定されている。
【0019】
これに伴い、例えば図5(a)に示すように、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aからブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替え時には、新たに表示されるブレーキ警告灯Bに対して設定されている個別切替時間tbによりウィンドウォッシャー液残量警告灯Aおよびブレーキ警告灯Bの刺激強度、例えば輝度が変更され、適宜の切り替え開始時刻tb1から切り替え終了時刻tb2(tb2−tb1=tb)に亘って、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
また、例えば図5(b)に示すように、ブレーキ警告灯Bからシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替え時には、新たに表示されるシートベルト非着用警告灯Cに対して設定されている個別切替時間tcによりブレーキ警告灯Bおよびシートベルト非着用警告灯Cの刺激強度、例えば輝度が変更され、適宜の切り替え開始時刻tc1から切り替え終了時刻tc2(tc2−tc1=tc)に亘って、ブレーキ警告灯Bの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
【0020】
この第1変形例によれば、新たに表示される表示項目の優先度に応じた個別切替時間に基づいて切り替えに要する切り替え時間が設定されることから、切り替え前後の表示項目の優先度が、上昇するか、あるいは、低下するかを、車両の乗員に的確かつ直感的に認識させることができる。
【0021】
以下に、上述した参考技術の第2変形例について説明する。
この第2変形例では、記憶部22は、上述した第1変形例と同様に、例えば図4に示すように、優先度に応じて表示項目毎に設定される個別切替時間を記憶している。
そして、表示制御部23は、各表示項目毎に個別切替時間に応じて刺激強度を変更する。
【0022】
例えば図6(a)に示すように、適宜の切り替え開始時刻t1からウィンドウォッシャー液残量警告灯Aからブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替えが開始されると、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aは個別に設定されている個別切替時間taに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t3(=t1+ta)に到る期間)において輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t2(=t1+tb)に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
また、適宜の切り替え開始時刻t4からブレーキ警告灯Bからシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替えが開始されると、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t6(=t4+tb)に到る期間)において輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、シートベルト非着用警告灯Cは個別に設定されている個別切替時間tcに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t5(=t4+tc))に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
【0023】
また、例えば図6(b)に示すように、適宜の切り替え開始時刻t1からシートベルト非着用警告灯Cからブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替えが開始されると、シートベルト非着用警告灯Cは個別に設定されている個別切替時間tcに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t2(=t1+tc)に到る期間)において輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t3(=t1+tb)に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
また、適宜の切り替え開始時刻t4からブレーキ警告灯Bからウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替えが開始されると、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t5(=t4+tb)に到る期間)において輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aは個別に設定されている個別切替時間taに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t6(=t4+ta)に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
【0024】
この第2変形例によれば、各表示項目毎の優先度に応じた個別切替時間に基づいて、各表示項目毎に刺激強度が変更されることから、切り替え前後の表示項目の優先度が、上昇するか、あるいは、低下するかを、車両の乗員に的確かつ直感的に認識させることができる。
【0025】
なお、上述した第2変形例においては、例えば図7(a),(b)に示す第3変形例のように、相対的に優先度が高い表示項目が個別切替時間に応じて表示領域に表示される場合には、相対的に優先度が低い表示項目の個別切替時間に拘らずに、相対的に優先度が低い表示項目の表示領域での表示を禁止してもよい。
【0026】
例えば図7(a)に示すように、適宜の切り替え開始時刻t1から相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aから相対的に優先度が高いブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替えが開始されると、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aは個別に設定されている個別切替時間taに拘らずに表示が禁止され、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t2(=t1+tb)に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
また、適宜の切り替え開始時刻t4から相対的に優先度が低いブレーキ警告灯Bから相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替えが開始されると、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに拘らずに表示が禁止され、シートベルト非着用警告灯Cは個別に設定されている個別切替時間tcに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t5(=t4+tc))に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。
【0027】
また、例えば図7(b)に示すように、適宜の切り替え開始時刻t1から相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cから相対的に優先度が低いブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替えが開始されると、シートベルト非着用警告灯Cは個別に設定されている個別切替時間tcに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t2(=t1+tc)に到る期間)において輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更される。
そして、ブレーキ警告灯Bは、個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t3(=t1+tb)に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更されるものの、シートベルト非着用警告灯Cが表示されている期間(つまり切り替え開始時刻t1から時刻t2(=t1+tc)に到る期間)においては個別切替時間tbに拘らずに表示が禁止され、シートベルト非着用警告灯Cの表示が終了した時刻t2から時刻t3(=t1+tb)に到る期間においてのみ表示が許可される。
また、適宜の切り替え開始時刻t4から相対的に優先度が高いブレーキ警告灯Bから相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替えが開始されると、ブレーキ警告灯Bは個別に設定されている個別切替時間tbに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t5(=t4+tb)に到る期間)において輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更される。
そして、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aは、個別に設定されている個別切替時間taに亘る期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t6(=t4+ta)に到る期間)において輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更されるものの、ブレーキ警告灯Bが表示されている期間(つまり切り替え開始時刻t4から時刻t5(=t4+tb)に到る期間)においては個別切替時間taに拘らずに表示が禁止され、ブレーキ警告灯Bの表示が終了した時刻t5から時刻t6(=t4+ta)に到る期間においてのみ表示が許可される。
【0028】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、記憶部22は、例えば図8に示す第2実施例〜第5実施例のように、表示の切り替え前後の表示項目の優先度の比較結果と切り替え時間との対応関係に加えて、表示の切り替え前後の表示項目の優先度の比較結果と切り替え態様との対応関係を記憶している。
そして、表示制御部23は、優先度比較部21による比較結果に基づき、表示装置12の表示領域に既に表示されている表示項目から表示領域に新たに表示される表示項目への表示領域での表示の切り替えに要する切り替え時間を変更すると共に、表示装置12の表示領域に既に表示されている表示項目から表示領域に新たに表示される表示項目への表示領域での表示の切り替え方である切り替え態様を変更する。
【0029】
例えば図8に示す第2実施例では、相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aから相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替え時に、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度がゼロに到達し、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が所定最大輝度CMに到達した時刻t2以降において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度を一時的に所定最大輝度CMよりも増大させる。
一方、相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cから相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替え時には、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロに到達し、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMに到達した時刻t2以降において、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度を一時的に所定最大輝度CMよりも減小させる。
【0030】
また、例えば図8に示す第3実施例では、相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aから相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替え時に、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される時刻t1から時刻t2に到る期間において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度を一時的に所定輝度まで増大させる。
一方、相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cから相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替え時には、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される時刻t1から時刻t2に到る期間において、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度を一時的に所定輝度まで減小させる。
【0031】
また、例えば図8に示す第4実施例では、相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aから相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替え時に、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される時刻t1から時刻t2に到る期間において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度とウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度とが、所定最大輝度CMの1/2の値に到達するまでに要する時間を短縮させる。
一方、相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cから相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替え時には、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される時刻t1から時刻t2に到る期間において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度とウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度とが、所定最大輝度CMの1/2の値に到達するまでに要する時間を延長させる。
【0032】
また、例えば図8に示す第5実施例では、相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aから相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替え時に、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される時刻t1から時刻t2に到る期間において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度とウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度との大小が切り替わる時点でのシートベルト非着用警告灯Cの輝度とウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度とを、所定最大輝度CMの1/2の値よりも低下させる。
一方、相対的に優先度が高いシートベルト非着用警告灯Cから相対的に優先度が低いウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替え時には、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される時刻t1から時刻t2に到る期間において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度とウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度との大小が切り替わる時点でのシートベルト非着用警告灯Cの輝度とウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度とを、所定最大輝度CMの1/2の値よりも増大させる。
【0033】
なお、上述した実施の形態および第1変形例〜第3変形例は、適宜に組み合わせてもよく、例えば図9に示すように、第4変形例での第2実施例を上述した第1変形例に組み合わせた場合には、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aからブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替え時には、新たに表示されるブレーキ警告灯Bに対して設定されている個別切替時間tbによりウィンドウォッシャー液残量警告灯Aおよびブレーキ警告灯Bの刺激強度、例えば輝度が変更され、適宜の時刻t2から時刻t3(t3−t2=tb)に亘って、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。そして、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度がゼロに到達し、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度が所定最大輝度CMに到達した時刻t3以降において、ブレーキ警告灯Bの輝度が一時的に所定最大輝度CMよりも増大させられる。
また、ブレーキ警告灯Bからシートベルト非着用警告灯Cへの表示項目の切り替え時には、新たに表示されるシートベルト非着用警告灯Cに対して設定されている個別切替時間tcによりブレーキ警告灯Bおよびシートベルト非着用警告灯Cの刺激強度、例えば輝度が変更され、適宜の時刻t4から時刻t5(t5−t4=tc)に亘って、ブレーキ警告灯Bの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。そして、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロに到達し、かつ、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が所定最大輝度CMに到達した時刻t5以降において、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が一時的に所定最大輝度CMよりも増大させられる。
また、シートベルト非着用警告灯Cからブレーキ警告灯Bへの表示項目の切り替え時には、新たに表示されるブレーキ警告灯Bに対して設定されている個別切替時間tbによりシートベルト非着用警告灯Cおよびブレーキ警告灯Bの刺激強度、例えば輝度が変更され、適宜の時刻t6から時刻t7(t7−t6=tb)に亘って、シートベルト非着用警告灯Cの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。そして、シートベルト非着用警告灯Cの輝度がゼロに到達し、かつ、ブレーキ警告灯Bの輝度が所定最大輝度CMに到達した時刻t7以降において、ブレーキ警告灯Bの輝度が一時的に所定最大輝度CMよりも低下させられる。
また、ブレーキ警告灯Bからウィンドウォッシャー液残量警告灯Aへの表示項目の切り替え時には、新たに表示されるウィンドウォッシャー液残量警告灯Aに対して設定されている個別切替時間taによりブレーキ警告灯Bおよびウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの刺激強度、例えば輝度が変更され、適宜の時刻t8から時刻t9(t9−t8=ta)に亘って、ブレーキ警告灯Bの輝度が所定最大輝度CMからゼロへと徐々に変更され、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度がゼロから所定最大輝度CMへと徐々に変更される。そして、ブレーキ警告灯Bの輝度がゼロに到達し、かつ、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が所定最大輝度CMに到達した時刻t9以降において、ウィンドウォッシャー液残量警告灯Aの輝度が一時的に所定最大輝度CMよりも増大させられる。
【0034】
この変形例によれば、表示項目を切り替える際に切り替え前後の表示項目の優先度に応じて切り替え態様(例えば、輝度の時間変化など)を変更することにより、切り替え前後の表示項目の優先度が、上昇するか、あるいは、低下するかを、車両の乗員に的確かつ直感的に認識させることができる。
【符号の説明】
【0035】
10 車両用情報表示装置
12 表示装置(表示手段)
21 優先度比較部(優先度比較手段)
22 記憶部(記憶手段)
23 表示制御部(表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の表示領域に複数の表示項目を重畳して表示可能であり、かつ、前記複数の前記表示項目の輝度を個別に変更することにより前記表示項目の表示の切り替えを行う表示手段を備える車両用情報表示装置であって、
前記表示手段により表示される前記複数の前記表示項目の優先度を予め記憶する記憶手段と、
前記表示領域に既に表示されている前記表示項目の優先度と、前記表示領域に新たに表示される前記表示項目の優先度とを比較する優先度比較手段とを備え、
前記記憶手段は、前記優先度に応じて前記表示項目毎に設定される前記輝度の変化時間を記憶し、
前記輝度は、前記表示項目の切り替え時にゼロから所定最大輝度または所定最大輝度からゼロまで徐々に変更され、
前記表示手段は、前記優先度比較手段の比較結果に基づき、前記表示領域に既に表示されている前記表示項目から相対的に前記優先度が高い前記表示項目が前記変化時間に応じて前記表示領域に表示される場合には、前記変化時間経過直後に前記相対的に前記優先度が高い前記表示項目の前記輝度を一時的に前記所定最大輝度よりも増大させて前記表示領域に新たに表示される前記表示項目への前記表示領域での表示の切り替えの切り替え態様を変更することを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
単一の表示領域に複数の表示項目を重畳して表示可能であり、かつ、前記複数の前記表示項目の輝度を個別に変更することにより前記表示項目の表示の切り替えを行う表示手段を備える車両用情報表示装置であって、
前記表示手段により表示される前記複数の前記表示項目の優先度を予め記憶する記憶手段と、
前記表示領域に既に表示されている前記表示項目の優先度と、前記表示領域に新たに表示される前記表示項目の優先度とを比較する優先度比較手段とを備え、
前記記憶手段は、前記優先度に応じて前記表示項目毎に設定される前記輝度の変化時間を記憶し、
前記輝度は、前記表示項目の切り替え時にゼロから所定最大輝度または所定最大輝度からゼロまで徐々に変更され、
前記表示手段は、前記優先度比較手段の比較結果に基づき、前記表示領域に既に表示されている前記表示項目から相対的に前記優先度が高い前記表示項目が前記変化時間に応じて前記表示領域に表示される場合には、前記変化時間内に前記相対的に前記優先度が高い前記表示項目の前記輝度を一時的に所定輝度まで増大させて前記表示領域に新たに表示される前記表示項目への前記表示領域での表示の切り替えの切り替え態様を変更することを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記輝度をゼロから前記所定最大輝度まで徐々に変更し、該輝度を一時的に増大させる際、該輝度が前記所定最大輝度に変更された時点で該輝度を一時的に増大させた後、該輝度を前記所定最大輝度へ変化させることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記輝度をゼロから前記所定最大輝度まで徐々に変更し、該輝度を一時的に増大させる際、該輝度が徐々に変更されている過程の中で該輝度を一時的に増大させた後、該輝度を前記所定最大輝度へ徐々に変化させることを特徴とする請求項2に記載の車両用情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−35546(P2013−35546A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193415(P2012−193415)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【分割の表示】特願2008−25489(P2008−25489)の分割
【原出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】