説明

車両用撮像装置

【課題】 撮像手段取付部の側方又は下方の撮像範囲を照らすことができる車両用撮像装置を提供すること。
【解決手段】
撮像装置2は、車両周辺を撮像するバックモニタ用カメラ10と、バックモニタ用カメラ10の撮像範囲13を照らす光軸の異なる複数のLED22を有し、バックモニタ用カメラ10の撮像と連動するバックモニタ用ランプ20と、バックモニタ用カメラ10の撮像と連動し、バックモニタ用ランプを車両1から離間させる駆動手段30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段及び照明手段を備える車両用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両後部のライセンスプレートの近傍に設けられて車両後方を撮像する撮像手段と、車両後方を照らす照明手段とを備えた車両用撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用撮像装置では、撮像手段と照明手段とを近接配置して撮像光軸と照明光軸とを近づけることで、照明手段で照らされたときに撮像手段の撮像領域に非照明領域(影)が生じることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−145048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来装置においては、撮像手段の近傍に照明手段を設けることで撮像範囲に非照明領域(影)が生じることを抑制しているが、近年、撮像手段の撮像範囲がより広角になるにしたがって、撮像手段取付部の側方や下方の撮像範囲に非照明範囲が生じたり、場合によっては、車両のバンパーやスポイラー、ガーニッシュ等の外装部品が照明光軸上に影を作りだしてしまうことが懸念されている。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、非照明領域が生じることをより抑制できる車両用撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の課題解決手段は、撮像手段取付部に取着される車両周辺を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像範囲を照らす光軸の異なる複数の光源を有する照明手段と、前記撮像手段の撮像と連動し、前記照明手段を前記車両から離間させる駆動手段とを備える構成としたことである。
【0007】
ここで、「車両」とは、車両本体のみを含むものではなく、例えば車両ドアやトランク等も含むものとする。
【0008】
また、「撮像手段取付部に取着される」とは直接取着されるものだけではなく、間接的に取着されるものも含むものとする。
【0009】
上記構成により、照明手段は光軸の異なる複数の光源を有することで撮像手段取付部の側方又は下方を含めた広範囲を照らすことができる。また、照明手段が車両から離間することで、車両の外装部品により照明光軸上に影ができることを抑制する。
【0010】
好ましくは、前記駆動手段は、前記照明手段を保持し且つ前記車両に対して相対回動可能に支持される保持部材と、前記保持部材を前記撮像手段の撮像と連動して回動させる駆動源とを有すると良い。
【0011】
上記構成により、駆動源が照明手段を有する保持部材を回動させて車両から離間させるため、保持部材全体が突出するものに比べて、保持部材が車両から離間している際の車両の意匠性が向上する。
【0012】
好ましくは、前記駆動手段は、車両に対して直線的に相対移動可能に支持され且つ前記保持部材を回動方向へ押し出すアームを有すると良い。
【0013】
上記構成により、アームが車両に対して直線的に相対移動するため、駆動源に掛かる負荷を低減できる。
【0014】
好ましくは、前記撮像手段は、前記アームに設けられると良い。
【0015】
上記構成により、車両に対して直線的に相対移動するアームに撮像手段が取り付けられるため、撮像手段の撮像光軸の位置決め精度が向上する。
【0016】
好ましくは、前記保持部材は、車両後方に設けられるエンブレムであり、前記エンブレムは、前記車両が後退する信号に基づいて制御装置が駆動装置を制御すると良い。
【0017】
上記構成により、車両後方に設けられたエンブレム(保持部材)が車両から離間するため、新たに照明手段を設けるためのスペースを確保する必要がない。
【0018】
好ましくは、前記照明手段が車両から離間していない状態では、前記照明手段がライセンスランプとして機能すると良い。
【0019】
上記構成により、ライセンスランプと照明手段とを共用化することで、照明手段のスペースを新たに設ける必要がなくなる。
【0020】
好ましくは、前記照明手段は、前記撮像手段は前記車両に格納され、前記撮像手段の撮像と連動して車両外側に移動すると良い。
【0021】
上記構成により、撮像手段で撮像しない場合に照明手段は車両に格納されるため、車両の意匠性を向上させるとともに、照明手段に汚れが付着するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、従来に比べて非照明領域が生じることがより抑制された車両用撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両に設けられた撮像装置の使用するときの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両に設けられた撮像装置の使用するときの側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両に設けられた撮像装置の駆動手段を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両に設けられた撮像装置のブロック図である。
【図5】本発明の第1,2実施形態に係る車両に設けられた撮像装置の撮像範囲と、照明範囲と、を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両に設けられた撮像装置の使用するときの斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両に設けられた撮像装置の断面の模式図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る車両に設けられた撮像装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置2(車両用撮像装置)の使用するときの斜視図である。撮像装置2は、車両1の周辺を撮像するバックモニタ用カメラ10(撮像手段)と、バックモニタ用カメラ10の撮像範囲を照らしバックモニタ用カメラ10と連動するバックモニタ用ランプ20(照明手段)と、バックモニタ用ランプ20に設けられる5個のLED22と、バックモニタ用ランプ20を有し車両1から車両1の後方に向かって回動突出する車両1の後方に設けられるエンブレム40(保持部材)と、エンブレム40を回動させる駆動手段30(図3参照)とから構成される。ここで、車両1とは、例えば車両本体、車両ドアやトランク等である。
【0026】
図2は、本発明の第1実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置2の使用するときの側面図である。バックモニタ用ランプ20は、エンブレム40より車両1の内側に設けられており、エンブレム40よりも小さく、エンブレム40が初期位置にある状態では、車両1に格納される。また、バックモニタ用ランプ20は、エンブレム40の円周方向の下半分に設けられる光軸23Aの異なる5個のLED22(光源)を有し、中央寄りの3個のLED22は車両1の後方を、端部の2個のLED22は車両1の側方を、それぞれ照らし、照明範囲23を作る(図5参照)。なお、LED22の個数は適宜変更可能である。
【0027】
バックモニタ用カメラ10は、エンブレム40よりも小さく、エンブレム40が初期位置にある状態では、バックモニタ用ランプ20と同様に、車両1に格納される。また、バックモニタ用カメラ10は、バックモニタ用ランプ20の内側のアーム33(図3参照)に設けられ、アーム33と共に前後方向に車両1に対して相対的かつ直線的に移動する。すなわち、バックモニタ用カメラ10は、車両1の取付部1Aにアーム33を介して間接的に取着されている。また、バックモニタ用カメラ10は撮像光軸13Aを有し、1つの広角(約160〜180度)の撮像範囲13を撮像できる広角度CCDカメラである。
【0028】
図3は、本発明の第1実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置2の駆動手段30を示す説明図で、(a)は、車両1にバックモニタ用カメラ10が格納された状態であって、(b)は、撮像装置2が回動し車両1から突出した状態である。駆動手段30は、モーター31(駆動源)と、ピニオン32と、アーム33と、ラック34と、ヒンジ36と、揺動軸37と、から構成される。
【0029】
モーター31によって回転されるピニオン32は、アーム33に形成されたラック34と噛み合い、アーム33は、車両1に対して直線的に相対移動可能に設けられる。また、アーム33は、エンブレム40に当接して押動させる押動部30Aを有する。エンブレム40の車両内側部40Aは、押動部30Aが当接可能となっている。エンブレム40は、エンブレム40の車両1の上方に設けられるヒンジ36を介して、揺動軸37を回動中心として回動可能となっている。また、エンブレム40は、図示しないスプリングで車両1の前方に向かって付勢されており、車両1に当接することで初期位置に保持されている。もちろん、別途ストッパーを設けてもよい。そして、初期位置にあるエンブレム40の車両内側部40Aに、アーム33の押動部30Aが当接することにより、その分力でエンブレム40は車両1の後方に向かって回動突出する。
【0030】
図4は、本発明の第1実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置2のブロック図である。撮像装置2を制御するECU50には、バックモニタ用カメラ10と、バックモニタ用ランプ20と、駆動手段30と、シフトの位置を感知するシフトポジションセンサ51と、バックモニタ用カメラ10で撮像した映像を車内に映すモニタ52とが電気的に接続されている。シフトポジションセンサ51は、ECU50に信号53と信号54とを送信する。
【0031】
図5は、本発明の第1実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置2の撮像範囲13と、本発明の照明範囲23と、従来の照明範囲24と、非照明領域26と、を示す模式図である。従来のバックモニタ用ランプの照明範囲24(約130度)では、バックモニタ用カメラ10の撮像範囲13(約160度)をカバーできず、車両側方に非照明領域26が生じる。しかしながら、本発明の車両後方から側方にかけてのバックモニタ用ランプ20の照明範囲23(約180度)は、車両後方から側方にかけてのバックモニタ用カメラ10の撮像範囲13の全てをカバーする。
【0032】
第1実施形態の動作について説明する。図示しないオートマチックトランスミッションもしくはマニュアルトランスミッションのシフトレバーがR(リバース)に操作されると、シフトポジションセンサ51は、ECU50にシフトレバーがRに入っているという信号53を送信する。ECU50は、シフトレバーがRに入っているという信号53を受信すると、バックモニタ用カメラ10、バックモニタ用ランプ20及び駆動手段30を動作させる。駆動手段30のモーター31は、ECU50からの命令を受けて、ピニオン32を回転させ、アーム33に形成されたラック34と噛み合って、アーム33を車両1の後方に後退させる。アーム33が後退すると、エンブレム40は、アーム33に押されて、揺動軸37を中心に車両1の後方に回動突出する。バックモニタ用ランプ20は、ECU50からの命令を受けて、車両1の後方から側方にかけて照明範囲23を照らす。バックモニタ用カメラ10は、ECU50からの命令を受けて、撮像範囲13の撮像を行う。撮像した映像は、ECU50の命令で車内のモニタ52に出力される。映像を受信したモニタ52は、それまで映し出していた地図、テレビ及びDVD等の映像から切り替えて、バックモニタ用カメラ10で撮像した車両1の後方から側方にかけての撮像範囲13の映像を映し出す。
【0033】
一方、ECU50にシフトレバーがR以外に操作されると、シフトポジションセンサ51は、ECU50にシフトレバーがRに入っていないという信号54を送信する。ECU50は、シフトレバーがRに入っていないという信号54を受信すると、バックモニタ用カメラ10、バックモニタ用ランプ20及び駆動手段30を動作させる。バックモニタ用カメラ10は、ECU50からの命令を受けて撮像を止め、モニタ52は、地図、テレビ及びDVD等の映像に切り替えられて、その映像を映し出す。バックモニタ用ランプ20は、ECU50からの命令を受けて、照らすのを止める。駆動手段30のモーター31は、ECU50からの命令を受けて、ピニオン32を回転させ、アーム33に形成されたラック34と噛み合って、アーム33を車両1の前方に前進させる。アーム33が前進すると、エンブレム40は図示しないスプリングで車両1の前方に向かって付勢されて、揺動軸37を中心に車両1の前方に回動する。この結果、エンブレム40が初期位置にある状態となり、バックモニタ用カメラ10及びバックモニタ用ランプ20は、車両1内に格納される。
【0034】
このように、バックモニタ用ランプ20の点灯、バックモニタ用カメラ10の撮像及び駆動手段30(モーター31)の駆動は、互いに連動している。なお、バックモニタランプ20の点灯のタイミングは問わない。
【0035】
第1実施形態の効果について説明する。
【0036】
(1)バックモニタ用ランプ20は光軸の異なる複数のLED22を有することで車両1の後方から側方(取付部1Aの側方)にかけて広範囲を照らすことができる。また、バックモニタ用ランプ20が車両1から後方に回動突出することで、車両1の図示しないバンパーやスポイラー、ガーニッシュ等の外装部品により照明範囲23に影ができることを抑制する。よって、車両周辺を撮像するバックモニタ用カメラ10の撮像範囲を従来より広く照らすことができる。
【0037】
(2)モーター31がバックモニタ用ランプ20を有するエンブレム40を回動させて車両1から後方に突出することで、エンブレム40全体が車両1から後方に突出するものに比べて、エンブレム40が車両1から後方に突出している際の車両1の意匠性が向上する。
【0038】
(3)モーター31に駆動されるアーム33が車両1に対して直線的に相対移動するため、モーター31に掛かる負荷を低減できる。
【0039】
(4)車両1に対して直線的に相対移動するアーム33にバックモニタ用カメラ10が取り付けられるため、バックモニタ用カメラ10の撮像光軸13Aの位置決め精度が向上する。
【0040】
(5)車両後方に設けられたエンブレム40がアーム33により駆動されて車両1から後方に回動突出するため、エンブレム40全体が突出するものに比べて、エンブレム40が車両1から離間している際の車両1の意匠性が向上する。
【0041】
(6)車両後方に設けられたエンブレム40がアーム33により駆動されて車両1から後方に回動突出するため、新たにバックモニタ用ランプ20を設けるためのスペースを確保する必要がない。
【0042】
(7)バックモニタ用ランプ20は、撮像装置2を使用しない場合に車両1に格納されるため、車両1の意匠性を向上させるとともに、また、バックモニタ用ランプ20に汚れが付着するのを抑制できる。
【0043】
(8)撮像装置2は、バックモニタ用ランプ20がエンブレム40に設けられるため、バックモニタ用カメラ10とバックモニタ用ランプ20が近接配置され、撮像範囲13と照明範囲23とが近くなる。よって、バックモニタ用ランプ20で照らすときにバックモニタ用カメラ10の撮像領域に非照明領域(影)が生じることを抑制できる。
【0044】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置102の使用するときの斜視図である。第1実施形態と同一の部品、同一の構造については同一の符号を用いて説明する。撮像装置102は、車両1の周辺を撮像するバックモニタ用カメラ110(撮像手段)と、バックモニタ用カメラ110の後方を中心とした撮像範囲を照らしバックモニタ用カメラ110と連動するライセンスランプと共用である後方用バックモニタ用ランプ120(照明手段)と、バックモニタ用ランプ120に設けられる10個のLED122A(光源)と、バックモニタ用カメラ110の側方を中心とした撮像範囲を照らしバックモニタ用カメラ110と連動する側方用バックモニタ用ランプ121(照明手段)と、側方用バックモニタ用ランプ121に設けられる左右各1個のLED122B(光源)と、バックモニタ用カメラ110、と後方用バックモニタ用ランプ120及び側方用バックモニタ用ランプ121を有し車両1から車両1の後方に向かって回動する車両後方に設けられるライセンスガーニッシュ140(保持部材)と、ライセンスガーニッシュ140を回動突出させる駆動手段130(図8参照)とから構成される。なお、駆動手段130はモーター131(駆動源)を有する(図8参照)。
【0045】
図7は、本発明の第2実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置102の断面の模式図で、(a)は、初期位置にある状態であって、(b)は、撮像装置102が回動し車両1から突出した状態である。後方用バックモニタ用ランプ120は、車両1の外面を形成するライセンスガーニッシュ140よりも小さく、ライセンスガーニッシュ140が初期位置にある状態では、ライセンスプレート103を照らすライセンスランプとして機能する。この後方用バックモニタ用ランプ120は、ライセンスガーニッシュ140の内側に配置され、ライセンスガーニッシュ140の下面から照らす。ライセンスガーニッシュ140は、後方用バックモニタ用ランプ120(ライセンスランプ)を外側から覆う意匠部材である。
【0046】
後方用バックモニタ用ランプ120は、撮像装置102を使用しないときに左右5個ずつの光軸123Aが略車両下方向と同方向であるLED122Aを有し、撮像装置102を使用するときにLED122Aは、その光軸123Aが車両後方側に傾けられ、車両1の主に後方の照明範囲123を照らす。なお、各LED122Aの光軸の向きは、必ずしも一致している必要はない。
【0047】
側方用バックモニタ用ランプ121は、ライセンスガーニッシュ140よりも小さく、側方用バックモニタ用ランプ121は、ライセンスガーニッシュ140の側方側に設けられており、ライセンスガーニッシュ140が初期位置にある状態では車両1に格納される。また、側方用バックモニタ用ランプ120は、ライセンスガーニッシュ140の内側に配置され、ライセンスガーニッシュ140の側面から照らす。
【0048】
側方用バックモニタ用ランプ121は、左右1個ずつのLED122Aとは光軸の異なるLED122Bを有し、車両1の主に側方の照明範囲123上を照らす。LED122Bの光軸(図指略)は略車両車幅方向と同方向である。このように、LED122A,122Bとは協働して車両1の後方及び側方の照明範囲123を照らす。なお、LED122A,122Bの個数は適宜変更可能である。
【0049】
なお、後方用バックモニタ用ランプ120は、ライセンスランプとして機能する場合は、LED122Aの点灯個数を減らすことで明るさを調整する。
【0050】
バックモニタ用カメラ110は、車両1の外面を形成するライセンスガーニッシュ140よりも小さく、ライセンスガーニッシュ140が初期位置にある状態では、車両1に格納される。また、バックモニタ用カメラ110は、ライセンスガーニッシュ140の後方用バックモニタ用ランプ120よりも内側に設けられ、ライセンスガーニッシュ140と共に回動する。すなわち、バックモニタ用カメラ140は、車両1の取付部1Aにライセンスガーニッシュ140を介して間接的に取着されている。また、バックモニタ用カメラ110は撮像光軸113Aを有し、1つの広角(約160〜180度)に撮像できる広角度CCDカメラである。
【0051】
図8は、本発明の第2実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置102のブロック図である。撮像装置102を制御するECU50には、バックモニタ用カメラ110と、後方用バックモニタ用ランプ120と、側方用バックモニタ用ランプ121と、駆動手段130と、シフトの位置を感知するシフトポジションセンサ51と、バックモニタ用カメラ110で撮像した映像を車内に映すモニタ52とが電気的に接続されている。シフトポジションセンサ51は、ECU50に信号53と信号54とを送信する。
【0052】
図5は、本発明の第2実施形態に係る車両1に設けられた撮像装置102の撮像範囲113と、本発明の照明範囲123と、従来の照明範囲124と、非照明領域126と、を示す模式図である。従来のバックモニタ用ランプの照明範囲124(約130度)では、バックモニタ用カメラ110の撮像範囲113(約160度)をカバーできず、車両側方に非照明領域126が生じる。しかしながら、本発明の車両後方から側方にかけての各バックモニタ用ランプ120,121の照明範囲23(約180度)は、車両後方から側方にかけてのバックモニタ用カメラ110の撮像範囲113の全てをカバーする。
【0053】
本発明の第2実施形態の動作について説明する。図示しないオートマチックトランスミッションもしくはマニュアルトランスミッションのシフトレバーがR(リバース)に操作されると、シフトポジションセンサ51は、ECU50にシフトレバーがRに入っているという信号53を送信する。ECU50は、シフトレバーがRに入っているという信号53を受信すると、バックモニタ用カメラ110、後方用バックモニタ用ランプ120、側方用バックモニタ用ランプ121及び駆動手段130を動作させる。駆動手段130は、ECU50からの命令を受けて、ライセンスガーニッシュ140を車両1の後方に回動させる。後方用バックモニタ用ランプ120は、ECU50からの命令を受けて、車両1の後方から側方にかけて照明範囲123を照らす。側方用バックモニタ用ランプ121は、ECU50からの命令を受けて、車両1の後方から側方にかけて照明範囲123を照らす。バックモニタ用カメラ110は、ECU50からの命令を受けて、撮像範囲113の撮像を行う。撮像した映像は、ECU50の命令で車内のモニタ52に出力される。映像を受信したモニタ52は、それまで映し出していた地図、テレビ及びDVD等の映像から切り替えて、バックモニタ用カメラ110で撮像した車両1の後方から側方にかけての撮像範囲13の映像を映し出す。
【0054】
一方、ECU50にシフトレバーがR以外に操作されると、シフトポジションセンサ51は、ECU50にシフトレバーがRに入っていないという信号54を送信する。ECU50は、シフトレバーがRに入っていないという信号54を受信すると、バックモニタ用カメラ110、後方用バックモニタ用ランプ120、側方用バックモニタ用ランプ121及び駆動手段130とを動作させる。バックモニタ用カメラ110は、ECU50からの命令を受けて撮像を止め、モニタ52は、地図、テレビ及びDVD等の映像に切り替えられて、その映像を映し出す。後方用バックモニタ用ランプ120と、側方用バックモニタ用ランプ121とは、ECU50からの命令を受けて、照らすのを止める。駆動手段130は、ECU50からの命令を受けて、ライセンスガーニッシュ140を車両1の前方に回動させる。この結果、ライセンスガーニッシュ140が初期位置にある状態となり、バックモニタ用カメラ110は、車両1内に格納される。
【0055】
このように、各バックモニタ用ランプ120,121の点灯、バックモニタ用カメラ110の撮像及び駆動手段130(モーター131)の駆動は、互いに連動している。なお、側方用バックモニタランプ121の点灯のタイミングは問わない。また、後方用バックモニタ用ランプ120が、ライセンスランプとして機能する場合から全てのLED122Aが点灯するタイミングは問わない。
【0056】
第2実施形態の効果について説明する。
【0057】
(9)後方用バックモニタ用ランプ120は10個のLED122Aと、側方用バックモニタ用ランプ121はLED122Aと光軸の異なる2個の122Bとを有することで車両1の後方から側方にかけて広範囲を照らすことができる。また、後方用バックモニタ用ランプ120と側方用バックモニタ用ランプ121とが車両1から後方に回動突出することで、車両1の図示しない車両1の外装部品により照明範囲123に影ができることを抑制する。
【0058】
(10)車両後方に設けられたライセンスガーニッシュ140が駆動手段130により駆動されて車両1から後方に回動突出するため、ライセンスガーニッシュ140全体が突出するものに比べて、ライセンスガーニッシュ140が車両1から離間している際の車両1の意匠性が向上する。
【0059】
(11)車両後方に設けられたライセンスガーニッシュ140が駆動手段130により駆動されて車両1から後方に回動突出するため、新たに各バックモニタ用ランプ120,121を設けるためのスペースを確保する必要がない。
【0060】
(12)後方用バックモニタ用ランプ120が、ライセンスランプと後方用バックモニタ用ランプ120とを共用化することで、後方用バックモニタ用ランプ120のスペースを新たに設ける必要がなくなる。加えて、後方用バックモニタ用ランプ120の部品点数を抑制できる。
【0061】
(13)側方用バックモニタ用ランプ121は、バックモニタ用カメラ110で撮像しない場合に車両1に格納されるため、車両1の意匠性を向上させるとともに、側方用バックモニタ用ランプ121に汚れが付着するのを抑制できる。
【0062】
(14)撮像装置102は、後方用バックモニタ用ランプ120と側方用バックモニタ用ランプ121とがライセンスガーニッシュ140に設けられるため、バックモニタ用カメラ110と後方用バックモニタ用ランプ120と側方用バックモニタ用ランプ121とが近接配置され、撮像範囲113と照明範囲123とが近くなり、後方用バックモニタ用ランプ120で照らすときにバックモニタ用カメラ110の撮像領域に非照明領域(影)が生じることを抑制できる
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示す態様に変更してもよい。
【0063】
・実施形態1、2は、車両1の後方から側方にかけて撮像する撮像装置であるが、例えば車両1の前方から側方又は下方にかけて撮像する撮像装置、車両1の側方から前方又は後方にかけて撮像する撮像装置であってもよい。特に、車両1の前方から下方にかけて撮像する撮像装置の場合は、例えばバンパーの一部が車両前方に突出することでヘッドライトの下方の被照明領域を照らすことができる。
【0064】
・実施形態1、2は、シフトポジションセンサ51を用いて制御を行っているが、手動のスイッチにより制御を行っても良い。
【0065】
また、実施形態1、2では、駆動手段30、130にラックピニオンを用いているが、リンク等の別な駆動手段を用いても良い。
【0066】
・実施形態1、2では、エンブレム40、ライセンスガーニッシュ140が回動して、車両1から後方に離間するが、後方に直線的にスライドして突出しても良い。
【0067】
・実施形態1、2では、バックモニタ用ランプ20、後方用バックモニタ用ランプ120及び側方用バックモニタ用ランプ121にLEDを用いているが、例えばハロゲンランプや赤外線ランプ等を用いても良い。
【0068】
・実施形態1、2では、バックモニタ用カメラ10,110を突出する部材を介して間接的に車両1に取着したが車両1に直接取着して、バックモニタ用カメラ10,110は突出しない構成であってもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0070】
1 車両
1A 取付部(撮像手段取付部)
2 撮像装置
10 バックモニタ用カメラ(撮像手段)
13 撮像範囲
20 バックモニタ用ランプ(照明手段)
22 LED(光源)
23 照明範囲
30 駆動手段
31 モーター(駆動源)
33 アーム
40 エンブレム(保持部材)
50 ECU(制御装置)
53 信号
54 信号
102 撮像装置
110 バックモニタ用カメラ(撮像手段)
113 撮像範囲
120 後方用バックモニタ用ランプ(照明手段)
121 側方用バックモニタ用ランプ(照明手段)
122A LED(光源)
122B LED(光源)
123 照明範囲
130 駆動手段
131 モーター(駆動源)
140 ライセンスガーニッシュ(保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段取付部に取着される車両周辺を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像範囲を照らす光軸の異なる複数の光源を有する照明手段と、
前記撮像手段の撮像と連動し、前記照明手段を前記車両から離間させる駆動手段とを備える車両用撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用撮像装置において、
前記駆動手段は、前記照明手段を保持し且つ前記車両に対して相対回動可能に支持される保持部材と、前記保持部材を前記撮像手段の撮像と連動して回動させる駆動源とを有する車両用撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用撮像装置において、
前記駆動手段は、車両に対して直線的に相対移動可能に支持され且つ前記保持部材を回動方向へ押し出すアームを有する車両用撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用撮像装置において、
前記撮像手段は、前記アームに設けられる車両用撮像装置。
【請求項5】
請求項2〜4の何れか一項に記載の車両用撮像装置において、
前記保持部材は、車両後方に設けられるエンブレムであり、
前記エンブレムは、前記車両が後退する信号に基づいて制御装置が駆動装置を制御する車両用撮像装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の車両用撮像装置において、
前記照明手段が車両から離間していない状態では、前記照明手段がライセンスランプとして機能する車両用撮像装置。
【請求項7】
請求項1,2及び6の何れか一項に記載の車両用撮像装置において、
前記照明手段は、
前記撮像手段は前記車両に格納され、前記撮像手段の撮像と連動して車両外側に移動する車両用撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate