説明

車両用操作装置

【課題】回転操作部を配置するために形成された開口から進入される水や塵に対する耐被水、耐塵性能を向上できる車両用操作装置を提供すること。
【解決手段】回転操作部としてのダイアル操作部16はケースの上面部に形成された開口の直下の第一の配置スペース31に配置される。第一の配置スペース31の周囲は側壁部191〜194で囲まれている。左側壁部191及右側壁部192にはダイアル操作部16のシャフト161の径と同じ大きさの挿通孔51、52が形成されている。シャフト161が挿通孔51、52に挿通される形でダイアル操作部16が回転可能に支持される。右側壁部192の右側の第二の配置スペース32にはシャフト161の端部161bに接続されたエンコーダ板20、エンコーダ板20の回転を検出するフォトインタラプタ21及びフォトインタラプタ21が搭載された基板22が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内に設けられ、ユーザに操作される操作部を有した車両用操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、運転者の視線の移動を少なくするために、運転者の視界に近い車室内の前部(インストルメントパネル)に各種情報を表示するディスプレイを配置した車両が増えつつある。このような車両では、運転者の手がディスプレイに届き難くなり、安定したタッチ操作ができなくなる。そこで、ディスプレイに表示されるスイッチを遠隔操作できる遠隔操作装置(車両用操作装置)が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の遠隔操作装置は、運転者が容易に操作できるように、運転席のサイドのセンターコンソール上に設けられる。また、その遠隔操作装置は、ディスプレイに表示されたカーソルを移動させたりするための揺動操作される操作ノブや、特定の処理の実行を決定したりするための押下操作されるプッシュスイッチなど、ユーザに操作される操作部を有している。
【0003】
ところで、ディスプレイの操作においては、オーディオの選曲画面における選曲時のように、ユーザが所望する曲名を含む画面になるように画面を切り替えたりスクロールさせたりする送り操作が必要となる場合がある。この送り操作を遠隔操作装置で行おうとした場合、遠隔操作装置に、送り操作に適した操作部を設ける必要がある。送り操作に適した操作部として、例えば、パソコンで使用されるマウスや携帯電話に設けられるスクロールホイール等の回転操作可能な操作部を採用することが考えられる(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−214820号公報
【特許文献2】特開平10−301712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両用操作装置は、パソコンのマウスや携帯電話と異なり車室内に設けられるものであるので、以下の理由により、パソコンのマウスや携帯電話に適用されている回転操作部の構造をそのまま適用することができない。ここで、図11は、マウスや携帯電話で採用されている回転操作部の構造を説明する図である。なお、図11では、回転操作部周辺の断面図を示している。図11に示すように、回転操作部等が収容されるケース100の上面部101には開口102が形成されている。ケース100内部の配置スペース103には、開口102から一部が突出される形で円盤状(ホイール状)の回転操作部700が配置されている。回転操作部700の中心にはシャフト300が接続されており、回転操作部700の回転にともなってそのシャフト300も回転されるようになっている。そのシャフト300には、シャフト300の回転を検出するフォトインタラプタ等のデバイス400(検出部)が接続されている。そのデバイス400は、シャフト300及びそれに接続された回転操作部700を支持する支持部としても機能している。回転操作部700が配置された配置スペース103には、デバイス400を搭載した基板500も配置されている。その基板500は、デバイス400を動作させたり、デバイス400が検出したシャフト300(回転操作部700)の回転量や回転方向を示した操作信号を装置側(パソコン側)に送信したりするものである。
【0006】
以上の構造の操作装置を車両に適用した場合、第一に、耐被水性能や耐塵性能が問題となる。具体的には、開口102と回転操作部700との隙間からケース100内に水や塵が進入してしまう場合がある。この場合、デバイス400や基板500が、進入した水や塵によってダメージを受けるおそれがある。また、センターコンソール上に操作装置を設ける場合、そのセンターコンソールには飲料容器を置くためのカップホルダが設けられている場合があるので、この場合には、飲料水によって操作装置が特に被水しやすくなる。
【0007】
また、第二に、耐荷重性能が問題となる。具体的には、センターコンソール上に操作装置が設けられる場合、ユーザは、車両に乗り降りするときなどに、センターコンソールに設けられた操作装置に手を突いて操作装置に大きな荷重をかけてしまう場合があると予想される。図11の回転操作部700は、ホイール状とされており、上面部101からホイールの一部が突出されることになるので、回転操作部700に特に荷重がかかりやすい構造となっている。この場合、図11の構造では、大きな荷重を受けることを想定した構造となっていないので、回転操作部700やそれに接続されたデバイス400、基板500が破損してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、回転操作部を有した車両用操作装置において、第一に耐被水性能や耐塵性能を向上でき、第二に耐荷重性能を向上できる車両用操作装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の車両用操作装置は、内部に配置スペースを有し、上面部に第一の開口が形成されたケースと、
一部が前記第一の開口を介して露出される形で前記配置スペースに配置され、前記露出された一部が操作されることで回転される回転操作部と、
前記配置スペースに配置され、前記回転操作部の回転を検出する検出部が搭載された基板と、を備え、
前記配置スペースは、前記回転操作部が配置される第一の配置スペースと前記基板が配置される第二の配置スペースとが分離されたことを特徴とする。
【0010】
これによれば、回転操作部が配置される第一の配置スペースと基板が配置される第二の配置スペースとが分離されているので、第一の開口から水や塵が第一の配置スペースに進入したとしてもその水や塵によって基板や検出部がダメージを受けるのを防止できる。よって、耐被水性能や耐塵性能を向上できる。
【0011】
また、上記の車両用操作装置において、前記回転操作部は、前記回転操作部の回転にともなって自身の軸回りに回転されるシャフトを有し、
そのシャフトの一方の端部側において前記シャフトと接続されたエンコーダ板を備え、
前記第二の配置スペースは、前記エンコーダ板周辺の配置スペースとされ、
前記検出部は、前記エンコーダ板の回転に応じた信号を出力するものであることを特徴とする。
【0012】
これによれば、回転操作部は、回転操作部の回転にともなって自身の軸回りに回転されるシャフトを有し、そのシャフトはエンコーダ板と接続されているので、回転操作部が回転されると、シャフト及びそれに接続されたエンコーダ板も回転される。よって、検出部がエンコーダ板の回転に応じた信号を出力することで、回転操作部の回転を検出することができる。また、直接回転操作部の回転を検出するのではなく、エンコーダ板を通じて検出するという構成とすることで、第一の配置スペースと第二の配置スペースとを分離することができる。すなわち、第二の配置スペースをエンコーダ板周辺の配置スペースとすることができる。
【0013】
また、上記の車両用操作装置において、前記シャフトを支持する支持部を備え、その支持部が前記基板以外の部分に固定されたことを特徴とする。
【0014】
これによれば、シャフトを支持する支持部が基板以外の部分に固定されているので、回転操作部を介してシャフトに大きな荷重を受けたとしても基板及びそれに搭載された検出部が破損してしまうのを防止できる。よって、耐荷重性能を向上できる。
【0015】
また、その支持部は、前記シャフトが挿通される挿通孔を有し、前記第一の配置スペースと前記第二の配置スペースとを分離する壁とされたことを特徴とする。
【0016】
これによれば、支持部は、第一の配置スペースと第二の配置スペースとを分離する壁とされているので、第二の配置スペースに水や塵が進入するのを確実に防止することができる。また、支持部にはシャフトが挿通される挿通孔が形成されているので、その挿通孔を通してシャフトの端部側に接続されたエンコーダ板を第二の配置スペースに配置させることができる。よって、検出部は、挿通孔を通して支持部から突出されたエンコーダ板の回転を検出することで、回転操作部の回転を検出することができる。
【0017】
また、上記の車両用操作装置において、前記挿通孔に設けられ、前記挿通孔を通して前記第一の配置スペースから前記第二の配置スペースへの異物の進入を防止する異物進入防止手段を備えるのが好ましい。これによれば、挿通孔には異物侵入防止手段が設けられているので、挿通孔を通して第一の配置スペースから第二の配置スペースへの異物の進入を防止することができる。
【0018】
また、上記の車両用操作装置において、前記シャフトは、前記挿通孔に挿通される部分の一部に、全周に渡って径方向に突出された凸部が形成されており、
前記挿通孔は、前記シャフトの凸部に対応する部分に、前記凸部が嵌る凹部が形成されており、
前記異物進入防止手段は、前記シャフトの凸部及び前記挿通孔の凹部であることを特徴とする。
【0019】
これによれば、挿通孔においてシャフトの凸部と挿通孔の凹部が勘合されているので、仮に挿通孔の隙間に水や塵が進入したとしても、その水や塵を上記の凸部と凹部とが勘合されている部分で遮断することができる。
【0020】
また、上記の車両用操作装置において、前記第一の配置スペースには、前記ケースの前記上面部より下側の部分に第二の開口が形成されたことを特徴とする。
【0021】
これによれば、第一の配置スペースの上面部より下側の部分に第二の開口が形成されているので、第一の開口から侵入した水や塵を下側の第二の開口から排出することができる。よって、より一層、耐被水性能や耐塵性能を向上できる。
【0022】
また、上記の車両用操作装置において、前記回転操作部は、一部が前記第一の開口から突出される形で設けられた円盤状の操作部とされており、前記シャフトと、前記シャフトの外側に積層された中間層と、その中間層の外側に積層された表面層との3層構造とされ、一定以上の荷重を受けた際に前記表面層が弾性変形をするように前記表面層及び前記中間層の強度が調整されたことを特徴とする。
【0023】
これによれば、回転操作部が、シャフト、中間層及び表面層の3層構造とされているので、中間層及び表面層の強度が調整されることで、一定以上の荷重を受けた際に表面層が弾性変形をするようにできる。よって、回転操作部以外の基板や検出部等に荷重がかかるのを防止でき、その結果、基板や検出部が破損してしまうのを防止できる。
【0024】
また、前記表面層は、前記中間層よりも硬度が小さく、かつ、前記一定以上の荷重を受けた際に弾性変形をする材質で形成された層とすることができる。このように、中間層と表面層の硬度を異ならせることで、一定以上の荷重を受けた際に表面層が弾性変形される回転操作部を構成することができる。
【0025】
また、前記表面層と前記中間層とは同一の材質で一体的に形成されており、かつ、前記中間層は空隙を有する層とされたとしてもよい。このように、中間層と表面層との形状を異ならせることにより、具体的には、中間層を空隙を有する形状とすることにより、一定以上の荷重を受けた際に表面層が弾性変形される回転操作部を構成することができる。また、表面層と中間層とは同一の材質で一体的に形成されているので、回転操作部の製造工程を簡易にできる。
【0026】
また、上記の車両用操作装置において、前記ケースの底面部に設けられ、前記回転操作部が前記底面部に向かって変位した際に、前記回転操作部が一定以上変位するのを規制するストッパを備えることを特徴とする。
【0027】
これによれば、底面部にはストッパが設けられているので、回転操作部に大きな荷重がかかったとしても、そのストッパで回転操作部が一定以上変位するのを防止することができる。よって、回転操作部やシャフト等が破損してしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】車室200を示した図である。
【図2】操作本体部11の斜視図である。
【図3】上面部121の先端側121c付近の拡大図である。
【図4】ダイアル操作部16の構造を説明する図である。
【図5】荷重を受けた場合のダイアル操作部16の変形の様子を模式的に示した図である。
【図6】ダイアル操作部16周辺のケース12の内部構造を示した図である。
【図7】収容ケース19の構造を示した図である。
【図8】フォトインタラプタ21の出力信号を示した図である。
【図9】変形例1に係るダイアル操作部16を示した図である。
【図10】変形例2に係る収容ケース19の断面図である。
【図11】従来の操作装置における回転操作部周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る車両用操作装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、車両用操作装置としての遠隔操作装置10が搭載された車室200を示している。図1に示すように、車室200には、運転席250の前のインストルメントパネル部にディスプレイ1が設けられている。そのディスプレイ1には、車両走行の際に有用な各種情報が表示され、具体的には例えば、ナビゲーション装置における地図画面、目的地設定画面やオーディオにおける選曲画面が表示される。また、ディスプレイ1は、タッチセンサが配設されたタッチパネルとされており、ナビゲーション装置やオーディオ等の車載機器を操作するための各種の操作スイッチが表示される。その操作スイッチは、タッチ操作されることによって車載機器に特定の処理を実行させるスイッチとされる。操作スイッチとしては、例えば、目的地を設定するための目的地設定画面に切り替える目的地設定ボタンや目的地設定画面において目的地(文字)を入力するための文字ボタンがある。また、ディスプレイ1には、操作スイッチとして、ディスプレイ1に表示された画面を送り操作するためのスクロールバー等の送り操作スイッチも表示される。
【0030】
ディスプレイ1に表示された各操作スイッチは、遠隔操作装置10によっても操作できるようになっている。その遠隔操作装置10は、操作本体部11と遠隔操作ECU2とを備えている。操作本体部11は、運転席250と助手席(図示外)の間のセンターコンソールCB上に設けられ、運転者Pによって操作される各種操作部(図2参照)が設けられている。それら操作部が操作された場合には、その操作信号が遠隔操作ECU2に送られるようになっている。遠隔操作ECU2は、CPU、ROM、RAM等から構成され、操作本体部11から受信した操作信号に応じた処理を実行するように車載機器を制御するものである。
【0031】
ここで、図2は、操作本体部11の斜視図を示している。図2に示すように、操作本体部11は、ケース12の表面上に、複数の操作部13、14、16が配設される形で構成されている。そのケース12は、車両の前後方向に細長形状とされ、運転者Pが操作本体部11を操作する際に把持しやすいように、車両の上方に面した上面部121、車両の左側(助手席側)に面した左側面部122、及び車両の右側(運転席250側)に面した右側面部123を有した形状とされている。すなわち、パソコンのマウスの如く、運転者Pが操作本体部11を操作する際には、運転者Pの左手の掌がケース12の上面部121に、左手の小指側がケース12の左側面部122に、左手の親指側がケース12の右側面部123に位置されるように、ケース12が構成されている。なお、ケース12は例えばABS樹脂で形成されている。
【0032】
ケース12の上面部121の手前側121a(運転席250側)は掌を載せるパームレスト部とされている。また、上面部121は、パームレスト部121aより先端側において開口部121bが形成されている。その開口部121bから露出される形で操作ノブ13が設けられている。その操作ノブ13は、ケース12の内部において揺動可能に支持されている。それによって、操作ノブ13は、上面部121の面内の二次元方向に揺動操作が可能とされている。ケース12の内部には操作ノブ13の操作方向及び操作量を検出する検出部(図示外)が設けられている。操作ノブ13が操作された場合には、その検出部によって検出された操作方向及び操作量を示した操作信号が遠隔操作ECU2に送信される。そして、遠隔操作ECU2によって、例えばディスプレイ1に表示されたカーソルが操作信号に応じた位置に移動されるようになっている。
【0033】
また、ケース12の内部には、操作ノブ13に反力を付与するモータ等から構成された反力発生機構(図示外)が設けられている。その反力発生機構によって、例えばディスプレイ1に表示されたカーソルを移動させる際に操作ノブ13に反力が付与されて、操作スイッチのある位置にカーソルを引き込むようにしている。
【0034】
図3は、上面部121の先端側121c付近の拡大図を示している。なお、図3では、図3の紙面上側が車両の前方側となるように図示の方向を図2の方向から変更している。図2、図3に示すように、上面部121の先端側121cには、本発明の「第一の開口」に相当する開口15が形成されている。その開口15は、後述するダイアル操作部16の形状に合わせて矩形状(又は楕円状)に形成されている。また、開口15から円盤の円弧の一部が突出される形で、円盤状のダイアル操作部16(スクロールホイール)が設けられている。そのダイアル操作部16は、ケース12の内部においてダイアル操作部16の軸Y(図3参照)周りに回転可能に支持されている。つまり、ダイアル操作部16は、開口15から突出された部分が操作されることによって、車両前方側の方向である順方向7a及び車両後方側の方向である逆方向7bからなる一次元方向に回転操作が可能な操作部である。
【0035】
また、ダイアル操作部16は、一定量の回転操作がされるたびに操作者に対し力覚が付与されるように構成されている。その力覚を付与するためのダイアル操作部の構成は公知であるので、ここではその説明及び図示を省略する。なお、ダイアル操作部16が本発明の「回転操作部」に相当する。
【0036】
ケース12の内部には、ダイアル操作部16の操作方向及び操作量(回転量)を検出する検出部が設けられている。なお、その検出部の詳細は後述する。ダイアル操作部16が操作された場合には、検出部によって検出されたダイアル操作部16の操作方向及び操作量(回転量)を示した操作信号が遠隔操作ECU2に送信される。そして、遠隔操作ECU2によって、例えば、ディスプレイ1に表示された画面を切り替えたりスクロールさせたりする送り操作がされるようになっている。より具体的には、ダイアル操作部16が順方向7a(図3参照)に操作された場合には次の画面に進める順送り操作がされ、逆方向7b(図3参照)に操作された場合には前の画面に戻す逆送り操作がされるようになっている。また、例えばダイアル操作部16の操作量(回転量)が大きいほど、画面のスクロール量が大きくされるようになっている。
【0037】
図4は、ダイアル操作部16の構造を説明する図であり、具体的には図4(a)はダイアル操作部16の斜視図を示しており、図4(b)はダイアル操作部16のシャフト161を横から見た図を示している。図4(a)に示すように、ダイアル操作部16は、内側からシャフト161、中間層162、表面層163が順番に積層された3層構造とされている。シャフト161は、円盤状のダイアル操作部16の中心に設けられ、ダイアル操作部16の回転軸とされるものである。すなわち、シャフト161は、ダイアル操作部16の回転にともなって、自身の軸回りに回転される。そのシャフト161は金属で形成されており、本実施形態ではステンレス鋼(SUS)で形成されている。また、シャフト161は、図4(b)に示すように、その軸方向に一定の長さを有している。シャフト161の中央には、中間層162とシャフト161との固定を強固にするための突起161aが形成されている。また、シャフト161の各端部161b、161d付近にはそれぞれ全周に渡って径方向に突出された凸部161c、161eが形成されている。それら凸部161c、161eは、後述する側壁部191、192に形成された凹部191a、192aに嵌る部分とされる。
【0038】
ダイアル操作部16の中間層162は、シャフト161と表面層163の間に設けられ、シャフト161よりも軟らかく、表面層163よりも硬い材質で形成された層とされ、本実施形態ではABS樹脂で形成されている。表面層163は、最も外側に設けられ、通常のダイアル操作部16の操作時(例えば2N〜3Nの荷重を受けた時)おいては変形せず、かつ、大きな荷重(例えば40N〜70N)を受けた時においては弾性変形する材質で形成された層とされる。本実施形態では、表面層163は、「JIS K 6253」に準拠した硬度50Aのエラストマーで形成されている。これら異なる材質の中間層162と表面層163は、例えば二色成形によって形成される。
【0039】
ここで、図5は、以上の構成を有するダイアル操作部16が荷重を受けた際におけるそのダイアル操作部16の変形の様子を模式的に示した図であり、図5(a)は2N〜3N程度の荷重を受けた際の図を示しており、図5(b)は40N〜70N程度の荷重を受けた際の図を示している。図5(a)に示すように、ダイアル操作部16は、2N〜3N程度の低い荷重を受けたとしてもほとんど変形しない。つまり、通常のダイアル操作部16の操作時においては、ダイアル操作部16は変形しない。これに対し、図5(b)に示すように、ダイアル操作部16は、40N〜70N程度の大きな荷重を受けた場合には弾性変形をする。この場合、主に、表面層163が弾性変形をし、それ以外の層である中間層162やシャフト161はほとんど変形をしない。換言すると、ダイアル操作部16が40N〜70N程度の大きな荷重を受けた場合には、その荷重のほとんどが表面層163の弾性変形に使われ、シャフト161には大きな荷重が伝わらないようにされている。
【0040】
説明を図2に戻り、ケース12の左側面部122には、その左側面部122に直交する方向に押下操作されるプッシュスイッチ14が設けられている。そのプッシュスイッチ14は、例えばディスプレイ1に表示された操作スイッチの選択を確定したりするエンタースイッチや、ディスプレイ1の表示をメニュー画面に戻すメニュースイッチや、ディスプレイ1の表示を地図表示にする地図表示スイッチとされる。なお、ケース12の内部にはプッシュスイッチ14の操作を検出する検出部(図示外)が設けられている。
【0041】
ケース12は、図2に示すように、上面部121(先端側121c)の先端から略直角に折れ曲がり、車両前方側に面した奥側面部124を有している。その奥側面部124には、本発明の「第二の開口」に相当する排出口17が形成されている。その排出口17は、ダイアル操作部16が配置されたケース12の内部の配置スペースと繋がった開口とされる。
【0042】
次に、ケース12の内部構造のうち、特に、ダイアル操作部16周辺の内部構造について説明する。ここで、図6はダイアル操作部16周辺のケース12の内部構造を示した図であり、具体的には図6(a)は、図3から上面部121の取り除いたときのケース12内部の図(平面図)を示しており、図6(b)は、図6(a)の紙面右側から見たときのケース12内部の図(側面図)を示しており、図6(c)は図6(a)の紙面下側から見たときのケース12内部の図(正面図)を示している。また、図7は、ケース12の内部においてダイアル操作部16を収容する収容ケース19の構造を示した図であり、具体的には図7(a)は、図6(b)からダイアル操作部16や基板22等を取り除いた図を示しており、図7(b)は、図7(a)の収容ケース19をA−A線で切ったときの断面図を示している。なお、図7(b)の断面図の図示方向を、図6(c)と同じ方向としている。
【0043】
図6に示すように、ケース12の内部には各部品が配置される配置スペース30が形成されている。その配置スペース30のうち、上面部121に形成された開口15(図3参照)の直下の第一の配置スペース31は、ダイアル操作部16が配置される配置スペースとされている。その第一の配置スペース31の周囲には側壁部191〜194が設けられている。具体的には、第一の配置スペース31の底面部195(図6(c)参照)から立設される形で、第一の配置スペース31の左側(助手席側)に設けられケース12の左右方向に面した左側壁部191、第一の配置スペース31の右側(運転席250側)に設けられケース12の左右方向に面した右側壁部192が設けられている。また、第一の配置スペース31の後側に設けられケース12の前後方向に面した後側壁部193及び第一の配置スペース31の前側に設けられケース12の前後方向に面した前側壁部194が設けられている。なお、底面部195は、ケース12の底面部の一部を構成している。また、前側壁部194は、ケース12の奥側面部124(図2参照)の一部を構成している。
【0044】
また、図7に示すように、左側壁部191の上端部に接続される形で左側ホルダ41が設けられ、右側壁部192の上端部に接続される形で右側ホルダ42が設けられる。それらホルダ41、42は、それぞれ、各側壁部191、192の上端部と接続する部分にフック43(図7(a)参照)が形成されている。また、各側壁部191、192の上端部には、ホルダ41、42のフック43に対向する部分に、フック43が掛けられる掛止部(図示外)が形成されている。そして、フック43が掛止部で掛けられることで、左側ホルダ41は左側壁部191の上端部に取り外し可能に接続され、右側ホルダ42は右側壁部192の上端部に取り外し可能に接続されている。なお、各ホルダ41、42は、ケース12の上面部121と一体的に形成されたものとすることができる。
【0045】
また、図7(a)に示すように、収容ケース19の左側壁部191の上端部には、その中央付近において、左側壁部191を貫通する断面視半円状の孔191bが形成されている。一方、左側ホルダ41の下端部(左側壁部191の上端部と対向する部分)には、その中央付近において、左側ホルダ41を貫通する断面視半円状の孔41bが形成されている。そして、左側壁部191及び左側ホルダ41が接続された状態において、孔191b及び孔41bが組み合わされることで、断面視円状の一つの挿通孔51が構成されている。同様にして、右側壁部192の上端部には孔192bが形成されており、右側ホルダ42の下端部には孔42bが形成されている。そして、それら孔192b、孔42bが組み合わされて、断面視円状の一つの挿通孔52が構成されている。それら挿通孔51、52は、シャフト161の断面と同じ大きさとされている。
【0046】
さらに、図7(b)に示すように、左側壁部191の孔191bには、シャフト161に形成された凸部161c、161eに対応した凹状の凹部191aが形成されている。一方、左側ホルダ41の孔41bには、シャフト161に形成された凸部161c、161eに対応した凹状の凹部41aが形成されている。そして、それら凹部191a、41aが組み合わされることで、左側の挿通孔51の一部が、全周に渡って凹まれた凹部51aを構成している。同様に、右側壁部192の孔192bには凹状の凹部192aが形成され、右側ホルダ42の孔42bには凹状の凹部42aが形成されている。そして、それら凹部192a、42aが組み合わされることで、右側の挿通孔52の一部が、全周に渡って凹まれた凹部52aを構成している。
【0047】
このように、底面部195、四つの側壁部191〜194及び二つのホルダ41、42によって箱状の収容ケース19が構成されている。ダイアル操作部16は、収容ケース19の内側の第一の配置スペース31に配置される。具体的には、図6に示すように、ダイアル操作部16のシャフト161の一方の端部161d(図4(b)参照)が、左側壁部191及び左側ホルダ41から構成された左側の挿通孔51に挿通されている。また、シャフト161の端部161d付近に形成された凸部161e(図4(b)参照)が、左側の挿通孔51に形成された凹部51aに嵌め込まれている。同様に、シャフト161の他方の端部161b(図4(b)参照)が、右側壁部192及び右側ホルダ42から構成された右側の挿通孔52に挿通されている。また、シャフト161の端部161b付近に形成された凸部161c(図4(b)参照)が、右側の挿通孔52に形成された凹部52aに嵌め込まれている。
【0048】
なお、シャフト161を各挿通孔51、52に挿通させる手順としては、先ず、各ホルダ41、42を取り除いた状態で、シャフト161を各側壁部191、192に形成された半円状の孔191b、192b上に載せる。その後、各ホルダ41、42を各側壁部191、192に取り付ける。これによって、凸部161c、161eが形成されたシャフト161を、各挿通孔51、52に挿通させることができる。
【0049】
このように、ダイアル操作部16のシャフト161が各挿通孔51、52に挿通される形で設けられることで、ダイアル操作部16は、各側壁部191、192によって、シャフト161の軸回りの方向に回転可能に支持される。なお、ダイアル操作部16は、シャフト161の軸回りの方向以外の方向には、可動することができない。なお、左側壁部191及び左側ホルダ41並びに右側壁部192及び右側ホルダ42が本発明の「支持部」に相当する。
【0050】
次に、ケース12内部の配置スペース30のうち、右側壁部192の右側の第二の配置スペース32(図6参照)に配置される部品について説明する。その第二の配置スペース32は、ダイアル操作部16の回転を検出する検出部や基板等が配置される配置スペースとされている。具体的には、第二の配置スペース32には、エンコーダ板20、フォトインタラプタ21及び基板22が配置されている。エンコーダ板20は、その中心がシャフト161の一方の端部161bに接続された円盤状の板であって、その周方向に沿って一定間隔おきに複数のスリット201(図6(b)参照)が形成された板である。そのエンコーダ板20は、ダイアル操作部16の回転にともなってシャフト161の軸回りに回転される。
【0051】
フォトインタラプタ21は、ダイアル操作部16の回転を検出する検出部として機能する部品であり、赤外光を発信する発信機21a(図6(c)参照)及び赤外光を受信する受信機21b(図6(c)参照)から構成されている。それら発信機21a、受信機21bは、エンコーダ板20を間に挟んで互いに対向する位置に設けられる。エンコーダ板20に形成されたスリット201が丁度発信機21aと受信機21bの間に位置しているときには、発信機21aから発信された赤外光は受信機21bで受信される。これに対し、スリット201が発信機21aと受信機21bの間に位置していないときには、発信機21aから発信された赤外光は受信機21bで受信されない。よって、受信機21bは、図8に示すように、エンコーダ板20の回転(ダイアル操作部16の回転)にともなって周期的にパルス3の信号を受信する。そのパルス3は、エンコーダ板20に形成されたスリット201に対応する信号である。また、スリット201はエンコーダ板20の周方向に一定間隔おきに形成されたものであるので、パルス3の数は、エンコーダ板20の回転量、すなわちダイアル操作部16の回転量に相当する値である。よって、パルス3の数をカウントすることにより、ダイアル操作部16の回転量を検出することができる。
【0052】
また、フォトインタラプタ21は、ダイアル操作部16の回転方向を検出するために、図6(a)、(b)に示すように、二組のフォトインタラプタ211、212から構成されている。エンコーダ板20に形成されたスリット201は、一方のフォトインタラプタ211の赤外光が通過されるスリットと、他方のフォトインタラプタ212の赤外光が通過されるスリットとが互いに位相がずらされて形成されている。これによって、ダイアル操作部16が順方向7a(図3参照)に回転されたときと、逆方向7b(図3参照)に回転されたときとで、一方のフォトインタラプタ211の出力信号を、他方のフォトインタラプタ212の出力信号に対して位相が進んでいるか遅れているかを切り替えることができる。よって、各出力信号の位相を見ることで、ダイアル操作部16の操作方向(回転方向)を検出することができる。
【0053】
フォトインタラプタ21(フォトインタラプタ211、212)は基板22に搭載されている。その基板22は、第二の配置スペース32に設けられ、図6では、第二の配置スペース32において基板面がケース12の上方に向けられて設けられている。なお、第二の配置スペース32内であれば、基板22はどのような向きに設けられたとしてもよい。基板22は、フォトインタラプタ21を動作させたり、フォトインタラプタ21で検出されたパルス信号(図8参照)からダイアル操作部16の回転量及び操作方向を決定したり、その回転量及び操作方向を示した操作信号を遠隔操作ECU2に送信したりする各種回路が実装された基板である。
【0054】
このように、フォトインタラプタ21が搭載された基板22が配置される第二の配置スペース32は、ダイアル操作部16が配置される第一の配置スペース31と側壁部191〜194で分離されているので、開口15から第一の配置スペース31内に進入された水や塵が第二の配置スペース32に進入されるのを防止することができる。よって、フォトインタラプタ21や基板22が水や塵でダメージを受けるのを防止することができる。
【0055】
また、第一の配置スペース31における前側壁部194(ケース12の奥側面部124)には排出口17が形成されているので、ダイアル操作部16の開口15から進入された水や塵を、その排出口17から排出させることができる。よって、より一層、耐被水性能や耐塵性能を向上することができる。
【0056】
また、ダイアル操作部16のシャフト161が挿通される側壁部191、192の挿通孔51、52においては、シャフト161の凸部161c、161eと挿通孔51、52の凹部51a、52aとが勘合されているので、その勘合された部分によって挿通孔51、52から水や塵が進入されるのを防止することができる。なお、凸部161c、161e及び凹部51a、52aが本発明の「異物進入防止手段」に相当する。
【0057】
また、ダイアル操作部16を支持する支持部としての側壁部191、192及びホルダ41、42は、収容ケース19の底面部195と接続されているので、ダイアル操作部16に受けた荷重がフォトインタラプタ21や基板22に伝達されるのを防止することができる。よって、フォトインタラプタ21や基板22の破損を防止することができる。
【0058】
さらに、ダイアル操作部16は、シャフト161、中間層162及び表面層163の3層構造とされており、大きな荷重を受けた場合には表面層163が弾性変形されるので、ダイアル操作部16自体が破損してしまうのも防止することができる。
【0059】
なお、本発明に係る車両用操作装置は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限りにおいて、各種の変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0060】
(変形例1)
上記実施形態では、ダイアル操作部16の表面層163を硬度50Aのエラストマーとすることで、ダイアル操作部16を、通常の操作時においては変形させず、大きな荷重を受けた場合には弾性変形させるようにしていた。しかしこれに限定されるものではなく、例えば、ダイアル操作部の形状を調整することで、所望の強度のダイアル操作部を得るようにしてもよい。ここで、図9は、ダイアル操作部の形状を調整した例を示した図であり、具体的には図9(a)はダイアル操作部16の断面図、図9(b)は大きな荷重を受けた場合のダイアル操作部16の変形の様子を示した図である。なお、図9において、上記実施形態と同じ名称の部品には同一符号を付している。
【0061】
図9(a)に示すように、ダイアル操作部16は、上記実施形態と同様に、シャフト161、中間層162及び表面層163の3層構造とされているが、中間層162及び表面層163が上記実施形態と異なっている。具体的には、中間層162及び表面層163は同じ硬度の材質(例えばエラストマー)で一体化されている。中間層162は、シャフト161から表面層163に向かって放射状に設けられた複数の棒状の部材162aから構成される。表面層163は、中間層162を構成する各棒状の部材162aの端部と接続され、ダイアル操作部16の外周全周に渡って形成された層である。このように、変形例1に係るダイアル操作部16は、スポーク状とされ、中間層162の各棒状の部材162a間が空隙162bとされている。
【0062】
このようにダイアル操作部16を構成することで、上記実施形態のダイアル操作部16と同等の強度を得ることができる。すなわち、通常の操作時(2N〜3Nの荷重を受けた場合)にはダイアル操作部16は変形しない。一方、大きな荷重(40N〜70N)を受けた場合には、ダイアル操作部16は、図9(b)に示すように、表面層163及び中間層162が弾性変形され、シャフト161には荷重がかからない。なお、表面層163及び中間層162を形成する材質の硬度、棒状の部材162aの形状や個数、空隙162bの大きさ等を調整することで、所望の強度を得ることができる。
【0063】
また、中間層162と表面層163とを同一の工程で一体的に形成することができるので、コストダウンを図ることができる。
【0064】
(変形例2)
ダイアル操作部に大きな荷重を受けた場合に、そのダイアル操作部の破損を防止したり、フォトインタラプタや基板の破損を防止したりするために、上記実施形態の構成に加えて、ダイアル操作部の変位を規制するストッパを設けても良い。ここで、図10は、変形例2に係るダイアル操作部16を収容する収容ケース19の断面図(図6(c)に対応する図)を示している。なお、図10において、上記実施形態と同一の名称の部品には同一符号を付している。図10に示すように、収容ケース19の底面部195は、ダイアル操作部16に対向する部分195aの厚さt1が、その他の部分195bの厚さt2よりも厚くされている。つまり、ダイアル操作部16に対向する部分195aがストッパを構成している。これによって、ダイアル操作部16が大きな荷重を受けた場合には、ダイアル操作部16は、底面部195に向けて変位することになるが、途中でストッパ195aに当たるので距離d(図10参照)以上は変位されない。よって、より一層、フォトインタラプタや基板の破損を防止することができる。
【0065】
(その他変形例)
上記実施形態では、挿通孔51、52に形成された凹部51a、52aとシャフト161に形成された凸部161c、161eとの勘合によって、挿通孔51、52を通して水や塵が進入されるのを防止していた(図6参照)。しかしこれに限定されるものではなく、例えば、挿通孔にゴム等で形成されたシール部材を設けてもよい。具体的には、シャフトの凸部に代えて、リング状のシール部材を、挿通孔に形成された凹部に嵌める。また、シャフトには凸部を設けないようにし、そのシャフトをシール部材が設けられた挿通孔に挿通させる。これによって、シール部材で水や塵の進入を遮断することができる。また、シール部材をゴム等の軟らかい材質で形成すれば、上記実施形態にように、側壁部とホルダとを分けなくても、シール部材を挿通孔の凹部に設けることができる。よって、構成を簡易にすることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 ディスプレイ
2 遠隔操作ECU
10 遠隔操作装置(車両用操作装置)
11 操作本体部
12 ケース
121 上面部
15 開口(第一の開口)
16 ダイアル操作部(回転操作部)
161 シャフト
161c、161e 凸部
161b、161d シャフトの端部
162 中間層
162a 棒状の部材
162b 空隙
163 表面層
17 排出口(第二の開口)
19 収容ケース
191 左側壁部
192 右側壁部
193 後側壁部
194 前側壁部
195 底面部
195a ストッパ
20 エンコーダ板
201 スリット
21、211、212 フォトインタラプタ(検出部)
22 基板
30 配置スペース
31 第一の配置スペース
32 第二の配置スペース
41 左側ホルダ
42 右側ホルダ
51、52 挿通孔
51a、52a 凹部
200 車室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配置スペースを有し、上面部に第一の開口が形成されたケースと、
一部が前記第一の開口を介して露出される形で前記配置スペースに配置され、前記露出された一部が操作されることで回転される回転操作部と、
前記配置スペースに配置され、前記回転操作部の回転を検出する検出部が搭載された基板と、を備え、
前記配置スペースは、前記回転操作部が配置される第一の配置スペースと前記基板が配置される第二の配置スペースとが分離されたことを特徴とする車室内に設けられる車両用操作装置。
【請求項2】
前記回転操作部は、前記回転操作部の回転にともなって自身の軸回りに回転されるシャフトを有し、
そのシャフトの一方の端部側において前記シャフトと接続されたエンコーダ板を備え、
前記第二の配置スペースは、前記エンコーダ板周辺の配置スペースとされ、
前記検出部は、前記エンコーダ板の回転に応じた信号を出力するものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用操作装置。
【請求項3】
前記シャフトを支持する支持部を備え、その支持部が前記基板以外の部分に固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用操作装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記シャフトが挿通される挿通孔を有し、前記第一の配置スペースと前記第二の配置スペースとを分離する壁とされたことを特徴とする請求項3に記載の車両用操作装置。
【請求項5】
前記挿通孔に設けられ、前記挿通孔を通して前記第一の配置スペースから前記第二の配置スペースへの異物の進入を防止する異物進入防止手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用操作装置。
【請求項6】
前記シャフトは、前記挿通孔に挿通される部分の一部に、全周に渡って径方向に突出された凸部が形成されており、
前記挿通孔は、前記シャフトの凸部に対応する部分に、前記凸部が嵌る凹部が形成されており、
前記異物進入防止手段は、前記シャフトの凸部及び前記挿通孔の凹部であることを特徴とする請求項5に記載の車両用操作装置。
【請求項7】
前記第一の配置スペースには、前記ケースの前記上面部より下側の部分に第二の開口が形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用操作装置。
【請求項8】
前記回転操作部は、一部が前記第一の開口から突出される形で設けられた円盤状の操作部とされており、前記シャフトと、前記シャフトの外側に積層された中間層と、その中間層の外側に積層された表面層との3層構造とされ、一定以上の荷重を受けた際に前記表面層が弾性変形をするように前記表面層及び前記中間層の強度が調整されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用操作装置。
【請求項9】
前記表面層は、前記中間層よりも硬度が小さく、かつ、前記一定以上の荷重を受けた際に弾性変形をする材質で形成された層であることを特徴とする請求項8に記載の車両用操作装置。
【請求項10】
前記表面層と前記中間層とは同一の材質で一体的に形成されており、かつ、前記中間層は空隙を有する層とされたことを特徴とする請求項8に記載の車両用操作装置。
【請求項11】
前記ケースの底面部に設けられ、前記回転操作部が前記底面部に向かって変位した際に、前記回転操作部が一定以上変位するのを規制するストッパを備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両用操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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