説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】従来の光源ユニットでは、LEDチップにおいて発生する熱に対する対策が無い。
【解決手段】この発明は、5個の発光チップが、小電流が供給される1個の発光チップ40と、大電流が供給される4個の発光チップ41〜44とに、組み分けされている。5個の導体が、小電流供給の発光チップ40に小電流を供給する導体51と、大電流供給の発光チップ41〜44に大電流を供給する導体53〜56とに、組み分けされている。大電流供給の発光チップ41〜44用の導体が、左右に2個ずつ分割されている。小電流供給の発光チップ40用の導体51が、分割されている大電流供給の発光チップ41〜44用の導体53、54側と55、56側との間に配置されている。この結果、5個の発光チップ40〜44において発生する熱に対する対策が施されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。従来の光源ユニットは、基板に複数のLEDチップ、すなわち、テールランプ用のLEDチップおよびストップランプ用のLEDチップを実装してなるものである。
【0003】
ところが、従来の光源ユニットは、LEDチップにおいて発生する熱に対する対策が施されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−176219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の光源ユニットでは、LEDチップにおいて発生する熱に対する対策が無いという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、基板と、基板に配置されている複数個の半導体型光源の発光チップと、基板に配置されていて複数個の発光チップに給電する配線の複数個の導体と、を備え、複数個の発光チップが、小電流が供給される発光チップと、大電流が供給される少なくとも2個の発光チップとに、組み分けされていて、複数個の導体が、小電流供給の発光チップに小電流を供給する導体と、大電流供給の発光チップに大電流を供給する導体とに、組み分けされていて、大電流供給の発光チップ用の導体が、少なくとも2個に分割されていて、小電流供給の発光チップ用の導体が、分割されている大電流供給の発光チップ用の導体の間に配置されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、小電流供給の発光チップが大電流供給の発光チップと比較して小型の発光チップである、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、小電流供給の発光チップが、テールランプの光源であり、大電流供給の発光チップが、ストップランプの光源である、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、光源ユニットが、ランプハウジングに取り付けられていて、基板および複数個の発光チップおよび複数個の導体が、灯室内に配置されていて、小電流供給の発光チップが、基板の中心もしくは中心近傍に配置されている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、発光チップから放射される光を配光制御する配光制御部を備え、小電流供給の発光チップが、配光制御部の焦点もしくは焦点近傍に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、小電流供給の発光チップに小電流を供給する導体すなわち発熱容量が小さい導体と、大電流供給の発光チップに大電流を供給する導体すなわち発熱容量が大きい導体とが、組み分けされている。しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ用の導体が少なくとも2個に分割されているので、大量の熱を集中させずに分断させることができる。その上、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ用の導体が、分割されている発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ用の導体の間に配置されているので、大量の熱が集中するのを確実に防ぐことができる。これにより、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、少なくとも2個に分割されている発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ用の導体において発生する大量の熱を、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ用の導体により集中させずに遮蔽することができ、かつ、効率良く基板から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)することができる。このように、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、複数個の半導体型光源の発光チップにおいて発生する熱に対する対策が効率良く施されている。
【0013】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、小電流供給の発光チップおよび導体と大電流供給の発光チップおよび導体とが組み分けされているので、小電流供給の発光チップと大電流供給の発光チップとを異なる発光チップ、たとえば、小電流供給の発光チップとして、大電流供給の発光チップと比較して安価で小型(発光面積が小さい)の発光チップを使用することができる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、小電流供給の発光チップとして、小型(発光面積が小さい)の発光チップを使用することができるので、基板や光源ユニット全体を小型化することができ、しかも、基板の発光チップおよび導体のレイアウトの自由度が増大する。
【0014】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、小電流供給の発光チップが大電流供給の発光チップと比較して故障の頻度が低い。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、小電流供給の発光チップをテールランプの光源とし、大電流供給の発光チップをストップランプの光源とするものである。その上、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、小電流供給の発光チップおよび導体と大電流供給の発光チップおよび導体とが組み分けすなわち独立されている。このために、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、大電流供給の発光チップのストップランプの光源が故障したとしても、小電流供給の発光チップのテールランプの光源を続けて使用することができる。このように、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、車両の制動情報を表示するストップランプが故障しても車両の位置情報を表示するテールランプを続けて使用できるの、交通安全上好ましい。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、光源ユニットをランプハウジングに取り付けて、基板および複数個の発光チップおよび複数個の導体を灯室内に配置した際に、小電流供給の発光チップが基板の中心もしくは中心近傍に配置するので、小電流供給の発光チップの灯室内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、小電流供給の発光チップが配光制御部の焦点の近傍に配置されているので、光学設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例を示し、発光チップおよび制御素子および配線素子の配置状態の平面図(上から見た図)である。
【図2】図2は、同じく、第1導体を示す平面図である。
【図3】図3は、同じく、第2導体を示す平面図である。
【図4】図4は、同じく、第3導体を示す平面図である。
【図5】図5は、同じく、第4導体を示す平面図である。
【図6】図6は、同じく、第5導体を示す平面図である。
【図7】図7は、同じく、第6導体を示す平面図である。
【図8】図8は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【図9】図9は、同じく、同じく、光源部とソケット部を示す分解斜視図である。
【図10】図10は、同じく、光源部とソケット部の組付状態を示す平面図である。
【図11】図11は、この発明にかかる車両用灯具の実施例を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図12】図12は、同じく、テールランプ機能の点灯状態を示す説明図である。
【図13】図13は、同じく、ストップランプ機能の点灯状態を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0020】
以下、この実施例における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例における車両用灯具の構成について説明する。図11において、符号100は、この実施例における車両用灯具である。
【0021】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能(図12参照)とストップランプ機能(図13参照)とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0022】
前記車両用灯具100は、図11に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路2(図8参照)と、を備えるものである。
【0023】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0024】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0025】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0026】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図9〜図11に示すように、光源部10と、ソケット部11と、カバー部12と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0027】
前記光源ユニット1は、図11に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101に防水パッキン(Oリング)108を介して水密性にかつ着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0028】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1〜図10に示すように、取付部材としての基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では5個の発光チップ40、41、42、43、44と、制御素子としての9個の抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9および2個のダイオードD1、D2と、配線素子としての導体51、52、53、54、55、56およびワイヤ配線61、62、63、64、65およびボンディング部610、620、630、640、650と、を備えるものである。
【0029】
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図1、図9、図10に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(上面)には、平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。前記基板3の取付面34には、高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面(図示せず)が設けられている。
【0030】
前記基板3の前記取付面34には、前記5個の発光チップ40〜44および前記9個の抵抗R1〜R9および前記2個のダイオードD1、D2および配線素子としての前記導体51〜56および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、蒸着、メッキ、エッチングなどにより、設けられている)。なお、図9、図10においては、図面を簡略化するために、前記9個の抵抗R1〜R9および前記2個のダイオードD1、D2および配線素子としての前記導体51〜56および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650および切欠31〜33などの図示を省略してある場合がある。
【0031】
前記5個の発光チップ40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。前記発光チップ40〜44は、図1、図2、図4〜図7、図9、図10に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の発光チップ40〜44は、図10に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。
【0032】
前記5個の発光チップ40〜44は、小電流が供給される発光チップであって、テールランプの光源である1個の発光チップ40と、大電流が供給される発光チップであって、ストップランプの光源である4個の発光チップ41〜44と、に組み分け(グループ化)されている。前記テールランプ機能(テールランプの光源)の1個の発光チップ40は、右側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ41、42と左側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ43、44との間に配置されている。前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0033】
前記抵抗R1〜R9は、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗などからなる。前記抵抗R1〜R9は、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ40〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗R1〜R9の値を調整して(トリミングして)前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗R1〜R9の一部を切り欠いてあるいは全部を切り欠いて(オープン)抵抗値を調整するものである。なお、オープンおよびトリミングにより抵抗値は増加する。
【0034】
前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に直列に接続されている前記抵抗R8、R9と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗R1〜R7とは、図1、図2、図4、図8においてそれぞれ2個、7個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、配置する個数を変える場合がある。すなわち、前記抵抗の個数は、限定しない。
【0035】
前記ダイオードD1、D2は、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の1個の発光チップ40と前記抵抗R8、R9とに直列に接続されているダイオードD2と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗R1〜R7とに直列に接続されているダイオードD1とは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0036】
前記導体51〜56は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。配線素子としての前記導体51〜56および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650は、制御素子としての前記抵抗R1〜R9および前記ダイオードD1、D2を介して前記発光チップ40〜44に給電するものである。
【0037】
(発光チップ40〜44および抵抗R1〜R9およびダイオードD1、D2および導体51〜56およびワイヤ配線61〜65およびボンディング部610〜650のレイアウトの説明と駆動回路2の説明)
前記5個の発光チップ40〜44および前記9個の抵抗R1〜R9および前記2個のダイオードD1、D2および前記導体51〜56および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650は、図1の電気部品のレイアウト図および図8の電気回路図に示すように、配置されていてかつ接続されている。
【0038】
図2に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第1導体51には、前記テールランプ機能の発光チップ40と第8抵抗R8、第9抵抗R9と第2ダイオードD2とが直列に配置接続されている。
【0039】
図3に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第2導体52には、第1ボンディング部610と第5ボンディング部650とが配置されている。図1に示すように、前記第1導体51の前記テールランプ機能の発光チップ40と前記第2導体52の前記第1ボンディング部610とには、第1ワイヤ配線61が直列に接続されている。
【0040】
図4に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第3導体53には、前記ストップランプ機能の第1発光チップ41と抵抗R1〜R7と第1ダイオードD1とが直列に配置接続されている。なお、抵抗は、第1抵抗R1と第2抵抗R2とが、第3抵抗R3と第4抵抗R4とが、第5抵抗R5と第6抵抗R6とがそれぞれ並列に接続されている。
【0041】
図5に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第4導体54には、第2ボンディング部620と前記ストップランプ機能の第2発光チップ42とが直列に配置接続されている。図1に示すように、前記第3導体53の前記第1発光チップ41と前記第4導体54の前記第2ボンディング部620とには、第2ワイヤ配線62が直列に接続されている。
【0042】
図6に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第5導体55には、第3ボンディング部630と前記ストップランプ機能の第3発光チップ43とが直列に配置接続されている。図1に示すように、前記第4導体54の前記第2発光チップ42と前記第5導体55の前記第3ボンディング部630とには、第3ワイヤ配線63が直列に接続されている。
【0043】
図7に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第6導体56には、第4ボンディング部640と前記ストップランプ機能の第4発光チップ44とが直列に配置接続されている。図1に示すように、前記第5導体55の前記第3発光チップ43と前記第6導体56の前記第4ボンディング部640とには、第4ワイヤ配線64が直列に接続されている。
【0044】
図1に示すように、前記第6導体56の前記第4発光チップ44と前記第2導体52の前記第5ボンディング部650とには、第5ワイヤ配線65が直列に接続されている。
【0045】
前記光源部10は、前記の通り、取付部材としての前記基板3と、半導体型光源の前記発光チップ40〜44と、制御素子としての前記抵抗R1〜R9および前記ダイオードD1、D2と、配線素子としての前記導体51〜56および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650と、を備えるものである。
【0046】
前記5個の発光チップ40〜44および前記9個の抵抗R1〜R9および前記2個のダイオードD1、D2および前記6個の導体51〜56および前記5本のワイヤ配線61〜65および前記5個のボンディング部610〜650は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能ごとに組み分け(グループ化)されている。
【0047】
すなわち、前記5個の発光チップは、小電流が供給され発熱量が小さい前記テールランプ機能の1個の発光チップ40と、大電流が供給され発熱量が大きい前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44とに、組み分けされている。前記6個の導体は、前記小電流供給のテールランプ機能の1個の発光チップ40に小電流を供給する前記第1導体51と、前記大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に大電流を供給する前記第3導体53、第4導体54、第5導体55、第6導体56とに、組み分けされている。
【0048】
前記大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44用の導体52〜55は、4個に分割されている。前記小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40用の第1導体51は、4個に分割されている前記大電流供給のストップランプ機能の発光チップ41〜44用の導体のうち、前記第2導体52および前記第3導体53側と、前記第4導体54および前記第5導体55側との間に配置されている。
【0049】
前記大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44および前記抵抗R1〜R7および前記ダイオードD1および前記導体53〜56における発熱容量は、前記小電流供給のテールランプ機能の1個の発光チップ40および前記抵抗R8、R9および前記ダイオードD2および前記導体51における発熱容量と比較して大きい。
【0050】
前記5個の発光チップ40〜44のうち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、図10に示すように、前記基板3の中心Oであって後記放熱部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。
【0051】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図9、図10に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0052】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、ほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、取付部70が設けられている。前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記取付部70は、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部を前記ランプハウジング101の前記透孔104中に挿入して、その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させることにより、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101に前記防水パッキン108を介して水密性にかつ着脱可能に取り付けられるためのものである。
【0053】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0054】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性接着剤(図示せず)により接着されている。この結果、前記発光チップ40〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O近傍部分86が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0055】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0056】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部(上端部)は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記切欠31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91、92、93の一端部は、前記光源部10の前記導体51、53、52にそれぞれ電気的に接続されている。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。なお、前記給電部材91〜93の一端部は、前記基板3を前記放熱部材8に機械的に固定する場合もある。
【0057】
前記給電部材91〜93の他端部(下端部)は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0058】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
図8に示すように、前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)141、142、143が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナル141〜143が前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナル141〜143と前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0059】
図8に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナル141および前記第2メスターミナル142は、ハーネス144、145およびスイッチSWを介して電源(直流電源のバッテリー)15に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナル143は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル141〜143)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0060】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチSWは、可動接点150と、第1固定接点151と、第2固定接点152と、第3固定接点153と、共通固定接点154と、からなる3位置切替スイッチである。
【0061】
前記可動接点150が第1固定接点151の位置に切り替わっているとき(図8中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオードD2と抵抗R8、R9とを経て前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記テールランプ機能のダイオードD2と抵抗R8、R9を経て駆動電流が供給されている。
【0062】
前記可動接点150が第2固定接点152の位置に切り替わっているとき(図8中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオードD1と抵抗R1〜R7とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオードD1と抵抗R1〜R7とを経て駆動電流が供給されている。
【0063】
前記可動接点150が第3固定接点153の位置に切り替わっているとき(図8中の実線に示す状態のとき)には、前記5個の発光チップ40〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0064】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の発光チップ40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、図11に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44を外乱から保護するものである。
【0065】
この実施例における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例における車両用灯具100(以下、「この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0066】
まず、スイッチSWの可動接点150を第1固定接点151に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオードD2と抵抗R8、R9とを経て、テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給される。この結果、テールランプ機能の1個の発光チップ40が発光する。
【0067】
このテールランプ機能の1個の発光チップ40から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ40から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、図12に示す、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0068】
つぎに、スイッチSWの可動接点150を第2固定接点152に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオードD1と抵抗R1〜R7とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。
【0069】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、図13に示す、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、光度、照度が大である)。
【0070】
それから、スイッチSWの可動接点150を第3固定接点153に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、1個の発光チップ40もしくは4個の発光チップ41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0071】
そして、光源部10の発光チップ40〜44および抵抗R1〜R9およびダイオードD1、D2および導体51〜56において発生した熱は、基板3を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。
【0072】
この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0073】
この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、小電流供給のテールランプ機能の1個の発光チップ40に小電流を供給する導体すなわち発熱容量が小さい導体51と、大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に大電流を供給する導体すなわち発熱容量が大きい導体53〜56とが、組み分けされている。しかも、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ41〜44用の導体53〜56が4個に分割されているので、大量の熱を集中させずに分断させることができる。その上、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ40用の導体51が、左右に2個ずつ分割されている発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ41〜44用の導体53、54側と55、56側との間に配置されているので、大量の熱が集中するのを確実に防ぐことができる。これにより、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、左右に2個ずつ分割されている発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ41〜44用の導体53〜56において発生する大量の熱を、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ40用の導体51により集中させずに遮蔽することができ、かつ、効率良く基板3から外部に放射(発散、拡散、熱放射、熱発散、熱拡散)することができる。このように、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、5個の半導体型光源の発光チップ40〜44において発生する熱に対する対策が効率良く施されている。
【0074】
しかも、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40および導体51と大電流供給のストップランプ機能の発光チップ41〜44および導体53〜56とが組み分けされているので、小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40と大電流供給のストップランプ機能の発光チップ41〜44とを異なる発光チップ、たとえば、小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40として、大電流供給のストップランプ機能の発光チップ41〜44と比較して安価で小型(発光面積が小さい)の発光チップを使用することができる。たとえば、テールランプ機能の発光チップ40の大きさは、約0.3×0.3mmであり、一方、ストップランプ機能の発光チップ41〜44の大きさは、約0.5×0.5mmである。この結果、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40として、小型(発光面積が小さい)の発光チップを使用することができるので、基板3や光源ユニット1全体を小型化することができ、しかも、基板3の発光チップ40〜44および導体51〜56のレイアウトの自由度が増大する。
【0075】
また、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、小電流供給の発光チップ40が大電流供給の発光チップ41〜44と比較して故障の頻度が低い。しかも、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、小電流供給の発光チップ40をテールランプの光源とし、大電流供給の発光チップ41〜44をストップランプの光源とするものである。その上、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、小電流供給の発光チップ40および導体51と大電流供給の発光チップ41〜44および導体53〜56とが組み分けすなわち独立されている。このために、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、大電流供給の発光チップ41〜44のストップランプの光源が故障したとしても、小電流供給の発光チップ40のテールランプの光源を続けて使用することができる。このように、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、車両の制動情報を表示するストップランプが故障しても車両の位置情報を表示するテールランプを続けて使用できるの、交通安全上好ましい。
【0076】
さらにまた、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11(光源ユニット1)を中心O軸回りに回転させて取付部70によりランプハウジング101に取り付けて、光源部10(基板3および5個の発光チップ40〜44および6個の導体51〜56)を灯室105内に配置した際に、発光チップ40〜44のうち小電流供給の発光チップ40が基板3の中心Oもしくは中心O近傍すなわち取付部材の基板3や放熱部材8を介してソケット部11の中心Oもしくは中心O近傍に位置するので、発光チップ40〜44の灯室105内の位置のぶれを極力小さくすることができる。この結果、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、配光のぶれを極力小さくすることができ、配光制御や配光設計が容易となり、かつ、交通安全にも貢献することができる。
【0077】
さらにまた、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44特にテールランプ機能発光チップ40が配光制御部としてのリフレクタ103の焦点Fもしくは焦点F近傍に配置されているので、光学設計が容易となる。
【0078】
さらにまた、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、5個の発光チップ40〜44が集中して配置されているので、1灯タイプの車両用灯具に適している。
【0079】
さらにまた、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯のマルチチップの半導体型光源において、5個の発光チップのうち、1個の発光チップ40をテールランプの光源とし、4個の発光チップ41〜44をストップランプの光源とするもの、すなわち、1灯のマルチチップを用いて、テールランプの点灯モード(1個の発光チップ40を点灯するモード)とストップランプの点灯モード(4個の発光チップ41〜44を点灯するモード)とを変えるものである。このために、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、既存と同じ電流、たとえば、テールランプ用の1個の発光チップ40に20mAの電流を、一方、ストップランプ用の4個の発光チップ41〜44に100mAの電流を供給した場合においては、ストップランプの光束をテールランプの光束の約20倍に設定することができる。
【0080】
さらにまた、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプ用の発光チップ41〜44が4個であって、1個のテールランプ用の発光チップ40と比較して多い。この結果、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプのほうがテールランプよりも多くの光量を必要とするものであっても、4個の発光チップ41〜44のストップランプが十分な光束を得ることができる。
【0081】
なお、前記の実施例においては、5個の発光チップ40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、2個〜4個あるいは6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0082】
また、前記の実施例においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプにも使用することができる。
【0083】
さらに、前記の実施例においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0084】
さらにまた、前記の実施例においては、5個の発光チップ40〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。
【0085】
さらにまた、前記の実施例においては、カバー部12とランプレンズ102とにより配光制御するものである。ところが、この発明においては、カバー部12もしくはランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により配光制御するようにしても良い。
【0086】
さらにまた、前記の実施例においては、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ40用の導体51が、左右に2個ずつ分割されている発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ41〜44用の導体53、54側と55、56側との間に配置されているものである。ところが、この発明にておいは、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ用の導体を分割されている発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ用の導体の間に配置しているものであれば、発熱容量が小さい小電流供給の発光チップ用の導体を任意の位置に配置しても良いし、また、発熱容量が大きい大電流供給の発光チップ用の導体を分割する個数も任意である。
【符号の説明】
【0087】
1 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部
13 コネクタ部
14 コネクタ
141 第1メスターミナル
142 第2メスターミナル
143 第3メスターミナル
144、145、146 ハーネス
15 電源
150 可動接点
151 第1固定接点
152 第2固定接点
153 第3固定接点
154 共通固定接点
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 防水パッキン
2 駆動回路
3 基板(取付部材)
31、32、33 切欠
34 取付面
35 当接面
40 テールランプ機能の発光チップ
41、42、43、44 ストップランプ機能の発光チップ
51、52、53、54、55、56 導体
61、62、63、64、65 ワイヤ配線
610、620、630、640、650 ボンディング部
7 絶縁部材
70 取付部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
91、92、93 給電部材
910 第1オスターミナル
920 第2オスターミナル
930 第3オスターミナル
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9 抵抗
D1、D2 ダイオード
F 焦点
O 中心
SW スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
基板と、
前記基板に配置されている複数個の半導体型光源の発光チップと、
前記基板に配置されていて、前記複数個の発光チップに給電する配線の複数個の導体と、
を備え、
前記複数個の発光チップは、小電流が供給される発光チップと、大電流が供給される少なくとも2個の発光チップとに、組み分けされていて、
前記複数個の導体は、前記小電流供給の発光チップに小電流を供給する導体と、前記大電流供給の発光チップに大電流を供給する導体とに、組み分けされていて、
前記大電流供給の発光チップ用の導体は、少なくとも2個に分割されていて、
前記小電流供給の発光チップ用の導体は、分割されている前記大電流供給の発光チップ用の導体の間に配置されている、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記小電流供給の発光チップは、前記大電流供給の発光チップと比較して、小型の発光チップである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記小電流供給の発光チップは、テールランプの光源であり、
前記大電流供給の発光チップは、ストップランプの光源である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
前記光源ユニットは、前記ランプハウジングに取り付けられていて、
前記基板および前記複数個の発光チップおよび前記複数個の導体は、前記灯室内に配置されていて、
前記小電流供給の発光チップは、前記基板の中心もしくは中心近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記発光チップから放射される光を配光制御する配光制御部を備え、
前記小電流供給の発光チップは、前記配光制御部の焦点もしくは焦点近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項4または5に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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