車両用照明装置、及び光源ユニット
【課題】光源からの出射光を所定方向に向けることが可能な車両用照明装置を提供する。
【解決手段】車両用ドアトリム10に設けられたアームレスト14を照明するための車両用照明装置20であって、アームレスト14の上方に配され、アームレスト14に向けて光を出射可能な光出射面62Eを有する光源50と、光出射面62Eの下方を覆う形で配され、光出射面62Eからアームレスト14に向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部70と、を備えることに特徴を有する。
【解決手段】車両用ドアトリム10に設けられたアームレスト14を照明するための車両用照明装置20であって、アームレスト14の上方に配され、アームレスト14に向けて光を出射可能な光出射面62Eを有する光源50と、光出射面62Eの下方を覆う形で配され、光出射面62Eからアームレスト14に向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部70と、を備えることに特徴を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置、及び光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアトリム(車両用内装材)に設けられ、所定部位(例えば、アームレスト)を照らすための光源ユニットや、このような光源ユニットを備えた車両用照明装置などが知られている(例えば、下記特許文献1)。特許文献1のものでは、アームレストの上方に光源(照明手段)が設置され、アームレストを照らす構成となっている。このようにアームレストを照らすことで、例えば、アームレストに設けられたスイッチ類などの視認性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−86273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アームレストを上方から照らす構成では、光源からアームレストに向けて出射された光が、アームレストの上面に反射することで上方に向かう結果、乗客の目に到達する可能性がある。これにより、乗客が眩しさを感じてしまうという問題点がある。また、アームレストの上面に反射した光が乗客の目に到達することで、アームレストの上面に光源が映り込んでしまうこともあり、意匠性を低下させる事態も懸念される。特に、アームレストの上面は、意匠性を高くするために光沢処理が施されている場合があり、光反射性が高いため、上記のような問題点がより一層起こりやすい。
【0005】
このように、車両用内装材に設けられる車両用照明装置(又は光源ユニット)においては、乗客の目に対して出射光が到達する事態を抑制するなどの目的で、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な構成が求められている。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な車両用照明装置を提供することを目的とする。特に、アームレストを照らす車両用照明装置においては、光源からの出射光を所定の方向に向けることで、出射された光が乗客の目に到達する事態を抑制することを目的とする。また、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な光源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車両用照明装置は、車両用ドアトリムに設けられたアームレストを照明するための車両用照明装置であって、前記アームレストの上方に配され、前記アームレストに向けて光を出射可能な光出射部を有する光源と、前記光出射部の下方を覆う形で配され、前記光出射部から前記アームレストに向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部と、を備えることに特徴を有する。
【0008】
本発明は、光出射部からアームレストに向けて出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部を備えている。つまり、光源からの出射光を車両前方(所定の方向)に向けることができる。これにより、光案内部によって、車両前方に向けられた光は、アームレストに反射された場合において、車両前方へ反射される。このように、本発明においては、アームレストからの反射光が車両後方に向かう事態を抑制でき、アームレストに対して車両後方に位置する乗客の目に反射光が到達する事態を抑制できる。
【0009】
上記構成において、前記光出射部は、車両前後方向に延びる形状をなすものとすることができる。
【0010】
このような構成とすれば、車両前後方向に延びるアームレストに対して、光出射部から出射される光の照射エリアを車両前後方向に長くすることができ、アームレストを照らす場合に好適である。
【0011】
また、前記光案内部は、下方に向かうにつれて前記車両前方に傾斜する形状をなす複数の傾斜片を有し、前記複数の傾斜片は、車両前後方向に沿う形で配列されているものとすることができる。
【0012】
このような構成とすれば、光出射面を複数の傾斜片によって、下方かつ車両後方から覆うことができる。これにより、光出射面からアームレストに向けて出射された光のうち、車両後方へ向かう光を、各傾斜片によって遮光する(又は車両前方へ反射させる)ことができる。この結果、光出射面からの光を車両前方に向けることができる。
【0013】
また、前記光出射部は、光出射面によって構成されるものであって、前記複数の傾斜片のうち、第1傾斜片の下端は、前記複数の傾斜片のうち、前記第1傾斜片の前記車両前方に隣接される第2傾斜片の上端と、前記光出射面と直交する方向に沿って重なる形で配されているものとすることができる。
【0014】
第1傾斜片の下端と第2傾斜片の上端とを、光出射面と直交する方向に沿って重なる形で配することで、光出射面と直交する方向から視た場合において、第1傾斜片と第2傾斜片との間に隙間が生じる事態を抑制できる。これにより、光出射面の下方かつ車両後方を第1傾斜片と第2傾斜片によって隙間なく覆うことができ、第1傾斜片と第2傾斜片との間に出射された光が車両後方に向かう事態をより確実に抑制できる。特に、アームレストの表面に、例えば、光沢処理などが施され、その表面が高い光反射性を有している場合は、アームレストの表面に光源が映り込む事態を抑制でき、好適である。
【0015】
また、前記光源は、光源本体と、前記光源本体から出射される光を前記アームレスト側に導光可能とする導光体と、を有しており、前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材を備え、前記光案内部は、前記カバー部材に設けられているものとすることができる。
【0016】
本発明においては、光源本体及び導光体が収容されるカバー部材に光案内部が設けられている構成としている。つまり、光源本体、導光体、光案内部を一つのユニットとして車両用照明装置を構成している。これにより、光源と光案内部とをそれぞれ個別に取付箇所(例えば、車両用ドアトリム)に取り付ける構成と比較して、より容易に取り付けることができる。また、光源本体、導光体、光案内部を一つのユニットとして構成することで、様々な種類の車両用ドアトリムに対して、車両用照明装置を容易に取り付けることができる。
【0017】
また、前記光案内部は、前記カバー部材とは別体の光案内部材であって、前記光案内部は、前記カバー部材に取り付けられているものとすることができる。
【0018】
このように、光案内部をカバー部材とは別体の光案内部材とすることで、光案内部のみを容易に付け替えることができる。すなわち、アームレストの形態(配置箇所や形状)又はアームレストに設けられた機能部品(スイッチ操作部など)の形態に合わせて、様々な種類の光案内部を付け替えることで、光の照射方向を調整することが可能となる。この結果、様々な種類の車両用ドアトリムに適用可能な車両用照明装置を容易に提供することができる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の光源ユニットは、車両用内装材に設けられる光源ユニットであって、光源本体と、前記光源本体から出射される光を導光可能とする導光体と、前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材と、前記導光体における光出射部を覆う形で前記カバー部材に取り付けられた光案内部材と、を備え、前記光案内部材は、前記導光体における前記光出射部から出射される光の出射方向に対して傾斜する形状をなす傾斜片を有していることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、光出射部から傾斜片に向けて出射された光を、傾斜片による反射などによって、傾斜片の傾斜方向(光出射部から出射される光の出射方向に対する傾斜方向)に沿った方向に案内させることができる。この結果、光出射部からの光を、その出射方向に対して傾斜する方向(所定の方向)に向かわせることができる。
【0021】
また、本発明のように、光源本体、導光体、カバー部材、光案内部材を光源ユニットとして構成することで、各部材をそれぞれ個別に車両用内装材に取り付ける構成と比較して、より容易に取り付けることができる。また、光源本体、導光体、光案内部を光源ユニットとして構成することで、様々な種類の車両用内装材に対して、光源ユニットを容易に取り付けることができる。
【0022】
さらに、本発明においては、光案内部材のみを容易に付け替えることができる。このため、傾斜片の傾斜角度が異なる様々な種類の光案内部材をカバー部材に対して付け替えることで、光源ユニットから出射される光の出射方向を適宜変更することが可能となる。この結果、様々な種類の照射対象に適応可能な光源ユニットを容易に提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な車両用照明装置を提供することができる。また、光源(光源本体)からの出射光を所定の方向に向けることが可能な光源ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用照明装置が取り付けられた車両用ドアトリムを示す正面図
【図2】図1のインサイドハンドルを示す斜視図
【図3】図1のインサイドハンドルを示す平面図
【図4】車両用照明装置を示す断面図(図1のA−A線で切断した図)
【図5】図4の車両用照明装置が備える光源ユニットを示す斜視図
【図6】図4の車両用照明装置が備える光源ユニットを示す分解斜視図
【図7】図4の車両用照明装置が備える光源ユニットを示す断面図(図4のB−B線で切断した図)
【図8】図6の光案内部を示す斜視図
【図9】図1のインサイドハンドルを示す正面図
【図10】図9の光案内部付近を拡大して示す斜視図
【図11】変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。図1は、本実施形態の車両用照明装置20が取り付けられた車両用ドアトリム10(車両用内装材)を示す正面図である。車両用ドアトリム10は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる内装材であって、インナパネルとともに車両用ドアを構成するものである。
【0026】
車両用ドアトリム10は、車室内の見栄えや居住性を向上させるためのもので、トリムボード10Aと、当該トリムボード10Aに取り付けられるオーナメント10Bとを備えている。図1に示すように、トリムボード10Aは、その下部を構成するロアボード11、中央部を構成するミドルボード12、上部を構成するアッパボード13から分割構成されている。なお、トリムボード10Aは、各ボード11,12,13から分割構成されず、一体部品として成形されるものであってもよい。
【0027】
ロアボード11、ミドルボード12、アッパボード13は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。また、車両用ドアトリム10の車室内側には、表皮材15(図4参照)が一部または全部に貼着されている。各ボード11,12,13同士の結合は、例えば、一方のボードに形成された取付用ボスを他方のボードに形成された貫通孔に挿通した後で、超音波溶着などの溶着手段によって取付用ボスの先端部を溶着することで行われる。なお、各ボード11,12,13同士の結合は、ビス止めや爪嵌合など様々な結合方法によって行うことができる。
【0028】
ミドルボード12には、図1に示すように、乗員の肘掛けとして使用されるアームレスト14が車室内側に張り出し状に形成されている。このアームレスト14の上面14Bは、例えば、水平方向に沿って延びている。また、上面14Bには、上方へ開口する開口部14Aが形成され、この開口部14Aの内部には、乗員が指を差し入れることによって車両用ドアを開閉操作するためのプルハンドル(図示せず)が設けられている。
【0029】
アッパーボード13においてミドルボード12との接合部付近には、インサイドハンドル収容部30が設けられており、その内部には車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル31のハンドル部31A(把持部)が収容されている。また、アームレスト14の上面14Bにおいて、インサイドハンドル収容部30の下方に位置する箇所には、スイッチ操作部を有するスイッチベース16が設けられている。
【0030】
本実施形態の車両用照明装置20は、図4に示すように、インサイドハンドル収容部30の内部及びアームレスト14(特にスイッチベース16)を照らすための光源50と、光源50(後述する光出射面62E)から、アームレスト14に向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部70とを備えている。インサイドハンドル収容部30は、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33とを主体に構成されている。なお、以下の説明では、インサイドハンドル収容部30を収容部30、インサイドハンドルベゼル32をベゼル32、インサイドハンドルカバー33をカバー33と言う場合もある。
【0031】
ベゼル32は、図2及び図4に示すように、正面視方形状をなし、車室内側に開口する形で配されている。なお、ベゼル32には、図3に示すように、車室外側へ突き出す形で取付爪35が形成されており、この取付爪35をトリムボード10Aに取り付け可能な構成となっている。カバー33は、ベゼル32の奥壁を車室内側から覆う形で取り付けられている。つまり、カバー33は収容部30の奥壁を構成するものである。
【0032】
光源50は、ベゼル32の下壁32A(インサイドハンドル収容部を構成する下壁)の下方、言い換えると、アームレスト14の上方に配されている。図4に示すように、下壁32Aの端部からは、光源50の側方および下方を覆う形で延びる延設部32Bが形成されている。つまり、図4に示すように、下壁32A及び延設部32Bによって、凹状に形成された光源収容部が構成されており、光源50は、この光源収容部に収容されている。
【0033】
下壁32Aには、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とする光出射孔32Eが貫通形成されている。一方、延設部32Bの下部は、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部32Dとされている。この傾斜部32Dには、下壁部光出射孔32Fが貫通形成されている。この下壁部光出射孔32Fは光源50から出射される光を通過させるためのものである。
【0034】
つまり、本実施形態においては、光源50から光出射孔32Eを通じて光を出射することで、インサイドハンドル収容部30内を照らすことができるとともに、光源50から下壁部光出射孔32Fを通じて光を出射することで、下壁部光出射孔32Fの下方に配されているアームレスト14を照らすことが可能な構成となっている。
【0035】
また、下壁部光出射孔32Fは、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部32Dに形成されている。このようにすれば、乗員が上方から下壁部光出射孔32Fを視認する事態を抑制できるから、意匠性を損なうことがない(図4に乗員の視線E2を示す)。
【0036】
また、延設部32Bの下端には、図4に示すように、ミドルボード12から突出する取付ボス12Aが挿通された取付孔32Gが形成されている。取付ボス12Aを取付孔32Gに挿通させた後、取付ボス12Aの突出端を超音波溶着などの溶着手段によって溶着することで、ミドルボード12に対して、ベゼル32の延設部32Bが結合される。
【0037】
次に、光源50、光案内部70、カバー部材(上側カバー61及び下側カバー63)からなる光源ユニット40の構成について説明を行う。光源50は、図5及び図6に示すように、LED51(光源本体)と、平面視略方形状の平板状をなすレンズ部材62(導光体)と、を主体に構成されている。LED51及びレンズ部材62はカバー部材(上側カバー61及び下側カバー63)に収容されている。レンズ部材62(及びカバー部材の一部)は、LED51から出射された光を、光出射孔32E(収容部30内)及び下壁部光出射孔32F(アームレスト14)側に導光可能な構成となっている。
【0038】
LED51は、図6に示すように、基板52に対して実装されている。この基板52には、電線53が接続されており、電線53の一端側には、コネクタ54が取り付けられている。電線53及びコネクタ54を介して、LED51は、電源装置(図示せず)に電気的に接続されている。
【0039】
レンズ部材62は、アクリル等の透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂により形成されている。図7に示すように、レンズ部材62におけるLED51側の隅部は、曲面状をなす形で切り欠かれており、光入射面62Aとされる。LED51は、その発光面51Aを光入射面62Aに向ける形で配されている。これにより、光入射面62AにLED51からの光が入射される構成となっている。
【0040】
LED51は、その光軸LAが、例えば、車両前後方向(図7の左右方向)に沿って配されている。なお、LED51(発光面51A)から発せられる光は、光軸LAを中心にして所定の角度範囲内で三次元的に放射状に広がり、その発光強度は、光軸LAに沿った方向が際立って高く、光軸LAに対する傾き角度が大きくなるにつれて低下するような傾向の分布を示す。
【0041】
上側カバー61及び下側カバー63は、例えば合成樹脂製とされる。また、両カバー61、63の内周面には、図6に示すように、LED51を嵌合可能な凹部61B、63Bが形成されており、この凹部61B、63B内にLED51が配される構成となっている。
【0042】
図7に示すように、上側カバー61における車両前後方向(図7の左右方向)の両側からは、それぞれ延設部61D、61Eが形成されている。各延設部61D、61Eには、取付孔61D1、61E1がそれぞれ貫通形成されている。ベゼル32の延設部32Bには、車室外側(図7の上側)に延びる取付爪34D、34Eが形成されている。各取付爪34D,34Eを各取付孔61D1、61E1に嵌合させることで、ベゼル32に対して光源50が取り付けられる構成となっている。
【0043】
上側カバー61の内周面61R及び下側カバー63の内周面63Rは、それぞれ光を反射可能な光反射面とされる。このような光反射面を形成する方法としては、例えば、上側カバー61及び下側カバー63を光の反射性に優れた色(白色など)の材質とすればよい。なお、上側カバー61及び下側カバー63の内周面に光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで光反射面を形成してもよい。
【0044】
上側カバー61における車室内側の先端壁部64(下壁部光出射孔32Fと対向状に配される部分)は、図6に示すように、車室内側(LED51から遠ざかる側)に向かって下降傾斜する形状をなしている。これにより、先端壁部64の内面に到達した光を下方(アームレスト14側)に向けて反射させることができる。つまり、先端壁部64の内面は、LED51からの光の一部をアームレスト14側に向けて導光可能とする導光体の一部であると言うこともできる。
【0045】
図7に示すように、下側カバー63においてLED51が配された側と反対側の端部は、車両後方に突き出す突出壁部65とされる。この突出壁部65は、平面視において、LED51の光軸LAと同一直線状となる位置に配されており、突出壁部65に囲まれた箇所には、レンズ部材62の上側光出射部62Bが収容されている。また、図6に示すように、突出壁部65の底面65Aは、車両後方(LED51から遠ざかる側)に向かうにつれて上昇傾斜する形状をなしている。これにより、突出壁部65の底面65Aに到達した光が上方に反射される構成となっている。
【0046】
図4及び図5に示すように、上側カバー61において、ベゼル32の光出射孔32Eと対向する箇所には貫通孔61Aが形成されており、貫通孔61Aは、平面視においてレンズ部材62に形成された上側光出射部62Bと重なる箇所に形成されている。言い換えると、上側光出射部62Bは、光出射孔32Eの形成箇所と対向する形で配されている。これにより、上側光出射部62Bから上方に光を出射可能な構成となっている。
【0047】
図4及び図5に示すように、下側カバー63において、ベゼル32の下壁部光出射孔32Fと対向する箇所には貫通孔63Aが形成されており、この貫通孔63Aから、レンズ部材62の下面に形成された下側光出射部62Dの光出射面62E(光出射部)が露出する構成となっている。これにより、下側光出射部62Dから下方に光を出射可能な構成となっている。つまり、下側光出射部62Dは、下壁部光出射孔32Fと対向する形で配されている。また、図7に示すように、下壁部光出射孔32F及び下側光出射部62D(光出射面62E)は、車両前後方向に延びる長手状をなしている。
【0048】
図7に示すように、光入射面62Aのうち、下側光出射部62D側の曲面62A1は、LED51からの出射光(図7における矢線L2)が広範囲に拡散される形状をなしている。一方、光入射面62Aのうち、上側光出射部62B側の曲面62A2は、曲面62A1と比較して曲率が小さく設定され、LED51からの出射光(図7における矢線L1)が上側光出射部62Bに向かって真っ直ぐ向かう形状をなしている。言い換えると、曲面62A2を通過する光は、曲面62A1を通過する光と比較して拡散されにくい構成となっている。
【0049】
これにより、LED51からの出射光のうち、曲面62A1を通過した光は、広範囲に拡散されることで、長手状をなす下壁部光出射孔32Fの全長に亘って到達しやすくなる。つまり、LED51からの光の一部は、曲面62A1を通過することで、下側光出射部62Dに向かって導光される構成となっている。また、LED51からの出射光のうち、曲面62A2を通過した光は、比較的拡散されにくく、上側光出射部62Bに到達しやすくなる。
【0050】
図6に示すように、上側光出射部62Bの上面(光出射面)及び下側光出射部62Dの下面(光出射面)は、その表面が略三角波形状で形成されている。これは、上側光出射部62B又は下側光出射部62Dから、レンズ部材62外部に出射される光を屈折させることで、その光路を調整するためのものである。なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの表面形状は、略三角波形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0051】
以上の構成によって、LED51から出射された光は、光入射面62Aからレンズ部材62の内部に入射する。レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L1)は、上側光出射部62Bに到達し、上側光出射部62Bから出射される。また、レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L2)は、下側光出射部62Dに到達し、下側光出射部62Dの光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射される。
【0052】
そして、上側光出射部62Bから出射された光(図4における矢線L1)は、図4に示すように、光出射孔32Eを通過して、収容部30内に出射される。これにより、収容部30内を照らすことができる。また、下側光出射部62Dから出射された光(図4における矢線L2)は、下壁部光出射孔32Fを通過して、アームレスト14(スイッチベース16)に向かって出射される。これにより、スイッチベース16ひいては、そこに設けられたスイッチ操作部(図示せず)を照らすことができ、視認性を向上させることができる。このように、本実施形態においては、一つの光源50によって、レンズ部材62(導光体)の上方(つまり、インサイドハンドル収容部30内)及び下方(本実施形態では、スイッチベース16)を照らすことが可能となる。
【0053】
なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62D以外の箇所から、レンズ部材62の外部に出射した光は、上側カバー61及び下側カバー63の内周面(光反射面)によって反射され、再びレンズ部材62内に入射する(このような光の一例を図7において矢線L3で示す)。これにより、LED51から出射された光の利用効率を高くすることができる。
【0054】
本実施形態においては、光出射孔32Eは、図3及び図4に示すように、ベゼル32の下壁32Aにおいて、インサイドハンドル31のハンドル部31Aよりも車室外側(図4の右側)に配されている。また、カバー33には、車室内側に突き出す突部33Aが形成されている。この突部33Aは、図3に示すように、光出射孔32Eよりも車両後方(図3の左側)に配されている。これにより、突部33Aは、光出射孔32Eから車両後方に出射された光を遮光可能な遮光部とされる。
【0055】
このような構成とすれば、光出射孔32Eから出射した光のうち、インサイドハンドル収容部30における開口側(車室内側)に向かう光の一部は、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33A(遮光部)によって遮光される。言い換えると、乗員から見た場合(図2及び図3に乗員からの視線E1を示す)、光出射孔32Eは突部33A及びインサイドハンドル31のハンドル部31Aによって隠蔽される。
【0056】
これにより、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。なお、一般的に着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30よりも、車両後方に配される。このため、本実施形態では、突部33Aを光出射孔32Eよりも車両後方に形成することにした。なお、乗員が車両後方から光出射孔32Eを、より直視しにくい構成とするためには、突部33Aを光出射孔32Eに対して、より近付けて形成することが好ましい。
【0057】
本実施形態においては、光源50から上方に出射する光でインサイドハンドル収容部30を照らす構成としている。通常、着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30より上方に位置するため、光源50から上方に出射する光は、下方を向く光よりも乗員の目に入りやすくなる。この点、本実施形態では、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33Aによって、このような上方に出射する光を遮光できる。言い換えると、本実施形態においては、光出射孔32Eをインサイドハンドル収容部30の下壁32A(下面)に設けた場合であっても、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。
【0058】
次に、本実施形態における光案内部70の構成について説明をする。光案内部70は、図4に示すように、光出射面62E(光源の光出射面)の下方を覆う形で配されている。光案内部70は、図6及び図7に示すように、車両前後方向に延びる形状をなし、下側カバー63に取り付けられている。つまり、光案内部70は、下側カバー63とは別体の部材(光案内部材)である。
【0059】
光案内部70は、長手方向の両端部に形成された取付突部71,72を有している。取付突部71は、下側カバー63を構成する壁部に形成された凹部66に嵌合可能とされ、取付突部72が下側カバー63を構成する壁部に形成された凹部67に嵌合可能とされる。これにより、光案内部70が下側カバー63に取り付けられる構成となっている。
【0060】
なお、光案内部70の下側カバー63に対する取付手段は、取付突部71,72及び凹部66,67に限定されず適宜変更可能である。例えば、ビスなどで光案内部70を下側カバー63に取り付けてもよい。なお、光案内部70は上側カバー61に取り付けられていてもよい。また、光案内部70は、下側カバー63(又は上側カバー61)と一体的に形成されていてもよい。
【0061】
光案内部70の底壁部70Aには、図8〜図10に示すように、複数の傾斜片73が車両前後方向に沿う形で配列されている。各傾斜片73は、下方に向かうにつれて車両前方(図9及び図10の右側)に傾斜する形状をなしている。つまり、各傾斜片73は、レンズ部材62(導光体)における光出射面62Eから出射される光の出射方向(図10の下方)に対して傾斜する形状をなしている。また、各傾斜片73は、車両後方(図9及び図10における左側)かつ下方から、光源50の光出射面62Eを覆う構成となっている。
【0062】
各傾斜片73は、各々車両前後方向に間隔を空ける形で配されている。つまり、各傾斜片73の間には、下方に向かうにつれて車両前方に傾斜する方向に貫通されたスリット74が形成されており、そのスリット74を光が通過可能な構成となっている。
【0063】
また、各傾斜片73の下端は、車両前方に隣接される傾斜片73の上端と、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配されている。各傾斜片73のうち、隣接する2つの傾斜片(第1傾斜片75,第2傾斜片76)を例に挙げて説明すると、第1傾斜片75の下端P1は、第1傾斜片75の車両前方に隣接される第2傾斜片76の上端P2と、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配されている。これにより、光出射面62Eと直交する方向に沿って下方から第1傾斜片75及び第2傾斜片76を視た場合においては、第1傾斜片75によって、第1傾斜片75及び第2傾斜片76の間の光出射面62Eが隠蔽される。
【0064】
このような各傾斜片73を備えることで、光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射された光のうち、車両後方へ向かう光を、各傾斜片73によって遮光する(又は車両前方へ反射させる)ことができる。この結果、光案内部70は、光出射面62Eからの出射光を車両前方に向けることが可能な構成となっている。
【0065】
なお、ここで言う「光出射面62Eからの出射光を車両前方に向けることが可能な構成」とは、各傾斜片73によって、光出射面62Eから車両後方に向かう光が遮光される結果、光出射面62Eから車両前方に向かう光のみがアームレスト14に向かって出射される構成、又は、光出射面62Eからの出射光を各傾斜片73によって、車両前方に反射可能とする構成のことを言う。
【0066】
また、各傾斜片73を例えば、光反射性の低い色(例えば、黒色など)とすることで、光出射面62Eから車両後方に向かう光をより効果的に遮光可能な構成としてもよい。また、各傾斜片73を例えば、光反射性の高い色(例えば、白色など)とすることで、光出射面62Eからの出射光をより効果的に車両前方に反射可能な構成としてもよい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態においては、光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部70を備えている。つまり、光源50からの出射光を所定の方向(車両前方)に向けることができる。これにより、光案内部70によって、車両前方に向けられた光(図9、図10における矢線L4)は、アームレスト14(スイッチベース16)に反射された場合において、車両前方へ反射される。このように、本実施形態においては、アームレスト14からの反射光が、車両後方に向かう事態を抑制でき、アームレスト14(スイッチベース16)に対して車両後方に位置する乗客の目に反射光が到達する事態を抑制でき、乗員の防眩性を確保することができる。
【0068】
また、光出射面62E(光出射部)は、車両前後方向に延びる形状をなすものとすることができる。
【0069】
このような構成とすれば、車両前後方向に延びるアームレスト14に対して、光出射面62Eから出射される光の照射エリアを車両前後方向に長くすることができ、アームレスト14を照らす場合に好適である。
【0070】
また、光案内部70は、下方に向かうにつれて車両前方に傾斜する形状をなす複数の傾斜片73を有し、複数の傾斜片73は、車両前後方向に沿う形で配列されている。
【0071】
このような構成とすれば、光出射面62Eを複数の傾斜片73によって、下方かつ車両後方から覆うことができる。これにより、光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射された光のうち、車両後方へ向かう光を、各傾斜片73によって遮光する(又は車両前方へ反射させる)ことができる。この結果、光出射面62Eからの光を車両前方に向けることができる。
【0072】
また、複数の傾斜片73のうち、第1傾斜片75の下端P1は、複数の傾斜片73のうち、第1傾斜片75の車両前方に隣接される第2傾斜片76の上端P2と、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配されている。
【0073】
第1傾斜片75の下端P1と第2傾斜片76の上端P2とを、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配することで、光出射面62Eと直交する方向から視た場合において、第1傾斜片75と第2傾斜片76との間に隙間が生じる事態を抑制できる。これにより、光出射面62Eの下方かつ車両後方を第1傾斜片75と第2傾斜片76によって隙間なく覆うことができ、第1傾斜片75と第2傾斜片76との間に出射された光が車両後方に向かう事態をより確実に抑制できる。
【0074】
特に、アームレスト14(スイッチベース16)の表面(上面14B)に、例えば、光沢処理などが施され、その表面が高い光反射性を有している場合は、アームレスト14(スイッチベース16)の表面に光源50の光出射面62Eが映り込む事態を抑制でき、好適である。
【0075】
また、光源50は、LED51(光源本体)と、LED51ら出射される光をアームレスト14側に導光可能とするレンズ部材62と、を有しており、LED51及びレンズ部材62を収容可能なカバー部材(上側カバー61及び下側カバー63)を備え、光案内部70は、下側カバー63(又は上側カバー61)に設けられている。
【0076】
本実施形態においては、LED51及びレンズ部材62が収容されるカバー部材に光案内部70を取り付ける構成としている。つまり、光源50(LED51、レンズ部材62)と光案内部70を一つのユニット(光源ユニット40)として車両用照明装置20を構成している。これにより、光源50と光案内部70とをそれぞれ個別に取付箇所(例えば、車両用ドアトリム)に取り付ける構成と比較して、より容易に取り付けることができる。また、LED51、レンズ部材62、光案内部70を一つのユニット(光源ユニット40)として構成することで、様々な種類の車両用ドアトリムに対して、車両用照明装置20を容易に取り付けることができる。
【0077】
また、光案内部70は、カバー部材とは別体の光案内部材であって、光案内部70は、カバー部材に取り付けられている。
【0078】
このように、光案内部70をカバー部材とは別体の光案内部材とすることで、光案内部70のみを容易に付け替えることができる。すなわち、アームレスト14の形態(配置箇所や形状)又はアームレスト14に設けられた機能部品(スイッチ操作部など)の形態に合わせて、様々な種類の光案内部70(例えば、傾斜片73の傾斜角度が異なる光案内部)を付け替えることで、光の照射方向を調整することが可能となる。この結果、様々な種類の車両用ドアトリムに適用可能な車両用照明装置20(又は光源ユニット40)を容易に提供することができる。
【0079】
また、本実施形態の光源ユニット40は、車両用ドアトリム10に設けられる光源ユニットであって、LED51と、LED51から出射される光を導光可能とするレンズ部材62と、LED51及びレンズ部材62を収容可能なカバー部材と、レンズ部材62における光出射面62Eを覆う形で下側カバー63(カバー部材)に取り付けられた光案内部70と、を備え、光案内部70は、レンズ部材62における光出射面62Eから出射される光の出射方向に対して傾斜する形状をなす傾斜片73を有している。
【0080】
本実施形態においては、光出射面62Eから傾斜片73に向けて出射された光を、傾斜片73の傾斜方向に沿った方向に案内することができる。この結果、光出射面62Eからの光を、その出射方向に対して傾斜する方向(所定の方向)に向かわせることができる。
【0081】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図11によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。上記実施形態においては、インサイドハンドル収容部30の光出射孔32E、下壁部光出射孔32Fを、それぞれ光が通過する構成とした。これに対して、本実施形態においては、光出射孔32E、下壁部光出射孔32Fを備えずに光を通過させる構成としてある。
【0082】
具体的には、本実施形態において、インサイドハンドル収容部130のベゼル132(底壁132A、下壁部132B、傾斜部132D)は、透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂材料(例えばアクリルやポリカーボネート等)により形成されている。そして、ベゼル132における車室内側の面には、光透過部142及び光遮断部141が形成されている。
【0083】
光透過部142は、光源50の上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの各々と対向する箇所にそれぞれ形成されている。光遮断部141は、例えば、ベゼル132における車室内側の面において光透過部142以外の箇所に形成されている。なお、図11においては、上側光出射部62Bと対向する光透過部142に符号142Aを付け、下側光出射部62Dと対向する光透過部142に符号142Bを付けてある。
【0084】
なお、このような光透過部142は、例えば、光透過部142を光透過性の高い材質で設定したり、光透過部142の厚さを光が透過する程度に薄くしたりすることで形成することができる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態においては、ベゼル132を透光性の大きい部材にするとともに、光透過部142A、光透過部142Bを設けることで、光源50の上方(インサイドハンドル収容部130内)及び下方(アームレスト14)を照らすことが可能となっている。つまり、本実施形態においては、実施形態1で例示した光出射孔32E、下壁部光出射孔32Fを備えた構成の代わりに、ベゼル132を透光性の大きいものにするとともに光透過部142A、光透過部142Bを設けた構成としてある。
【0086】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0087】
(1)上記実施形態においては、光案内部70が傾斜片73を有することで、光源50からの出射光を車両前方に案内可能な構成を例示したが、これに限定されない。光案内部70は、光源50からの出射光を車両前方に案内可能な構成であればよい。例えば、光案内部70は、光源50からの出射光を屈折させることで、車両前方に向かわせる構成であってもよい。また、光案内部70として、出射光の出射方向を制御するフィルム(視野角調整フィルムなど)を用いることで、光源50からの出射光を車両前方へ向かわせる構成としてもよい。
【0088】
(2)上記実施形態においては、光案内部70は、カバー部材に取り付けられている構成、つまり、光源50と一体的に設けられている構成を例示したが、これに限定されない。光案内部70は、光源50における光出射部を覆う形で配されていればよく、その設置箇所は適宜変更可能である。例えば、光案内部70は、ベゼル32や車両用ドアトリム10等の内装材に取り付けられていてもよい。また、光案内部70が、例えば、ベゼル32や車両用ドアトリム10等の内装材と一体的に形成されていてもよい。
【0089】
(3)上記実施形態では、光源50が、LED51(光源本体)とレンズ部材62(導光体)とを備えた構成を例示したが、これに限定されない。例えば、レンズ部材62を備えていなくてもよく、LED51で直接アームレスト14を照らす構成としてもよい。また、光源本体としては、LED51以外の光源(例えば、電球等)を使用してもよい。
【0090】
(4)上記実施形態では、上側光出射部62Bからの出射光によって、インサイドハンドル収容部30内を照らす構成としたが、これに限定されず、他の部品を照らす構成としてもよい。また、光源50は、アームレスト14のみを照らす構成であってもよい。
【0091】
(5)上記実施形態においては、光源ユニット40が設けられる車両用内装材として、車両用ドアトリム10を例示したが、これに限定されない。車両用内装材としては、ピラーガーニッシュやインストルメントパネルなどを例示することができる。
【0092】
(6)上記実施形態においては、光源50における光出射部として光出射面62Eを例示したが、光出射部は、光出射面(面状)に限定されない。
【0093】
(7)上記実施形態においては、光案内部70によって光源50からの光を車両前方に向ける(案内する)構成としたが、これに限定されない。光案内部70によって、案内される光の出射方向は、適宜変更可能である。
【0094】
(8)LED51からの光をアームレスト14側に向けて導光するための導光体としては、レンズ部材62以外のものを例示することもできる。例えば、導光体としては、プリズムなどを例示することもでき、プリズムによってLED51からの光をアームレスト14側に屈折させる構成としてもよい。また、導光体としては、例えば、光ファイバや導光板のように、その内部で光の全反射を繰り返すことで、LED51からの光をアームレスト14側に導光可能とするものを例示することもできる。
【符号の説明】
【0095】
10…車両用ドアトリム、14…アームレスト、20…車両用照明装置、40…光源ユニット、50…光源、51…LED(光源本体)、61…上側カバー(カバー部材)、62…レンズ部材(導光体)、62E…光出射面(光出射部)、63…下側カバー(カバー部材)、70…光案内部(光案内部材)、73…傾斜片、75…第1傾斜片、76…第2傾斜片、P1…第1傾斜片の下端、P2…第2傾斜片の上端
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置、及び光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアトリム(車両用内装材)に設けられ、所定部位(例えば、アームレスト)を照らすための光源ユニットや、このような光源ユニットを備えた車両用照明装置などが知られている(例えば、下記特許文献1)。特許文献1のものでは、アームレストの上方に光源(照明手段)が設置され、アームレストを照らす構成となっている。このようにアームレストを照らすことで、例えば、アームレストに設けられたスイッチ類などの視認性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−86273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アームレストを上方から照らす構成では、光源からアームレストに向けて出射された光が、アームレストの上面に反射することで上方に向かう結果、乗客の目に到達する可能性がある。これにより、乗客が眩しさを感じてしまうという問題点がある。また、アームレストの上面に反射した光が乗客の目に到達することで、アームレストの上面に光源が映り込んでしまうこともあり、意匠性を低下させる事態も懸念される。特に、アームレストの上面は、意匠性を高くするために光沢処理が施されている場合があり、光反射性が高いため、上記のような問題点がより一層起こりやすい。
【0005】
このように、車両用内装材に設けられる車両用照明装置(又は光源ユニット)においては、乗客の目に対して出射光が到達する事態を抑制するなどの目的で、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な構成が求められている。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な車両用照明装置を提供することを目的とする。特に、アームレストを照らす車両用照明装置においては、光源からの出射光を所定の方向に向けることで、出射された光が乗客の目に到達する事態を抑制することを目的とする。また、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な光源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車両用照明装置は、車両用ドアトリムに設けられたアームレストを照明するための車両用照明装置であって、前記アームレストの上方に配され、前記アームレストに向けて光を出射可能な光出射部を有する光源と、前記光出射部の下方を覆う形で配され、前記光出射部から前記アームレストに向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部と、を備えることに特徴を有する。
【0008】
本発明は、光出射部からアームレストに向けて出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部を備えている。つまり、光源からの出射光を車両前方(所定の方向)に向けることができる。これにより、光案内部によって、車両前方に向けられた光は、アームレストに反射された場合において、車両前方へ反射される。このように、本発明においては、アームレストからの反射光が車両後方に向かう事態を抑制でき、アームレストに対して車両後方に位置する乗客の目に反射光が到達する事態を抑制できる。
【0009】
上記構成において、前記光出射部は、車両前後方向に延びる形状をなすものとすることができる。
【0010】
このような構成とすれば、車両前後方向に延びるアームレストに対して、光出射部から出射される光の照射エリアを車両前後方向に長くすることができ、アームレストを照らす場合に好適である。
【0011】
また、前記光案内部は、下方に向かうにつれて前記車両前方に傾斜する形状をなす複数の傾斜片を有し、前記複数の傾斜片は、車両前後方向に沿う形で配列されているものとすることができる。
【0012】
このような構成とすれば、光出射面を複数の傾斜片によって、下方かつ車両後方から覆うことができる。これにより、光出射面からアームレストに向けて出射された光のうち、車両後方へ向かう光を、各傾斜片によって遮光する(又は車両前方へ反射させる)ことができる。この結果、光出射面からの光を車両前方に向けることができる。
【0013】
また、前記光出射部は、光出射面によって構成されるものであって、前記複数の傾斜片のうち、第1傾斜片の下端は、前記複数の傾斜片のうち、前記第1傾斜片の前記車両前方に隣接される第2傾斜片の上端と、前記光出射面と直交する方向に沿って重なる形で配されているものとすることができる。
【0014】
第1傾斜片の下端と第2傾斜片の上端とを、光出射面と直交する方向に沿って重なる形で配することで、光出射面と直交する方向から視た場合において、第1傾斜片と第2傾斜片との間に隙間が生じる事態を抑制できる。これにより、光出射面の下方かつ車両後方を第1傾斜片と第2傾斜片によって隙間なく覆うことができ、第1傾斜片と第2傾斜片との間に出射された光が車両後方に向かう事態をより確実に抑制できる。特に、アームレストの表面に、例えば、光沢処理などが施され、その表面が高い光反射性を有している場合は、アームレストの表面に光源が映り込む事態を抑制でき、好適である。
【0015】
また、前記光源は、光源本体と、前記光源本体から出射される光を前記アームレスト側に導光可能とする導光体と、を有しており、前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材を備え、前記光案内部は、前記カバー部材に設けられているものとすることができる。
【0016】
本発明においては、光源本体及び導光体が収容されるカバー部材に光案内部が設けられている構成としている。つまり、光源本体、導光体、光案内部を一つのユニットとして車両用照明装置を構成している。これにより、光源と光案内部とをそれぞれ個別に取付箇所(例えば、車両用ドアトリム)に取り付ける構成と比較して、より容易に取り付けることができる。また、光源本体、導光体、光案内部を一つのユニットとして構成することで、様々な種類の車両用ドアトリムに対して、車両用照明装置を容易に取り付けることができる。
【0017】
また、前記光案内部は、前記カバー部材とは別体の光案内部材であって、前記光案内部は、前記カバー部材に取り付けられているものとすることができる。
【0018】
このように、光案内部をカバー部材とは別体の光案内部材とすることで、光案内部のみを容易に付け替えることができる。すなわち、アームレストの形態(配置箇所や形状)又はアームレストに設けられた機能部品(スイッチ操作部など)の形態に合わせて、様々な種類の光案内部を付け替えることで、光の照射方向を調整することが可能となる。この結果、様々な種類の車両用ドアトリムに適用可能な車両用照明装置を容易に提供することができる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の光源ユニットは、車両用内装材に設けられる光源ユニットであって、光源本体と、前記光源本体から出射される光を導光可能とする導光体と、前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材と、前記導光体における光出射部を覆う形で前記カバー部材に取り付けられた光案内部材と、を備え、前記光案内部材は、前記導光体における前記光出射部から出射される光の出射方向に対して傾斜する形状をなす傾斜片を有していることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、光出射部から傾斜片に向けて出射された光を、傾斜片による反射などによって、傾斜片の傾斜方向(光出射部から出射される光の出射方向に対する傾斜方向)に沿った方向に案内させることができる。この結果、光出射部からの光を、その出射方向に対して傾斜する方向(所定の方向)に向かわせることができる。
【0021】
また、本発明のように、光源本体、導光体、カバー部材、光案内部材を光源ユニットとして構成することで、各部材をそれぞれ個別に車両用内装材に取り付ける構成と比較して、より容易に取り付けることができる。また、光源本体、導光体、光案内部を光源ユニットとして構成することで、様々な種類の車両用内装材に対して、光源ユニットを容易に取り付けることができる。
【0022】
さらに、本発明においては、光案内部材のみを容易に付け替えることができる。このため、傾斜片の傾斜角度が異なる様々な種類の光案内部材をカバー部材に対して付け替えることで、光源ユニットから出射される光の出射方向を適宜変更することが可能となる。この結果、様々な種類の照射対象に適応可能な光源ユニットを容易に提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、光源からの出射光を所定の方向に向けることが可能な車両用照明装置を提供することができる。また、光源(光源本体)からの出射光を所定の方向に向けることが可能な光源ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用照明装置が取り付けられた車両用ドアトリムを示す正面図
【図2】図1のインサイドハンドルを示す斜視図
【図3】図1のインサイドハンドルを示す平面図
【図4】車両用照明装置を示す断面図(図1のA−A線で切断した図)
【図5】図4の車両用照明装置が備える光源ユニットを示す斜視図
【図6】図4の車両用照明装置が備える光源ユニットを示す分解斜視図
【図7】図4の車両用照明装置が備える光源ユニットを示す断面図(図4のB−B線で切断した図)
【図8】図6の光案内部を示す斜視図
【図9】図1のインサイドハンドルを示す正面図
【図10】図9の光案内部付近を拡大して示す斜視図
【図11】変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。図1は、本実施形態の車両用照明装置20が取り付けられた車両用ドアトリム10(車両用内装材)を示す正面図である。車両用ドアトリム10は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる内装材であって、インナパネルとともに車両用ドアを構成するものである。
【0026】
車両用ドアトリム10は、車室内の見栄えや居住性を向上させるためのもので、トリムボード10Aと、当該トリムボード10Aに取り付けられるオーナメント10Bとを備えている。図1に示すように、トリムボード10Aは、その下部を構成するロアボード11、中央部を構成するミドルボード12、上部を構成するアッパボード13から分割構成されている。なお、トリムボード10Aは、各ボード11,12,13から分割構成されず、一体部品として成形されるものであってもよい。
【0027】
ロアボード11、ミドルボード12、アッパボード13は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。また、車両用ドアトリム10の車室内側には、表皮材15(図4参照)が一部または全部に貼着されている。各ボード11,12,13同士の結合は、例えば、一方のボードに形成された取付用ボスを他方のボードに形成された貫通孔に挿通した後で、超音波溶着などの溶着手段によって取付用ボスの先端部を溶着することで行われる。なお、各ボード11,12,13同士の結合は、ビス止めや爪嵌合など様々な結合方法によって行うことができる。
【0028】
ミドルボード12には、図1に示すように、乗員の肘掛けとして使用されるアームレスト14が車室内側に張り出し状に形成されている。このアームレスト14の上面14Bは、例えば、水平方向に沿って延びている。また、上面14Bには、上方へ開口する開口部14Aが形成され、この開口部14Aの内部には、乗員が指を差し入れることによって車両用ドアを開閉操作するためのプルハンドル(図示せず)が設けられている。
【0029】
アッパーボード13においてミドルボード12との接合部付近には、インサイドハンドル収容部30が設けられており、その内部には車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル31のハンドル部31A(把持部)が収容されている。また、アームレスト14の上面14Bにおいて、インサイドハンドル収容部30の下方に位置する箇所には、スイッチ操作部を有するスイッチベース16が設けられている。
【0030】
本実施形態の車両用照明装置20は、図4に示すように、インサイドハンドル収容部30の内部及びアームレスト14(特にスイッチベース16)を照らすための光源50と、光源50(後述する光出射面62E)から、アームレスト14に向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部70とを備えている。インサイドハンドル収容部30は、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33とを主体に構成されている。なお、以下の説明では、インサイドハンドル収容部30を収容部30、インサイドハンドルベゼル32をベゼル32、インサイドハンドルカバー33をカバー33と言う場合もある。
【0031】
ベゼル32は、図2及び図4に示すように、正面視方形状をなし、車室内側に開口する形で配されている。なお、ベゼル32には、図3に示すように、車室外側へ突き出す形で取付爪35が形成されており、この取付爪35をトリムボード10Aに取り付け可能な構成となっている。カバー33は、ベゼル32の奥壁を車室内側から覆う形で取り付けられている。つまり、カバー33は収容部30の奥壁を構成するものである。
【0032】
光源50は、ベゼル32の下壁32A(インサイドハンドル収容部を構成する下壁)の下方、言い換えると、アームレスト14の上方に配されている。図4に示すように、下壁32Aの端部からは、光源50の側方および下方を覆う形で延びる延設部32Bが形成されている。つまり、図4に示すように、下壁32A及び延設部32Bによって、凹状に形成された光源収容部が構成されており、光源50は、この光源収容部に収容されている。
【0033】
下壁32Aには、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とする光出射孔32Eが貫通形成されている。一方、延設部32Bの下部は、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部32Dとされている。この傾斜部32Dには、下壁部光出射孔32Fが貫通形成されている。この下壁部光出射孔32Fは光源50から出射される光を通過させるためのものである。
【0034】
つまり、本実施形態においては、光源50から光出射孔32Eを通じて光を出射することで、インサイドハンドル収容部30内を照らすことができるとともに、光源50から下壁部光出射孔32Fを通じて光を出射することで、下壁部光出射孔32Fの下方に配されているアームレスト14を照らすことが可能な構成となっている。
【0035】
また、下壁部光出射孔32Fは、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部32Dに形成されている。このようにすれば、乗員が上方から下壁部光出射孔32Fを視認する事態を抑制できるから、意匠性を損なうことがない(図4に乗員の視線E2を示す)。
【0036】
また、延設部32Bの下端には、図4に示すように、ミドルボード12から突出する取付ボス12Aが挿通された取付孔32Gが形成されている。取付ボス12Aを取付孔32Gに挿通させた後、取付ボス12Aの突出端を超音波溶着などの溶着手段によって溶着することで、ミドルボード12に対して、ベゼル32の延設部32Bが結合される。
【0037】
次に、光源50、光案内部70、カバー部材(上側カバー61及び下側カバー63)からなる光源ユニット40の構成について説明を行う。光源50は、図5及び図6に示すように、LED51(光源本体)と、平面視略方形状の平板状をなすレンズ部材62(導光体)と、を主体に構成されている。LED51及びレンズ部材62はカバー部材(上側カバー61及び下側カバー63)に収容されている。レンズ部材62(及びカバー部材の一部)は、LED51から出射された光を、光出射孔32E(収容部30内)及び下壁部光出射孔32F(アームレスト14)側に導光可能な構成となっている。
【0038】
LED51は、図6に示すように、基板52に対して実装されている。この基板52には、電線53が接続されており、電線53の一端側には、コネクタ54が取り付けられている。電線53及びコネクタ54を介して、LED51は、電源装置(図示せず)に電気的に接続されている。
【0039】
レンズ部材62は、アクリル等の透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂により形成されている。図7に示すように、レンズ部材62におけるLED51側の隅部は、曲面状をなす形で切り欠かれており、光入射面62Aとされる。LED51は、その発光面51Aを光入射面62Aに向ける形で配されている。これにより、光入射面62AにLED51からの光が入射される構成となっている。
【0040】
LED51は、その光軸LAが、例えば、車両前後方向(図7の左右方向)に沿って配されている。なお、LED51(発光面51A)から発せられる光は、光軸LAを中心にして所定の角度範囲内で三次元的に放射状に広がり、その発光強度は、光軸LAに沿った方向が際立って高く、光軸LAに対する傾き角度が大きくなるにつれて低下するような傾向の分布を示す。
【0041】
上側カバー61及び下側カバー63は、例えば合成樹脂製とされる。また、両カバー61、63の内周面には、図6に示すように、LED51を嵌合可能な凹部61B、63Bが形成されており、この凹部61B、63B内にLED51が配される構成となっている。
【0042】
図7に示すように、上側カバー61における車両前後方向(図7の左右方向)の両側からは、それぞれ延設部61D、61Eが形成されている。各延設部61D、61Eには、取付孔61D1、61E1がそれぞれ貫通形成されている。ベゼル32の延設部32Bには、車室外側(図7の上側)に延びる取付爪34D、34Eが形成されている。各取付爪34D,34Eを各取付孔61D1、61E1に嵌合させることで、ベゼル32に対して光源50が取り付けられる構成となっている。
【0043】
上側カバー61の内周面61R及び下側カバー63の内周面63Rは、それぞれ光を反射可能な光反射面とされる。このような光反射面を形成する方法としては、例えば、上側カバー61及び下側カバー63を光の反射性に優れた色(白色など)の材質とすればよい。なお、上側カバー61及び下側カバー63の内周面に光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで光反射面を形成してもよい。
【0044】
上側カバー61における車室内側の先端壁部64(下壁部光出射孔32Fと対向状に配される部分)は、図6に示すように、車室内側(LED51から遠ざかる側)に向かって下降傾斜する形状をなしている。これにより、先端壁部64の内面に到達した光を下方(アームレスト14側)に向けて反射させることができる。つまり、先端壁部64の内面は、LED51からの光の一部をアームレスト14側に向けて導光可能とする導光体の一部であると言うこともできる。
【0045】
図7に示すように、下側カバー63においてLED51が配された側と反対側の端部は、車両後方に突き出す突出壁部65とされる。この突出壁部65は、平面視において、LED51の光軸LAと同一直線状となる位置に配されており、突出壁部65に囲まれた箇所には、レンズ部材62の上側光出射部62Bが収容されている。また、図6に示すように、突出壁部65の底面65Aは、車両後方(LED51から遠ざかる側)に向かうにつれて上昇傾斜する形状をなしている。これにより、突出壁部65の底面65Aに到達した光が上方に反射される構成となっている。
【0046】
図4及び図5に示すように、上側カバー61において、ベゼル32の光出射孔32Eと対向する箇所には貫通孔61Aが形成されており、貫通孔61Aは、平面視においてレンズ部材62に形成された上側光出射部62Bと重なる箇所に形成されている。言い換えると、上側光出射部62Bは、光出射孔32Eの形成箇所と対向する形で配されている。これにより、上側光出射部62Bから上方に光を出射可能な構成となっている。
【0047】
図4及び図5に示すように、下側カバー63において、ベゼル32の下壁部光出射孔32Fと対向する箇所には貫通孔63Aが形成されており、この貫通孔63Aから、レンズ部材62の下面に形成された下側光出射部62Dの光出射面62E(光出射部)が露出する構成となっている。これにより、下側光出射部62Dから下方に光を出射可能な構成となっている。つまり、下側光出射部62Dは、下壁部光出射孔32Fと対向する形で配されている。また、図7に示すように、下壁部光出射孔32F及び下側光出射部62D(光出射面62E)は、車両前後方向に延びる長手状をなしている。
【0048】
図7に示すように、光入射面62Aのうち、下側光出射部62D側の曲面62A1は、LED51からの出射光(図7における矢線L2)が広範囲に拡散される形状をなしている。一方、光入射面62Aのうち、上側光出射部62B側の曲面62A2は、曲面62A1と比較して曲率が小さく設定され、LED51からの出射光(図7における矢線L1)が上側光出射部62Bに向かって真っ直ぐ向かう形状をなしている。言い換えると、曲面62A2を通過する光は、曲面62A1を通過する光と比較して拡散されにくい構成となっている。
【0049】
これにより、LED51からの出射光のうち、曲面62A1を通過した光は、広範囲に拡散されることで、長手状をなす下壁部光出射孔32Fの全長に亘って到達しやすくなる。つまり、LED51からの光の一部は、曲面62A1を通過することで、下側光出射部62Dに向かって導光される構成となっている。また、LED51からの出射光のうち、曲面62A2を通過した光は、比較的拡散されにくく、上側光出射部62Bに到達しやすくなる。
【0050】
図6に示すように、上側光出射部62Bの上面(光出射面)及び下側光出射部62Dの下面(光出射面)は、その表面が略三角波形状で形成されている。これは、上側光出射部62B又は下側光出射部62Dから、レンズ部材62外部に出射される光を屈折させることで、その光路を調整するためのものである。なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの表面形状は、略三角波形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0051】
以上の構成によって、LED51から出射された光は、光入射面62Aからレンズ部材62の内部に入射する。レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L1)は、上側光出射部62Bに到達し、上側光出射部62Bから出射される。また、レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L2)は、下側光出射部62Dに到達し、下側光出射部62Dの光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射される。
【0052】
そして、上側光出射部62Bから出射された光(図4における矢線L1)は、図4に示すように、光出射孔32Eを通過して、収容部30内に出射される。これにより、収容部30内を照らすことができる。また、下側光出射部62Dから出射された光(図4における矢線L2)は、下壁部光出射孔32Fを通過して、アームレスト14(スイッチベース16)に向かって出射される。これにより、スイッチベース16ひいては、そこに設けられたスイッチ操作部(図示せず)を照らすことができ、視認性を向上させることができる。このように、本実施形態においては、一つの光源50によって、レンズ部材62(導光体)の上方(つまり、インサイドハンドル収容部30内)及び下方(本実施形態では、スイッチベース16)を照らすことが可能となる。
【0053】
なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62D以外の箇所から、レンズ部材62の外部に出射した光は、上側カバー61及び下側カバー63の内周面(光反射面)によって反射され、再びレンズ部材62内に入射する(このような光の一例を図7において矢線L3で示す)。これにより、LED51から出射された光の利用効率を高くすることができる。
【0054】
本実施形態においては、光出射孔32Eは、図3及び図4に示すように、ベゼル32の下壁32Aにおいて、インサイドハンドル31のハンドル部31Aよりも車室外側(図4の右側)に配されている。また、カバー33には、車室内側に突き出す突部33Aが形成されている。この突部33Aは、図3に示すように、光出射孔32Eよりも車両後方(図3の左側)に配されている。これにより、突部33Aは、光出射孔32Eから車両後方に出射された光を遮光可能な遮光部とされる。
【0055】
このような構成とすれば、光出射孔32Eから出射した光のうち、インサイドハンドル収容部30における開口側(車室内側)に向かう光の一部は、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33A(遮光部)によって遮光される。言い換えると、乗員から見た場合(図2及び図3に乗員からの視線E1を示す)、光出射孔32Eは突部33A及びインサイドハンドル31のハンドル部31Aによって隠蔽される。
【0056】
これにより、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。なお、一般的に着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30よりも、車両後方に配される。このため、本実施形態では、突部33Aを光出射孔32Eよりも車両後方に形成することにした。なお、乗員が車両後方から光出射孔32Eを、より直視しにくい構成とするためには、突部33Aを光出射孔32Eに対して、より近付けて形成することが好ましい。
【0057】
本実施形態においては、光源50から上方に出射する光でインサイドハンドル収容部30を照らす構成としている。通常、着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30より上方に位置するため、光源50から上方に出射する光は、下方を向く光よりも乗員の目に入りやすくなる。この点、本実施形態では、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33Aによって、このような上方に出射する光を遮光できる。言い換えると、本実施形態においては、光出射孔32Eをインサイドハンドル収容部30の下壁32A(下面)に設けた場合であっても、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。
【0058】
次に、本実施形態における光案内部70の構成について説明をする。光案内部70は、図4に示すように、光出射面62E(光源の光出射面)の下方を覆う形で配されている。光案内部70は、図6及び図7に示すように、車両前後方向に延びる形状をなし、下側カバー63に取り付けられている。つまり、光案内部70は、下側カバー63とは別体の部材(光案内部材)である。
【0059】
光案内部70は、長手方向の両端部に形成された取付突部71,72を有している。取付突部71は、下側カバー63を構成する壁部に形成された凹部66に嵌合可能とされ、取付突部72が下側カバー63を構成する壁部に形成された凹部67に嵌合可能とされる。これにより、光案内部70が下側カバー63に取り付けられる構成となっている。
【0060】
なお、光案内部70の下側カバー63に対する取付手段は、取付突部71,72及び凹部66,67に限定されず適宜変更可能である。例えば、ビスなどで光案内部70を下側カバー63に取り付けてもよい。なお、光案内部70は上側カバー61に取り付けられていてもよい。また、光案内部70は、下側カバー63(又は上側カバー61)と一体的に形成されていてもよい。
【0061】
光案内部70の底壁部70Aには、図8〜図10に示すように、複数の傾斜片73が車両前後方向に沿う形で配列されている。各傾斜片73は、下方に向かうにつれて車両前方(図9及び図10の右側)に傾斜する形状をなしている。つまり、各傾斜片73は、レンズ部材62(導光体)における光出射面62Eから出射される光の出射方向(図10の下方)に対して傾斜する形状をなしている。また、各傾斜片73は、車両後方(図9及び図10における左側)かつ下方から、光源50の光出射面62Eを覆う構成となっている。
【0062】
各傾斜片73は、各々車両前後方向に間隔を空ける形で配されている。つまり、各傾斜片73の間には、下方に向かうにつれて車両前方に傾斜する方向に貫通されたスリット74が形成されており、そのスリット74を光が通過可能な構成となっている。
【0063】
また、各傾斜片73の下端は、車両前方に隣接される傾斜片73の上端と、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配されている。各傾斜片73のうち、隣接する2つの傾斜片(第1傾斜片75,第2傾斜片76)を例に挙げて説明すると、第1傾斜片75の下端P1は、第1傾斜片75の車両前方に隣接される第2傾斜片76の上端P2と、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配されている。これにより、光出射面62Eと直交する方向に沿って下方から第1傾斜片75及び第2傾斜片76を視た場合においては、第1傾斜片75によって、第1傾斜片75及び第2傾斜片76の間の光出射面62Eが隠蔽される。
【0064】
このような各傾斜片73を備えることで、光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射された光のうち、車両後方へ向かう光を、各傾斜片73によって遮光する(又は車両前方へ反射させる)ことができる。この結果、光案内部70は、光出射面62Eからの出射光を車両前方に向けることが可能な構成となっている。
【0065】
なお、ここで言う「光出射面62Eからの出射光を車両前方に向けることが可能な構成」とは、各傾斜片73によって、光出射面62Eから車両後方に向かう光が遮光される結果、光出射面62Eから車両前方に向かう光のみがアームレスト14に向かって出射される構成、又は、光出射面62Eからの出射光を各傾斜片73によって、車両前方に反射可能とする構成のことを言う。
【0066】
また、各傾斜片73を例えば、光反射性の低い色(例えば、黒色など)とすることで、光出射面62Eから車両後方に向かう光をより効果的に遮光可能な構成としてもよい。また、各傾斜片73を例えば、光反射性の高い色(例えば、白色など)とすることで、光出射面62Eからの出射光をより効果的に車両前方に反射可能な構成としてもよい。
【0067】
以上説明したように、本実施形態においては、光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部70を備えている。つまり、光源50からの出射光を所定の方向(車両前方)に向けることができる。これにより、光案内部70によって、車両前方に向けられた光(図9、図10における矢線L4)は、アームレスト14(スイッチベース16)に反射された場合において、車両前方へ反射される。このように、本実施形態においては、アームレスト14からの反射光が、車両後方に向かう事態を抑制でき、アームレスト14(スイッチベース16)に対して車両後方に位置する乗客の目に反射光が到達する事態を抑制でき、乗員の防眩性を確保することができる。
【0068】
また、光出射面62E(光出射部)は、車両前後方向に延びる形状をなすものとすることができる。
【0069】
このような構成とすれば、車両前後方向に延びるアームレスト14に対して、光出射面62Eから出射される光の照射エリアを車両前後方向に長くすることができ、アームレスト14を照らす場合に好適である。
【0070】
また、光案内部70は、下方に向かうにつれて車両前方に傾斜する形状をなす複数の傾斜片73を有し、複数の傾斜片73は、車両前後方向に沿う形で配列されている。
【0071】
このような構成とすれば、光出射面62Eを複数の傾斜片73によって、下方かつ車両後方から覆うことができる。これにより、光出射面62Eからアームレスト14に向けて出射された光のうち、車両後方へ向かう光を、各傾斜片73によって遮光する(又は車両前方へ反射させる)ことができる。この結果、光出射面62Eからの光を車両前方に向けることができる。
【0072】
また、複数の傾斜片73のうち、第1傾斜片75の下端P1は、複数の傾斜片73のうち、第1傾斜片75の車両前方に隣接される第2傾斜片76の上端P2と、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配されている。
【0073】
第1傾斜片75の下端P1と第2傾斜片76の上端P2とを、光出射面62Eと直交する方向に沿って重なる形で配することで、光出射面62Eと直交する方向から視た場合において、第1傾斜片75と第2傾斜片76との間に隙間が生じる事態を抑制できる。これにより、光出射面62Eの下方かつ車両後方を第1傾斜片75と第2傾斜片76によって隙間なく覆うことができ、第1傾斜片75と第2傾斜片76との間に出射された光が車両後方に向かう事態をより確実に抑制できる。
【0074】
特に、アームレスト14(スイッチベース16)の表面(上面14B)に、例えば、光沢処理などが施され、その表面が高い光反射性を有している場合は、アームレスト14(スイッチベース16)の表面に光源50の光出射面62Eが映り込む事態を抑制でき、好適である。
【0075】
また、光源50は、LED51(光源本体)と、LED51ら出射される光をアームレスト14側に導光可能とするレンズ部材62と、を有しており、LED51及びレンズ部材62を収容可能なカバー部材(上側カバー61及び下側カバー63)を備え、光案内部70は、下側カバー63(又は上側カバー61)に設けられている。
【0076】
本実施形態においては、LED51及びレンズ部材62が収容されるカバー部材に光案内部70を取り付ける構成としている。つまり、光源50(LED51、レンズ部材62)と光案内部70を一つのユニット(光源ユニット40)として車両用照明装置20を構成している。これにより、光源50と光案内部70とをそれぞれ個別に取付箇所(例えば、車両用ドアトリム)に取り付ける構成と比較して、より容易に取り付けることができる。また、LED51、レンズ部材62、光案内部70を一つのユニット(光源ユニット40)として構成することで、様々な種類の車両用ドアトリムに対して、車両用照明装置20を容易に取り付けることができる。
【0077】
また、光案内部70は、カバー部材とは別体の光案内部材であって、光案内部70は、カバー部材に取り付けられている。
【0078】
このように、光案内部70をカバー部材とは別体の光案内部材とすることで、光案内部70のみを容易に付け替えることができる。すなわち、アームレスト14の形態(配置箇所や形状)又はアームレスト14に設けられた機能部品(スイッチ操作部など)の形態に合わせて、様々な種類の光案内部70(例えば、傾斜片73の傾斜角度が異なる光案内部)を付け替えることで、光の照射方向を調整することが可能となる。この結果、様々な種類の車両用ドアトリムに適用可能な車両用照明装置20(又は光源ユニット40)を容易に提供することができる。
【0079】
また、本実施形態の光源ユニット40は、車両用ドアトリム10に設けられる光源ユニットであって、LED51と、LED51から出射される光を導光可能とするレンズ部材62と、LED51及びレンズ部材62を収容可能なカバー部材と、レンズ部材62における光出射面62Eを覆う形で下側カバー63(カバー部材)に取り付けられた光案内部70と、を備え、光案内部70は、レンズ部材62における光出射面62Eから出射される光の出射方向に対して傾斜する形状をなす傾斜片73を有している。
【0080】
本実施形態においては、光出射面62Eから傾斜片73に向けて出射された光を、傾斜片73の傾斜方向に沿った方向に案内することができる。この結果、光出射面62Eからの光を、その出射方向に対して傾斜する方向(所定の方向)に向かわせることができる。
【0081】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図11によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。上記実施形態においては、インサイドハンドル収容部30の光出射孔32E、下壁部光出射孔32Fを、それぞれ光が通過する構成とした。これに対して、本実施形態においては、光出射孔32E、下壁部光出射孔32Fを備えずに光を通過させる構成としてある。
【0082】
具体的には、本実施形態において、インサイドハンドル収容部130のベゼル132(底壁132A、下壁部132B、傾斜部132D)は、透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂材料(例えばアクリルやポリカーボネート等)により形成されている。そして、ベゼル132における車室内側の面には、光透過部142及び光遮断部141が形成されている。
【0083】
光透過部142は、光源50の上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの各々と対向する箇所にそれぞれ形成されている。光遮断部141は、例えば、ベゼル132における車室内側の面において光透過部142以外の箇所に形成されている。なお、図11においては、上側光出射部62Bと対向する光透過部142に符号142Aを付け、下側光出射部62Dと対向する光透過部142に符号142Bを付けてある。
【0084】
なお、このような光透過部142は、例えば、光透過部142を光透過性の高い材質で設定したり、光透過部142の厚さを光が透過する程度に薄くしたりすることで形成することができる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態においては、ベゼル132を透光性の大きい部材にするとともに、光透過部142A、光透過部142Bを設けることで、光源50の上方(インサイドハンドル収容部130内)及び下方(アームレスト14)を照らすことが可能となっている。つまり、本実施形態においては、実施形態1で例示した光出射孔32E、下壁部光出射孔32Fを備えた構成の代わりに、ベゼル132を透光性の大きいものにするとともに光透過部142A、光透過部142Bを設けた構成としてある。
【0086】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0087】
(1)上記実施形態においては、光案内部70が傾斜片73を有することで、光源50からの出射光を車両前方に案内可能な構成を例示したが、これに限定されない。光案内部70は、光源50からの出射光を車両前方に案内可能な構成であればよい。例えば、光案内部70は、光源50からの出射光を屈折させることで、車両前方に向かわせる構成であってもよい。また、光案内部70として、出射光の出射方向を制御するフィルム(視野角調整フィルムなど)を用いることで、光源50からの出射光を車両前方へ向かわせる構成としてもよい。
【0088】
(2)上記実施形態においては、光案内部70は、カバー部材に取り付けられている構成、つまり、光源50と一体的に設けられている構成を例示したが、これに限定されない。光案内部70は、光源50における光出射部を覆う形で配されていればよく、その設置箇所は適宜変更可能である。例えば、光案内部70は、ベゼル32や車両用ドアトリム10等の内装材に取り付けられていてもよい。また、光案内部70が、例えば、ベゼル32や車両用ドアトリム10等の内装材と一体的に形成されていてもよい。
【0089】
(3)上記実施形態では、光源50が、LED51(光源本体)とレンズ部材62(導光体)とを備えた構成を例示したが、これに限定されない。例えば、レンズ部材62を備えていなくてもよく、LED51で直接アームレスト14を照らす構成としてもよい。また、光源本体としては、LED51以外の光源(例えば、電球等)を使用してもよい。
【0090】
(4)上記実施形態では、上側光出射部62Bからの出射光によって、インサイドハンドル収容部30内を照らす構成としたが、これに限定されず、他の部品を照らす構成としてもよい。また、光源50は、アームレスト14のみを照らす構成であってもよい。
【0091】
(5)上記実施形態においては、光源ユニット40が設けられる車両用内装材として、車両用ドアトリム10を例示したが、これに限定されない。車両用内装材としては、ピラーガーニッシュやインストルメントパネルなどを例示することができる。
【0092】
(6)上記実施形態においては、光源50における光出射部として光出射面62Eを例示したが、光出射部は、光出射面(面状)に限定されない。
【0093】
(7)上記実施形態においては、光案内部70によって光源50からの光を車両前方に向ける(案内する)構成としたが、これに限定されない。光案内部70によって、案内される光の出射方向は、適宜変更可能である。
【0094】
(8)LED51からの光をアームレスト14側に向けて導光するための導光体としては、レンズ部材62以外のものを例示することもできる。例えば、導光体としては、プリズムなどを例示することもでき、プリズムによってLED51からの光をアームレスト14側に屈折させる構成としてもよい。また、導光体としては、例えば、光ファイバや導光板のように、その内部で光の全反射を繰り返すことで、LED51からの光をアームレスト14側に導光可能とするものを例示することもできる。
【符号の説明】
【0095】
10…車両用ドアトリム、14…アームレスト、20…車両用照明装置、40…光源ユニット、50…光源、51…LED(光源本体)、61…上側カバー(カバー部材)、62…レンズ部材(導光体)、62E…光出射面(光出射部)、63…下側カバー(カバー部材)、70…光案内部(光案内部材)、73…傾斜片、75…第1傾斜片、76…第2傾斜片、P1…第1傾斜片の下端、P2…第2傾斜片の上端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアトリムに設けられたアームレストを照明するための車両用照明装置であって、
前記アームレストの上方に配され、前記アームレストに向けて光を出射可能な光出射部を有する光源と、
前記光出射部の下方を覆う形で配され、前記光出射部から前記アームレストに向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部と、を備えることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記光出射部は、車両前後方向に延びる形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記光案内部は、下方に向かうにつれて前記車両前方に傾斜する形状をなす複数の傾斜片を有し、
前記複数の傾斜片は、前記車両前後方向に沿う形で配列されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記光出射部は、光出射面によって構成されるものであって、
前記複数の傾斜片のうち、第1傾斜片の下端は、前記複数の傾斜片のうち、前記第1傾斜片の前記車両前方に隣接される第2傾斜片の上端と、前記光出射面と直交する方向に沿って重なる形で配されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記光源は、
光源本体と、
前記光源本体から出射される光を前記アームレスト側に導光可能とする導光体と、を有しており、
前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材を備え、
前記光案内部は、前記カバー部材に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記光案内部は、前記カバー部材とは別体の光案内部材であって、
前記光案内部は、前記カバー部材に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の車両用照明装置。
【請求項7】
車両用内装材に設けられる光源ユニットであって、
光源本体と、
前記光源本体から出射される光を導光可能とする導光体と、
前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材と、
前記導光体における光出射部を覆う形で前記カバー部材に取り付けられた光案内部材と、を備え、
前記光案内部材は、前記導光体における前記光出射部から出射される光の出射方向に対して傾斜する形状をなす傾斜片を有していることを特徴とする光源ユニット。
【請求項1】
車両用ドアトリムに設けられたアームレストを照明するための車両用照明装置であって、
前記アームレストの上方に配され、前記アームレストに向けて光を出射可能な光出射部を有する光源と、
前記光出射部の下方を覆う形で配され、前記光出射部から前記アームレストに向かって出射された光を車両前方に向けることが可能な光案内部と、を備えることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記光出射部は、車両前後方向に延びる形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記光案内部は、下方に向かうにつれて前記車両前方に傾斜する形状をなす複数の傾斜片を有し、
前記複数の傾斜片は、前記車両前後方向に沿う形で配列されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記光出射部は、光出射面によって構成されるものであって、
前記複数の傾斜片のうち、第1傾斜片の下端は、前記複数の傾斜片のうち、前記第1傾斜片の前記車両前方に隣接される第2傾斜片の上端と、前記光出射面と直交する方向に沿って重なる形で配されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記光源は、
光源本体と、
前記光源本体から出射される光を前記アームレスト側に導光可能とする導光体と、を有しており、
前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材を備え、
前記光案内部は、前記カバー部材に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記光案内部は、前記カバー部材とは別体の光案内部材であって、
前記光案内部は、前記カバー部材に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の車両用照明装置。
【請求項7】
車両用内装材に設けられる光源ユニットであって、
光源本体と、
前記光源本体から出射される光を導光可能とする導光体と、
前記光源本体及び前記導光体を収容可能なカバー部材と、
前記導光体における光出射部を覆う形で前記カバー部材に取り付けられた光案内部材と、を備え、
前記光案内部材は、前記導光体における前記光出射部から出射される光の出射方向に対して傾斜する形状をなす傾斜片を有していることを特徴とする光源ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−218678(P2012−218678A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89273(P2011−89273)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]