説明

車両用熱交換器の保護装置

【課題】チューブの放熱性能の低下を抑制できる車両用熱交換器の保護装置を提供する。
【解決手段】サブラジエータ3のチューブの前面を覆う保護部材13をアルミ合金クラッド材(金属材料)で形成し、保護部材13がサブラジエータ3のチューブと外気との熱交換を行う放熱体として機能するように、サブラジエータ3のチューブに溶着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用熱交換器の保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、飛び石等の衝突に伴うチューブの破損防止を図るために、熱交換器のチューブ前面を保護部材で被覆した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−291937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、チューブ前面が樹脂で塞がれるため、チューブの放熱性能が低下するという問題があった。
本発明の目的は、チューブの放熱性能の低下を抑制できる車両用熱交換器の保護装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明では、保護部材を金属材料で形成し、熱交換器のチューブと溶着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、保護部材がチューブと外気との熱交換を行う放熱体として機能するため、チューブの放熱性能の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の車両用熱交換器1を前方から見た斜視図である。
【図2】実施例1の保護部材13を後方から見た斜視図である。
【図3】保護部材13のサブラジエータ3への取り付け方法を示す図である。
【図4】保護部材13をコア部10に取り付ける前と後の突起部19の状態を示す上方から見た斜視図である。
【図5】保護部材13をコア部10に取り付ける前と後の規制部20の状態を示す図である。
【図6】実施例2の保護部材23をコア部10に取り付ける前と後の突起部24の状態を示す上方から見た斜視図である。
【図7】他の実施例の規制部25を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の車両用熱交換器の保護装置を実施するための形態を、図面に基づく実施例を用いて説明する。
〔実施例1〕
まず、実施例1の構成を説明する。
[車両用熱交換器]
図1は、実施例1の車両用熱交換器1を前方から見た斜視図である。なお、実施例では、車両前後方向を前後方向、車両上下方向を上下方向、車幅方向を左右方向と記載する。
実施例1の車両用熱交換器1は、エンジンとモータジェネレータとにより駆動輪を駆動するハイブリッド車両のエンジンルーム内であって、フロントグリルの直後に配置されている。なお、ハイブリッド駆動方式は、パラレル方式、シリーズ方式およびシリーズ・パラレル方式のいずれでもよい。
車両用熱交換器1は、メインラジエータ(主熱交換器)2と、サブラジエータ(副熱交換器)3と、コンデンサ4とを主要な構成としている。メインラジエータ2、サブラジエータ3およびコンデンサ4は、いずれもアルミ合金の少なくとも片面に融点の低い合金(例えば、Al-Si合金)を貼り合わせてクラッド層を形成したアルミクラッド材を用いて形成されている。
メインラジエータ2は、エンジン用の冷却水を冷却する熱交換器である。メインラジエータ2は、左右方向に所定間隔を置いて配置された一対の冷却水タンク5a,5bと、一対の冷却水タンク5a,5b間に配置されたコア部6とを有する。コア部6は、冷却水を循環させるチューブ7と放熱用のフィン8とが上下方向交互に積層されている。なお、コア部6の上下端、すなわち、チューブ7とフィン8の積層方向両端には、補強用のレインフォース6a,6bが設けられている。レインフォース6a,6bは、一対の冷却水タンク5a,5b間に架設されている。
【0009】
サブラジエータ3は、モータジェネレータ用およびインバータ用の冷却水を冷却する熱交換器である。サブラジエータ3は、メインラジエータ2の前面2aであって、上側約半分の領域を覆うようにメインラジエータ2に取り付けられている。サブラジエータ3は、左右方向に所定間隔を置いて配置された一対の冷却水タンク9a,9bと、一対の冷却水タンク間9a,9bに配置されたコア部10とを有する。コア部10は、冷却水を循環させるチューブ11と放熱用のフィン12(図3参照)とが上下方向交互に積層されている。なお、コア部10の上下端、すなわち、チューブ11とフィン12の積層方向両端には、補強用のレインフォース13a,13bが設けられている。レインフォース13a,13bは、一対の冷却水タンク9a,9b間に架設されている。また、サブラジエータ3の前面3aには、保護部材13が取り付けられている。保護部材13の詳細については後述する。
コンデンサ4は、空調用の冷媒を冷却する熱交換器である。コンデンサ4は、メインラジエータ2の前面2aであって、下側約半分の領域を覆うようにメインラジエータ2に取り付けられている。コンデンサ4は、左右方向に所定間隔を置いて配置された一対の冷媒タンク14a,14bと、一対の冷媒タンク14a,14b間に配置されたコア部15とを有する。コア部15は、冷媒を循環させるチューブ16と放熱用のフィン17とが上下方向交互に積層されている。
【0010】
[保護部材]
次に、実施例1の保護部材13の構造について説明する。
保護部材13は、サブラジエータ3の前面3a側でコア部10を覆い、フロントグリルからエンジンルーム内に侵入した飛び石等からサブラジエータ3のチューブ11を保護するためのものである。
図2は、実施例1の保護部材13を後方から見た斜視図であり、実施例1の保護部材13は、アルミ合金の少なくとも片面に融点の低い合金(例えば、Al-Si合金)を貼り合わせてクラッド層を形成したアルミクラッド材を加工して形成されている。保護部材13は、ネット部18と、突起部19と、規制部20とを有する。
ネット部18は、コア部10と略同一の面積を有する略矩形の板状部材であり、左右方向に延びる複数の横桟部21と、上下方向に延びる複数の縦桟部22とからネット状(網状)に形成されている。各横桟部21は、チューブ11の上下方向寸法と略同一の上下方向寸法を有し、チューブ11と上下方向同一位置に配置されている。このため、ネット部18を前面18a側から見たとき、チューブ11は横桟部21に隠れて見えない状態となり、飛び石等からチューブ11を保護できる。各横桟部21は、対応するチューブ11と前後方向に接触した状態で溶着(ロウ付け)されている。各縦桟部22は、左右方向に所定のピッチで配置されている。縦桟部22の数は、ネット部18にある程度の剛性が確保可能な数であればよい。横桟部21および縦桟部22で囲まれた部分はフィン12と外部とを連通する開口18cとなる。
【0011】
突起部19は、ネット部18の後面18bであって、横桟部21における開口18cの左右方向略中央位置にそれぞれ設けられている。突起部19は、上下一対の爪19a,19bから構成される。一対の爪19a,19bは、先細りの略台形状に形成され、ネット部18の後面18bから後方側(サブラジエータ3側)へ突出している。一対の爪19a,19bは、チューブ11を上下方向に挟み、チューブ11と上下方向に接触した状態で溶着(ロウ付け)されている。
規制部20は、ネット部18の後面18bであって、左右両端に位置する縦桟部22に複数設けられている。規制部20は、フィン12と上下方向同一位置に配置されている。規制部20は、先細りの略三角形に形成され、隣接するチューブ11,11間の隙間に挿入される。規制部20は、チューブ11と上下方向に接触した状態で溶着(ロウ付け)されている。
保護部材13の製造方法の一例を示すと、まず、板状のアルミクラッド材からネット部18に相当する形状を、突起部19および規制部20に対応する部分を含めて切り出す。続いて、突起部19となる部分を除いて開口18cを打ち抜き加工により形成する。最後に、突起部19および規制部20に対応する部分を曲げ加工することで、保護部材13が形成される。
【0012】
次に、実施例1の作用を説明する。
[サブラジエータへの取り付け]
サブラジエータ3は、樹脂製素材を除く全ての構成部材をあらかじめ仮組みした後、加熱炉内で焼き付け加工(熱処理)することにより、構成部材間の接合部同士をロウ付け接合して一体的に形成する。
実施例1では、図3に示すように、仮組みしたサブラジエータ3のコア部10に保護部材13を位置決めした状態で、サブラジエータ3と共に熱処理を行うことで、保護部材13をサブラジエータ3にロウ付け接合する。
ここで、図4のように、保護部材13をコア部10に位置決めした際、各突起部19は、対応する位置のチューブ11を上下方向から一対の爪19a,19bで挟持する。このため、位置決め後のチューブ11は、横桟部21と前後方向に接触し、かつ、一対の爪19a,19bと上下方向に接触した状態でチューブ11と溶着される。
また、図5のように、保護部材13をコア部10に位置決めした際、規制部20は、隣接するチューブ11,11間の隙間に挿入され、チューブ11と上下方向に接触した状態でチューブ11と溶着される。
【0013】
[保護部材による作用]
エンジンルームの前部に配置される車両用熱交換器のうち、要求水温およびレイアウトの都合上、フロントグリルの直後に配置されるものがある。この場合、飛び石等からチューブを保護する構造が必要である。従来の保護構造は、チューブ前面を覆う樹脂製の保護部材をコア部に取り付け、飛び石等からチューブを保護し、亀裂や破損等を防いでいる。
ところが、従来の保護部材は、チューブの前面が樹脂製の保護部材で塞がれているため、エンジンルーム内に流入した外気とチューブとが直接接触しにくく、保護部材を設けない場合と比較して、チューブの放熱性能が低下するという問題があった。また、従来の保護部材は、保護部材の左右両端のみコア部との位置決めを行うエンボス部を設けているため、チューブに対する保護部材の位置が上下方向にずれている場合、フィンの前面が保護部材で塞がれ、放熱性能がより低下するおそれがある。さらに、従来の保護部材は、コア部側に樹脂製の保護部材を固定する構造が必要であるため、コア部の設計変更を強いられる。
【0014】
これに対し、実施例1の車両用熱交換器1では、アルミ製の保護部材13をサブラジエータ3のチューブ11と一体にロウ付けする。具体的には、保護部材13の横桟部21がチューブ11と前後方向に接した状態で焼き付け、ロウ材が溶けることにより保護部材13とチューブ11とを一体接合する。つまり、アルミ製の保護部材13をサブラジエータ3のチューブ11と一体ロウ付けすることで、保護部材13を放熱体として機能させることができ、チューブ11と外気との熱交換が促進され、放熱性能の低下を抑制できる。
また、保護部材13をチューブ11に直接ロウ付けするため、コア部10側に保護部材13を固定する構造を設ける必要がなく、従来構造のサブラジエータに適用できる。
加えて、チューブ11と保護部材13の横桟部21との溶着部分は、チューブ11の前後方向における見かけ上の板厚が増すため、耐蝕性の向上を図ることができる。
【0015】
[規制部による作用]
一般的に、ラジエータを焼き付け加工する際、ラジエータはコア部を水平状態にして加熱炉内で上下方向に複数個配置した状態で収容されてロウ付けされる。このとき、レインフォースとコア部との熱膨張量差に伴う温度プロフィルの違いにより、コア部の最外端に設けられたフィンの保持力が弱くなるおそれがある。具体的には、レインフォースは、コア部に比べ熱マスが大きいため、コア部に比べて温度上昇および下降が緩やかな温度プロフィルとなる。換言すると、レインフォースは、コア部に比べて熱し易く冷えにくい。
この結果、特にロウ付け処理中における温度低下時において、コア部の温度低下にレインフォースが追従できず、レインフォースに隣接するフィンの両端部が自重によって下方へ垂れ下がる、いわゆるフィンだれが生じる。加えて、レインフォースに隣接するフィンが波状の形状に起因して長手方向に伸びてしまい、チューブプレートに接触するおそれがある。なお、レインフォースに隣接するフィンがチューブプレートに接触すると、このフィンのロウ材がチューブプレート側に流れて奪われるため、ロウ付け不良を招いてしまう。
【0016】
これに対し、実施例1では、保護部材13の左右両端に、隣接するチューブ11,11間に挿入された状態でチューブ11と上下方向に溶着される規制部20を設けたため、規制部20により隣接するチューブ11,11間の左右両端位置の距離が一定に保たれることで、チューブ12の左右両端位置の上下方向移動を規制でき、フィンだれを抑制できる。
また、規制部20により、車載後における保護部材13のコア部10に対する位置ずれが抑制される。このため、車両の振動等によりチューブ11に対して保護部材13の上下方向位置がずれることで、フィン12の前面が保護部材13で塞がれ、冷却性能が低下するのを抑制できる。
さらに、規制部20は、隣接するチューブ11,11間の隙間に挿入される構成であるため、焼き付け工程前にサブラジエータ3を仮組みする際、保護部材13をサブラジエータ3の前面3aに載せるだけで、チューブ11と保護部材13との位置合わせを適正に行うことができる。
【0017】
[突起部による作用]
実施例1では、保護部材13に上下一対の爪19a,19bから構成される突起部19を設けたため、コア部10に対し垂直な方向に接触面を確保でき、保護部材13の寸法ばらつき等でコア部10と保護部材13との前後方向の密着が不十分な場合であっても、突起部19とチューブ11との溶着によって保護部材13をしっかりとチューブ11に固定できる。
加えて、突起部19とチューブ11との溶着部分は、チューブ11の上下方向における見かけ上の板厚が増すため、耐蝕性の向上を図ることができる。
【0018】
[サブラジエータへの適用]
実施例1では、保護部材13をメインラジエータ2よりも冷却水温度の低いサブラジエータ3に適用した。夏季の炎天下において、メインラジエータ2の冷却回路が冷却水漏れ等に起因するオーバーヒートにより高温となった場合、本来冷却すべき機能部品が破損するおそれがある。ここで、仮に保護部材13をメインラジエータ2に適用した場合、冷却性能の低下はある程度抑制できるものの、保護部材13を設けない場合と比較すると、温度はより高くなってしまう。一方、エンジンルーム内における各熱交換器の配置において、サブラジエータ3をエンジン冷却用のメインラジエータ2やチャージエアクーラ、空調用コンデンサなどの下流側に配置させてしまうと、これら熱交換器の上流側に流入して通過した大気(空気)によってサブラジエータ3が熱影響を受けて水温が上昇するため、これら熱交換器の下流側には配置せず、上流側、つまりフロントグリルの直後に配置する。
なお、実施例1では、メインラジエータ2の前面2aにサブラジエータ3が取り付けられているため、メインラジエータ2のチューブ7は、飛び石等による亀裂や破損等を生じるおそれはない。
[ハイブリッド車両への適用]
実施例1では、保護部材13を有する車両用熱交換器1をハイブリッド車両に適用した。モータジェネレータを駆動源とするハイブリッド車両では、モータジェネレータを駆動するインバータが必要であり、当該インバータ用の冷却水を冷却するサブラジエータ3に保護部材13を設けることで、チューブ11の保護を図りつつ、インバータの冷却性能の低下を抑制でき、走行性能を維持できる。
【0019】
実施例1では、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 保護部材13をアルミ合金クラッド材(金属材料)で形成し、左右方向に延びる各横桟部21を対応する各チューブ11と溶着したため、保護部材13がチューブ11と外気との熱交換を行う放熱体として機能し、チューブ11の放熱性能の低下を抑制できる。また、サブラジエータ3側は保護部材13を固定する構造が不要であるため、従来構造のサブラジエータに適用できる。さらに、保護部材13によってチューブ11の前後方向における見かけ上の板厚が増すため、耐蝕性の向上を図ることができる。
(2) 保護部材13は、サブラジエータ3側へ突出し、チューブ11と接触する突起部19を有するため、保護部材13をしっかりとチューブ11に固定できる。また、チューブ11と突起部19との溶着部分は、チューブ11の上下方向における見かけ上の板厚が増すため、耐蝕性の向上を図ることができる。
【0020】
(3) 保護部材13は、隣接するチューブ11,11間の隙間に挿入され、フィン12の左右両端の移動を規制する規制部20を有するため、チューブ12の左右両端位置の上下方向移動を規制でき、フィンだれを抑制できる。また、車載後における保護部材13のコア部10に対する位置ずれを抑制できる。さらに、サブラジエータ3に対する保護部材13の位置決め精度の向上、および位置決め作業の容易化を図ることができる。
(4) サブラジエータ3は、各熱交換器の上流側、つまりフロントグリルの直後に配置するため、各熱交換器に流入して通過した大気(空気)との熱交換を抑制すると共に熱影響を受けて水温が上昇するのを抑制できる。
(5) 実施例1の車両用熱交換器1をハイブリッド車両に適用したため、チューブ11の保護を図りつつ、インバータの冷却性能の低下を抑制でき、走行性能を維持できる。
【0021】
〔実施例2〕
まず、構成を説明する。
図6は、実施例2の保護部材23であり、実施例2では、突起部24をエンボス加工により形成した例である。
実施例2では、保護部材23において、ネット部18の横桟部21と縦桟部22とが交差する位置に、ネット部18の後面18bから後方側へ突出する裁頭円錐状の突起部24をエンボス加工により形成している。実施例2では、横桟部21はチューブ11と接触しておらず、突起部24の先端がチューブ11と前後方向に接触した状態で溶着されている。なお、実施例2では、縦桟部22の数を実施例1の約半数としている。
他の構成は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
保護部材23の製造方法の一例を示すと、まず、板状のアルミクラッド材からネット部18に相当する形状を、規制部20に対応する部分を含めて切り出す。続いて、開口18cを打ち抜き加工により形成する。最後に、規制部20に対応する部分を曲げ加工すると共に、突起部24をエンボス加工することで、保護部材23が形成される。
【0022】
次に、作用を説明する。
[突起部による作用]
実施例2では、焼き付け加工時において、焼き付け治具で保護部材23をコア部10側に押さえ付けたとき、突起部24の先端がチューブ11と前後方向に接触した状態で溶着される。このため、実施例1のように横桟部21全体をチューブ11と接触させる場合よりも接触面の面積が減少することで、接触面の圧力が増加する。この結果、保護部材23の変形によりコア部10との密着状態が不十分であったとしても、突起部24とチューブ11との溶着によって保護部材23をしっかりとチューブ11に固定できる。
突起部24以外の構成による作用効果は、実施例1と同じであるため、説明を省略する。
よって、実施例2では、実施例1の効果(1)〜(5)と同様の効果を得られる。
【0023】
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、ハイブリッド車両に適用した例を示したが、本発明の車両用熱交換器は、モータジェネレータのみで駆動輪を駆動する電動車両、または内燃機関のみで駆動輪を駆動する車両にも適用できる。
保護部材はアルミクラッド材に限らず、金属であればよい。
実施例1において、縦桟部21はチューブ11と離間した状態であってもよい。
規制部の形状は任意に設定できる。例えば、図7に示すように、規制部25をエンボス加工により形成してもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 車両用熱交換器
2 メインラジエータ(主熱交換器)
3 サブラジエータ(副熱交換器)
10 コア部
11 チューブ
12 フィン
13,23 保護部材
19,24 突起部
20,25 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブとフィンとが交互に積層されたコア部を有する熱交換器の前面に、前記チューブの前面を覆う保護部材を配置した車両用熱交換器の保護装置において、
前記保護部材を金属材料で形成し、前記チューブと溶着したことを特徴とする車両用熱交換器の保護装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用熱交換器の保護装置において、
前記保護部材は、前記熱交換器側へ突出し、前記チューブと接触する突起部を有することを特徴とする車両用熱交換器の保護装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車両用熱交換器の保護装置において、
前記保護部材は、隣接するチューブ間の隙間に挿入され、前記フィンの両端の移動を規制する規制部を有することを特徴とする車両用熱交換器の保護装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用熱交換器の保護装置において、
前記保護部材を、主熱交換器よりも冷媒温度の低い副熱交換器に適用したことを特徴とする車両用熱交換器の保護装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用熱交換器の保護装置において、
前記熱交換器を、モータジェネレータを駆動源する車両に適用したことを特徴とする車両用熱交換器の保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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