説明

車両用空気質成分供給装置

【課題】装置全体の大きさを小型化した車両用空気質成分供給装置を提供する。
【解決手段】車両用空気質成分供給装置20は、空気砲が車内2に向けて放出される放出口22と、放出口22に連通する空気質チャンバ21と、空気質チャンバ21内で所定の空気質成分を揮発させるとともに、揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮するように変位して空気砲が放出されるアクチュエータとしての作動部25と、作動部25の動作を制御する制御手段としての空気質成分供給ECU100と、を備えている。空気質成分供給ECU100は、作動部25を音波振動または超音波振動させることにより空気質成分を揮発させた後、揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮するように作動部25を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の空気質成分を含有させた空気砲を車内に放出して当該空気質成分を拡散させる車両用空気質成分供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用空気質成分供給装置としては、水を霧化して室内に搬送し飛散させることにより湿度を調整する加湿装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置は、加湿成分の元である水を貯蔵する水タンクと、水タンクから配水管を通じて引き込んだ水を霧化する水蒸気生成手段と、水蒸気生成手段で生成した水蒸気を取り込み、これを含んだ空気を渦輪の形で吹き出す加圧室と、を備え、これらの構成部品を装置本体の中で順番に配置し、一体化して構成したものである。
【特許文献1】特開2000−176339号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の車両用空気質成分供給装置においては、空気質成分である水が貯蔵されている水タンク、水を気化する水蒸気生成手段、および水蒸気を含んだ空気を渦輪の形で吹き出す加圧室が、それぞれ個別に装置本体内に配置されているので、装置全体が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、装置全体の大きさを小型化した車両用空気質成分供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、以下に記載の技術的手段を採用する。すなわち、第1の発明は、空気質成分を含有した空気砲を車内(2)に供給する車両用空気質成分供給装置であって、空気砲が前記車内(2)に向けて放出される放出口(22)と、放出口(22)に連通する空気質チャンバ(21)と、空気質チャンバ(21)内で所定の空気質成分を揮発させる揮発手段(25、31、41、51)を有するとともに、揮発された空気質成分を含む空気質チャンバ(21)内の気体を圧縮して放出口(22)から空気砲を放出する圧縮手段(25、51)を有するアクチュエータ(25、31、41、51)と、アクチュエータ(25、31、41、51)の動作を制御する制御手段(100)と、を備えるものである。
【0006】
第1の発明によれば、アクチュエータが、空気質チャンバ内で所定の空気質成分を揮発させる機能と、揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気砲を放出する機能とを有することになり、空気質成分を揮発するための手段を別途設ける必要が無く、構成部品点数を低減した小型の装置を提供することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、アクチュエータ(25、31、41、51)は揮発手段(25、51)および圧縮手段(25、51)として作動する作動部(25、51)を有し、制御手段(100)は、作動部(25、51)を音波振動または超音波振動させることにより空気質成分を揮発させた後、揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮するように作動部(25、51)を制御することにより放出口(22)から空気砲を放出することが好ましい。
【0008】
第2の発明によれば、作動部の動作を揮発動作と空気圧縮動作に分けて制御することにより、揮発手段および空気圧縮手段の両方の機能を有することになり、比較的簡単な部品構成のアクチュエータを提供することができる。
【0009】
さらに、第2の発明において、制御手段(100)は、作動部(25、51)を音波振動または超音波振動させて空気質成分を揮発させた後、待機時間が経過後、空気砲を放出するための作動部(25、51)の制御を開始することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、揮発動作の後、待機時間を設けて空気圧縮動作に移行することにより、空気質チャンバ内に十分に空気質成分が行き渡るような待機時間を設定することができ、空気質チャンバ内の成分濃度を均一化して乗員に対して品質の安定した空気砲を提供することができる。
【0011】
さらに、第1の発明において、アクチュエータ(25、31、41、51)は圧縮手段(25)として空気質チャンバ(21)内の気体を圧縮するように変位する作動部(25)を有し、作動部(25)の空気質チャンバ(21)寄り側面に、空気質成分を揮発させる揮発手段(31、41、51)を設けることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、作動部の空気質チャンバよりの側面に揮発手段を設けることにより、より早く空気質チャンバ内に空気質成分を拡散させることができる。
【0013】
さらに、第1の発明において、アクチュエータ(25、31)は揮発手段(31)として空気質成分が浸透可能な浸透部材(31)を備えることが好ましい。この発明によれば、浸透部材に浸透された空気質成分が自然揮発することにより空気質チャンバ内に空気質成分を充満させることができる。
【0014】
さらに、第1の発明において、アクチュエータ(25、31、41、51)は圧縮手段(25)として空気質チャンバ(21)内の気体を圧縮するように変位する作動部(25)を有し、作動部(25)に空気質成分を揮発させるための発熱部(41)を設けることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、揮発手段として発熱を用いることにより、空気質チャンバ内の気体の温度を調整して空気質成分の拡散を促進することができる。また、空気質チャンバ内の温度を高めることにより充満気体の湿度を高めることができ、湿度成分を主とした空気砲の放出に対して有用である。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態を図1〜図4を用いて説明する。図1は、本実施形態における車両用空気質成分供給装置10、11、12を車内に配置する箇所を示した概念図である。図2は、本実施形態における車両用空気質成分供給装置20を制御する構成を示したブロック図である。
【0018】
本実施形態における空気砲は、空気質チャンバ21に貯められた流体が圧縮されることにより、空気質チャンバ21に形成された放出口22から押し出されて流体の塊となって放出されるものを意図している。空気砲の形態としては、例えば、渦輪状、球体状などの形状の塊となって放出されるもの全般をいう。また、この空気砲は、所定の空気質成分が含有された状態でその空気質成分を感知させたい車内の乗員、または空間に向けて放出される。そして、車内の乗員、または空間にいる乗員の感知可能な範囲内で空気砲を拡散させることにより、所定の空気質成分を乗員に提供するものである。
【0019】
このように、車内の乗員に対して所定の空気質成分を保持させた空気砲を放出して供給することにより、車内特有のエアコン装置による空調気流の影響を受けにくい空気質成分の搬送が行われる。さらに、乗員特有の環境である、例えば、渋滞、信号待ちなどの交通状況、高速走行、市街地走行などの運転状況、これらの状況に起因する乗員の感情や心理などに応じた空気質成分の搬送が、実施されることになる。
【0020】
図1に示す車両用空気質成分供給装置10、11、12は、自家用または業務用の車両に広く用いられ、所定の空気質成分を空気砲に含有させ、乗員に対してこの空気砲を供給するものである。そして、車両用空気質成分供給装置10、11、12の内部構成は図3(a)〜(c)に示す車両用空気質成分供給装置20と同様である。図1に示すように、車両用空気質成分供給装置10、11、12は、自動車1の車内2に存在する乗員3および4に対して空気砲を的確に放出できる位置に設けられている。
【0021】
車両用空気質成分供給装置10の装置本体は、空気砲を車内2に向けて放出可能なようにインストルメントパネル13内に設けられている。なお、車両用空気質成分供給装置10は、インストルメントパネル13内に通常配置されているエアコン装置(図示せず)に近接して設けてもよいし、エアコン装置と一体化するように構成してもよい。
【0022】
車両用空気質成分供給装置10の放出口から放出された空気砲は、インストルメントパネル13に形成されたグリル吹出口を経由して前席5に座っている乗員3の顔付近に向けて放出される。そして、この空気砲が乗員3の顔や肩などに当たると、空気砲の塊が崩れるとともに含有されていた空気質成分が拡散領域7を形成するように拡散されて乗員3の鼻や口から吸入され体内に取り込まれる。
【0023】
車両用空気質成分供給装置11の装置本体は、車内2の前席側天井部分に形成されるオーバーヘッドモジュール9内に設けられている。この車両用空気質成分供給装置11の放出口から放出された空気砲は、オーバーヘッドモジュール9に形成された吹出口を経由して前席5に座っている乗員3の顔付近に向けて放出される。そして、この空気砲が乗員3の顔や頭などに当たると、空気砲の塊が崩れるとともに含有されていた空気質成分が拡散領域7を形成するように拡散されて乗員3の鼻や口から吸入され体内に取り込まれる。
【0024】
車両用空気質成分供給装置12の装置本体は、車内2の後席側天井部に設けられている。この車両用空気質成分供給装置12の放出口から放出された空気砲は、後席6に座っている乗員4の顔付近に向けて放出される。そして、この空気砲が乗員4の顔や頭などに当たると、空気砲の塊が崩れるとともに含有されていた空気質成分が拡散領域8を形成するように拡散されて乗員4の鼻や口から吸入され体内に取り込まれる。
【0025】
本実施形態においては、供給する空気質成分として、乗員に対して快適性を感じさせる因子である、例えば、水分を揮発させた湿度成分、香料を揮発させた芳香成分、酸素成分、アロマ成分、コラーゲン成分、抗アレルゲン成分、イオン成分、冷気成分、暖気成分などを採用することができる。このような空気質成分のうちの少なくとも一つは、装置本体の成分保有部23にあらかじめ保有されているものとする。
【0026】
空気質成分として湿度成分を使用した場合は、乗員は、鼻腔内の粘膜の乾燥や、のどの粘膜の乾燥が改善されることになる。また、空気質成分として芳香成分、アロマ成分、またはイオン成分を使用した場合は、乗員は、鼻から当該成分を吸い込むことでリラックスした気分になることが予測できる。
【0027】
また、空気質成分として芳香成分、酸素成分、冷気成分を使用した場合は、乗員は、鼻からこれらの成分を吸い込むことで眠気が解消されたり、覚醒効果を得られたりすることができる。また、乗員は、寒いときや暑いときに空気質成分としての冷気成分や暖気成分を吸い込むと、局所的に暖房効果や冷房効果を得る。また、他の空気質成分として、化粧水などを揮発化して空気砲に含有させて放出する構成とした場合は、湿度成分と同様に肌の保湿を促し、乗員の健康、美容に効果を発揮することになる。
【0028】
なお、車両用空気質成分供給装置10、11、12の装置本体を構成する筐体は、扁平状に形成されることにより、インストルメントパネル13内、オーバーヘッドモジュール9内、および車内2の天井部内などの狭い空間に配することが可能である。
【0029】
このように車内2に配置された車両用空気質成分供給装置は、図2に示すような構成により制御されている。車両用空気質成分供給装置10、11、12および20は、制御手段としての空気質成分供給ECU100により各種信号に基づいて制御されている。空気質成分供給ECU100は、車両統合ECU102や操作手段101からの信号に対して種々の解析を行い、空気砲を放出するタイミング、空気砲の放出速度などの放出条件を決定し、空気質成分を揮発する動作の制御を行うものである。
【0030】
この空気質成分供給ECU100は、車両用空気質成分供給装置20に対してこの決定に基づいた制御を行う。この制御は、所定の空気質成分を揮発する揮発手段と揮発された後の気体を圧縮する圧縮手段を備えるアクチュエータの制御である。例えば、空気質成分供給ECU100は、揮発手段および圧縮手段として作動するアクチュエータの作動部25を制御することにより、空気質成分を揮発する動作のタイミングおよび実行時間や、空気質チャンバ21に貯えられた空気質成分を含有した気体を圧縮して放出口22から押し出すタイミングを制御ですることができる。
【0031】
また、空気質成分供給ECU100は、車両用空気質成分供給装置20のアクチュエータに対して、空気質チャンバ21内の空気を圧縮する圧縮力の大きさ、圧縮力の起動を制御する。例えば、圧縮力の大きさを制御することで空気砲をどの乗員に向けて放出するか、どこまで空気砲を届かせるかを制御し、圧縮力の起動を制御することで空気砲を連続的に放出するか、所定時間の間隔をあけて間欠的に放出するか、などを制御することができる。
【0032】
また、空気質成分供給ECU100は、図1に示すように車内2に車両用空気質成分供給装置が複数個配置されている場合には、どの車両用空気質成分供給装置を起動するか、または複数の車両用空気質成分供給装置を同時に起動させるかを制御することになる。
【0033】
車両統合ECU102は、車両の各機能部品の作動情報を入手して空気質成分供給ECU100に通信する機能を有している。各機能部品の作動情報としては、例えば、車速情報、ブレーキ情報、車間センサ情報、ウィンドウの開閉情報などである。車両統合ECU102は、これらの情報を空気質成分供給ECU100に送信する。
【0034】
空気質成分供給ECU100は、車速が所定値以下のときや、単位時間当たりのブレーキング回数が所定値以上のときや、車間センサによる先行車両との間隔が所定値以下のときなどの情報を認識したときは、渋滞しているとみなして、前述のように、覚醒効果を供給するために空気質成分として成分保有部23にあらかじめ充填しておいた芳香成分、酸素成分、または冷気成分を含有させた空気砲を運転者に向かって放出する制御を行ったり、リラックス効果を与えるために空気質成分としてあらかじめ成分保有部23に充填しておいた芳香成分、アロマ成分、イオン成分を含有させた空気砲を運転者に向かって放出する制御を行ったりする。
【0035】
また、車両統合ECU102により車速情報として、例えば80km以上の値が所定時間以上継続して得られた場合には、空気質成分供給ECU100は、高速道路などを走行しているとみなして、居眠り運転の未然防止のため、空気質成分としてあらかじめ成分保有部23に充填しておいた覚醒効果のある芳香成分、酸素成分、または冷気成分を所定分量、空気質チャンバ21に送り込み、揮発させた後、空気砲に含有させて運転者に向かって放出する制御を行う。
【0036】
また、車両統合ECU102がウィンドウ開閉情報としてウィンドウが開放された状態であることを空気質成分供給ECU100に送信すると、空気質成分供給ECU100は、車内に外風が吹き込んでいると認識して、所定時間またはウィンドウが閉状態であるという情報を入手するまで、空気砲の放出を停止するインターロック制御を行う。ウィンドウが開状態であるときは、車内2に外風が舞っているため、空気砲を放出しても所定の乗員または空間に向けて拡散させることが難しいので、積極的にその放出を制限するものである。
【0037】
この操作手段101は、乗員自らが所定の空気質成分を得たいと思ったときに、強制的に車両用空気質成分供給装置を起動させるためのものであり、例えば、インストルメントパネル13の乗員が操作しやすい場所にスイッチ、またはボタンの形態で構成されている。操作手段101は、車両空気質成分供給装置20の起動、空気質チャンバ21内の空気を圧縮する圧縮力の大きさの制御、車内2のどの空間、またはどの乗員に向けて空気砲を放出するかの制御を命令することができる手段を有する構成である。
【0038】
次に、車両用空気質供給装置20の内部構成について図3(a)、(b)、および(c)を用いて説明する。図3(a)は、車両用空気質成分供給装置20の内部構成を示した概念図であり、図3(b)は空気質成分を揮発させるときの内部状態を示した概念図であり、図3(c)は空気砲を放出する動作を行っているときの内部状態を示した概念図である。
【0039】
図3(a)に示すように、車両用空気質成分供給装置20は、装置本体を構成する筐体内の一方側の端面に空気砲の放出口22を有し、放出口22と連通し筐体内の一方側に設けられた空気質チャンバ21と、他方側に設けられたアクチュエータと、空気質チャンバ21内に空気質成分を供給するために空気質成分を内蔵した成分保有部23と、を備えた構成である。
【0040】
成分保有部23は、所定の空気質成分があらかじめ貯蔵されている空間であり、空気質チャンバ21内に空気質成分を放出するためのノズル24を備えている。成分保有部23は、空気質チャンバ21内に配置されていることが好ましい。空気質成分は、通常は成分保有部23内に閉じ込められており、空気質成分供給ECU100からの放出命令があると空気質チャンバ21内の作動部25に向けて放出される。
【0041】
空気質チャンバ21は、放出口22から取り込まれた車内2の空気が充満されている空間であり、その容積は作動部25の前後方向の位置変動によって可変され、作動部25が瞬間的に放出口22に向かって変位すると、容積内の気体が圧縮され放出口22から車内2に向けて空気砲が放出されることになる。
【0042】
アクチュエータは、装置内部を横断する板状部材で形成され、空気質チャンバ21内の気体を圧縮したり振動させたりすることができる作動部25と、この作動部25と連結される支持部材28と、支持部材28の周囲を取り巻くように設けられるコイル26と、支持部材28およびコイル26の内側に設けられる磁石51と、支持部材28の半径方向の動きを抑制する緩衝部材29とから構成されている。
【0043】
磁石27とコイル26は装置本体の樹脂部材などによって絶縁されている。作動部25は、例えば、硬質の材料からなる薄板で構成するのが望ましい。これらの材料で形成することにより、音波振動または超音波振動で作動部25を振動させたり、作動部25を瞬間的に変位させたりすることができ、また、作動部25の作動音を低減することもできる。
【0044】
緩衝部材29は、支持部材28の外周部と装置本体の内面との間に存在して支持部材28の外方への動きを抑制するとともに、前後方向の動きにも追随するように構成されている。緩衝部材29は、弾性の有する素材または形状を有し、例えば、ゴムや、蛇腹形状の部材で構成されている。また、装置内部は、作動部25によって前後に2分割され、前部に空気質チャンバ21が構成され、後部にアクチュエータの構成部品が構成されている。
【0045】
このようなアクチュエータの構成においては、電磁力によって作動部25を前後に変位されるので、反復される往復運動に対して強い耐久性に優れ、細かな変位や短時間の変動を可能とした制御を実施できる。このようにアクチュエータは、例えば、ムービングコイル方式で作動される。
【0046】
アクチュエータの作動について説明する。車載バッテリなどからアクチュエータに電圧が印加されると、電流がコイル26に流れて作動部25を前後方向のいずれかに押し出す電磁力が働く。
【0047】
空気質成分を空気質チャンバ21内で揮発させるステップについて説明する。空気質成分供給ECU100は、揮発動作ステップを実行するときには、まず、成分保有部23内に貯蔵されている空気質成分をノズル24を介して作動25に向かって放出させる制御を行う。次に、空気質成分供給ECU100は、印加する電圧を適切に制御することにより、作動部25を前後方向に音波振動または超音波振動などの高周波振動をさせる。作動部25のこのような振動によって、空気質チャンバ21内の気体は高周波振動することになるので、このチャンバ内に充満していた所定の空気質成分は振動によって揮発されて、チャンバ内に拡散し充満することになる(以上、図3(b)参照)。
【0048】
次に、空気砲発生ステップについて説明する。さらに、空気質成分供給ECU100は、印加する電圧を適切に制御することにより、作動部25を瞬間的に前後方向に変位させる。作動部25のこのような変位により、空気質チャンバ21の容積は瞬間的に小さくなるので、この容積内に充満していた空気質成分を含んだ気体は圧縮されて押し出され放出口22から外部に向けて瞬時に放出されることになる(以上、図3(c)参照)。
【0049】
空気質成分供給ECU100は、作動部25をこのような一連の制御で動作させることにより揮発手段および圧縮手段として機能させる。作動部25によって放出口22から放出される空気は、所定の空気質成分を含んだ、流体の塊、例えば、渦輪、球体状の塊、となって車内2に放出されることになる。
【0050】
次に、空気砲を放出した後には、図3(a)に示すように作動部25は、元の位置に戻り、これとともに放出した空気砲と同じ容積分の空気が車内2から取り込まれる。
【0051】
車両用空気質成分供給装置20は、以上のような図3(a)〜図3(c)のそれぞれで示した動作を繰り返し行うことにより、乗員に対する空気砲の供給を継続的に実施することができる。
【0052】
なお、アクチュエータに印加する電圧は、ON/OFF制御により電圧を印加する。放物線状の波形電圧でなく、矩形波状の電圧を印加することにより、コイル26に瞬間的に電流を流すことになり、電磁力を短時間で発生させ、作動部25の変位を瞬間的に起こすことができる。印加電圧を数秒程度の間隔を空けて複数回印加した場合には、乗員に対して連続的に複数個の空気砲が放出されるので、途中で何らかの障害物が存在するような場合でもどれか一つの空気砲が乗員に当たることにより、所定の空気質成分を乗員に感知させる確率を向上することができる。
【0053】
印加する電圧は、例えば、車載バッテリから供給することにより12V電圧としてもよい。また、アクチュエータに印加する電圧の強化するために、コンデンサを用いた昇圧回路を利用してもよい。例えば、印加電圧を昇圧回路により12Vから16Vに昇圧することで、空気砲の搬送距離を大きくすることができ、空気砲を供給したい乗員の選択の幅が広がる車両用空気質供給装置が提供できる。
【0054】
さらに、一連の揮発動作ステップおよび空気砲発生ステップにおける作動部25の変位について図4を用いて説明する。図4は揮発動作ステップおよび空気砲発生動作ステップにおけるアクチュエータの変位を示すグラフである。
【0055】
空気質成分供給ECU100が揮発動作ステップを開始すると、作動部25は前後方向に音波振動または超音波振動などの高周波振動を行う。このときの作動部25の変位は、高周波振動であるため、図4に示すように微小の変位量である。プラスの変位量は、作動部25が放出口22方向に変位することを示し、マイナスの変位量は、作動部25が空気質チャンバ21の容積を大きくする方向に変位することを示している。そして高周波振動は所定時間繰り返される。この所定時間は、空気質成分の必要量を揮発させ、十分に空気質チャンバ21内に充満させることができる時間である。
【0056】
揮発動作ステップが終了すると、空気質成分供給ECU100は空気砲発生動作ステップを開始する。空気質成分供給ECU100は、コイル26に矩形波状の電圧を印加することにより瞬間的に作動部25を放出口22方向に変位させ、作動部25の変位は矩形波を描いた後、図3(a)に示す元の位置に戻る。このときの変位量は、最大変位量であり、空気質チャンバ21の急激な容積減少が起こり、押し出されたよう積分の気体が空気砲となって放出口22から車内2に放出される。
【0057】
次に、空気砲放出の命令があるまで、空気質成分供給ECU100はアクチュエータに電圧を印加せず、作動部25は元の状態を維持する。空気砲放出の命令があると、空気質成分供給ECU100は再び揮発動作ステップを開始し、作動部25が高周波振動による変位状態に入る。
【0058】
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置は、空気砲が車内2に向けて放出される放出口22と、放出口22に連通する空気質チャンバ21と、揮発手段として空気質チャンバ21内で所定の空気質成分を揮発させるとともに、圧縮手段として揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮するように変位して空気砲を放出する作動部25と、作動部25の動作を制御する制御手段としての空気質成分供給ECU100と、を備えている。
【0059】
この構成によれば、アクチュエータが、空気質チャンバ21内で所定の空気質成分を揮発させる機能と、揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気砲を放出する機能とを併せ持つことになり、空気質成分を揮発するための手段を別途設ける必要が無く、構成部品点数を低減して装置を小型化することができる。また、揮発手段と空気圧縮手段が、空気質チャンバ21側で一体化されることにより、装置全体の小型化が図れる。
【0060】
また、空気質成分供給ECU100は、作動部25を音波振動または超音波振動させることにより空気質成分を揮発させた後、揮発された空気質成分を含んだ気体を圧縮するように作動部25を制御することが好ましい。
【0061】
この制御を採用した場合には、作動部25の動作を揮発動作ステップと空気圧縮ステップに分けて制御することにより、比較的簡単な部品構成によって、揮発手段および空気圧縮手段の両方の機能を実現することができる。
【0062】
また、成分保有部23は空気質チャンバ21内に配置されていることが好ましい。この構成を採用した場合には、装置本体全体を小さく構成することができ、設置スペースが制限される車両用として有用である。
【0063】
また、作動部25を変位させる動作は、空気質成分供給ECU100の制御によって電磁力を用いて実行されている。この制御を採用した場合には、揮発動作ステップと空気圧縮ステップを連続的に行うことができるとともに、瞬間的に発生する電磁力を作動部25の変位制御に活用できるので、空気質成分の揮発化および空気砲の発生を促進することができる。
【0064】
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用空気質供給装置30の内部構成について図5を用いて説明する。なお、車両用空気質成分供給装置30の車内2における配置箇所は、第1実施形態において図1を用いた説明と同様である。また、車両用空気質成分供給装置30の制御構成についても、第1実施形態において図2を用いた説明と同様である。
【0065】
図5に示すように、車両用空気質成分供給装置30は、第1実施形態の車両用空気質供給装置20に対して、空気質成分が浸透可能な浸透部材31を備えた点のみが異なっている。この浸透部材31は、揮発手段および圧縮手段として機能するアクチュエータに備えられるものであり、空気質チャンバ21側の作動部25の側面に設けることが好ましい。浸透部材31は、揮発手段としての働きを有し、ノズル24から放出された空気質成分が浸透可能な素材で構成されており、浸透後は自然に揮発して空気質チャンバ21内に充満するものである。浸透部材31は、例えば、不織布や、吸湿性の高い素材(綿、カーゼなど)で構成することができる。
【0066】
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置30は、作動部25に空気質成分が浸透可能な浸透部材31を備えている。この構成によれば、浸透部材31に浸透された空気質成分を自然揮発させて空気質チャンバ21内に空気質成分を充満させることができる。また、浸透部材31は、揮発手段として機能するので、作動部25を高周波振動させる制御の代用になり、この場合の作動部25は圧縮手段として機能する。また、揮発手段と空気圧縮手段が一体化されることにより、装置全体の小型化が図れる。
【0067】
また、作動部25の空気質チャンバ21寄りの側面に、空気質成分を揮発させる揮発手段である浸透部材31を設けた場合には、より早く空気質チャンバ21内に空気質成分を拡散させることができる。
【0068】
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用空気質供給装置40の内部構成について図6を用いて説明する。なお、車両用空気質成分供給装置40の車内2における配置箇所は、第1実施形態において図1を用いた説明と同様である。また、車両用空気質成分供給装置40の制御構成についても、第1実施形態において図2を用いた説明と同様である。
【0069】
図6に示すように、車両用空気質成分供給装置40は、第1実施形態の車両用空気質供給装置20に対して、空気質成分を揮発させるための発熱部41を備えた点のみが異なっている。この発熱部41は、揮発手段および圧縮手段として機能するアクチュエータに備えられるものであり、作動部25の表面に設けることが好ましい。
【0070】
発熱部41は、揮発手段としての働きを有し、発熱によって空気質チャンバ21内の雰囲気の温度を高くして、ノズル24から放出された空気質成分を揮発させるものである。発熱部41は、例えば、ニクロム線や、PTCヒータなどの設置スペースを比較的要しない薄型のヒータ類で構成することができる。
【0071】
発熱部41は、空気質成分供給ECU100によって、発熱のタイミング、時間、発熱量などが制御される構成である。発熱部41によって空気質チャンバ21内の気体を温めることは、空気に含まれる水分が気化しやすくなり、雰囲気の湿度が高くなるので、湿度成分を主とした空気砲の放出に対して有利に働く。
【0072】
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置40は、作動部25に空気質成分を揮発させるための発熱部41を設けることが好ましい。この構成によれば、揮発手段として発熱を用いることにより、空気質チャンバ21内の気体の温度を調整でき、空気質成分の拡散を促進することができる。また、空気質成分を湿度成分とする空気砲の放出に対して有用である。また、発熱部41は、揮発手段として機能するので、作動部25を高周波振動させる制御の代用になり、この場合の作動部25は圧縮手段として機能する。また、揮発手段と空気圧縮手段が一体化されることにより、装置全体の小型化が図れる。
【0073】
(第4実施形態)
第4実施形態の車両用空気質供給装置50の内部構成について図7を用いて説明する。なお、車両用空気質成分供給装置50の車内2における配置箇所は、第1実施形態において図1を用いた説明と同様である。また、車両用空気質成分供給装置50の制御構成についても、第1実施形態において図2を用いた説明と同様である。
【0074】
図7に示すように、車両用空気質成分供給装置50は、第1実施形態の車両用空気質供給装置20に対して、空気質成分を揮発させる揮発部材51を備えた点のみが異なっている。この揮発部材51は、揮発手段および圧縮手段として機能するアクチュエータに備えられ、作動部25の空気質チャンバ21寄りの側面に設ける。
【0075】
揮発部材51は、揮発手段としての働きを有し、第3実施形態の発熱部41のように自信が発熱して空気質チャンバ21内の雰囲気の温度を高くし、ノズル24から放出された空気質成分を揮発させる構成でもよいし、作動部25と一体となって高周波振動されることによって、ノズル24から放出された空気質成分を揮発させる構成でもよい。
【0076】
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置50は、作動部25の空気質チャンバ21寄りの側面に、空気質成分を揮発させる揮発部材51を備えた場合には、空気質チャンバ21内に空気質成分をより早く拡散させることができる。
【0077】
(第5実施形態)
第5実施形態は、車両用空気質供給装置20、50の揮発動作ステップおよび空気砲発生動作ステップにおける制御の変形例を示すものである。図8は車両用空気質成分供給装置20、50の揮発動作ステップおよび空気砲発生動作ステップの制御におけるアクチュエータの変位を示すグラフである。
【0078】
本実施形態の一連の揮発動作ステップおよび空気砲発生ステップにおける作動部25にかかる制御は、基本的には第1実施形態の図4を用いた説明と同様であるが、一部のみ異なっている。本実施形態では、その異なっている部分のみ説明する。
【0079】
空気質成分供給ECU100が揮発動作ステップを開始すると、前述の第1実施形態のように作動部25および揮発部材51は前後方向に音波振動または超音波振動などの高周波振動を行い、揮発手段としての働きを実行する。そして、空気質成分供給ECU100は揮発動作ステップが終了すると、待機時間Aを経た後に空気砲発生動作ステップを開始する。後に続く空気砲発生動作ステップの制御は前述の第1実施形態と同様である。この待機時間Aは、揮発された空気質成分が空気質チャンバ21内に十分に行き渡るための時間であり、後に放出される空気砲の中に所定量の空気質成分を含有させるためにもうけられた待機時間である。
【0080】
このように空気質成分供給ECU100は、作動部25などを音波振動または超音波振動させて空気質成分を揮発させた後、待機時間が経過後、空気砲を放出するための作動部25の制御を開始する。この制御を採用した場合には、空気質チャンバ21内に十分に空気質成分が行き渡るような待機時間を設定することができ、空気質チャンバ21内の成分濃度を均一化して品質の安定した空気砲を提供することができる。
【0081】
(第6実施形態)
第6実施形態は、前述の第5実施形態に対する、車両用空気質供給装置20、50の揮発動作ステップおよび空気砲発生動作ステップにおける制御の変形例を示すものである。図9は車両用空気質成分供給装置20、50の揮発動作ステップおよび空気砲発生動作ステップの制御におけるアクチュエータの変位を示すグラフである。
【0082】
本実施形態の一連の揮発動作ステップおよび空気砲発生ステップにおける作動部25にかかる制御は、基本的には第1実施形態の図4および第5実施形態の図8を用いた説明と同様であるが、一部のみ異なっている。本実施形態では、その異なっている部分のみ説明する。
【0083】
空気質成分供給ECU100は、空気砲発生動作ステップにおけるアクチュエータへの電圧印加において、矩形波状電圧の初期の立ち上がりを滑らかな丸みを帯びた波形によって印加し、終期の波形を徐々に印加電圧を小さくするように印加する。このような波形の電圧を印加することにより、作動部25の変位についても図9に示すような変動となり、空気砲発生動作ステップにおける作動部25の変動が滑らかになり、空気圧縮時の騒音を低減することができる。
【0084】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において以下のように種々変形して実施することが可能である。
【0085】
例えば、上述の実施形態における空気質成分供給ECU100は、車両用空気質成分供給装置の制御を行う専用の制御手段であってもよいが、エアコンECUの一部として組み込まれる構成で、その中で車両用空気質成分供給装置の制御を担当する制御手段として機能するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第1、第2、第3、および第4実施形態における車両用空気質成分供給装置を車内に配置する箇所を示した概念図である。
【図2】第1、第2、第3、および第4実施形態における車両用空気質成分供給装置の制御構成を示したブロック図である。
【図3】(a)は、第1実施形態の車両用空気質成分供給装置20の内部構成を示した概念図である。(b)は車両用空気質成分供給装置20において、空気質成分を揮発させるときの内部状態を示した概念図である。(c)は、空気砲を放出する動作を行っているときの内部状態を示した概念図である。
【図4】車両用空気質成分供給装置20の揮発動作および空気砲発生動作の制御におけるアクチュエータの変位を示すグラフである。
【図5】第2実施形態の車両用空気質成分供給装置30の内部構成を示した概念図である。
【図6】第3実施形態の車両用空気質成分供給装置40の内部構成を示した概念図である。
【図7】第4実施形態の車両用空気質成分供給装置50の内部構成を示した概念図である。
【図8】第5実施形態における車両用空気質成分供給装置20、50の揮発動作および空気砲発生動作の制御におけるアクチュエータの変位を示すグラフである。
【図9】第6実施形態における車両用空気質成分供給装置20、50の揮発動作および空気砲発生動作の制御におけるアクチュエータの変位を示すグラフである。
【符号の説明】
【0087】
2 車内
21 空気質チャンバ
22 放出口
25 作動部(アクチュエータ)
31 浸透部材(アクチュエータ)
41 発熱部(アクチュエータ)
51 発熱体(アクチュエータ、作動部)
100 空気質成分供給ECU(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気質成分を含有した空気砲を車内(2)に供給する車両用空気質成分供給装置であって、
前記空気砲が前記車内(2)に向けて放出される放出口(22)と、
前記放出口(22)に連通する空気質チャンバ(21)と、
前記空気質チャンバ(21)内で所定の前記空気質成分を揮発させる揮発手段(25、31、41、51)を有するとともに、揮発された前記空気質成分を含む前記空気質チャンバ(21)内の気体を圧縮して前記放出口(22)から空気砲を放出する圧縮手段(25、51)を有するアクチュエータ(25、31、41、51)と、
前記アクチュエータ(25、31、41、51)の動作を制御する制御手段(100)と、を備えることを特徴とする車両用空気質成分供給装置。
【請求項2】
前記アクチュエータ(25、31、41、51)は前記揮発手段(25、51)および圧縮手段(25、51)として作動する作動部(25、51)を有し、
前記制御手段(100)は、前記作動部(25、51)を音波振動または超音波振動させることにより前記空気質成分を揮発させた後、揮発された前記空気質成分を含んだ気体を圧縮するように前記作動部(25、51)を制御することにより前記放出口(22)から空気砲を放出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気質成分供給装置。
【請求項3】
前記制御手段(100)は、前記作動部(25、51)を音波振動または超音波振動させて前記空気質成分を揮発させた後、待機時間が経過後、空気砲を放出するための前記作動部(25、51)の制御を開始することを特徴とする請求項2に記載の車両用空気質成分供給装置。
【請求項4】
前記アクチュエータ(25、31、41、51)は、前記圧縮手段(25)として前記空気質チャンバ(21)内の気体を圧縮するように変位する作動部(25)を有し、前記作動部(25)の前記空気質チャンバ(21)寄り側面に、前記空気質成分を揮発させる揮発手段(31、41、51)を設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気質成分供給装置。
【請求項5】
前記アクチュエータ(25、31)は前記揮発手段(31)として前記空気質成分が浸透可能な浸透部材(31)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気質成分供給装置。
【請求項6】
前記アクチュエータ(25、31、41、51)は前記圧縮手段(25)として前記空気質チャンバ(21)内の気体を圧縮するように変位する作動部(25)を有し、前記作動部(25)に前記空気質成分を揮発させるための発熱部(41)を設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気質成分供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−237803(P2007−237803A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59936(P2006−59936)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】