説明

車両用空調システム

【課題】可変容量圧縮機の回転速度が変化したときに、圧縮機の駆動トルクのオーバーシュートが防止されて安定に動作し、車両のドライバビリティ、燃費及び車室の快適性の向上をもたらす車両用空調システムの提供。
【解決手段】車両用空調システムは、可変容量圧縮機(22)の吐出容量を制御する容量制御手段と、可変容量圧縮機(22)の回転速度の変化を予知する回転速度変化予知手段とを備える。容量制御手段は、回転速度変化予知手段によって予知された可変容量圧縮機(22)の回転速度の変化が閾値を超えたとき、予知された可変容量圧縮機(22)の回転速度の変化が始まるよりも前に、予知された回転速度の変化方向に対応して可変容量圧縮機(22)の吐出容量が変化するように駆動電流を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調システムは、冷凍サイクルを実行するシステム(冷凍サイクルシステム)を有する。冷凍サイクルシステムは、作動流体としての冷媒が循環する循環路を有し、循環路には、圧縮機、放熱器(凝縮器)、膨張器(膨張弁)及び蒸発器が順次介挿される。
圧縮機の動力(駆動トルク)は、エンジンからベルトを介して伝達される。このため、車両の制御という観点からみれば、圧縮機は負荷となり、特に外気温度が高いときに、加速性能を含む車両のドライバビリティや、燃費に影響を及ぼす。
【0003】
一方、車両用空調システムの制御という観点からみれば、エンジンの回転速度の変化は、圧縮機の回転速度の変化をもたらし、冷凍サイクルを不安定にし、車室温度のばらつきをもたらす。
そこで、例えば特許文献1が開示する車両用空気調和装置においては、車両が加速状態であると判定された時に、コンプレッサがオフにされる。あるいは、コンプレッサが可変容量である場合、加速状態であると判定された時に、その容量が小にされる。これにより、車両加速時には加速が優先させられ、加速性能が確保されるものと考えられる。
【0004】
ところで可変容量の圧縮機としては、例えば、ピストンタイプの外部制御式の可変容量圧縮機が広く利用されている。
この種の可変容量圧縮機には、容量制御弁が備え付けられ、容量制御弁に供給される駆動電流は、外部の制御装置によって制御される。制御装置は、冷凍サイクルシステムにおける吸入圧力、若しくは、所定の2点間の圧力差(例えば、吐出圧力と吸入圧力との圧力差)が目標値に近付くように駆動電流を調整する。駆動電流に応じて容量制御弁の開度が変化するのに伴い、圧縮機のクランク室の圧力が増減され、これによって吐出容量が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2612334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が開示する車両用空気調和装置においては、車両が加速し始めてから、則ち、圧縮機の回転速度が上昇し始めてから、制御装置がコンプレッサをオフにするか又はその吐出容量を小さくする。このため、例えば、AT車における急加速時の自動シフトダウンなど、エンジン回転速度が急激に変化するような場合には、圧縮機の動力を迅速に低減することができない。特にピストンタイプの可変容量圧縮機を用いているときには、容量制御弁の駆動電流を変更してから、実際に吐出容量が変化するまでに時間差があることから、なおさら圧縮機の動力を迅速に低減することができない。
【0007】
このように、圧縮機の吐出容量の変化がエンジンの回転速度変化に追い付かない場合、圧縮機の動力のオーバーシュートが発生する。このオーバーシュートは、車両のドライバビリティの悪化を招き、また、省燃費化のための細やかなエンジン制御に悪影響を及ぼす。
更に、圧縮機の吐出容量の変化がエンジンの回転速度変化に追い付かない場合、感温式の膨張弁を用いていれば、蒸発器の圧力低下により膨張弁の開度が変化し、冷凍サイクルシステム全体のバランスが変化する。この結果として、冷凍サイクルシステムが不安定になり、車室の快適性が損なわれる虞がある。
【0008】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、可変容量圧縮機の回転速度が変化したときに、圧縮機の駆動トルクのオーバーシュートが防止されて安定に動作し、この結果として、車両のドライバビリティ、燃費及び車室の快適性の向上をもたらす車両用空調システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するべく、本発明の一態様によれば、車両に設けられた冷媒が循環する循環路に順次介挿された、可変容量圧縮機、放熱器、膨張器及び蒸発器と、容量制御弁に供給される駆動電流を調整することにより前記可変容量圧縮機の吐出容量を制御する容量制御手段と、前記可変容量圧縮機の回転速度の変化を予知する回転速度変化予知手段とを備え、前記可変容量圧縮機は、前記車両のエンジンの動力によって作動させられ、前記容量制御手段は、前記回転速度変化予知手段によって予知された前記可変容量圧縮機の回転速度の変化が閾値を超えたとき、予知された前記可変容量圧縮機の回転速度の変化が始まるよりも前に、予知された回転速度の変化方向に対応して前記可変容量圧縮機の吐出容量が変化するように前記駆動電流を変更することを特徴とする車両用空調システムが提供される(請求項1)。
【0010】
好ましくは、前記容量制御手段は、前記回転速度上昇予知手段によって予知された前記圧縮機の回転速度の変化の開始時期、及び、前記駆動電流を変更してから前記可変容量圧縮機の吐出容量が変化し始めるまでに要する応答時間に応じた変更時期に、前記可変容量圧縮機の吐出容量が変化するように前記駆動電流を変更する(請求項2)。
好ましくは、前記変更時期は、前記圧縮機の回転速度の変化の開始時期から起算して前記応答時間よりも前である(請求項3)。
【0011】
好ましくは、回転速度変化予知手段は、車両のアクセル開度及びアクセル開度の変化量のうち少なくとも一方に基づいて、前記可変容量圧縮機の回転速度の変化を予知する(請求項4)。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の車両用空調システムによれば、可変容量圧縮機の回転速度の変化が開始するよりも前に、容量制御弁の駆動電流を変更することで、圧縮機の駆動トルクのオーバーシュートが防止される。この結果として、車両用空調システムの動作が安定になり、車両のドライバビリティ、燃費及び車室の快適性が向上する。
請求項2の車両用空調システムによれば、回転速度の変化の開始時期及び応答時間に応じた変更時期に、容量制御弁の駆動電流を変更することで、圧縮機の駆動トルクのオーバーシュートが確実に防止される。
【0013】
請求項3の車両用空調システムによれば、回転速度の変化の開始時期から起算して応答時間よりも前に、容量制御弁の駆動電流を変更することで、圧縮機の駆動トルクのオーバーシュートが確実に防止される。
請求項4の車両用空調システムによれば、回転速度変化予知手段によって、回転速度の変化が確実に予知される。この結果として、圧縮機の駆動トルクのオーバーシュートが確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の車両用空調システムが適用された車両の概略構成を示す図である。
【図2】図1の車両における信号の入出力関係を示す図である。
【図3】実施例として、吐出圧力、吸入圧力、クランク圧力、駆動電流、及び、圧縮機駆動トルクの経時変化を示すグラフである。
【図4】比較例として、吐出圧力、吸入圧力、クランク圧力、駆動電流、及び、圧縮機駆動トルクの経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、第1実施形態の車両用空調システムを適用した車両の概略を示し、この車両用空調システムによれば車室10内を所望の設定温度にて冷房可能である。
車両用空調システムは冷凍サイクルを実行する冷凍サイクルシステム12を備え、冷凍サイクルシステム12は、作動流体としての冷媒を循環させる循環路14を有する。
循環路14は、エンジンルーム16から隔壁17を貫通して機器スペース18に渡っている。機器スペース18は、車室10の前方部分にインストルメントパネル20により区画されている。エンジンルーム16内を延びる循環路14の部分には、圧縮機22、放熱器(凝縮器)24、レシーバ・ドライヤ25及び膨張弁26が、冷媒が流れる方向にて順次介挿される。機器スペース18内を延びる循環路14の部分には、蒸発器28が介挿されている。なお、レシーバ・ドライヤ25は省略してもよい。
【0016】
圧縮機22は、例えばプーリ及びベルトを介して、エンジン29と機械的に連結され、エンジン29から供給される動力によって作動させられる。圧縮機22は、好ましくはピストンタイプの可変容量圧縮機であり、容量制御弁を内蔵している。
容量制御弁のソレノイド30には、エアコン制御装置(A/C制御装置)32が電気的に接続され、エアコン制御装置32は、ソレノイド30に供給される駆動電流の電流量を調整することによって、圧縮機22の吐出容量を調整する。エアコン制御装置32は、例えば、ECU(電子制御装置)等の電気回路によって構成することができる。
【0017】
吐出容量の制御方式としては、例えば、圧縮機22が吸入する冷媒の圧力(吸入圧力)を制御するPs制御方式か、圧縮機22が吐出する冷媒の圧力(吐出圧力)と吸入圧力との差(Pd−Ps差圧)を制御する差圧制御方式を採用することができる。
凝縮器24の近傍にはコンデンサファン33が配置され、車両の走行による車両前方からの風、コンデンサファン33からの風、又は、これらの両方によって、凝縮器24を通過する冷媒は冷却される。
【0018】
膨張弁26は自身を通過する冷媒を膨張させる。膨張弁26は、例えば感温式の膨張弁であり、この場合、膨張弁26の開度は、蒸発器28の出口での冷媒の過熱度が一定になるように自律的に変化する。
蒸発器28は、空調ユニットハウジング34内に配置され、空調ユニットハウジング34内には、ブロワファン36及びヒータコア(図示せず)も配置されている。また、空調ユニットハウジング34の入口には、内外気切換ダンパ38が配置され、空調ユニットハウジング34の出口には、吹出口切換ダンパ(図示せず)が配置されている。
【0019】
蒸発器28を通過する冷媒は、ブロワファン36からの風によって加熱され、蒸発する。この一方で、ブロワファン36からの風は、蒸発器28によって冷却されて冷風になり、この冷風が車室10内に吹き出すことで、車室10が冷房される。
また、冷凍サイクルシステム12は、種々の情報を検知するセンサ群として、外気温度センサ42、蒸発器出口空気温度センサ44及びコンデンサファン電圧センサ45を有する。外気温度センサ42、蒸発器出口空気温度センサ44及びコンデンサファン電圧センサ45は、それぞれエアコン制御装置32と電気的に接続されている。
【0020】
一方、車両全体の動作を制御する車両制御システムは、車両制御装置(エンジン制御装置)50を備え、車両制御装置50も、ECU等の電子回路によって構成することができる。車両制御装置50は、主に、車室10に配置されたアクセルペダル52、図示しないブレーキペダル、及び、シフトレバー等を介した乗員による入力に基づいて、エンジン29を適当に制御する。
【0021】
車両制御システムは、好ましくは、アクセル開度センサ54を備え、アクセル開度センサ54は、乗員によるアクセルペダル52の踏み込み量を検知する。
図2は、上述した容量制御弁のソレノイド30、エアコン制御装置32、車両制御装置50及びセンサ群の間における、信号の入出力を示している。
車両制御装置50には、アクセル開度センサ54によって検知された、アクセルペダル52の踏み込み量が入力される。そして、車両制御装置50は、アクセルペダル52の踏み込み量及びその変化に基づいて、エンジン29に供給される燃料の量(空燃比)及び点火時期等を適切に制御する。
【0022】
具体的には、車両制御装置50は、踏み込み量が増大方向に大きく変化したとき、乗員が加速を指示していると判断し、その指示の程度に応じて、燃料の量を増やすとともに点火時期を進角させる。逆に、踏み込み量が減少方向に大きく変化したとき、乗員が減速を指示していると判断し、その指示の程度に応じて、燃料の量を減らすとともに点火時期を遅角させる。
【0023】
一方、車両制御装置50は、車速及びエンジン29の回転速度の信号を出力し、これらの信号は、エアコン制御装置32に入力される。
また、エアコン制御装置32には、操作パネルを介して、車室の設定温度等が入力されるとともに、外気温度センサ42、蒸発器出口空気温度センサ44及びコンデンサファン電圧センサ45によってそれぞれ検知された、外気温度、蒸発器出口空気温度及びコンデンサファン電圧が入力される。これらの入力された情報に基づいて、エアコン制御装置32は、容量制御弁のソレノイド30に供給される駆動電流の目標値を設定し、この目標値に実際の値が近付くように駆動電流を調整する。これにより、可変容量圧縮機22の吐出容量が所定の値に調整される。
【0024】
更に、エアコン制御装置32にも、アクセル開度センサ54によって検知された、アクセルペダル52の踏み込み量が連続的若しくは間欠的に入力される。エアコン制御装置32は、入力されたアクセルペダル52の踏み込み量の変化に基づいて、エンジン29の回転速度の変化、換言すれば、圧縮機22の回転速度の変化を、それが実際に変化するよりも前に検知する。
【0025】
そして、予知した圧縮機22の回転速度の変化量(回転加速度)が、予め設定された閾値を超えたとき、エアコン制御装置32は、予知した圧縮機22の回転速度の変化が始まるよりも前に、回転速度の変化方向及び変化量に対応して吐出容量が変化するように駆動電流の目標値を変更し、且つ、変更した目標値に実際の値が近付くように駆動電流を調整する。
【0026】
具体的には、エアコン制御装置32は、圧縮機22の回転速度の変化量が上限閾値を超えて上昇すると予知したときには、吐出容量が小さくなるように駆動電流の目標値を変更し、エンジン29の回転速度の変化量が下限閾値を超えて下降すると予知したときには、吐出容量が大きくなるように駆動電流の目標値を変更する。
そして、エアコン制御装置32は、所定期間だけ変更された目標値に基づいて実際の駆動電流を調整した後、再び、入力された情報に基づいて設定された目標値そのものに基づいて駆動電流を調整する。
【0027】
上述したエアコン制御装置32は、圧縮機22の回転速度の変化の予知、予知した結果と閾値との比較、並びに、比較結果に基づいた圧縮機22の回転速度変化前の駆動電流の目標値の変更及び駆動電流の調整を行うようプログラムすることにより、構成することができる。
なお、通常の容量制御弁にあっては、吐出容量を大きくするために、駆動電流の目標値が増大方向に変更されるが、容量制御弁の種類によっては、その逆も有り得る。
【0028】
ここで図3は、実施例として、台上試験における、圧縮機22の回転速度、駆動トルク、圧縮機22の吐出室の圧力(吐出圧力)、圧縮機22の吸入室の圧力(吸入圧力)、圧縮機22のクランク室の圧力(クランク圧力)、及び、ソレノイド30に供給される駆動電流の経時変化を示している。
この実施例では、圧縮機22の回転速度が上昇し始める前に、駆動電流が小さくなるよう変更されている。好ましくは、圧縮機22の回転速度が上昇し始める時点から起算して、圧縮機22の応答時間τよりも前に、駆動電流が小さくなるよう変更される。
【0029】
応答時間τとは、駆動電流の実際の値を変更してから可変容量圧縮機22の吐出容量が変化し始めるまでに要する時間である。応答時間τは、圧縮機22の仕様によって異なるが、ピストンタイプの揺動板式圧縮機又は斜板式圧縮機では、例えば、200ms以上300ms以下の範囲にある。
一方、図4は、比較例として、圧縮機22の回転速度の上昇の開始時期と同時に駆動電流が小さくされた場合の台上試験の結果を示している。
【0030】
図3と図4との比較から、圧縮機22の回転速度が上昇し始める前に、駆動電流を小さくすることにより、圧縮機22の回転速度の上昇による圧縮機22の駆動トルクのオーバーシュートが防止されることがわかる。
かくして上述した車両用空調システムによれば、エンジン29の回転速度の変化が開始するよりも前に、容量制御弁のソレノイド30に供給される駆動電流を変更することで、圧縮機22の駆動トルクのオーバーシュートが防止される。この結果として、車両のドライバビリティ、燃費及び車室の快適性が向上する。
【0031】
また、上述した車両用空調システムによれば、圧縮機22の回転速度の変化の開始時期から起算して応答時間τよりも前に、容量制御弁のソレノイド30に供給される駆動電流を変更することで、圧縮機22の駆動トルクのオーバーシュートが確実に防止される。
本発明は、上述した一実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。
例えば、一実施形態では、圧縮機22の回転速度の上昇及び下降が予知されたときに、圧縮機22の吐出容量をそれぞれ減少及び増大させたが、少なくとも圧縮機22の回転速度の上昇が閾値を超えると予知された場合に、吐出容量を減少させればよい。また、構成を簡単にするために、吐出容量を減少させるときに、いつでも最小の吐出容量になるように駆動電流を変更してもよい。
【0032】
一実施形態では、予知された圧縮機22の回転速度の変化の開始時期から起算して応答時間τよりも前に、駆動電流が変更されたけれども、開始時期よりも前に駆動電流が変更されればよい。また、駆動電流を変更する時期は、回転速度の変化の開始時期及び応答時間τに基づいて設定することができる。
一実施形態では、アクセルペダル52の踏み込み量(アクセル開度)に基づいて、圧縮機22の回転速度の変化量を予知したけれども、アクセルペダル52の踏み込み量、踏み込み量の変化量、及び、踏み込み速度のうち1つ以上に基づいて、圧縮機22の回転速度の変化を予知してもよい。この場合、アクセル開度センサ54によって踏み込み量及び踏み込み速度を検知するようにすればよい。
【0033】
また、エンジン29又は圧縮機22の回転速度が変化するよりも前に、駆動信号を変更させることが可能であれば、他の手段によって圧縮機22の回転速度の変化を予知してもよい。則ち、車両用空調システムは、圧縮機22の回転速度の予知手段(回路)を有していればよい。
【符号の説明】
【0034】
22 可変容量圧縮機
32 エアコン制御装置(容量制御手段、回転速度変化予知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた冷媒が循環する循環路に順次介挿された、可変容量圧縮機、放熱器、膨張器及び蒸発器と、
容量制御弁に供給される駆動電流を調整することにより前記可変容量圧縮機の吐出容量を制御する容量制御手段と、
前記可変容量圧縮機の回転速度の変化を予知する回転速度変化予知手段と
を備え、
前記可変容量圧縮機は、前記車両のエンジンの動力によって作動させられ、
前記容量制御手段は、前記回転速度変化予知手段によって予知された前記可変容量圧縮機の回転速度の変化が閾値を超えたとき、予知された前記可変容量圧縮機の回転速度の変化が始まるよりも前に、予知された回転速度の変化方向に対応して前記可変容量圧縮機の吐出容量が変化するように前記駆動電流を変更する
ることを特徴とする車両用空調システム。
【請求項2】
前記容量制御手段は、前記回転速度上昇予知手段によって予知された前記圧縮機の回転速度の変化の開始時期、及び、前記駆動電流を変更してから前記可変容量圧縮機の吐出容量が変化し始めるまでに要する応答時間に応じた変更時期に、前記可変容量圧縮機の吐出容量が変化するように前記駆動電流を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調システム。
【請求項3】
前記変更時期は、前記圧縮機の回転速度の変化の開始時期から起算して前記応答時間よりも前であることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調システム。
【請求項4】
回転速度変化予知手段は、車両のアクセル開度及びアクセル開度の変化量のうち少なくとも一方に基づいて、前記可変容量圧縮機の回転速度の変化を予知することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両用空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−163022(P2010−163022A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6435(P2009−6435)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】