車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法
【課題】坂道に滞留する他の車両からの排気ガスに対しては内外気の切り換えの対応が取られていない。従って、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気を車室内に侵入させてしまう可能性がある。
【解決手段】車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部22と、車両の室内の空気を循環する内気循環モードと室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換部28とを備える。そして、空調切換部28は、取得した道路面の傾斜角度に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。
【解決手段】車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部22と、車両の室内の空気を循環する内気循環モードと室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換部28とを備える。そして、空調切換部28は、取得した道路面の傾斜角度に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両が走行中に、トンネル等の閉空間内や渋滞地域がある場合、その箇所に進入する際に車両の空調装置を外気循環から内気循環に自動的に切り換える車両用空調装置が提案されている。例えば、下記の特許文献1の車両用空調装置では、図14に示すブロック図によって構成され、車両がトンネルや地下駐車場等の閉空間内に進入したことを検知することにより、ダンパ装置2を循環運転に自動的に切り換えるようにしている。ここでは、カーナビゲーション装置8が受信するGPS電波の受信強度が低下することに基づいて、車両が閉空間内に進入したことを検知している。
【0003】
また、下記の特許文献2の車両用空調装置では、図15に示すブロック図によって構成され、車両が渋滞もしくは他車との距離が近くなっている場合を検知することにより、内外気の切り換えを行うようにしている。ここでは、車速検出手段22において検出された車両速度が所定速度以下であるときに、ダンパ自動切換判断手段12によって渋滞もしくは他車との距離が近くなっていると判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−29246号公報
【特許文献2】特開平10−211813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2に記載されているような車両用空調装置では、トンネルや地下駐車場等の閉空間内、及び渋滞や他車との距離について検出して内外気の切り換えが行えるものの、坂道に滞留する他の車両からの排気ガスに対しては内外気の切り換えの対応が取られていない。従って、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気を車室内に侵入させてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換部と、を有し、前記空調切換部は、前記取得した道路面の傾斜角度に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置。
【0008】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、傾斜角度取得部が取得した道路面の傾斜角度に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、車両から多量の排気ガスが排出される傾斜角度の大きい坂道の場合は、車両の室内に外気を導入しないで室内の空気を循環する内気循環モードとして、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0009】
[適用例2]前記車両が走行する道路の渋滞情報を取得する渋滞情報取得部を更に有し、前記空調切換部は、前記取得した道路の渋滞情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御する上記車両用空調装置。
【0010】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、渋滞情報取得部が取得した道路の渋滞情報に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、道路の渋滞に伴って多量の排気ガスが滞留する恐れのある場合は、車両の室内の空気を循環する内気循環モードとして、多量の排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0011】
[適用例3]前記渋滞情報取得部は、前記車両に搭載されたナビゲーション装置から前記渋滞情報を取得する上記車両用空調装置。
【0012】
上記した車両用空調装置によれば、ナビゲーション装置からの渋滞情報を利用することにより、車両用空調装置の構成を簡易にすることができる。
【0013】
[適用例4]前記渋滞情報取得部は、前記ナビゲーション装置から前記車両の移動経路における前記渋滞情報を取得する上記車両用空調装置。
【0014】
上記した車両用空調装置によれば、ナビゲーション装置からの移動経路における渋滞情報に基づいて、渋滞区間に進入する前に予め内気循環モードに切り換えておくことができる。
【0015】
[適用例5]前記車両のトンネル突入を検出する圧力センサーを更に有し、前記空調切換部は、前記圧力センサーが前記車両のトンネル突入を検出したときに、前記内気循環モードに切り換える上記車両用空調装置。
【0016】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、圧力センサーが車両のトンネル突入を検出したときに、内気循環モードとすることができる。これにより、多量の排気ガスが滞留する恐れのあるトンネル内では、車両の室内の空気を循環する内気循環モードにして、多量の排気ガスを含むトンネル内の外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0017】
[適用例6]前記車両が走行する道路に係る風向、風速及び大気汚染の少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得する環境情報取得部を更に有し、前記空調切換部は、前記取得した環境情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御する上記車両用空調装置。
【0018】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、風向及び風速の情報に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、排気ガスが道路に滞留しにくい風向及び風速の場合は、外気導入モードとすることができる。また、空調切換部は、大気汚染の情報に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、大気汚染が発生している地域では、車両の室内の空気を循環する内気循環モードとして、大気汚染を含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0019】
[適用例7]車両の進行方向前方に位置する前方車両を撮像する撮像部と、前記撮像した前方車両の画像に基づいて、前記前方車両との車間距離及び前記前方車両の車種を取得する前方車両情報取得部と、を更に有し、前記空調切換部は、前記取得した前記車間距離及び前記車種に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御する上記車両用空調装置。
【0020】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、撮像部が撮像した前方車両の画像から取得した前方車両との車間距離及び前方車両の車種に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、前方車両との車間距離が短く、且つ前方車両が排気ガスを多量に排出する車種の場合は、車両の室内の空気を循環する内気循環モードとして、排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0021】
[適用例8]前記傾斜角度取得部は、圧電振動ジャイロからなる角速度センサーを有して前記車両の傾斜角度を検出する上記車両用空調装置。
【0022】
上記した車両用空調装置によれば、圧電振動ジャイロからなる角速度センサーを用いて、道路面の傾斜角度を高い精度で計測することができる。
【0023】
[適用例9]車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得工程と、前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換工程と、を有し、前記空調切換工程において、前記取得した道路面の傾斜角度とに基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置の制御方法。
【0024】
上記した車両用空調装置の制御方法によれば、空調切換工程では、傾斜角度取得工程において取得した道路面の傾斜角度に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、車両から多量の排気ガスが排出される傾斜角度の大きい坂道の場合は、車両の室内に外気を導入しないで室内の空気を循環する内気循環モードとして、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ナビゲーション装置及び車両用空調装置を搭載した車両を示す概略構成図。
【図2】ナビゲーション装置及び車両用空調装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】角速度センサーに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図。
【図4】圧力センサーの構成を示す図であり、(A)は圧力センサーの断面図、(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図。
【図5】車両用空調装置の動作を示すフローチャート。
【図6】道路の渋滞チェック処理を示すフローチャート。
【図7】坂道チェック処理を示すフローチャート。
【図8】トンネルチェック処理を示すフローチャート。
【図9】第2実施形態に係る車両用空調装置の動作を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態に係る道路の渋滞チェック処理を示すフローチャート。
【図11】第3実施形態に係る車両用空調装置の機能構成を示すブロック図。
【図12】第3実施形態に係る車両用空調装置の動作を示すフローチャート。
【図13】前方車両チェック処理を示すフローチャート。
【図14】従来の車両用空調装置のブロック図。
【図15】従来の車両用空調装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る車両用空調装置について、図面を参照して説明する。
【0027】
最初に、車両用空調装置の概略構成について説明する。
図1は、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2を搭載した車両5を示す概略構成図である。同図では、バスとしての車両5が傾斜角度θaの坂道の道路面Rを前方に走行している状態を示しており、車両5は、ナビゲーション装置1と車両用空調装置2とを搭載している。また、当該車両用空調装置2は、車両5の前側上部に設置されて、渋滞情報取得部21、傾斜角度取得部22、トンネル情報取得部23及び空調切換部28を備えている。
【0028】
車両用空調装置2は、渋滞情報取得部21によってナビゲーション装置1から渋滞情報を取得し、傾斜角度取得部22によって車両5の傾斜角度を取得し、トンネル情報取得部23によってトンネルに関する情報を取得する。そして、これらの情報に基づいて、空調切換部28により、車室内の空調に関して、車室内の空気を循環する内気循環モードと車室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを行う。
なお、図1では、車両用空調装置2をバスに搭載した例を示しているが、例えば乗用車、トラック等の車両にも搭載可能である。
【0029】
次に、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の各機能構成について説明する。
図2は、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、ナビゲーション装置1は、GPS部11、交通情報取得部12、移動経路設定部13及び地図情報データベース18を備えている。また、車両用空調装置2は、上記したように、渋滞情報取得部21、傾斜角度取得部22、トンネル情報取得部23及び空調切換部28を備えている。
【0030】
ナビゲーション装置1におけるGPS部11は、GPS(Global Positioning System)を利用して、測位衛星Sからの衛星信号をGPSアンテナ11aで受信して測位することにより、車両5の現在位置を示す位置情報を取得する。
【0031】
交通情報取得部12は、道路交通情報システム(VICS:Vehicle Information and Communication System)からの交通情報をアンテナ12aで受信することにより、道路工事情報、交通規制情報、渋滞情報等を取得する。なお、これらの交通情報は、例えば、無線LANを利用してインターネット、又は携帯電話通信網等を介して所定のサーバーから取得するようにしても良い。
【0032】
移動経路設定部13は、GPS部11によって取得した現在位置から目的地までの移動経路について、ユーザーから走行する移動経路の選択を受け付けて移動経路情報として設定する。このとき、地図情報データベース18からの地図情報と共に、交通情報取得部12によって取得した道路工事情報、交通規制情報、渋滞情報等を例えば表示パネル等に表示し、当該表示パネル又はリモコン等を介してユーザーから移動経路の選択を受け付ける。
【0033】
地図情報データベース18は、各地域の詳細な道路地図に関するデータを地図情報として予め記憶している。
【0034】
車両用空調装置2における渋滞情報取得部21は、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置における道路の渋滞情報を取得する。このとき、ナビゲーション装置1では、交通情報取得部12によって取得した渋滞情報から、GPS部11によって取得した車両5の位置情報に基づいた地域の渋滞情報を検索している。
【0035】
なお、ここで、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置における渋滞情報を取得するだけでなく、ナビゲーション装置1の移動経路設定部13で設定された移動経路情報における渋滞情報、即ち車両5の移動経路における各区間の渋滞情報を取得するようにしても良い。
また、車両用空調装置2の渋滞情報取得部21が、ナビゲーション装置1から車両5の位置情報及び交通情報を取得して、当該渋滞情報取得部21において、交通情報の渋滞情報から車両5の位置情報に基づいた地域の渋滞情報を検索するようにしても良い。
【0036】
傾斜角度取得部22は、圧電ジャイロ素子からなる角速度センサー22sを備えて、車両5が坂道等を走行するときの車両5の傾斜角度を取得する。この傾斜角度は、車両5が走行する道路面の傾斜角度に一致する。図1に示す車両5の例では、車両5の傾斜角度を取得することにより、道路面Rの傾斜角度θaを取得する。
また、傾斜角度取得部22では、角速度センサー22sからの出力信号を、図示しない増幅回路及び積分回路において増幅及び積分して傾斜角度を取得する。なお、角速度センサー22sの詳細については後述する。
【0037】
トンネル情報取得部23は、双音叉型の振動子からなる圧力センサー23sを備えて、車両5の車室内の気圧の変化を示すトンネル情報を取得する。このトンネル情報は、車両5がトンネル等の閉所空間に突入した際の気圧の変化、及びトンネル等の閉所空間を通過した際の気圧の変化の情報を表している。なお、圧力センサー23sの詳細については後述する。
【0038】
空調切換部28は、ダンパー及びモーター類等を備える図示しない空調ユニットからなる空調切換機構28uを備えて、道路の渋滞情報、道路面の傾斜角度、トンネル情報等に基づいて、車両5の車室内の空調に関して、空調切換機構28uを用いて内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行う。
【0039】
次に、角速度センサー22sについて説明する。
図3は、角速度センサー22sに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図である。圧電振動ジャイロ素子は、例えば水晶などの圧電材料の薄板から形成される中央の基部223から図中上下両側へ延出する1対の検出用振動腕224と、当該検出用振動腕224と直交して基部223から図中左右両側へ延出する1対の支持腕225と、各支持腕の先端から検出用振動腕と平行に図中上下両側へ延出する左右各1対の駆動用振動腕226とを有する。各駆動用振動腕226は、その表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部227が凹設され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2駆動電極がそれぞれ形成されている。各検出用振動腕224は、同様にその表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部228が形成され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2検出電極がそれぞれ形成されている。
【0040】
駆動電極に交流電極を印加すると、駆動用振動腕226は、その主面を含む平面内で矢印229で示すように同期して屈曲振動する。この状態で圧電振動ジャイロ素子が平面内で中心軸230の周りに回転すると、駆動用振動腕226の長手方向に沿ってコリオリ力が、矢印231で示すように交互に逆向きに発生する。この作用によって、支持腕225は、同じ平面内で矢印232で示すように屈曲振動する。このため、圧電振動ジャイロ素子は基部223に作用する振動のバランスが崩れ、駆動用振動腕226の振動エネルギーが基部223を介して伝達されて、検出用振動腕224を同じ平面内で矢印233で示すように屈曲振動させる。
【0041】
検出用振動腕224の屈曲振動による圧電材料の歪みを検出電極が検出して信号を出力する。検出用振動腕224の振幅は、その大きさが圧電振動ジャイロ素子に作用する角速度ωの大きさに応じて変化し、この角速度の大きさに応じた電圧が検出電極に発生する。この出力電圧を電子的に処理することによって、平面内での回転及び角速度が求められる。
【0042】
次に、圧力センサー23sについて説明する。
図4は、圧力センサー23sの構成を示す図であり、(A)は圧力センサーの断面図、(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図である。圧力センサー23sは、ダイアフラム120と、このダイアフラム120と対向して設けられる容器140、及び感圧素子としての圧電振動片130とを基本構成とする絶対圧センサーである。
【0043】
上記のような基本構成を有する圧力センサー23sのうち、ダイアフラム120は、外部(図4(A)では上方)からの圧力を受圧すると、受圧した圧力によって撓み変形する薄肉部122と、この薄肉部122の周囲に形成される枠部128とを基本構成とする。そして、本実施形態のダイアフラム120は薄肉部122の一方の面に、圧電振動片130を載置、固定するための支持部124を有する。支持部124は詳細を後述する圧電振動片130を2点で支持するために設けられるものであり、圧電振動片130の両端部を固定するために、対を成すように形成されている。また、薄肉部122の他方の面には、圧電振動片130を支持部124に載置した際に、圧電振動片130の振動部134が位置することとなる部位に対応させて、厚肉化するための突出部126を設けてもよい。
【0044】
本実施形態で採用する圧電振動片130は、いわゆる双音叉振動子である。双音叉型の振動子は、振動部の両端部に基部132を有し、この2つの基部132の間に双音叉形状を成す振動部134を有する。このような構成の双音叉型の振動子は、双音叉形状を成す振動部134に内部応力を生じさせると、共振周波数が変化するという特性を持っている。具体的には、振動部134に引張応力が生じると共振周波数が高くなり、圧縮応力が生じると共振周波数は低くなる。従って、圧力センサー23sにおいて、ダイアフラム120が圧力を受圧すると、受圧した圧力によってダイアフラム120は撓み変形し、支持部124を介して双音叉振動子に引張力が作用するので、双音叉振動子に引張応力が生じ共振周波数が変化することとなる。この共振周波数の変化から圧力変化を検出する。
【0045】
次に、車両用空調装置2の動作について説明する。
図5は、車両用空調装置2の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の図示しない各起動スイッチがいずれもオンされた場合に開始される。
【0046】
ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2が動作中の状態において、車両用空調装置2は、車両5の現在位置における道路について渋滞チェック処理を行う(ステップS10)。
【0047】
図6は、道路の渋滞チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、渋滞情報取得部21により、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置における道路の渋滞情報を取得する(ステップS11)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、車両5の現在位置が渋滞区間にあるか否かを判定する(ステップS12)。
【0048】
渋滞区間にある場合(ステップS12:Yes)は、ステップS13へ進む。ステップS13では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS11に戻り、渋滞情報の取得処理を繰り返す。
他方、渋滞区間でない場合(ステップS12:No)は、図6のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が道路の渋滞区間に入ってから通過するまでの間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0049】
図5のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、車両5の現在位置における道路について坂道チェック処理を行う(ステップS20)。
【0050】
図7は、坂道チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、傾斜角度取得部22により、角速度センサー22sを用いて車両5の傾斜角度を取得することにより、車両5が走行する道路の傾斜角度を取得する(ステップS21)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、道路の傾斜角度が所定角度より大きいか否かを判定する(ステップS22)。
ここでの所定角度は、坂道の傾斜角度に応じて変化する車両からの排気ガスのレベルに基づいて適宜設定を行う。具体的には、坂道の傾斜角度が大きくなる程、車両からの排気ガスが多量に排出されて坂道に滞留することになるが、このような環境下で外気を導入した場合に、車室内の空気を快適に保つことができる限界値となる傾斜角度をここで設定する。なお、坂道の傾斜角度は、自車両が降坂時には対向車両が登坂することから、上り坂と下り坂とで共通に設定することができる。
【0051】
道路の傾斜角度が所定角度より大きい場合(ステップS22:Yes)は、ステップS23へ進む。ステップS23では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS21に戻り、道路の傾斜角度の取得処理を繰り返す。
他方、道路の傾斜角度が所定角度より大きくない場合(ステップS22:No)は、図7のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が所定の傾斜角度より大きい坂道を走行する間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0052】
図5のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、車両5の現在位置におけるトンネルチェック処理を行う(ステップS30)。
【0053】
図8は、トンネルチェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、トンネル情報取得部23により、圧力センサー23sを用いて車両5の車室内の気圧の変化を示すトンネル情報を取得する(ステップS31)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、トンネル情報に基づいて、車両5がトンネル内に位置しているか否かを判定する(ステップS32)。
【0054】
車両5がトンネル内に位置している場合(ステップS32:Yes)は、ステップS33へ進む。ステップS33では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS31に戻り、トンネル情報の取得処理を繰り返す。
他方、車両5がトンネル内に位置していない場合(ステップS32:No)は、図8のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5がトンネル内に突入してから通過するまでの間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0055】
図5のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、内気循環モードの場合は外気導入モードに切り換え、外気導入モードの場合はそのままとする(ステップS40)。これにより、車両用空調装置2は、車両5が、道路の渋滞区間、傾斜角度が大きい坂道及びトンネル内のいずれにも位置していない場合は、車室内の空調を外気導入モードにすることができる。
そして、ステップS10に戻り、道路の渋滞チェック処理以降の処理を繰り返す。図5のフローチャートの処理は、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の図示しない各起動スイッチのいずれかがオフされた場合に終了となる。
【0056】
上記した車両用空調装置2は、車両5の現在位置が渋滞区間にある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、渋滞時に道路に滞留する多量の排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
また、車両5の現在位置が坂道にある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、坂道であることから多量に排出されて滞留している排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
また、車両5の現在位置がトンネル内にある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、トンネル内に滞留する多量の排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る車両用空調装置2について、図面を参照して説明する。第2実施形態に係る車両用空調装置2は、第1実施形態に係る車両用空調装置2と同様な構成であるが動作が異なっている。
【0058】
図9は、第2実施形態に係る車両用空調装置2の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の図示しない各起動スイッチがいずれもオンされて、且つナビゲーション装置1において、現在位置から目的地までの移動経路が設定済みであるときに開始される。
【0059】
最初に、車両用空調装置2は、渋滞情報取得部21により、ナビゲーション装置1から車両5の移動経路における各区間の渋滞情報を取得する(ステップS110)。
【0060】
次に、車両用空調装置2は、車両5の移動経路における現在位置の渋滞チェック処理を行う(ステップS120)。
【0061】
図10は、第2実施形態に係る道路の渋滞チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置を示す位置情報を取得する(ステップS121)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、車両5の現在位置が移動経路における渋滞区間にあるか否かを判定する(ステップS122)。ここでは、車両5の現在位置が渋滞区間の近辺に位置する場合も、渋滞区間にあると判定するようにする。
【0062】
渋滞区間にある場合(ステップS122:Yes)は、ステップS123へ進む。ステップS123では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS121に戻り、位置情報の取得処理を繰り返す。
渋滞区間でない場合(ステップS122:No)は、図10のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が移動経路における渋滞区間に接近してから、通過してしばらくの間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0063】
図9のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、坂道チェック処理(ステップS130)、トンネルチェック処理(ステップS140)、及び内気循環モードの場合は外気導入モードに切り換える処理(ステップS150)を行う。これらのステップS130〜S150の処理は、図5のフローチャートに示すステップS20〜S40の処理と同様の処理内容であるため説明を省略する。
【0064】
次に、車両用空調装置2は、ナビゲーション装置1から取得した車両5の移動経路に基づいて、車両5が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS160)。目的地に到着した場合(ステップS160:Yes)は、図9のフローチャートの処理を終了する。目的地に到着していない場合(ステップS160:No)は、ステップS120に戻り、道路の渋滞チェック処理以降の処理を繰り返す。
【0065】
上記した車両用空調装置2は、車両5の目的地までの移動経路に基づいて、現在位置の渋滞チェック処理を行っている。これにより、車両5が渋滞区間に進入してからではなく、進入する前に予め車室内の空調を内気循環モードに切り換えておくことができる。また、車両5が渋滞区間を通過してすぐに外気導入モードに切り換えるのではなく、通過してから間を空けて外気導入モードに切り換えることができる。この結果、渋滞区間近辺に滞留している排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0066】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る車両用空調装置3について、図面を参照して説明する。
【0067】
図11は、第3実施形態に係る車両用空調装置3の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第3実施形態に係る車両用空調装置3は、第1実施形態に係る車両用空調装置2の機能構成に対して、前方車両情報取得部24が追加されている。
【0068】
前方車両情報取得部24は、カメラ等の撮像部24cを備え、車両5の進行方向に前方車両が位置するときに当該前方車両を撮像する。そして、撮像した前方車両の画像に基づいて、前方車両との車間距離及び車種の情報を取得する。本実施形態では、車種の情報を大型、中型、小型等の区分とする。なお、前方車両との車間距離は、前方車両の画像からの取得に限られず、例えばレーザー波や赤外線等を照射することによって検出しても良い。
【0069】
ここで、前方車両との車間距離及び車種を取得する方法として、例えば、特開2004−265432号公報及び特開2008−74318号公報等に記載されている方法を用いても良い。特開2004−265432号公報では、レーダーを用いて前方車両との車間距離を測定し、この車間距離と前方車両の撮像内容から、車種を判別するようにしている。また、特開2008−74318号公報では、前方車両の撮像内容に基づいて車間距離を検出し、更にナンバープレートの画像から車種を判別するようにしている。
【0070】
次に、本実施形態に係る車両用空調装置3の動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る車両用空調装置3の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置3の図示しない各起動スイッチがいずれもオンされた場合に開始される。
【0071】
車両用空調装置3は、渋滞チェック処理(ステップS210)、坂道チェック処理(ステップS220)及びトンネルチェック処理(ステップS230)を行う。これらのステップS210〜S230の処理は、図5のフローチャートに示すステップS10〜S30の処理と同様の処理内容であるため説明を省略する。
【0072】
次に、車両用空調装置3は、車両5の進行方向における前方車両チェック処理を行う(ステップS240)。
【0073】
図13は、前方車両チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置3は、前方車両情報取得部24により、撮像部24cを用いて撮像した前方車両の画像から、前方車両との車間距離及び車種(大型、中型、小型)の情報を取得する(ステップS241)。次に、車両用空調装置3は、前方車両との車間距離及び車種の情報に基づいて、前方車両からの排気ガスが車両5に対して影響を及ぼすか否かを判定する(ステップS242)。
ここで、前方車両の排気ガスの影響は、前方車両との車間距離及び車種の情報に基づいて判定する。例えば、前方車両が大型車であって車間距離が近距離の場合は、車両5に対して排気ガスの影響を及ぼすと判定する。また、前方車両が小型車であって車間距離が近距離でない場合は、車両5に対して排気ガスの影響を及ぼさないと判定する。
【0074】
前方車両の排気ガスの影響がある場合(ステップS242:Yes)は、ステップS243へ進む。ステップS243では、車両用空調装置3は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS241に戻り、前方車両の情報取得処理を繰り返す。
他方、前方車両の排気ガスの影響がない場合(ステップS242:No)は、図13のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が前方車両の排気ガスの影響を受けている間、車両用空調装置3では内気循環モードを続けることになる。
【0075】
上記した車両用空調装置3は、撮像した前方車両との車間距離及び車種の情報に基づいて、前方車両の排気ガスの影響がある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、前方車両から排出される排気ガスが多量に外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0076】
(変形例1)
上述した実施形態では、道路の渋滞、坂道、トンネル、前方車両等の条件に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行うようにしたが、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えの条件は、これには限られない。例えば、環境省の大気汚染物質広域監視システム等から大気汚染情報を受信して環境情報として取得する環境情報取得部を設けて、取得した大気汚染情報に基づいて内気循環モードと外気導入モードと切り換えるようにしても良い。
【0077】
具体的には、車両5の現在位置が大気汚染地域にあるか否かを判定し、大気汚染地域にある場合は、外気導入モードから内気循環モードに切り換えを行い、車両5が大気汚染地域を通過するまでは内気循環モードを続ける。なお、大気汚染情報の受信は、ナビゲーション装置及び車両用空調装置のいずれで行っても良い。
これにより、車両5の現在位置が大気汚染地域にある場合に、汚染された外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0078】
(変形例2)
上述した実施形態では、道路の渋滞、坂道及び前方車両等の各条件において、所定レベルを超えると想定される排気ガスを判定条件とした。しかし、これらの道路の渋滞、坂道及び前方車両等の各条件に対して、別の条件要素を組み入れるようにしても良い。例えば、日本気象協会や気象情報提供会社等から気象情報を受信して、受信した気象条件に含まれる風向及び風速の情報を環境情報として取得する環境情報取得部を設け、取得した風向及び風速の情報を道路の渋滞、坂道及び前方車両等の各条件に組み入れても良い。
【0079】
具体的には、道路の渋滞等による排気ガスが所定レベルを超えると判定される場合に、現在位置における風向及び風速が排気ガスの滞留を押し流すと判断される場合は、内気循環モードに切り換えないで外気導入モードのままとする。
これにより、実際には風によって排気ガスが少ない場合には、外気導入モードにすることができ、内気循環モードによる空調を少なくすることができる。
【0080】
(変形例3)
上述した実施形態では、道路の渋滞、坂道、トンネル、前方車両等の条件のそれぞれで判定して、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行うようにした。しかし、これに限られず、道路の渋滞、坂道、トンネル、前方車両等の各条件の組合せにより、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行うようにしても良い。
【0081】
具体的には、例えば、坂道の条件と前方車両の条件とを組み合わせることにより、車両5の現在位置が坂道であって且つ進行方向に前方車両が位置する場合は、排気ガスの影響を及ぼす判定基準を厳しくして、内気循環モードに切り換えるようにしても良い。
これにより、更に木目細かく外気導入モードと内気循環モードとを切り換えることができる。
【符号の説明】
【0082】
1…ナビゲーション装置、2,3…車両用空調装置、5…車両、11…GPS部、11a…GPSアンテナ、12…交通情報取得部、12a…アンテナ、13…移動経路設定部、18…地図情報データベース、21…渋滞情報取得部、22…傾斜角度取得部、22s…角速度センサー、23…トンネル情報取得部、23s…圧力センサー、24…前方車両情報取得部、24c…撮像部、28…空調切換部、28u…空調切換機構。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両が走行中に、トンネル等の閉空間内や渋滞地域がある場合、その箇所に進入する際に車両の空調装置を外気循環から内気循環に自動的に切り換える車両用空調装置が提案されている。例えば、下記の特許文献1の車両用空調装置では、図14に示すブロック図によって構成され、車両がトンネルや地下駐車場等の閉空間内に進入したことを検知することにより、ダンパ装置2を循環運転に自動的に切り換えるようにしている。ここでは、カーナビゲーション装置8が受信するGPS電波の受信強度が低下することに基づいて、車両が閉空間内に進入したことを検知している。
【0003】
また、下記の特許文献2の車両用空調装置では、図15に示すブロック図によって構成され、車両が渋滞もしくは他車との距離が近くなっている場合を検知することにより、内外気の切り換えを行うようにしている。ここでは、車速検出手段22において検出された車両速度が所定速度以下であるときに、ダンパ自動切換判断手段12によって渋滞もしくは他車との距離が近くなっていると判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−29246号公報
【特許文献2】特開平10−211813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1及び特許文献2に記載されているような車両用空調装置では、トンネルや地下駐車場等の閉空間内、及び渋滞や他車との距離について検出して内外気の切り換えが行えるものの、坂道に滞留する他の車両からの排気ガスに対しては内外気の切り換えの対応が取られていない。従って、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気を車室内に侵入させてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換部と、を有し、前記空調切換部は、前記取得した道路面の傾斜角度に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置。
【0008】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、傾斜角度取得部が取得した道路面の傾斜角度に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、車両から多量の排気ガスが排出される傾斜角度の大きい坂道の場合は、車両の室内に外気を導入しないで室内の空気を循環する内気循環モードとして、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0009】
[適用例2]前記車両が走行する道路の渋滞情報を取得する渋滞情報取得部を更に有し、前記空調切換部は、前記取得した道路の渋滞情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御する上記車両用空調装置。
【0010】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、渋滞情報取得部が取得した道路の渋滞情報に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、道路の渋滞に伴って多量の排気ガスが滞留する恐れのある場合は、車両の室内の空気を循環する内気循環モードとして、多量の排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0011】
[適用例3]前記渋滞情報取得部は、前記車両に搭載されたナビゲーション装置から前記渋滞情報を取得する上記車両用空調装置。
【0012】
上記した車両用空調装置によれば、ナビゲーション装置からの渋滞情報を利用することにより、車両用空調装置の構成を簡易にすることができる。
【0013】
[適用例4]前記渋滞情報取得部は、前記ナビゲーション装置から前記車両の移動経路における前記渋滞情報を取得する上記車両用空調装置。
【0014】
上記した車両用空調装置によれば、ナビゲーション装置からの移動経路における渋滞情報に基づいて、渋滞区間に進入する前に予め内気循環モードに切り換えておくことができる。
【0015】
[適用例5]前記車両のトンネル突入を検出する圧力センサーを更に有し、前記空調切換部は、前記圧力センサーが前記車両のトンネル突入を検出したときに、前記内気循環モードに切り換える上記車両用空調装置。
【0016】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、圧力センサーが車両のトンネル突入を検出したときに、内気循環モードとすることができる。これにより、多量の排気ガスが滞留する恐れのあるトンネル内では、車両の室内の空気を循環する内気循環モードにして、多量の排気ガスを含むトンネル内の外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0017】
[適用例6]前記車両が走行する道路に係る風向、風速及び大気汚染の少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得する環境情報取得部を更に有し、前記空調切換部は、前記取得した環境情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御する上記車両用空調装置。
【0018】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、風向及び風速の情報に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、排気ガスが道路に滞留しにくい風向及び風速の場合は、外気導入モードとすることができる。また、空調切換部は、大気汚染の情報に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、大気汚染が発生している地域では、車両の室内の空気を循環する内気循環モードとして、大気汚染を含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0019】
[適用例7]車両の進行方向前方に位置する前方車両を撮像する撮像部と、前記撮像した前方車両の画像に基づいて、前記前方車両との車間距離及び前記前方車両の車種を取得する前方車両情報取得部と、を更に有し、前記空調切換部は、前記取得した前記車間距離及び前記車種に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御する上記車両用空調装置。
【0020】
上記した車両用空調装置によれば、空調切換部は、撮像部が撮像した前方車両の画像から取得した前方車両との車間距離及び前方車両の車種に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、前方車両との車間距離が短く、且つ前方車両が排気ガスを多量に排出する車種の場合は、車両の室内の空気を循環する内気循環モードとして、排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0021】
[適用例8]前記傾斜角度取得部は、圧電振動ジャイロからなる角速度センサーを有して前記車両の傾斜角度を検出する上記車両用空調装置。
【0022】
上記した車両用空調装置によれば、圧電振動ジャイロからなる角速度センサーを用いて、道路面の傾斜角度を高い精度で計測することができる。
【0023】
[適用例9]車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得工程と、前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換工程と、を有し、前記空調切換工程において、前記取得した道路面の傾斜角度とに基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置の制御方法。
【0024】
上記した車両用空調装置の制御方法によれば、空調切換工程では、傾斜角度取得工程において取得した道路面の傾斜角度に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを制御する。これにより、車両から多量の排気ガスが排出される傾斜角度の大きい坂道の場合は、車両の室内に外気を導入しないで室内の空気を循環する内気循環モードとして、坂道に滞留する多量の排気ガスを含む外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ナビゲーション装置及び車両用空調装置を搭載した車両を示す概略構成図。
【図2】ナビゲーション装置及び車両用空調装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】角速度センサーに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図。
【図4】圧力センサーの構成を示す図であり、(A)は圧力センサーの断面図、(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図。
【図5】車両用空調装置の動作を示すフローチャート。
【図6】道路の渋滞チェック処理を示すフローチャート。
【図7】坂道チェック処理を示すフローチャート。
【図8】トンネルチェック処理を示すフローチャート。
【図9】第2実施形態に係る車両用空調装置の動作を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態に係る道路の渋滞チェック処理を示すフローチャート。
【図11】第3実施形態に係る車両用空調装置の機能構成を示すブロック図。
【図12】第3実施形態に係る車両用空調装置の動作を示すフローチャート。
【図13】前方車両チェック処理を示すフローチャート。
【図14】従来の車両用空調装置のブロック図。
【図15】従来の車両用空調装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る車両用空調装置について、図面を参照して説明する。
【0027】
最初に、車両用空調装置の概略構成について説明する。
図1は、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2を搭載した車両5を示す概略構成図である。同図では、バスとしての車両5が傾斜角度θaの坂道の道路面Rを前方に走行している状態を示しており、車両5は、ナビゲーション装置1と車両用空調装置2とを搭載している。また、当該車両用空調装置2は、車両5の前側上部に設置されて、渋滞情報取得部21、傾斜角度取得部22、トンネル情報取得部23及び空調切換部28を備えている。
【0028】
車両用空調装置2は、渋滞情報取得部21によってナビゲーション装置1から渋滞情報を取得し、傾斜角度取得部22によって車両5の傾斜角度を取得し、トンネル情報取得部23によってトンネルに関する情報を取得する。そして、これらの情報に基づいて、空調切換部28により、車室内の空調に関して、車室内の空気を循環する内気循環モードと車室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを行う。
なお、図1では、車両用空調装置2をバスに搭載した例を示しているが、例えば乗用車、トラック等の車両にも搭載可能である。
【0029】
次に、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の各機能構成について説明する。
図2は、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、ナビゲーション装置1は、GPS部11、交通情報取得部12、移動経路設定部13及び地図情報データベース18を備えている。また、車両用空調装置2は、上記したように、渋滞情報取得部21、傾斜角度取得部22、トンネル情報取得部23及び空調切換部28を備えている。
【0030】
ナビゲーション装置1におけるGPS部11は、GPS(Global Positioning System)を利用して、測位衛星Sからの衛星信号をGPSアンテナ11aで受信して測位することにより、車両5の現在位置を示す位置情報を取得する。
【0031】
交通情報取得部12は、道路交通情報システム(VICS:Vehicle Information and Communication System)からの交通情報をアンテナ12aで受信することにより、道路工事情報、交通規制情報、渋滞情報等を取得する。なお、これらの交通情報は、例えば、無線LANを利用してインターネット、又は携帯電話通信網等を介して所定のサーバーから取得するようにしても良い。
【0032】
移動経路設定部13は、GPS部11によって取得した現在位置から目的地までの移動経路について、ユーザーから走行する移動経路の選択を受け付けて移動経路情報として設定する。このとき、地図情報データベース18からの地図情報と共に、交通情報取得部12によって取得した道路工事情報、交通規制情報、渋滞情報等を例えば表示パネル等に表示し、当該表示パネル又はリモコン等を介してユーザーから移動経路の選択を受け付ける。
【0033】
地図情報データベース18は、各地域の詳細な道路地図に関するデータを地図情報として予め記憶している。
【0034】
車両用空調装置2における渋滞情報取得部21は、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置における道路の渋滞情報を取得する。このとき、ナビゲーション装置1では、交通情報取得部12によって取得した渋滞情報から、GPS部11によって取得した車両5の位置情報に基づいた地域の渋滞情報を検索している。
【0035】
なお、ここで、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置における渋滞情報を取得するだけでなく、ナビゲーション装置1の移動経路設定部13で設定された移動経路情報における渋滞情報、即ち車両5の移動経路における各区間の渋滞情報を取得するようにしても良い。
また、車両用空調装置2の渋滞情報取得部21が、ナビゲーション装置1から車両5の位置情報及び交通情報を取得して、当該渋滞情報取得部21において、交通情報の渋滞情報から車両5の位置情報に基づいた地域の渋滞情報を検索するようにしても良い。
【0036】
傾斜角度取得部22は、圧電ジャイロ素子からなる角速度センサー22sを備えて、車両5が坂道等を走行するときの車両5の傾斜角度を取得する。この傾斜角度は、車両5が走行する道路面の傾斜角度に一致する。図1に示す車両5の例では、車両5の傾斜角度を取得することにより、道路面Rの傾斜角度θaを取得する。
また、傾斜角度取得部22では、角速度センサー22sからの出力信号を、図示しない増幅回路及び積分回路において増幅及び積分して傾斜角度を取得する。なお、角速度センサー22sの詳細については後述する。
【0037】
トンネル情報取得部23は、双音叉型の振動子からなる圧力センサー23sを備えて、車両5の車室内の気圧の変化を示すトンネル情報を取得する。このトンネル情報は、車両5がトンネル等の閉所空間に突入した際の気圧の変化、及びトンネル等の閉所空間を通過した際の気圧の変化の情報を表している。なお、圧力センサー23sの詳細については後述する。
【0038】
空調切換部28は、ダンパー及びモーター類等を備える図示しない空調ユニットからなる空調切換機構28uを備えて、道路の渋滞情報、道路面の傾斜角度、トンネル情報等に基づいて、車両5の車室内の空調に関して、空調切換機構28uを用いて内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行う。
【0039】
次に、角速度センサー22sについて説明する。
図3は、角速度センサー22sに使用する圧電振動ジャイロ素子の構成及び動作を示す概略斜視図である。圧電振動ジャイロ素子は、例えば水晶などの圧電材料の薄板から形成される中央の基部223から図中上下両側へ延出する1対の検出用振動腕224と、当該検出用振動腕224と直交して基部223から図中左右両側へ延出する1対の支持腕225と、各支持腕の先端から検出用振動腕と平行に図中上下両側へ延出する左右各1対の駆動用振動腕226とを有する。各駆動用振動腕226は、その表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部227が凹設され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2駆動電極がそれぞれ形成されている。各検出用振動腕224は、同様にその表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部228が形成され、且つその両側面及び溝部の内面に図示しない第1及び第2検出電極がそれぞれ形成されている。
【0040】
駆動電極に交流電極を印加すると、駆動用振動腕226は、その主面を含む平面内で矢印229で示すように同期して屈曲振動する。この状態で圧電振動ジャイロ素子が平面内で中心軸230の周りに回転すると、駆動用振動腕226の長手方向に沿ってコリオリ力が、矢印231で示すように交互に逆向きに発生する。この作用によって、支持腕225は、同じ平面内で矢印232で示すように屈曲振動する。このため、圧電振動ジャイロ素子は基部223に作用する振動のバランスが崩れ、駆動用振動腕226の振動エネルギーが基部223を介して伝達されて、検出用振動腕224を同じ平面内で矢印233で示すように屈曲振動させる。
【0041】
検出用振動腕224の屈曲振動による圧電材料の歪みを検出電極が検出して信号を出力する。検出用振動腕224の振幅は、その大きさが圧電振動ジャイロ素子に作用する角速度ωの大きさに応じて変化し、この角速度の大きさに応じた電圧が検出電極に発生する。この出力電圧を電子的に処理することによって、平面内での回転及び角速度が求められる。
【0042】
次に、圧力センサー23sについて説明する。
図4は、圧力センサー23sの構成を示す図であり、(A)は圧力センサーの断面図、(B)は同図(A)におけるA−A断面を示す図である。圧力センサー23sは、ダイアフラム120と、このダイアフラム120と対向して設けられる容器140、及び感圧素子としての圧電振動片130とを基本構成とする絶対圧センサーである。
【0043】
上記のような基本構成を有する圧力センサー23sのうち、ダイアフラム120は、外部(図4(A)では上方)からの圧力を受圧すると、受圧した圧力によって撓み変形する薄肉部122と、この薄肉部122の周囲に形成される枠部128とを基本構成とする。そして、本実施形態のダイアフラム120は薄肉部122の一方の面に、圧電振動片130を載置、固定するための支持部124を有する。支持部124は詳細を後述する圧電振動片130を2点で支持するために設けられるものであり、圧電振動片130の両端部を固定するために、対を成すように形成されている。また、薄肉部122の他方の面には、圧電振動片130を支持部124に載置した際に、圧電振動片130の振動部134が位置することとなる部位に対応させて、厚肉化するための突出部126を設けてもよい。
【0044】
本実施形態で採用する圧電振動片130は、いわゆる双音叉振動子である。双音叉型の振動子は、振動部の両端部に基部132を有し、この2つの基部132の間に双音叉形状を成す振動部134を有する。このような構成の双音叉型の振動子は、双音叉形状を成す振動部134に内部応力を生じさせると、共振周波数が変化するという特性を持っている。具体的には、振動部134に引張応力が生じると共振周波数が高くなり、圧縮応力が生じると共振周波数は低くなる。従って、圧力センサー23sにおいて、ダイアフラム120が圧力を受圧すると、受圧した圧力によってダイアフラム120は撓み変形し、支持部124を介して双音叉振動子に引張力が作用するので、双音叉振動子に引張応力が生じ共振周波数が変化することとなる。この共振周波数の変化から圧力変化を検出する。
【0045】
次に、車両用空調装置2の動作について説明する。
図5は、車両用空調装置2の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の図示しない各起動スイッチがいずれもオンされた場合に開始される。
【0046】
ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2が動作中の状態において、車両用空調装置2は、車両5の現在位置における道路について渋滞チェック処理を行う(ステップS10)。
【0047】
図6は、道路の渋滞チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、渋滞情報取得部21により、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置における道路の渋滞情報を取得する(ステップS11)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、車両5の現在位置が渋滞区間にあるか否かを判定する(ステップS12)。
【0048】
渋滞区間にある場合(ステップS12:Yes)は、ステップS13へ進む。ステップS13では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS11に戻り、渋滞情報の取得処理を繰り返す。
他方、渋滞区間でない場合(ステップS12:No)は、図6のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が道路の渋滞区間に入ってから通過するまでの間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0049】
図5のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、車両5の現在位置における道路について坂道チェック処理を行う(ステップS20)。
【0050】
図7は、坂道チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、傾斜角度取得部22により、角速度センサー22sを用いて車両5の傾斜角度を取得することにより、車両5が走行する道路の傾斜角度を取得する(ステップS21)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、道路の傾斜角度が所定角度より大きいか否かを判定する(ステップS22)。
ここでの所定角度は、坂道の傾斜角度に応じて変化する車両からの排気ガスのレベルに基づいて適宜設定を行う。具体的には、坂道の傾斜角度が大きくなる程、車両からの排気ガスが多量に排出されて坂道に滞留することになるが、このような環境下で外気を導入した場合に、車室内の空気を快適に保つことができる限界値となる傾斜角度をここで設定する。なお、坂道の傾斜角度は、自車両が降坂時には対向車両が登坂することから、上り坂と下り坂とで共通に設定することができる。
【0051】
道路の傾斜角度が所定角度より大きい場合(ステップS22:Yes)は、ステップS23へ進む。ステップS23では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS21に戻り、道路の傾斜角度の取得処理を繰り返す。
他方、道路の傾斜角度が所定角度より大きくない場合(ステップS22:No)は、図7のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が所定の傾斜角度より大きい坂道を走行する間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0052】
図5のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、車両5の現在位置におけるトンネルチェック処理を行う(ステップS30)。
【0053】
図8は、トンネルチェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、トンネル情報取得部23により、圧力センサー23sを用いて車両5の車室内の気圧の変化を示すトンネル情報を取得する(ステップS31)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、トンネル情報に基づいて、車両5がトンネル内に位置しているか否かを判定する(ステップS32)。
【0054】
車両5がトンネル内に位置している場合(ステップS32:Yes)は、ステップS33へ進む。ステップS33では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS31に戻り、トンネル情報の取得処理を繰り返す。
他方、車両5がトンネル内に位置していない場合(ステップS32:No)は、図8のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5がトンネル内に突入してから通過するまでの間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0055】
図5のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、内気循環モードの場合は外気導入モードに切り換え、外気導入モードの場合はそのままとする(ステップS40)。これにより、車両用空調装置2は、車両5が、道路の渋滞区間、傾斜角度が大きい坂道及びトンネル内のいずれにも位置していない場合は、車室内の空調を外気導入モードにすることができる。
そして、ステップS10に戻り、道路の渋滞チェック処理以降の処理を繰り返す。図5のフローチャートの処理は、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の図示しない各起動スイッチのいずれかがオフされた場合に終了となる。
【0056】
上記した車両用空調装置2は、車両5の現在位置が渋滞区間にある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、渋滞時に道路に滞留する多量の排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
また、車両5の現在位置が坂道にある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、坂道であることから多量に排出されて滞留している排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
また、車両5の現在位置がトンネル内にある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、トンネル内に滞留する多量の排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る車両用空調装置2について、図面を参照して説明する。第2実施形態に係る車両用空調装置2は、第1実施形態に係る車両用空調装置2と同様な構成であるが動作が異なっている。
【0058】
図9は、第2実施形態に係る車両用空調装置2の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置2の図示しない各起動スイッチがいずれもオンされて、且つナビゲーション装置1において、現在位置から目的地までの移動経路が設定済みであるときに開始される。
【0059】
最初に、車両用空調装置2は、渋滞情報取得部21により、ナビゲーション装置1から車両5の移動経路における各区間の渋滞情報を取得する(ステップS110)。
【0060】
次に、車両用空調装置2は、車両5の移動経路における現在位置の渋滞チェック処理を行う(ステップS120)。
【0061】
図10は、第2実施形態に係る道路の渋滞チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置2は、ナビゲーション装置1から車両5の現在位置を示す位置情報を取得する(ステップS121)。次に、車両用空調装置2は、空調切換部28により、車両5の現在位置が移動経路における渋滞区間にあるか否かを判定する(ステップS122)。ここでは、車両5の現在位置が渋滞区間の近辺に位置する場合も、渋滞区間にあると判定するようにする。
【0062】
渋滞区間にある場合(ステップS122:Yes)は、ステップS123へ進む。ステップS123では、車両用空調装置2は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS121に戻り、位置情報の取得処理を繰り返す。
渋滞区間でない場合(ステップS122:No)は、図10のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が移動経路における渋滞区間に接近してから、通過してしばらくの間、車両用空調装置2では内気循環モードを続けることになる。
【0063】
図9のフローチャートに戻って、車両用空調装置2は、坂道チェック処理(ステップS130)、トンネルチェック処理(ステップS140)、及び内気循環モードの場合は外気導入モードに切り換える処理(ステップS150)を行う。これらのステップS130〜S150の処理は、図5のフローチャートに示すステップS20〜S40の処理と同様の処理内容であるため説明を省略する。
【0064】
次に、車両用空調装置2は、ナビゲーション装置1から取得した車両5の移動経路に基づいて、車両5が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS160)。目的地に到着した場合(ステップS160:Yes)は、図9のフローチャートの処理を終了する。目的地に到着していない場合(ステップS160:No)は、ステップS120に戻り、道路の渋滞チェック処理以降の処理を繰り返す。
【0065】
上記した車両用空調装置2は、車両5の目的地までの移動経路に基づいて、現在位置の渋滞チェック処理を行っている。これにより、車両5が渋滞区間に進入してからではなく、進入する前に予め車室内の空調を内気循環モードに切り換えておくことができる。また、車両5が渋滞区間を通過してすぐに外気導入モードに切り換えるのではなく、通過してから間を空けて外気導入モードに切り換えることができる。この結果、渋滞区間近辺に滞留している排気ガスが、外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0066】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る車両用空調装置3について、図面を参照して説明する。
【0067】
図11は、第3実施形態に係る車両用空調装置3の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、第3実施形態に係る車両用空調装置3は、第1実施形態に係る車両用空調装置2の機能構成に対して、前方車両情報取得部24が追加されている。
【0068】
前方車両情報取得部24は、カメラ等の撮像部24cを備え、車両5の進行方向に前方車両が位置するときに当該前方車両を撮像する。そして、撮像した前方車両の画像に基づいて、前方車両との車間距離及び車種の情報を取得する。本実施形態では、車種の情報を大型、中型、小型等の区分とする。なお、前方車両との車間距離は、前方車両の画像からの取得に限られず、例えばレーザー波や赤外線等を照射することによって検出しても良い。
【0069】
ここで、前方車両との車間距離及び車種を取得する方法として、例えば、特開2004−265432号公報及び特開2008−74318号公報等に記載されている方法を用いても良い。特開2004−265432号公報では、レーダーを用いて前方車両との車間距離を測定し、この車間距離と前方車両の撮像内容から、車種を判別するようにしている。また、特開2008−74318号公報では、前方車両の撮像内容に基づいて車間距離を検出し、更にナンバープレートの画像から車種を判別するようにしている。
【0070】
次に、本実施形態に係る車両用空調装置3の動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る車両用空調装置3の動作を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、例えば、ナビゲーション装置1及び車両用空調装置3の図示しない各起動スイッチがいずれもオンされた場合に開始される。
【0071】
車両用空調装置3は、渋滞チェック処理(ステップS210)、坂道チェック処理(ステップS220)及びトンネルチェック処理(ステップS230)を行う。これらのステップS210〜S230の処理は、図5のフローチャートに示すステップS10〜S30の処理と同様の処理内容であるため説明を省略する。
【0072】
次に、車両用空調装置3は、車両5の進行方向における前方車両チェック処理を行う(ステップS240)。
【0073】
図13は、前方車両チェック処理を示すフローチャートである。同図において、車両用空調装置3は、前方車両情報取得部24により、撮像部24cを用いて撮像した前方車両の画像から、前方車両との車間距離及び車種(大型、中型、小型)の情報を取得する(ステップS241)。次に、車両用空調装置3は、前方車両との車間距離及び車種の情報に基づいて、前方車両からの排気ガスが車両5に対して影響を及ぼすか否かを判定する(ステップS242)。
ここで、前方車両の排気ガスの影響は、前方車両との車間距離及び車種の情報に基づいて判定する。例えば、前方車両が大型車であって車間距離が近距離の場合は、車両5に対して排気ガスの影響を及ぼすと判定する。また、前方車両が小型車であって車間距離が近距離でない場合は、車両5に対して排気ガスの影響を及ぼさないと判定する。
【0074】
前方車両の排気ガスの影響がある場合(ステップS242:Yes)は、ステップS243へ進む。ステップS243では、車両用空調装置3は、空調切換機構28uを用いて、外気導入モードの場合は内気循環モードに切り換え、内気循環モードの場合はそのままとする。そして、ステップS241に戻り、前方車両の情報取得処理を繰り返す。
他方、前方車両の排気ガスの影響がない場合(ステップS242:No)は、図13のフローチャートの処理を終了する。これにより、車両5が前方車両の排気ガスの影響を受けている間、車両用空調装置3では内気循環モードを続けることになる。
【0075】
上記した車両用空調装置3は、撮像した前方車両との車間距離及び車種の情報に基づいて、前方車両の排気ガスの影響がある場合、車室内の空調が外気導入モードのときは内気循環モードに切り換えている。これにより、前方車両から排出される排気ガスが多量に外気として車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0076】
(変形例1)
上述した実施形態では、道路の渋滞、坂道、トンネル、前方車両等の条件に基づいて、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行うようにしたが、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えの条件は、これには限られない。例えば、環境省の大気汚染物質広域監視システム等から大気汚染情報を受信して環境情報として取得する環境情報取得部を設けて、取得した大気汚染情報に基づいて内気循環モードと外気導入モードと切り換えるようにしても良い。
【0077】
具体的には、車両5の現在位置が大気汚染地域にあるか否かを判定し、大気汚染地域にある場合は、外気導入モードから内気循環モードに切り換えを行い、車両5が大気汚染地域を通過するまでは内気循環モードを続ける。なお、大気汚染情報の受信は、ナビゲーション装置及び車両用空調装置のいずれで行っても良い。
これにより、車両5の現在位置が大気汚染地域にある場合に、汚染された外気が車室内に侵入するのを防ぐことができる。
【0078】
(変形例2)
上述した実施形態では、道路の渋滞、坂道及び前方車両等の各条件において、所定レベルを超えると想定される排気ガスを判定条件とした。しかし、これらの道路の渋滞、坂道及び前方車両等の各条件に対して、別の条件要素を組み入れるようにしても良い。例えば、日本気象協会や気象情報提供会社等から気象情報を受信して、受信した気象条件に含まれる風向及び風速の情報を環境情報として取得する環境情報取得部を設け、取得した風向及び風速の情報を道路の渋滞、坂道及び前方車両等の各条件に組み入れても良い。
【0079】
具体的には、道路の渋滞等による排気ガスが所定レベルを超えると判定される場合に、現在位置における風向及び風速が排気ガスの滞留を押し流すと判断される場合は、内気循環モードに切り換えないで外気導入モードのままとする。
これにより、実際には風によって排気ガスが少ない場合には、外気導入モードにすることができ、内気循環モードによる空調を少なくすることができる。
【0080】
(変形例3)
上述した実施形態では、道路の渋滞、坂道、トンネル、前方車両等の条件のそれぞれで判定して、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行うようにした。しかし、これに限られず、道路の渋滞、坂道、トンネル、前方車両等の各条件の組合せにより、内気循環モードと外気導入モードとの切り換えを行うようにしても良い。
【0081】
具体的には、例えば、坂道の条件と前方車両の条件とを組み合わせることにより、車両5の現在位置が坂道であって且つ進行方向に前方車両が位置する場合は、排気ガスの影響を及ぼす判定基準を厳しくして、内気循環モードに切り換えるようにしても良い。
これにより、更に木目細かく外気導入モードと内気循環モードとを切り換えることができる。
【符号の説明】
【0082】
1…ナビゲーション装置、2,3…車両用空調装置、5…車両、11…GPS部、11a…GPSアンテナ、12…交通情報取得部、12a…アンテナ、13…移動経路設定部、18…地図情報データベース、21…渋滞情報取得部、22…傾斜角度取得部、22s…角速度センサー、23…トンネル情報取得部、23s…圧力センサー、24…前方車両情報取得部、24c…撮像部、28…空調切換部、28u…空調切換機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、
前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換部と、を有し、
前記空調切換部は、前記取得した道路面の傾斜角度に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記車両が走行する道路の渋滞情報を取得する渋滞情報取得部を更に有し、
前記空調切換部は、前記取得した道路の渋滞情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記渋滞情報取得部は、前記車両に搭載されたナビゲーション装置から前記渋滞情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記渋滞情報取得部は、前記ナビゲーション装置から前記車両の移動経路における前記渋滞情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記車両のトンネル突入を検出する圧力センサーを更に有し、
前記空調切換部は、前記圧力センサーが前記車両のトンネル突入を検出したときに、前記内気循環モードに切り換えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項6】
前記車両が走行する道路に係る風向、風速及び大気汚染の少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得する環境情報取得部を更に有し、
前記空調切換部は、前記取得した環境情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
車両の進行方向前方に位置する前方車両を撮像する撮像部と、
前記撮像した前方車両の画像に基づいて、前記前方車両との車間距離及び前記前方車両の車種を取得する前方車両情報取得部と、を更に有し、
前記空調切換部は、前記取得した前記車間距離及び前記車種に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記傾斜角度取得部は、圧電振動ジャイロからなる角速度センサーを有して前記車両の傾斜角度を検出することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項9】
車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得工程と、
前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換工程と、を有し、
前記空調切換工程において、前記取得した道路面の傾斜角度に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置の制御方法。
【請求項1】
車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、
前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換部と、を有し、
前記空調切換部は、前記取得した道路面の傾斜角度に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記車両が走行する道路の渋滞情報を取得する渋滞情報取得部を更に有し、
前記空調切換部は、前記取得した道路の渋滞情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記渋滞情報取得部は、前記車両に搭載されたナビゲーション装置から前記渋滞情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記渋滞情報取得部は、前記ナビゲーション装置から前記車両の移動経路における前記渋滞情報を取得することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記車両のトンネル突入を検出する圧力センサーを更に有し、
前記空調切換部は、前記圧力センサーが前記車両のトンネル突入を検出したときに、前記内気循環モードに切り換えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項6】
前記車両が走行する道路に係る風向、風速及び大気汚染の少なくとも1つの情報を含む環境情報を取得する環境情報取得部を更に有し、
前記空調切換部は、前記取得した環境情報に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
車両の進行方向前方に位置する前方車両を撮像する撮像部と、
前記撮像した前方車両の画像に基づいて、前記前方車両との車間距離及び前記前方車両の車種を取得する前方車両情報取得部と、を更に有し、
前記空調切換部は、前記取得した前記車間距離及び前記車種に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記傾斜角度取得部は、圧電振動ジャイロからなる角速度センサーを有して前記車両の傾斜角度を検出することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項9】
車両が走行する道路面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得工程と、
前記車両の室内の空気を循環する内気循環モードと前記室内に外気を導入する外気導入モードとの切り換えを制御する空調切換工程と、を有し、
前記空調切換工程において、前記取得した道路面の傾斜角度に基づいて、前記内気循環モードと前記外気導入モードとの切り換えを制御することを特徴とする車両用空調装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−195249(P2010−195249A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43530(P2009−43530)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]