説明

車両用空調装置

【課題】フロスト防止制御により圧縮機を実質的に停止させた後、圧縮機を再起動する際の乗員の空調フィーリング悪化の抑制、圧縮機の消費動力を低減する。
【解決手段】圧縮機2と、圧縮機2の吐出容量を変更する容量可変機構13と、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器6と、蒸発器6を通過した空気の温度を検出する蒸発器温度検出手段21と、容量可変機構13を制御する吐出容量制御手段とを備え、吐出容量制御手段は、検出された空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、圧縮機2の吐出容量が最小吐出容量となるように容量可変機構13を制御し、その後、空気温度が第1フロスト基準温度よりも高い温度に予め設定されたフロスト復帰温度を上回った場合に、空気温度が第1フロスト基準温度を下回る直前の圧縮機2の吐出容量よりも大きい吐出容量となるように容量可変機構13を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用空調装置の冷凍サイクルには、圧縮機として冷媒の吐出容量を変更可能な可変容量型圧縮機を採用しているものがある。可変容量型圧縮機には、制御装置から出力された制御電流により圧縮機の吐出容量を変更する電磁式の容量制御弁が設けられ、この容量制御弁に入力される制御電流は、蒸発器の実際の吹出空気温度が目標蒸発器温度TEOとなるように、蒸発器の吹出空気温度を検出する温度センサの感知温度Teと目標蒸発器温度Teoの偏差En(=Te−TEO)に応じたフィードバック制御(PI制御)により算出される。
【0003】
この種の可変容量型圧縮機を備える冷凍サイクルにおいて、蒸発器の吹出空気温度を検出する温度センサの感知温度Teが、蒸発器にフロスト(凍結)が発生するような低温となった場合に、吐出容量を低下させてフロストの発生を防止するもの(フロスト防止制御)が知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、特許文献1に記載のフロスト防止制御は、蒸発器の急激な負荷低下による一時的なフロストの発生を抑制するもので、蒸発器の吹出空気温度が−0.5℃以下となると、フィードバック制御を中断し、圧縮機の吐出容量を強制的に低下させている。
【特許文献1】特開2007−83891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常のフロスト防止制御では、例えば蒸発器の負荷変動が非常に大きい場合等には、圧縮機の吐出容量を低下させるのみでは、フロストの発生を防止できないため、圧縮機の吐出容量を最小吐出容量にして、圧縮機を実質的に停止させている。この場合、圧縮機の吐出容量を最小吐出容量にする直前の圧縮機の吐出容量(制御電流)を空調装置(ECU)等に記憶しておき、圧縮機を再起動させる際の圧縮機の吐出容量の初期状態(制御電流の初期値)として用いている。
【0005】
しかしながら、圧縮機の吐出容量を最小吐出容量(吐出容量略0%)にするフロスト防止制御を行なった後、圧縮機を再起動させる際の圧縮機の吐出容量の初期状態が最低起動吐出容量より小さい場合には、最低起動吐出容量を上回るまでの間、圧縮機が圧縮作動せず、実質的に停止状態した状態が継続する。ここで、最低起動吐出容量は、圧縮機が圧縮作動を開始する際の吐出容量である。なお、最低起動吐出容量は、冷凍サイクル内の冷媒流量を安定的に確保可能な最小吐出容量より大きい吐出容量となる。
【0006】
したがって、圧縮機を再起動させる際の圧縮機の吐出容量が最低起動吐出容量より小さい場合には、圧縮機が圧縮作動するまでの間に、蒸発器の吹出温度上昇し、車室内乗員の空調フィーリングの悪化を招くこととなる。また、必要以上に蒸発器の吹出温度が上昇するため、目標吹出温度に収束するまでに時間がかかり、圧縮機の消費動力が増加して燃費が悪化する。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、フロスト防止制御により圧縮機を実質的に停止させた後、圧縮機を再起動する際の乗員の空調フィーリング悪化の抑制、および、圧縮機の消費動力を低減する目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機(2)と、圧縮機(2)の吐出容量を変更する容量可変機構(13)と、圧縮機(2)の作動により循環する冷媒を蒸発させて、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(6)と、蒸発器(6)を通過した空気の温度を検出する蒸発器温度検出手段(21)と、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と目標蒸発器温度の差に基づいて容量可変機構(13)を制御する吐出容量制御手段とを備え、吐出容量制御手段は、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、圧縮機(2)の吐出容量が最小吐出容量となるように容量可変機構(13)を制御し、その後、空気温度が第1フロスト基準温度よりも高い温度に予め設定されたフロスト復帰温度を上回った場合に、圧縮機(2)の吐出容量が、空気温度が第1フロスト基準温度を下回る直前の圧縮機(2)の吐出容量よりも大きい吐出容量となるように容量可変機構(13)を制御することを特徴としている。
【0009】
このように、圧縮機(2)を実質的に停止させた後、圧縮機(2)を再起動する際に、第1フロスト基準温度を下回る直前の圧縮機(2)の吐出容量より大きい吐出容量となるように容量可変機構(13)を制御することで、圧縮機(2)が圧縮作動を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0010】
したがって、蒸発器(6)を通過する空気温度の上昇による乗員の空調フィーリングの悪化を抑制できるとともに、圧縮機(2)の消費動力を低減することができる。ここで、最小吐出容量とは、圧縮機(2)の吐出容量が略ゼロとなる容量を意味している。また、蒸発器温度検出手段(21)は、蒸発器(6)を通過した吹出空気の温度を直接検出するものに限らず、蒸発器(6)のフィン温度等から間接的に蒸発器(6)を通過した吹出空気の温度を検出するものも含まれる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明では、冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機(2)と、圧縮機(2)の吐出容量を変更する容量可変機構(13)と、圧縮機(2)の作動により循環する冷媒を蒸発させて、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(6)と、蒸発器(6)を通過した空気の温度を検出する蒸発器温度検出手段(21)と、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と目標蒸発器温度の差に基づいて容量可変機構(13)を制御する吐出容量制御手段とを備え、吐出容量制御手段は、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、圧縮機(2)の吐出容量が最小吐出容量となるように吐出容量可変機構(13)を制御し、その後、空気温度が第1フロスト基準温度よりも高い温度に予め設定されたフロスト復帰温度を上回った場合に、空気温度が第1フロスト基準温度を下回る直前の圧縮機(2)の吐出容量が、圧縮機(2)が圧縮作動を開始する際の吐出容量である最低起動吐出容量よりも小さいときは、圧縮機(2)の吐出容量が最低起動吐出容量となるように容量可変機構(13)を制御することを特徴としている。
【0012】
このように、圧縮機(2)を実質的に停止させた後、圧縮機(2)を再起動する際に、第1フロスト基準温度を下回る直前の圧縮機(2)の吐出容量が、最低起動吐出容量より小さい場合に、圧縮機(2)の吐出容量が最低起動吐出容量となるように容量可変機構(13)を制御することで、圧縮機(2)が圧縮作動を開始するまでの時間を確実に短縮することができる。
【0013】
したがって、蒸発器(6)を通過する空気温度の上昇による乗員の空調フィーリングの悪化を抑制できるとともに、圧縮機(2)の消費動力を低減することができる。ここで、最低起動吐出容量は、圧縮機(2)が圧縮作動を開始する際の吐出容量である。なお、最低起動吐出容量は、最小吐出容量に比べて吐出容量が大きい状態である。
【0014】
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載の発明において、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度が第1フロスト基準温度よりも高い温度が予め設定された第2フロスト基準温度を下回った場合に、圧縮機(2)の吐出容量を低下させるように容量可変機構(13)を制御し、その後、空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、圧縮機(2)の吐出容量が最小吐出容量となるように容量可変機構(13)を制御してもよい。
【0015】
また、請求項4に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発明において、吐出容量制御手段は、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と目標蒸発器温度の差に基づいて算出した制御電流を容量可変機構(13)に出力し、容量可変機構(13)は、吐出容量制御手段から入力される制御電流が大きい場合に圧縮機(2)の吐出容量を増大させ、制御電流が小さい場合に吐出容量を減少させるように構成してもよい。
【0016】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発明において、吐出容量制御手段は、蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と目標蒸発器温度の差に基づいて算出した制御電流を容量可変機構(13)に出力し、容量可変機構(13)は、吐出容量制御手段から入力される制御電流が小さい場合に圧縮機(2)の吐出容量を増大させ、制御電流が大きい場合に吐出容量を減少させるように構成してもよい。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。ここで、図1は、車両用空調装置の全体構成の概要を示す全体構成図である。
【0019】
車両用空調装置100の一部を構成する冷凍サイクル装置1は、エンジンルーム内に配置され、圧縮機2を有して構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル装置1において、後述する蒸発器6下流側の冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、電磁クラッチ9およびベルト機構10を介してエンジン11から駆動力が伝達されて回転駆動される。圧縮機2の詳細については後述する。
【0020】
圧縮機2の吐出側は、凝縮器3入口側に接続されている。この凝縮器3は、エンジンルーム内にてエンジン11と車両フロントグリル(図示せず)との間に配置されており、圧縮機2から吐出された冷媒と送風ファン(図示せず)により送風された外気とを熱交換させて、冷媒を冷却する放熱器である。
【0021】
凝縮器3の出口側は、気液分離器4の入口側に接続されている。気液分離器4は、凝縮器3で冷却された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離するものである。
【0022】
気液分離器4の液相冷媒出口側は、膨張弁5に接続されている。膨張弁5は、気液分離器4で分離された液相冷媒を減圧膨張させるとともに、膨張弁5出口側から流出する冷媒の流量を調整するものである。
【0023】
具体的には、膨張弁5は、圧縮機2と後述する蒸発器6間の冷媒温度を検出する感温筒5aを有しており、圧縮機2に吸入される冷媒の温度と圧力とに基づいて圧縮機吸入冷媒の過熱度を検出し、この過熱度が予め設定された所定過熱度となるように弁開度を調整している。
【0024】
膨張弁5の下流側は、蒸発器6に接続されている。蒸発器6は、空調ユニットの空調ケース7内に配置されており、膨張弁5にて減圧膨張された冷媒を蒸発させて、空調ケース7内に配置された送風ファン12によって送風された送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
【0025】
蒸発器6の冷媒流れ下流側は、圧縮機2の吸入口と接続されており、蒸発後の冷媒は再び圧縮機2に流入する。このように、冷凍サイクル装置1では、圧縮機2→凝縮器3→気液分離器4→膨張弁5→蒸発器6→圧縮機2の順で冷媒が循環するようになっている。
【0026】
次に、空調ユニットについて説明すると、空調ケース7に設けられた周知の内外気切替箱(図示せず)から吸入された車室内の空気(内気)または車室外の空気(外気)が送風機12により空調ケース7内を車室内へ向かって送風される。この送風空気は、蒸発器6を通過した後に、ヒータユニット(図示せず)を通過して吹出口から車室内に吹き出すようになっている。
【0027】
また、空調ケース7内のうち、蒸発器6の空気吹出直後の部位には、蒸発器6を通過した直後の吹出空気温度(蒸発器温度)Teを検出するサーミスタからなる蒸発器温度センサ21が設けられている。
【0028】
さらに、空調ケース7の空気下流端には、図示しない車室内乗員の上半身に空気を吹き出すフェイス吹出口、車室内乗員の足元に空気を吹き出すフット吹出口、フロントガラス内面に空気を吹き出すデフロスタ吹出口が形成され、これらの吹出口を切替開閉する吹出モードドア(図示せず)が備えられている。
【0029】
次に、本実施形態の制御装置(ECU)20の概要を説明する。制御装置20は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータおよびその周辺回路から構成される。
【0030】
制御装置20は、空調用センサ群21〜24からのセンサ検出信号、車室内前部の計器盤付近に配置される空調操作パネル25に設けられた各種空調操作スイッチSWから操作信号が入力され、この入力信号に基づいて、車両用空調装置100の総合的な制御を行なうものである。また、制御装置20は、マイクロコンピュータのROM内に空調制御機器9、12、13等の制御プログラムを記憶しており、その制御プログラムに基づいて各種演算処理を行う。
【0031】
空調用センサ群としては、上述の蒸発器温度センサ21、外気温Tamを検出する外気センサ22、内気温Trを検出する内気センサ23、車室内に入射する日射量Tsを検出する日射センサ24等が設けられている。
【0032】
また、空調操作パネル25に設けられた各種空調操作スイッチSWとして、圧縮機2の作動指令信号を出すエアコンスイッチ、吹出モードを設定する吹出モードスイッチ、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ、車室内温度を設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ等が設けられている。
【0033】
制御装置20には、周辺回路である各種アクチュエータ駆動用の駆動回路等(図示せず)を介して、電磁クラッチ9、蒸発器6の送風ファン12、後述する電磁式容量制御弁13等が接続される。そして、これらの各種アクチュエータ等の作動が制御装置20の出力信号により制御される。
【0034】
次に、本実施形態の圧縮機2の詳細について説明すると、圧縮機2は、制御装置20から出力される制御信号(制御電流)によって吐出容量を連続的に変更可能に構成された周知の斜板式可変容量型圧縮機である。なお、吐出容量とは冷媒の吸入圧縮を行う作動空間の幾何学的な容積、すなわちピストンストロークの上死点と下死点との間のシリンダ容積である。
【0035】
具体的に圧縮機2は、吸入冷媒と吐出冷媒とを導入させる斜板室(図示せず)、斜板室へ導入させる吸入冷媒と吐出冷媒との割合を調整する電磁式容量制御弁13、斜板室の圧力(制御圧)Pcに応じて傾斜角度を変位させる斜板(図示せず)を有して構成されている。そして、この斜板の傾斜角度に応じてピストンストローク(吐出容量)が変更される。
【0036】
電磁式容量制御弁13は、圧縮機2の吸入冷媒圧力Psと吐出冷媒圧力Pdとの差圧による力を発生する圧力応動機構と、この差圧による力と対向する電磁力を発生する電磁機構とを内蔵しており、差圧による力と電磁力との釣り合いによって弁開度(吸入冷媒と吐出冷媒との割合)を調整して斜板室の圧力を変化させる。
【0037】
また、電磁機構の電磁力は、制御装置20から出力される制御電流Iによって決定され、本実施形態においては、制御電流Iを増加させると、斜板室の圧力が低下し、斜板の傾斜角度が増加する。これにより、ピストンストローク(吐出容量)が増加する。逆に、制御電流Iを減少させると、斜板室の圧力が上昇し、斜板の傾斜角度が減少する。これにより、ピストンストローク(吐出容量)が減少する。本実施形態の電磁式容量制御弁13は、容量可変機構を構成する。
【0038】
制御電流Iの出力は、具体的には電流制御回路の構成上、デューティ制御により変化させる方式とするのが通常であるが、制御電流Iの値をデューティ制御によらず直接、連続的(アナログ的)に変化させてもよい。このように制御電流Iが調整されることによって、圧縮機2では、吐出容量を略0%〜100%の範囲で連続的に変化させることができる。
【0039】
また、圧縮機2では制御圧Pcの調整により吐出容量を100%から略0%付近まで連続的に変化させることができるので、吐出容量を略0%付近に減少することにより、圧縮機2を実質的に作動停止状態にすることができる。
【0040】
従って、本実施形態の圧縮機2では、電磁クラッチを介して車両エンジンから動力を伝達できるようにしているが、圧縮機2の回転軸をプーリ、ベルトVを介して車両エンジンに常時連結するクラッチレスの構成としてもよい。
【0041】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。最初に、車両用空調装置の作動の概要を説明すると、空調操作パネル25のエアコンスイッチがONされると、制御装置20により電磁クラッチ9に通電され、電磁クラッチ9が圧縮機2と接続状態となり、圧縮機2がエンジン11により回転駆動される。
【0042】
圧縮機2の回転駆動とともに、空調ケース7内の送風ファン12が作動し、空調ケース7内に空気が送風される。ここで、制御装置20により、圧縮機2の電磁式容量制御弁13の制御電流が、後述の図2の制御フローチャートにより決定され、圧縮機2が所定の吐出容量の状態にて作動する。
【0043】
これにより、冷凍サイクル装置1において蒸発器6に冷媒が循環するので、送風空気を蒸発器6により冷却、除湿して、車室内へ空調風を吹き出すことができる。
【0044】
次に、制御装置20により実行される圧縮機2の吐出容量制御について図2に基づいて説明する。ここで、図2は、制御装置20により実行される制御プログラム(フロスト防止制御)のフローチャートを示している。
【0045】
図2に示す制御プログラムは、エアコンスイッチがONされるとスタートし、まず、各種センサ21〜24の検出信号、空調操作パネル25の操作信号が読み込まれる。そして、ステップS10で、各信号に基づいて蒸発器5の冷却度合の目標値である目標蒸発器温度TEOを算出する。
【0046】
この目標蒸発器温度TEOは、周知の方法にて算出されるもので、温度設定スイッチで設定された車室内目標温度、内気温Tr、外気温Tamに基づいて車室内へ吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出後、算出した目標吹出温度TAOに基づいて、目標蒸発器温度TEOを算出する。
【0047】
次に、ステップS20では、上記算出された目標蒸発器温度TEOと、蒸発器温度センサ21で検出された吹出空気温度(蒸発器温度)Teとの温度偏差により、公知のフィードバック制御(PI制御)で、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを算出して出力する。具体的には、下記式により算出する。
【0048】
I(n)=I(n−1)+K(E(n)−E(n−1))+(Θ/Ti)×E(n)
ここで、Iが制御電流、Eが温度偏差、Kおよび(Θ/Ti)がフィードバックゲイン、nがサンプリング回数を示している。
【0049】
この目標蒸発器温度TEOと蒸発器温度Teとの温度偏差は、例えば、0.5℃以内となるように設定され、この場合、蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOより±0.5℃の範囲に入るように圧縮機2の吐出容量が制御される。
【0050】
次にステップS30にて、蒸発器温度Teが氷点温度近傍(例えば、−0.5℃)の第1閾値温度(第2フロスト基準温度)Tth1まで低下したか否かが判定される。ここで、第1閾値温度Tth1、後述する第2閾値温度Tth2および第3閾値温度Tth3は、予め制御装置20のROM等に記憶されている。
【0051】
ステップS30の判定で、蒸発器温度Teが第1閾値温度Tth1まで低下していないと判定された場合(Te>Tth1)、蒸発器6にフロストが発生する可能性は低いものとして、ステップS20に戻り、フィードバック制御により電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを算出して出力する。
【0052】
一方、蒸発器温度Teが第1閾値温度Tth1まで低下していると判定された場合(Te<Tth1)、蒸発器6の吹出空気温度が氷点温度近傍以下に達しており、蒸発器6にフロストが発生する可能性が高いものとして、ステップS40に進む。
【0053】
ステップS40では、圧縮機2の吐出容量を強制的に予め設定された所定容量(所定制御電流)まで低下させる。ここで、本実施形態の所定制御電流は、ステップS20で算出された制御電流Iよりも低い制御電流が設定される。
【0054】
そして、ステップS50では、圧縮機2の吐出容量を強制的に変更した際の圧縮機2の吐出容量を記憶する。つまり、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力した制御電流Iを制御装置20のROM等に記憶する。
【0055】
次に、ステップS60で、蒸発器温度Teが氷点温度より低い温度(例えば、−1.5℃)に設定された第2閾値温度(第1フロスト基準温度)Tth2まで低下したか否かが判定される。ここで第2閾値温度Tth2は、第1閾値温度Tth1よりも低い温度に設定されている(Tth2<Tth1)。
【0056】
ステップS60で蒸発器温度Teが第2閾値温度Tth2まで低下していないと判定された場合(Te>Tth2)、ステップS30に戻り、蒸発器温度Teが第1閾値温度(第2フロスト基準温度)Tth1まで低下したか否かを判定する。
【0057】
一方、ステップS60で蒸発器温度Teが第2閾値温度Tth2まで低下していると判定された場合(Te<Tth2)、蒸発器6の吹出空気温度が氷点温度以下に達しており、蒸発器6にフロストが発生しているものとして、ステップS70に進む。
【0058】
そして、ステップS70で圧縮機2の吐出容量を最小吐出容量(吐出容量を略0%)にする。本実施形態では、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを略ゼロ(例えば、0.1A以下)にして実質的に圧縮機2を停止状態にする。
【0059】
次にステップS80で、蒸発器温度Teがフロスト復帰温度である第3閾値温度Tth3(例えば、−0.5℃)まで上昇したか否かが判定される。
【0060】
ステップS80で蒸発器温度Teが第3閾値温度Tth3まで上昇していないと判定された場合、圧縮機2の吐出容量を略0%にして、圧縮機2を実質的な停止状態にする。本実施形態では、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを略ゼロにする。
【0061】
一方、ステップS80で蒸発器温度Teが第3閾値温度Tth3まで上昇していると判定された場合、蒸発器6にフロストが発生する可能性は低いものとして、ステップS90に進む。
【0062】
ステップS90では、ステップS50で記憶した圧縮機2の吐出容量(制御電流I)が、最低起動吐出容量(最低起動電流)よりも大きいか否かを判定する。ここで、本実施形態では、上述のように圧縮機2は、制御電流Iの増加により吐出容量が増加し、制御電流Iの減少により吐出容量が減少するように構成されているが、制御電流Iが後述する最低起動電流以上にまで増加しないと圧縮機2の吐出容量が変化しないようになっている。
【0063】
そのため、最低起動電流を下回る制御電流では、圧縮機2は実質的に停止した状態となっている。なお、最低起動吐出容量は、圧縮機2が圧縮作動を開始する際の吐出容量であり、本実施形態では、最低起動吐出容量となる際の電磁式容量制御弁13に出力する最低起動電流を予め制御装置20のROM等に記憶している。なお、最低起動電流は、圧縮機2の仕様、冷凍サイクルの熱負荷の変化により変動しうるものである。
【0064】
ステップS50で記憶した圧縮機2の吐出容量が、最低起動吐出容量よりも大きくない場合(小さい場合)、圧縮機2の吐出容量が最低起動吐出容量となるように、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iの初期値を最低起動電流に設定し、実質的な圧縮機2の再起動を行なう。
【0065】
一方、ステップS50で記憶した圧縮機2の吐出容量が、最低起動吐出容量よりも大きい場合、圧縮機2の吐出容量がステップS50で記憶した吐出容量となるように、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流IをステップS50で記憶した制御電流に設定し、実質的な圧縮機2の再起動を行なう。
【0066】
次に、本実施形態における制御作動時の蒸発器温度センサ21で検出される蒸発器温度Teと圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iの挙動について、実験結果を示す時間線図(図4)を用いて説明する。まず、比較のため、従来の制御作動、すなわち、図2におけるステップS90の判定を行なわず、ステップS110の処理を行なう場合の作動状態について図3を用いて説明する。
【0067】
図3において、目標蒸発器温度を1℃一定、第1、第3閾値温度を−0.5℃、第2閾値温度−1.5℃、最低起動電流を0.3Aとしている。時間が約125秒時に、空調ケース7内の送風ファン12が高回転状態から低回転状態へ移行すると、蒸発器6の負荷減少に伴い、蒸発器温度Teが低下する。
【0068】
蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOより低下し、第1閾値温度Tth1(−0.5℃)を下回ると、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを低下させる。そして、蒸発器温度Teが第2閾値温度(−1.5℃)を下回ると、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを略ゼロ(圧縮機2の実質的な停止状態)にする。
【0069】
その後、蒸発器温度Teが上昇し、第3閾値温度(−0.5℃)を上回ると、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを、圧縮機2を停止状態にする直前の制御電流I(0.2A)に設定して、圧縮機2の実質的な再起動を行なう。
【0070】
従来の制御における実験結果によれば、蒸発器温度Teは、圧縮機2の再起動時に、目標蒸発器温度TEOに対して約2.5℃程度上昇する。さらに、圧縮機2の実質的な再起動時から蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOの±0.5℃の範囲に収束するまでに約100秒要している。
【0071】
このように、圧縮機2の実質的な再起動を最低起動電流よりも低い制御電流I(0.2A)で行なうため、圧縮機2の圧縮作動開始までに長時間を要し、圧縮機2の再起動時の蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOに対して高温となってしまう等の問題がある。
【0072】
一方、本実施形態における作動状態を図4に示す。図4において、図4と同様、目標蒸発器温度TEOは1.0℃で一定、第1、第3閾値温度を−0.5℃、第2閾値温度−1.5℃、最低起動電流を0.3Aとしている。時間が約135秒時に、空調ケース7内の送風ファン12が高回転状態から低回転状態へ移行すると、蒸発器6の負荷減少に伴い、蒸発器温度Teが低下する。
【0073】
蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOより低下し、第1閾値温度(−0.5℃)を下回ると、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを低下させる(図2におけるステップS40)。そして、蒸発器温度Teが第2閾値温度(−1.5℃)を下回ると、圧縮機2の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを略ゼロ(圧縮機2の実質的な停止状態)にする(図2におけるステップS70)。
【0074】
その後、蒸発器温度Teが上昇し、第3閾値温度(−0.5℃)を上回ると、図2におけるステップS90の判定が行なわれる。圧縮機2を停止状態にする直前の制御電流Iが、約0.2Aであり、最低起動電流(0.3A)よりも低いため、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを最低起動電流に設定して、圧縮機2の実質的な再起動を行なう(図2におけるステップS100)。
【0075】
図4に示すように、本実施形態の制御による実験結果によれば、目標蒸発器温度TEOに対して約0.6℃程度上昇するのみであった。さらに、圧縮機2の実質的な再起動時から蒸発器温度Teが目標蒸発器温度TEOの±0.5℃の範囲に収束するまでに要する時間が約48秒であった。
【0076】
このように、本実施形態の制御によれば、従来の制御に比べて、圧縮機2の実質的な再起動を行なう際の電磁式容量制御弁13に出力する初期値を最低起動電流(0.3A)以上で行なうため、圧縮機2の圧縮作動開始までの時間を短縮することでき、さらに、圧縮機2の再起動時の蒸発器温度Teの上昇を抑制することができる。
【0077】
その結果、蒸発器6の吹出空気温度の上昇による乗員の空調フィーリングの悪化を抑制することができるとともに、圧縮機2の消費動力を低減することができる。
【0078】
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
【0079】
(1)上述の実施形態では、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを増加させると吐出容量が増加し、制御電流Iを減少させると吐出容量が減少するように構成した可変容量型圧縮機2の例を説明したが、これに限定されるものではない。
【0080】
可変容量型圧縮機2として、電磁式容量制御弁13に出力する制御電流Iを減少させると吐出容量が増加し、制御電流Iを増加させると吐出容量が減少するように構成したものであってもよい。この場合、制御電流Iが最低起動電流以下にまで減少しないと圧縮機2の吐出容量が変化(増加)しないようになっている。
【0081】
このような可変容量型圧縮機2を採用した場合でも、圧縮機2を実質的に停止させた後、圧縮機2を再起動する際に、蒸発器6の吹出空気温度が第2閾値温度Tth2を下回る直前の圧縮機2の吐出容量が、最低起動吐出容量より小さい場合に、最低起動吐出容量となるように電磁式容量制御弁13を制御すればよい。
【0082】
具体的には、蒸発器6の吹出空気温度が第2閾値温度Tth2を下回る直前の電磁式容量制御弁13に出力する制御電流が最低起動電流より大きい場合に、最低起動電流を電磁式容量制御弁13に出力するようにすればよい。これにより、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0083】
(2)上述の実施形態では、圧縮機2を実質的に停止させた後、圧縮機2を再起動する際に、第2閾値温度Tth2を下回る直前の圧縮機2の吐出容量が、最低起動吐出容量より小さい場合に、最低起動吐出容量となるように電磁式容量制御弁13を制御しているが、これに限定されるものではない。
【0084】
例えば、圧縮機2を再起動する際に、第2閾値温度Tth2を下回る直前の圧縮機2の吐出容量を増加させるように電磁式容量制御弁13を制御してもよい。また、圧縮機2を再起動する際の圧縮機2の吐出容量を最低起動吐出容量、若しくは、最低起動吐出容量以上となるように電磁式容量制御弁13を制御してもよい。
【0085】
これによっても、圧縮機2を再起動する際に、圧縮機2の圧縮作動開始までの時間を短縮することでき、圧縮機2の再起動時の蒸発器温度Teの上昇を抑制することができため、蒸発器6の吹出空気温度の上昇による乗員の空調フィーリングの悪化を抑制することができるとともに、圧縮機2の消費動力を低減することができる。
【0086】
(3)また、上述の実施形態では、最低起動電流を予め設定された所定電流としているが、これに限定されず、冷凍サイクル内の熱負荷状態に応じて変化させてもよい。例えば、車速、外気温度、内気温度、日射量、蒸発器6を通過する空気の送風量、圧縮機2の吐出冷媒圧力、吸入冷媒圧力等に応じて変更してもよい。
【0087】
(4)また、上述の実施形態では、蒸発器温度センサ21を、蒸発器6を通過した吹出空気の温度を直接検出するように配置しているが、これに限定されるものではない。例えば、蒸発器温度センサ21を蒸発器6のフィンに取り付けて、蒸発器6のフィン温度より間接的に吹出空気温度Teを検出するように構成してもよい。
【0088】
(5)また、上述の実施形態では、第1閾値温度(第2フロスト基準温度)Tth1と第3閾値温度(フロスト復帰温度)Tth3を同じ値(−0.5℃)としているが、これに限定されるものではない。例えば、第3閾値温度Tth3を第1閾値温度Tth1よりも高い温度に設定する等してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図である。
【図2】制御装置が実行する制御プログラムのフローチャートである。
【図3】従来の制御による作動状態を示す時間線図である。
【図4】本実施形態の制御による作動状態を示す時間線図である。
【符号の説明】
【0090】
2 圧縮機
6 蒸発器
13 電磁式容量制御弁(容量可変機構)
20 制御装置(吐出容量可変手段)
21 蒸発器温度センサ(蒸発器温度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機(2)と、
前記圧縮機(2)の吐出容量を変更する容量可変機構(13)と、
前記圧縮機(2)の作動により循環する冷媒を蒸発させて、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(6)と、
前記蒸発器(6)を通過した空気の温度を検出する蒸発器温度検出手段(21)と、
前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と目標蒸発器温度の差に基づいて前記容量可変機構(13)を制御する吐出容量制御手段とを備え、
前記吐出容量制御手段は、
前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された前記空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、前記圧縮機(2)の吐出容量が最小吐出容量となるように前記容量可変機構(13)を制御し、
その後、前記空気温度が前記第1フロスト基準温度よりも高い温度に予め設定されたフロスト復帰温度を上回った場合に、前記圧縮機(2)の吐出容量が、前記空気温度が前記第1フロスト基準温度を下回る直前の前記圧縮機(2)の吐出容量よりも大きい吐出容量となるように前記容量可変機構(13)を制御することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
冷媒を吸入圧縮して吐出する圧縮機(2)と、
前記圧縮機(2)の吐出容量を変更する容量可変機構(13)と、
前記圧縮機(2)の作動により循環する冷媒を蒸発させて、車室内へ送風される空気を冷却する蒸発器(6)と、
前記蒸発器(6)を通過した空気の温度を検出する蒸発器温度検出手段(21)と、
前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と目標蒸発器温度の差に基づいて前記容量可変機構(13)を制御する吐出容量制御手段とを備え、
前記吐出容量制御手段は、
前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された前記空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、前記圧縮機(2)の吐出容量が最小吐出容量となるように前記吐出容量可変機構(13)を制御し、
その後、前記空気温度が前記第1フロスト基準温度よりも高い温度に予め設定されたフロスト復帰温度を上回った場合に、前記空気温度が前記第1フロスト基準温度を下回る直前の前記圧縮機(2)の吐出容量が、前記圧縮機(2)が圧縮作動を開始する際の吐出容量である最低起動吐出容量よりも小さいときは、前記圧縮機(2)の吐出容量が前記最低起動吐出容量となるように前記容量可変機構(13)を制御することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項3】
前記吐出容量制御手段は、
前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度が前記第1フロスト基準温度よりも高い温度が予め設定された第2フロスト基準温度を下回った場合に、前記圧縮機(2)の吐出容量を低下させるように前記容量可変機構(13)を制御し、
その後、前記空気温度が予め設定された第1フロスト基準温度を下回った場合に、前記圧縮機(2)の吐出容量が最小吐出容量となるように前記容量可変機構(13)を制御することを特徴とする請求項1または2に車両用空調装置。
【請求項4】
前記吐出容量制御手段は、前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と前記目標蒸発器温度の差に基づいて算出した制御電流を前記容量可変機構(13)に出力し、
前記容量可変機構(13)は、前記吐出容量制御手段から入力される制御電流が大きい場合に前記圧縮機(2)の吐出容量を増大させ、前記制御電流が小さい場合に吐出容量を減少させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記吐出容量制御手段は、前記蒸発器温度検出手段(21)で検出された空気温度と前記目標蒸発器温度の差に基づいて算出した制御電流を前記容量可変機構(13)に出力し、
前記容量可変機構(13)は、前記吐出容量制御手段から入力される制御電流が小さい場合に前記圧縮機(2)の吐出容量を増大させ、前記制御電流が大きい場合に吐出容量を減少させるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−241763(P2009−241763A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91191(P2008−91191)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】