説明

車両用空調装置

【課題】圧縮機停止時の冷却継続における電力消費を抑えることが可能な車両用空調装置を提供すること。
【解決手段】冷媒通路10に圧縮機20、凝縮器30、減圧器40、蒸発器50を備えた冷凍サイクル60と、蒸発器50の出口側に設けられて冷媒を貯留可能なアキュームレータ70と、アキュームレータ70に貯留された冷媒を、バイパス通路11を介して蒸発器50に供給可能な冷媒ポンプ80と、圧縮機20の停止時に、冷媒ポンプ80を駆動させてアキュームレータ70に貯留した冷媒を蒸発器50に供給する冷却継続処理を実行する空調制御回路100と、を備えた車両用空調装置であって、空調制御回路100は、冷却継続処理の実行時に、液冷媒センサ91の検出に基づいてアキュームレータ70内の液冷媒が無くなったときに冷媒ポンプ80の駆動を停止させることを特徴とする車両用空調装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用空調装置として、アイドリングストップ時のようにエンジン停止に伴って圧縮機の作動が停止しても冷房を継続可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の車両用空調装置は、蒸発器と圧縮機との間の冷媒通路に、蓄冷材を備えたアキュームレータを配置し、走行中(圧縮機の作動中)にアキュームレータ内に液冷媒を蓄えるとともに蓄冷する。そして、停車時(圧縮機の停止中)に、蓄冷材に蓄えた冷力で低圧側の冷媒圧力を低く保ちながら、アキュームレータの液冷媒を冷媒ポンプにより蒸発器の入口側に移送して、蒸発器による空調空気の冷却を継続できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−320842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、アイドリングストップを行っている間、冷媒ポンプを駆動し続ける構造であったため、無駄な電力消費を招くおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述の従来の問題に着目して成されたもので、圧縮機停止時の冷却継続における電力消費を抑えることが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために請求項1に係る発明は、冷媒通路に圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器を備えた冷凍サイクルと、前記冷媒通路の前記蒸発器の出口側に設けられて前記冷媒を貯留可能なアキュームレータと、このアキュームレータに貯留された冷媒を、前記蒸発器に対して並列に設けられたバイパス通路を介して前記蒸発器に供給可能な冷媒ポンプと、前記圧縮機の停止時に、前記冷媒ポンプを駆動させて前記アキュームレータに貯留した前記冷媒を前記蒸発器に供給する冷却継続処理を実行する制御部と、を備えた車両用空調装置であって、前記アキュームレータの液冷媒の有無を検出する液冷媒検出部を設け、前記制御部は、前記冷却継続処理の実行時に前記液冷媒検出部の検出に基づいて前記アキュームレータ内の液冷媒が無くなったときに前記冷媒ポンプの駆動を停止させることを特徴とする車両用空調装置とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用空調装置では、制御部は、圧縮機の停止に伴って冷却継続処理を実行した際に、液冷媒検出部がアキュームレータ内に液冷媒が無くなったことを検出すると、冷媒ポンプの駆動を停止させる。
したがって、冷却継続処理中に冷媒ポンプを駆動し続けるものと比較して、電力消費を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は実施例1の車両用空調装置を示す回路図である。
【図2】図2は実施例1の車両用空調装置に用いたアキュームレータ70を示す断面である。
【図3】図3は実施例1の車両用空調装置における冷却継続処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は実施例1の車両用空調装置における冷却継続処理時の冷媒の流れを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態の車両用空調装置は、冷媒通路(10)に圧縮機(20)、凝縮器(30)、減圧器(40)、蒸発器(50)を備えた冷凍サイクル(60)と、前記冷媒通路(10)の前記蒸発器(50)の出口側に設けられて前記冷媒を貯留可能なアキュームレータ(70)と、このアキュームレータ(70)に貯留された冷媒を、前記蒸発器(50)に対して並列に設けられたバイパス通路(11)を介して前記蒸発器(50)に供給可能な冷媒ポンプ(80)と、前記圧縮機(20)の停止時に、前記冷媒ポンプ(80)を駆動させて前記アキュームレータ(70)に貯留した前記冷媒を前記蒸発器(50)に供給する冷却継続処理を実行する制御部(100)と、を備えた車両用空調装置であって、前記アキュームレータ(70)の液冷媒の有無を検出する液冷媒検出部(91)を設け、前記制御部(100)は、前記冷却継続処理の実行時に前記液冷媒検出部(91)の検出に基づいて前記アキュームレータ(70)内の液冷媒が無くなったときに前記冷媒ポンプ(80)の駆動を停止させることを特徴とする車両用空調装置である。
【実施例1】
【0011】
以下に、図1〜図4に基づいて、実施例1の車両用空調装置について説明する。
(構成)
まず、実施例1の車両用空調装置の構成について説明する。
実施例1の車両用空調装置は、図1に示すように、冷媒通路10に、圧縮機20、凝縮器30、減圧器40、蒸発器50を順に配置した冷凍サイクル60を備えている。
さらに、冷媒通路10において前記蒸発器50の出口側に冷媒を貯留可能なアキュームレータ70が設けられている。
【0012】
圧縮機20は、車両のエンジンルーム(図示省略)に配置されてエンジン(図示省略)により駆動され、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する。
凝縮器30は、エンジンルーム(図示省略)に配置されて、圧縮機20により高温高圧に圧縮された冷媒を、外気との熱交換により冷却して液化する。なお、凝縮器30には、リキッドタンク30aが設けられ、内部には、冷媒を濾過するフィルタ(図示省略)が設けられている。
【0013】
減圧器40は、本実施例1では、蒸発器50の出口側の冷媒温度に感応して変位するセンサ部41と、このセンサ部41の変位に基づいて蒸発器50の出口側の冷媒の過熱度を調節するように弁開度を調節する膨張弁42と、を備えている。したがって、膨張弁42では、センサ部41で検出される蒸発器50の出口側の冷媒温度に応じ、蒸発器50の出口側の冷媒の過熱度を所定値(例えば、5〜10℃)とするように、その開度が調節されて、凝縮器30から送られる高圧の液状冷媒の減圧と流量制御を行い、低温・低圧の液状冷媒とする。
【0014】
蒸発器50は、車室内に配置された空調ユニット(図示省略)内に配置され、空調ユニット内を流れる車室空気と熱交換を行うことで、低温・低圧の液状冷媒を蒸発させて、低温・低圧のガス冷媒とするものであり、これにより車室空気を冷却して車室の冷房を行う。
【0015】
アキュームレータ70は、蒸発器50の入口側とバイパス通路11により接続されており、かつ、その内部にはアキュームレータ70に貯留された冷媒をバイパス通路11に吐出する冷媒ポンプ80が設けられている。
【0016】
ここで、アキュームレータ70の構成を図2に基づいて簡単に説明する。
このアキュームレータ70は、冷媒を貯留可能な筒状のタンク部71と、このタンク部71の外周に設けられ、タンク部71に貯留された冷媒と熱交換可能な蓄冷材72とを備えている。なお、蓄冷材72としては、水と高吸水性樹脂(ポリアクリル酸ナトリウム)を含むものや、パラフィンなど周知のものを用いる。
また、図示のように、蒸発器50の出口側に接続されて冷媒通路10の一部を形成する管12がタンク部71の上部に開口され、一方、圧縮機20の吸入側に接続されて冷媒通路10の一部を形成する管13が、タンク部71の上部に開口されている。なお、管13は、タンク部71の底部で湾曲されてタンク部71の上部から外部に導出され、湾曲部分には、液状の冷媒を吸い込むための吸入孔13aが穿設されている。
【0017】
タンク部71の底部には、冷媒ポンプ80が設けられている。この冷媒ポンプ80に前述のバイパス通路11が接続されて、冷媒通路10の減圧器40と蒸発器50との間に接続されている。なお、バイパス通路11には、冷媒の流通方向をアキュームレータ70から蒸発器50の方向へのみに制限する逆止弁81が設けられている。
【0018】
図1に戻り、アキュームレータ70には、液冷媒センサ(液冷媒検出部)91が設けられている。この液冷媒センサ91は、アキュームレータ70のタンク部71に貯留されている液冷媒量を検出するものであり、例えば、液冷媒に浮くフロートの位置に応じた信号を出力する。なお、本実施例1の場合は、液冷媒センサ91は、少なくともアキュームレータ70のタンク部71内に液冷媒が存在するか否かを検出することができればよい。
【0019】
液冷媒センサ91の出力信号は、空調制御回路100に入力される。
この空調制御回路100は、車両用空調装置の制御に必要な車室温度に関連した検出値が各種センサ(図示省略)から入力されて送風温度などを制御する周知の制御に加え、図外のエンジンが停止して圧縮機20が停止された状態で、アキュームレータ70に貯留した液冷媒を用いて蒸発器50における冷却を継続させる冷却継続処理を実行する。
【0020】
本実施例1では、冷却継続処理は、アイドリングストップ制御の実行時に行われる。なお、アイドリングストップ制御は、駐停車や信号待ちを行っている間にエンジン停止を行うものであり、一時的な停車を検知してエンジン停止を行い、発進操作を検知してエンジン(図示省略)の再始動を行う周知の制御である。また、本実施例1では、このアイドリングストップを実行する制御部は、アイドリングストップ制御を実行している間、空調制御回路100に向けてアイドリングストップ信号astを出力しているものとする。
【0021】
次に、空調制御回路100が実行する冷却継続処理について図3のフローチャートに基づき説明する。なお、この冷却継続処理は、車両の走行を開始した時点から実行されるもので、初期設定では、冷媒ポンプ80は停止されている。
まず、ステップS11では、アイドリングストップ信号astが入力されているか否か判定し、入力されている場合はステップS12に進み、入力されていない場合は、1回の処理を終了する。
【0022】
アイドリングストップ信号astが入力された場合に進むステップS12では、冷媒ポンプ80を駆動させ、ステップS13に進む。
次のステップS13では、冷媒ポンプ80の駆動後に、再度アイドリングストップ信号astが入力されているか否か判定し、アイドリングストップ信号astが入力されていない場合はステップS15に進み、入力されている場合はステップS14に進む。
【0023】
ステップS14では、液冷媒センサ91の検出に基づいて、アキュームレータ70に液冷媒が存在しているか否か判定し、液冷媒が存在している場合はステップS12に戻り、液冷媒が存在していない場合は、ステップS15に進む。
【0024】
アイドリングストップ信号astが入力されない場合、およびアキュームレータ70に液冷媒が存在しない場合に進むステップS15では、冷媒ポンプ80の駆動を停止させる処理を行って、1回の処理を終了する。
【0025】
なお、本実施例1では、冷媒ポンプ80として、アキュームレータ70に貯留できる最大冷媒量の全量を、短時間で蒸発器50へ移送できる容量(例えば、100cc/sec)のものを用いている。
【0026】
(作用)
次に、実施例1の作用を説明する。
<通常走行時(非アイドリングストップ時)>
通常走行時には、車両用空調装置では、一般的な冷却作動が行われ、冷媒は、冷媒通路10を図1の矢印に示す経路で循環される。
すなわち、圧縮機20は、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する。この高温高圧の冷媒は、凝縮器30において外気と熱交換(冷却)されて液化して、減圧器40に送られる。減圧器40では、冷媒が減圧されて低温・低圧の液状となり、さらに、冷媒は、蒸発器50において、車室内の空気と熱交換され、車室内空気を冷却するとともに、蒸発して低温・低圧のガス冷媒となり、アキュームレータ70を通って圧縮機20に吸引される。
【0027】
また、アキュームレータ70では、蒸発器50において蒸発して低温・低圧のガス状となった冷媒は、アキュームレータ70を通過する際に、蓄冷材72から吸熱して蓄冷材72を冷却する。
【0028】
そして、車室内の空調が安定して蒸発器50の負荷が下がると、冷媒はアキュームレータ70のタンク部71に液化して蓄えられる。
【0029】
<アイドリングストップ時>
車両が停止状態となってアイドリングストップ制御の実行が開始されアイドリングストップ信号astが空調制御回路100に入力されると、図3のステップS11→S12の処理に基づいて、冷媒ポンプ80が駆動される。
なお、このとき、圧縮機20が停止すると温度感応型の減圧器40の膨張弁42の絞り開度が冷媒温度に応じて小さく調整され、減圧器40における冷媒の流通は制限される。
したがって、アキュームレータ70に溜められた液冷媒は、図4において矢印で示すように蒸発器50に移送され、蒸発器50における液状冷媒の蒸発による冷却が継続される。
【0030】
このとき、冷媒ポンプ80として容量の大きなものを用いているため、アキュームレータ70内の液冷媒は短時間でその全量が蒸発器50に移送される。
その後、アキュームレータ70内の液冷媒が無くなると、図3のステップS13→S14→S15の処理に基づいて、冷媒ポンプ80の駆動が停止される。
このようにして、蒸発器50に一度に大量の液冷媒量が供給されることで、蒸発器50では、その全体で車室空気を冷却でき、その結果、蒸発器50に徐々に液冷媒を供給するもの(例えば、従来では16cc/sec程度)と比較して、同等以上の冷却性能を得ることができる。
【0031】
また、冷媒ポンプ80の駆動中に車両の発進操作が実行されてアイドリングストップ信号astの入力が停止された場合も、冷媒ポンプ80の駆動が停止されて、冷却継続処理は終了する(図3のステップS13→S15の処理に基づく)。
【0032】
(実施例1の効果)
以上説明した実施例1の車両用空調装置は、以下に列挙する効果を奏する。
a)アキュームレータ70内の液冷媒が無くなると冷媒ポンプ80の駆動を停止するようにしたため、冷媒ポンプ80の駆動時間を短縮できる。
これにより、アイドリングストップ制御時の電力消費量を抑えることが可能である。
【0033】
b)冷媒ポンプ80として従来よりも容量の大きなものを用いたため、これによっても、冷媒ポンプ80の駆動時間の短縮を図ることができた。
さらに、冷却継続処理時に、蒸発器50に従来よりも大量に液冷媒を送り、蒸発器50において全体的に冷却を行うようにしたため、従来よりも同等以上の冷却性能を得ることが可能となり、冷却継続時間の延長を図ることが可能となった。
【0034】
c)アキュームレータ70に蓄冷材72を設けたため、蓄冷材72を設けていないものと比較して、圧縮機20の停止時の冷却継続時間の延長を図ることが可能となる。
【0035】
(他の実施例)
以下に、他の実施例について説明するが、これら他の実施例は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1あるいは他の実施例と共通する構成については同じ符号を付けることで説明を省略するとともに、作用効果についても実施例1と共通する説明は省略する。
【実施例2】
【0036】
実施例2は、液冷媒検出部として、実施例1で示した液冷媒センサに代えて冷媒ポンプ80の図示を省略したモータに流れる電流値を測定する電流測定部(図示省略)を設けた例である。
【0037】
したがって、空調制御回路では、ステップS14の判定において、測定電流値が、アキュームレータ70の冷媒が無くなって冷媒ポンプ80のフリクションが低下したことにより回転数が上昇したことを示す値になったか否かを判定し、回転数上昇を示す値になったら、ステップS15に進む処理を行う。
よって、この実施例2にあっても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
加えて、液冷媒検出部として、冷媒ポンプ80の電流値を測定する構成を追加すればよいため、構成の簡略化を図ることができる。
【実施例3】
【0038】
実施例3は、液冷媒検出部として、実施例1の液冷媒センサ91と同様に、フロートなどを用いてアキュームレータ70に貯留された液冷媒量を検出する液冷媒センサを用いるとともに、空調制御回路100において、検出された冷媒量を移送させるのに必要な時間が経過したか否かでアキュームレータ70の液冷媒が無くなったことを判定するようにした例である。
【0039】
すなわち、実施例3では、冷媒継続処理の実行開始時、すなわち、アイドリングストップ制御が開始されて、図3のステップS11においてYESと判定された時点の冷媒量を検出する。さらに、冷媒ポンプ80の駆動時間あたりの吐出量に基づいて、アキュームレータ70に貯留されている液冷媒の全量を蒸発器50に移送させるのに必要な冷媒ポンプ80の駆動時間を算出する。
そして、図3のステップS14における判定では、冷媒ポンプ80の駆動を開始してからの経過時間が、算出された駆動時間に達した場合にアキュームレータ70に貯留された冷媒が無くなったと判定する。
【0040】
したがって、実施例3にあっても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1〜実施例3について詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1〜実施例3に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0042】
例えば、圧縮機の動力源は、エンジンに限らず、電動機などの他の動力源を用いてもよい。例えば、電動車両などにおいても、電動機を停止させて圧縮機を停止させた状態で冷房を行なうことができる。
【0043】
また、実施例では、アキュームレータにおいて、蓄冷材をタンク部の外側に設けた例を示したが、蓄冷材は、タンク部の内部に設けてもよい。さらには、アキュームレータには、蓄冷材を設けなくてもよい。この場合でも、アキュームレータに、アイドリングストップを行なっている間、冷房を行うことができる冷媒量を確保することで、冷房を維持できる。
【0044】
また、実施例では、冷却継続処理を実行するか否かの判定を、アイドリングストップ信号astの有無により行うようにした例を示したが、これに限定されず、例えば、圧縮機20が駆動しているか否か、あるいは、圧縮機20を駆動させる車両の動力源が駆動しているか否か、あるいは、車両が一時的な停止を行っているか否か(すなわち、アイドリングストップ制御の実行判定)により判定するようにしてもよい。
【0045】
また、実施例1では、冷却継続処理の実行時には、アキュームレータ70に貯留された冷媒を一気に蒸発器50へ移送するようにしたが、その後、蒸発器50で気化した冷媒がアキュームレータ70に流入すると、これを再度、蒸発器50へ移送するように、冷媒ポンプ80を駆動するようにしてもよい。この場合、冷媒量が設定量以上になるまで待ってから、冷媒ポンプ80を駆動させるようにしてもよい。
【0046】
また、実施例では、減圧器として、蒸発器の出口側の温度に感応して開度を変更する膨張弁を示したが、これに限定されず、開度が一定のオリフィス状のものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 冷媒通路
11 バイパス通路
20 圧縮機
30 凝縮器
40 減圧器
50 蒸発器
60 冷凍サイクル
70 アキュームレータ
72 蓄冷材
80 冷媒ポンプ
91 液冷媒センサ(液冷媒検出部)
100 空調制御回路(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒通路に圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器を備えた冷凍サイクルと、
前記冷媒通路の前記蒸発器の出口側に設けられて前記冷媒を貯留可能なアキュームレータと、
このアキュームレータに貯留された冷媒を、前記蒸発器に対して並列に設けられたバイパス通路を介して前記蒸発器に供給可能な冷媒ポンプと、
前記圧縮機の停止時に、前記冷媒ポンプを駆動させて前記アキュームレータに貯留した前記冷媒を前記蒸発器に供給する冷却継続処理を実行する制御部と、
を備えた車両用空調装置であって、
前記アキュームレータの液冷媒の有無を検出する液冷媒検出部を設け、
前記制御部は、前記冷却継続処理の実行時に前記液冷媒検出部の検出に基づいて前記アキュームレータ内の液冷媒が無くなったときに前記冷媒ポンプの駆動を停止させることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記アキュームレータが蓄冷機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−1125(P2013−1125A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130487(P2011−130487)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】