説明

車両用芳香制御装置

【課題】乗員が芳香による快適感を常に得ることができ、さらに、芳香を含む空気が供給されても乗員に違和感を与えない。
【解決手段】エアコンからの空気を、運転席、助手席、及び後部座席へと導く各送風路16,17,24,25に分配する分配装置26と、その空気に芳香を添加する芳香添加装置27と、芳香添加装置27と各送風路16,17,24,25との接続を切り換えて、芳香が添加された空気を各送風路16,17,24,25に順次供給する芳香供給切換部28と、芳香添加装置27に流れ込むエアコンからの空気の流量を調節する開閉弁29と、芳香供給切換部28び開閉弁29を制御する制御回路30とを備えた車両用芳香制御装置20であって、制御回路30は、開閉弁29を制御して、芳香添加装置27に流れ込むエアコンからの空気の流量を調節することにより、運転席、助手席、又は後部座席への芳香の供給を断続的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコンからの空気に芳香を添加し、その空気を乗員に向けて供給することにより、乗員に快適感を感じさせることのできる車両用芳香制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用芳香制御装置として、運転席の前方天井部、助手席の前方天井部、及び後部座席左右の前方天井部にそれぞれ芳香供給装置を設け、各芳香供給装置から、各席に着座した乗員に向かって、芳香を含んだ空気砲を放出するよう構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−282084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術では、芳香を含んだ空気砲が連続的に放出され、その空気砲を乗員が連続的に浴びていると、乗員は、その芳香に順応(麻痺)してしまい、芳香による快適感が得られなくなるという問題がある。
【0004】
また、上記従来の技術では、各芳香供給装置の内部に空気圧縮手段が設けられ、この空気圧縮手段によって、芳香を含んだ空気砲を乗員に向かって放出する構成であるので、乗員は、エアコンからの空気とは別に、空気砲による風圧を感じ、違和感を覚えるという問題もある。
【0005】
本発明の課題は、乗員が芳香に順応してしまうのを抑制することにより、芳香による快適感を乗員が常に得ることができ、さらに、芳香を含む空気が供給されても乗員が違和感を覚えることのない車両用芳香制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、エアコンからの空気に芳香を添加するとともに、その空気を、各乗員に対して断続的に供給するようにした点に特徴がある。すなわち、本発明は、エアコンにダクトを介して接続され、当該エアコンからの空気を、運転席、助手席、及び後部座席へと導く各送風路に分配する分配部と、前記エアコンからの空気を取り込むとともに、その空気に芳香を添加する芳香添加部と、前記芳香添加部と前記各送風路との接続を切り換えて、該芳香添加部で芳香が添加された空気を前記各送風路に順次供給する切換手段と、前記芳香添加部に流れ込む前記エアコンからの空気の流量を調節する空気流量調節手段と、前記切換手段び前記空気流量調節手段を制御する制御手段とを備えた車両用芳香制御装置であって、前記制御手段は、前記空気流量調節手段を制御して、前記芳香添加部に流れ込む前記エアコンからの空気の流量を調節することにより、運転席、助手席、又は後部座席への芳香の供給を断続的に行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、芳香添加部に流れ込むエアコンからの空気の流量を調節することにより、運転席、助手席、又は後部座席への芳香の供給が断続的に行われるので、乗員が芳香に順応してしまうのを抑制でき、これにより、乗員は芳香による快適感を常に得ることができる。
【0008】
また、エアコンからの空気に芳香を添加しているので、当該エアコンからの空気以外に、風圧を感じることがなく、乗員が違和感を覚えることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に係る車両用芳香制御装置が搭載された車両を示している。この車両10には、車両前部の車幅方向右側に運転席11が、運転席11の後方に後部座席12がそれぞれ設けられている。そして、運転席11には運転者13が、後部座席12には乗員14がそれぞれ着座している。なお、図1には示してないが、運転席11の横方(車幅方向左側)には助手席が設けられ、また、後部座席12は車幅方向左側まで延設されている。
【0011】
また、図1において、エアコン15からの空気を運転席11へと導く送風路16と、エアコン15からの空気を後部座席12のうちの右側部分へと導く送風路17とが設けられている。なお、図1には示してないが、エアコン15からの空気を助手席へと導く送風路と、エアコン15からの空気を後部座席12のうちの左側部分へと導く送風路も設けられている。
【0012】
送風路16の先端には空気吹出ノズル18が設けられ、この空気吹出ノズル18は、その空気吹出口(図示省略)が運転者13の頭部に向くよう配置されている。また、送風路17の先端には空気吹出ノズル19が設けられ、この空気吹出ノズル19は、その空気吹出口(図示省略)が乗員14の頭部に向くよう配置されている。エアコン15からの空気を助手席へと導く送風路、及びエアコン15からの空気を後部座席12のうちの左側部分へと導く送風路についても、同様に、空気吹出口を有する空気吹出ノズルが先端にそれぞれ設けられている。
【0013】
図2は、本発明に係る車両用芳香制御装置の全体構成を示している。図2に示すように、この車両用芳香制御装置20は、エアコン15(図1参照)内の送風装置21及び温調装置22にダクト23を介して接続され、送風装置21からの空気を、運転席、助手席、後部右席及び後部左席へと導く送風路16,17,24,25に分配する分配装置(分配部)26と、送風装置21からの空気を取り込むとともに、その空気を芳香剤27Aを通して当該空気に芳香を添加する芳香添加装置(芳香添加部)27と、芳香添加装置27と各送風路16,17,24,25との接続を切り換えて、芳香添加装置27で芳香が添加された空気を各送風路16,17,24,25に順次供給する芳香供給切換部(切換手段)28と、芳香添加装置27に流れ込むエアコン15からの空気の流量を調節する開閉弁(空気流量調節手段)29と、芳香供給切換部28及び開閉弁29を制御する制御回路(制御手段)30とを備えている。
【0014】
図3は、芳香添加装置27及び芳香供給切換部28等の具体例を示している。この具体例においては、図3(a)に示すように、円筒形の芳香剤タンク31が設けられ、この芳香剤タンク31の外周壁31Aに空気配管32が接続されている。この空気配管32は先端が送風装置21(図2参照)に接続され、その途中には開閉弁29が設けられている。なお、芳香剤タンク31には芳香剤27A(図2参照)が収納されている。
【0015】
芳香剤タンク31は、その上面に円形の上面壁31Bを、底面に同じく円形の底面壁(図示省略)をそれぞれ有している。上面壁31Bには4つの貫通孔(図示省略)が設けられ、これら各貫通孔に合致させて、上面壁31B上には円筒形の連結配管33,34,35,36がそれぞれ取り付けられている。これら連結配管33,34,35,36は、上面壁31Bの円周方向に沿って等間隔に配置されている。なお、連結配管33は送風路16に、連結配管34は送風路17に、連結配管35は送風路24に、連結配管36は送風路25にそれぞれ連結される。
【0016】
上面壁31Bの下側には、図3(b)に示すように、円形のロータリーバルブ37(図2における芳香供給切換部28に相当)が設けられている。このロータリーバルブ37は、その中心が上面壁31Bの中心と合致して配置され、上面壁31Bの下側で矢印A1,A2方向に回転自在である。ロータリーバルブ37には円形の貫通孔37Aが形成され、この貫通孔37Aは、ロータリーバルブ37が矢印A1,A2方向に回転したとき、上面壁31B上の連結配管33,34,35,36のいずれにも順次合致するよう構成されている。
【0017】
また、上面壁31B上には、その中央部にアクチュエータ38が搭載され、このアクチュエータ38はロータリーバルブ37を矢印A1,A2方向に回転駆動させる。なお、図3(b)においては、空気配管32及び開閉弁29は省略されている。
【0018】
次に、本実施例の作用を図4を用いて説明する。
【0019】
制御回路30により制御されて、開閉弁29が開になると、送風装置21から空気配管32を介して芳香剤タンク31内に空気が流入する。芳香剤タンク31内に流入した空気には、芳香剤27Aを通過する際に芳香が添加される。また、制御回路30により制御されて、開閉弁29が閉になると、送風装置21から芳香剤タンク31内への空気の流入が停止する。このとき、制御回路30は、図4(a)上部のタイミングチャートに示すように、開閉弁29が開(バルブ開)の時間を短く、開閉弁29が閉(バルブ閉)の時間を長くし、開閉弁29を断続的に開くよう制御する。
【0020】
一方、ロータリーバルブ37は、アクチュエータ38により駆動されて、例えば矢印A1方向に一定の角速度で回転している場合、ロータリーバルブ37の貫通孔37Aは、連結配管33→連結配管34→連結配管35→連結配管36→連結配管33→・・・・・・の順に合致する。つまり、ロータリーバルブ位置は、図4(a)下部のタイミングチャートに示すように、連結配管33(前右)→連結配管34(前左)→連結配管35(後左)→連結配管36(後右)→連結配管33(前右)→・・・・・・の順に変位する。その結果、本実施例においては、図5に示すように、芳香の供給が、運転席→助手席→後部左席→後部右席→運転席→・・・・・・の順に、上面視で円を描くように行われる。
【0021】
上述したように、開閉弁29は断続的に開くよう制御されており、送風装置21からの空気は芳香剤タンク31内に断続的に流入する。そして、送風装置21からの空気が流入したときに、芳香剤タンク31内で芳香が添加された空気が、連結配管33(前右)→連結配管34(前左)→連結配管35(後左)→連結配管36(後右)→連結配管33(前右)→・・・・・・の順に送られる。その結果、本実施例においては、芳香強度は、図4(b)に示すように、送風路16(前右)→送風路25(前左)→送風路24(後左)→送風路17(後右)→送風路16(前右)→・・・・・・の順にパルス状に強くなる。
【0022】
なお、制御回路30は、車室内の温度状況に応じて開閉弁29の開時間(つまり、バルブ開の時間)を制御する。一般に人の嗅覚感覚は雰囲気温度に応じて変化するが、上記のように、車室内の温度状況に応じて開閉弁29の開時間を制御すれば、感覚的に同じ強度の芳香を供給することが可能となり、乗員が受ける違和感や不快感を抑制できる。
【0023】
本実施例によれば、運転席、助手席、後部左席及び後部右席に対して、芳香を含んだ空気が連続的に供給されることがないので、図6に示すように、芳香を含んだ空気が供給されない時間(つまり、芳香強度がゼロとなる休止時間)が生じる。そのため、乗員が芳香に順応(麻痺)してしまうのを抑制でき、乗員は芳香による快適感を常に得ることができる。
【0024】
また、送風装置21からの空気に芳香を添加しているので、送風装置21からの空気以外に、風圧を感じることがなく、乗員が違和感を覚えることもない。
【実施例2】
【0025】
図7及び図8は実施例2を示している。本実施例では、図7に示すように、芳香の供給が、運転席→助手席→後部右席→後部左席→運転席→・・・・・・の順に行われる。
【0026】
車室内の空調の気流は車両前方から後方に大きく流れており、運転席(前右)に芳香を供給すると、後部右席(後右)にもその芳香が影響する。同様に、助手席(前左)に芳香を供給すると、後部左席(後左)にもその芳香が影響する。これに対して、運転席と助手席との間及び後部右席と後部左席との間では、一方に芳香を供給しても他方への影響はない。
【0027】
図7のような順序で芳香を供給すれば、左右同じ側の前後方向の席が連続して芳香供給されることがなくなって、各席に芳香を均一に供給することが可能となる。
【0028】
なお、芳香の供給時の認知強度を大きくするには供給直前の芳香濃度を下げておくのが効果的であるので、本実施例においては、芳香強度は図8のように設定されている。
【0029】
本実施例においても、芳香強度がほぼゼロとなる休止時間が各席毎に生じ、乗員が芳香に順応してしまうのを抑制できるので、乗員は芳香による快適感を常に得ることができる。
【実施例3】
【0030】
図9は実施例3を示している。本実施例においては、乗員の着座状態に応じて、芳香の供給・停止を制御している。すなわち、本実施例では、制御回路30は、開閉弁29を制御して、助手席、後部左席及び後部右席のうち人が着座していない席については、芳香の供給を停止するようにしている。
【0031】
例えば、後部左席及び後部右席に乗員が着座していない場合は、図9(a)に示すように、ロータリーバルブの位置が後部左席(後左)及び後部右席(後右)に相当する箇所にあるときは、開閉弁29を閉にする。このような制御を行えば、図9(b)に示すように、後部左席(後左)及び後部右席(後右)においては芳香強度が常にゼロとなるので、芳香剤27A(図2参照)の使用量を抑えることができ、その結果、車両用芳香制御装置20の寿命を延ばすことが可能となる。
【0032】
なお、図示していないが、助手席、後部左席及び後部右席には、着座検出手段として着座センサが各々設けられており、制御回路30は、前記着座センサからの信号を取り込んで各座席に人が着座しているか否かを判断する。
【実施例4】
【0033】
図10は実施例4を示している。本実施例では、制御回路30は、車室内の温度状況に応じて開閉弁29の弁体の開角度を調節することにより、芳香の強度を制御するようにしている。また、制御回路30は、実施例3の場合と同様、開閉弁29を制御して、乗員が着座していない座席については、芳香の供給を停止するようにしている。
【0034】
本実施例においては、例えば、図10(a)に示すように、後部左席(後左)については開閉弁29の弁体の開角度を全開にして芳香強度を最大に、運転席(前右)については前記開角度を(2/3)にして芳香強度を少し弱くし、助手席(前左)については前記開角度を(1/3)にして芳香強度をもっと弱くする。また、乗員が着座していない後部右席(後右)については、開閉弁29を全閉にして芳香を供給しないようにする。
【0035】
一般に乗員の嗅覚感覚は個人差があるので、上記のように、開閉弁29の弁体の開角度を調節する制御を行えば、各乗員に適した強度の芳香を供給することが可能となる。また、人の嗅覚感覚は雰囲気温度に応じて変化するため、制御回路30は、車室内の温度状況に応じて各座席毎に開閉弁29の弁体の開角度を調節するようにする。この場合、空調パネル等に操作スイッチを設けておき、その操作スイッチを乗員が操作することにより、芳香強度を好みの強さに設定できるようにしておくのがよい。
【実施例5】
【0036】
図11は実施例5を示している。一般に、乗員の芳香強度は、メーカにおいてパネル評価によりその初期値が設定されている。そして、その設定された芳香強度に対して、乗員が操作部を操作することにより、好みに応じて芳香強度を加減できるようになっている。例えば、常温時に対し温度が上がるに従って嗅覚感覚は低下するため、乗員が操作部を操作して、オートエアコンの送風温度に応じて放出芳香強度が変更される。図11は、開閉弁29のバルブ開度制御の制御ロジック中に、オートエアコンの温度制御情報を用いて前記開度を決定する一例を示したものである。
【0037】
図11においては、先ず、各乗員の芳香強度に関する前回のデータが有るか否か判断され(ステップS1)、データがある場合は、そのデータが乗員補正芳香強度Sfとして入力され(ステップS2)、データがない場合は、メーカでのパネル評価によるデータである初期設定芳香強度Sf0が入力される(ステップS3)。
【0038】
ステップS1又はS2の後、乗員が操作部を操作して芳香強度補正SW操作がどの位の操作量で実行されたか否か判断される(ステップS4)。操作量がゼロ(操作無)の場合は、そのままステップS7へ進む。操作量がマイナス方向で芳香強度を減少させる操作が有った場合(操作有−)は、Sf=Sf−βが実行され(ステップS5)、その後、ステップS7へ進む。操作量がプラス方向で芳香強度を増加させる操作が有った場合(操作有+)は、Sf=Sf+βが実行され(ステップS6)、その後、ステップS7へ進む。
【0039】
次に、オートエアコンによる検出室温(車室内温度)Troomが入力される(ステップS7)。
【0040】
制御回路30には、検出室温Troomと室温対応芳香強度係数αとの相関関係のデータが予め記憶されていて、ステップS7で入力された検出室温Troomに対応する室温対応芳香強度係数αが決定される(ステップS8)。
【0041】
そして、ステップS5又はS6で算出された設定芳香強度Sfに、ステップS8で決定された室温対応芳香強度係数αを掛け合わせて温度補正放出芳香強度Sftを算出する(ステップS9)。
【0042】
本実施例によれば、乗員が常時感じている温度環境を車室内温度から検出し、それに応じた芳香強度を自動的に算出することが可能となる。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記各実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記各実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0044】
例えば、図5においては、芳香の供給が、運転席→助手席→後部左席→後部右席の順に上面視で反時計回りに円を描くように行われる場合を示したが、運転席→後部右席→後部左席→助手席の順に上面視で時計回りに円を描くように、芳香を供給してもよい。
【0045】
また、後部座席については、後部右席と後部左席の場合に限って説明してきたが、後部右席と後部左席に加えて後部中央席に、芳香を含む空気を導く場合にも、本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る車両用芳香制御装置が搭載された車両を示す図である。
【図2】本発明に係る車両用芳香制御装置の全体構成図である。
【図3】芳香添加装置及び芳香供給切換部等の具体例を示しており、(a)はそれらの外観斜視図、(b)は分解斜視図である。
【図4】実施例1による車両用芳香制御装置の動作を示しており、(a)は開閉弁及びロータリーバルブの動作を示す図、(b)は各座席における芳香強度の変化を示す図である。
【図5】実施例1において、車室内に芳香を供給する順序を示す図である。
【図6】図5において、芳香が供給されない休止時間が形成されることを説明する図である。
【図7】実施例2において、車室内に芳香を供給する他の順序を示す図である。
【図8】図7において、芳香が供給されない休止時間が形成されることを説明する図である。
【図9】実施例3による車両用芳香制御装置の動作を示しており、(a)は開閉弁及びロータリーバルブの動作を示す図、(b)は各座席における芳香強度の変化を示す図である。
【図10】実施例4による車両用芳香制御装置の動作を示しており、(a)は開閉弁及びロータリーバルブの動作を示す図、(b)は各座席における芳香強度の変化を示す図である。
【図11】実施例5による車両用芳香制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
15 エアコン
16,17,24,25 送風路
20 車両用芳香制御装置
21 送風装置
23 ダクト
26 分配装置(分配部)
27 芳香添加装置(芳香添加部)
27A 芳香剤
28 芳香供給切換部(切換手段)
29 開閉弁(空気流量調節手段)
30 制御回路(制御手段)
31 芳香剤タンク
32 空気配管
37 ロータリーバルブ
38 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンにダクトを介して接続され、当該エアコンからの空気を、運転席、助手席、及び後部座席へと導く各送風路に分配する分配部と、
前記エアコンからの空気を取り込むとともに、その空気に芳香を添加する芳香添加部と、
前記芳香添加部と前記各送風路との接続を切り換えて、該芳香添加部で芳香が添加された空気を前記各送風路に順次供給する切換手段と、
前記芳香添加部に流れ込む前記エアコンからの空気の流量を調節する空気流量調節手段と、
前記切換手段び前記空気流量調節手段を制御する制御手段とを備えた車両用芳香制御装置であって、
前記制御手段は、前記空気流量調節手段を制御して、前記芳香添加部に流れ込む前記エアコンからの空気の流量を調節することにより、運転席、助手席、又は後部座席への芳香の供給を断続的に行うことを特徴とする車両用芳香制御装置。
【請求項2】
前記空気流量調整手段は開閉弁であり、
前記制御手段は、車室内の温度状況に応じて前記開閉弁の開時間を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用芳香制御装置。
【請求項3】
前記空気流量調整手段は開閉弁であり、
前記制御手段は、車室内の温度状況に応じて前記開閉弁の弁体の開角度を調節することにより、芳香の強度を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用芳香制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記開時間の制御及び前記開角度の調節を、運転席、助手席、及び後部座席の複数箇所毎に行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用芳香制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記切換手段を制御して、運転席、助手席、及び後部座席の複数箇所に対して上面視で円を描くように、芳香の供給を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用芳香制御装置。
【請求項6】
乗員の着座を検出する着座検出手段を有し、
前記制御手段は、前記着座検出手段にて検出した乗員の着座状態に応じて、前記空気流量調節手段を制御して、乗員が着座していない席については、芳香の供給を停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用芳香制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−89685(P2010−89685A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262910(P2008−262910)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】