説明

車両用表示装置

【課題】浮遊感を高めた斬新な視覚効果を得ることができる車両用表示装置を提供する。
【解決手段】車両用表示装置11は、車両1のインストルメントパネル4の上面5に設けられた、該上面5との間に車両1の室内2側とフロントウインドウシールド3側とを連通する空間6dを備えた、メータフード6内に配設されている。そして、車両用表示装置11は、メータフード6の天井部分6cに、ケース20の床板部21の上面21aと相対して設けられた表示装置30と、この表示装置30から発光された表示光Lを車両1の室内2のアイポイントEPに向けて反射するように空間6d内に設けられたコンバイナユニットと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用表示装置に関し、特に、発光表示源が発する表示光を透光性の反射板で反射させることにより虚像を形成して乗員に視認させる車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、各種メータなどの車両用表示装置が搭載されている。このような車両用表示装置は、例えば、走行速度やエンジン回転数などの車両の運転に際して必要な情報を運転者等の乗員に表示するためのものであるところ、近年では、差別化・高付加価値化のために、情報を単に表示するだけではなく、高級感などを演出するような新規な視覚効果を付加して表示することが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1に示されている車両用表示装置としてのコンビネーションメータ901は、図11に示すように、文字板902及び指針903の実像と、ハーフミラー910上に結像される背景板912上に形成された背景パタン913の虚像999と、を重ねて乗員に視認させるものである。このようなコンビネーションメータ901によれば、図12に示すように、虚像999が、文字板902(即ち、目盛921、数値922、文字923)及び指針903の実像の背後に視認されるので、これら実像が虚像999上に浮いているような視覚効果を得ることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−308488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したようなコンビネーションメータでは、そのケースの閉じた空間内の暗色等の背景上に虚像を表示するものであるので、乗員は、その表示が虚像であるのか実像であるのか判別しづらく、単に虚像の位置に表示器があるものと認識するだけとなってしまい、そのため、表示の浮遊感に乏しく、それ以前の車両用表示装置による表示の域を超えるような新規な視覚効果を得られるものではなかった。
【0006】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、浮遊感を高めた斬新な視覚効果を得ることができる車両用表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、車両のインストルメントパネルの上面に設けられ、前記上面との間に前記車両の室内側とフロントウインドウシールド側とを連通する空間を備えた、メータフード内に配設される車両用表示装置であって、前記メータフードの天井部分に前記上面と相対して設けられた発光表示源と、前記発光表示源から発光された表示光を前記車両の室内のアイポイントに向けて反射するように前記空間内に設けられた透光性の反射板と、を有していることを特徴とする車両用表示装置である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記空間内には、前記表示光が前記反射板で反射されることによって前記空間内に形成される虚像と間隔をあけて配された構造物が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記構造物が、前記上面における前記反射板より前記フロントウインドウシールド側の部分に突設された突出部材であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記構造物が、前記虚像より前記フロントウインドウシールド側に前記虚像と並設された板状部を有する背景部材であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、前記背景部材が、光源をさらに有しており、前記板状部が、前記光源の光を導いて前記車両の室内側に向けて出光する透明な導光板であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載された発明において、前記反射板が、光の透過率を変更可能な透過率可変反射板であり、前記車両用表示装置が、前記上面における前記アイポイントから前記空間を通じて視認される部分によって前記車両外からの外光が照り返されることにより生じる照り返し光の照度を検出する照度検出手段と、前記照度検出手段によって検出された前記照度に応じて、前記透過率可変反射板の透過率を変更する透過率変更手段と、をさらに有していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載された発明において、前記発光表示源には、一方向に振動する光成分のみ通過させる表示源側偏光フィルタが設けられており、前記反射板には、前記一方向と直交する他方向に振動する光成分のみ通過させる反射板側偏光フィルタが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載された発明において、前記上面における、前記表示光が前記反射板で反射されることによって前記空間内に形成される虚像を前記アイポイントから視認したときに該虚像と重なる、部分には、断面がくさび状で先端が前記車両の室内側を向くように形成された、前記車両の室内側から前記フロントウインドウシールドに向かう方向に沿って並列された、複数の凸条からなる照り返し防止部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載された発明によれば、メータフードの天井部分にインストルメントパネルの上面と相対して設けられた発光表示源と、車両の室内側とフロントウインドウシールド側とを連通するメータフードの空間内に、この発光表示源から発光された表示光を該室内のアイポイントに向けて反射するように設けられた透光性の反射板と、を有しているので、乗員において、メータフードが陰となって反射板が視認しづらく、上記空間内には何も存在しないように見え、そして、発光表示源の表示光が反射板で反射されることによって上記空間内に表示光の虚像が形成される。そのため、アイポイントから上記空間を通じて視認されるインストルメントパネルの上面などを背景として、上記空間内に虚像が視認されて、何も存在しない開放感ある上記空間内に虚像が浮かび上がるような浮遊感ある斬新な視覚効果を得ることができる。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、メータフードが備える空間内には、発光表示源の表示光が反射板で反射されることによって上記空間内に形成される虚像と間隔をあけて配された構造物が設けられているので、乗員がこの構造物と虚像とを同時に視認することによりそれぞれの位置を比較して、虚像に対する距離感を容易に把握することができ、視認性を向上させることができる。
【0017】
請求項3に記載された発明によれば、構造物が、インストルメントパネルの上面における反射板よりフロントウインドウシールド側の部分に突設された突出部材であるので、この突出部材は虚像の下方又は概ね下方に位置し、そのため、乗員は、虚像がこの突出部材の上方に浮かび上がっているように視認して、虚像に対する距離感を容易に把握することができるとともに、さらに浮遊感ある視覚効果を得ることができる。
【0018】
請求項4に記載された発明によれば、構造物が、虚像よりフロントウインドウシールド側に該虚像と並設された板状部を有する背景部材であるので、この背景部材の板状部は、乗員から見て虚像の背面側に位置し、そのため、乗員は、虚像がこの背景部材より手前にあるように視認して虚像に対する距離感を容易に把握することができる。
【0019】
請求項5に記載された発明によれば、背景部材が、光源をさらに有しており、そして、背景部材の板状部が、光源の光を導いて車両の室内側に向けて出光する透明な導光板であるので、虚像をその背面側から照らすことができ、虚像に対する距離感を容易に把握することができるとともに、より斬新な視覚効果を得ることができる。
【0020】
請求項6に記載された発明によれば、反射板が、光の透過率を変更可能な透過率可変反射板であり、車両用表示装置が、インストルメントパネルの上面におけるアイポイントからメータフードの空間を通じて視認される部分によって車両外からの外光が照り返されることにより生じる照り返し光の照度を検出する照度検出手段と、この照度検出手段によって検出された照り返し光の照度に応じて、透過率可変反射板の透過率を変更する透過率変更手段と、をさらに有しているので、インストルメントパネルの上面におけるアイポイントから上記空間を通じて視認される部分、つまり、虚像の背景となる部分によって照り返された光の照度を検出して、この照度に応じて反射板の透過率を変更することにより、虚像とその背景との輝度の差(コントラスト)を適切に調整することができ、そのため、虚像の視認性を向上させることができる。
【0021】
請求項7に記載された発明によれば、発光表示源には、一方向に振動する光成分のみ通過させる表示源側偏光フィルタが設けられており、反射板には、上記一方向と直交する他方向に振動する光成分のみ通過させる反射板側偏光フィルタが設けられているので、表示源側偏光フィルタを通過した表示光は、一方向に振動する光成分のみとなり、そして、この光成分は、該一方向と直交する他方向に振動する光成分を含まないので反射板側偏光フィルタを通過することができず、そのため、表示光が反射板を直線的に抜けることにより生じる漏れ光を防止でき、インストルメントパネルの上面で反射された漏れ光によるハレーション、及び、車両用表示装置がフロントウインドウシールドに写り込んだ像からの漏れ光によるハレーションを防止することができる。
【0022】
請求項8に記載された発明によれば、インストルメントパネルの上面における、メータフードの空間内に形成される虚像をアイポイントから視認したときに該虚像と重なる、部分には、断面がくさび状で先端が車両の室内側を向くように形成された、車両の室内側から前記フロントウインドウシールドに向かう方向に沿って並列された、複数の凸条からなる照り返し防止部が設けられているので、照り返し光が上記空間を通じてアイポイントに向かうことのないように、複数の凸条の先端の向きを適宜調整して照り返し防止部を設けることで、アイポイントに向かう照り返し光を防ぐことができ、虚像の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態である車両用表示装置を備えた車両の室内の斜視図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】図1の車両用表示装置の斜視図である。
【図4】図1の車両用表示装置が備える表示装置の液晶セルの動作を説明する図である。
【図5】図1の車両用表示装置が備える制御基板の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図1の車両用表示装置のインストルメントパネルへの組み付けを説明する図である。
【図7】図1の車両用表示装置の表示例を説明する図であって、(a)は、虚像が表示されていない状態を示し、(b)は、走行速度を示す虚像が表示された状態を示し、(c)は、エンジン回転数を示す虚像が表示された状態を示す。
【図8】車両用表示装置のコンバイナユニット(反射板)が偏光フィルタ層を有しない場合に生じる漏れ光によるハレーションを説明するための図である。
【図9】図1の車両用表示装置の変形例(背景部材)の構成を示す断面図である。
【図10】図1の車両用表示装置の他の変形例(照り返し防止部)の構成を示す断面図である。
【図11】従来の車両用表示装置を説明する断面図である。
【図12】図11の車両用表示装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る車両用表示装置の一実施形態を、図1〜図10を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、車両1には、その室内2における車両1前方にフロントウインドウシールド3が設けられており、このフロントウインドウシールド3の下方には、インストルメントパネル4が設けられている。
【0026】
インストルメントパネル4(以下、インパネ4という)は、黒色の合成樹脂などを用いて構成されており、後述する車両用表示装置11や図示しない各種操作スイッチなどが設けられている。このインパネ4の上面5は、つや消し加工が施されているとともに、図2に示すように、車両1の前後方向(図2の左右方向)における中央部付近に緩やかな凹曲面部5aが形成されている。そして、この凹曲面部5aの運転席正面の部分には、車両用表示装置11が組み付けられる長方形状の開口5bと、該開口5bに覆い被さるメータフード6が設けられている。
【0027】
メータフード6は、車両1の幅方向(図2の手前−奥方向)に間隔をあけて互いに相対するように凹曲面部5aに立設された、開口5bを間に挟む、略台形板状の一対の側壁部分6a、6bと、これら一対の側壁部分6a、6bの先端に長手方向両端部が連接されるとともに、上面5と平行に且つ間隔をあけて相対するように配設された長方形板状の天井部分6cと、を有しており、略コ字状に構成されている。
【0028】
また、メータフード6は、一対の側壁部分6a、6bと天井部分6cとによって囲われた、室内2側とフロントウインドウシールド3側とを連通する、空間6dを有している。なお、メータフード6は、このような形状に限らず、例えば、インパネ4の上面5と滑らかに連続するように形成された円弧状の天井部分のみからなるアーチ形状など、少なくとも室内2側とフロントウインドウシールド3側とを連通する空間を備えているものであればよい。
【0029】
車両用表示装置11は、図2、図3に示すように、ケース20と、発光表示源としての表示装置30と、反射板としてのコンバイナユニット40と、制御基板50と、を備えている。車両用表示装置11は、上述したメータフード6、空間6d、及び、インパネ4の開口5bにまたがって配設される。
【0030】
ケース20は、床板部21と、一対の側板部22、23と、収容部24と、を有している。
【0031】
床板部21は、インパネ4の開口5bと略同一の長方形板状に形成されており、この開口5b内に配設される。また、床板部21の上面21aは、インパネ4の上面5と連続する面となるように形成されている。つまり、本実施形態においては、インストルメントパネル4の上面5と床板部21の上面21aとが、請求項中の上面に相当する。
【0032】
一対の側板部22、23は、略直角三角形板状に形成されており、一の鋭角部22a、23aが床板部の一方の面21aと同方向(図2の上方)を向くようにして、床板部21の長手方向両端部に垂直に立設されている。一対の側板部22、23は、それぞれメータフード6の一対の側壁部分6a、6bの内側(即ち、空間6d側)の面に設けられた凹部(図示なし)内に配設される。
【0033】
収容部24は、全長(即ち、長手方向の長さ)が床板部21の全長と略同一で、且つ、幅(即ち、短手方向の長さ)が床板部21の幅より大きい平面視長方形状の平たい中空箱状に形成されている。収容部24は、床板部21と平行で且つ下面24aが床板部21の上面21aと間隔をあけて相対するように、下面24aが一対の側板部22、23の一の鋭角部22a、23aに連接されている。収容部24の下面24aには、長手方向が収容部24の全長方向に沿う長方形状の開口24bが形成されている。収容部24は、メータフード6の天井部分6cの内側の面に設けられた凹部6e内に配設される。
【0034】
また、床板部21の上面21aには、突出部材25が一体に設けられている。突出部材25は、断面が半円形状の凸条であって、上面21aにおける短手方向両端部のうち一対の側板部22、23の直角部22b、23b側(図2の左側、つまり、フロントウインドウシールド3側)の端部に、床板部21の長手方向に沿って配置されている。この突出部材25は、後述する虚像Kが表示されたときに、該虚像Kとの間に間隔があくように設けられている。なお、車両用表示装置11は、突出部材25を設けない構成であってもよい。
【0035】
表示装置30は、周知の液晶ディスプレイ(LCD)装置である。表示装置30は、後述の制御基板50から制御信号を受けることにより、複数の液晶セルからなる液晶ディスプレイ上に該制御信号に応じた文字や図形などの表示情報を形成し、そして、この表示情報がバックライトによって背面から照らされることによって、該表示情報に対応する表示光Lが表示面30aから発光される。表示装置30は、表示面30aが収容部24の開口24bから露出するようにして、収容部24に収容されている。即ち、表示装置30は、メータフード6の天井部分6cに床板部21の上面21aと相対して設けられている。
【0036】
図4に、表示装置30の液晶セル300の1セル部分の一例を模式的に示す。液晶セル300は、対向配置された一対の電極基板301、302と、これら一対の電極基板301、302の間に保持された液晶層303と、一方の電極基板301に重ねて配置される入光偏光フィルタ304と、他方の電極基板302に重ねて配置される出光偏光フィルタ305と、で構成される。また、出光偏光フィルタ305における電極基板302と反対側の面が、表示光Lが発光される表示面30aとなる。
【0037】
一対の電極基板301、302の間に保持された液晶層303は、電圧が印加されていない通常時(電圧OFF時)には電極基板301、302の表面の配向膜(図示省略)に対してほぼ垂直に起立した状態に配向している。このため、入光偏光フィルタ304側から入光されるバックライトによる照明光306は、液晶分子の旋光性の影響を殆ど受けること無く液晶セル300を素通りし、光吸収軸(即ち、通過させる光成分の振動方向)が互いに直交するように配置された入光偏光フィルタ304及び出光偏光フィルタ305の両方によって吸収(即ち、遮断)されてしまい、表示面30a側へは透過しない。これにより、液晶セル300の非選択時の画素は暗表示の部分として視認される。一方、電圧が印加されると約90度の捩れ配向処理が施された両電極基板301、302上の配向膜に従って両電極基板301、302間で約90度捩れた状態で液晶層303の液晶分子は配向されるので、その旋光性により照明光306は約90度旋光する。こうして入光偏光フィルタ304及び出光偏光フィルタ305の両方を透過した光が明表示の部分として視認される。そして、複数の液晶セル300を別個独立に制御することによって、暗表示の部分と明表示の部分とを組み合わせて表示情報を形成する。本実施形態において、出光偏光フィルタ305は、車両1の幅方向(即ち、請求項中の一方向)に振動する光成分のみ通過させるように設けられている。なお、出光偏光フィルタ305が、請求項中の表示源側偏光フィルタに相当する。
【0038】
コンバイナユニット40は、後述する制御基板50からの制御信号によって光の透過率を変更できる(即ち、透光性の)長方形板状の透過率可変反射板である。コンバイナユニット40は、順次積層されたハーフミラー層41と、エレクトロクロミック層42と、反射板側偏光フィルタとしての偏光フィルタ層43と、を有している。
【0039】
ハーフミラー層41は、板ガラスと、該板ガラスの一方の面に蒸着された錫や銀などの光半透過膜と、を有する、周知のハーフミラーである。エレクトロクロミック層42は、例えば、薄膜状のエレクトロクロミック素子を一対の透明導電膜で狭持して構成されており、一対の透明導電膜に印加する電圧に応じて光の透過率が変化するものである。偏光フィルタ層43は、一つの方向に振動する光成分のみ通過させる、周知の偏光フィルタである。偏光フィルタ層43は、車両1の前後方向(即ち、請求項中の他方向)に振動する光成分のみ通過させるように設けられている。つまり、上述した出光偏光フィルタ305が一方向に振動する光成分のみ通過させるところ、偏光フィルタ層43は、この一方向と直交する他方向に振動する光成分のみ通過させる。
【0040】
コンバイナユニット40は、その長手方向両端部が、一対の側板部22、23の斜辺部22c、23cによって、床板部21に対し傾斜して支持されている。これにより、コンバイナユニット40は、空間6d内に、ハーフミラー層41が室内2側を向き且つ偏光フィルタ層43がフロントウインドウシールド3側を向くように配設されている。また、コンバイナユニット40の傾斜角度は、表示装置30の表示面30aから発光された表示光Lが、車両1の室内2のアイポイントEPに向けて反射されるように調整されている。即ち、コンバイナユニット40は、表示装置30から発光された表示光Lを車両1の室内2のアイポイントEPに向けて反射するように空間6d内に設けられている。
【0041】
本実施形態において、コンバイナユニット40は、ハーフミラー層41、エレクトロクロミック層42、偏光フィルタ層43からなる三層構造であったが、少なくともハーフミラー層41を備えていればよく、エレクトロクロミック層42及び偏光フィルタ層43については備えることが好ましいが、これら一方又は両方を含まない構成でもよい。
【0042】
また、本実施形態においては、一定の方向に振動する光成分のみ通過させる吸収型の偏光フィルタを偏光フィルタ層43に用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、反射型の偏光フィルタ(即ち、偏光ビームスプリッタ)からなる偏光フィルタ層とハーフミラー層とを兼ねる偏光反射層を設けて、この偏光反射層のフロントウインドウシールド3側にエレクトロクロミック層42を重ねてコンバイナユニット40を構成しても良い。このようにすることで、上述した本実施形態では、表示光Lが、コンバイナユニット40のハーフミラー層41を構成する板ガラスの一方の面に設けられた半透過膜によって反射され、この半透過膜を通過した表示光Lの一部の光成分が、上記板ガラスの他方の面によって反射されて、虚像Kが二重に視認されてしまう場合があるが、コンバイナユニット40の室内2側に(即ち、表示装置30と相対するように)偏光反射層を設けることで、このような虚像Kが二重に視認されることを防止できる。
【0043】
制御基板50は、各種電子部品が実装された周知のプリント基板である。制御基板50には、図5に示すように、マイクロコンピュータ51(以下、CPU51という)と、ROM52と、RAM53と、インタフェース部51i(以下、I/F51iという)と、LCDドライバ57と、照度センサ58と、が設けられている。
【0044】
CPU51は、車両用表示装置11全体の制御を司り、ROM52に記憶されているプログラムに従った制御を行う。CPU51は、図示しない電源回路を介して車両のバッテリから供給される電力によって動作する。CPU51は、I/F51iを介して車両のイグニッションスイッチ(IGN+)のOFF状態からON状態への変化(即ち、電源投入)に応じて起動し、IGN+のON状態からOFF状態への変化に応じて動作を終了する。
【0045】
CPU51は、I/F51iを介して、車両が単位距離走行する毎に走行パルスを出力する走行センサ(不図示)からの走行パルス信号(速度信号)と、エンジン点火系の一構成要素として構成されるイグニッションコイル(不図示)からのエンジン回転数に比例したパルス信号(エンジン回転数信号)と、が入力される。CPU51は、速度信号が入力されると、その信号が示す走行速度を走行速度情報として取得する。また、CPU51は、エンジン回転数信号が入力されると、その信号が示すエンジン回転数をエンジン回転数情報として取得する。
【0046】
ROM52は、照度検出手段、透過率変更手段、及び、走行速度やエンジン回転数等を表示する情報表示制御手段等の各種手段としてCPU51を機能させるための制御プログラム等を記憶している。CPU51は、この制御プログラムを実行することで、上記各種手段等として機能することになる。RAM53は、各種のデータを格納するとともにCPU51の処理作業に必要なエリアを有している。
【0047】
CPU51には、LCDドライバ57が接続されている。LCDドライバ57には、表示装置30が電気的に接続されており、CPU51からの制御信号により表示装置30を駆動させる。表示装置30は、CPU51からの要求に応じた各種情報を表示(即ち、表示情報に対応する表示光を発光)することが可能な構成となっている。そして、本実施形態において、LCDドライバ57は、CPU51からの制御信号に基づいて、表示要求された各種情報(車両の走行速度、及び、エンジン回転数)を、表示装置30に表示させる。
【0048】
CPU51には、インパネ4に設けられた操作スイッチ7が接続されている。そして、CPU51は、操作スイッチ7の押下を検出して、この押下毎に、表示装置30に表示される情報を、走行速度又はエンジン回転数に交互に切り替える。
【0049】
CPU51には、I/F51iを介して、照度センサ58からの照度信号が入力される。照度センサ58は、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタなどの光検知素子を備えており、検知した照度(光量)に応じた照度信号を出力する周知の電子部品である。照度センサ58は、制御基板50の下面50aに、収容部24の下面24aに設けられた貫通孔24cを通じて、インパネ4の上面5におけるアイポイントEPからメータフード6の空間6dを通じて視認される部分(即ち、凹曲面部5a)に向くように実装されている。そして、照度センサ58は、該凹曲面部5aによって車両1外からの外光Eが照り返されることにより生じる照り返し光E’の照度を検知する。
【0050】
CPU51には、I/F51iを介してコンバイナユニット40が接続されている。CPU51は、照度センサ58からの照度信号を受信すると、該照度信号が示す照度を検出して、検出した照度に応じた制御信号をコンバイナユニット40に出力する。具体的には、照度が高いときは、コンバイナユニット40の透過率を下げる制御信号を出力し、照度が低いときは、コンバイナユニット40の透過率を上げる制御信号を出力する。
【0051】
次に、上述した車両用表示装置11のインパネ4への組み付けの一例について、図6を参照して説明する。
【0052】
車両用表示装置11のケース20には、図6に示すように、ケース20をインパネ4に固定するための爪付ボス26と、ブラケット27と、が設けられている。爪付ボス26は、太さの異なる2つの円柱が同軸に重ねられて構成されており、床板部21の下面21bにおけるフロントウインドウシールド3側の端部近傍に垂直に立設されている。爪付ボス26の先端には、弾性変形可能な爪部26aが設けられている。ブラケット27は、矩形板状に形成されており、床板部21の下面21bにおける室内2側の端部近傍に、コンバイナユニット40と平行になるように傾斜されて、室内2側に向けて突設されている。ブラケット27には、ねじ孔27aが設けられている。
【0053】
以下、組み付け手順を説明する。(1)まず、車両用表示装置11を、そのケース20の床板部21をインパネ4の開口5bに向けて上方から近づけて、床板部21を開口5b内に収容する。すると、爪付ボス26の先端が、開口5b内のフロントウインドウシールド3側に設けられたリブ8の爪受孔8aに挿入されて、爪部26aが該爪受孔8aに係止され、これと同時に、ブラケット27が、開口5b内の室内2側に設けられたリブ9に重ねられる。
【0054】
(2)それから、ブラケット27のねじ孔27aにタッピングネジTを挿入して、該タッピングネジTをリブ9と螺合させることにより、ブラケット27とリブ9とを固定する。
【0055】
(3)そして、リブ9及びブラケット27を覆うカバー部材としてのメータクラスタ10をインパネ4に取り付けたのち、メータフード6の一対の側壁部分6a、6b及び天井部分6cに設けられた各凹部内に、ケース20の一つの側板部22、23及び収容部24が配設されるように、車両用表示装置11にメータフード6を被せて固定することにより、組み付けが完了する。このように、インパネ4の上面5に車両用表示装置11を組み付けるので、車両用表示装置11の組み付け作業及び取り外し作業を容易に行うことができる。なお、図6の爪付ボス26、ブラケット27、リブ8、9、及び、メータクラスタ10については、車両用表示装置11の組み付けに関するものであるので、他図での記載を省略している。
【0056】
次に、上述した車両用表示装置11の本発明に係る動作例(作用)について説明する。
【0057】
コンバイナユニット40は、メータフード6の空間6dに配設されているので、メータフード6が陰となって乗員から視認されづらい。そして、コンバイナユニット40は、フロントウインドウシールド3側から空間6d内に入射した光を室内2側に向けて透過させるので、空間6dを通じてインパネ4の上面5(凹曲面部5a)が視認される。そのため、空間6dは、図7(a)に示すように、筒抜けの開放された空間として認識される。
【0058】
そして、イグニッションスイッチがON状態になり、車両用表示装置11が動作を開始すると、表示装置30が、表示情報を示す表示光Lを発光して、コンバイナユニット40が、この表示光LをアイポイントEPに向けて反射する。これにより、図7(b)に示すように、凹曲面部5aを背景として、空間6d内に浮かび上がる虚像K(走行速度)が視認される。
【0059】
また、虚像Kは、乗員から見て空間6dの奥側、即ち、コンバイナユニット40のフロントウインドウシールド3側に浮かび上がるように視認され、そして、ケース20の床板部21におけるフロントウインドウシールド3側の端部には突出部材25が設けられているので、虚像Kは、この突出部材25の上方に間隔をあけて浮かび上がるように視認される。そして、操作スイッチ7が押下されると、図7(c)に示すように、虚像K(走行速度)が他の情報を示す虚像K’(エンジン回転数)に切り替わる。
【0060】
また、CPU51が、照度検出手段及び透過率変更手段として機能して、照度センサ58が検知した凹曲面部5aによる照り返し光E’の照度を検出して、この検出した照度に応じてコンバイナユニット40の透過率を変更する。
【0061】
また、表示装置30の出光偏光フィルタ305が、車両1の幅方向に振動する光成分のみ通過させるように設けられており、コンバイナユニット40の偏光フィルタ層43が、車両1の前後方向に振動する光成分のみ通過させるように設けられているので、表示光Lには、車両1の幅方向に振動する光成分のみ含まれ、そして、この光成分には、車両1の前後方向に振動する光成分は含まれないので、偏光フィルタ層43を通過できず、そのため、表示光Lがコンバイナユニット40を直線的に通過して生じる漏れ光M(図8)を防止できる。
【0062】
以上より、本発明によれば、メータフード6の天井部分6cに、床板部21の上面21aと相対して設けられた表示装置30と、車両1の室内2側とフロントウインドウシールド3側とを連通するメータフード6の空間6d内に、この表示装置30から発光された表示光Lを該室内2のアイポイントEPに向けて反射するように設けられた透光性のコンバイナユニット40と、を有しているので、乗員において、メータフード6が陰となってコンバイナユニット40が視認しづらく、上記空間6d内には何も存在しないように見え、そして、表示装置30の表示光Lがコンバイナユニット40で反射されることによって上記空間6d内に表示光Lの虚像Kが形成される。そのため、アイポイントEPから上記空間6dを通じて視認されるインストルメントパネル4の上面5(凹曲面部5a)などを背景として、上記空間6d内に虚像Kが視認されて、何も存在しない開放感ある上記空間6d内に虚像Kが浮かび上がるような浮遊感ある斬新な視覚効果を得ることができる。
【0063】
また、メータフード6が備える空間6d内には、虚像Kと間隔をあけて配された構造物としての突出部材25が設けられているので、乗員がこの突出部材25と虚像Kとを同時に視認することによりそれぞれの位置を比較して、虚像Kに対する距離感を容易に把握することができ、視認性を向上させることができる。
【0064】
また、突出部材25が、ケース20の床板部21の上面21aにおけるコンバイナユニット40よりフロントウインドウシールド3側の端部に突設されているので、この突出部材25は虚像Kの下方又は概ね下方に位置し、そのため、乗員は、虚像Kがこの突出部材25の上方に浮かび上がっているように視認して、虚像Kに対する距離感を容易に把握することができるとともに、さらに浮遊感ある視覚効果を得ることができる。
【0065】
また、コンバイナユニット40が、光の透過率を変更可能な透過率可変反射板であり、車両用表示装置11が、インストルメントパネル4の上面5におけるアイポイントEPからメータフード6の空間6dを通じて視認される部分(即ち、凹曲面部5a)によって車両1外からの外光Eが照り返されることにより生じる照り返し光E’の照度を検出して、この検出された照り返し光E’の照度に応じて、コンバイナユニット40の透過率を変更するCPU51(即ち、照度検出手段及び透過率変更手段)と、をさらに有しているので、インストルメントパネル4の凹曲面部5a、つまり、虚像Kの背景となる部分によって照り返された光の照度を検出して、この照度に応じてコンバイナユニット40の透過率を変更することにより、虚像Kとその背景との輝度の差(コントラスト)を適切に調整することができ、そのため、虚像Kの視認性を向上させることができる。
【0066】
また、表示装置30には、車両の幅方向に振動する光成分のみ通過させる出光偏光フィルタ305が設けられており、コンバイナユニット40には、車両の前後方向に振動する光成分のみ通過させる偏光フィルタ層43が設けられているので、出光偏光フィルタ305を通過した表示光Lは車両の幅方向に振動する光成分のみとなり、そして、この光成分は、車両の前後方向に振動する光成分を含まないので偏光フィルタ層43を通過することができず、そのため、図8に示すような、表示光Lがコンバイナユニット40を直線状に抜けることにより生じる漏れ光Mを防止でき、床板部21の上面21aで反射された漏れ光Mによるハレーション、及び、車両用表示装置11がフロントウインドウシールド3に写り込んだ像11’からの漏れ光M’によるハレーション(即ち、フロントウインドウシールド3の上に生じる発光)を防止することができる。
【0067】
また、インパネ4の上面5に車両用表示装置11を組み付けるので、車両用表示装置11の組み付け作業及び取り外し作業を容易に行うことができる。
【0068】
本実施形態においては、ケース20の床板部21の上面21aに突出部材25が設けられているものであったが、これに限定されるものではなく、突出部材25に代えて、又は、突出部材25とともに、図9に示すような、光源61と板状部としての導光板62とを有する背景部材60が設けられていてもよい。
【0069】
光源61は、床板部21のフロントウインドウシールド3側の端部近傍に上方を向くように配設されている。導光板62は、虚像Kの背面(フロントウインドウシールド3側)に該虚像Kと間隔をあけて略平行に設けられている。つまり、導光板62は、虚像Kの背面に間隔をあけて並設されている。また、導光板62は、その一つの端面と光源61とが対向するように配置されている。導光板62は、拡散ビーズを含む透明な合成樹脂で構成されている。
【0070】
車両1のイグニッションスイッチがON状態になると、光源61が点灯されて、その光が導光板62に入光される。そして、導光板62に入光された光は、拡散ビーズによって拡散されて、室内2側に向けて出光される。これにより、導光板62は、発光する構造物として視認される。
【0071】
このように、背景部材60が、虚像Kよりフロントウインドウシールド3側に該虚像Kと並設された導光板62を有するので、この導光板62は、乗員から見て虚像Kの背面側に位置し、そのため、乗員は、虚像Kがこの導光板62より手前にあるように視認して虚像に対する距離感を容易に把握することができる。
【0072】
また、背景部材60が、光源61を有しており、そして、導光板62が、光源61の光を導いて車両の室内2側に向けて出光するので、虚像Kをその背面側から照らすことができ、虚像Kに対する距離感を容易に把握することができるとともに、より斬新な視覚効果を得ることができる。
【0073】
なお、背景部材60については、上述したような光源61を備えずに、虚像Kの背面に間隔をあけて並設された、予め彩色が施された板状部のみで構成されていてもよい。
【0074】
また、本実施形態において、インパネ4の上面5は単につや消し加工が施されているものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、上面5の凹曲面部5aであって、虚像KをアイポイントEPから視認したときに該虚像Kと重なる部分には、複数の凸条71からなる照り返し防止部70が設けられていてもよい。
【0075】
複数の凸条71は、それぞれ断面がくさび状で先端71aが車両1の室内2側を向くように形成されている。また、複数の凸条71は、車両1の前後方向(即ち、室内2側からフロントウインドウシールド3側に向かう方向)に沿って並列されている。つまり、複数の凸条71は、車両1の前後方向に沿う断面がノコギリ状になるように形成されている。また、複数の凸条71は、照り返し光E’が空間6dを通じてアイポイントEPに向かうことのないように、先端71aの向きが適宜調整されている。これにより、アイポイントEPから空間6dを通じて凹曲面部5a、即ち、照り返し防止部70を見たとき、外光Eの陰となる部分のみが視認される。
【0076】
このように、インストルメントパネル4の上面5における凹曲面部5a、即ち、虚像KをアイポイントEPから視認したときに該虚像Kと重なる部分には、複数の凸条71からなる照り返し防止部70が設けられているので、照り返し光E’が空間6dを通じてアイポイントEPに向かわないように、複数の凸条71の先端71aの向きを適宜調整して照り返し防止部70を設けることで、アイポイントEPに向かう照り返し光E’を防ぐことができ、虚像Kの視認性を向上させることができる。
【0077】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 車両
2 室内
3 フロントウインドウシールド
4 インストルメントパネル
5 インストルメントパネルの上面(上面)
6 メータフード
6c 天井部分
6d 空間
11 車両用表示装置
20 ケース
21 床板部
21a 床板部の上面(上面)
25 突出部材(構造物)
30 表示装置(発光表示源)
305 出光偏光フィルタ(表示源側偏光フィルタ)
40 コンバイナユニット(反射板)
43 偏光フィルタ層43(反射板側偏光フィルタ)
50 基板
51 CPU(照度検出手段、透過率変更手段)
58 照度センサ
60 背景部材(構造物)
61 光源
62 導光板
70 照り返し防止部
71 凸条
EP アイポイント
E 外光
E’ 照り返し光
K 虚像
L 表示光
M 漏れ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネルの上面に設けられ、前記上面との間に前記車両の室内側とフロントウインドウシールド側とを連通する空間を備えた、メータフード内に配設される車両用表示装置であって、
前記メータフードの天井部分に前記上面と相対して設けられた発光表示源と、
前記発光表示源から発光された表示光を前記車両の室内のアイポイントに向けて反射するように前記空間内に設けられた透光性の反射板と、を有している
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記空間内には、前記表示光が前記反射板で反射されることによって前記空間内に形成される虚像と間隔をあけて配された構造物が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記構造物が、前記上面における前記反射板より前記フロントウインドウシールド側の部分に突設された突出部材であることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記構造物が、前記虚像より前記フロントウインドウシールド側に前記虚像と並設された板状部を有する背景部材であることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記背景部材が、光源をさらに有しており、
前記板状部が、前記光源の光を導いて前記車両の室内側に向けて出光する透明な導光板であることを特徴とする請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記反射板が、光の透過率を変更可能な透過率可変反射板であり、
前記車両用表示装置が、
前記上面における前記アイポイントから前記空間を通じて視認される部分によって前記車両外からの外光が照り返されることにより生じる照り返し光の照度を検出する照度検出手段と、
前記照度検出手段によって検出された前記照度に応じて、前記透過率可変反射板の透過率を変更する透過率変更手段と、をさらに有している
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記発光表示源には、一方向に振動する光成分のみ通過させる表示源側偏光フィルタが設けられており、
前記反射板には、前記一方向と直交する他方向に振動する光成分のみ通過させる反射板側偏光フィルタが設けられている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記上面における、前記表示光が前記反射板で反射されることによって前記空間内に形成される虚像を前記アイポイントから視認したときに該虚像と重なる、部分には、断面がくさび状で先端が前記車両の室内側を向くように形成された、前記車両の室内側から前記フロントウインドウシールドに向かう方向に沿って並列された、複数の凸条からなる照り返し防止部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−106702(P2012−106702A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258939(P2010−258939)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】