説明

車両用電力変換装置

【課題】 車両用電力変換装置の簡素な構造を達成する。
【解決手段】 制御箱2は、制御箱裏面2d、風洞板正面3a、風洞板左面3b、風洞板右面3cとが囲むことで構成される風洞3を有している。風洞3の内側の面には格子状の風洞用冷却フィン4を設ける。風洞3の外側の面には、受熱板5a、半導体素子5b、フィルタコンデンサ6、ゲートアンプ7が配置されている。それぞれ装置は端子で接続されている。また制御箱左面2eにはファン8を設ける。このような構成の車両用電力変換装置は、制御箱内に設置したパワーユニット5から発生する熱を効率的に外気へと放熱することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用電力変換装置は 通常、図8に示すように、電力変換部100の一部を構成する放熱部110は、冷却フィン111、ヒートパイプ112、受熱板113で構成され、他部を構成するパワーユニット部120は、半導体素子121、フィルタコンデンサ122、ゲートアンプ123で構成される。パワーユニット部120は、制御箱130内に収められ、放熱部110は、制御箱130外に突出するように、制御箱100に取り付けられている。
電力を直流から交流に変換するパワーユニット部120の半導体素子121は、、塵、埃、水等が半導体素子121に付着することにより破損する恐れがあるため、外部からの影響を受けないよう密閉した空間に設置する必要がある。一方、パワーユニット部120が電力を変換する際に生じる熱を機内から機外へと放出する放熱部110は、外部に開放されている状態で設置する必要がある。そのため、電力変換部100とパワーユニット部120の間には、外部への開放が必要とされる放熱部110に対して、外部からの影響を防止する必要のある半導体素子121を保護するために防水パッキン131が設けられている。
【0003】
このような電力変換部100は、メンテナンス時には放熱部110とパワーユニット部120で構成される電力変換部100全体を取り外すことで修理や部品交換を行うことが可能であるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−271104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電力の出力容量の増加に伴って放熱部110の処理する熱容量は大きくなると、放熱部110も大型化するため、制御箱100全体も大型化し重量も増えていく。図7や図8で示すように、大型化した放熱部110は、車両用電力変換装置の制御箱130よりも外部に大きく突出するため、艤装上の問題を生じる虞もある。
【0006】
また、冷却フィン111は開放部に設置しなければならないため、密閉部に収める半導体素子は防水が必要となり、パワーユニット部120と放熱部110の間にはパッキン構造が設けられている。そのため、車両用電力変換装置全体の構造が複雑になることがあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、電力変換装置全体を大型化することなく充分な冷却を行うことのでき、簡素な構造の車両用電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記を解決するために、本発明による車両用電力変換装置は、スイッチングにより電流を直流から交流に変換する半導体素子と、前記半導体素子を収納する制御箱と、前記半導体素子が取り付けられ、前記半導体素子の前記スイッチングにより発生する熱を冷却する冷却ユニットと、前記制御箱内の空気を攪拌するファンを有し、前記冷却ユニットは、前記制御箱の一部により少なくとも構成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両用電力変換装置を大型化することなく冷却することが可能であるので、車両用電力変換装置の艤装時に生じる艤装スペースの問題を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態の車両用電力変換装置の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態のファンの斜視図。
【図3】本発明の第2の実施形態の車両用電力変換装置の斜視図。
【図4】本発明の第3の実施形態の車両用電力変換装置の斜視図。
【図5】本発明の第1冷却フィンの斜視図。
【図6】本発明の第2冷却フィンの斜視図。
【図7】従来の車両用電力変換装置の斜視図。
【図8】従来の車両用電力変換装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の車両用電力変換装置の斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施形態のファンの斜視図である。図1及び、図2を参照して本実施形態について以下に説明する。
【0013】
(構成)
以下に本実施形態の構成について説明する。図1に示すように、電力変換装置1は箱体の制御箱2を有する。箱体の制御箱2は、制御箱天井面2a、制御箱底面2b、制御箱正面2c、制御箱裏面2d、制御箱左面2e、制御箱右面2fで構成されている。また、制御箱正面2c、制御箱裏面2dの制御箱天井面2a近傍に、制御箱用吊耳2gがボトル等で固定されて取り付けられている。
【0014】
制御箱2は風洞3を備え、内部にはファン8が取り付けられている。風洞3は、制御箱2の制御箱底面2bに設けられた開口部を入気口とし、制御箱2の制御箱天井面2aに設けられた開口部が排気口となるように構成され、入気口と開口部間は、風洞板正面3a、風洞板左面3b、風洞板右面3cと、風洞用冷却フィン4により形成される。このように制御箱2、風洞3や冷却フィンを形成するそれぞれの板において、広い面を面と称し、狭い面を辺と称するようにする。風洞正面3aの面は、制御箱正面2cと制御箱裏面2dの面同士が対向するように設けられている。風洞板左面3bは、制御箱左面2e側で風洞板正面3aの辺と制御箱裏面2dの面に接続され、直行するように設けられている。風洞右面3cは、制御箱右面2f側で風洞板正面3aの辺と制御箱裏面2dの面に接続され、直行するように設けられている。
【0015】
風洞用冷却フィン4は、風洞3内で格子状に配列されている。具体的には、風洞板左面3bと風洞板右面3cに冷却フィンの面同士が対向し、風洞板正面3aと制御箱裏面2dに風洞用冷却フィン4の辺が接続された複数の縦方向の冷却板4aと、風洞正面3aと制御箱裏面2dに冷却フィンの面が対向し、風洞板左面3bと風洞板右面3cに風洞用冷却フィン4の辺が接続された複数の横方向の冷却板4bが、互いに直行するように組み合わされて風洞3内に溶接等で固定され取り付けられている。
【0016】
図2に示すように、ファン8は、ファンカバー8aと羽根8bから構成され、箱体のファンカバー8a内に羽根8bが設置されている。ファン8は、制御箱左面2eの内側の面に、制御箱左面2eの側面とファン8の間に間隙を有するように、制御箱左面2eの上部に2個、下部に2個、並列して取り付けられている。
【0017】
風洞3には、パワーユニット5、フィルタコンデンサ6、ゲートアンプ7が取り付けられる。パワーユニット5は、受熱板5a、半導体素子5b、半導体素子端子5cから構成される。受熱板5aは、受熱板5aの面と風洞板正面3aの面が接続し、風洞板正面3aにネジ等で固定されて取り付けられている。 半導体素子5bは、受熱板5aと風洞3が接続している面とは反対側の面に設置されている。半導体素子端子5cは、半導体素子5b上に、受熱板5aとは反対側の面に設けられている。フィルタコンデンサ6は、フィルタコンデンサ6本体とフィルタコンデンサ端子6aで構成される。フィルタコンデンサ6は、風洞板右面3cにネジ等で固定されて取り付けられ、フィルタコンデンサ6の制御箱正面2c側の側面にフィルタコンデンサ端子6aを有している。ゲートアンプ7は、ゲートアンプ7本体とゲートアンプ端子7aで構成される。ゲートアンプ7は、風洞板左面3bにネジ等で固定されて設置され、ゲートアンプ7の制御箱正面2c側の側面にゲートアンプ端子7aを有している。フィルタコンデンサ6と半導体素子5bは、フィルタコンデンサ端子6aと半導体素子端子5cが図示しない導体で接続されている。また、半導体素子5bとゲートアンプ7は、半導体素子端子5cとゲートアンプ端子7aが図示しない導線で接続されている。
【0018】
(作用)
以下に、本実施形態の電力変換装置の作用について説明する。図示しない電力供給源によって電力変換装置1へ供給された電力は、パワーユニット5へ突入電流を防止するため、フィルタコンデンサ6が十分に充電されてから、パワーユニット5の半導体素子5bへと供給される。半導体素子5bは、ゲートアンプ7のターンオフ/ターンオンによってスイッチングを行い、直流電力から交流電力へ電力の変換を行う。
【0019】
このような電力変換装置1の稼働中、直流から交流への電力の変換行為を行う半導体素子5bは熱を発生する。半導体素子5bより発生した熱は、受熱板5aに伝導し、受熱板5aから風洞板正面3aに伝導する。風洞板正面3aに伝導した熱は、制御箱裏面2d側の風洞板正面3aの面が外気と接触することよって、外気へと熱が伝導し、風洞板正面3aに伝導された熱が外気へと放熱されることになる。そのため、風洞3内では、入気口から風洞3内へ流入した外気が、暖められ、上に流れる自然対流の現象を引き起こされる。自然対流が引き起こされることによって、入気口から排気口へと外気が流れる。外気が入気口から排気口天井面2aへと流れることによって、半導体素子5bで発生した熱は、受熱板5aで滞留することなく外部から常に新たに風洞3内へ流入してくる外気へと放散されることになる。
【0020】
また、本実施形態は風洞用冷却フィン4が風洞3内に設けられていることにより、より半導体素子5bからの熱を外気へと放散することが可能となる。半導体素子5bより受熱板5aに伝導された熱は、まず風洞板正面3aと接続されている縦方向の風洞用冷却フィン4aへと伝導される。縦方向の風洞用冷却フィン4aへと伝導された熱は、縦方向の風洞用冷却フィン4aと接続された横方向の風洞用冷却フィン4bへと伝導される。そのため、より風洞3における熱の放熱作用が促進されることになる。
【0021】
また、ファン8が回転すると、制御箱2内の空気は、制御箱左面2eとファン8の間隙からファン8へと吸い込まれ、ファン8の作用によって、制御箱右面2f方面に押し出される。制御箱裏面2d側の縦2つのファン8から押し出される空気は、風洞板左面3bまたは風洞板正面3aとぶつかる。また制御箱正面2c側の縦2つのファン8から押し出される空気は、制御箱右面2fとぶつかり、その後、風洞板右面3cまたは風洞板正面3aとぶつかる。このようにファン8で風洞3の壁面に、制御箱2内の温度の高い空気を吹き当てることで、風洞3の壁面に溶接等で取り付けられた冷却フィン4を介して外気に放熱することが可能となる。そのため、制御箱2内の全体の温度を下げることができる。
【0022】
(効果)
このように構成された車両用の電力変換装置1は、風洞3、風洞3内に取り付けられる風洞用冷却フィン4及び、ファン8によって半導体素子5bから発生する熱を効率的に冷却することが可能となる。
【0023】
また、従来の電力変換装置100の放熱部110のように個別の冷却機構を用意する必要がない。そのため、従来の電力変換装置100に設けられた放熱部110が電力変換装置100外部へと突出し、装置全体を大型化することによって艤装スペースに問題を生じるようなケースを防ぐことが可能となる。
【0024】
また、防水パッキン131による開放部、密閉部の区分けをする必要もなく、風洞3の壁面に各装置を設置するような簡単な構造で必要な冷却機能を有することが可能となる。また、この構造により電力変換装置1の大きさを変えずに熱容量の増大に対応することが可能である。
【0025】
以上のことから、電力変換装置1の冷却は十分に行われ、且つ密閉構造を実現することにより製品の信頼性が向上し、さらにメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
【0026】
(第2の実施形態)
本発明に基づく第2の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図3は、本発明の第2の実施形態の車両用電力変換装置の斜視図である。尚、図1及び図2と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。以下、図を参照して説明する。
【0027】
(構成)
以下に本実施形態の構成について説明する。図3に示すように、制御箱2の機外には外風洞10を取り付け、機内にはファン8、パワーユニット5、ゲートアンプ12、フィルタコンデンサ13を取り付ける。
【0028】
制御箱裏面2dの機外側の面に外風洞10を取り付ける。外風洞10は、外風洞天井面10a、外風洞底面10b、外風洞裏面10c、外風洞用冷却フィン11で構成される。外風洞裏面10cの面は、制御箱裏面2dの面と対向するように設けられている。外風洞板天井面10aは、制御箱天井面2a側で外風洞板裏面10cの辺と制御箱裏面2dに面に接続され、直行するように設けられている。外風洞底面10bは、制御箱底面2b側で外風洞板裏面10bの辺と制御箱裏面2dの面に接続され、直行するように設けられている。外風洞用冷却フィン11は、外風洞板天井面10aと外風洞板底面10bの面と冷却フィンの面が対向し、外風洞板裏面10cと制御箱裏面2dに冷却フィン11の辺が接続された複数の板が外風洞10内に設置されている。このような構成の外風洞10は、制御箱右面2f側と制御箱左面2e側に開口部を有している。
【0029】
ファン8は、制御箱正面2cの機内側の面に、制御箱正面2cの面とファン8の間に間隙を有するように、フィルタコンデンサ13と制御箱左面2eの間に2個、並列して取り付けられている。パワーユニット5は、制御箱裏面2dに第1の実施形態と同様に設置されている。ゲートアンプ12は、制御箱底面2bに、制御箱底面2bとゲートアンプ12の接続部分に間隙を有するようにネジ等で制御箱裏面2dに固定されて取り付けられている。フィルタコンデンサ13は、制御箱底面2bにネジ等で固定されて取り付けられている。
【0030】
(作用)
以下に本実施形態の作用について説明する。車両が走行すると、車両の走行方向とは逆の向きに走行風が発生する。図4は、制御箱右面2f側の外風洞10の開口部を入気口とし、制御箱左面2e側の開口部を排気口としている一例で、走行風が入気口から排気口へ流れている。そのため、走行風は入気口から外風洞10内に流入し、排気口から外風洞10外へと排出される。走行風が外風洞10内を通過することで、半導体素子5bより発生した熱が、受熱板5a及び制御箱裏面2dを介して走行風中に放熱される。
【0031】
ファン8が回転すると、制御箱2内の空気は、制御箱正面2c側からファン8内へと吸い込まれ、ファン8の作用によって、制御箱裏面2d方面に押し出され、制御箱裏面2dとぶつかる。また制御箱正面2cの制御箱左面2e側から押し出される空気は、制御箱右面2fとぶつかる。外風洞10を外側に有する制御箱裏面壁面に、制御箱2内の温度の高い空気を吹き当てることで、外風洞10の壁面に溶接等で取り付けられた外風洞用冷却フィン11を介して外気に放熱することが可能となる。そのため、制御箱2内の全体の温度は下げることができる。
【0032】
(効果)
このように構成された電力変換装置は、外風洞10、外風洞10内に取り付けられる外風洞用冷却フィン11及び、ファン8によって半導体素子5bから発生する熱を効率的に冷却することが可能となる。
【0033】
また、走行風を利用した冷却機能を有するため、第1の実施形態よりも冷却機能を向上させることが可能となる。また、風洞を制御箱2外に取り付けているため、第1の実施形態より制御箱2の小型化が可能となる。
【0034】
以上のことから、電力変換装置1の冷却は十分に行われ、且つ密閉構造を実現することにより製品の信頼性が向上し、さらにメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
【0035】
(第3の実施形態)
本発明に基づく第3の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図4は、本発明の第3の実施形態の車両用電力変換装置の斜視図である。尚、図1乃至3と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。以下、図を参照して説明する。
【0036】
(構成)
以下に本実施形態の構成について説明する。図4に示すように、制御箱2に内風洞20を備え、制御箱2内部にパワーユニット5、ゲートアンプ12、フィルタコンデンサ13、ファン8、ファン22が取り付けられている。
【0037】
内風洞20は、内風洞板正面20a、制御箱天井面2a、制御箱底面2b、制御箱裏面2d、内風洞用冷却フィン21で構成される。内風洞板正面20aの面は、制御箱正面2cと制御箱裏面2dの面と対向するように設けられている。内風洞板正面20aは、内風洞板正面20aの辺が制御箱天井面2a、制御箱底面2b及び制御箱左面2eの面に接続され、直行するように設けられている。内風洞用冷却フィン21は、制御箱天井面2aと制御箱底面2bの面と内風洞用冷却フィン21の面が対向し、内風洞板正面20aと制御箱裏面2dに内風洞用冷却フィン21の辺が接続された複数の板が内風洞20内に設置されている。
【0038】
パワーユニット5は、内風洞板正面20aに第1の実施形態と同様の取り付け方法で設置されている。
【0039】
ゲートアンプ12は、内風洞板正面20aと制御箱正面2aの間の制御箱底面2bに、制御箱底面2bとゲートアンプ12の接続部分に間隙を有するように、ネジ等で制御箱裏面2dに固定されて取り付けられている。
【0040】
フィルタコンデンサ13は、内風洞板正面20aと制御箱正面2aの間の制御箱底面2bにネジ等で固定されて取り付けられている。
【0041】
ファン22は、制御箱裏面2dと内風洞板正面20aの間に位置するように制御箱右面2fの側面に、ファン22と制御箱左面2fの間に取り付けられている。またファン22が取り付けられている制御箱右面2fには、開口部22aが設けられている。
【0042】
(作用)
以下に本実施形態の作用について説明する。ファン8は第2の実施形態と同様の作用が得られる。ファン22が回転すると、開口部22aより外気が制御箱2内に流入する。制御箱2内に流入した外気は、内風洞用冷却フィンを通過して、制御箱左面2eより排出される。内風洞用冷却フィン21の放熱作用は、第2の実施形態の外風洞冷却フィン11と同様である。そのため、半導体素子5bより発生した熱が内風洞板正面20aを介して外気中に放熱される。
【0043】
(効果)
このように構成された電力変換装置は、内風洞20、内風洞20内に取り付けられる内風洞用冷却フィン21及、ファン8及び、ファン22によって半導体素子5bから発生する熱を効率的に冷却することが可能となる。
【0044】
また、強制冷却風を利用した冷却機能を有するため、第1の実施形態よりも冷却機能が向上し、第2の実施形態よりも安定した冷却が可能となる。
【0045】
以上のことから、電力変換装置1の冷却は十分に行われ、且つ密閉構造を実現することにより製品の信頼性が向上し、さらにメンテナンスの容易化を実現することが可能となる。
【0046】
(変形例)
以下に冷却フィンの変形例を示す。図5は第1の冷却フィンである。図6は第2の冷却フィンである。
【0047】
図7に示すように第1冷却フィン30は、板状の金属板に複数の円形の孔を設けてある。この金属板が複数枚重ねられることによって、第1冷却フィン30の全体を構成している。
【0048】
また図8の第2風洞用冷却フィン40、第1冷却フィン30の孔が四角形である。第1冷却フィン30と同様に構成される。
【0049】
放熱フィンが穴を有することにより、上下方向または横方向のどちらかの冷却風を取入れることが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 電力変換装置
2 制御箱
2a 制御箱天井面
2b 制御箱底面
2c 制御箱正面
2d 制御箱裏面
2e 制御箱左面
2f 制御箱右面
2g 制御箱用吊耳
3 風洞
3a 風洞板正面
3b 風洞板左面
3c 風洞板右面
4 風洞用冷却フィン
4a 縦方向の冷却板
4b 横方向の冷却板
5 パワーユニット
5a 受熱板
5b 半導体素子
5c 半導体素子端子
6 フィルタコンデンサ
6a フィルタコンデンサ端子
7 ゲートアンプ
8 ファン
8a ファンカバー
8b 羽根
10 外風洞
10a 外風洞板天井面
10b 外風洞板底面
10c 外風洞板裏面
11 外風洞用冷却フィン
12 ゲートアンプ
13 フィルタコンデンサ
20 内風洞
20a 内風洞板正面
21 内風洞用冷却フィン
22 ファン
22a 開口部
30 第1冷却フィン
40 第2冷却フィン
100 電力変換部
110 放熱部
111 冷却フィン
112 ヒートパイプ
113 受熱板
120 パワーユニット部
121 半導体素子
122 フィルタコンデンサ
123 デートアンプ
130 制御箱
131 防水パッキン
132 冷却フィンカバー
133 制御箱用吊耳
134 冷却フィンカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチングにより電流を直流から交流に変換する半導体素子と、
前記半導体素子を収納する制御箱と、
前記半導体素子が取り付けられ、前記半導体素子の前記スイッチングにより発生する熱を冷却する冷却ユニットと、
前記制御箱内の空気を攪拌するファンを有し、
前記冷却ユニットは、前記制御箱の一部により少なくとも構成されることを特徴とした車両用電力変換装置。
【請求項2】
前記冷却ユニットは、
前記冷却ユニットの一部を構成する制御箱の一面と、
前記制御箱の内部に設置され、前記制御箱の一面に対向する対向面と、
前記制御箱の内部に設置され、前記制御箱と前記対向面との間に位置する2つ側面と、
前記制御箱の一面と前記対向面と前記2つの側面とが囲むことで構成される風洞と、
前記風洞が前記制御箱が外気と連通するために前記制御箱に設けられた2つ開口部と、
前記風洞内に設けられた板状の冷却フィンと、
前記対抗面に取り付けられた半導体素子と、
前記半導体素子と前記対抗面の間に設けられた受熱板と、
前記側面に取り付けられたフィルタコンデンサとゲートアンプとから構成され、
前記ファンは、前記フィルタコンデンサまたは前記ゲートアンプと対向する前記制御箱内の側面に取り付けらたことを特徴とする前記請求項1記載の車両用電力変換装置。
【請求項3】
前記冷却ユニットは、
前記冷却ユニットの一部を構成する制御箱の一面と、
前記制御箱外に設置され、前記制御箱の一面に対向する対向面と、
前記筐外に設置され、前記制御箱の一面と前記対向面との長手方向に位置する2つ側面と、
前記制御箱の一面と前記対向面と前記2つの側面とが囲むことで構成される外風洞と、
前記外風洞内に設けられた板状の冷却フィンと、
前記制御箱内で前記制御箱の一面に取り付けられた半導体素子と、
前記半導体素子と前記制御箱の一面に設けられた受熱板と、
前記制御箱内に取り付けられたフィルタコンデンサとゲートアンプから構成され、
前記ファンは、前記半導体素子と対向する前記制御箱内の側面に取り付けられたことを特徴とする前記請求項1記載の車両用電力変換装置。
【請求項4】
前記冷却ユニットは、
前記冷却ユニットの一部を構成する制御箱の一側面と、
前記制御箱の内部に設置され、前記制御箱の一面に対向する対向面と、
前記制御箱と前記対向面との間に位置する前記制御箱の天井面と底面と、
前記制御箱の一面と前記対向面と前記天井面と前記底面とが囲むことで構成される内風洞と、
前記内風洞が前記制御箱の外部と連通するために前記制御箱に設けられた2つの開口部と、
前記風洞内に設けられた板状の冷却フィンと、
前記対抗面に取り付けられた半導体素子と、
前記半導体素子と前記対抗面の間に設けられた受熱板と、
前記制御箱内に取り付けられたフィルタコンデンサとゲートアンプから構成され、
前記ファンは、前記半導体素子と対向する前記制御箱内の側面に取り付けられたことを特徴とする前記請求項1記載の車両用電力変換装置。
【請求項5】
前記冷却フィンは、格子状であることを特徴とする請求項1乃至4記載の車両用電力変換装置。
【請求項6】
前記冷却フィンは、板上に孔を有することを特徴とした請求項1乃至4記載の車両用電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−138960(P2011−138960A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298507(P2009−298507)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】