説明

車両用2色LEDランプ

【課題】 内容に応じて設定されている点灯色が、正確性を失わないようにすることができる車両用2色LEDランプを提供すること。
【解決手段】 単色点灯状態と、緑色LED21aと赤色LED21bの両方の点灯により合成した色の点灯を行う合成色点灯状態とを、車両の機能動作に応じて行うランプ2において、緑色LED21aと赤色LED21bの一方が異常で点灯しない場合に、合成色点灯状態の点灯を行わないようにする制御部3及び電圧判断回路4によるステップS3〜ステップS12の処理を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用2色LEDランプの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来では、赤色LEDと緑色LEDによりハイマウントストップランプを構成し、ウィンカーランプをオンにする場合には、両LEDを点灯させて2色で橙色の点灯とし、ストップランプの場合は赤色LEDのみにより赤色の点灯とし、テールランプの場合は緑色LEDのみにより緑色の点灯を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、キーレスエントリーシステムの車両側のインジケータとして、多色表示用のLEDを用いている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−39655号公報(第2−4頁、全図)
【特許文献2】特開2005−161904号公報(第2−6頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来にあっては、どちらかのLEDが異常を生じるかもしくは点灯回路に異常が生じた場合、ウィンカーとしての点灯色が赤色又は緑色になってしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、内容に応じて設定されている点灯色が、正確性を失わないようにすることができる車両用2色LEDランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、2色のLEDランプの一方を点灯させる単色点灯状態と、両方の点灯により合成した色の点灯を行う合成色点灯状態とを、車両の機能動作に応じて行う車両用2色LEDランプにおいて、2色のLEDランプの一方が異常で点灯しない場合に、前記合成色点灯状態の点灯を行わないようにする合成色点灯抑制手段を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明にあっては、内容に応じて設定されている点灯色が、正確性を失わないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の車両用2色LEDランプを実現する実施の形態を、請求項1,2に係る発明に対応する実施例1と、請求項1,3に係る発明に対応する実施例2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の車両用2色LEDランプを備えるドアミラーの説明図である。
実施例1では、ウィンカーランプとしての点灯を橙色で行い、キーレスシステムにおける車両側の応答を示す点灯を赤色と緑色で行う例である。
ドアミラー1は、図1に示すように、車両側方及び車両前方から見やすいように側方と前側に複数のランプ2(符号21〜25)を設けている。
【0010】
図2は実施例1の車両用2色LEDランプの点灯回路の概略図である。
実施例1では、それぞれのランプ21〜25は、緑色LED21a〜25a、と赤色LED21b〜25bの2色の対で構成されている。
そして、緑色LED21a〜25a、及び赤色LED21b〜25bは、それぞれ制御部3により点灯を制御される。
【0011】
図3は実施例1の車両用2色LEDランプの点灯回路図である。
図3には、ランプ2の1個あたりの回路構成を示す。
緑色LED21aは、供給電圧Vddをアノード側に接続し、カソードは接地させる。そして、緑色LED21aの上流には、抵抗R1を設け、さらにその上流側をトランジスタTR1のコレクタへ接続する。トランジスタTR1のエミッタは供給電圧Vddへ接続する。このように、上流からトランジスタTR1、抵抗R1、緑色LED21aの順に直列に配置した構成である。
トランジスタTR1は、PNP型とし、ベースは制御部3へ接続する。この信号ラインを信号ラインFとする。
【0012】
赤色LED21bは、供給電圧Vddをアノード側に接続し、カソードは接地させる。そして、赤色LED21bの上流には、抵抗R2を設け、さらにその上流側をトランジスタTR2のコレクタへ接続する。トランジスタTR2のエミッタは供給電圧Vddへ接続する。このように、上流からトランジスタTR2、抵抗R2、赤色LED21bの順に直列に配置した構成である。
トランジスタTR2は、PNP型とし、ベースは制御部3へ接続する。この信号ラインを信号ラインDとする。
【0013】
さらに、ロジック回路等を備えた電圧判断回路4を設ける。抵抗R1と緑色LED21aのアノードの間を信号ラインAとして、電圧判断回路4に入力する。さらに、抵抗R2と赤色LED21bのアノードの間を信号ラインBとして、電圧判断回路4に入力する。電圧判断回路では、信号ラインA、Bの状態に応じた出力を制御部3へ行う。この信号ラインを信号ラインCとする。処理の詳細は後述する。
【0014】
作用を説明する。
[2色LEDの制御処理]
図4は実施例1の制御部及び電圧判断回路4で実施される車両用色LEDランプの制御処理の流れを示すフローチャートで、各ステップについて以下に説明する。
【0015】
ステップS1では、制御部3が、方向指示レバーがオンかどうかを判断し、オンならばステップS2へ進み、オフならばステップS1へ戻る。
【0016】
ステップS2では、制御部3が異常フラグが立っているかどうかを判断し、異常フラグが立っているならばステップS7へ進み、異常フラグが立っていないならばステップS3へ進む。
【0017】
ステップS3では、制御部3が、信号ラインD、Eをロー(L)に落とし、トランジスタTR1,TR2をオンにする。
【0018】
ステップS4では、電圧判断回路4が、信号ラインA、Bの電圧がどちらもロー(L)かどうかを判断し、どちらもロー(L)ならばステップS5へ進み、どらちらもロー(L)の条件が不成立ならばステップS8へ進む。
【0019】
ステップS5では、電圧判断回路4が、制御部3へ信号ラインCにロー(L)を出力する。
【0020】
ステップS6では、制御部3が異常フラグを立てないようにする。
【0021】
ステップS7では、制御部3が、信号ラインD、Eをハイ(H)にし、トランジスタTR1,TR2をオフにする。
【0022】
ステップS8では、電圧判断回路4が、信号ラインAの電圧がハイ(H)、信号ラインBの電圧がロー(L)の条件が成立するかどうかを判断し、条件成立ならばステップS9へ進み、条件が不成立ならばステップS11へ進む。
【0023】
ステップS9では、電圧判断回路4が、制御部3へ信号ラインCにハイ(H)を出力する。
【0024】
ステップS10では、制御部3が異常フラグを立てるようにする。
【0025】
ステップS11では、電圧判断回路4が、信号ラインAの電圧がロー(L)、信号ラインBの電圧がハイ(H)の条件が成立するかどうかを判断し、条件成立ならばステップS9へ進み、条件が不成立ならばステップS12へ進む。
【0026】
ステップS12では、電圧判断回路4が、信号ラインA、Bの電圧がどちらもハイ(H)かどうかを判断し、どちらもハイ(H)ならばステップS9へ進み、どらちらもハイ(H)の条件が不成立ならば、処理エラーとして、再度処理を行うなどのエラー処理を行う。
[2色LEDの制御]
図5は実施例1の車両用2色LEDランプの制御状態を示す説明図である。
実施例1では、2色のLEDの片方、もしくは駆動回路が異常の場合、制御部3により2色のLEDの両方を消灯させる。
実施例1において、2色点灯を行うのは、方向指示レバーのオンの場合となる(ステップS1)。
【0027】
(正常な場合)
まず、制御部3は、信号ラインD、Eを設定されているハイ(H)と、ロー(L)の電圧値に対して、ロー(L)に落とす電圧にする(ステップS3)。
信号ラインD、Eがロー(L)に落ちると、トランジスタTR1、TR2のベース、エミッタ間に供給電圧Vddを引き込むように、電流が流れ、トランジスタTR1、TR2のコレクタ、エミッタ間が通電するオンの状態になる。
トランジスタTR1、TR2のコレクタ、エミッタのオンにより、緑色LED21a及び赤色LED21bに電流が流れ、それぞれ点灯する。
【0028】
緑色LED21a及び赤色LED21bは、LEDの性質上、電流が流れ、点灯するとアノード、カソード間に電圧Vfが発生する。この電圧Vfは正常時には1V〜2V程度となる。
【0029】
電圧判断回路4は、信号ラインA、Bにて電圧を検知して、ORロジックで判断し、その結果を制御部3に電圧レベルで出力する。この場合には、信号ラインA、Bともにロー(L)と判断して制御部3にロー(L)を出力する(ステップS4、S5)。
制御部3は信号ラインCの電圧レベルがロー(L)なら正常と判断する(ステップS6、S2)。
【0030】
(赤色LED21bが異常、緑色LED21aが正常の場合)
赤色LED21bが異常の場合には、トランジスタTR2のコレクタ、エミッタ間がオンとなっても、赤色LED21bに電流が流れない。
そのため、赤色LED21bには、アノード、カソード間に電圧Vfが発生しないことになる。
電圧Vfが発生しないため、電圧判断回路4の信号ラインBに入力される電圧は供給電圧Vddとなり、ハイ(H)となる。
【0031】
電圧判断回路4はORロジックのため、信号ラインA、Bのどちらかにハイ(H)が入力されるとハイ(H)を信号ラインCに出力する(ステップS11、ステップS9)。
制御部3は、信号ラインCの電圧レベルがハイ(H)であることを認識すると(ステップS10、S2)、異常と判断して信号ラインD、Eをハイ(H)にして、トランジスタTR1、TR2をオフにし、赤色LED21b及び緑色LED21aを消灯する(ステップS7)。
【0032】
2色LEDの一方に異常がある場合に、もう一方の正常なLEDが点灯すると、方向指示の際に橙色を点滅させる際、この場合には、緑色の点灯が混ざった点滅になってしまう(図5(b)の橙色点灯部分101、緑色点灯部分103参照)。すると、方向指示では橙色の点滅が行われることが周知化しているのに対し、他の色が混ざることにより、誤認識が促したり、認識が遅れることになる。これは非常に好ましくないことである。実施例1では、赤色LED21bの異常が検出されると、そのランプ2の赤色LED21b及び緑色LED21aの両方が消灯される。そのため、点灯状態は、図5(c)の橙色点灯部分101、非点灯部分104に示すように歯抜けの点灯となるが、色としては明確に橙色の点灯となり、良好に早く認識されるよう機能維持が行える。
【0033】
(緑色LED21aが異常、赤色LED21bが正常の場合)
緑色LED21aが異常の場合には、トランジスタTR1のコレクタ、エミッタ間がオンとなっても、緑色LED21aに電流が流れない。
そのため、緑色LED21aには、アノード、カソード間に電圧Vfが発生しないことになる。
電圧Vfが発生しないため、電圧判断回路4の信号ラインAに入力される電圧は供給電圧Vddとなり、ハイ(H)となる。
【0034】
電圧判断回路4はORロジックのため、信号ラインA、Bのどちらかにハイ(H)が入力されるとハイ(H)を信号ラインCに出力する(ステップS8、ステップS9)。
制御部3は、信号ラインCの電圧レベルがハイ(H)であることを認識すると(ステップS10、S2)、異常と判断して信号ラインD、Eをハイ(H)にして、トランジスタTR1、TR2をオフにし、赤色LED21b及び緑色LED21aを消灯する(ステップS7)。
【0035】
このように緑色LED21aが異常、赤色LED21bが正常の場合には、方向指示の際に橙色を点滅させる際、赤色の点灯が混ざった点滅になってしまう(図5(a)橙色点灯部分101、赤色点灯部分102参照)。実施例1では、緑色LED21aの異常が検出されると、そのランプ2の赤色LED21b及び緑色LED21aの両方が消灯される。そのため、点灯状態は、図5(c)の橙色点灯部分101、非点灯部分104に示すように歯抜けの点灯となるが、色としては明確に橙色の点灯となり、良好に早く認識されるよう機能維持が行える。
【0036】
(緑色LED21a、赤色LED21bがともに異常の場合)
緑色LED21a、赤色LED21bがともに異常の場合には、緑色LED21a及び赤色LED21bには、アノード、カソード間に電圧Vfが発生しないことになる。
電圧Vfが発生しないため、電圧判断回路4の信号ラインA、Bに入力される電圧は供給電圧Vddとなり、ハイ(H)となる。
【0037】
電圧判断回路4はORロジックのため、信号ラインA、Bの両方にハイ(H)が入力されるとハイ(H)を信号ラインCに出力する(ステップS12、ステップS9)。
制御部3は、信号ラインCの電圧レベルがハイ(H)であることを認識すると(ステップS10、S2)、異常と判断して信号ラインD、Eをハイ(H)にして、トランジスタTR1、TR2をオフにし、赤色LED21b及び緑色LED21aを消灯する(ステップS7)。
【0038】
このように緑色LED21aと赤色LED21bの両方が異常の場合には、制御を停止するようにして、素子への過電流による発熱やムダな消費電力を生じることが防止され、点灯状態は、図5(c)の橙色点灯部分101、非点灯部分104に示すように歯抜けの点灯となるが、他のランプ2により良好に機能維持が行える状態を維持する。
【0039】
効果を説明する。
実施例1の車両用2色LEDランプにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0040】
(1)緑色LED21aと赤色LED21bの一方を点灯させる単色点灯状態と、緑色LED21aと赤色LED21bの両方の点灯により合成した色の点灯を行う合成色点灯状態とを、車両の機能動作に応じて行うランプ2において、緑色LED21aと赤色LED21bの一方が異常で点灯しない場合に、合成色点灯状態の点灯を行わないようにする制御部3及び電圧判断回路4によるステップS3〜ステップS12の処理を備えたため、内容に応じて設定されている点灯色が、正確性を失わないようにすることができる。
【0041】
(2)上記(1)において、合成色点灯抑制手段は、緑色LED21aと赤色LED21bの一方が異常で点灯しないことを検出する電圧判断回路4と、電圧判断回路4により異常を検出した場合に、合成色点灯状態の点灯を行わないように2色のLEDランプの点灯を制御する制御部3を備えたため、緑色LED21aと赤色LED21bの単色点灯状態と合成色点灯状態を、制御部3からの指令信号で制御するようにし、緑色LED21aと赤色LED21bのダイオードとしての順方向電圧を電圧判断回路4で検出し、異常があると検出できるようにし、異常の際ORロジックにより、制御部3へ異常判断結果を送り、制御部3は、その緑色LED21aと赤色LED21bでは、2色点灯を行わないようにするため、内容に応じて設定されている点灯色が、正確性を失わないようにすることができる。
【実施例2】
【0042】
実施例2は、2色のLEDランプの一方が異常で点灯しない場合に、合成色点灯状態の点灯を行わない回路構成にした例である。
図6は実施例2の車両用2色LEDランプの点灯回路図である。
図6には、ランプ2の1個あたりの回路構成を示す。
【0043】
緑色LED21aは、カソードを接地させ、アノード側をPNP型のトランジスタTR5のコレクタへ接続する。トランジスタTR5のエミッタは抵抗R6を介してPNP型トランジスタTR3のコレクタへ接続する。トランジスタTR3のエミッタは供給電圧Vddへ接続する。トランジスタTR3のベースは抵抗R3を介して制御部5の出力のための信号ラインIへ接続する。同様にトランジスタTR5のベースは抵抗R4を介して制御部5の出力のための信号ラインIへ接続する。
【0044】
赤色LED21bは、カソードを接地させ、アノード側をPNP型のトランジスタTR6のコレクタへ接続する。トランジスタTR6のエミッタは抵抗R8を介してPNP型トランジスタTR4のコレクタへ接続する。トランジスタTR4のエミッタは供給電圧Vddへ接続する。トランジスタTR4のベースは抵抗R5を介して制御部5の出力のための信号ラインFへ接続する。同様にトランジスタTR6のベースは抵抗R7を介して制御部5の出力のための信号ラインFへ接続する。
【0045】
さらに、AND演算部6を設ける。このAND演算部6は、グランド接地と電源供給側をトランジスタTR3のコレクタと抵抗R6の間へ接続して作動する。
AND演算部6の一方の入力端子は、反転入力端子とし、制御部5の出力する信号ラインIへ接続する。もう一方の入力端子は、抵抗R6とトランジスタTR5のエミッタの間に接続する。そして、演算結果の出力は、ダイオードD2を介して、抵抗R7とトランジスタTR6の間へ行う接続にする。
【0046】
またさらに、AND演算部7を設ける。このAND演算部7は、グランド接地と電源供給側をトランジスタTR4のコレクタと抵抗R8の間へ接続して作動する。
AND演算部7の一方の入力端子は、反転入力端子とし、制御部5の出力する信号ラインFへ接続する。もう一方の入力端子は、抵抗R8とトランジスタTR6のエミッタの間に接続する。そして、演算結果の出力は、ダイオードD2を介して、抵抗R7とトランジスタTR6の間へ行う接続にする。なお抵抗R9はAND演算部6、7の動作のための入力電圧である。
【0047】
作用を説明する。
[2色LEDの制御回路動作]
図7は実施例2の車両用2色LEDランプの制御回路の正常時の各部信号状態のタイムチャートである。図8は実施例2の車両用2色LEDランプの制御回路の異常時の各部信号状態のタイムチャートである。
【0048】
実施例2では、2色のLEDの片方、もしくは駆動回路が異常の場合、制御部3により2色のLEDの両方を消灯させる回路動作を行う。
なお、実施例2においても、2色点灯を行うのは、方向指示レバーのオンの場合とする。
【0049】
(正常な場合)
まず、制御部3は、信号ラインF、Iを設定されているハイ(H)と、ロー(L)の電圧値に対して、ロー(L)に落とす電圧にする。
信号ラインF、Iがロー(L)に落ちると、トランジスタTR3〜TR6のベース、エミッタ間に供給電圧Vddを引き込むように、電流が流れ、トランジスタTR3〜TR6のコレクタ、エミッタ間が通電するオンの状態になる。
トランジスタTR3〜TR6のコレクタ、エミッタのオンにより、緑色LED21a及び赤色LED21bに電流が流れ、それぞれ点灯する。
【0050】
緑色LED21a及び赤色LED21bは、LEDの性質上、電流が流れ、点灯するとアノード、カソード間に電圧Vfが発生する。この電圧Vfは正常時には1V〜2V程度となる。
【0051】
この点灯状態で、AND演算部6は、信号ラインIのロー(L)の反転入力値であるハイ(H)と、トランジスタTR3、TR5のオンでロー(L)となっている信号ラインJのAND演算となるため、出力はロー(L)となる。これは、接続されている信号ラインFと一致するため、作動を変化させることがない。つまり、何もしない。
【0052】
また、AND演算部7は、信号ラインFのロー(L)の反転入力値であるハイ(H)と、トランジスタTR4、TR6のオンでロー(L)となっている信号ラインGのAND演算となるため、出力はロー(L)となる。これは、接続されている信号ラインIと一致するため、作動を変化させることがない。つまり、何もしない。なお、各信号ラインの状態は、図7のようになる。ウィンカーのように点滅する場合には、オフ状態との上記説明した状態が間欠的に交互に発生することになる。
このように正常時には、2色のLEDが回路動作により点灯される。
【0053】
(赤色LED21bが異常、緑色LED21aが正常の場合)
赤色LED21bが異常の場合には、トランジスタTR4、TR6のコレクタ、エミッタ間がオンとなっても、赤色LED21bに電流が流れない。
そのため、赤色LED21bには、アノード、カソード間に電圧Vfが発生しないことになる。
電圧Vfが発生しないため、AND演算部7に入力される信号ラインGの電圧は供給電圧Vddとなり、ハイ(H)となる。
【0054】
よって、AND演算部7への入力は両方ともにハイ(H)となり、信号ラインHへの出力がハイ(H)となる。
すると、トランジスタTR5のベースをハイ(H)にするため、ベース、エミッタの間の電流の引き込みがなくなり、トランジスタTR5のコレクタ、エミッタの間がオフとなり、緑色LED21aが消灯する。
これにより、緑色LED21a及び赤色LED21bの両方がオフになる。なお、各部の信号ラインの状態は、図8のようになる。ウィンカーでは点灯は点滅させるように行われるため、オフの状態と上記説明した2色の点灯をしない状態が交互に間欠的に発生することで、2色ともに点灯しない状態にする。
【0055】
(緑色LED21aが異常、赤色LED21bが正常の場合)
緑色LED21aが異常の場合には、トランジスタTR3、TR5のコレクタ、エミッタ間がオンとなっても、緑色LED21aに電流が流れない。
そのため、緑色LED21aには、アノード、カソード間に電圧Vfが発生しないことになる。
電圧Vfが発生しないため、AND演算部6に入力される信号ラインJの電圧は供給電圧Vddとなり、ハイ(H)となる。
【0056】
よって、AND演算部6への入力は両方ともにハイ(H)となり、信号ラインKへの出力がハイ(H)となる。
すると、トランジスタTR6のベースをハイ(H)にするため、ベース、エミッタの間の電流の引き込みがなくなり、トランジスタTR6のコレクタ、エミッタの間がオフとなり、赤色LED21bが消灯する。
これにより、緑色LED21a及び赤色LED21bの両方がオフになる。なお、各部の信号ラインの状態は、図8のようになる。
なお、両方が異常で点灯しない場合には、回路動作を行わずとも、両方が消灯状態となる。
【0057】
効果を説明する。
実施例2の車両用2色LEDランプにあっては、実施例1の(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0058】
(3)合成色点灯抑制手段は、一方のLEDランプの作動状態と他方のLEDランプの作動状態を比較し、作動状態が一致しない場合に、合成色点灯状態の点灯を行わないように緑色LED21a及び赤色LED21bを消灯させるAND演算部6、7を備え、緑色LED21a及び赤色LED21bの一方が異常で点灯しない場合に、AND演算部6、7からの出力で、正常な方のLEDランプを駆動するトランジスタTR5,TR6をオフにする回路構成にしたため、緑色LED21a及び赤色LED21bのそれぞれの上流に2つのトランジスタを設け、この2つのトランジスタ間の信号状態と、他方を駆動する2つのトランジスタのベース信号のAND演算により監視し、点灯動作が一致しない場合に、AND演算部6、7からの出力で、ベースを監視する側のLEDランプのトランジスタをオフにして、内容に応じて設定されている点灯色が、正確性を失わないようにすることができる。
【0059】
以上、本発明の車両用2色LEDランプを実施例1、実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0060】
例えば、実施例1では、緑色LED21aと赤色LED21bをLEDランプとして備えたが、他の色の組み合わせであってもよい。
又例えば、実施例1では、キーレスシステムの車両側の応答を単色点灯で行い、ウィンカーの点滅点灯を合成色で行ったが、他の車両機能動作に割り付けて行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施例1の車両用2色LEDランプを備えるドアミラーの説明図である。
【図2】実施例1の車両用2色LEDランプの点灯回路の概略図である。
【図3】実施例1の車両用2色LEDランプの点灯回路図である。
【図4】実施例1の制御部及び電圧判断回路で実施される車両用色LEDランプの制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施例1の車両用2色LEDランプの制御状態を示す説明図である。
【図6】実施例2の車両用2色LEDランプの点灯回路図である。
【図7】実施例2の車両用2色LEDランプの制御回路の正常時の各部信号状態のタイムチャートである。
【図8】実施例2の車両用2色LEDランプの制御回路の異常時の各部信号状態のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 ドアミラー
2 ランプ
21〜25 LEDランプ
21a〜25a 緑色LED
21b〜25b 赤色LED
3 制御部
4 電圧判断回路
5 制御部
6 AND演算部
7 AND演算部
9 特開平
A〜K 信号ライン
D1、D2 ダイオード
TR1〜TR6 トランジスタ
R1〜R9 抵抗
Vdd 供給電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2色のLEDランプの一方を点灯させる単色点灯状態と、両方の点灯により合成した色の点灯を行う合成色点灯状態とを、車両の機能動作に応じて行う車両用2色LEDランプにおいて、
2色のLEDランプの一方が異常で点灯しない場合に、前記合成色点灯状態の点灯を行わないようにする合成色点灯抑制手段を備えた、
ことを特徴とする車両用2色LEDランプ。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用2色LEDランプにおいて、
前記合成色点灯抑制手段は、
2色のLEDランプの一方が異常で点灯しないことを検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により異常を検出した場合に、前記合成色点灯状態の点灯を行わないように2色のLEDランプの点灯を制御する点灯制御手段と、
を備えた、
ことを特徴とする車両用2色LEDランプ。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用2色LEDランプにおいて、
前記合成色点灯抑制手段は、
一方のLEDランプの作動状態と他方のLEDランプの作動状態を比較する比較回路部分と、
前記比較回路部分により、作動状態が一致しない場合に、前記合成色点灯状態の点灯を行わないように2色のLEDランプを消灯させる抑制回路部分と、
を備え、
2色のLEDランプの一方が異常で点灯しない場合に、正常な方のLEDランプの駆動信号をオフにする回路構成にした、
ことを特徴とする車両用2色LEDランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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