説明

車両管理システム及び車両管理方法

【課題】車両管理システムに、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを事前登録することなく、利用者に対して有用なサービスを提供する。
【解決手段】車両に搭載された車載器から当該車載器の固有情報を受信する路側装置と、前記路側装置から受信した前記固有情報と前記固有情報に関連付けられた付随情報を元に前記車両の状態を検出し、前記車両の状態に応じた車両管理情報を出力する制御装置と、前記制御装置から出力された前記車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置と、を含む構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両管理システム及び車両管理方法に関し、特に、路車間通信を利用した車両管理システム及び車両管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速道路や有料道路における車両の通行料金の支払いは、所謂、ETC(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム)を利用して行うようになってきており、その普及には目覚ましいものがある。
【0003】
ETCにおいては、通常、車両に搭載されたETC車載器(ETC用の車載器)と、入口ゲートや料金所ゲートなどに設置されている路側装置間で、DSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)と呼ばれる通信方式を用いて無線通信を行う。そして、ETC車載器と路側装置間では、DSRCによる無線通信を行って、車両を停止させることなくノンストップで、通行料金の支払いに必要な手続が行えるようになっている。
【0004】
ETC車載器には、通常、ETC用のIC(Integrated Circuit:集積回路)カードであるところのETCカードがセットされるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1「料金収受システム、上位装置、利用証明書発行装置および利用明細書発行方法」にも記載されているように、ETCカードは、料金後納式、すなわち、クレジットカード会社が発行するクレジット方式のICカードである。つまり、ETCを利用して通行料金の支払いを行うためには、ETCの利用者は、予め、クレジットカード会社に対し、利用者情報や料金支払い口座などの登録・申し込みを行って、ETCカードを発行してもらうことが必要となる。
【0006】
また、ETC車載器が路側装置と無線通信を行えるようにするためには、ETC車載器に、予め、設置する車両の情報を登録しておかなければならない。ETC車載器に車両の情報が登録されていない場合、路側装置との間で無線通信を行うことはできない。
【0007】
一方、ETCを、通行料金の支払いだけでなく、他のサービス、例えば、駐車場における駐車時間の管理、に利用しようとする提案もなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
上述した特許文献2「施設利用通知システム」には、以下の記載がなされている。
【0009】
すなわち、特許文献2の施設利用通知システムは、料金収受システム(すなわち、ETC)を利用した駐車施設の利用通知システムであり、登録センター、ETCセンター、ETC対応ゲート、などが通信網を介して接続されている。そして、登録センターには、予め、この利用通知システムの利用者の、ETCカード番号と利用者の携帯メールアドレスを、ETCセンターを介して登録しておく。その後、利用者の搭乗車両が、駐車場の進入路に進入すると、当該車両のETC車載器と進入路に設けられたETC対応ゲートとが無線通信を行って、ETC車載器のETCカード番号がETCセンターに送信される。登録センターは、ETCセンターから当該ETCカード番号を受け、当該車両の駐車場の利用時間の監視を開始する。そして、当該車両の駐車場の利用時間が所定の時間を経過すると、当該利用者の携帯メールアドレスに、利用時間の経過に関するメッセージを通知するお知らせメールを送信する。このことにより、利用者が駐車場等の施設に於ける利用時間の管理の負担を軽減でき、利用者が利用時間の管理を怠ることによる経済上の問題を解消できるようになる、としている。
【0010】
また、ETCを、駐車場に於ける駐車料金の支払いに利用することを提案しているものもある(例えば、特許文献3参照。)。
【0011】
上述した特許文献3「駐車場管理システム」には、以下の記載がなされている。
【0012】
すなわち、特許文献3の駐車場管理システムは、高速道路で実用化されているDSRCを用いたETCを駐車場に適用したものであり、駐車場に設置され、車に搭載された車載器との間で双方向の無線通信を行うDSRC路側装置1、2を備えている。また、路側装置1、2と車載器との間で行われる無線通信により、車が停止することなく駐車場のゲート開閉及びその駐車場利用時間に応じた料金決済などを自動で行う駐車場管理サーバを備えている。そして、駐車場管理サーバは、DSRC路側装置1、2から送られてきた利用者情報と利用開始時刻/利用終了時刻を元に、利用時間とその料金を計算し、ETCを利用したノンストップ自動料金収受手段により、料金決済を行うようになっている。このことにより、ETCの利点を活かしつつ、駐車場の管理などを効率よく行うことができるようになる、としている。
【0013】
さらに、ETCを利用して、ポイントサービスを提供するシステムを提案するものもある(例えば、特許文献4参照。)。
【0014】
上述した特許文献4「サービス提供システム」には、以下の記載がなされている。
【0015】
すなわち、このサービス提供システムは、車載器との間で無線通信を行う複数の路側機と、車載器に装着されたICカードの利用に応じて、ポイントを付与し累積するポイント管理手段とを備えている。そして、路側機は、車載器に装着されたICカードの識別情報を無線通信によって取得する。ポイント管理手段は、ICカードの識別情報を取得した路側機の設置地点および取得時点に応じて、車載器に装着されたICカードに対して、ポイントを付与し累積する。このことにより、利用者にはポイントという利点が与えられるので、車載器に装着されるICカードを利用者が積極的に利用するようになる、としている。
【0016】
他方、ETCに限らず、路側装置と車載器間の無線通信、すなわち、路車間通信、を利用して、車両管理や車両へのサービスを高度化・効率化しようとしているものもある(例えば、特許文献5参照。)。
【0017】
上述した特許文献5「旅行時間計測通知システム」には、以下の記載がなされている。
【0018】
すなわち、車載器は、狭域無線通信装置と通信情報記録装置および走行距離計測装置を有する。路側機は、狭域無線通信装置、通信情報記録装置、路側機情報記録装置、旅行時間計算装置、および、時刻計測装置などを有する。そして、車載器は、通信情報記録装置内の前回通信した路側機の固有IDおよび通信時刻と走行距離とを、狭域無線通信で路側機側に提供する。路側機側では、走行距離が路側機間の標準経路距離と一致し且つ車両が途中で長時間駐車していない場合に旅行時間を計算し、走行路の上流側の路側機から、運転者に旅行時間を通知する。このことにより、複数の路側機で旅行時間の計測および通知を分散処理してネットワーク情報量を軽減し、安価な車載器を用いて正確な旅行時間を計測して通知できるようになる、としている。
【0019】
また、路側装置と車載器間の路車間通信を利用した車両管理の他の一例として、車両重量の判定を精度よく行うことを提案しているものもある(例えば、特許文献6参照。)。
【0020】
上述した特許文献6「車両重量判定装置」には、以下の記載がなされている。
【0021】
すなわち、車両には、自車両の車両総重量を送信する車載器を搭載する。車両重量判定装置は、車両から重量に関するデータを受信する手段と、前記車両の実重量を計測する手段と、前記重量データと前記実重量を比較して重量超過を判定する手段とを備える。これにより、車両ごとに定められる重量に関するデータと実重量の値とを比較することができ、過積載の有無を精度良く判定することができるようになる、としている。
【0022】
【特許文献1】特開2007−058300号公報(第5−10頁、図1−3)
【特許文献2】特開2007−086915号公報(第4−8頁、図1−6)
【特許文献3】特開2003−058925号公報(第3−5頁、図1−7)
【特許文献4】特開2005−056069号公報(第3−5頁、図1−4)
【特許文献5】特開2007−034675号公報(第4−10頁、図1−2)
【特許文献6】特開平11−218438号公報(第2−4頁、図1−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述した、特許文献1〜6に記載のシステム或いは装置は、何れも、ETCなどで実現されている路車間通信を利用して、車両管理や車両へのサービスを行おうとするものである。
【0024】
そして、特許文献1〜4に記載のシステムは、ETC車載器を使用して、通行料金の自動収受等の他に、更なるサービスを提供するようにしている。サービスの種類は、例えば、利用明細書の発行サービス(特許文献1)、施設の利用時間の通知サービス(特許文献2)、駐車料金の自動収受サービス(特許文献3)、ポイントの付与・累積サービス(特許文献4)などである。しかし、これらのサービスの提供を受けるためには、ETC車載器の固有情報や使用するICカード及びその利用者の個人情報などを、サービス提供を行うシステムに、事前に登録しておくことが必須となっている。つまり、事前登録無しでは、上記サービスの提供を受けられない、という課題を有している。
【0025】
また、特許文献5に記載のシステムにおいては、車両の走行距離などを路側機側に送信する機能を有する車載器を利用するようになっている。さらに、特許文献6に記載の装置においては、車両の総重量を路側機側に送信する機能を有する車載器を利用するようになっている。
【0026】
つまり、特許文献5、6に記載の車載器は、通常のETC車載器には搭載されていない特別な機能、すなわち、車両の走行距離や、車両の総重量などを路側機側に送信する機能を備えねばならない、という課題を有している。
【0027】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものである。従って、本発明の目的は、通常のETC車載器を利用し、且つ、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを事前登録することなく、利用者に対して有用なサービスを提供する、車両管理システム及び車両管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の車両管理システムは、車両に搭載された車載器から当該車載器の固有情報を受信する路側装置を含んでいる。また、この車両管理システムは、前記路側装置から受信した前記固有情報と前記固有情報に関連付けられた付随情報を元に前記車両の状態を検出し、前記車両の状態に応じた車両管理情報を出力する制御装置をも含んでいる。さらに、この車両管理システムは、前記制御装置から出力された前記車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置をも含んでいる。
【0029】
本発明の車両管理方法は、車両に搭載された車載器との間で路車間通信を行う路側装置を含む車両管理システムにおける車両管理方法において、前記路側装置から受信した前記車載器の固有情報と前記固有情報に関連付けられた付随情報を元に前記車両の状態を検出する。そして、前記車両の状態に応じた車両管理情報を出力し、前記車両管理情報に基づいた管理サービス情報を出力するようになっている。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを車両管理システムに事前登録することなく、利用者に対して有用な車両管理サービスを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の車両管理システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【0032】
図1に示す車両管理システム100は、地点aに設置される路側装置1−1と、地点bに設置される路側装置1−2と、路側装置1−1及び1−2(総称して、路側装置1ともいう)と通信接続する制御装置2と、制御装置2と通信接続する車両管理サービス提供装置6と、を含んでいる。また、路側装置1−1、1−2との間で路車間通信を行う車載器3を搭載する車両5を含んでいる。
【0033】
なお、図1の右上に示す車両5(2)は、図1の左上の車両5と同一の車両である。つまり、図1では、ある時点で地点aに存在した車両を車両5として示しており、車両5がその後、図1のD方向に移動して地点bに到達した場合を、車両5(2)として示している。
【0034】
図1に示す車両管理システム100は、高速道路や有料道路で実用化されているETC(Electronic Toll Collection System:自動料金収受システム)を、車両管理に適用したものである。
【0035】
従って、車両管理システム100で利用する車載器3は、路側装置1とDSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)による路車間通信を行うことが可能なETC車載器(ETC用の車載器)である。また、路側装置1は、車載器3との間で行われるDSRCによる路車間通信の機能を含むものである。
【0036】
上述したように、車載器3はETC車載器であるため、車載器3には、予め車両5の情報(ナンバープレートなどの車両情報)が書き込んである。車載器3に車両情報を書き込んでおくことにより、車載器3は路側装置1との間でDSRCによる路車間通信を行うことが可能となる。なお、本実施形態においては、車載器3から路側装置1に対し、車載器3の固有情報を送信するものとし、この固有情報としては車載器3に書き込んである車両情報を用いるものとする。なお、車両情報は、車載器3を特定することが可能なユニークな値となっている。
【0037】
制御装置2は、路側装置1から、路側装置1が受信した車載器3の固有情報と、固有情報に関連付けられた付随情報を受信する。付随情報の一例としては、路側装置1のID(Identifier:アイディー)と路側装置1で路車間通信が行われた時刻の情報、を挙げることができる。
【0038】
そして、制御装置2は、車載器3の固有情報と、その固有情報に関連付けられた付随情報を元にして、車載器3を搭載している車両5の状態を検出する。車両5の状態の一例としては、車両5が地点a(路側装置1−1の設置位置)から地点b(路側装置1−2の設置位置)に至るまでの時間、を挙げることができる。
【0039】
車両5の状態を検出した制御装置2は、車両5の状態に応じた車両管理情報を出力する。車両管理情報の一例としては、車両5が地点a(路側装置1−1)から地点B(路側装置1−2)に至るまでの走行時間、或いは、平均速度など、を挙げることができる。
【0040】
制御装置2が出力した車両管理情報は、車両管理サービス提供装置6により車両管理システム100の利用者に提供するようにする。車両管理サービス提供装置6により提供されるサービスの一例として、車両5の速度オーバーを注意するメッセージの表示、を挙げることができる。
【0041】
なお、上述した本実施形態においては、車載器3はETC車載器であるものとして説明したが、これはITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)車載器であってもよい。
【0042】
ITS車載器は、最先端の情報通信技術を用い、渋滞や交通事故といった道路交通問題の解決を目指す次世代の交通システムで用いる車載器として開発がなされているものである。ITS車載器は、通常、複数のアプリケーションに対応できるよう開発されている。そして、対応可能なアプリケーションとしては、渋滞情報などと連動したナビゲーション(VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム))や、道路上における情報提供(気象状況、公共交通機関情報、等々)、などが検討されている。そして、ITS車載器が対応可能なアプリケーションには、ETCも含まれている。従って、ITS車載器であっても、ETC車載器と同様に、DSRCによる路側装置との路車間通信を行うことが可能となっている。
【0043】
また、本実施形態においては、車載器3の固有情報として、車載器3に書き込まれている車両情報を用いるものとして説明したが、これは、WCN(Wireless Call Number:ワイヤレスコールナンバー)に代えてもよい。
【0044】
上述したように、車載器3はETC車載器(又は、ITS車載器)であるため、基本的にはETC(すなわち、自動料金収受)のための動作を行うようになっている。しかし、ETC車載器も無線装置の一種であるため、電波法の規約により、WCNと呼ばれる自己IDを、無線管理者などからの問い合わせに対して返信する機能を有している。そこで、本実施形態においては、車載器3の固有情報として、WCNを、車載器3から路側装置1に対して送信するようにしてもよい。なお、WCNは、ETC車載器を特定することが可能なユニークな値であるため、本実施形態の車載器3もWCNによって一意に特定することが可能となる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の車両管理システム100は、車両5に搭載された車載器3から当該車載器3の固有情報を受信する路側装置1を含んでいる。また、路側装置1から受信した前記固有情報と前記固有情報に関連付けられた付随情報を元に、車両5の状態を検出し、車両5の状態に応じた車両管理情報を出力する制御装置2を含んでいる。さらに、制御装置2が出力した車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置6を含んでいる。すなわち、車両管理サービス提供装置6は、車両管理情報に基づいて車両管理を行うための管理サービス情報を出力する。
【0046】
従って、本実施形態によれば、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを、車両管理システムに事前登録することなく、利用者に対する有用なサービスを提供することが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、図1に示した第1の実施形態をさらに具体化した本発明による第2の実施形態について説明する。
【0047】
図2は、本発明の車両管理システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【0048】
図2に示す車両管理システム100−2は、第1の実施形態で示した車両管理システム100を、速度オーバーの車両に対し注意メッセージを表示するシステムとして構成したものである。従って、図2において図1に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0049】
図2に示す車両管理システム100−2は、道路70の地点aに設置される路側装置10−1と、道路70の地点bに設置される路側装置10−2と、路側装置10−1及び10−2と通信接続する制御装置20と、を含んでいる。また、道路70の地点Cに設置され、制御装置20と通信接続する車両管理サービス提供装置60と、を含んでいる。さらに、路側装置10−1、10−2との間で路車間通信を行う車載器3を搭載する車両5を含んでいる。
【0050】
なお、図2の地点bの車両5(2)は、図2の地点aの車両5が、道路70のD方向に移動して地点bに到達した場合を示すものである。
【0051】
また、車両管理システム100−2で利用する車載器3は、第1の実施形態と同じETC車載器あるいはITS車載器である。車載器3は、路側装置10との間で路車間通信が行われた場合、路側装置10に対し自己の固有情報(車両情報あるいはWCN)を送信する。
【0052】
路側装置10(10−1、10−2)は、車載器3との間で行われる路車間通信の機能を含み、さらに、路車間通信が行われた時刻を計測する時計11(11−1、11−2)を含んでいる。
【0053】
制御装置20は、受信手段21と、記憶手段22と、差分演算手段23と、車両管理情報出力手段24と、を含んでいる。
【0054】
受信手段21は、路側装置10(10−1、10−2)から、路側装置10が受信した車載器3の固有情報と、固有情報に関連付けられた付随情報を受信する。本実施形態における付随情報は、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた時刻の情報、である。そして、受信手段21は、路側装置10から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22に書き込み記憶させる。また、受信手段21は、固有情報と付随情報を記憶手段22に書き込み記憶させたことを、差分演算手段23に通知する。
【0055】
記憶手段22は、受信手段21が路側装置10から受信した、車載器3の固有情報と、固有情報に関連づけられた付随情報を、データベース(Data Base)内に記憶する。
【0056】
ここで、図3を参照して、記憶手段22内のデータベースについて詳述する。
【0057】
図3は、記憶手段内のデータベースの構成を示す図である。
【0058】
図3において、記憶手段22はデータベース22−0を含んでいる。
【0059】
データベース22−0は、22−11行に示すように、車載器の固有情報を記憶する欄(22−1列)と、付随情報を記憶する欄(22−2列および22−3列)と、を含んでいる。そして、22−12行に示すように、付随情報を記憶する欄は、路側装置IDの欄(22−2列)と路車間通信時刻の欄(22−3列)を含んでいる。
【0060】
データベース22−0のレコードの内容の一例について説明する。
【0061】
22−13行のレコードは、固有情報が「○○○」の車載器(22−1列)と、路側装置IDが「路側装置10−1」の路側装置(22−2列)とが、路車間通信時刻「20××年××月××日の13時01分00秒」(22−3列)に路車間通信を行ったことを記憶している。
【0062】
また、22−14行のレコードは、固有情報が「△△△」の車載器(22−1列)と、路側装置IDが「路側装置10−1」の路側装置(22−2列)とが、路車間通信時刻「20××年××月××日の13時01分02秒」(22−3列)に路車間通信を行ったことを記憶している。以下の行についても、同様である。
【0063】
図2に戻り、制御装置20の差分演算手段23は、記憶手段22内のデータベース22−0を検索し、データベース22−0内に、車載器の固有情報として同一のレコードが複数記憶されていた場合、それらの付随情報の差分を演算する。そして、演算した付随情報の差分データを車載器の固有情報と共に、車両管理情報出力手段24に送出する。
【0064】
車両管理情報出力手段24は、差分演算手段23から付随情報の差分データと車載器の固有情報を受信し、差分データから車両5の状態を検出する。本実施形態においては、車両5の状態として、車両5の走行速度を検出する。そして、車両5の状態(すなわち、走行速度)を、車両管理サービス提供装置60に送出する。
【0065】
車両管理サービス提供装置60は、制御装置20の車両管理情報出力手段24から受信した車両5の状態(走行速度)に基づき、車両5に対する注意メッセージの出力要否を判断する。そして、注意メッセージ出力が必要と判断した場合、車両管理サービス提供装置60が備える表示手段61(例えば、大型電光表示装置)に、注意メッセージを表示する。
【0066】
次に、図2、図3を再度参照して、本実施形態の動作について説明する。
【0067】
ここで、図2の車両管理システム100−2は初期状態にあるものとする。すなわち、制御装置20の記憶手段22内のデータベース22−0には、未だ如何なるレコードも書き込まれていない状態にあるものとする。
【0068】
先ず、図2の車両5が地点aを通過すると、路側装置10−1との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−1は、車載器3の固有情報(「○○○」であるものとする)を受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10−1のIDと、路車間通信が行われた時刻の情報)を、制御装置20に送出する。
【0069】
制御装置20の受信手段21は、路側装置10−1から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22内のデータベース22−0のレコード(図3の22−13行)に記憶させる。そして、受信手段21は、データベース22−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23に通知する。
【0070】
そこで、差分演算手段23は、記憶手段22内のデータベース22−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここでは、データベース22−0内には1レコード(22−13行)だけが記憶されている状態であるため、差分演算手段23はその動作を終了する。
【0071】
次に、図2の車両5以外の車両(当該車両の車載器の固有情報は「△△△」であるものとする)が地点aを通過すると、路側装置10−1との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−1は、当該車両の車載器から固有情報(「△△△」)を受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10−1のIDと、路車間通信が行われた時刻の情報)を、制御装置20に送出する。
【0072】
制御装置20の受信手段21は、路側装置10−1から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22内のデータベース22−0のレコード(図3の22−14行)に記憶させる。そして、受信手段21は、データベース22−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23に通知する。
【0073】
そこで、差分演算手段23は、記憶手段22内のデータベース22−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここでは、データベース22−0内には、固有情報が「△△△」のレコードは1レコード(22−14行)しか記憶されていないため、差分演算手段23はその動作を終了する。
【0074】
さらに、図2の車両5が、道路70をD方向に移動して地点bを通過すると(図2の車両5(2))、地点bの路側装置10−2との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−2は、車載器3の固有情報(「○○○」)を受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10−2のIDと、路車間通信が行われた時刻の情報)を、制御装置20に送出する。
【0075】
制御装置20の受信手段21は、路側装置10−2から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22内のデータベース22−0のレコード(図3の22−15行)に記憶させる。そして、受信手段21は、データベース22−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23に通知する。
【0076】
そこで、差分演算手段23は、記憶手段22内のデータベース22−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここで、図3のデータベース22−0内には、22−13行と22−15行に、同一の車載器の固有情報「○○○」を記憶するレコードが存在する。そこで、差分演算手段23は、これら2つのレコードの付随情報の差分を演算する。具体的には、固有情報「○○○」を有する車載器が、「路側装置10−1」から「路側装置10−2」へと移動している。また、その間の移動時間は6秒=「20××年××月××日の13時01分06秒(22−15行)」−「20××年××月××日の13時01分00秒(22−13行)」である、という演算を行う。そして、この差分データを車載器の固有情報(「○○○」)と共に車両管理情報出力手段24に送出する。
【0077】
車両管理情報出力手段24は、差分演算手段23から受信した差分データと固有情報から、当該固有情報を有する車載器3を搭載する車両5の状態を検出する。本実施形態においては、車両5の状態として、車両5の走行速度を検出する。
【0078】
具体的には、地点aと地点b間の距離が「100メートル」であるものとする。そして、差分データは、固有情報「○○○」を有する車載器3を搭載する車両5が、地点aの「路側装置10−1」から地点bの「路側装置10−2」へと6秒で移動している、ということを示している。そこで、車両5の平均速度を時速で演算すると、
(100メートル/6秒)×3,600秒=60,000メートル/h=60km/h
となる。そして、ここで求めた平均速度を、本実施形態においては、車両5の状態としての走行速度として用いるものとする。
【0079】
車両管理情報出力手段24は、検出した車両5の走行速度(60km/h)を、車両管理サービス提供装置60に送出する。
【0080】
車両管理サービス提供装置60は、受信した車両5の走行速度(60km/h)に基づき、車両5に対する注意メッセージの出力要否を判断する。例えば、図2の道路70が一般道路であるとすれば、この走行速度では注意が必要と判断し、車両管理サービス提供装置60が備える表示手段61に、注意メッセージを表示する。例えば、「この先、急カーブ!! 速度注意!!」などという注意メッセージを表示する。
【0081】
車両管理サービス提供装置60の表示手段61に表示された注意メッセージは、車両5の乗員に対し、速度に注意しよう、という認識をもたらすことが可能となる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の車両管理システム100−2は、車両5に搭載された車載器3から当該車載器3の固有情報を受信する路側装置10を含んでいる。また、路側装置10から受信した前記固有情報と、前記固有情報に関連付けられた付随情報(路側装置10のID、及び、路車間通信が行われた時刻の情報)を元に、車両5の状態を検出し、車両5の状態に応じた車両管理情報(車両5の走行速度)を出力する制御装置20を含んでいる。さらに、制御装置20が出力した車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置60を含んでいる。車両管理サービス提供装置60は、車両管理情報(車両5の走行速度)に基づいて、必要であれば、車両5に対する注意メッセージを表示手段61に表示するようになっている。
【0083】
また、制御装置20は、路側装置10が受信した固有情報と、固有情報に関連付けられた付随情報を受信する受信手段21と、固有情報と固有情報に関連付けられた付随情報を蓄積する記憶手段22と、を含んでいる。制御装置20は、さらに、記憶手段22に蓄積されている同一の固有情報に関連付けられた複数の付随情報の差分データを演算する差分演算手段23と、差分データから車両の状態を検出し、車両の状態に応じた車両管理情報を出力する車両管理情報出力手段24と、を含んでいる。
【0084】
従って、本実施形態によれば、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを、車両管理システムに事前登録することなく、利用者に対する有用なサービスを提供することが可能となる。
[第3の実施形態]
次に、図1に示した第1の実施形態をさらに具体化した本発明による第3の実施形態について説明する。
【0085】
図4は、本発明の車両管理システムの第3の実施形態を示すブロック図である。
【0086】
図4に示す車両管理システム100−3は、第1の実施形態で示した車両管理システム100を、駐車場を管理するシステムとして構成したものである。従って、図4において図1に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0087】
図4に示す車両管理システム100−3は、駐車場80の入場口81に設置される路側装置10−3−1と、駐車場80の出場口83に設置される路側装置10−3−2と、路側装置10−3−1及び10−3−2と通信接続する制御装置20−3と、を含んでいる。また、駐車場80の出場口83に設置され、制御装置20−3と通信接続する車両管理サービス提供装置60−3と、を含んでいる。さらに、路側装置10−3−1、10−3−2との間で路車間通信を行う車載器3を搭載する車両5を含んでいる。車両5は、駐車場80内に入ると、駐車スペース82内に駐車する。
【0088】
なお、図4の出場口83の車両5(2)は、図4の入場口81からD1方向に移動して入る車両5が、駐車スペース82内での駐車を終えて、出場口83からD2方向に移動して出場しようとする場合を示すものである。
【0089】
また、車両管理システム100−3で利用する車載器3は、第1の実施形態と同じETC車載器あるいはITS車載器である。車載器3は、路側装置10との間で路車間通信が行われた場合、路側装置10に対し自己の固有情報(車両情報あるいはWCN)を送信する。
【0090】
路側装置10(10−3−1、10−3−2)は、車載器3との間で行われる路車間通信の機能を含み、さらに、路車間通信が行われた時刻を計測する時計11(11−3−1、11−3−2)を含んでいる。
【0091】
制御装置20−3は、受信手段21−3と、記憶手段22−3と、差分演算手段23−3と、車両管理情報出力手段24−3と、を含んでいる。
【0092】
受信手段21−3は、路側装置10(10−3−1、10−3−2)から、路側装置10が受信した車載器3の固有情報と、固有情報に関連付けられた付随情報を受信する。本実施形態における付随情報は、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた時刻の情報、である。そして、受信手段21−3は、路側装置10から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−3に書き込み記憶させる。また、受信手段21−3は、固有情報と付随情報を記憶手段22−3に書き込み記憶させたことを、差分演算手段23−3に通知する。
【0093】
記憶手段22−3は、受信手段21−3が路側装置10から受信した、車載器3の固有情報と、固有情報に関連づけられた付随情報を、データベース内に記憶する。
【0094】
ここで、図5を参照して、記憶手段22−3内のデータベースについて詳述する。
【0095】
図5は、記憶手段内のデータベースの構成を示す第2の図である。
【0096】
図5において、記憶手段22−3はデータベース22−3−0を含んでいる。
【0097】
データベース22−3−0は、22−3−11行に示すように、車載器の固有情報を記憶する欄(22−3−1列)と、付随情報を記憶する欄(22−3−2列および22−3−3列)と、を含んでいる。そして、22−3−12行に示すように、付随情報を記憶する欄は、路側装置IDの欄(22−3−2列)と路車間通信時刻の欄(22−3−3列)を含んでいる。
【0098】
データベース22−3−0のレコードの内容の一例について説明する。
【0099】
22−3−13行のレコードは、固有情報が「○○○」の車載器(22−3−1列)と、路側装置IDが「路側装置10−3−1」の路側装置(22−3−2列)とが、路車間通信時刻「20××年××月××日の13時01分00秒」(22−3−3列)に路車間通信を行ったことを記憶している。
【0100】
また、22−3−14行のレコードは、固有情報が「△△△」の車載器(22−3−1列)と、路側装置IDが「路側装置10−3−1」の路側装置(22−3−2列)とが、路車間通信時刻「20××年××月××日の13時05分05秒」(22−3−3列)に路車間通信を行ったことを記憶している。以下の行についても、同様である。
【0101】
図4に戻り、制御装置20−3の差分演算手段23−3は、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0を検索し、データベース22−3−0内に、車載器の固有情報として同一のレコードが複数記憶されていた場合、それらの付随情報の差分を演算する。そして、演算した付随情報の差分データを車載器の固有情報と共に、車両管理情報出力手段24−3に送出する。
【0102】
車両管理情報出力手段24−3は、差分演算手段23−3から付随情報の差分データと車載器の固有情報を受信し、差分データから車両5の状態を検出する。本実施形態においては、車両5の状態として、車両5の駐車場80における駐車時間を検出する。そして、車両5の状態(すなわち、駐車時間)を、車両管理サービス提供装置60−3に送出する。
【0103】
車両管理サービス提供装置60−3は、制御装置20−3の車両管理情報出力手段24−3から受信した車両5の状態(駐車時間)に基づき、車両5の駐車料金を演算する。そして、車両管理サービス提供装置60−3が備える駐車料金精算手段62に、駐車料金を表示する。駐車料金精算手段62に、その駐車料金が投入されると、車両管理サービス提供装置60−3は、出口ゲート63を開く。車両5は、D2方向に移動して駐車場80から出場する。
【0104】
次に、図4、図5を再度参照して、本実施形態の動作について説明する。
【0105】
ここで、図4の車両管理システム100−3は初期状態にあるものとする。すなわち、制御装置20−3の記憶手段22−3内のデータベース22−3−0には、未だ如何なるレコードも書き込まれていない状態にあるものとする。
【0106】
先ず、図4の車両5が入場口81からD1方向に移動しながら駐車場80に入場しようとすると、路側装置10−3−1との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−3−1は、車載器3の固有情報(「○○○」であるものとする)を受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10−3−1のIDと、路車間通信が行われた時刻の情報)を、制御装置20−3に送出する。また、路側装置10−3−1は、図示しない入口ゲートを開き、車両5を駐車場80内に入場させる。
【0107】
制御装置20−3の受信手段21−3は、路側装置10−3−1から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0のレコード(図5の22−3−13行)に記憶させる。そして、受信手段21−3は、データベース22−3−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−3に通知する。
【0108】
そこで、差分演算手段23−3は、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここでは、データベース22−3−0内には1レコード(22−3−13行)だけが記憶されている状態であるため、差分演算手段23−3はその動作を終了する。
【0109】
次に、図4の車両5以外の車両(当該車両の車載器の固有情報は「△△△」であるものとする)が入場口81に入ると、路側装置10−3−1との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−3−1は、当該車両の車載器から固有情報(「△△△」)を受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10−3−1のIDと、路車間通信が行われた時刻の情報)を、制御装置20−3に送出する。また、路側装置10−3−1は、図示しない入口ゲートを開き、当該車両を駐車場80内に入場させる。
【0110】
制御装置20−3の受信手段21−3は、路側装置10−3−1から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0のレコード(図5の22−3−14行)に記憶させる。そして、受信手段21−3は、データベース22−3−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−3に通知する。
【0111】
そこで、差分演算手段23−3は、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここでは、データベース22−3−0内には、固有情報が「△△△」のレコードは1レコード(22−3−14行)しか記憶されていないため、差分演算手段23−3はその動作を終了する。
【0112】
図4に示した車両5が、駐車スペース82での駐車を終えて、出場口83に移動してくると(図4の車両5(2))、出場口83の路側装置10−3−2との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−3−2は、車載器3の固有情報(「○○○」)を受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10−3−2のIDと、路車間通信が行われた時刻の情報)を、制御装置20−3に送出する。
【0113】
制御装置20−3の受信手段21−3は、路側装置10−3−2から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0のレコード(図5の22−3−15行)に記憶させる。そして、受信手段21−3は、データベース22−3−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−3に通知する。
【0114】
そこで、差分演算手段23−3は、記憶手段22−3内のデータベース22−3−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここで、図5のデータベース22−3−0内には、22−3−13行と22−3−15行に、同一の車載器の固有情報「○○○」を記憶するレコードが存在する。そこで、差分演算手段23−3は、これら2つのレコードの付随情報の差分を演算する。具体的には、固有情報「○○○」を有する車載器が、「路側装置10−3−1」が設置されている入場口81から入場し、「路側装置10−3−2」が設置されている出場口83から出場しようとしている。また、その間の時間は2時間00分=「20××年××月××日の15時01分00秒(22−3−15行)」−「20××年××月××日の13時01分00秒(22−3−13行)」である、という演算を行う。そして、この差分データを車載器の固有情報(「○○○」)と共に車両管理情報出力手段24−3に送出する。
【0115】
車両管理情報出力手段24−3は、差分演算手段23−3から受信した差分データと固有情報から、当該固有情報を有する車載器3を搭載する車両5の状態を検出する。本実施形態においては、車両5の状態として、車両5の駐車時間を検出する。
【0116】
具体的には、差分演算手段23−3から受信した差分データ、すなわち2時間00分という時間を、そのまま駐車時間とみなすようにする。
【0117】
車両管理情報出力手段24−3は、車両5の駐車時間(2時間00分)を、車両5の固有情報と共に車両管理サービス提供装置60−3に送出する。
【0118】
車両管理サービス提供装置60−3は、制御装置20−3の車両管理情報出力手段24−3から受信した車両5の状態(駐車時間)に基づき、車両5の駐車料金を演算する。そして、車両管理サービス提供装置60−3が備える駐車料金精算手段62に、駐車料金を表示する。駐車料金精算手段62に、その駐車料金が投入されると、車両管理サービス提供装置60−3は、出口ゲート63を開く。車両5は、D2方向に移動して駐車場80から出場する。
【0119】
なお、車両管理サービス提供装置60−3は、駐車時間が短時間である場合には、当該車両5の駐車料金を無料とするようなサービスを提供してもよい。また、駐車時間が短時間であっても、頻繁に駐車場利用を行っている車両5に対しては、無料ではなく有料とするような変更を行うようにしてもよい。或いは、1日の内に複数回の駐車場利用がある場合には、当該車両5の駐車料金の割引を行うようなサービスを提供してもよい。
【0120】
以上説明したように、本実施形態の車両管理システム100−3は、車両5に搭載された車載器3から当該車載器3の固有情報を受信する路側装置10を含んでいる。また、路側装置10から受信した前記固有情報と、前記固有情報に関連付けられた付随情報(路側装置10のID、及び、路車間通信が行われた時刻の情報)を元に、車両5の状態を検出し、車両5の状態に応じた車両管理情報(車両5の駐車時間)を出力する制御装置20−3を含んでいる。さらに、制御装置20−3が出力した車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置60−3を含んでいる。車両管理サービス提供装置60−3は、車両管理情報(車両5の駐車時間)に基づいて、車両5の駐車料金を算出し、駐車料金が投入され精算されると、駐車場80の出口ゲート63を開き、車両5を駐車場80から出場させるようになっている。
【0121】
従って、本実施形態によれば、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを、車両管理システムに事前登録することなく、利用者に対する有用な駐車場管理サービスを提供することが可能となる。
【0122】
また、ETC車載器の固有情報の事前登録は行わないが、固有情報により車載器を搭載する車両を特定できるので、駐車券を使用しない駐車場管理サービスを提供することが可能となる。
[第4の実施形態]
次に、図1に示した第1の実施形態をさらに具体化した本発明による第4の実施形態について説明する。
【0123】
図6は、本発明の車両管理システムの第4の実施形態を示すブロック図である。
【0124】
図6に示す車両管理システム100−5は、第1の実施形態で示した車両管理システム100を、車両の貨物の積み降ろしを管理するシステムとして構成したものである。従って、図6において図1に示す構成要素に対応するものは同一の参照数字または符号を付し、その説明を極力省略するものとする。
【0125】
なお、本実施形態において以下に説明する貨物処理施設90とは、例えば、貨物の中継を行う運送会社や、廃棄物処理場などを想定しているが、これらの施設だけに限定するものではない。
【0126】
図6に示す車両管理システム100−5は、貨物処理施設90の入場口91に設置される路側装置10−5−1と、貨物処理施設90の出場口93に設置される路側装置10−5−2と、路側装置10−5−1及び10−5−2と通信接続する制御装置20−5と、を含んでいる。また、貨物処理施設90の貨物の積み降ろしを管理する部門などに設置され、制御装置20−5と通信接続する車両管理サービス提供装置60−5と、を含んでいる。さらに、路側装置10−5−1、10−5−2との間で路車間通信を行う車載器3を搭載する車両5を含んでいる。またさらに、入場口91に設置され、路側装置10−5−1と通信接続する車両重量計測手段95−1と、出場口93に設置され、路側装置10−5−2と通信接続する車両重量計測手段95−2とを含んでいる。
【0127】
なお、図6の出場口93の車両5(2)は、図6の入場口91からD5方向に移動して入場する車両5が、貨物処理施設90内での貨物の積み降ろしを終えて、出場口93からD6方向に移動して出場しようとする場合を示すものである。
【0128】
また、車両管理システム100−5で利用する車載器3は、第1の実施形態と同じETC車載器あるいはITS車載器である。車載器3は、路側装置10との間で路車間通信が行われた場合、路側装置10に対し自己の固有情報(車両情報あるいはWCN)を送信する。車載器3を搭載する車両5は、貨物の運搬などを行うトラックやライトバン或いは他の種類の車両である。
【0129】
車両重量計測手段95(95−1、95−2)は、路面等に設置され、その上部を通過する車両の総重量を計測し、計測した車両総重量を路側装置10(10−5−1、10−5−2)に送出する。
【0130】
路側装置10(10−5−1、10−5−2)は、車載器3との間で行われる路車間通信の機能を含み、さらに、路車間通信が行われた際に、車両重量計測手段95(95−1、95−2)が計測した車両総重量を受信する機能を含んでいる。なお、路側装置10と車載器3との間の路車間通信は、車載器3を搭載する車両5が、車両重量計測手段95の上部を通過する時点で行われるようにするものとする。
【0131】
制御装置20−5は、受信手段21−5と、記憶手段22−5と、差分演算手段23−5と、車両管理情報出力手段24−5と、を含んでいる。
【0132】
受信手段21−5は、路側装置10(10−5−1、10−5−2)から、路側装置10が受信した車載器3の固有情報と、固有情報に関連付けられた付随情報を受信する。本実施形態における付随情報は、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた際に車両重量計測手段95が計測し、路側装置10が受信した車両総重量の情報、である。そして、受信手段21−5は、路側装置10から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−5に書き込み記憶させる。また、受信手段21−5は、固有情報と付随情報を記憶手段22−5に書き込み記憶させたことを、差分演算手段23−5に通知する。
【0133】
記憶手段22−5は、受信手段21−5が路側装置10から受信した、車載器3の固有情報と、固有情報に関連づけられた付随情報を、データベース内に記憶する。
【0134】
ここで、図7を参照して、記憶手段22−5内のデータベースについて詳述する。
【0135】
図7は、記憶手段内のデータベースの構成を示す第3の図である。
【0136】
図7において、記憶手段22−5はデータベース22−5−0を含んでいる。
【0137】
データベース22−5−0は、22−5−11行に示すように、車載器の固有情報を記憶する欄(22−5−1列)と、付随情報を記憶する欄(22−5−2列および22−5−3列)と、を含んでいる。そして、22−5−12行に示すように、付随情報を記憶する欄は、路側装置IDの欄(22−5−2列)と車両総重量の欄(22−5−3列)を含んでいる。
【0138】
データベース22−5−0のレコードの内容の一例について説明する。
【0139】
22−5−13行のレコードは、固有情報が「○○○」の車載器(22−5−1列)と、路側装置IDが「路側装置10−5−1」の路側装置(22−5−2列)とが、路車間通信を行った時点で得られた車両総重量が「4,000Kg」(22−5−3列)であったことを記憶している。
【0140】
また、22−5−14行のレコードは、固有情報が「△△△」の車載器(22−5−1列)と、路側装置IDが「路側装置10−5−1」の路側装置(22−5−2列)とが、路車間通信を行った時点で得られた車両総重量が「8,500Kg」(22−5−3列)であったことを記憶している。以下の行についても、同様である。
【0141】
図6に戻り、制御装置20−5の差分演算手段23−5は、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0を検索し、データベース22−5−0内に、車載器の固有情報として同一のレコードが複数記憶されていた場合、それらの付随情報の差分を演算する。そして、演算した付随情報の差分データを車載器の固有情報と共に、車両管理情報出力手段24−5に送出する。
【0142】
車両管理情報出力手段24−5は、差分演算手段23−5から付随情報の差分データと車載器の固有情報を受信し、差分データから車両5の状態を検出する。本実施形態においては、車両5の状態として、車両5が貨物処理施設90内で積み込んだ、或いは、降ろした貨物の重量を検出する。そして、車両5の状態(すなわち、積み降ろしした貨物の重量)を、車両管理サービス提供装置60−5に送出する。
【0143】
車両管理サービス提供装置60−5は、制御装置20−5の車両管理情報出力手段24−5から受信した車両5の状態(積み降ろしした貨物の重量)に基づき、管理サービス情報を出力する。本実施形態の場合、管理サービス情報としてその重量を自己の備える表示装置などに表示するための表示情報を出力し、表示させる。或いは、車両5が、貨物処理施設90の所有車である場合には、車両管理サービス提供装置60−5は、自己の備える記録装置などに、車両5の固有情報と、その車両5が積み降ろしした貨物の重量を記録するようにしてもよい。
【0144】
次に、図6、図7を再度参照して、本実施形態の動作について説明する。
【0145】
ここで、図6の車両管理システム100−5は初期状態にあるものとする。すなわち、制御装置20−5の記憶手段22−5内のデータベース22−5−0には、未だ如何なるレコードも書き込まれていない状態にあるものとする。
【0146】
先ず、図6の車両5が入場口91からD5方向に移動しながら貨物処理施設90に入場しようとすると、車両5が車両重量計測手段95−1の上部を通過する時点で、車載器3と路側装置10−5−1との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−5−1は、車載器3の固有情報(「○○○」であるものとする)を受信する。同時に、路側装置10−5−1は、車両5の総重量を車両重量計測手段95−1から受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報)を、制御装置20−5に送出する。
【0147】
制御装置20−5の受信手段21−5は、路側装置10−5−1から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0のレコード(図7の22−5−13行)に記憶させる。そして、受信手段21−5は、データベース22−5−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−5に通知する。
【0148】
そこで、差分演算手段23−5は、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここでは、データベース22−5−0内には1レコード(22−5−13行)だけが記憶されている状態であるため、差分演算手段23−5はその動作を終了する。
【0149】
次に、図6の車両5以外の車両(当該車両の車載器の固有情報は「△△△」であるものとする)が入場口91からD5方向に移動しながら貨物処理施設90に入場しようとすると、当該車両が車両重量計測手段95−1の上部を通過する時点で、当該車両の車載器3と路側装置10−5−1との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−5−1は、車載器3の固有情報(「△△△」)を受信する。同時に、路側装置10−5−1は、当該車両の総重量を車両重量計測手段95−1から受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報)を、制御装置20−5に送出する。
【0150】
制御装置20−5の受信手段21−5は、路側装置10−5−1から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0のレコード(図7の22−5−14行)に記憶させる。そして、受信手段21−5は、データベース22−5−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−5に通知する。
【0151】
そこで、差分演算手段23−5は、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここでは、データベース22−5−0内には、固有情報が「△△△」のレコードは1レコード(22−3−14行)しか記憶されていない状態であるため、差分演算手段23−5はその動作を終了する。
【0152】
図6に示した車両5が、貨物処理施設90内での貨物の積み降ろしを終えて、出場口93に移動してくると(図6の車両5(2))、車両5が車両重量計測手段95−2の上部を通過する時点で、車載器3と路側装置10−5−2との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−5−2は、車載器3の固有情報(「○○○」)を受信する。同時に、路側装置10−5−2は、車両5の総重量を車両重量計測手段95−2から受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報)を、制御装置20−5に送出する。
【0153】
制御装置20−5の受信手段21−5は、路側装置10−5−2から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0のレコード(図7の22−5−15行)に記憶させる。そして、受信手段21−5は、データベース22−5−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−5に通知する。
【0154】
そこで、差分演算手段23−5は、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここで、図7のデータベース22−5−0内には、22−5−13行と22−5−15行に、同一の車載器の固有情報「○○○」を記憶するレコードが存在する。そこで、差分演算手段23−5は、これら2つのレコードの付随情報の差分を演算する。具体的には、固有情報「○○○」を有する車載器が、「路側装置10−5−1」が設置されている入場口91から入場し、「路側装置10−5−2」が設置されている出場口93から出場しようとしている。また、その間で変化した車両総重量は30Kg=「4,030Kg(22−5−15行)」−「4,000Kg(22−5−13行)」である、という演算を行う。そして、この差分データを車載器の固有情報(「○○○」)と共に車両管理情報出力手段24−5に送出する。
【0155】
車両管理情報出力手段24−5は、差分演算手段23−5から受信した差分データと固有情報から、当該固有情報を有する車載器3を搭載する車両5の状態を検出する。本実施形態においては、車両5の状態として、車両5が貨物処理施設90内で積み込んだ、或いは、降ろした貨物の重量を検出する。
【0156】
具体的には、差分演算手段23−5から受信した差分データから、車両5は30Kgの貨物を積み込んだ、という状態を検出する。そして、車両5の状態(すなわち、積み込んだ貨物の重量=30Kg)を、車両管理サービス提供装置60−5に送出する。
【0157】
車両管理サービス提供装置60−5は、制御装置20−5の車両管理情報出力手段24−5から受信した車両5の状態(積み込んだ貨物の重量)に基づき、その重量を自己の備える表示装置などに表示する。
【0158】
車両管理サービス提供装置60−5の表示装置などへの表示により、自動的に算出された貨物積載量を、貨物処理施設90の貨物の積み降ろしを管理する部門などの要員、或いは、車両5の乗員に対し、提供することが可能となる。
【0159】
或いはまた、車両5が、貨物処理施設90の所有車である場合には、車両管理サービス提供装置60−5は、自己の備える記録装置などに、車両5の固有情報と、その車両5が積み降ろしした貨物の重量を記録するようにしてもよい。
【0160】
次に、本実施形態の車両管理システム100−5の動作について、以下に継続して説明を行う。
【0161】
図6の車両5以外の車両(当該車両の車載器の固有情報は「△△△」であるものとする)が、貨物処理施設90内での貨物の積み降ろしを終えて、出場口93に移動してくると、当該車両が車両重量計測手段95−2の上部を通過する時点で、当該車両の車載器3と路側装置10−5−2との間で路車間通信が行われる。この時、路側装置10−5−2は、車載器3の固有情報(「△△△」)を受信する。同時に、路側装置10−5−2は、当該車両の総重量を車両重量計測手段95−2から受信する。そして、固有情報と、付随情報(すなわち、路側装置10のIDと、車載器3と路側装置10との間で路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報)を、制御装置20−5に送出する。
【0162】
制御装置20−5の受信手段21−5は、路側装置10−5−2から受信した固有情報と付随情報を、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0のレコード(図7の22−5−16行)に記憶させる。そして、受信手段21−5は、データベース22−5−0に新たなレコードを記憶させたことを、差分演算手段23−5に通知する。
【0163】
そこで、差分演算手段23−5は、記憶手段22−5内のデータベース22−5−0を検索し、同一の固有情報のレコードが複数記憶されているかを調べる。ここで、図7のデータベース22−5−0内には、22−5−14行と22−5−16行に、同一の車載器の固有情報「△△△」を記憶するレコードが存在する。そこで、差分演算手段23−5は、これら2つのレコードの付随情報の差分を演算する。具体的には、固有情報「△△△」を有する車載器が、「路側装置10−5−1」が設置されている入場口91から入場し、「路側装置10−5−2」が設置されている出場口93から出場しようとしている。また、その間で変化した車両総重量は、マイナス500Kg=「8,000Kg(22−5−16行)」−「8,500Kg(22−5−14行)」である、という演算を行う。そして、この差分データを車載器の固有情報(「△△△」)と共に車両管理情報出力手段24−5に送出する。
【0164】
車両管理情報出力手段24−5は、差分演算手段23−5から受信した差分データと固有情報から、当該固有情報を有する車載器3を搭載する当該車両の状態を検出する。本実施形態においては、当該車両の状態として、当該車両が貨物処理施設90内で積み込んだ、或いは、降ろした貨物の重量を検出する。
【0165】
具体的には、差分演算手段23−5から受信した差分データから、当該車両は500Kgの貨物を降ろした、という状態を検出する。そして、当該車両の状態(すなわち、降ろした貨物の重量=500Kg)を、車両管理サービス提供装置60−5に送出する。
【0166】
車両管理サービス提供装置60−5は、制御装置20−5の車両管理情報出力手段24−5から受信した当該車両の状態(降ろした貨物の重量)に基づき、その重量を自己の備える表示装置などに表示する。
【0167】
車両管理サービス提供装置60−5の表示装置などへの表示により、自動的に算出された降ろした貨物の重量を、貨物処理施設90の貨物の積み降ろしを管理する部門などの要員、或いは、当該車両の乗員に対し、提供することが可能となる。
【0168】
或いはまた、当該車両が、貨物処理施設90で廃棄物を処分した車両である場合には、貨物処理施設90では、処分した貨物の重量に応じた廃棄物処理料金を徴収するようにすることも可能となる。
【0169】
なお、本実施形態においては、車両管理システムとして、貨物処理施設への適用について説明したが、貨物を含む物品の重量を測定して処理する施設に適用してもよい。また、物品に限らず、人の重量を計測するシステムに適用してもよい。例えば、車両からの乗降客数を人の重量の変化により管理するシステムであってもよい。
【0170】
以上説明したように、本実施形態の車両管理システム100−5は、車両5に搭載された車載器3から当該車載器3の固有情報を受信する路側装置10を含んでいる。また、路側装置10から受信した前記固有情報と、前記固有情報に関連付けられた付随情報(路側装置10のID、及び、路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報)を元に、車両5の状態を検出し、車両5の状態に応じた車両管理情報(車両5が積み降ろしした物品または人の重量)を出力する制御装置20−5を含んでいる。さらに、制御装置20−5が出力した車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置60−5を含んでいる。車両管理サービス提供装置60−5は、車両管理情報(車両5が積み降ろしした物品または人の重量)に基づいて、管理サービス情報を出力し、車両5が積み降ろしした物品または人の重量を、自己が備える表示装置などに表示するようになっている。
【0171】
従って、本実施形態によれば、ETC車載器の固有情報や利用者の個人情報などを、車両管理システムに事前登録することなく、利用者に対して有用な車両の貨物の積み降ろしを管理するサービスを提供することが可能となる。
【0172】
また、車両に積載した物品または人の重量、或いは、車両から降ろした物品または人の重量などの算出を、自動的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明の車両管理システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の車両管理システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図3】記憶手段内のデータベースの構成を示す図である。
【図4】本発明の車両管理システムの第3の実施形態を示すブロック図である。
【図5】記憶手段内のデータベースの構成を示す第2の図である。
【図6】本発明の車両管理システムの第4の実施形態を示すブロック図である。
【図7】記憶手段内のデータベースの構成を示す第3の図である。
【符号の説明】
【0174】
1 路側装置
2 制御装置
3 車載器
5 車両
6 車両管理サービス提供装置
10 路側装置
11 時計
20 制御装置
21 受信手段
22 記憶手段
23 差分演算手段
24 車両管理情報出力手段
60 車両管理サービス提供装置
61 表示手段
62 駐車料金精算手段
63 出口ゲート
70 道路
80 駐車場
81 入場口
82 駐車スペース
83 出場口
90 貨物処理施設
91 入場口
93 出場口
95 車両重量計測手段
100 車両管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載器から当該車載器の固有情報を受信する路側装置と、
前記路側装置から受信した前記固有情報と前記固有情報に関連付けられた付随情報を元に前記車両の状態を検出し、前記車両の状態に応じた車両管理情報を出力する制御装置と、
前記制御装置から出力された前記車両管理情報に基づいて車両管理を行う車両管理サービス提供装置と、
を含む車両管理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記路側装置が受信した前記固有情報と、前記固有情報に関連付けられた付随情報を受信する受信手段と、
前記固有情報と、前記固有情報に関連付けられた付随情報を蓄積する記憶手段と、
前記記憶手段に蓄積されている同一の前記固有情報に関連付けられた複数の付随情報の差分データを演算する差分演算手段と、
前記差分データから前記車両の状態を検出し、前記車両の状態に応じた車両管理情報を出力する車両管理情報出力手段と、
を含む請求項1に記載の車両管理システム。
【請求項3】
前記付随情報は、前記車載器と路車間通信を行った前記路側装置のIDと、前記路車間通信が行われた時刻の情報を含み、
前記車両管理情報は、前記付随情報を元に検出された前記車両の走行速度を含み、
前記車両管理サービス提供装置は、前記車両管理情報に基づいて前記車両に対するメッセージを表示する、
ことを特徴とする請求項1或いは請求項2の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項4】
前記付随情報は、前記車載器と路車間通信を行った前記路側装置のIDと、前記路車間通信が行われた時刻の情報を含み、
前記車両管理情報は、前記付随情報を元に検出された前記車両の駐車時間を含み、
前記車両管理サービス提供装置は、前記車両管理情報に基づいて前記車両の駐車料金の精算処理を行う、
ことを特徴とする請求項1或いは請求項2の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項5】
前記付随情報は、前記車載器と路車間通信を行った前記路側装置のIDと、前記路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報を含み、
前記車両管理情報は、前記付随情報を元に検出された前記車両の積み降ろしした物品または人の重量を含み、
前記車両管理サービス提供装置は、前記車両管理情報に基づいて前記車両が積み込んだ物品または人の重量、或いは、前記車両が降ろした物品または人の重量に応じた管理サービス情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1或いは請求項2の何れかに記載の車両管理システム。
【請求項6】
車両に搭載された車載器との間で路車間通信を行う路側装置を含む車両管理システムにおける車両管理方法において、
前記路側装置から受信した前記車載器の固有情報と前記固有情報に関連付けられた付随情報を元に前記車両の状態を検出し、
前記車両の状態に応じた車両管理情報を出力し、
前記車両管理情報に基づいた管理サービス情報を出力する、
車両管理方法。
【請求項7】
前記付随情報は、前記車載器と路車間通信を行った前記路側装置のIDと、前記路車間通信が行われた時刻の情報を含み、
前記付随情報を元に前記車両の走行速度を検出し、
前記走行速度に基づいて前記車両に対するメッセージを表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両管理方法。
【請求項8】
前記付随情報は、前記車載器と路車間通信を行った前記路側装置のIDと、前記路車間通信が行われた時刻の情報を含み、
前記付随情報を元に前記車両の駐車時間を検出し、
前記駐車時間に基づいて前記車両の駐車料金の精算処理を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両管理方法。
【請求項9】
前記付随情報は、前記車載器と路車間通信を行った前記路側装置のIDと、前記路車間通信が行われた時点で得られた車両総重量の情報を含み、
前記付随情報を元に前記車両の積み降ろしした物品または人の重量を検出し、
前記車両が積み降ろしした物品または人の重量に応じた管理サービス情報を出力する、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−73155(P2010−73155A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243204(P2008−243204)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(390000974)NECモバイリング株式会社 (138)
【Fターム(参考)】