説明

車両配車システム、車両配車方法、及び車両配車プログラム

【課題】簡易な操作により配車等を行い得る車両配車システムや、車両配車方法、及び車両配車プログラムを提供すること。
【解決手段】車両10はGPS受信部11で現在の車両位置を検出して移動端末11でセンタ20に送信する。センタ20の表示部60には現在の車両位置を示す車両マーカーが表示される。顧客から連絡があるとデータ制御部40は顧客情報DB75を検索して顧客の住所を抽出する。そして、顧客の住所を示す配車場所の目印を表示部60に表示させる。画面上で車両マーカーをドラッグして配車場所の目印へ又は、配車場所の目印をドラッグして車両マーカーへ移動させることで配車が決定する。データ制御部40は、顧客情報と車両番号とを車両10に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両配車システム、車両配車方法、及び車両配車プログラムに関する。詳しくは、画面上で簡易な操作により車両の配車等を行い得る車両配車システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、顧客からの連絡を受けてタクシーなどの車両を配車する車両配車システムが提案されている。
【0003】
このような車両配車システムとしては、基地側で配車位置に最も近い車両を検索し、当該車両に配車指示信号を送信することで、オペレータと運転手との音声による交信を行うことなく車両を配車する配車装置がある(例えば、以下の特許文献1)。
【0004】
また、GPSなどで検出した車両の現在位置を基に、最寄りの配車先を車両の表示部に表示させるようにしたタクシー用配車指示装置も提案されている(例えば、以下の特許文献2)。
【0005】
更に、配車センタ側では車両側から送信された現在位置を基に空車を検索して配車要求を送信し、車両側ではこの配車要求に対する配車応答を送信して配車センタ側からの配車指示を受け、その配車指示を表示部に表示するタクシー配車支援システムも開示されている(例えば、以下の特許文献3)。
【特許文献1】特開平9−282597号公報
【特許文献2】特開平10−154297号公報
【特許文献3】特開2003−178119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の車両配車システムでは、車両の検索時に配車対象の最適な車両が存在しない場合、画面上で新たに車両番号などを入力することにより、当該車両の配車を決定していた。また、車両に乗務する乗務員の登録は、通常、車両に備え付けられた装置を操作することになるが、その操作に慣れていないと無線でのセンタ側とのやり取りで登録しなければならない。
【0007】
このような車両配車システムでは、車両番号の入力や乗務員の登録など、操作に慣れるまで大変多くの時間がかかるという問題点があった。操作する者の年令が高いと、特に顕著である。
【0008】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な操作により配車等を行い得る車両配車システムや、車両配車方法、及び車両配車プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、現在の位置情報を含む車両情報を送信する移動端末を備える車両と、前記車両情報を受信するセンタと、から構成される車両配車システムにおいて、前記センタには、前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が選択操作されることで前記車両に対する動作を決定する制御手段、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の配車場所を示す表示物であり、前記制御手段は、前記選択操作により前記車両の配車場所を決定し、更に顧客に関する情報を示す顧客情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記制御手段は、前記車両位置関連情報が選択操作されて前記車両特有の情報が未選択のとき又は前記車両特有の情報が選択操作されて前記車両位置関連情報が未選択のとき、予め設定された条件に従い夫々前記車両特有の情報又は前記車両位置関連情報を選択することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明は車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両へのメッセージを入力するためのメッセージ入力欄であり、前記制御手段は、前記選択操作により前記メッセージを送信する前記車両を決定し、更に前記メッセージの情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両が向かう行先の表示物であり、前記制御手段は、前記選択操作により前記車両の前記行先を決定して行先登録を行うことを特徴とする。
【0014】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は前記車両の待機場所を示す表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の配車場所を示す表示物であり、前記制御手段は、前記選択操作により前記待機場所で待機する前記車両のうち1台又は複数台の配車を決定し、更に顧客に関する情報を示す顧客情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする。
【0015】
更に、本発明は車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は予め割り振られた地区を示す表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の配車場所を示す表示物であり、前記制御手段は、前記選択操作により前記地区内に位置する前記車両のうち1台又は複数台の配車を決定し、更に顧客に関する情報を示す顧客情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする。
【0016】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の動態を示す表示画面であり、前記制御手段は、前記選択操作により、前記車両の動態を決定することを特徴とする。
【0017】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両に乗務する乗務員に関する情報を表示した乗務員情報表示画面であって、前記制御手段は、前記選択操作により、前記車両に乗務する乗務員を決定して乗務員の登録を行うことを特徴とする。
【0018】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記選択操作は、前記車両位置関連情報から前記車両特有の情報へ又は前記車両特有の情報から前記車両位置関連情報へのドラッグ操作であることを特徴とする。
【0019】
更に、本発明は前記車両配車システムにおいて、前記選択操作は、前記車両位置関連情報をクリックしその後前記車両特有の情報をクリック又は前記車両特有の情報をクリックしその後前記車両位置関連情報をクリックする操作であることを特徴とする。クリック操作には、シングルクリック、ダブルクリック、右クリック、左クリック、ドラッグ等の各種操作を含むものである。
【0020】
また、上記目的を達成するために本発明は、車両から現在の位置情報を含む車両情報を受信する車両配車装置において、前記車両情報に基づいて画面上に表示された車両位置関連情報と前記画面上に表示された車両特有の情報とのうち少なくとも一方が選択操作されることで前記車両に対する動作を決定する制御手段、を備えることを特徴とする。
【0021】
更に、上記目的を達成するために本発明は、移動端末を備える車両と制御手段を備えるセンタとから構成される車両配車システムにおける車両配車方法において、前記移動端末によって現在の位置情報を含む車両情報を送信し、受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が選択操作されることで、前記制御手段によって前記車両に対する動作を決定する、ことを特徴とする。
【0022】
更に、上記目的を達成するために本発明は、制御手段を備える車両配車装置における車両配車方法において、車両側から受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が前記画面上で選択操作されることで、前記制御手段によって前記車両に対する動作を決定する、ことを特徴とする。
【0023】
更に、上記目的を達成するために本発明は、移動端末を備える車両と入力手段を備えるセンタとから構成される車両配車システムにおける車両配車プログラムにおいて、前記移動端末によって、現在の位置情報を含む車両情報を送信する処理と、受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が前記入力手段により選択操作されることで前記車両に対する動作を決定する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
更に、上記目的を達成するために本発明は、入力手段を備える車両配車装置における車両配車プログラムにおいて、車両側から受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が前記入力手段によって選択操作されることで前記車両に対する動作を決定する処理、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、操作に慣れるまで時間をかけることなく簡易な操作により配車等を行い得る車両配車システムや、配車方法、及び車両配車プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態について、以下図面を参照しながら説明する。
【0027】
[実施例1]
図1は、本発明が適用される車両配車システム1の構成例である。車両配車システム1は、車両10とセンタ(車両配車装置)20とから構成される。
【0028】
車両10は、GPS受信部(位置検出手段)11と、移動端末12とを備える。
【0029】
GPS受信部11は、車両10の現在の位置情報を取得する。移動端末12は、GPS受信部11からの位置情報と後述する車両の動態情報とを保持し、これらの情報を車両情報としてセンタ20に送信する。また、移動端末12は、センタ20から配車指示メッセージ等の送信データを受信する。
【0030】
センタ20は、通信制御部30と、データ制御部40と、入力部50と、表示部60、及びデータベース(以下、「DB」)部70とから構成される。
【0031】
通信制御部30は、データ制御部40から出力されたデータを送信データとして車両10に出力するとともに、車両10から車両情報を受信してデータ制御部40に出力する。通信制御部30と車両10とのデータの送受信は、実際には基地局を介して行われるが本実施例では説明を簡単にするため省略する。
【0032】
データ制御部40は、通信制御部30からの車両情報等をDB部70に記憶させたり、表示部60に表示させる。また、データ制御部40は、入力部50による操作に応じて、DB部70等から必要な情報を読み出して通信制御部30に出力する。詳細は後述する。
【0033】
入力部50は、表示部60に表示された情報等に対してドラッグやクリック等の操作を行い、主として必要な情報を選択するためのものである。
【0034】
表示部60は、データ制御部40の制御により、DB部70から読み出された地図情報や通信制御部30からの情報を表示する。
【0035】
DB部70は、車両情報DB71と、地区情報DB72と、乗務員情報DB73と、地図情報DB74と、顧客情報DB75、及び行先情報DB76とから構成される。
【0036】
車両情報DB71は、車両10に関する情報が記憶される。例えば、車両番号ごとに当該車両10の色や、現在の動態に関する情報、更に当該車両10に乗務する乗務員の名前等が記憶される。
【0037】
地区情報DB72は、地図情報に対して地区割りされた情報が記憶される。この地区割りは、行政上の区ではなく、本システムを運用する会社ごとに予め割り振られた区分である。勿論、この地区が行政上の区と同じであってもよい。
【0038】
乗務員情報DB73は、乗務員に関する情報が記憶されたDBである。例えば、乗務員の名前、その乗務員は英語で観光案内ができる、などの乗務員固有の情報が記憶される。
【0039】
地図情報DB74は、地図情報が記憶されたDBである。この地図情報には、住所から経度、緯度(或いはその逆)を検索して、必要な情報を地図上に表示できる機能も有する。この地図情報は表示部60において地図画面として表示されることになる。
【0040】
顧客情報DB75は、顧客に関する情報が記憶されたDBである。例えば、顧客の名前、電話番号、住所、道順、メモ等が記憶される。
【0041】
行先情報DB76は、車両10を利用した顧客の行き先に関する情報が記憶される。例えば、顧客の名前、顧客の行き先の住所等が記憶される。
【0042】
本実施例1は、このように構成された車両配車システム1において、表示部60に表示された地図上の車両マーカーと配車場所の目印に対して、入力部50により画面上でドラッグ操作を行うことで配車を決定するものである。
【0043】
図2は、その動作を示すフローチャートである。まず、本処理が開始されると(S10)、データ制御部40は車両10から車両情報を取得する(S11)。
【0044】
車両情報にはGPS受信部11で取得した現在の位置情報が含まれる。従って、これをデータ制御部40が取得することにより、当該車両10の現在位置を車両マーカーとして地図上に表示させることができる(S12)。
【0045】
具体的には、取得した位置情報には緯度、経度の情報があり、地図情報DB74において車両10の緯度、経度と地図上の緯度、経度とを一致させることで、データ制御部40によって地図画面上に車両マーカーが表示される。また、この位置情報に当該車両10の車両番号を付加させることで、データ制御部40は各車両10を識別して地図画面上に車両マーカーを表示させることもできる。車両マーカー61が表示された例を図3に示す。
【0046】
次いで、データ制御部40は、顧客情報DB75から顧客の住所に関する位置情報を取得する(S13)。顧客の住所から配車場所を表示させるためである。
【0047】
例えば、センタ20に顧客から電話があると、データ制御部40は電話機に表示されるナンバーディスプレイ機能により顧客の電話番号をキーにして顧客情報DB75にアクセスし、顧客の住所から顧客の位置情報を取得する。或いは、入力部50から電話番号や顧客の名前を入力して、顧客情報DB75から顧客の住所を取得する。更には、入力部50から直接顧客の住所を入力して、顧客の位置情報を取得する。
【0048】
そして、データ制御部40は、取得した顧客の住所から地図上に配車場所(目標)を表示させる(S14)。具体的には、データ制御部40は、地図情報DB74にアクセスして、取得した顧客の住所と一致する地図上の位置に配車場所を表示させるようにする。地図情報DB74において住所から緯度、経度に変換することにより、住所に対応する地図上の位置に配車場所が表示される。配車場所62が表示された例を図3に示す。
【0049】
次いで、データ制御部40は、入力部50のドラッグ操作により車両10の配車を決定する(S15)。例えば、図3の点線で示すように、画面上で車両マーカー61をドラッグして配車場所の目印62に移動させる、又はその逆で配車場所の目印62をドラッグして車両マーカー61に移動させるようにする。地図画面に表示された車両マーカー61や配車場所の目印62のドラッグ操作により配車を決定する。
【0050】
次いで、データ制御部40は、配車決定した車両10に対して顧客情報を送信する(S16)。
【0051】
具体的には、データ制御部40は顧客情報DB75から取得した顧客の名前、住所等に関する顧客情報と、配車決定した車両番号、更に配車指示を示す情報を通信制御部30に出力する。通信制御部30は、これらの情報を送信データとして各車両10に送信する。車両10の移動端末12は、送信データに含まれる車両番号が当該車両10の車両番号と一致するときは送信データに対して処理を行い、一致しないときは送信データを捨てる等により処理しないように構成される。これにより、ドラッグ操作により配車決定した車両10に配車指示が行われ、顧客の情報を乗務員に知らせることができる。
【0052】
そして、データ制御部40は一連の処理を終了する(S17)。
【0053】
このように本実施例1では、画面上に表示された車両マーカー61や配車場所の目印62をドラッグ操作により車両10の配車を簡単に決定することができる。従って、操作に慣れるまで時間をかけることなく車両10の配車を行うことができる。
【0054】
上述の例では、ドラッグにより配車を決定したが、例えば、配車対象の車両マーカー61をクリックしその後配車場所62をクリック、或いはその逆で配車場所62をクリックした後車両マーカー61をクリックすることで配車を決定してもよい。この場合でも簡易な操作で配車を決定することができる。クリックによる操作に代えて、右クリックやダブルクリックでこれらを選択するようにしてもよい。
【0055】
また、クリックやドラッグ等で車両マーカー61を選択するときに配車場所62が未選択の状態で、予め設定した条件に従い最適な配車場所62を検索して配車を決定することもできる。例えば、選択した車両10の最も近い場所の配車場所を検索したり、選択した車両10の乗務員のなじみの顧客の住所を配車場所とする等である。
【0056】
例えば、乗務員に対するなじみの顧客に関する情報が乗務員情報DB73や顧客情報DB75に記憶されているため、データ制御部40がこれらのDB73、75にアクセスして検索することで実行することができる。あまり利用されていない車両10に対して無条件で配車場所に向かわせることができる。
【0057】
更に、クリック等で配車場所の目印62を選択するときに車両マーカー61が未選択の状態で、予め設定した条件に従い自動的に最適な車両10を検索して配車を決定することもできる。例えば、配車場所が「お得意様」で、その顧客の条件(例えば、黒色の車両10等)を基にその条件に合致した車両10を検索する等である。これらの条件に関する情報が顧客情報DB75に記憶されているため、データ制御部40が、顧客情報DB75にアクセスして検索することで実行できる。
【0058】
これらの例についても、車両マーカー61や配車場所の目印62を選択するときには、右クリックやダブルクリック等の操作に選択しても良い。いずれの場合も上述の例と同様の作用効果を奏する。
【0059】
更に、車両10や配車場所が複数あるときは、複数ある車両マーカー61や配車場所の目印62を地図画面上で夫々上述したドラッグ、クリック、右クリック、ダブルクリックの操作により配車を決定すればよい。尚、請求項のクリック操作は、上記ドラッグ、クリック、右クリック、ダブルクリック等の各動作を含むものである。
【0060】
[実施例2]
次に実施例2について説明する。本実施例2は、表示部60に表示された地図画面上に車両10に対するメッセージ入力欄が表示され、入力されたメッセージを車両10に送信する例である。
【0061】
車両配車システム1の構成は、実施例1と同様で、その例を図1に示す。図4はその動作を示すフローチャートである。
【0062】
まず、本処理が開始されると(S20)、データ制御部40は車両10から車両情報を取得し、地図画面上に当該車両10の車両マーカー61を表示させる(S21、S22)。これらの動作は実施例1と同様である。車両マーカー61が表示された例を図5に示す。
【0063】
次いで、データ制御部40はメッセージ入力欄を表示させる(S23)。例えば、画面上に表示された所定のボタンを入力部50により操作することで、データ制御部40がメモリから入力欄に関する情報を読み出して表示部60に表示させる。メッセージ入力欄63が表示された例を図5に示す。
【0064】
表示されたメッセージ入力欄63に対して入力部50によりメッセージを入力することができる。例えば、「**に電話して下さい」や「お客様が変わりました」、「**号車戻ってきました」である。車両10に乗務する乗務員に対するメッセージである。
【0065】
次いで、データ制御部40はドラッグによりメッセージを送信する車両10を決定する(S24)。例えば、図5の点線で示すように、車両マーカー61をドラッグして入力欄63に移動させたり、入力欄63をドラッグして車両マーカー61に移動させることで決定する。
【0066】
そして、データ制御部40はメッセージを車両10に送信する(S25)。具体的には、メッセージに関する情報を、選択した車両番号とともに通信制御部30に出力する。通信制御部30は、メッセージや車両番号を送信データとして各車両10に送信する。車両10側の移動端末12では、実施例1と同様に当該車両10に対応する送信データのみ処理を行うため、ドラッグした車両10に対してメッセージを送信することができる。
【0067】
その後、データ制御部40は本処理を終了させる(S26)。
【0068】
このように本実施例2においても、ドラッグ操作により、車両10にメッセージを送信することができるため、操作に慣れるまで時間をかけることなくセンタ20から車両10にメッセージを送信することができる。
【0069】
上述の例ではドラッグによりメッセージを送信する車両10を決定したが、実施例1と同様に、車両マーカー61をクリックして選択後メッセージ入力欄63をクリックすることで決定したり、その逆に最初にメッセージ入力欄63をクリックしてその後車両マーカーをクリックすることで決定してもよい。更には、クリックに代え、右クリックやダブルクリックでもよい。いずれの場合も実施例1と同様の作用効果を得る。
【0070】
また、メッセージ入力欄63をクリック等により選択し車両10を未選択状態にして、例えば予め設定した条件(地図上のある地点から何km以内など)に合致する車両10に対してメッセージを送信することもできる。或いは、条件を考慮せず、全車両10に対してメッセージを送信することも可能である。更には、右クリック、ダブルクリックにより入力欄63を選択してもよい。上述した例と全く同様の作用効果を奏する。
【0071】
[実施例3]
次に実施例3について説明する。本実施例3は、配車した車両10の向かう先(顧客を降ろす場所)を登録する行先登録をドラッグ等の簡易な操作で行う例である。
【0072】
車両配車システム1の構成は実施例1と同様である(図1参照)。図6はその動作を示すフローチャートである。
【0073】
まず、本処理が開始されると(S30)、データ制御部40は車両10から車両情報を取得し、当該車両10の車両マーカー61を地図画面に表示させる(S31、S32)。実施例1と同様である。
【0074】
但し、行き先登録を行う車両10は、実車状態の車両10である。地図画面上で実車状態以外の車両10(例えば、空車や閉局状態の車両10など)と区別するため、データ制御部40は車両10から取得した車両情報のうち動態情報を基にして、実車状態の車両10とそれ以外の車両10とを区別して地図画面上に表示させる。
【0075】
次いで、データ制御部40は、行き先を地図画面上に表示させる(S33)。車両10の行き先に関する情報は、例えば、行先情報DB76に登録された顧客の行先に関する住所をデータ制御部40が読み出して、地図情報DB74によって住所からその住所に対応する緯度、経度を検索して地図上に行き先を表示させる。或いは、入力部50の操作により、行き先の住所を入力して、地図情報DB74によって住所から緯度等を検索してその住所に対応する地図上の位置に行き先を表示させる。更には、行き先の情報が車両情報に含まれて、車両10からセンタ20に送信される場合でもよい。表示例を図7に示す。
【0076】
次いで、データ制御部40は、表示画面上でドラッグ操作により車両10の行き先を登録する(S34)。ドラッグ操作については、図7の点線で示すように、車両マーカー61をドラッグして行き先の目印64に移動させたり、行き先の目印64をドラッグして車両マーカー61に移動させるようにする。
【0077】
次いで、データ制御部40は、決定した行き先を行先情報DB76に登録する(S35)。例えば、データ制御部40は、地図画面上で行き先の目印64をドラッグした際に、S33で読み出した行き先に関する情報(行き先の住所と顧客の名前等)を保持し、その情報を行先情報DB76に記憶させる。
【0078】
尚、この登録の際にデータ制御部40が行先登録した車両10に対して、登録した行き先の情報を送信データとして当該車両10に送信するようにしても良い。車両番号を付加することで実施例1と同様にその車両10のみ送信データを受信できる。
【0079】
そして、データ制御部40は一連の処理を終了させる(S36)。
【0080】
この場合でも、行き先の登録をセンタ20側で行うことができ、その登録も画面上のドラッグ操作により簡易に行い得るので、操作に慣れるまで時間をかけることがない。また、このような行き先の登録により、当該車両10の行き先をセンタ20側で把握でき、例えば、行き先で顧客が待っていれば実施例1の配車の指示によりその後の配車を行い得、スムースに車両10の配車も可能となる。更に、本車両配車システム1は、配車のみならず行先登録も行い得ることができるため、本システム1が利用し易くなる。
【0081】
本実施例3においても、ドラッグ操作のみならず、車両マーカー61をクリックして選択し、行き先の目印64をクリックすることにより行先登録を行うこともできる。或いは、その逆で行き先の目印64をクリックしてその後車両マーカー61をクリックすることで登録してもよい。更には、クリックに代えて、右クリックやダブルクリックで選択することも可能である。いずれも、上述の例と同様の作用効果を奏する。
【0082】
[実施例4]
次に実施例4について説明する。本実施例4は、駅のロータリーなど車両10の待機場所と顧客の配車場所(目標)とが地図画面上に表示される場合に、ドラッグ操作により待機場所の車両10の中から1台又は複数台の車両10の配車を決定する例である。
【0083】
車両配車システム1の構成例は実施例1と同様である(図1参照)。図8は、その動作を示すフローチャートである。
【0084】
まず、本処理が開始されると(S40)、データ制御部40は車両10から車両情報を取得する(S41)。本実施例4においては車両10が待機場所にて待機していることを前提としている。車両情報には動態情報が含まれ、動態情報には待機状態も含まれる。また、車両情報には車両10の現在位置を示す情報も含まれる。従って、車両情報の取得により車両10がどの待機場所で待機しているかセンタ20側で把握できる。
【0085】
尚、待機場所で待機する車両10の順番もセンタ20側で把握することができる。例えば、待機場所で待機することを示す車両情報をセンタ20側で受信した順により順番を把握することができる。
【0086】
従って、センタ20側は車両10がどの待機場所で待機しているか、どのような順番でその待機場所で待機しているかを把握することができる。尚、データ制御部40は車両10の現在の待機場所を地区情報DB72に記憶させる。
【0087】
次いで、データ制御部40は、待機場所を地図画面上に表示する(S42)。例えば、待機場所に関する情報は地図情報DB74に保持され、データ制御部40がこれを読み出して、待機場所を示す目印を地図画面上に表示させる。待機場所の目印65が表示された例を図9に示す。
【0088】
尚、待機場所には複数台の車両10が待機している場合が多いため、地図画面上では各車両10が待機場所において車両マーカー61として表示されない。但し、センタ20側では、上述したように車両情報から車両10が待機場所に位置することは把握している。
【0089】
次いで、データ制御部40は、顧客情報DB75から顧客の住所に関する位置情報を取得し、配車場所(目標)を地図画面上に表示する(S43、S44)。動作は実施例1と同様である。配車場所の目印62が表示された例を図9に示す。
【0090】
次いで、データ制御部40は地図画面上でのドラッグ操作により配車を決定する(S45)。ドラッグ操作は、図9の点線で示すように、配車場所の目印62をドラッグして待機場所の目印65に移動させたり、待機場所の目印65をドラッグして配車場所の目印62に移動させる、ことにより行う。
【0091】
このドラッグ操作により配車を決定することになるが、待機場所には複数台の車両10が待機している場合が多いため、例えば、待機場所の一番先頭に位置する車両10を自動的に選択して配車決定したり、先頭から複数台の車両10に対して配車の決定を行う。
【0092】
これらは、予め入力部50から設定しておき、メモリに格納された設定情報をデータ制御部40が本ステップで読み出すことでこの設定に合致した車両10を選択することで実現できる。或いは、本ステップで別途設定画面を地図画面上に表示させ、設定項目を入力することで、設定に合致した車両10を選択して配車を決定することでもよい。
【0093】
次いで、データ制御部40は、配車決定した車両10に対して顧客情報を送信する(S46)。動作は実施例1と同様である。
【0094】
そして、データ制御部40は一連の処理を終了させる(S47)。
【0095】
本実施例4においても、待機場所で待機する車両10に対して、画面上のドラッグ操作により配車を決定することができるので、操作に慣れるまで時間をかけることなく本システム1を運用することができる。
【0096】
上述の例では、ドラッグにより配車を決定するようにしたが、実施例1等と同様に、クリックにより待機場所の目印65を選択しその後配車場所62をクリックすることで1台又は複数台の配車を決定したり、先に配車場所62をクリックしてその後待機場所の目印65をクリックすることで配車を決定するようにしてもよい。更にはクリックを右クリック、ダブルクリックとしても良い。これらの場合も上述の例と全く同様の作用効果を奏する。
【0097】
[実施例5]
本実施例5は、地区内に位置する1台又は複数台の車両10を配車場所(目標)に配車させる例である。車両配車システム1の全体構成は、実施例1と同様である(図1参照)。
【0098】
図10は、本実施例5のフローチャートである。まず、本処理が開始されると(S50)、データ制御部40は、実施例1等と同様に、車両10から車両情報を取得する(S51)。
【0099】
次いで、データ制御部40は、顧客情報DB75から顧客情報を取得し、地図情報DB74を用いて顧客の配車場所を地図画面上に表示させる(S52、S53)。配車場所の目印62が表示された例を図11に示す。
【0100】
次いで、データ制御部40は地区情報DB72から地区情報を取得し地図画面上に表示させる(S54)。地区の目印66が表示された例を図11に示す。
【0101】
例えば、画面上で所定のボタンを選択することで、地区割りされた地図情報が表示部60に表示される。データ制御部40は、地区情報DB72から、各地区ごとの緯度経度に関する情報を読み出して地図情報DB74からの地図情報とを重ねることで、地区割りされた地図画面が表示される。尚、地区割りされた地図画面では各地区を区別するための目印(「1地区」、「2地区」など)66も表示される。
【0102】
次いで、データ制御部40はドラッグにより地区内の配車を決定する(S55)。地区の目印66を画面上でドラッグして配車場所の目印62に移動させる、又は配車場所の目印62をドラッグして地区の目印66まで移動させる、ことによる操作が行われる。
【0103】
この際に、車両10からの車両情報には位置情報が含まれるため、地区内に位置する車両10をセンタ20側で把握することができる。また、車両情報には動態情報も含まれるため、空車状態にある車両10もセンタ20側で把握することができる。
【0104】
従って、データ制御部40は、地区の目印66をドラッグすることでその地区内の空車状態の車両10を選択することができる。よって、予め設定された台数(1台でも複数台でもよい)の当該地区内の空車の車両10に対して配車場所を決定することができる。
【0105】
そして、データ制御部40は配車決定した車両10に顧客情報を送信し(S56)、一連の処理が終了する(S57)。顧客情報の送信は、実施例1と同様で、送信データに決定した車両10の車両番号の情報を含めることでその車両10についてのみ送信データを受けることができる。
【0106】
この実施例5についても、画面上のドラッグ操作により地区内の車両10の配車を決定することができるので、操作に慣れるまで時間をかけるこなく本システム1を運用することができる。
【0107】
本実施例5でも、ドラッグに代えて、地区の目印66をクリック、右クリック、ダブルクリックした後で配車場所の目印62を夫々クリック、右クリック、ダブルクリックすることで配車を決定するようにしてもよい。或いは、その逆であっても良い。いずれの場合も上述の例と同様の作用効果を奏する。
【0108】
また、地区情報DB72の地区割りを変えてDB72に記憶させることで、各々地区割りされた地図も表示可能である。
【0109】
[実施例6]
次に本実施例6について説明する。本実施例6では、車両10の動態をセンタ20側の表示画面上の操作により変える例について説明する。
【0110】
車両配車システム1の全体構成は実施例1と同様である(図1参照)。上述したように車両10からは車両10の動態を示す情報が車両情報としてセンタ20側で受信できる。この動態情報は車両10のメータに連動して移動端末12がこれを検知し送信されるものである。
【0111】
しかし、何らかの原因でその情報をセンタ20側で受信できない場合もある。一方、センタ20側は配車を行ったり、行き先を登録したりする等により各車両10の動態を把握しているものである。
【0112】
そこで、センタ20側でこの動態を変えることで正確な車両10の動態をシステム1上に反映させるようにする。
【0113】
図12は、その動作のフローチャートを示す。まず、本処理が開始されると(S60)、データ制御部40は車両10から車両情報を取得し(S61)、当該車両10に対応する車両マーカー61を地図画面上に表示させる(S62)。
【0114】
次いで、データ制御部40は動態表示画面を地図画面上に表示させる(S63)。例えば、画面上の所定のボタンを選択することで動態表示画面が表示される。表示例を図13に示す。
【0115】
車両情報DB71には車両情報に基づいて現在の各車両10の動態が記憶されているため、データ制御部40はこのDB74から動態に関する情報を読み出し、地図情報DB74からの地図情報を重ね合わせることで図13に示す画面が表示される。
【0116】
次いで、データ制御部40はドラッグ操作により車両10の動態を決定する(S64)。例えば、図13の点線で示すように、車両マーカー61をドラッグして動態表示画面67に移動させたり、逆に動態表示画面67を車両マーカー61に移動させることで決定する。決定後の動態はデータ制御部40によって車両情報DB71に記憶される。
【0117】
尚、この動態表示画面67には種々の動態に関する情報が表示される。この表示例を図14に示す。図14は、動態表示画面67を拡大した場合の例である。この画面67は、動態を表示するボタン群67Aと、各車両番号を表示するボタン群67Bとからなる。
【0118】
そして、ドラッグ操作により、車両マーカー61を変化させたい動態対象のボタン67Aに移動させたり、変化させたい対象のボタン67Aが車両マーカー61上に位置するように動態表示画面67を移動させることで車両10の動態を変化させる。
【0119】
この際に、例えば、動態の項目を示すボタン67Aは動態ごとに異なる色で区別される。そして、動態を変えることで、対応する車両10の車両番号を示すボタン67Bがその動態に応じた色に変化する。この色表示により、センタ20側は簡単に各車両10の動態を把握することができる。
【0120】
その後、データ制御部40は本処理を終了させる(S66)。
【0121】
本実施例6では、動態の変化を画面上でのドラッグ操作により簡単に行うことができるため、操作に慣れるまで時間をかけることなく本システム1を運用することができる。また、配車のみならず車両10の動態もセンタ20側で変化させることができるため、本システム1が利用し易くなる。
【0122】
本実施例6においても、上述した例と同様にドラッグ操作に代えて、車両マーカー61をクリックしその後対応する動態表示ボタン67Aをクリック(又は動態表示画面67をクリック)する場合や、先に対応する動態表示ボタン67Aをクリック(又は動態表示画面67をクリック)してその後車両マーカー61をクリックして動態を変えるようにしても良い。更に、クリック操作に代えて右クリックやダブルクリックでも良い。
【0123】
また、動態表示画面67を地図の中に表示させるのではなく、画面の上部又は下部等に動態表示画面67を表示させ、同じく画面上でドラッグやクリック等の操作により動態を変化させるようにしてもよい。更には、動態表示ボタン67Aのみ地図画面の上部等に表示されてドラッグ等の操作により動態を登録するようにしてもよい。
【0124】
更に、動態表示画面67に表示される動態の項目は図14に限らず、例えば、緊急車両を示す「緊急」や現在休憩中を示す「休憩」など種々の動態が表示されてもよいし、或いは図14に示す動態の項目より少ないものであってもよい。
【0125】
[実施例7]
次に実施例7について説明する。本実施例7は、乗務員登録をセンタ20側で簡易に行う例である。
【0126】
車両配信システム1の構成は実施例1と同様である(図1参照)。図15は、センタ20側で乗務員登録を行う場合のフローチャートである。
【0127】
本処理が開始されると(S70)、データ制御部40は車両10から車両情報を取得し(S71)、車両マーカー61を地図画面に表示させる(S72)。
【0128】
次いで、データ制御部40は乗務員表示画面を地図画面上に表示させる(S73)。車両マーカー61と乗務員表示画面68が地図画面上に表示された表示例を図16に示す。乗務員表示画面68は、データ制御部40が乗務員情報DB73から乗務員に関する情報を読み出すことで表示される。例えば、各乗務員の名前が表示される。
【0129】
次いで、データ制御部40は、ドラッグ操作により車両10の乗務員登録を行う(S74)。例えば、図16の点線で示すように、車両マーカー61をドラッグして乗務員表示画面68に移動させたり、乗務員表示画面68を車両マーカー61に移動させることで登録を行う。
【0130】
次いで、データ制御部40は、ドラッグした車両10の情報(例えば、車両番号)と乗務員の情報(例えば、乗務員の名前)とを車両情報DB71に記憶させる(S75)。例えば、車両番号ごとに当該車両10に乗務する乗務員の名前を記憶させる。
【0131】
そして、データ制御部40は一連の処理を終了させる(S76)。
【0132】
乗務員表示画面68は、例えば、一人の乗務員に関する情報が表示されてもよいし、複数人同時に表示されてもよい。複数人表示される場合、登録対象の乗務員が表示されている画面上の領域に車両マーカー61を移動させてたり、対象となる乗務員が表示される領域が車両マーカー61上に位置するように乗務員表示画面68を移動させればよい。
【0133】
ドラッグ操作により簡易に乗務員登録を行うことができるため、操作に慣れるまで時間をかけずに本システム1を運用することができる。
【0134】
また、本システム1では車両10の配車のみならずセンタ20側の画面で乗務員登録を行うことができるため、より本システム1を利用し易くなる。
【0135】
更に、車両10で乗務員が機器を操作して乗務員登録を行う場合に乗務員が操作に慣れていないと登録に時間をかけてしまうことになるが、センタ20側でドラッグ操作により簡易に乗務員登録を行うことができるため時間をかけることなく登録を行い得る。
【0136】
本実施例7においても、ドラッグ操作のみならず、車両マーカー61をクリックで選択後乗務員表示画面68をクリックしたり、その逆で乗務員表示画面68をクリックした後で車両マーカー61をクリックすることで乗務員登録を行い得る。更に、クリックに代えて、右クリックやダブルクリックでもよい。上述の例と同様の作用効果を奏する。
【0137】
また、登録した乗務員情報をセンタ20から車両10に送信データとして送信してもよい。例えば、乗務員情報を車両情報DB71に記憶するときにデータ制御部40によってこの乗務員情報を車両10に送信するようにする。車両番号を送信データに付加することで実施例1と同様に当該車両10にのみ送信データが送信される。
【0138】
[他の実施例]
上述したいずれの実施例においても、ドラッグ等の操作のみならず、例えば、タッチパネルや音声認識によって、配車の決定や種々の登録を行うこともできる。この場合でも、簡易な方法により配車等を行い得るため、操作に慣れるまで時間をかけることなく本システム1を運用することができる。
【0139】
また、上述した実施例において、車両マーカー61を表示後、配車場所62やメッセージ入力欄63、行き先64、待機場所65、地区表示66、動態表示画面67、乗務員表示画面68を表示するようにしたが、勿論、この配車場所62等を表示後に車両マーカー61を表示するようにしてもよい。この場合でも上述の例と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】車両配車システムの全体構成の例を示す図である。
【図2】車両の配車を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図3】車両の配車を行う場合の表示画面の例を示す図である。
【図4】メッセージを車両に送信する場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】表示画面の例を示す図である。
【図6】行先登録を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】表示画面の例を示す図である。
【図8】待機場所で待機する車両に対して配車を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】表示画面の例を示す図である。
【図10】地区内に位置する車両に対して配車を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図11】表示画面の例を示す図である。
【図12】車両の動態を変える場合の動作を示すフローチャートである。
【図13】表示画面の例を示す図である。
【図14】動態表示画面の例を示す図である。
【図15】乗務員登録を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図16】表示画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1・・・車両配車システム、10・・・車両、11・・・GPS受信部、20・・・センタ、30・・・通信制御部、40・・・データ制御部、50・・・入力部、60・・・表示部、61・・・車両マーカー、62・・・配車場所の目印、63・・・メッセージ入力欄、64・・・行き先の目印、65・・・待機場所の目印、66・・・地区の目印、67・・・動態表示画面、68・・・乗務員表示画面、70・・・データベース(DB)部、71・・・車両情報DB、72・・・地区情報DB、73・・・乗務員情報DB、74・・・地図情報DB、75・・・顧客情報DB、76・・・行先情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の位置情報を含む車両情報を送信する移動端末を備える車両と、前記車両情報を受信するセンタと、から構成される車両配車システムにおいて、
前記センタには、前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が選択操作されることで前記車両に対する動作を決定する制御手段、
を備えることを特徴とする車両配車システム。
【請求項2】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の配車場所を示す表示物であり、
前記制御手段は、前記選択操作により前記車両の配車場所を決定し、更に顧客に関する情報を示す顧客情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする車両配車システム。
【請求項3】
請求項2記載の車両配車システムにおいて、
前記制御手段は、前記車両位置関連情報が選択操作されて前記車両特有の情報が未選択のとき又は前記車両特有の情報が選択操作されて前記車両位置関連情報が未選択のとき、予め設定された条件に従い夫々前記車両特有の情報又は前記車両位置関連情報を選択することを特徴とする車両配車システム。
【請求項4】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両へのメッセージを入力するためのメッセージ入力欄であり、
前記制御手段は、前記選択操作により前記メッセージを送信する前記車両を決定し、更に前記メッセージの情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする車両配車システム。
【請求項5】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両が向かう行先の表示物であり、
前記制御手段は、前記選択操作により前記車両の前記行先を決定して行先登録を行うことを特徴とする車両配車システム。
【請求項6】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は前記車両の待機場所を示す表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の配車場所を示す表示物であり、
前記制御手段は、前記選択操作により前記待機場所で待機する前記車両のうち1台又は複数台の配車を決定し、更に顧客に関する情報を示す顧客情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする車両配車システム。
【請求項7】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は予め割り振られた地区を示す表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の配車場所を示す表示物であり、
前記制御手段は、前記選択操作により前記地区内に位置する前記車両のうち1台又は複数台の配車を決定し、更に顧客に関する情報を示す顧客情報を前記車両の識別情報とともに前記移動端末に送信することを特徴とする車両配車システム。
【請求項8】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両の動態を示す表示画面であり、
前記制御手段は、前記選択操作により、前記車両の動態を決定することを特徴とする車両配車システム。
【請求項9】
請求項1記載の車両配車システムにおいて、
前記車両位置関連情報は前記車両の表示物であって、前記車両特有の情報は前記車両に乗務する乗務員に関する情報を表示した乗務員情報表示画面であって、
前記制御手段は、前記選択操作により、前記車両に乗務する乗務員を決定して乗務員の登録を行うことを特徴とする車両配車システム。
【請求項10】
請求項1乃至9記載の車両配車システムにおいて、
前記選択操作は、前記車両位置関連情報から前記車両特有の情報へ又は前記車両特有の情報から前記車両位置関連情報へのドラッグ操作であることを特徴とする車両配車システム。
【請求項11】
請求項1乃至9記載の車両配車システムにおいて、
前記選択操作は、前記車両位置関連情報をクリック操作しその後前記車両特有の情報をクリック操作又は前記車両特有の情報をクリック操作しその後前記車両位置関連情報をクリックする操作であることを特徴とする車両配車システム。
【請求項12】
車両から現在の位置情報を含む車両情報を受信する車両配車装置において、
前記車両情報に基づいて画面上に表示された車両位置関連情報と前記画面上に表示された車両特有の情報とのうち少なくとも一方が選択操作されることで前記車両に対する動作を決定する制御手段、
を備えることを特徴とする車両配車装置。
【請求項13】
移動端末を備える車両と制御手段を備えるセンタとから構成される車両配車システムにおける車両配車方法において、
前記移動端末によって現在の位置情報を含む車両情報を送信し、
受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が選択操作されることで、前記制御手段によって前記車両に対する動作を決定する、
ことを特徴とする車両配車方法。
【請求項14】
制御手段を備える車両配車装置における車両配車方法において、
車両側から受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が前記画面上で選択操作されることで、前記制御手段によって前記車両に対する動作を決定する、
ことを特徴とする車両配車方法。
【請求項15】
移動端末を備える車両と入力手段を備えるセンタとから構成される車両配車システムにおける車両配車プログラムにおいて、
前記移動端末によって、現在の位置情報を含む車両情報を送信する処理と、
受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が前記入力手段により選択操作されることで、前記車両に対する動作を決定する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする車両配車プログラム。
【請求項16】
入力手段を備える車両配車装置における車両配車プログラムにおいて、
車両側から受信した前記車両情報に基づいて画面上に表示した車両位置関連情報と前記画面上に表示した車両特有の情報とのうち少なくとも一方が前記入力手段によって選択操作されることで、前記車両に対する動作を決定する処理、
をコンピュータに実行させることを特徴とする車両配車プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−52651(P2007−52651A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237538(P2005−237538)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】