説明

車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造

【課題】 車体側からドアへ配索するワイヤハーネスを容易に取り付けることができ、非効率に回路を分割する必要がない構造を提供する。
【解決手段】 外装材10は、複数の単位ユニット14同士が回転自在に連結され一定方向に屈曲する第一連鎖部11と、複数の単位ユニット14同士が回転自在に連結され一定方向に屈曲する第二連鎖部12と、第一連鎖部11と第二連鎖部12との間に介設され、第二連鎖部12を第一連鎖部11に対して軸線回りに回転させた状態で中継連結する角度変換ユニット13とを備え、第一連鎖部11の屈曲方向をバックドア41の回動方向に合わせた状態で一端側をバックドア41の室内面側に取り付けている一方、第二連鎖部12の屈曲方向をルーフパネル40の室内面に沿わせた状態で他端側をルーフパネル40に取り付けて余長吸収可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造に関し、特に、ルーフパネルとバックドアとの間に架け渡されるワイヤハーネスやウォッシャーホース等を好適に組み付ける構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のルーフパネルとバックドアとの間に架け渡されるワイヤハーネスはバックドアの開放時に外部に露出するため、特開2001−97143号公報等に開示されているようにグロメットを外装し、雨水の浸入防止とワイヤハーネスの損傷防止を図っている。
【0003】
詳しくは、図9(A)(B)に示すように、バックドア2は車体のルーフパネル1に対して上下方向に回動し、ルーフパネル1のバックドア2との境界端には防水用のウェザーストリップ6を設けている。ワイヤハーネスW/H1はバックドア2の貫通孔2a、2bを挿通し、一旦ウェザーストリップ6の外側の室外領域を通過した後、再びルーフパネル1の貫通孔1aを挿通して室内領域に戻る経路をとる。この際、ワイヤハーネスW/H1の室外領域に位置する部位にゴム製のグロメット3を外装し、該グロメット3の一端を貫通孔1aに内嵌係止すると共に、他端を貫通孔2aに内嵌係止している。 なお、ルーフパネル1の室内面側にはルーフライニング4を取り付けていると共に、バックドア2の室内面側にはバックドアトリム5を取り付けている。
【0004】
しかしながら、グロメット3は貫通孔1a、2aで確実にシールするため、穴径より大きな寸法として収縮させて貫通する必要があり、組付作業性が悪いという問題がある。特に、グロメット3をバックドア2側から貫通させる作業は、1つ目の貫通孔2bを貫通した後、作業者から見えない状態で2つ目の貫通孔2aを貫通させなければならず、作業負担が増大する。
また、ワイヤハーネスW/H1が長いと貫通孔1a、2a、2bを貫通させる作業が困難となるため、貫通孔1aから適当な位置で別体のワイヤハーネスW/H2に分割し、コネクタCで接続する必要があるが、ワイヤハーネス数やコネクタ数が増大してしまうと共に、コネクタCの嵌合作業が別途必要となり作業工数も増大する問題がある。
【特許文献1】特開2001−97143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、車体側からドアへ配索するワイヤハーネスを容易に取り付けることができ、非効率に回路を分割する必要がない構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、挿通空間を形成する筒状の単位ユニットを複数設け、該単位ユニット同士を互いに回転自在に連結して鎖状としている外装材をワイヤハーネスに外装して車体とドアとの間に配索する構造であって、
前記外装材は、複数の前記単位ユニット同士が回転自在に連結され一定方向に屈曲する第一連鎖部と、複数の前記単位ユニット同士が回転自在に連結され一定方向に屈曲する第二連鎖部と、前記第二連鎖部を前記第一連鎖部に対して軸線回りに回転させた状態で連結する角度変換ユニットとを備え、前記第一連鎖部と前記第二連鎖部の屈曲方向を互いに異ならせており、
前記第一連鎖部の屈曲方向を前記ドアの回動方向に合わせた状態で、前記第一連鎖部の一端側を前記ドアの室内面側に取り付けている一方、
前記第二連鎖部の屈曲方向を前記車体の室内面に沿わせた状態で、前記第二連鎖部の他端側を前記車体に取り付けて余長吸収可能としていることを特徴とする車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造を提供している。
【0007】
前記構成とすると、前記外装材は屈曲して余長吸収可能であるため、車体とドアの室内側を架け渡して取り付けて、従来のグロメット貫通作業を廃止することができるので、作業性が向上する。即ち、従来のグロメットのように余長吸収範囲が小さい場合はドア回転半径の小さい室外側に取り付ける必要があったが、本発明の場合には、外装材の第一連鎖部でドア回動方向に屈曲可能とし、かつ第二連鎖部で余長吸収可能としているので、ドア回転半径の大きい室内側にワイヤハーネスを架け渡して取り付けすることができる。
さらに、ワイヤハーネスを車体とドアとの間を架け渡す際に車体貫通作業が不要となるので、ワイヤハーネスを無駄に分割する必要がなくなり、ワイヤハーネス数やコネクタ数を低減できると共に組付作業工数も低減することができる。
【0008】
また、例えば、余長吸収可能な外装材として公知のケーブルベア等を車体とドアとの間に単に架け渡した場合には、ケーブルベアの余長部分が自重で垂れ下がるため、余長部分の垂直方向の高さ寸法だけ室内空間を無駄に占有してしまう問題がある。しかし、本発明によれば、第一連鎖部と第二連鎖部は角度変換ユニットでクロスリンクされて屈曲方向が相違し、かつ第二連鎖部の屈曲方向を車体の室内面に沿わせているため、ドアが閉じられても室内面に沿って余長が発生し、室内面に垂直な方向に大きくスペースを占有することが防止でき、室内空間を十分に確保することが可能となる。
【0009】
前記ドアはバックドアとすると共に前記車体はルーフパネルとし、前記第二連鎖部の屈曲方向は前記第一連鎖部の屈曲方向と直交する構成とし、
前記ルーフパネルの室内面側には前記外装材を覆うようにルーフライニングを取り付けていると好ましい。
【0010】
前記構成とすると、第二連鎖部の屈曲方向をルーフパネルの室内面に沿わせて外装材を取り付けることができ、ルーフパネルから下方向に余長吸収スペースを設ける必要がないので、ルーフパネルとルーフライニングとの間の高さスペースを非常に小さくすることが可能となる。
【0011】
前記第二連鎖部の開口面積は、前記角度変換ユニットの前記第二連鎖部との連結側の開口面積より小として、前記角度変換ユニットの前記第二連鎖部側の開口に合流部を形成し、
前記ワイヤハーネスは前記第二連鎖部、前記角度変換ユニットおよび前記第一連鎖部に挿通していると共に、
ウォッシャーホースあるいは/およびアンテナ線が前記第二連鎖部に挿通せずに前記合流部を通して前記第一連鎖部に挿通していると好ましい。
【0012】
例えば、角度変換ユニットの第二連鎖部との連結側より挿入して第一連鎖部を挿通させたいが、配索方向の制約上の理由から第二連鎖部を挿通できないウォッシャーホースあるいは/およびアンテナ線が存在する場合には、前記構成とすれば、第二連鎖部を通さずに合流部から第一連鎖部を通すことができる。
【0013】
前記角度変換ユニットの前記合流部には、少なくとも1つ以上の第三の連鎖部を連結しており、
前記ウォッシャーホースあるいは/およびアンテナ線は前記第三の連鎖部を挿通していると好ましい。
【0014】
即ち、角度変換ユニットの第二連鎖部側の開口に、前記第二連鎖部に並列して第三の連鎖部を連結することで、第二連鎖部を挿通できないウォッシャーホースあるいは/およびアンテナ線を第三の連鎖部で外装保護することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ワイヤハーネスの外装材を車体とドアの室内側に取り付けることができるので、従来のグロメット貫通作業が廃止されて作業性が向上する。さらに、ワイヤハーネスの車体貫通作業が不要となるので、ワイヤハーネスを無駄に分割する必要がなくなり、部品点数および組付作業工数を低減できる。また、第一連鎖部と第二連鎖部は角度変換ユニットでクロスリンクされて第二連鎖部の屈曲方向を車体の室内面に沿わせているため、ドアが閉じられても室内面に垂直な方向には余長が発生せず室内面に沿って余長が発生するので、室内空間を十分に確保できる。
【0016】
また、角度変換ユニットの第二連鎖部との連結側の開口面積を第二連鎖部の開口面積より大として合流部を設ければ、配索方向の制約上の理由から第二連鎖部を挿通できないものも合流部から第一連鎖部に挿通できる。その場合、角度変換ユニットの合流部に第三の連鎖部を連結すれば、第二連鎖部を挿通できないものも第三の連鎖部で外装保護できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は第1実施形態を示し、ルーフパネル40とバックドア41との間に架け渡すワイヤハーネスW/H、ウォッシャーホースH、アンテナ線Aを外装材10に挿通し、外装材10の一端をバックドア41に固定すると共に他端をルーフパネル40に固定している。
【0018】
外装材10は、図2乃至図4に示すように、複数の筒状の単位ユニット14を互いに回転自在に連結して一定方向に屈曲可能な第一連鎖部11と、同じく複数の筒状の単位ユニット14を互いに回転自在に連結して一定方向に屈曲可能な第二連鎖部12と、第一連鎖部11と第二連鎖部12との間に介設されると共に第二連鎖部12を第一連鎖部11に対して軸線回りに90°回転させた状態でクロスリンク結合させる角度変換ユニット13とを備えている。
【0019】
単位ユニット14は合成樹脂で一体成形され、図4に示すように、両側壁26、上壁27および底壁36で挿通空間を形成する略四角筒状で、両側壁26の一側より連結壁28、29を突出している。上壁27および底壁36の他側には、段差部33を介した内方より連結片31を突出している。即ち、連結片31を内方より突出させることで隣接する単位ユニット14の連結壁28の内面側に沿う構成としている。
連結壁28、29には、連結孔28a、29aを穿設していると共に、連結壁28、29の円弧状端面の中央部分に円弧状の切欠部28b、29bを設けている。連結片30、31は先細形状で、その外面には先端側にテーパ部30a−1を有する略円柱状の連結突起部30aを突設している。段差部33は略円弧状でその中央部分に突起34を設けている。上壁27の一端の左右両側には凹部35を形成し、他端の左右両側には干渉用突起32を設けている。
【0020】
第一連鎖部11は、図3に示すように、前記構成の単位ユニット14を複数連ねてそれぞれ同方向に配置し、単位ユニット14の連結片30、31を隣接する単位ユニット14の連結壁28、29の間に挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔28aに嵌合することで互いを回転自在に連結して鎖状とし、全体としてX−Z平面上の垂直方向に屈曲可能としている。
第一連鎖部11が屈曲する際は、単位ユニット14の干渉用突起32が隣接する単位ユニット14の凹部35に当接すると共に、突起34が切欠部28b、29bの端縁に当接して屈曲角度を所定範囲に制限している。
また、図2(A)(B)に示すように、第一連鎖部11の一端側には固定用ユニット15を取り付けている。固定用ユニット15は、上壁15aから外側方に突出する突出片15bを有し、突出片15bの上面側より矢羽状のクリップ部15cを突設している。
【0021】
第二連鎖部12は、図3に示すように、単位ユニット14を第一連鎖部11を構成する単位ユニット14とは90°回転させた状態で複数連ね、単位ユニット14の連結片30、31を隣接する単位ユニット14の連結壁28、29の間に挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔28aに嵌合することで互いを回転自在に連結して鎖状とし、全体としてX−Y平面上の水平方向に屈曲可能としている。また、図2(A)(B)に示すように、第二連鎖部12の他端側には固定用ユニット16を取り付けている。固定用ユニット16は、上壁16aから外側方に突出する突出片16bを有し、突出片16bの上面側より矢羽状のクリップ部16cを突設している。
【0022】
角度変換ユニット13は合成樹脂で一体成形され、図4に示すように、両側壁18、上壁19および底壁(図示せず)で挿通空間を形成する略四角筒状で、両側壁18の一側より連結壁20、21を突出していると共に、上壁27および底壁の他側より連結壁22、23を突出している。
連結壁20〜23には、連結孔20a〜23aを穿設していると共に、連結壁20〜23の円弧状端面の中央部分に円弧状の切欠部20b〜23bを設けている。また、上壁19の一端の左右両側および側壁18の他端の上下両側にそれぞれ凹部24、25を設けている。
【0023】
角度変換ユニット13の一側の連結壁20、21の間には、第一連鎖部11の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔20a、21aに嵌合している。一方、角度変換ユニット13の他側の連結壁22、23の間には、第二連鎖部12の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔22a、23aに嵌合している。
【0024】
図1(A)および図2(A)はバックドア41を閉じた状態、図1(B)および図2(B)はバックドア41を開放した状態を示す。
バックドア41はルーフパネル40に対して上下方向に回動し、ルーフパネル40のバックドア41との境界端には防水用のウェザーストリップ44を設けている。外装材10は、その連通する内部空間にワイヤハーネスW/H、アンテナ線A、ホースHを挿通し、第二連鎖部12の固定用ユニット16のクリップ部16cをルーフパネル40の係止穴40aに挿入係止して固定している一方、第一連鎖部11の固定用ユニット15のクリップ部15cをバックドア41の係止穴41aに挿入係止して固定している。外装材10の下面側には、ルーフパネル40側にルーフライニング42を取り付けていると共に、バックドア41側にバックドアトリム43を取り付けている。
【0025】
バックドア41を閉じた状態では、図2(A)に示すように、余長部分が発生する第二連鎖部12の屈曲方向が水平面(X−Y平面)上に拘束されているため、外装材10が垂直方向(Z方向)に垂れ下がることがない。したがって、ガイドレール等を用いることなく余長吸収方向が規制されてスペース効率が大幅に向上する。また、第一連鎖部11の屈曲方向が垂直面(Z−X平面)上に拘束されているため、外装材10の水平方向Yの可動範囲も所定の範囲に規制することができる。
一方、バックドア41を開放した状態では、図2(B)に示すように、第一連鎖部11が上方に向けて屈曲し且つ第二連鎖部12がX方向の伸縮を吸収するので、垂直方向の離反動作にスムーズに追従する。
【0026】
以上の構成とすれば、外装材10が第一連鎖部11で上下屈曲し且つ第二連鎖部12で水平方向に余長吸収可能であるため、ルーフパネル40とバックドア41との間の室内側を架け渡して取付可能で、従来のグロメット貫通作業を廃止することができ作業性が向上する。さらに、ワイヤハーネスW/Hをルーフパネル40およびバックドア41に貫通する作業が不要となるので、ワイヤハーネスW/Hを無駄に分割する必要がなくなり、部品点数および組付作業工数を低減することができる。
また、バックドア41が閉じられた状態でも、第二連鎖部12の屈曲方向が水平方向であるので、外装材10の余長部分が自重で垂れ下がることがなく、ルーフパネル40とルーフライニング42との間の高さ寸法Lを小さく抑えることができ、室内空間を大きく確保することが可能となる。
なお、本実施形態では固定用にクリップ部15c、16cを設けているが、代わりにボルト孔を設ける構成としてもよい。また、本実施形態ではバックドアへの連結に用いているがその他のドアに用いてもよい。
【0027】
図5および図6は第2実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、第一連鎖部52および角度変換ユニット53を幅広とし、角度変換ユニット53の第二連鎖部52側に合流部53を開口している点である。
【0028】
第一連鎖部52は、図6に示すように、単位ユニット14’の上壁56および底壁57のY方向の幅を第二連鎖部12の幅の倍としている。また、角度変換ユニット51は、上壁54および底壁55のY方向の幅を第二連鎖部12の幅の倍としており、上壁54および底壁55の他端の片側より連結壁22、23を突出している。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるので同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
角度変換ユニット51の一側の連結壁20、21の間には、第一連鎖部52の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔20a、21aに嵌合している。一方、角度変換ユニット51の他側の連結壁22、23の間には、第二連鎖部12の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔22a、23aに嵌合している。この際、第二連鎖部12の開口面積は、角度変換ユニット51の第二連鎖部12との連結側の開口面積より小となっているので、第二連鎖部12に隣接して合流部53が開口される。
【0030】
本実施形態の外装材50を、前述したように車両のルーフパネル40からバックドア41に架け渡す場合と、図5に示すように、ワイヤハーネスW/Hを第二連鎖部12、角度変換ユニット53および第一連鎖部52を挿通させる一方、ウォッシャーホースHおよびアンテナ線Aは第二連鎖部12を通さずに合流部53に挿入して第一連鎖部52を貫通させる。
前記のようにすれば、ウォッシャーホースHおよびアンテナ線Aが配索方向の制約上の理由から第二連鎖部12を挿通できない場合にも、合流部53を通して問題なく第一連鎖部52に挿通することが可能となる。
【0031】
図7および図8は第3実施形態を示す。
第2実施形態との相違点は、角度変換ユニット61の一側で第二連鎖部12に並列して第三連鎖部63を合流させて連結している点である。
【0032】
角度変換ユニット61は、上壁54および底壁55の他端より二対の連結壁22、23と連結壁62(底壁側は図示せず)とを並列して突出している。連結壁22、23、62は、連結孔22a、62aを穿設していると共に、円弧状端面の中央部分に円弧状の切欠部22b、62bを設けている。第三連鎖部63は、第二連鎖部12と同様に複数の単位ユニット14を連結した構成であり、180°回転させて配置することにより屈曲方向を逆転させている。なお、他の構成は第2実施形態と同様であるので同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
角度変換ユニット61の一側の連結壁20、21の間には、第一連鎖部52の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔20a、21aに嵌合している。一方、角度変換ユニット61の他側の連結壁22、23の間には、第二連鎖部12の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30aを内側から連結孔22a、23aに嵌合している。さらに、連結壁62には(底壁側は図示せず)、第三連鎖部63の端部の連結片30、31を挿入し、連結突起部30a、31aを内側から連結孔62aに嵌合している。
前記構成とすると、第二連鎖部12を挿通できないウォッシャーホースHやアンテナ線Aも第三連鎖部63で外装保護することができる。なお、本実施形態では、角度変換ユニットの片側に並列して連結する連鎖部を2つとしているが3つ以上としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(A)(B)は本発明の第1実施形態のバックドアとルーフパネルとの間のワイヤハーネスの取付構造を示す断面図である。
【図2】(A)(B)は第1実施形態の外装材を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態の外装材の要部斜視図である。
【図4】第1実施形態の外装材の要部分解斜視図である。
【図5】第2実施形態の外装材を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態の外装材の要部分解斜視図である。
【図7】第3実施形態の外装材を示す斜視図である。
【図8】第3実施形態の外装材の要部分解斜視図である。
【図9】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0035】
10、50、60 外装材
11 第一連鎖部
12 第二連鎖部
13、51、61 角度変換ユニット
14 単位ユニット
15 固定用ユニット
15c クリップ部
16 固定用ユニット
16c クリップ部
18 側壁
19 上壁
20、21、22、23 連結壁
20a、21a、22a、23a、28a、29a 連結孔
30a 連結突起部
40 ルーフパネル
41 バックドア
42 ルーフライニング
43 バックドアトリム
44 ウェザーストリップ
A アンテナ線
H ウォッシャーホース
W/H ワイヤハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿通空間を形成する筒状の単位ユニットを複数設け、該単位ユニット同士を互いに回転自在に連結して鎖状としている外装材をワイヤハーネスに外装して車体とドアとの間に配索する構造であって、
前記外装材は、複数の前記単位ユニット同士が回転自在に連結され一定方向に屈曲する第一連鎖部と、複数の前記単位ユニット同士が回転自在に連結され一定方向に屈曲する第二連鎖部と、前記第二連鎖部を前記第一連鎖部に対して軸線回りに回転させた状態で連結する角度変換ユニットとを備え、前記第一連鎖部と前記第二連鎖部の屈曲方向を互いに異ならせており、
前記第一連鎖部の屈曲方向を前記ドアの回動方向に合わせた状態で、前記第一連鎖部の一端側を前記ドアの室内面側に取り付けている一方、
前記第二連鎖部の屈曲方向を前記車体の室内面に沿わせた状態で、前記第二連鎖部の他端側を前記車体に取り付けて余長吸収可能としていることを特徴とする車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造。
【請求項2】
前記ドアはバックドアとすると共に前記車体はルーフパネルとし、前記第二連鎖部の屈曲方向は前記第一連鎖部の屈曲方向と直交する構成とし、
前記ルーフパネルの室内面側には前記外装材を覆うようにルーフライニングを取り付けている請求項1に記載の車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造。
【請求項3】
前記第二連鎖部の開口面積は、前記角度変換ユニットの前記第二連鎖部との連結側の開口面積より小として、前記角度変換ユニットの前記第二連鎖部側の開口に合流部を形成し、
前記ワイヤハーネスは前記第二連鎖部、前記角度変換ユニットおよび前記第一連鎖部に挿通していると共に、
ウォッシャーホースあるいは/およびアンテナ線が前記第二連鎖部に挿通せずに前記合流部を通して前記第一連鎖部に挿通している請求項1または請求項2に記載の車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造。
【請求項4】
前記角度変換ユニットの前記合流部には、少なくとも1つ以上の第三の連鎖部を連結しており、
前記ウォッシャーホースあるいは/およびアンテナ線は前記第三の連鎖部を挿通している請求項3に記載の車体とドアとの間のワイヤハーネス配索構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−182237(P2006−182237A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378971(P2004−378971)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】