説明

車体の付属装置取り付け構造

【課題】十分な取り付け強度を確保できると共に、見栄えを向上することができる車体の付属装置取り付け構造を提供する。
【解決手段】ルーフパネル1の端末部に折り返し部6を形成し、この折り返し部6にスティフナー3の上フランジ部7を挟み込んでヘミング加工部12を形成し、ヘミング加工部12を縁部として車体外表面に内側に向かってスティフナー3を凹設して開口部4を形成し、この開口部4にハイマウントストップランプユニットHを配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体の付属装置取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には車体後部にハイマウントストップランプが取り付けられたものがある。このハイマウントストップランプはルーフパネルの後端部に樹脂のガーニッシュを設け、このガーニッシュで取付部を覆う構造を採用している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平05−8760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術にあっては、ガーニッシュを用いてハイマウントストップランプの取付部を覆う構造であったため、十分な取り付け強度を確保することができないという課題がある。また、ハイマウントストップランプの熱により樹脂のガーニッシュの熱膨張を考慮するために、ハイマウントストップランプの取付部の周囲に一定の間隔をおいて樹脂のガーニッシュを設ける必要があるため、見栄えを損ねてしまう虞がある。
【0004】
そこで、この発明は、十分な取り付け強度を確保できると共に、見栄えを向上することができる車体の付属装置取り付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、車体の外表面を構成する車体パネル(例えば、実施形態におけるルーフパネル1)の端末部(例えば、実施形態における折り返し部6)に、前記車体パネルの内側に設けられる内側部材(例えば、実施形態におけるスティフナー3)の端末部(例えば、実施形態における上フランジ部7)をヘミング加工部(例えば、実施形態におけるヘミング加工部12)を介して接合し、前記ヘミング加工部を縁部として車体外表面に開口部(例えば、実施形態における開口部4)を形成し、この開口部に付属装置(例えば、実施形態におけるハイマウントストップランプユニットH)を取り付けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載した発明は、前記車体パネルはルーフパネルであり、前記ヘミング加工部は前記ルーフパネルの後端に沿って形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載した発明は、前記付属装置は、前記ルーフパネルとリヤガラス(例えば、実施形態におけるリヤガラス5)との間に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載した発明は、前記リヤガラス上端には、前記付属装置の表面に密接するリップ部材(例えば、実施形態におけるリップ部材19)が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載した発明は、前記付属装置の固定位置を、前記ヘミング加工部の延出方向に沿って調整可能にする固定位置調整手段(例えば、実施形態における取付孔29)が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載した発明は、前記ヘミング加工部の延出方向に沿って、前記付属装置を車体に組み付ける組み付け手段(例えば、実施形態におけるボルト30、ウエルドナット23)が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した発明によれば、付属装置が取り付けられる開口部の縁部をヘミング加工部とすることによって、付属装置取付け部分において、車体表面からの取り付け幅を極力小さくすることができるため、見栄えを向上できる効果がある。また、ヘミング加工部は、挟み込む板厚に沿って一定の厚さで形成されるため、取り付け幅を一定にし、外観品質を向上できる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、ヘミング加工部はルーフパネルの後端に沿って形成されているので、ヘミング加工部の強度を高め、付属装置の取り付け強度を高めることができる。また、ヘミング加工部の成形性を高めることができる。
請求項3に記載した発明によれば、車体後方から見たときの付属装置の上下方向の取り付け幅を極力小さくすることができ、配置スペースを節約することができる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、車体後方から見たときの付属装置の上下方向の見え幅を更に小さくすることができる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、付属装置の表面とヘミング加工部の端末との位置合わせを簡単に行うことができるので、建て付け性を向上できる効果がある。
請求項6に記載した発明によれば、ヘミング加工部の延出方向に沿って組み付けることによって、ヘミング加工部が取り付け時に邪魔になることがなく、取り付け作業性を向上できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4はこの発明の第1実施形態を示している。
図1、図2に示すように、鋼板材で形成されたルーフパネル1の後部端末部2は車幅方向中央部が両側部から徐々に盛り上がるように形成されている。この後部端末部2にはルーフパネル1の内側、つまり下側に収まるようにしてスティフナー3が配置されている。スティフナー3は鋼板材で形成され後方が開いた断面コの字状をしており、全体としてはルーフパネル1の後部端末部2に沿うように車幅方向中央部が両側部よりも徐々に上下幅が広くなった部材である。
【0013】
そして、スティフナー3の後方に向かって開いた開口部4内に、この開口部4を閉塞するように、ハイマウントストップランプユニットHが取り付けられている。ここで、リヤガラス5はスティフナー3に接着固定されている。
【0014】
具体的に図3、図4に基づいて説明すると、ルーフパネル1の後部端末部2には、裏側であって前側に折り返された折り返し部6が形成されている。スティフナー3はルーフパネル1の折り返し部6に挟み込まれる上フランジ部7を上部に備えて有段成形された後、前方に延びる水平な上壁部8と、上壁部8の後端から下側に向かって下がる縦壁部9と、縦壁部9の下端から後方に延びる水平な下壁部10を備えている。下壁部10の後端は斜め後方で下方に延び、端末には下フランジ部11が形成されている。スティフナー3の上フランジ部7をルーフパネル1の折り返し部6に挟み込んでヘミング加工部12が形成されている。
【0015】
ルーフパネル1の後部裏面には、ルーフパネル1との間に車体骨格部材を形成する鋼板材からなるリヤルーフレール13が配置され、このリヤルーフレール13の下フランジ部14がスティフナー3の下フランジ部11に溶接接合されて下接合フランジ部15が形成されている。また、リヤルーフレール13の図示しない前縁部はルーフパネル1の裏面に接合されている。
スティフナー3の下壁部10の後方部分にはリヤガラス5がダム16及び接着材17を介して接合され、リヤガラス5の前端部はルーフパネル1の後部端末部2よりもやや前側に位置している。
そして、ヘミング加工部12と下接合フランジ部15とを縁部として車体外表面にスティフナー3により開口部4が形成され、この開口部4の内部にハイマウントストップランプユニットHが後方から収容されている。
【0016】
ハイマウントストップランプユニットHは、樹脂製のユニット本体20とクリアレンズ21とで構成されている。図4に示すように、ユニット本体20は横に長い箱形をした形状の部材であって、後部が開放され内部に設けた光源Lにより、後方に照明光を照射するものである。ユニット本体20の両側下部には側方に延出し上下方向に取り付け面を向けた取付座22が設けられ、この取付座22の上面にはウエルドナット23が取り付けられている。ユニット本体20の後部開口部24にスティフナー3の開口部4を閉塞するようにクリアレンズ21が一体固定されている。クリアレンズ21の下縁にはリヤガラス5に密接するリップ部材25(図3参照)が取り付けられている。これによりリヤガラス5の上下方向の寸法ばらつきをリップ部材25が撓み変形することで吸収することができる。
したがって、ルーフパネル1とリヤガラス5との間にハイマウントストップランプユニットHが配置されることとなる。
【0017】
ユニット本体20の上部右側には給電用のハーネス26が取り付けられハーネス26の先端にはコネクタ27が取り付けられている。ここで、ハーネス26には、後述する防水用のラバー28が取り付けられている。
【0018】
そして、スティフナー3の下壁部10にはユニット本体20の各取付座22に対応する位置に前後方向に長い取付孔29,29が形成され、各取付孔29に下側からボルト30を挿通してユニット本体20の取付座22に締め付けて、ユニット本体20をスティフナー3の下壁部10に前後方向調整自在に取り付ける。ここで、スティフナー3の縦壁部9にはユニット本体20のコネクタ27を挿通するための挿通孔31が形成されている。この挿通孔31はユニット本体20のハーネス26に固定された防水用のラバー28の周縁に嵌合することでシールして水密理に閉塞される。
また、リヤルーフレール13の下壁18にはスティフナー3の下壁部10の取付孔29に対応する位置にボルト30を挿通するための作業孔33が形成されている。尚、作業孔33の周縁は上側に膨出している。
【0019】
第1実施形態によれば、ハイマウントストップランプユニットHが取り付けられるスティフナー3の開口部4の縁部をルーフパネル1と接合したヘミング加工部12とすることによって、ハイマウントストップランプユニットHの取付け部分において、車体表面からの取り付け幅dを極力小さくすることができるため見栄えを向上できる。また、ヘミング加工部12は、挟み込む側であるスティフナー3の上フランジ部7の板厚に沿って一定の厚さで形成されるため、取り付け幅dが一定となり、この点でも外観品質を向上できる。
また、取り付け幅dが狭い分だけハイマウントストップランプユニットHの照射部分を広く確保でき視認性を高めることができる。
【0020】
そして、ハイマウントストップランプユニットHが取り付けられる部位は、ルーフパネル1との間に車体骨格部材を形成するリヤルーフレール13によって補強された部位であり、かつ、このリヤルーフレール13とルーフパネル1とに跨るようにして設けられたスティフナー3であるため、十分な取り付け強度を確保できる。
【0021】
また、ボルト30を用いて下側からユニット本体20のウエルドナット23に締め付けることでハイマウントストップランプユニットHを室外から固定する構造であるため、ルーフパネル1のヘミング加工部12とクリアレンズ21の上縁との間の寸法をボルト30の締め付け量(座金などを用い)で調整でき、クリアレンズ21の下縁にリップ部材25が設けてありリヤガラス5との間の寸法誤差を簡単に吸収できることもあり、ハイマウントストップランプユニットHの上下方向の位置を調整して外観品質を向上させることができる。ここで、クリアレンズ21はユニット本体20と一体にできるため、クリアレンズ21をユニット本体20と近接配置できこの点でも視認性を向上できる。
【0022】
そして、ハイマウントストップランプユニットHの固定位置をヘミング加工部12の延出方向、つまり前後方向に長い取付孔29の範囲内で調整することができるため、クリアレンズ21の後面とヘミング加工部12の端末であるルーフパネル1の後部端末部2との前後方向の位置合わせを簡単かつ正確に行うことができるので、建て付け性を向上できる。また、ルーフパネル1とリヤガラス5との間にハイマウントストップランプユニットHが配置されることとなるため、車体後方から見たときのハイマウントストップランプユニットHの上下方向の取り付け幅Dを極力小さくして配置スペースを節約することができる。
【0023】
ここで、ハイマウントストップランプユニットHをスティフナー3に組み付ける際にはハイマウントストップランプユニットHをルーフパネル1のヘミング加工部12の延出方向に沿う方向、つまり室外の後方から前側に向かって挿入してボルト30により固定するため、ヘミング加工部12が作業の邪魔にならず作業が行い易い。
【0024】
次に、この発明の第2実施形態を図5に基づいて説明する。尚、この実施形態において第1実施形態と同一態様部分には同一符号を付して説明する(以下の実施形態においても同様)。この実施形態において、ルーフパネル1の後部端末部2に折り返し部6が形成され、スティフナー3がルーフパネル1の折り返し部6に挟み込まれる上フランジ部7を上部に備えて有段成形された後、前方に延びる水平な上壁部8と、上壁部8の後端から下側に向かって下がる縦壁部9と、縦壁部9の下端から後方に延びる水平な下壁部10を備えている点、スティフナー3の下壁部10の後端は斜め後方の下方に延び、端末には下フランジ部11が形成され、スティフナー3の上フランジ部7をルーフパネル1の折り返し部6に挟み込んでヘミング加工部12が形成されている点、ルーフパネル1の後部裏面には、ルーフパネル1との間に車体骨格部材を形成する鋼板材からなるリヤルーフレール13が配置され、このリヤルーフレール13の下フランジ部14がスティフナー3の下フランジ部11に溶接接合され下接合フランジ部15が形成されている点、ヘミング加工部12と下接合フランジ部15とを縁部として車体外表面にスティフナー3により開口部4が形成され、この開口部4の内部にハイマウントストップランプユニットHが後部に収容されている点等の基本的構造は第1実施形態と同様である。
【0025】
ここで、スティフナー3の縦壁部9には円形の取付孔35が形成され、この取付孔35にハイマウントストップランプユニットHのユニット本体40がボルト36により後方から締め付け固定されるようになっている。ユニット本体40は両側部に前後方向に指向する取付座37,37を備え、この取付座37の上面(後方に向く面)にウエルドナット38が取り付けられている。ユニット本体40は光源Lからの光を後方に照射するために後方に向いた本体レンズ41を備え、この本体レンズ41の両側部に面一で連なるようにハイマウントストップランプユニットHのクリアレンズ42が一対設けられている。このクリアレンズ42には裏面にクリップ43が設けられ、クリップ43をスティフナー3の係合孔47に固定され、ウエルドナット38及び取付座37を後方から見えないようにしている。尚、スティフナー3の縦壁部9の各取付孔35の中央部にはユニット本体40のハーネス46のコネクタ44を挿通するための挿通孔45が形成されている。
【0026】
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、ハイマウントストップランプユニットHのユニット本体40を室外から挿入し、後方からボルト36により締め付けて取り付けるため、ハーネス46のコネクタ44の取り付け作業などと同様に、後方から締め付け作業を行うことができる点で作業が行い易いメリットがある。また、ボルト36の締め付け代を座金などで調整することによりハイマウントストップランプユニットHの前後方向位置を調整できるため、クリアレンズ42とヘミング加工部12の端末との前後方向の位置合わせを簡単かつ正確に行うことができるので、建て付け性を向上できる。
【0027】
次に、この発明の第3実施形態を図6、図7に基づいて説明する。この実施形態において、ルーフパネル1の後部端末部2に折り返し部6が形成され、スティフナー3がルーフパネル1の折り返し部6に挟み込まれる上フランジ部7を上部に備えて有段成形された後、前方に延びる水平な上壁部8と、上壁部8の後端から下側に向かって下がる縦壁部9と、縦壁部9の下端から後方に延びる水平な下壁部10を備えている点、スティフナー3の下壁部10の後端は斜め後方の下方に延び、端末には下フランジ部11が形成され、スティフナー3の上フランジ部7をルーフパネル1の折り返し部6に挟み込んでヘミング加工部12が形成されている点、ルーフパネル1の後部裏面には、ルーフパネル1との間に車体骨格部材を形成する鋼板材からなるリヤルーフレール13が配置され、このリヤルーフレール13の下フランジ部14がスティフナー3の下フランジ部11に溶接接合され下接合フランジ部15が形成されている点、ヘミング加工部12と下接合フランジ部15とを縁部として車体外表面にスティフナー3により開口部4が形成され、この開口部4の内部にハイマウントストップランプユニットHが収容されている点等の基本的構造は第1実施形態と同様である。
【0028】
ここで、リヤルーフレール13は下フランジ部11から後方に水平に延びる下壁部50を備え、下壁部50の後縁には上方に向けて延びる縦壁部51が形成されている。縦壁部51の上縁に上フランジ部52が形成され、この上フランジ部52はルーフパネル1の裏面に接合されている。このリヤルーフレール13の縦壁部51に、ハイマウントストップランプユニットHのユニット本体60が室内側から挿入される挿入孔53が形成されている。挿入孔53には周縁フランジ部54が後方に向けて立ち上がっており、挿入孔53の両脇には縦壁部51の後面にウエルドナット58が溶着されている。
【0029】
ハイマウントストップランプユニットHのユニット本体60は光源Lからの光を後方に照射するために後方に向いた本体レンズ61を備え、ユニット本体60は両側部に前後方向に指向する取付座57を備えている。この取付座57にリヤルーフレール13の縦壁部51に設けたウエルドナット58に対応して、上下に長い取付孔62,62が形成されている。この取付孔62に室内から後方に向かってボルト49を挿通しリヤルーフレール13のウエルドナット58に締め付けて、ユニット本体60をリヤルーフレール13に固定している。
スティフナー3の縦壁部9にはユニット本体60を上下に調整代分の余裕を持たせて受け入れる挿入孔55が形成されている。挿入孔55の周縁には後方に向かって周縁フランジ部59が形成されている。
【0030】
ユニット本体60の周囲には、スティフナー3の縦壁部9の挿入孔55に対応する位置に位置決めリブ56が設けられ、この位置決めリブ56とスティフナー3の挿入孔55との間にシール材を挟み込むなどして、ユニット本体60のシールを行っている。
そして、ユニット本体60が車体に固定された状態でユニット本体60の本体レンズ61の両側部に面一で連なるようにハイマウントストップランプユニットHのクリアレンズ42(図5と同様の構成)が一対設けられている。ここで、ハイマウントストップランプユニットHのクリアレンズ42を一部品としてスティフナー3の開口部4を閉塞するように取り付けておき、その後室内でユニット本体60を取り付けてもよい。尚、ユニット本体60のハーネス63にはコネクタ44が設けられている。
【0031】
このように取り付けられた、ハイマウントストップランプユニットHのクリアレンズ42の表面に、スティフナー3にダム16及び接着材17によって固定されたリヤガラス5上端のリップ部材19が密接している。
【0032】
第3実施形態によれば、ハイマウントストップランプユニットHが取り付けられるスティフナー3の開口部4の縁部をルーフパネル1と接合したヘミング加工部12とすることによって、ハイマウントストップランプユニットHの取付け部分において、車体表面からの取り付け幅dを極力小さくすることができるため見栄えを向上できる。また、ヘミング加工部12は、挟み込む側であるスティフナー3の上フランジ部7の板厚に沿って一定の厚さで形成されるため、取り付け幅dが一定となり、この点でも外観品質を向上できる。
【0033】
また、ハイマウントストップランプユニットHが取り付けられる部位は、ルーフパネル1との間に車体骨格部材を形成するリヤルーフレール13により補強された部位であり、かつ、このリヤルーフレール13とルーフパネル1とに跨るようにして設けられたスティフナー3であるため、十分な取り付け強度を確保できる。
【0034】
更に、ボルト49をユニット本体60の取付座57の取付孔62に室内側から後方に向かって挿通し、リヤルーフレール13のウエルドナット58に締め付けることでハイマウントストップランプユニットHを固定する構造であるため、ルーフパネル1のヘミング加工部12とクリアレンズ42の上縁との間の寸法をボルト49の取付孔62に対する上下位置を変更することで調整できるため、ハイマウントストップランプユニットHの上下方向の位置を調整して外観品質を向上させることができる。
そして、ユニット本体60は位置決めリブ56により、スティフナー3に対して挿入規制されているため、ユニット本体60、つまりハイマウントストップランプユニットの後面とヘミング加工部12の端末とが正確かつ簡単に位置決めできるため、外観品質を高めることができる。
【0035】
ルーフパネル1とリヤガラス5との間にハイマウントストップランプユニットHが配置されるため、車体後方から見たときのハイマウントストップランプユニットHの上下方向の取り付け幅Dを極力小さくして配置スペースを節約することができる。
このとき、ハイマウントストップランプユニットHのクリアレンズ42の表面に、リヤガラス5上端に取り付けたリップ部材19が密接しているため、車体後方から見たときのハイマウントストップランプユニットHの上下方向の見え幅D’を更に小さくすることができる。
【0036】
更に、ハイマウントストップランプユニットHをスティフナー3に組み付ける際にはハイマウントストップランプユニットHのユニット本体60をルーフパネル1のヘミング加工部12の延出方向に沿う方向、つまり室内側から後方に向かって挿入してボルト49により固定するため、ヘミング加工部12が作業の邪魔にならず作業が行い易い。
【0037】
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、付属装置としてはハイマウントストップランプ以外に、リヤビューカメラの取付構造にも適用できる。また、車体パネルとしてルーフパネル以外に、テールゲートパネル、トランクパネルなどに適用できる。また、ボルトをウエルドナットに締め付ける例で説明したが、ボルト、ウエルドナット以外のクリップ、係合孔などの組み付け手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の第1実施形態の車両の部分斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図4のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図2の分解斜視図である。
【図5】第2実施形態の図4に相当する分解斜視図である。
【図6】第3実施形態の図3に相当する断面図である。
【図7】第3実施形態の図4に相当する分解斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ルーフパネル
3 スティフナー(内側部材)
4 開口部
5 リヤガラス
6 折り返し部
7 上フランジ部(端末部)
12 ヘミング加工部
19 リップ部材
23 ウエルドナット(固定手段)
29 取付孔(固定位置調整手段)
30 ボルト(固定手段)
H ハイマウントストップランプユニット(付属装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の外表面を構成する車体パネルの端末部に、前記車体パネルの内側に設けられる内側部材の端末部をヘミング加工部を介して接合し、前記ヘミング加工部を縁部として車体外表面に開口部を形成し、この開口部に付属装置を取り付けたことを特徴とする車体の付属装置取り付け構造。
【請求項2】
前記車体パネルはルーフパネルであり、前記ヘミング加工部は前記ルーフパネルの後端に沿って形成されていることを特徴とする請求項1記載の車体の付属装置取り付け構造。
【請求項3】
前記付属装置は、前記ルーフパネルとリヤガラスとの間に設けられていることを特徴とする請求項2記載の車体の付属装置取り付け構造。
【請求項4】
前記リヤガラス上端には、前記付属装置の表面に密接するリップ部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載の車体の付属装置取り付け構造。
【請求項5】
前記付属装置の固定位置を、前記ヘミング加工部の延出方向に沿って調整可能にする固定位置調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車体の付属装置取り付け構造。
【請求項6】
前記ヘミング加工部の延出方向に沿って、前記付属装置を車体に組み付ける組み付け手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車体の付属装置取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−220700(P2009−220700A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67367(P2008−67367)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】