説明

車体の基準部設定方法

【課題】車体に対してサスペンションアッセンブリ等を正確且つ効率的に取り付けるための基準部を設ける。
【解決手段】ホワイトボディ10の所定位置に長孔80を設ける。組み立て及び溶接工程後に、長孔80にターゲットピース18a〜18dを仮装着する。ホワイトボディ10に対するサスペンションアッセンブリ14及び16の左右の対の取付孔12a〜12dの位置を計測する。計測された各対の取付孔12a〜12dの位置に基づいて、平面視で左右の取付孔12a〜12dの中点を含む車長方向の軸線部にターゲットピース18a〜18d移動し、固定する。ターゲットピース18a〜18dは、それぞれボルト76及びナット78からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に対してサスペンションアッセンブリ等の構造物や部品を取り付ける際に用いられる車体の基準部設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のサスペンションは操舵機構、リンク機構、タイヤ取付部、ブレーキ機構及びエンジン等と一体的になったサスペンションアッセンブリとして予め組み立てておくと、車両枠体に対する取り付けが容易で好適である。
【0003】
サスペンションアッセンブリを車両枠体に取り付ける際には、サスペンションアッセンブリと車両枠体との相対的な位置が適切に整合するように位置決めを行う必要がある。このような位置決めを行う方法として、基準指標として形成された車体の基準孔の位置を視覚センサで検出しながらサスペンションアッセンブリを取り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、車体の外周コーナ部を検出する一対の位置検出用視覚センサから得られる信号に基づいて、回転昇降テーブルの載置面の位置を調整する。次いで、車両の基準孔を検出するために回転昇降テーブル中央に設けられた位置決め用視覚センサから得られる信号に基づいて回転昇降テーブルの載置面の位置を微調整することにより位置ずれを補正している。
【0004】
【特許文献1】特公平7−10674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両枠体やサスペンションアッセンブリは、多くの加工箇所を有するとともに複数の部材が組み合わされた複合体であり各部の寸法誤差が集積することから、取付部の寸法が十分高精度に形成されていない懸念がある。
【0006】
したがって、前記の特許文献1記載の基準孔に基づいてサスペンションアッセンブリ、燃料タンク及びマフラ等を取り付けると正規の位置に対してずれが生じ、装着時にさらなる位置補正を行う必要がある。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、車体に対してサスペンションアッセンブリや部品等を正確且つ効率的に取り付けることを可能にする車体の基準部設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る車体の基準部設定方法は、車体の製造時の溶接工程終了後に、前記車体におけるシンメトリックに配置された一対部位の位置に基づく基準位置に基準部を設けることを特徴とする。
【0009】
このように、車体の溶接工程後にシンメトリックに配置された一対の孔に基づいて基準部を設定することにより、組み立て誤差や溶接歪みの影響が排除され、左右の取付部に基づいて正確な位置に設定することができる。また、各基準部によれば、車体に対するサスペンションアッセンブリ等の位置決めを迅速且つ簡便に行うことができ、効率的である。
【0010】
この場合、前記一対部位は、サスペンションアッセンブリに対する左右の取付部であって、前記サスペンションアッセンブリの組み立て及び溶接工程後に、前記サスペンションアッセンブリの前記車体に対する左右の取付部に基づく基準位置に基準部を設けてもよい。これにより、車体側の第1の基準部と、これに対応するサスペンションアッセンブリの第2の基準部とに基づいて、車体とサスペンションアッセンブリの位置決めを正確且つ簡便に行うことができる。
【0011】
前記基準部は孔であると、基準部の設定が容易であり、位置決めの基準として利用しやすい。
【0012】
前記基準部はボルト及びナットからなり、前記基準位置を含む位置に設けられた長孔に対して、前記ボルトを挿通し、該ボルトの中心が前記基準位置と一致するように調整し、前記ナットを螺合して固定するようにしてもよい。
【0013】
このように、長孔に対してボルト及びナットからなる基準部を基準点に合わせて位置を調整し、固定しておくことにより、その後の工程で基準部に基づいて、車体に対してサスペンションアッセンブリ等を簡便且つ正確に取り付けることができる。
【0014】
また、前記ボルトの頭部と被締結材表面との間には、前記被締結材表面に噛み込む歯部が設けられていると、噛み込み作用によりボルトの弛みや、位置ずれが防止される。
【0015】
この場合、前記ボルトは軸方向の連通孔を有すると、組み立て時に連通孔に基準ピンを挿入して位置決めを容易に行うことができる。
【0016】
さらに、前記基準位置は、平面視で前記一対部位の中点に設けるようにすると、基準部の設定が容易であり、位置決めの基準として利用しやすい。
【0017】
また、本発明に係る車体の基準部設定方法は、車体に取り付けられるサスペンションアッセンブリの製造時の溶接工程終了後に、前記サスペンションアッセンブリにおけるシンメトリックに配置された一対部位の位置に基づく基準位置に基準部を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る車体の基準部設定方法では、車体及びサスペンションアッセンブリの溶接工程後にシンメトリックに配置された一対の孔に基づいて車体及びサスペンションアッセンブリに基準部を設定する。したがって、設定された基準部は、組み立て誤差や溶接歪みの影響が排除され、左右の取付部に基づいて正確な位置に設定される。また、このような基準部を用いることにより、車体に対するサスペンションアッセンブリ等の位置決めを迅速且つ簡便に行うことができ、効率的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る車体の基準部設定方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図22を参照しながら説明する。
【0020】
本実施の形態に係る車体の基準部設定方法は、図1に示すホワイトボディ10と、フロント側のサスペンションアッセンブリ14及びリア側のサスペンションアッセンブリ16との組み立て時に位置決めの基準となるターゲットピース(基準部)18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g及び18h(以下、代表的にターゲットピース18ともいう。)を設定する方法である。このうち、ターゲットピース18a〜18d(第1基準部)はホワイトボディ10に設けられ、ターゲットピース(第2基準部)18e、18fはサスペンションアッセンブリ14に設けられ、ターゲットピース(第2基準部)18g、18hはサスペンションアッセンブリ16に設けられる。
【0021】
また、ホワイトボディ10は製造工程において、ターゲットピースを取り付けるためのターゲットピース取付ステーション100(図6参照)と、車幅方向の位置決めを行う横移動ステーション200(図8参照)と、サスペンションアッセンブリ14及び16を取り付ける組立ステーション300(図1参照)とに順次搬入されて、所定の処理がなされる。
【0022】
ホワイトボディ10は車両を構成する基礎となる枠体であり、梁材としてエンジンルーム部の前方及び後方にはバルクヘッドメンバ22及びダッシュボードロアメンバ24が設けられ、後方サスペンションルームの前方及び後方には第1リアクロスメンバ26及び第2リアクロスメンバ28がそれぞれ横架されている。バルクヘッドメンバ22、ダッシュボードロアメンバ24、第1リアクロスメンバ26及び第2リアクロスメンバ28の各中心部には、順にターゲットピース18a〜18dが設けられている。これらのターゲットピース18の詳細な構造及び取り付け方法については後述する。また、ホワイトボディ10には、サスペンションアッセンブリ14の左右のダンパアッセンブリ36のダンパ頭部(取付部)36aが取り付けられる一対の取付孔(一対部位、取付部)12b、12bと、左右の支持部(取付部)50aが取り付けられる一対の取付孔(一対部位、取付部)12a、12aが設けられている。
【0023】
さらに、ホワイトボディ10には、サスペンションアッセンブリ16の左右のダンパ64のダンパ頭部(取付部)64aが取り付けられる一対の取付孔(一対部位、取付部)12c、12cと、左右の支持部(一対部位、取付部)74aが取り付けられる一対の取付孔(一対部位、取付部)12d、12dが設けられている。4対の取付孔12a、12aと、12b、12bと、12c、12cと、12d、12dはそれぞれホワイトボディ10に対して、設計上シンメトリックに配置されているが、溶接や組み立て時の歪みによりややずれが生じ得る。
【0024】
なお、ホワイトボディ10は完成した車両であってもよく、具体的には、バルクヘッドメンバ22、ダッシュボードロアメンバ24、第1リアクロスメンバ26及び第2リアクロスメンバ28等の横架部と、取付孔12a〜12dを含み、これらの梁材の組立及び溶接が終了しているものであればよい。
【0025】
図2に示すように、フロント側のサスペンションアッセンブリ14は、サブフレーム32をベースに構成されており、該サブフレーム32の左右には一対のロアアーム34、ダンパアッセンブリ36、等速ジョイント38、ブレーキ機構40、操舵ロッド42、ハブ44及びエンジン45が組み付けられている。なお、サスペンションアッセンブリ14の構成が容易に理解可能なように、図1、図2、図9及び図19においてはエンジン45を仮想線で示している。
【0026】
ダンパアッセンブリ36は略同心状に設定されたダンパ46及びスプリング48とからなる。サブフレーム32はフロントメンバ50及びリアメンバ52を有し、これらのフロントメンバ50及びリアメンバ52の中心部には、順にターゲットピース18e及び18fが設けられている。サスペンションアッセンブリ14は変速機等が一体的にアッセンブリされているものであってもよい。サスペンションアッセンブリ14のフロントメンバ50の左右端近傍には、取付孔12aに取り付けられる支持部50aが設けられている。
【0027】
図1に示すように、リア側のサスペンションアッセンブリ16は、サブフレーム60をベースに構成されており、該サブフレーム60の左右には一対のロアアーム62、ダンパ64、コイルスプリング66、ブレーキ機構68及びハブ70が組み付けられる。サブフレーム60はフロントメンバ74及びリアメンバ72を有し、これらのフロントメンバ74及びリアメンバ72の中心部には、順にターゲットピース18g及び18hが設けられている。サスペンションアッセンブリ16のリアメンバ72の左右端近傍には、前記の取付孔12bに取り付けられる支持部74aが設けられている。
【0028】
図3に示すように、ターゲットピース18aは、ボルト76及びナット78からなり、バルクヘッドメンバ22の略中心に設けられた長孔80に装着、固定される。ボルト76は、円柱形状(又は六角形状等)の頭部76aと、該頭部76aから同軸上に突出するスクリュー部76bと、軸中心部の連通孔76cとを有する。頭部76aの径は長孔80の短尺方向(車長方向)長さよりも十分に大きく、スクリュー部76bの径は短尺方向長さよりもやや小さい。
【0029】
また、頭部76aの下面76dの周辺部には等間隔の6つの歯(歯部)76eが設けられている。各歯76eは下方に向けて尖鋭な低い三角錐形状であって、その突出量はバルクヘッドメンバ22の板厚よりも小さい。連通孔76cの径は、後述する位置決めピン308a〜308dが隙間なく挿入されるように適当な公差をもって設定されている。
【0030】
ナット78は、工具に係合する六角部78aと、バルクヘッドメンバ22の下面に当接するフランジ部78bとからなり、内周にはスクリュー部76bに螺合する雌ねじ78cが設けられている。フランジ部78bは、頭部76aよりもやや大径に設定されている。
【0031】
図4に示すように、長孔80は、調整代を考慮した車幅方向に長い孔であって、ホワイトボディ10の基準位置B1を含む位置に設けられている。ここで、基準位置B1とは、サスペンションアッセンブリ14又は16に対する左右の取付部に基づいて規定された中心の位置であり、ホワイトボディ10におけるシンメトリックに配置された一対の孔を結ぶ線上で、平面視で左右の取付孔12bの中点を含む車長方向の軸線部である。この基準位置B1は、サスペンションアッセンブリや燃料タンク、エキゾーストパイプ等の組み立ての基準となり得る。長孔80の位置及び寸法は高精度に規定されている必要はなく、基準位置B1を含む位置であればよく、溶接工程前に予めバルクヘッドメンバ22に対して加工されている。
【0032】
すなわち、バルクヘッドメンバ22を他部材に対して溶接加工し又は組み立て等を行うことにより、バルクヘッドメンバ22単体の中心位置B0と基準位置B1との間に最大で±εMAXのずれが加工誤差として発生し得る場合には、長孔80の長尺方向の長さLは、中心位置B0を基準として、L=2×(εMAX+R)(パラメータRはスクリュー部76bの半径)と設定し、又はこれより多少余裕をもって長めに設定しておけばよい。
【0033】
図3及び図4においてはターゲットピース18aについて説明したが、他のターゲットピース18b〜18hについても同様にボルト76及びナット78からなり、各取付部において長孔80に相当する同様の長孔に設けられている。なお、ホワイトボディ10のターゲットピース18a〜18dに対して、サスペンションアッセンブリ14及び16のターゲットピース18e〜18hは車長方向位置が一致するように各長孔の位置が設定されている。また、図3及び図4では、被締結材である板金が1枚である例について示したが、バルクヘッドメンバ22等のメンバは2枚の板金による袋構造となっている場合もある。このような場合には、図5に示すように、上下いずれか1枚の板金に対してターゲットピース18を設け、他方の板金には、平面視で頭部76aが隠れない程度の大きさの孔90を設けておくとよい。
【0034】
次に、ターゲットピース取付ステーション100、横移動ステーション200及び組立ステーション300について説明する。
【0035】
図6に示すように、ターゲットピース取付ステーション100は、先端に非接触式のダンパ孔用距離センサ102を備えて左右近傍に設けられた2台のロボット104と、先端にナットランナ106を備える1台のロボット108が設けられている。各ロボット104及び108は産業用の多関節型であって、作業範囲内の任意位置においてダンパ孔用距離センサ102及びナットランナ106を任意の姿勢に移動可能である。ロボット104はコントローラ110の作用下に動作し、ターゲットピース取付ステーション100に搬入されたホワイトボディ10のダンパの取付孔12bの位置をダンパ孔用距離センサ102を用いて計測する。すなわち、ロボット104は、ホワイトボディ10における前輪のホイールハウス112から先端部を挿入し、ダンパ孔用距離センサ102の計測面を上方に向けながら所定の経路R1、R2及びR3(図13参照)に沿って走査し、取付孔12bの位置を計測する。また、ロボット108はコントローラ110の作用下に動作し、計測された取付孔12bの位置に基づいてターゲットピース18を固定する。
【0036】
ターゲットピース取付ステーション100における懸架装置101は、ホワイトボディ10を懸架する機能を有していればよく、後述する懸架装置202(図8参照)のように車幅方向に移動するような機能はなくてもよい。ターゲットピース取付ステーション100は、横移動ステーション200及び組立ステーション300とは異なる搬送ラインに設けられていてもよい。
【0037】
図7に示すように、ナットランナ106は、同軸配置されたソケットレンチ114と、位置出しピン116と、ソケットレンチ114を正逆方向に回転させるモータ118とを有する。位置出しピン116は、ソケットレンチ114の端面よりもやや突出している。ソケットレンチ114は、相手方のナット78の位置に応じて、図7の矢印で示すように軸方向に進退可能に構成されている。
【0038】
なお、図示を省略するが、他の取付孔12a、12b、12cについても同様のステーションにより位置の計測及びターゲットピース18の固定が行われる。
【0039】
図8に示すように、横移動ステーション200では、ホワイトボディ10は懸架装置202によって上方から搬入されている。懸架装置202は、図示しない搬送装置に接続される搬送部204と、ホワイトボディ10の前方を支持する支持柱206a、206b及び後方を支持する支持柱206c、206dと、これらの支持柱206a〜206dを搬送部204に対して横方向に移動させる移動部208a、208bとを有する。前方の移動部208aは支持柱206a及び206bを横方向に移動させ、後方の移動部208bは支持柱206c及び206dを横方向に移動させる。
【0040】
前方の移動部208aは、支持柱206a、206bの上方に設けられたモータ210a、210bと、ボールナット機構212a、212bとを有する。ボールナット機構212a及び212bは、コントローラ214aの作用下にモータ210a及び210bを駆動することにより支持柱206a及び206bを同期しながら横方向に移動させる。
【0041】
同様に、後方の移動部208bは、支持柱206c、206dの上方に設けられたモータ210c、210dと、ボールナット機構212c、212dとを有する。ボールナット機構212c及び212dは、コントローラ214bの作用下にモータ210c及び210dを駆動することにより支持柱206c及び206dを同期しながら横方向に移動させる。
【0042】
一方、横移動ステーション200には、ターゲットピース18a〜18dの位置を下面から画像により認識するカメラ216a、216b、216c及び216dが設けられている。カメラ216a及び216bにより撮像された画像はコントローラ214aに供給され、カメラ216c及び216dにより撮像された画像はコントローラ214bに供給される。
【0043】
コントローラ214aでは、カメラ216a及び216bから得られた画像に基づいてモータ210a及び210bを回転駆動して支持柱206a及び206bを横移動させ、ターゲットピース18a及び18bが所定の組立基準位置となるように制御を行う。同様に、コントローラ214bでは、カメラ216c及び216dから得られた画像に基づいてモータ210c及び210dを回転駆動して支持柱206c及び206dを横移動させ、ターゲットピース18c及び18dが所定の組立基準位置となるように制御を行う。ここで、組立基準位置とは、後述する位置決めピン308a〜308dに車幅方向が一致する位置である。
【0044】
図1及び図9に示すように、組立ステーション300では、ホワイトボディ10は懸架装置202によって上方から搬入されており、前記の横移動ステーション200の作用によって、ターゲットピース18a〜18dが所定の組立基準位置となるように調整されている。
【0045】
組立ステーション300は、サスペンションアッセンブリ14をホワイトボディ10のエンジンルーム部に取り付ける取付台302aと、サスペンションアッセンブリ16を後方サスペンションルームに取り付ける302bとを有する。取付台302aはホワイトボディ10のエンジンルーム部の下方に設けられており、サスペンションアッセンブリ14を載置する載置板304と、サスペンションアッセンブリ14を支持する複数のステー306と、該載置板304の上面から突出した2本の位置決めピン308a、308bと、載置板304を昇降させる昇降機構310と、サスペンションアッセンブリ14をエンジンルーム部に対してボルト・ナットにより固定する複数のナットランナ312とを有する。
【0046】
取付台302bは、ホワイトボディ10の後方サスペンションルームの下方に設けられており、載置板304、ステー306、位置決めピン308c、308d昇降機構310及びナットランナ312を有する。取付台302bにおけるステー306はサスペンションアッセンブリ16を支持する形状になっている。
【0047】
位置決めピン308a〜308dは先端部が先細り形状であり、連通孔76c(図3参照)に対してほぼ隙間なく挿入する径に設定されている。位置決めピン308a〜308dは、横方向が組立基準位置に正確に一致しており、車長方向位置は、順にターゲットピース18a〜18dの位置と一致している。サスペンションアッセンブリ14を取付台302aの載置板304上に載置すると、位置決めピン308a及び308bはターゲットピース18e及び18fに挿入される。サスペンションアッセンブリ16を取付台302bの載置板304上に載置すると、位置決めピン308c及び308dはターゲットピース18g及び18hに挿入される。
【0048】
次に、ホワイトボディ10に対してサスペンションアッセンブリ14及び16を正確に位置決めして取り付ける方法について図10及び図11を参照しながら説明する。
【0049】
先ず、図10のステップS1において、ホワイトボディ10の溶接前のバルクヘッドメンバ22に対して長孔80を設ける。この長孔80は、前記の通り基準位置B1を含む位置で、且つスクリュー部76bの半径R(図4参照)に相当する寸法余裕が存在すればよく、高精度に設定する必要はない。長孔80は、例えば打ち抜き加工により形成される。同様の長孔は、ダッシュボードロアメンバ24、第1リアクロスメンバ26及び第2リアクロスメンバ28についても設けられる。
【0050】
ステップS2において、バルクヘッドメンバ22、ダッシュボードロアメンバ24、第1リアクロスメンバ26及び第2リアクロスメンバ28等の部材を用いて溶接及び組み立てを行いホワイトボディ10の製造を行う。この工程では、組み立て誤差や溶接歪みを生じうるが、長孔80はその長尺形状により、基準位置B1を含んでいる。また、このステップS2においては、取付孔12a、12b、12c及び12d(図1参照)がそれぞれ左右に一対ずつ設けられる。
【0051】
ステップS3において、前記のバルクヘッドメンバ22の長孔80に対して、ターゲットピース18aを仮取付けする。つまり、図12に示すように、ボルト76を長孔80の上方から挿入し、下面から突出したスクリュー部76bに対してナット78を螺合させておく。この際の螺合は、ボルト76が長孔80から脱落することのない程度に軽く螺合させておけばよく、例えば工具を用いることなく作業者が手で螺合させてもよい。ナット78は多少弛んだ状態にしておいてもよい。
【0052】
ステップS4において、ターゲットピース取付ステーション100(図6参照)でホワイトボディ10の基準位置B1を求める。具体的には、先ず、ホワイトボディ10がターゲットピース取付ステーション100に搬入されたときに、左右の取付孔12bの位置を計測するためにロボット104を動作させる。この際、図13に示すように、ロボット104の先端に取り付けられたダンパ孔用距離センサ102を取付孔12bの近傍において板金301との距離を略一定となるように動作させる。
【0053】
また、その移動については、図14に示すように、3つの経路R1、R2及びR3に沿って走査が順に行われる。これらの経路R1、R2及びR3は、取付孔12bの周囲の略三等分の規定箇所において、外周部よりやや外側のポイントP1から外方に向かって移動し、所定の最外部P2で折り返して内方に向かって移動し、取付孔12bのエッジP3に到達したときに終了する。エッジP3に到達したときには、板金301がなく、計測信号が著しく変化することからエッジP3に到達したことが認識される。3つの経路R1、R2及びR3の順に計測を行った後、ロボット104を所定の位置に退避させる。
【0054】
なお、取付孔12bの位置の計測はダンパ孔用距離センサ102に限らず、CCDカメラなどの2次元的な計測手段を用いてもよい。この場合、2箇所から取付孔12bを撮像することにより三角測量の原理により3次元的な位置を認識するようにしてもよい。ダンパ孔用距離センサ102を走査させる手段はロボット104に限らず、専用の移動機構を用いてもよい。走査する移動経路はR1、R2及びR3の3箇所に限らず、4箇所以上でもよい。
【0055】
次いで、コントローラ110は、3つのエッジP3から取付孔12bの中心点Oを算出する。この算出処理は、例えば、3つのエッジP3をエッジP31、P32、P33と区別し、エッジP31、P32、P33で設定される面上において、エッジP31とエッジP32とを結ぶ直線の直角二等分線L1と、エッジP31とエッジP33とを結ぶ直線の直角二等分線L2との交点として求められる。この中心点Oは、左右の取付孔12bについてそれぞれ独立的に求められる。このように3以上のエッジP31〜P33によれば、取付孔12bの3次元的な位置が特定され、正確な測定がなされる。
【0056】
さらに、コントローラ110では、左右の取付孔12bの中心点Oの車幅方向における中間点に相当する基準位置B1を求める。この基準位置B1は、2つの中心点Oの空間上の中点に基づいて算出される。すなわち、基準位置B1は、一対の取付孔12b、12bを結ぶ線上で、取付孔12bの位置に基づいて規定された位置(中点)に設定される。
【0057】
ステップS5において、図15に示すように、ロボット108の作用下にナットランナ106をホワイトボディ10のエンジンルーム下方から装着し、ナット78に対してソケットレンチ114を装着する。この際、図16に示すように、先ず位置出しピン116が連通孔76cに対して下方から挿入され、ナットランナ106とターゲットピース18aの位置が同軸に設定され、その後ソケットレンチ114がナット78の六角部78aに係合する。
【0058】
ステップS6において、ソケットレンチ114を弛み方向に適当な回数だけ回転させ、ナット78を弛める。
【0059】
ステップS7において、ロボット108の作用下に、位置出しピン116を前記のステップS4において求められた基準位置B1の位置に移動させ、位置決めを行う。
【0060】
ステップS8において、ソケットレンチ114を締め付け方向に回転させて所定のトルクを発生させ、図17に示すように、ナット78を締め付ける。これにより、ナット78はボルト76のスクリュー部76bに強く螺合し、ボルト76とナット78は基準位置B1において締結されることになる。また、ボルト76の歯76eがバルクヘッドメンバ22の表面に対して噛み込むことによりボルト76の弛みや、長孔80における長手方向への位置ずれが防止される。このようにして、ターゲットピース18aは、溶接歪みや組み立て誤差の影響が排除され、簡便な手順により基準位置B1に正確に位置決めされる。
【0061】
なお、ターゲットピース18b〜18dについてもターゲットピース18aと同様に、ナットランナ106(又は相当する治具)により、対応する長孔に対して基準位置B1に正確に移動設定され、固定される。この後、ロボット108の動作によりナットランナ106をホワイトボディ10から取り外す。
【0062】
ステップS9において、ホワイトボディ10を懸架装置202によって横移動ステーション200(図8参照)に搬入し、車幅方向の位置の調整を行う。すなわち、カメラ216a及び216bから得られる画像からターゲットピース18a及び18bの位置を下面から確認し、移動部208aの作用下にターゲットピース18a及び18bの横方向位置が組立基準位置となるように調整する。同様に、カメラ216c及び216dから得られる画像からターゲットピース18c及び18dの位置を下面から確認し、移動部208bの作用下にターゲットピース18c及び18dの横方向位置が組立基準位置となるように調整する。
【0063】
一方、ステップS10〜S18は、フロント側のサスペンションアッセンブリ14の製造工程及びターゲットピース18e、18fの取り付け工程であって、ステップS1〜S9に対して別途独立的に行われる。
【0064】
すなわち、フロント側の溶接前のフロントメンバ50、リアメンバ52に対して、基準位置B1を含む位置に長孔を設け(ステップS10)、溶接及び組み立てを行いサスペンションアッセンブリ14の製造を行う(ステップS11)。次いで、長孔に対して、ターゲットピース18e、18fを仮取付けし(ステップS12)する。
【0065】
この後、ステップS13において、ホワイトボディに対するターゲットピース取付ステーション100に相当するターゲットピース取付ステーション150において、サスペンションアッセンブリ14の基準位置B1を求めてターゲットピース18e〜18hを取り付ける。
【0066】
具体的には、図18に示すように、非接触距離センサ152によってサスペンションアッセンブリ14の左右のハブ44の位置を確認する。なお、サスペンションアッセンブリ14はダンパ頭部36aを取付孔12bに挿入することから該ダンパ頭部36aの位置を計測してもよいが、ダンパ頭部36aの形状は複雑であって非接触距離センサ152による計測は困難である。これに対して、ハブ44の側面は平面であることから非接触距離センサ152による計測に適する。
【0067】
この後、コントローラ154により、車幅方向における左右のハブ44の中間点に相当する基準位置B1を求める。ここで、ハブ44とダンパ頭部36aとの間には誤差の累積がほとんどないことから、基準位置B1は左右のダンパ頭部36aの中間位置とほぼ等価である。
【0068】
次いで、ロボット108を駆動して、ナット78に対してソケットレンチ114を装着する(ステップS14)。さらに、ナット78を弛め(ステップS15)、位置出しピン116を基準位置B1に正確に移動した後(ステップS15)、ナット78を締め付ける(ステップS17)。
【0069】
この後、ステップS18において、サスペンションアッセンブリ14を取付台302aの載置板304上に載置し、ターゲットピース18e及び18fに位置決めピン308a及び308bを挿入する。
【0070】
このとき、ターゲットピース18e及び18fは左右の取付部(つまり、ダンパ頭部36a、36b、支持部50a、50b)の中間点に配置されており、且つ、位置決めピン308a及び308bは規定の組立基準位置に正確に配置されていることから、サスペンションアッセンブリ14の車幅方向位置は正確に規定されることになる。
【0071】
他方、ステップS19〜S27は、リア側のサスペンションアッセンブリ14の製造工程及びターゲットピース18g、18hの取り付け工程であって、ステップS1〜S9に対して別途独立的に行われる。これらのステップS19〜S27については、詳細な説明を省略するが、前記のステップS10〜S18と同様の処理がリア側のサスペンションアッセンブリ16に対して行われ、ターゲットピース18g及び18hが基準位置B1に正確に設定される。
【0072】
次に、図11のステップS28において、図1及び図9に示すように、ターゲットピース18a〜18dが設定されたホワイトボディ10、ターゲットピース18e、18fが設定されたフロント側のサスペンションアッセンブリ14、及びターゲットピース18g、18hが設定されたリア側のサスペンションアッセンブリ16は、組立ステーション300に搬入される。
【0073】
このとき、サスペンションアッセンブリ14及び16は取付台302a及び302bによって支持されており、ホワイトボディ10のエンジンルーム及び後方サスペンションルームの下方の規定位置に配置されている。また、ホワイトボディ10のターゲットピース18a〜18dは、前記の横移動ステーション200において中心位置となるように調整されていることから、図9に示すように、位置決めピン308a〜308dの真上に配置されている。
【0074】
ステップS29において、図19に示すように、昇降機構310を上昇させて、サスペンションアッセンブリ14及び16をエンジンルーム内及び後方サスペンションルーム内の所定位置に配置させる。このとき、ターゲットピース18a〜18dに対して位置決めピン308a〜308dが挿入されることにより、サスペンションアッセンブリ14及び16が正確に位置決めされる。また、仮にホワイトボディ10の位置が僅かにずれていた場合であっても、位置決めピン308a〜308dの先端部は尖鋭であることからターゲットピース18a〜18dの連通孔76cに挿入されて、ずれが矯正される。
【0075】
このとき、ホワイトボディ10、サスペンションアッセンブリ14及び16は予め正確に設けられているターゲットピース18に基づいて位置決めがなされることから、改めて計測処理等を行う必要がなく、ホワイトボディ10に対するサスペンションアッセンブリ14及び16の組立を迅速、簡便且つ効率的に行うことができる。
【0076】
これにより、ホワイトボディ10の側の第1の基準位置B1と、サスペンションアッセンブリ14及びサスペンションアッセンブリ16の第2の基準位置B1は正確に一致し、サスペンションアッセンブリ14及び16は、ホワイトボディ10に対して誤差や歪みがなく正しく組み立てられる。すなわち、サスペンションアッセンブリ14では、一対の支持部50aは対応する取付孔12aに正しく挿入され、一対のダンパ頭部36aは対応する取付孔12bに正しく挿入される。また、サスペンションアッセンブリ16では、一対の支持部74aは対応する取付孔12dに正しく挿入され、一対のダンパ頭部64aは対応する取付孔12cに正しく挿入される。
【0077】
ステップS30において、ナットランナ312を用いて所定のボルト・ナットの締結を行い、サスペンションアッセンブリ14をホワイトボディ10のエンジンルームに組み付けるとともに、サスペンションアッセンブリ16を後部サスペンションルームに組み付けられる。
【0078】
さらに、昇降機構310を下降させて位置決めピン308a〜308dをターゲットピース18a〜18dから引き抜き、載置板304をサスペンションアッセンブリ14及び16から離間させる(ステップS31)。この後、ホワイトボディ10を次工程へ搬出する(ステップS32)。
【0079】
なお、ターゲットピース18はこのまま取り付けておいてもよいし、後の適当な工程において取り外してもよい。ターゲットピース18を取り付けたままにしておくと、完成車両のメンテナンス時においてサスペンションアッセンブリ14又は16を一度取り外した後に、車両に対して再度取り付ける場合にも利用可能である。
【0080】
上記の例では、サスペンションアッセンブリ14及び16について基準部としてターゲットピース18e〜18hを設ける例について説明したが、これらの基準部は必須部分ではなく、サスペンションアッセンブリ14及び16(又は燃料タンク等)を設ける場合に、ホワイトボディ10に設けたターゲットピース18a〜18fのみを用いてもよい。また、用途に応じては、サスペンションアッセンブリ14及び16についての基準部のターゲットピース18e〜18hのみを設けてもよい。
【0081】
上述したように、本実施の形態に係る車体の基準部設定方法によれば、ホワイトボディ10及びサスペンションアッセンブリ14、16の組み立て及び溶接工程後にターゲットピース18を設定することにより、組み立て誤差や溶接歪みの影響が排除され、左右の取付孔12a〜12dに基づいて正確な位置に基準部を設定することができる。このようにして設定された各ターゲットピース18によれば、ホワイトボディ10に対するサスペンションアッセンブリ14、16の位置決めを迅速、簡便且つ効率的に行うことができる。
【0082】
また、サスペンションアッセンブリ14には2箇所のターゲットピース18e、18fが設けられていることから、この2箇所でホワイトボディ10のターゲットピース18a、18bに対して位置決めすることにより、向きが正確に規定される。同様に、サスペンションアッセンブリ16には2箇所のターゲットピース18g、18hが設けられており、向きが正確に規定される。
【0083】
車両組立の基準部としては、ターゲットピース18のように、長孔に対してボルト76及びナット78からなる構造に限らず、バルクヘッドメンバ22等に設けられた丸孔(基準部)であってもよい。この場合、長孔80は必要はなく、ホワイトボディ10、サスペンションアッセンブリ14及び16の製造後、前記ステップS7、S16及びS25に相当する処理時において、ナットランナ106の位置出しピン116に相当する穿孔手段により、基準位置B1に連通孔76cと同径の丸孔を設けるとよい。
【0084】
さらに、ターゲットピース18a〜18d又は18e〜18hのいずれか一方には、図20に示すターゲットピース422を代用してもよい。ターゲットピース422には、位置決めピン424が設けられている一方、連通孔76cは設けられていない。位置決めピン424は軸中心部から突出しており、前記の位置決めピン308に相当するものである。このようなターゲットピース422によれば、位置決めピン308の代わりに位置決めピン424が相手方のターゲットピース18における連通孔76cに挿入して位置決めがなされる。
【0085】
さらにまた、図21に示すようなターゲットピース426を代用してもよい。ターゲットピース426は、長孔80の短尺方向の幅と等しい幅のガイド板426aが下面76dに設けられており、該ガイド板426aが長孔80の両側面に対して摺動しながら向きを保ったまま長尺方向にスライド可能である。また、ターゲットピース426は、平面視で四角形状の連通孔426bが設けられている。連通孔426bの幅は車幅方向に挟幅で、縦方向はやや長い四角形状で、ターゲットピース426における頭部76aの上面からスクリュー部76bの下面まで連通している。
【0086】
さらに、下面76dには、ガイド板426a以外の箇所に4つの歯76eが設けられている。ターゲットピース426の連通孔426bには、前記のステップS29において位置決めピン428が挿入される。該位置決めピン428は、車幅方向の幅が連通孔426bと等しく、縦方向の幅は連通孔426bよりも十分に短く設定されている。位置決めピン428の頂部には抜け止めフック部428bが設けられている。
【0087】
このようなターゲットピース426によれば、位置決めピン428が連通孔426bの縦方向の幅内で移動及び傾動が可能であり、被締結材の表面が車長方向に傾斜している場合にも、位置決めピン428をこの傾斜に合わせて傾動させることにより、正しく鉛直下方に突出させることができ、正確な位置決めがなされる。また、頭部76aの向きが保たれるため、4つの歯76eをそれぞれ被締結材に対して確実に噛み込ませることができる。
【0088】
さらにまた、図22に示すようなターゲットピース430を代用してもよい。このターゲットピース430は、前記のターゲットピース18と同様に、頭部76a、スクリュー部76b及び連通孔76cを有するが、歯76eは設けられていない。また、ターゲットピース430は、歯76eの代わりに弛み止め及びずれ防止用として歯付ワッシャ(歯部)432が用いられる。歯付ワッシャ432としては、例えばJIS B1251に規定される外歯形、内歯形、内外歯形等が挙げられる。
【0089】
なお、ターゲットピースの弛み止め及びずれ防止のためには、歯76eや歯付ワッシャ432に限らず、公知のダブルナット方式、溝付きナットにピンを通す方式、ナットに対して小ねじを締め付ける方式、硬化剤を注入する方式等を用いてもよい。
【0090】
上記の例では、ホワイトボディ12に対してサスペンションアッセンブリ14及び16の位置の調整を行う例について示したが、ホワイトボディ12に設けられた基準部としてのターゲットピース18a〜18dは、種々の部品(燃料タンク、エキゾーストパイプ等)の取付の調整基準として用いることができる。
【0091】
また、ターゲットピース18を固定する工程は、ホワイトボディ10の溶接工程の後に行うが、この後に溶接を全く行ってはならないという訳ではなく、取付孔12a〜12dから離れた箇所(例えばルーフ部)に熱による歪みの小さい溶接を行うことは構わない。
【0092】
本発明に係る車体の基準部設定方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】組み立てステーションに搬入されたホワイトボディ、フロント側及びリア側のサスペンションアッセンブリの斜視図である。
【図2】載置台に載置されたフロント側のサスペンションアッセンブリの斜視図である。
【図3】ターゲットピース、長孔及びソケットの分解斜視図である。
【図4】長孔に設けられたターゲットピースの斜視図である。
【図5】2枚の板金による袋構造となっている箇所に設けられたターゲットピースの斜視図である。
【図6】ホワイトボディに対するターゲットピース取付ステーションの模式斜視図である。
【図7】中心位置取付治具の斜視図である。
【図8】横移動ステーションの斜視図である。
【図9】組立ステーションの模式正面図である。
【図10】本実施の形態に係る車体の基準部設定方法の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図11】本実施の形態に係る車体の基準部設定方法の手順を示すフローチャート(その2)である。
【図12】仮取付したターゲットピースの断面側面図である。
【図13】距離センサをダンパ取付孔の近傍において板金との距離を略一定となるように動作させる様子を示す模式断面側面図である。
【図14】距離センサをダンパ取付孔の近傍で走査させる移動経路を示す模式平面図である。
【図15】中心位置取付治具を装着したホワイトボディの一部断面斜視図である。
【図16】ナットを弛めた状態のターゲットピースの断面側面図である。
【図17】基準位置に移動しナットを締め付けた状態のターゲットピースの断面側面図である。
【図18】サスペンションアッセンブリに対するターゲットピース取付ステーションの模式図である。
【図19】組立ステーションにおいてサスペンションアッセンブリを上昇させてホワイトボディに組み付けた状態を示す模式正面図である。
【図20】第1の変形例に係るターゲットピースの斜視図である。
【図21】第2の変形例に係るターゲットピースの斜視図である。
【図22】第3の変形例に係るターゲットピースの斜視図である。
【符号の説明】
【0094】
10、12…ホワイトボディ 12a〜12d…取付孔
14、16…サスペンションアッセンブリ
18、18a〜18d、422、426、430…ターゲットピース(基準部)
18e〜18h…ターゲットピース(基準部)
34…ロアアーム 36a、64a…ダンパ頭部(取付部)
50a、74a…支持部(取付部) 76…ボルト
76a…頭部 76c…連通孔
76e…歯 78…ナット
80…長孔
100、150…ターゲットピース取付ステーション
200…横移動ステーション 300…組立ステーション
B1…基準位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の製造時の溶接工程終了後に、前記車体におけるシンメトリックに配置された一対部位の位置に基づく基準位置に基準部を設けることを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項2】
請求項1記載の車体の基準部設定方法において、
前記一対部位は、サスペンションアッセンブリに対する左右の取付部であって、
前記サスペンションアッセンブリの組み立て及び溶接工程後に、前記サスペンションアッセンブリの前記車体に対する左右の取付部に基づく基準位置に基準部を設けることを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車体の基準部設定方法において、
前記基準部は孔であることを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の車体の基準部設定方法において、
前記基準部はボルト及びナットからなり、
前記基準位置を含む位置に設けられた長孔に対して、前記ボルトを挿通し、該ボルトの中心が前記基準位置と一致するように調整し、前記ナットを螺合して固定することを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項5】
請求項4記載の車体の基準部設定方法において、
前記ボルトの頭部と被締結材表面との間には、前記被締結材表面に噛み込む歯部が設けられていることを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項6】
請求項4記載の車体の基準部設定方法において、
前記ボルトは、軸方向の連通孔を有することを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項7】
請求項1記載の車体の基準部設定方法において、
前記基準位置は、平面視で前記一対部位の中点に設けることを特徴とする車体の基準部設定方法。
【請求項8】
車体に取り付けられるサスペンションアッセンブリの製造時の溶接工程終了後に、前記サスペンションアッセンブリにおけるシンメトリックに配置された一対部位の位置に基づく基準位置に基準部を設けることを特徴とする車体の基準部設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−216789(P2007−216789A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38263(P2006−38263)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】