説明

車体後部構造

【課題】車体後部に配設された複数の電動機構の駆動源を共用化し、レイアウト性及び軽量化に優れた車体後部構造を実現する。
【解決手段】リヤシート101と、車体後面開口部を開閉するリフトゲート201と、前記リヤシートの後方に広がる荷室1と、を備える車体後部構造であって、前記リヤシートを収納及び復帰させるシート格納機構、前記リフトゲートを開閉駆動するリフトゲート開閉機構、前記荷室から車外にワイヤに連結されたフック部を懸架し当該ワイヤを巻き取り可能なウインチ機構と、荷室フロアにおいて車体前後方向にスライドする荷室ボードを車体前後方向にスライドさせるボード駆動機構のうち複数を備え、車体後部に設けられた単一の電動モータの回転力を駆動力伝達機構を介して前記複数の機構に選択的に伝達するクラッチ機構502を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミニバン等に代表される車体後部にリフトゲートにより開閉可能な荷室が形成された車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車体後部構造として、特許文献1には、バックドアを介した荷室空間への荷物の積み下ろしを容易化するために、荷室の床面に油圧駆動式で引き出し及び収納可能なラゲッジフロアボードを設けた構造が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、リヤシートを電動で収納及び復帰させるシート収納構造が記載されている。
【0004】
更に、特許文献3には、車体の後面開口部を開閉するバックドアを電動モータ及びシリンダにより自動的に開閉可能とした構造が記載されている。
【0005】
また、SUV等の車体前面等に、フック部が連結されたワイヤを巻き取り可能な牽引装置を設け、当該牽引装置によりワイヤを巻き取ることで荷物を移動可能としたウインチ機構が搭載されたものがある。
【特許文献1】特開2005−324675号公報
【特許文献2】特開2005−022484号公報
【特許文献3】特開2003−253960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1〜3は乗員を補助するために設けられた機構であるが、それぞれに油圧ポンプや電動モータ等の駆動源が必要となるため、これらの各機構を1台の車両に搭載しようとした場合にレイアウトが難しい。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、車体後部に配設された複数の電動機構の駆動源を共用化し、レイアウト性及び軽量化に優れた車体後部構造を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る第1の形態は、リヤシートと、車体後面開口部を開閉するリフトゲートと、前記リヤシートの後方に広がる荷室と、を備える車体後部構造であって、前記リヤシートを収納及び復帰させるシート格納機構、前記リフトゲートを開閉駆動するリフトゲート開閉機構、前記荷室から車外にワイヤに連結されたフック部を懸架し当該ワイヤを巻き取り可能なウインチ機構と、荷室フロアにおいて車体前後方向にスライドする荷室ボードを車体前後方向にスライドさせるボード駆動機構のうち複数を備え、車体後部に設けられた単一の電動モータの回転力を駆動力伝達機構を介して前記複数の機構に選択的に伝達するクラッチ機構を設けた。
【0009】
この第1の形態によれば、単一の電動モータの回転力の伝達経路をクラッチにより切り替えて複数の電動機構を駆動できるので、駆動源の共用化によるレイアウトの容易化と軽量化を実現できる。
【0010】
また、第2の形態は、前記複数の機構は少なくとも前記シート格納機構と前記リフトゲート開閉機構とを含み、前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の車幅方向側端部に配置されている。この形態よれば、少なくともリフトゲート開閉機構とシート格納機構の駆動源を共用化しつつ、駆動源の共用化によるレイアウトの容易化と軽量化を実現できる。
【0011】
また、第3の形態は、前記複数の機構は少なくとも前記シート格納機構と前記ウインチ機構とを含み、前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の後端部であって荷室フロアの下部に配置されており、前記ウインチ機構は、前記フック部が連結されたワイヤを前記電動モータの回転力により巻き取る牽引機構と、前記リフトゲートの後端部を支点として前記フック部を懸吊させる垂下部と、を有する。この形態よれば、少なくともリヤシート格納機構とウインチ機構の駆動源を共用化しつつ、ウインチ機構により荷室に対する重量物の積み下ろしが容易となり利便性に優れた車体後部構造を実現できる。
【0012】
また、第4の形態は、前記複数の機構は少なくとも前記シート格納機構と前記ボード駆動機構とを含み、
前記ボード駆動機構は、前記電動モータの回転力を車幅方向に伝達する車幅方向回転ロッドと、前記車幅方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向に伝達する前後方向回転ロッドと、前記前後方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向の変位に変換するスライダとを含み、
前記スライダの上部に前記荷室ボードが取り付けられている。この形態によれば、少なくともシート格納機構とボード駆動機構の駆動源を共用化しつつ、平面視で大きな面積を占めない回転ロッドで駆動力を伝達するので、荷室ボードを取り外したときに荷室下部へのアクセスを阻害しない構造を実現できる。
【0013】
また、第5の形態は、前記複数の機構は少なくとも前記ボード駆動機構と前記ウインチ機構とを含み、前記ボード駆動機構は、前記電動モータの回転力を車幅方向に伝達する車幅方向回転ロッドと、前記車幅方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向に伝達する前後方向回転ロッドと、前記前後方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向の変位に変換するスライダとを含み、前記スライダの上部に前記荷室ボードが取り付けられており、前記ウインチ機構は、前記フック部が連結されたワイヤを前記電動モータの回転力により巻き取る牽引機構と、上方に開成された前記リフトゲートの後端部を支点として前記フック部を懸吊させる垂下部と、を有し、前記ウインチ機構と前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の後端部であって荷室フロアの下部に配置されている。
【0014】
また、第6の形態は、前記複数の機構は少なくとも前記ボード駆動機構と前記ウインチ機構とを含み、前記ボード駆動機構は、前記電動モータの回転力を車幅方向に伝達する車幅方向回転ロッドと、前記車幅方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向に伝達する前後方向回転ロッドと、前記前後方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向の変位に変換するスライダとを含み、前記スライダの上部に前記荷室ボードが取り付けられており、前記ウインチ機構は、前記フック部が連結されたワイヤを前記電動モータの回転力により巻き取る牽引機構と、前記リフトゲートの後端部を支点として前記フック部を懸吊させる垂下部と、を有し、前記ウインチ機構と前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の後端部であって荷室フロアの下部に配置されている。
【0015】
これらの形態によれば、少なくともボード駆動機構とウインチ機構の駆動源を共用化しつつ、平面視で大きな面積を占めない回転ロッドで駆動力を伝達するので、荷室ボードを取り外したときに荷室下部へのアクセスを阻害しない構造を実現し、更に、ウインチ機構により荷室に対する重量物の積み下ろしが容易となり利便性に優れた車体後部構造を実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、車体後部に配設された複数の電動機構の駆動源を共用化し、レイアウト性及び軽量化に優れた車体後部構造を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0019】
本発明の車体後部構造は、例えば、車体後部においてリヤシートの後方に広がる荷室が形成され、この荷室に車体後面からアクセスできるように車体後面開口部をリフトゲートにより開閉可能とされたミニバンやSUV等に適用される。
【0020】
本実施形態の車体後部構造は、後述するように、リヤシートを収納(前倒又は後倒)及び復帰(立設)させる電動リヤシート格納機構100と、リフトゲートを上下に回動駆動する電動リフトゲート開閉機構200と、上方に開成されたリフトゲートの後端部からフック部を懸吊し当該フック部をワイヤを介して巻き上げ(下げ)動作させる電動上部ウインチ機構300と、車体後面開口部から後方にリヤバンパを支点として下方に垂下されたフック部をワイヤを介して巻き上げ(下げ)動作させる電動下部ウインチ機構400と、荷室フロア上に設けられた荷室ボードを車体前後方向にスライド駆動させる電動荷室ボード駆動機構500のうち、少なくとも2つが搭載されている(以下、電動機構と総称する場合もある。)。そして、荷室フロアに設けられた後述する駆動力伝達機構によって、荷室フロアにおける車体後端部に設けられた単一の電動モータの回転力を上記少なくとも2つの電動機構に選択的に伝達する。
【0021】
[第1の実施形態]
先ず、第1の実施形態として、車体後部に電動荷室ボード駆動機構500と電動リヤシート格納機構100とを搭載し、これらの電動機構を駆動力伝達機構によって選択的に駆動可能とした構成について説明する。
【0022】
図1は第1の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。図2は第1の実施形態の車体後部構造を示す側面透視図である。図3は第1の実施形態の車体後部構造を示す外観図である。図4は第1の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図である。図5は第1の実施形態の電動機構及び駆動力伝達機構の構成を示す詳細図であり、(a)は第1の前後方向回転ロッドに沿った部分断面、(b)は荷室ボード付近の車幅方向断面、(c)は車体後面視、(d)及び(e)は駆動力伝達機構の外観、(f)は(c)の矢視図、(g)は電動クラッチを用いた形態を夫々示している。
【0023】
図1乃至図3に示すように、車体後部に形成された荷室1は、その車体後面開口部2がダンパ202をアシストとしてリフトゲート201により開閉可能とされ、車体後面開口部2の下縁部は車幅方向に延びる樹脂製のリヤバンパ3とリヤエンドトリム4により画定されている。リヤバンパ3は、車体前後方向に並列に延びるリヤサイドフレーム5の後端部に連結される車幅方向に延びるリヤエンドパネル6とリヤエンドパネル6に連結されてリヤバンパ3を補強するリヤバンパレイン7とを介して車体に固定されている。また、リヤサイドフレーム5から後方に延びるリヤフロアパネル8の下面にはスペアタイヤ9及びマフラー10等が取り付けられている。リヤフロアパネル8の車幅方向の両側にはリヤシート101側方から後方に亘って後輪11のタイヤハウスを形成する左右膨出部12が形成されている。
【0024】
上記リヤフロアパネル8上には上方に突出するマウント13を介してリヤフロアボード14が装着され、このリヤフロアボード14に対して車体前後方向にスライド可能に荷室ボード501が装着される。リヤフロアボード14は最後部のリヤシート101のシートバック102後方から車体後面開口部2に広がっている。荷室ボード501は車幅方向の寸法が左右膨出部12より小さく、車体前後方向の寸法がリヤフロアボード14の前後方向の寸法の約1/3程度の長方形の外形を有する。
【0025】
尚、リヤフロアパネル8とリヤフロアボード14との間のスペースはサブトランクとして利用され、サブバッテリやオーディオシステムのアンプやウーハー、カーナビゲーションシステムの装置本体等が設置される。
【0026】
<電動荷室ボード駆動機構500>
図4及び図5にも示すように、電動荷室ボード駆動機構500は、リヤエンドパネル6左端近傍のリヤフロアボード14下面に固定された単一の電動モータ503及びアクチュエータ504からなるクラッチ機構を構成する駆動力伝達機構502と、駆動力伝達機構502側から右に車幅方向に延びて電動モータ503により回転駆動される第1の車幅方向回転ロッド505と、この第1の車幅方向回転ロッド505に係合して回転駆動され車体前後方向に延びる複数の第1の前後方向回転ロッド506と、これら第1の前後方向回転ロッド506に係合してスライド駆動され、電動モータ503の回転力を車体前後方向の変位に変換する複数のスライダ507とを含み、これらスライダ507の上部に荷室ボード501が取り付けられる。
【0027】
リヤフロアボード14はブロー成形等によって成形され、上板14Aと下板14Bとがリブ14Cにより連結された内部に中空部分14Dを有する。第1の車幅方向回転ロッド505はリヤフロアボード14の上板14A下部に軸受508を介して軸支されている。また、第1の前後方向回転ロッド506はリヤフロアボード14の上板14Aに形成された溝部14Eに収容されている。
【0028】
駆動力伝達機構502は、上記電動モータ503と、この電動モータ503を車幅方向に往復動作させるアクチュエータ504とをブラケット509,510で支持した構成を有し、このブラケット509を介してリヤフロアボード14(下板14B)の下面若しくはリヤエンドパネル6に固定される。駆動力伝達機構502は、電動モータ503に固定されたブラケット510のピン部510aを、アクチュエータ504に固定されたブラケット509に形成された長穴509aに挿通させることで電動モータ503のスライド量をその長穴509aの範囲で適正値に制限する。
【0029】
上記第1の車幅方向回転ロッド505の一端(図では左端)には電動モータ503の出力軸503a端部に設けられたピニオンギヤ503Bと噛合可能なギヤ505Aが軸着されている。そして、アクチュエータ504が電動モータ503をスライドさせることで、当該電動モータ503のピニオンギヤ503Bが第1の車幅方向回転ロッド505のギヤ505Aと噛合するボード駆動位置と、後述する第2の車幅方向回転ロッド110のギヤ110Aと噛合するシート格納位置と、いずれのギヤ505A,110Aにも噛み合わない中立位置とが選択的に切り替え可能となっている。尚、図5(g)に示すように上記第1及び第2の各車幅方向回転ロッド505,110と電動モータ503の出力軸503aとを略同軸に配置し、電磁クラッチ511を介して締結及び解放が可能に構成してもよい。
【0030】
上記第1の車幅方向回転ロッド505は、電動モータ503の回転力を車幅方向に伝達する機能を持ち、第1の前後方向回転ロッド506は、第1の車幅方向回転ロッド505に係合して駆動されて電動モータ503の回転力を車体前後方向に伝達する機能を有する。
【0031】
また、第1の車幅方向回転ロッド505には第1の前後方向回転ロッド506の各々に対応する位置にウォームギヤ505Bが軸着されており、第1の前後方向回転ロッド506の各々の後端部に設けられたウォームホイール506Aが対応するウォームギヤ505Bに噛合することで、第1の車幅方向回転ロッド505の回転力(つまり、電動モータ503の回転力)により第1の前後方向回転ロッド506のそれぞれを回転駆動する。
【0032】
更に、第1の前後方向回転ロッド506の外周面にはウォームギヤ506Bとしてのねじ山が形成されており、このウォームギヤ506Bを円筒状のスライダ507の内面に形成されたねじ山に螺合させることで、第1の前後方向回転ロッド506の正逆回転により複数のスライダ507(図では1ロッドあたり2つのスライダ)が各々同期して第1の前後方向回転ロッド506の軸方向(つまり、車体前後方向)に沿って往復動作する。即ち、スライダ507の上部に荷室ボード501が取り付けられているので、電動モータ503の回転力によって荷室ボード503が車体前後方向に往復動作を行う。
【0033】
<電動リヤシート格納機構100>
電動リヤシート格納機構100は、リヤシート101のシートバック102をシートクッション103に対して前倒又は後倒可能に軸支するシートバック可倒軸104を有し、このシートバック可倒軸104を正逆方向に回転駆動することによりシートバック102をシートクッション103に対して前倒又は後倒させる。
【0034】
電動リヤシート格納機構100は、駆動力伝達機構502側から左に車幅方向に延びて電動モータ503により回転駆動される第2の車幅方向回転ロッド110と、この第2の車幅方向回転ロッド110に係合して回転駆動され車体前後方向に延びる第2の前後方向回転ロッド111と、を有する。第2の前後方向回転ロッド111は軸受112を介してリヤフロアボード14の上板14Aの下面に軸支される。上記第1及び第2の各車幅方向回転ロッド505,110は略同軸に配置される。
【0035】
上記第2の車幅方向回転ロッド110の一端(図では右端)には電動モータ503のピニオンギヤ503Bと噛合可能なギヤ110Aが軸着されている。そして、上述したようにアクチュエータ504が電動モータ503をスライドさせることで、当該電動モータ503のピニオンギヤ503Bが第1の車幅方向回転ロッド505のギヤ505Aと噛合するボード駆動位置と、第2の車幅方向回転ロッド110のギヤ110Aと噛合するシート格納位置と、いずれのギヤ505A,110にも噛み合わない中立位置とが選択的に切り替え可能とされる。
【0036】
上記第2の車幅方向回転ロッド110は、電動モータ503の回転力を車幅方向に伝達する機能を持ち、第2の前後方向回転ロッド111は、第2の車幅方向回転ロッド110に係合して駆動されて電動モータ503の回転力を車体前後方向に伝達する機能を有する。
【0037】
また、第2の車幅方向回転ロッド110の他端(図では左端)にはウォームギヤ110Bが軸着されており、第2の前後方向回転ロッド111の後端部に設けられたウォームホイール111Aがウォームギヤ110Bに噛合することで、第2の車幅方向回転ロッド110の回転力(つまり、電動モータ503の回転力)により第2の前後方向回転ロッド111を回転駆動する。
【0038】
更に、第2の前後方向回転ロッド111の前端部(リヤシート側)にはウォームギヤ111Bが形成されており、このウォームギヤ111Bが上記シートバック可倒軸104に設けられたウォームホイール104Aに噛合することで、第2の前後方向回転ロッド111の正逆回転によりシートバック可倒軸104が回転駆動されてシートバック102をシートクッション103に対して前倒又は後倒させる。
【0039】
上記第1の実施形態によれば、単一の電動モータ503で電動荷室ボード駆動機構500と電動リヤシート格納機構100とを駆動できるので、複数の電動機構を単一の電動モータを用いて駆動源を共用化でき、複数の電動機構のレイアウト自由度を高め、軽量化を実現できる。
【0040】
また、平面視で大きな面積を占めない回転ロッド505,506,110,111等で電動モータ503の回転力を伝達するので、例えば、荷室ボード501を取り外したときに荷室下部へのアクセスを阻害しない構造を実現できる。
【0041】
また、複数のスライド507により荷室ボード501を車幅方向の複数箇所でスライド可能に支持できるので、荷室ボード507に重量物を載せた状態でもスムーズに作動させることができる。
【0042】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態として、車体後部に電動荷室ボード駆動機構500と電動上部ウインチ機構300とを搭載し、これらの電動機構を駆動力伝達機構によって選択的に駆動可能とした構成について説明する。
【0043】
図6は第2の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。図7は第2の実施形態の車体後部構造を示す側面透視図である。図8は第2の実施形態の車体後部構造を示す外観図(a)及びステー部分の外観図(b)である。図9は第2の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図(a)、(a)の矢視図(b)、牽引機構の外観図(c)である。図10は第2の実施形態の電動上部ウインチ機構のワイヤ支持部を示す詳細図(a)、ワイヤ支持部のアンロック状態(b)及びロック状態(c)を示す図である。
【0044】
尚、第2の実施形態において、電動荷室ボード駆動機構500の詳細構成は第1の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0045】
図6乃至図10において、電動上部ウインチ機構300は、先端部にフック部301が連結されたワイヤ302と当該ワイヤ302を牽引する牽引機構303とを含み、リフトゲート201の車内側パネル201aの後端部には、当該リフトゲート201が上方に開成された位置において上記ワイヤ302を支承して上記フック部301を鉛直下方に懸吊させるワイヤ支持部304が設けられている。また、リフトゲート201の前後方向(閉成位置では上下方向)の中間付近の左右側縁部201bには、当該リフトゲート201を上方に開成された状態で保持するように車体後面開口部2の上方の各側縁部2aとの間に架設される棒状のステー305が軸支されている。ステー305は、ボンネットを開成させておくステーと同様の構成であり、リフトゲート201の左右側縁部201bに取り出し可能に収容されており、その先端の折曲部305aを車体後面開口部2の各側縁部2aに形成された係合穴306に係合させることで架設される。このステー305はリフトゲート201を開成する際の補助となるガスダンパ202の近傍に設けられ、上記フック部301に荷物を吊り下げたときにその重量によりリフトゲート201が下方に回動しないように(つまり、閉じないように)する。尚、ガスダンパ202は、上部がガスシリンダ202a、下部がピストン202bを構成する。
【0046】
次に、駆動力伝達機構350について説明する。
【0047】
上記牽引機構303は、第1の実施形態で述べた電動モータ503により回転駆動されワイヤ302が巻回されている巻胴部303aと、この巻胴部を回転自在に軸支するブラケット303bとを有し、このブラケット303bをリヤエンドパネル6にボルト等で締結することで固定される。電動モータ503はステー512を介してリヤフロアボード14下面に固定されている。
【0048】
上記牽引機構303は、巻胴部303aから右に車幅方向に延びて電動モータ503により回転駆動される第3の車幅方向回転ロッド307を有し、この第3の車幅方向回転ロッドの一端(図では右端)には電動モータ503のピニオンギヤ503Bと噛合可能なギヤ307Aが軸着されている。そして、上記第3の車幅方向回転ロッド307は、電磁クラッチ308によって、上記電動モータ503のピニオンギヤ503Bが上記第1の車幅方向回転ロッド505と連結するボード駆動位置と、第3の車幅方向回転ロッド307と連結するウインチ駆動位置と、いずれの回転ロッド505,307にも連結しない中立位置とが選択的に切り替え可能とされる。
【0049】
上記ワイヤ支持部304は、上記リフトゲート201が上方に開成された位置において、上記ワイヤ302をリヤバンパ3より後方に垂下させる垂下部を構成し、リヤフロアボード14下部の牽引機構303から送り出されるワイヤ302を当該垂下部を支点としてリフトゲート201の車内側パネル201aから鉛直下方に懸吊する。
【0050】
上記垂下部は、上記牽引機構303から送り出されるワイヤ302を係止する三角形状の滑車部309と、滑車部309の頂点から延びる軸部310とで構成され、軸部310の上端部には拡径するフランジ311が形成されており、この軸部310がリフトゲート201の車内側パネル201aに車幅方向に形成された溝状のレール部203に沿って移動可能であると共に、軸部310周りに回動可能とされる。滑車部309の底辺部にはワイヤ302を支承し回転自在なリング311が遊嵌されている。また、軸部310には当該軸部310に沿って移動する矩形状(レール部内でのプレート312の回転防止のため)のプレート312が貫通されており、このプレート312とフランジ311との間にコイルバネ313が軸部310に巻回されて設けられている。
【0051】
また、フランジ311には、上記レール部302に複数形成された切欠部204に係合する突起部311aが形成されており、例えばフック部301に荷物が吊り下げられることで、滑車部309に鉛直方向に荷重が作用すると、コイルバネ313の力に抗してフランジ311が押し下げされて突起部311aがプレート312のキー穴312aを介して上記レール部203の切欠部204に係合することで、滑車部309のレール部203に対する車幅方向の位置がロックされる。また、滑車部309に荷重が作用していないときには、コイルバネ313がフランジ311を上方に付勢し、突起部311aがプレート312のキー穴312aやレール部203の切欠部204に係合しないので、滑車部309はレール部203に沿って移動自在且つ回動自在となる。
【0052】
尚、フック部301に、バネ等により閉じ方向に付勢されたストッパ301aを設けることで、フック部301に吊り下げされた荷物が不用意に脱落しないようにできる。
【0053】
尚、第2の実施形態における電動上部ウインチ機構300を第4の実施形態で後述する電動下部ウインチ機構400に置き換えて構成してもよい。
【0054】
また、第2の実施形態の駆動力伝達機構350に電磁クラッチと駆動軸を追加して、第3の実施形態で後述する電動リフトゲート開閉機構200等の他の電動機構を追加的に搭載してもよい。
【0055】
上記第2の実施形態によれば、単一の電動モータ503で電動荷室ボード駆動機構500と電動上部ウインチ機構300とを駆動できるので、複数の電動機構を単一の電動モータを用いて駆動源を共用化でき、複数の電動機構のレイアウト自由度を高め、軽量化を実現できる。
【0056】
また、第1の実施形態と同様に、平面視で大きな面積を占めない回転ロッド505,506等で電動モータ503の回転力を伝達するので、例えば、荷室ボード501を取り外したときに荷室下部へのアクセスを阻害しない構造を実現できる。
【0057】
更に、電動上部ウインチ機構300により荷室に対する重量物の積み下ろしが容易となり利便性に優れた車体後部構造を実現できる。
【0058】
また、リフトゲート201が上方に開成したときに後方に突出する部分とリフトゲート201の高さとを利用してワイヤ302に連結したフック部301を懸吊し、当該フック部301を巻き上げ(下げ)動作させるので、荷室に対する荷物の積み下ろし作業に補助的に利用することで作業性を高めることができる。また、重量物を地面から吊り上げる際にリヤバンパ3との接触や干渉を回避することができる。
【0059】
また、ワイヤ支持部304によりワイヤ302を荷室フロア下部の牽引機構303から上方に開成されたリフトゲート201の垂下部まで導くので構造を簡略化できる。
【0060】
また、リフトゲート201が上方に開成したときにステー305を架設することで荷物の積み下ろし作業時に荷物の重量に耐えられずにリフトゲート201が閉じてしまうことを防止できる。
【0061】
また、ワイヤ支持部304をレール部203に沿って車幅方向にスライド可能としたので、フック部301の懸吊位置をリフトゲート201の車内側パネル201aの車幅方向に沿って可変としたので、荷物の大きさや吊り下げる位置、荷室への収納位置に応じてフック部の位置を変更できて、荷物の積み下ろし作業時の利便性を高めることができる。
【0062】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態として、車体後部に電動リヤシート格納機構100と電動リフトゲート開閉機構200とを搭載し、これらの電動機構を駆動力伝達機構によって選択的に駆動可能とした構成について説明する。
【0063】
図11は第3の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。図12は第3の実施形態の車体後部構造を示す側面透視図である。図13は第3の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構の詳細図である。
【0064】
尚、第3の実施形態において、電動リヤシート格納機構100の詳細構成は第1の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0065】
図11乃至図13において、電動リフトゲート開閉機構200は、電動モータ251を駆動源として上下動する送りねじ機構210と、この送りねじ機構210の可動軸211の上端部とリフトゲート201の側縁部とに回転支持で架設された連接棒212と、を含み、送りねじ機構210の可動軸211が上方に変位することでリフトゲート201が連接棒212を介して上方に回動されて開成され、反対に下方に変位することでリフトゲート201が連接棒211を介して下方に回動されて閉成される。そして、ガスダンパ202によってリフトゲート201が開成位置を保持する。
【0066】
次に、駆動力伝達機構250について説明する。
【0067】
図13に示すように、駆動力伝達機構250は、上記電動モータ251と、この電動モータ251を車幅方向に往復動作させるアクチュエータ252とをブラケット253,254で支持した構成を有し、このブラケット253を介して荷室側方のリヤフロアパネル8に固定される。駆動力伝達機構250は、電動モータ251に固定されたブラケット254のピン部254aを、アクチュエータ252に固定されたブラケット253に形成された長穴253aに挿通させることで電動モータ251のスライド量をその長穴253aの範囲で適正値に制限する。
【0068】
電動モータ251の出力軸251aの端部には、第1の実施形態で述べた第2の前後方向回転ロッド111の一端(図では右端)に軸着されたギヤ111Aと噛合可能である一方、送りねじ機構210のウォーム軸213を回転駆動するためのギヤ214に噛合可能な2つの歯車が形成された出力ギヤ255が設けられている。即ち、上記出力ギヤ255には、その端面部に第2の前後方向回転ロッド111に軸着された傘状ギヤ121Aと噛合する凹状の内歯ギヤ255Aと、その側面部に送りねじ機構210のウォーム軸213を回転駆動するためのギヤ214に噛合する外歯ギヤ255Bとが形成されている。
【0069】
送りねじ機構210のウォーム軸213の下端部には傘状ギヤ213Aが軸着され、この傘状ギヤ213Aが上記外歯ギヤ255Bにより回転駆動される軸256に固定された傘状ギヤ257と噛合することで、電動モータ251の出力軸251aの回転方向を鉛直上方に90°変換してウォーム軸213を回転駆動する。
【0070】
そして、アクチュエータ252が電動モータ251をスライドさせることで、当該電動モータ251の出力ギヤ255が第2の前後方向回転ロッド111の内歯ギヤ121Aと噛合するシート格納位置と、送りねじ機構210のウォーム軸213を駆動するギヤ214と噛合するリフトゲート開閉位置と、いずれのギヤ121A,214にも噛み合わない中立位置とが選択的に切り替え可能とされる。
【0071】
尚、第3の実施形態の駆動力伝達機構250に電磁クラッチと駆動軸を追加して、電動荷室ボード駆動機構500や電動上部ウインチ機構300若しくは電動下部ウインチ機構400等の他の電動機構を追加的に構成してもよい。
【0072】
上記第3の実施形態よれば、単一の電動モータ251で電動リヤシート格納機構100と電動リフトゲート開閉機構200とを駆動できるので、複数の電動機構を単一の電動モータを用いて駆動源を共用化でき、複数の電動機構のレイアウト自由度を高め、軽量化を実現できる。
【0073】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態として、車体後部に電動荷室ボード駆動機構500と電動下部ウインチ機構400とを搭載し、これらの電動機構を駆動力伝達機構によって選択的に駆動可能とした構成について説明する。
【0074】
図14は第4の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図(a)と電動下部ウインチ機構の概略を示す側面図(b)である。
【0075】
尚、第4の実施形態において、電動荷室ボード駆動機構500の詳細構成は第1の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0076】
図14に示すように、電動下部ウインチ機構400は、第1の実施形態で説明した車体後部の荷室フロアから車体後面開口部2を通ってリヤバンパ3上面を支点として下方に垂下されたフック部401をワイヤ402を介して巻き上げ(下げ)動作させる牽引機構403を有する。リヤバンパ3の上面にはワイヤを支持する支持板411が形成されている。牽引機構403やフック部401の構成や機能は第2の実施形態の電動上部ウインチ機構300と同様であり、これらがリヤフロアボード14下部のサブトランク内に配置されている点で相違する。
【0077】
そして、電動モータ503の2つの出力軸503aの一方を電磁クラッチ511を介して牽引機構403の巻胴軸にギヤ404,405により噛合させる一方、出力軸503aの他方を電磁クラッチ511を介して第1の車幅方向回転ロッド505にギヤ406,407により噛合させる。ここで、電磁クラッチ511を制御することで、電動モータ503の出力軸503aが第1の車幅方向回転ロッド505と連結する荷室ボード駆動位置と、牽引機構403と連結するウインチ駆動位置と、回転ロッド505と牽引機構403のいずれにも連結しない中立位置とが選択的に切り替え可能とされる。
【0078】
尚、第4の実施形態における電動下部ウインチ機構400を第2の実施形態で説明した電動上部ウインチ機構300に置き換えて構成してもよい。
【0079】
また、第4の実施形態の駆動力伝達機構に電磁クラッチと駆動軸を追加して、電動リフトゲート開閉機構200等の他の電動機構を追加的に搭載してもよい。
【0080】
上記第4の実施形態によれば、単一の電動モータ503で電動荷室ボード駆動機構500と電動下部ウインチ機構400とを駆動できるので、複数の電動機構を単一の電動モータを用いて駆動源を共用化でき、複数の電動機構のレイアウト自由度を高め、軽量化を実現できる。
【0081】
また、電動下部ウインチ機構400により荷室に対する重量物の積み下ろしが容易となり利便性に優れた車体後部構造を実現できる。
【0082】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態として、車体後部に電動リヤシート格納機構100と電動下部ウインチ機構400とを搭載し、これらの電動機構を駆動力伝達機構によって選択的に駆動可能とした構成について説明する。
【0083】
図15は第5の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図である。
【0084】
尚、第5の実施形態において、電動リヤシート格納機構100の詳細構成は第1の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。また、電動下部ウインチ機構400は、第4の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0085】
第5の実施形態では、電動モータ503の2つの出力軸503aの一方を電磁クラッチ511を介して牽引機構403の巻胴軸に連結可能と一方、出力軸503の他方を電磁クラッチ511を介して第2の車幅方向回転ロッド110に連結可能とする。そして、電磁クラッチ511を制御することで、電動モータ503の出力軸503aが第2の車幅方向回転ロッド110と連結するリヤシート収納位置と、牽引機構403の巻胴軸と連結するウインチ駆動位置と、回転ロッド110と牽引機構403のいずれにも連結しない中立位置とが選択的に切り替え可能とされる。
【0086】
尚、第5の実施形態における電動下部ウインチ機構400を第2の実施形態で説明した電動上部ウインチ機構に置き換えて構成してもよい。
【0087】
また、第5の実施形態の駆動力伝達機構に電磁クラッチと駆動軸を追加して、電動荷室ボード駆動機構500や電動リフトゲート開閉機構200等の他の電動機構を追加的に搭載してもよい。
【0088】
上記第5の実施形態によれば、単一の電動モータ503で電動リヤシート格納機構100と電動下部ウインチ機構400とを駆動できるので、複数の電動機構を単一の電動モータを用いて駆動源を共用化でき、複数の電動機構のレイアウト自由度を高め、軽量化を実現できる。
【0089】
また、電動下部ウインチ機構400により荷室に対する重量物の積み下ろしが容易となり利便性に優れた車体後部構造を実現できる。
【0090】
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態として、車体後部に電動荷室ボード駆動機構500と電動リヤシート格納機構100と電動下部ウインチ機構400とを搭載し、これらの電動機構を駆動力伝達機構によって選択的に駆動可能とした構成について説明する。
【0091】
図16は第6の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。
【0092】
尚、第6の実施形態において、電動荷室ボード駆動機構500及び電動リヤシート格納機構100の詳細構成は第1の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。また、電動下部ウインチ機構400の詳細構成は第4の実施形態と同様なので同一部材には同一の符号を付して説明は省略する。
【0093】
第6の実施形態では、電動荷室ボード駆動機構500の第1の車幅方向回転ロッド505と牽引機構403の巻胴軸403aとを電磁クラッチ409を介して連結し、電動モータ503の2つの出力軸503aの一方を電磁クラッチ511を介して第1の車幅方向回転ロッド505に連結可能と一方、出力軸503aの他方を電磁クラッチ511を介して第2の車幅方向回転ロッド110に連結可能とする。そして、電磁クラッチ409,511を制御することで、電動モータ503の出力軸503aが第2の車幅方向回転ロッド110と連結するリヤシート収納位置と、電動荷室ボード駆動機構500と連結する荷室ボード駆動位置と、電動下部ウインチ機構400と連結するウインチ位置と、いずれの機構にも連結しない中立位置とが選択的に切り替え可能とされる。
【0094】
上記構成によれば、電動荷室ボード駆動機構500と電動リヤシート格納機構100と電動下部ウインチ機構400という3つの電動機構を単一の電動モータ503を用いて駆動源を共用化でき、複数の電動機構のレイアウト自由度を高め、軽量化を実現できる。
【0095】
また、電動下部ウインチ機構400により荷室に対する重量物の積み下ろしが容易となり利便性に優れた車体後部構造を実現できる。
【0096】
尚、第6の実施形態における電動下部ウインチ機構400を第2の実施形態で説明した電動上部ウインチ機構300に置き換えて構成してもよい。
【0097】
また、第6の実施形態の駆動力伝達機構に電磁クラッチと駆動軸を追加して、電動リフトゲート開閉機構200等の他の電動機構を追加的に搭載してもよい。
【0098】
以上述べた各実施形態によれば、単一の電動モータの回転力の伝達経路をクラッチにより切り替えて複数の電動機構を駆動できるので、駆動源の共用化によるレイアウトの容易化と軽量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。
【図2】第1の実施形態の車体後部構造を示す側面透視図である。
【図3】第1の実施形態の車体後部構造を示す外観図である。
【図4】第1の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態の電動機構及び駆動力伝達機構の詳細構成を示す図である。
【図6】第2の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。
【図7】第2の実施形態の車体後部構造を示す側面透視図である。
【図8】第2の実施形態の車体後部構造を示す外観図(a)及びステー部分の外観図(b)である。
【図9】第2の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図である。
【図10】第2の実施形態の電動上部ウインチ機構のワイヤ支持部を示す詳細図である。
【図11】第3の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。
【図12】第3の実施形態の車体後部構造を示す側面透視図である。
【図13】第3の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構の詳細図である。
【図14】第4の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図(a)と電動下部ウインチ機構の概略を示す側面図(b)である。
【図15】第5の実施形態の電動機構の駆動力伝達機構を示す模式図である。
【図16】第6の実施形態の車体後部構造を示す平面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 荷室
2 車体後面開口部
3 リヤバンパ
4 リヤエンドトリム
5 リヤサイドフレーム
6 リヤエンドパネル
7 リヤバンパレイン
8 リヤフロアパネル
9 スペアタイヤ
10 マフラー
11 後輪
12 左右膨出部(タイヤハウス)
13 マウント
14 リヤフロアボード
100 電動リヤシート格納機構
101 リヤシート
102 シートバック
103 シートクッション
200 電動リフトゲート開閉機構
201 リフトゲート
202 ガスダンパ
203 レール部
250 駆動力伝達機構
300 電動上部ウインチ機構
301 フック部
302 ワイヤ
303 牽引機構
304 ワイヤ支持部
305 ステー
350 駆動力伝達機構
400 電動下部ウインチ機構
401 フック部
402 ワイヤ
403 牽引機構
500 電動荷室ボード駆動機構
501 荷室ボード
502 駆動力伝達機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リヤシートと、車体後面開口部を開閉するリフトゲートと、前記リヤシートの後方に広がる荷室と、を備える車体後部構造であって、
前記リヤシートを収納及び復帰させるシート格納機構、前記リフトゲートを開閉駆動するリフトゲート開閉機構、前記荷室から車外にワイヤに連結されたフック部を懸架し当該ワイヤを巻き取り可能なウインチ機構と、荷室フロアにおいて車体前後方向にスライドする荷室ボードを車体前後方向にスライドさせるボード駆動機構のうち複数を備え、
車体後部に設けられた単一の電動モータの回転力を駆動力伝達機構を介して前記複数の機構に選択的に伝達するクラッチ機構を設けたことを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
前記複数の機構は少なくとも前記シート格納機構と前記リフトゲート開閉機構とを含み、
前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の車幅方向側端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
【請求項3】
前記複数の機構は少なくとも前記シート格納機構と前記ウインチ機構とを含み、
前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の後端部であって荷室フロアの下部に配置されており、
前記ウインチ機構は、前記フック部が連結されたワイヤを前記電動モータの回転力により巻き取る牽引機構と、前記リフトゲートの後端部を支点として前記フック部を懸吊させる垂下部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
【請求項4】
前記複数の機構は少なくとも前記シート格納機構と前記ボード駆動機構とを含み、
前記ボード駆動機構は、前記電動モータの回転力を車幅方向に伝達する車幅方向回転ロッドと、前記車幅方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向に伝達する前後方向回転ロッドと、前記前後方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向の変位に変換するスライダとを含み、
前記スライダの上部に前記荷室ボードが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
【請求項5】
前記複数の機構は少なくとも前記ボード駆動機構と前記ウインチ機構とを含み、
前記ボード駆動機構は、前記電動モータの回転力を車幅方向に伝達する車幅方向回転ロッドと、前記車幅方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向に伝達する前後方向回転ロッドと、前記前後方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向の変位に変換するスライダとを含み、前記スライダの上部に前記荷室ボードが取り付けられており、
前記ウインチ機構は、前記フック部が連結されたワイヤを前記電動モータの回転力により巻き取る牽引機構と、上方に開成された前記リフトゲートの後端部を支点として前記フック部を懸吊させる垂下部と、を有し、
前記ウインチ機構と前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の後端部であって荷室フロアの下部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
【請求項6】
前記複数の機構は少なくとも前記ボード駆動機構と前記ウインチ機構とを含み、
前記ボード駆動機構は、前記電動モータの回転力を車幅方向に伝達する車幅方向回転ロッドと、前記車幅方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向に伝達する前後方向回転ロッドと、前記前後方向回転ロッドに係合して駆動され前記電動モータの回転力を車体前後方向の変位に変換するスライダとを含み、前記スライダの上部に前記荷室ボードが取り付けられており、
前記ウインチ機構は、前記フック部が連結されたワイヤを前記電動モータの回転力により巻き取る牽引機構と、前記リフトゲートの後端部を支点として前記フック部を懸吊させる垂下部と、を有し、
前記ウインチ機構と前記電動モータと前記クラッチ機構とが前記荷室の後端部であって荷室フロアの下部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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