説明

車内放送方法、この方法を実行する装置、この放送を受信する受信装置、これらの装置を備えたシステム、及び受信処理プログラム

【課題】限られた環境下でなくても、降車ポイントを簡単に設定でき、降車通知サービスを行なえるようにする。
【解決手段】車内放送装置は、列車が停車駅から出発すると、次の停車駅から終点駅までの各停車駅毎の駅情報の束である駅一覧情報を放送し、列車が次停車駅に近づくと、次の停車駅の駅情報を次停車駅情報として放送する。車内放送受信装置は、駅一覧情報を受信すると、これをRAMに記憶し、降車駅の記憶処理(S10)を行う。この記憶処理では、駅一覧情報に含まれている次停車駅から終点駅までの駅名を表示し(S18)、いずれかの停車駅名の指定を受け付け(S19)、これを降車駅としてRAMに記憶する(S20)。次停車駅情報を受信した場合、次停車駅情報が示す停車駅とRAMに記憶されている降車駅とを比較し、両者が一致していると、次が降車である旨を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内で無線放送を行う車内放送技術に関し、特に、車内放送に基づいて、ユーザに降車を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
列車やバスなどの公共交通機関では、乗車中に居眠りして、又は車内アナウンスを聞き逃して、自分の降車ポイント(駅orバス停)に気付かず、乗り越す危険性がある。特に、近年、車両内で、ヘッドホンを携帯機器に接続して音楽やテレビ音声やゲームなどのエンターテイメント音を楽しんでいる者が、車両内のスピーカーによる車内アナウンスを聞き逃して、乗り越すケースが増えている。また、不慣れな路線の車両に乗った乗客は、乗り合わせた車両がどの辺りを走行しているのかを把握できず、車内アナウンスに過大な注意を払う等の緊張状態を強いられている。
【0003】
そこで、特許文献1,2,3には、このような乗り越し等を防ぐ方法が開示されている。
【0004】
特許文献1には、予め定められた乗客が保持している受信装置に対して、車両内で停車駅信号を無線送信し、この乗客の降車駅を乗客に通知する方法が示されている。この方法では、まず、乗客が、受信装置のスイッチ等を操作して、受信装置に降車駅名称又は降車駅に対応する数字符号を入力する。そして、受信装置は、この入力内容と停車駅信号の内容とを比較して、この比較結果に応じて降車駅を乗客に通知している。
【0005】
また、特許文献2には、携帯端末が、駅構内に設置されている駅一覧装置上の目的の駅名上にかざされることで、この駅一覧装置から目的の駅の駅IDを取得し、管理センタから無線送信された車両運行情報と、目的の駅の駅IDとを比較して、この比較結果に応じて降車等を乗客に通知する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献3には、切符の予約に使用された携帯電話が、切符の予約情報から降車駅情報を抽出し、この降車駅情報と運行管理センタから無線送信された車両運行情報とを比較して、この比較結果に応じて、降車を通知する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−301456号公報
【特許文献2】特開2002−255035号公報
【特許文献3】特開2004−189196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、受信装置に降車駅を設定するために、降車駅名称を入力する場合には、受信装置のスイッチ等を操作して正確に文字入力する必要があり、また、降車駅に対応する数字符号を入力する場合には、駅名と数字符号との変換表を元に、降車駅に対応する数字符号を把握してから、受信装置のスイッチ等を操作して符号を入力する必要があり、いずれの場合も、利用者にとって多くの負担を強いてしまうという問題点がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の方法では、駅一覧装置上に示されている多数の駅名のうちから、目的の駅名を選び出した上で、この駅名の上に携帯端末をかざして目的の駅IDを取得しなければならず、駅構内が混雑している場合には、多数の乗客が同時に駅一覧装置から目的の駅IDを設定できない虞が大きいという問題点がある。
【0010】
また、特許文献3に記載の方法では、携帯電話を用いて切符の予約を行わない限り、降車駅を設定することができないという問題点がある。
【0011】
すなわち、特許文献2,3に記載の方法では、ある程度限られた環境下でなければ、降車通知等のサービスを受けることができないという問題点がある。
【0012】
そこで、本発明は、限られた環境下でなくても、降車ポイントを簡単に設定でき、降車通知サービスを行なえる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための発明において、車内で無線放送を行う車内無線放送装置、及びこの装置からの無線放送を受信する車内放送受信装置は、以下のステップを実行する。
【0014】
前記車内放送装置は、
車両の停車ポイント名と、当該停車ポイント固有の予め定められたポイント識別子と、当該停車ポイントの停車順を示すポイント順番号とを含むポイント情報を、該車両の全ての停車ポイント毎に予め記憶しており、
前記車両の位置情報を受け付ける位置情報受付ステップと、
前記位置情報受付ステップで受け付けた前記位置情報が、前記車両が停車ポイントに停車中である、又は停車ポイントから出発してから予め定められた時間又は距離以内であることを示す場合に、予め記憶している前記ポイント情報のうち、次に停車するポイントから終点ポイントまでの各停車ポイント毎のポイント情報の束であるポイント一覧情報を無線放送し、該位置情報受付ステップで受け付けた該位置情報が、現在位置から次の停車ポイントまでの時間又は距離が予め定められた値以下であることを示す場合に、該予め記憶しているポイント情報のうち、該次の停車ポイントのポイント情報を次停車ポイント情報として無線放送する放送ステップと、
を実行する。
【0015】
また、前記車内放送受信装置は、
表示手段を含む1以上の出力手段と、入力手段とを備え、
前記車内放送装置からの前記ポイント一覧情報を受信するポイント一覧受信ステップと、
前記ポイント一覧受信ステップで受信した前記ポイント一覧情報を記憶するポイント一覧記憶ステップと、
前記ポイント一覧情報に含まれる全ての停車ポイント名を含むポイント一覧表示データを作成し、該ポイント一覧表示データを前記表示手段に表示させる表示ステップと、
前記表示手段に表示された停車ポイント名うちのいずれかの停車ポイント名の指定を前記入力手段により受け付ける降車ポイント受付ステップと、
前記降車ポイント受付ステップで受け付けた前記停車ポイント名に対応するポイント情報を降車ポイント情報として、記憶する降車ポイント記憶ステップと、
前記車内放送装置からの前記次停車ポイント情報を受信する次停車ポイント受信ステップと、
前記次停車ポイント受信ステップで前記次停車ポイント情報を受信すると、該次停車ポイント情報と、記憶している前記降車情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップで、前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと前記降車ポイント情報とが示す停車ポイントとが一致していると判断されると、前記1以上の出力手段のうちの少なくとも一の出力手段に、次が降車ポイントである旨を出力させる降車通知ステップと、
を実行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者は、極めて簡単に降車駅を設定することができる。また、本発明では、従来技術のように、駅構内が混雑していない、携帯端末で切符予約をしているといった環境下でなくても、利用者が車両に乗り込めば、降車通知等のサービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る一実施形態における車内放送システムの系統図である。
【図2】本発明に係る一実施形態における車内放送システムの構成図である。
【図3】本発明に係る一実施形態における各種情報のデータ構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る一実施形態における駅一覧情報及び次停車駅情報の放送タイミングを示す説明図である。
【図5】本発明に係る一実施形態における車内放送システムでの通信フレームのデータ構成を示す説明図である。
【図6】本発明に係る一実施形態における車内放送受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6中のステップ10の詳細処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る一実施形態における車内放送受信装置の各種表示画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る車内放送システムの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
本実施形態の車内放送システムは、車内放送装置と、車内放送装置からの無線放送を受信する車内放送受信装置とを備えている。
【0020】
車内放送装置は、図1に示すように、マイク17や放送スイッチ等を有する放送卓10と、放送卓10からの情報を列車1内で無線発信する無線装置40と、放送卓10からのアナウンス音声データを再生するためのスピーカー31及びそのアンプ30と、放送卓10からの情報等を無線装置40とスピーカーアンプ30とのいずれかに振り分け、ディジタル信号処理を行う信号処理装置20と、備えている。
【0021】
列車1は、複数の車両1a,1b,1cを備えており、これら車両1a,1b,1cのうち、一の車両1aの一部の車掌室2内に、放送卓10が設けられている。
【0022】
各車両1a,1b,1cの客室には、信号処理装置20と、スピーカー31及びそのアンプ30と、無線装置40とが設けられている。車掌室2内の放送卓10と各車両1a,1b,1cの客室の信号処理装置20とは、信号ケーブル19で接続されている。
【0023】
車内放送受信装置100は、音出力端末である携帯オーディオプレーヤー60からのAV音をヘッドホン70を用いて聞く客Gにより使用される。このため、車内放送受信装置100は、オーディオケーブル61で携帯オーディオプレーヤー60と接続されていると共に、ヘッドホンケーブル71でヘッドホン70と接続されている。この車内放送受信装置100は、車内放送装置の無線装置40のアンテナ41から発信されるアナウンス音声データを示す信号と、携帯オーディオプレーヤー60からのAV信号とをミキシングして、乗客Gが使用しているヘッドホン70に、ミキシング音信号を出力する。すなわち、この車内放送受信装置100は、ミキシング装置としても機能する。
【0024】
放送卓10は、図2に示すように、運行状況管理装置50からの列車位置を含む運行情報を受信する受信部11と、各種演算処理を実行するCPU12と、このCPU12のワークエリア等になるRAM13aと、予め各種データ等が格納されているROM13bと、CD(Compact Disc)等のディスク記憶媒体に対して記憶処理及び再生処理を行うディスク記憶/再生装置14と、信号処理装置20に各種情報やアナウンス音声データ等を出力する出力部15と、補助記憶装置16と、前述のマイク17と、マイク17からのアナログ音信号をディジタル音信号に変換すると供に、これを圧縮処理する音声変調器18と、を備えている。
【0025】
補助記憶装置16には、多数の駅毎の駅情報が格納されている駅情報ファイル16aと、各運行状況に応じたアナウンス音声データが格納されているアナウンス音声ファイル16bとが設けられている。さらに、この補助記憶装置16には、放送制御プログラム16cが予め格納されている。これらファイル16a,16bやプログラム16cは、これらが記憶されているディスク記憶媒体Dをディスク記憶/再生装置14で再生され、補助記憶装置16に格納される。なお、これらファイル16a,16bやプログラム16cは、通信等で得るようにしてもよい。
【0026】
CPU12は、この放送制御プログラム16cを実行することで、放送制御部12aとして機能する。この放送制御部12aは、運行状況管理装置50から送られてきた運行情報が示す列車位置に応じて、駅情報ファイル16aに格納されている駅情報から、後述する駅一覧情報や次停車駅情報を作成する。さらに、アナウンス音声ファイル16bに格納されている複数種のアナウンス音声データから、列車位置に応じたアナウンス音声データを抽出する。そして、この放送制御部12aは、アナウンス音声ファイル16bから抽出されたアナウンス音声データや、マイク17から音声変調器18を介して送られてきたアナウンス音声データや、駅一覧情報、次停車駅情報を通信フレームに収めて、出力部19から信号処理装置20に送る。
【0027】
信号処理装置20は、放送卓10から送られてきた通信フレームを分解し、その解析結果に応じて、通信フレーム中のデータ等をスピーカー31側か無線装置40側かに振り分けるルーティング部21と、ルーティング部21から送られてきたディジタルのアナウンス音声データをアナログの音声データに変換して、スピーカーアンプ30に送る音声復調器22と、を備えている。
【0028】
車内放送受信装置100は、無線装置40から無線発信された通信フレームを受信する受信部110と、各種演算処理を実行するCPU120と、予め各種データ等が格納されているROM130と、書換え可能な揮発性メモリであるRAM140と、書換え可能な不揮発性メモリであるフラッシュROM150と、CPU120からのディジタルのアナウンス音声データ信号をアナログのアナウンス音声データ信号に変換する音声復調器161と、アナログのアナウンス音声データ信号と携帯オーディオプレーヤー60からのアナログのAV信号とをミキシングするミキシング・アンプ162と、表示装置164と、バイブレータ166と、各種操作ボタン等を有する入力装置172と、これらのインタフェース回路163,165,171と、を備えている。
【0029】
ROM130又はフラッシュROM150には、受信処理プログラム159が予め格納されている。CPU120は、機能的に、受信部110が受信した通信フレーム中に含まれているデータ種別やデータ用途に応じた処理先に、その通信フレーム中に含まれているデータを振り分けるデータ振分け部121と、RAM140やフラッシュROM150に対するデータの記憶処理を実行する記憶処理部122と、音声復調器161に送る音声データの作成等を行う音声制御部124と、表示装置164が表示する表示データの作成等を行う表示制御部125と、バイブレータ166を駆動させる駆動信号を出力するバイブレータ制御部126と、入力装置172からの指示内容等を受け取る入力制御部127と、を有している。なお、これらの機能部121〜127は、いずれも、CPU110が受信処理プログラム159を実行することで機能する。
【0030】
次に、本実施形態の車内放送システムの動作について、説明する。
【0031】
放送卓10の放送制御部12aは、前述したように、運行状況管理装置50から送られてきた運行情報が示す列車位置に応じて、駅情報ファイル16aに格納されている駅情報から、後述する駅一覧情報や次停車駅情報を作成する。
【0032】
駅情報ファイル16aには、この列車1が停車する全ての停車駅を少なくとも含む各駅毎の駅情報が格納されている。駅情報は、図3に示すように、当該駅の始発駅からの停車順を示す駅順番号と、当該列車を運行している鉄道会社のIDと、当該列車が走行する路線の路線IDと、当該列車は上り運行であるか下り運行であるかを示す上り/下り符号と、当該駅の駅IDと、文字データで示されている駅名と、を有している。
【0033】
鉄道会社IDとして、例えば、鉄道会社「JR東日本」には「01」、鉄道会社「JR西日本」には「02」が付けられている。路線IDとして、例えば、路線「東海道線」には「001」、路線「山手線」には「002」が付けられている。上り/下り符号として、上りに「0」、下りが「1」が付けられている。駅IDは、東京駅に「001」、新橋駅に「002」、品川駅に「003」、大磯駅に「012」が付けられている。
【0034】
従って、例えば、駅情報が「12−01−001−012−大磯」の場合、始発駅からの「12」番目の駅で、当該列車を運行している鉄道会社が「JR東日本」で、当該列車が走行する路線が「東海道線」で、当該駅が「大磯」であることを示している。
【0035】
放送制御部12aは、図4に示すように、運行情報が停車駅に停車中である、又は停車駅から出発してから予め定められた時間又は距離以内である駅一覧情報(A)放送領域を示す場合に、駅一覧情報を作成して、これを通信フレームに収めて、出力部15から信号処理装置20に複数回送る。また、運行情報が現在位置から次の停車駅までの時間又は距離が予め定められた値以下である次停車駅情報(B)放送領域を示す場合に、次停車駅情報を作成して、これを通信フレームに収めて、出力部15から信号処理装置20に送る。
【0036】
駅一覧情報は、駅情報ファイル16aに格納されている多数の駅情報のうち、次に停車する停車駅から終点駅までの各停車駅毎の駅情報の束である。このため、図3に示すように、東海道線、東京発、小田原終点の列車が、新橋駅を出発した場合、駅一覧情報は、次の停車駅である「品川」駅から終点の「小田原」駅までの各停車駅毎の駅情報の束となる。なお、駅一覧情報は、次に停車する停車駅から終点駅までの各停車駅毎の駅情報の束としているが、始発駅から停車駅までの各停車駅毎の駅情報の束であってもよい。このように、駅一覧情報を構成することで、乗客が乗り越した場合でも、乗り越した駅の情報を確認することができる。この場合、後述する降車駅の設定時には、次停車駅から終点駅までの各停車駅毎の駅情報を利用し、乗客による駅確認時には、始発駅から終点駅までの各停車駅毎の駅情報を利用することが好ましい。
【0037】
また、次停車駅情報は、駅情報ファイル16aに格納されている多数の駅情報のうち、次に停車する停車駅の駅情報である。このため、図3に示すように、東海道線、東京発、小田原終点の列車が、次に「大磯」駅に停車する場合、この「大磯」駅の駅情報が次停車駅情報になる。
【0038】
放送制御部12aは、以上の駅一覧情報及び次停車駅情報の他、アナウンス音声ファイル16bから、運行情報に応じたアナウンス音声データを抽出し、このデータも通信フレームに収めて、出力部15から信号処理装置20に送る。さらに、放送制御部12aは、マイク17から音声変調器18を介して送られてきたアナウンス音声データも、通信フレームに収めて、出力部15から信号処理装置20に送る。
【0039】
ここで、放送卓10の出力部15から信号処理装置20に送られる通信フレームの構成について、図5を用いて説明する。
【0040】
駅一覧情報及び次停車駅情報の通信フレームは、いずれも、出力先が格納される出力先部91と、データ種別が格納されるデータ種別部92と、用途種別が格納される用途種別部93と、駅一覧情報又は次停車駅情報が格納されるボディ部94と、を有している。駅一覧情報の通信フレームでは、出力先部91に「無線装置」が格納され、データ種別部92に「駅情報」が格納され、用途種別部93に「駅一覧」が格納される。また、次停車駅情報の通信フレームでは、出力先部91に「無線装置」が格納され、データ種別部92に「駅情報」が格納され、用途種別部93に「次停車駅」が格納される。
【0041】
また、アナウンス音声データの通信フレームは、出力先が格納される出力先部91と、データ種別が格納されるデータ種別部92と、アナウンス音声データが格納されるボディ部94と、を有している。このアナウンス音声データの通信フレームでは、出力先部91に「無線装置」又は「スピーカー」が格納され、データ種別部92に「音声」が格納される。なお、出力先部91に「無線装置」が格納されている通信フレームのボディ部94と、出力先部91に「スピーカー」が格納されている通信フレームのボディ部94とには、同一のアナウンス音声データが格納される場合もある。このため、通信制御部12aは、あるアナウンス音声データに対して、出力先が異なる通信フレームを一つずつ作成する場合がある。
【0042】
信号処理装置20のルーティング部21は、放送卓10から通信フレームを受信すると、この通信フレーム中の出力先部91を解析する。そして、ルーティング部21は、出力先部91に「無線装置」が格納されている場合には、図5に示すように、通信フレーム中の出力先部91を外して、これを新たな通信フレームとして無線装置40に送る。また、出力先部91に「スピーカー」が格納されている場合には、この通信フレーム中の出力先部91及びデータ種別部92を外してから、ボディ部94に格納されているディジタルのアナウンス音声データを音声復調器22に渡す。音声復調器22は、これをアナログデータに変換した後、スピーカーアンプ30に送り、スピーカー31でアナウンス音声データを再生させる。
【0043】
無線装置40は、信号処理装置20から通信フレームを受信すると、図5に示すように、この通信フレームに無線ヘッダ90を付加し、これを新たな通信フレームとして、無線発信する。
【0044】
無線装置40から発信された通信フレームは、乗客Gが所持している車内放送受信装置100の受信部110で受信される。
【0045】
以下、図6に示すフローチャートに従って、車内放送受信装置100の受信部110が無線装置40からの通信フレームを受信した際の動作について説明する。
【0046】
受信部110が通信フレームを受信すると、これをデータ振分け部121に渡す。データ振分け部121は、まず、通信フレーム中のデータ種別部92(図5)を解析して、データ種別が音声データか駅情報かを判断する(S1)。データ振分け部121は、データ種別が音声データであると判断すると、この通信フレームから無線ヘッダ90及びデータ種別部92(図5)を外してから、音声復調器161に、ボディ部94に格納されているディジタルのアナウンス音声データを渡し、この音声データを再生処理させる(S2)。具体的に、音声復調器161は、ディジタルのアナウンス音声データ信号をアナログデータ信号に変換してから、このアナウンス音声データ信号をミキシング・アンプ部162に渡す。ミキシング・アンプ部162は、仮に、携帯オーディオプレーヤー60が接続されている場合には、このアナウンス音声データ信号とから携帯オーディオプレーヤー60のAV信号とをミキシングして、乗客Gが使用しているヘッドホン70に、ミキシング音信号を出力する。また、携帯オーディオプレーヤー60が接続されていない場合には、このアナウンス音声データ信号をそのまま乗客Gが使用しているヘッドホン70に出力する。
【0047】
したがって、本実施形態では、ヘッドホン70を用いて、乗客Gが携帯オーディオプレーヤー60で再生された音を楽しんでいる場合でも、このヘッドホン70で車内アナウンスを聞くことができる。
【0048】
データ振分け部121は、ステップ1で、通信フレーム中のデータ種別部92を解析した結果、データ種別が駅情報であると判断すると、さらに、通信フレーム中の用途種別部93(図5)を解析して、用途種別が駅一覧であるか次停車駅かを判断する(S3)。そして、データ振分け部121は、この通信フレームからデータ種別部92及び用途種別部93を外してから、ボディ部94に格納されている駅一覧情報又は次停車駅情報を判断結果と共に、記憶処理部122に渡す。
【0049】
記憶処理部122は、データ振分け部121から駅一覧情報であるという判断結果と共に駅一覧情報を受け取ると、これをRAM140に記憶する(S9)。駅一覧情報141(図2)がRAM140に記憶されると、降車駅記憶処理(S10)が実行される。
【0050】
この降車駅記憶処理(S10)について、図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0051】
記憶処理部122は、まず、降車駅情報がRAM140に記憶されているか否かを判断する(S11)。記憶処理部122は、降車駅情報が記憶されていないと判断すると、ステップ13に進み、降車駅情報が記憶されていると判断すると、ステップ9でRAM140に記憶した駅一覧情報141中の駅情報のうちで、この降車駅情報142と一致する駅情報があるか否かを判断する(S12)。駅一覧情報141中の駅情報のうちで、この降車駅情報142と一致する駅情報があると判断すると、ステップ1に戻る。すなわち、この降車駅情報142が駅一覧情報141中にある場合には、新たな通信フレームの受信を待つ。
【0052】
一方、記憶処理部122は、ステップ12で、駅一覧情報141中の駅情報のうちで、この降車駅情報142と一致する駅情報がないと判断した場合、及び、ステップ11で、降車駅情報がRAM140に記憶されていないと判断した場合には、降車駅情報がフラッシュROM150に登録されているか否かを判断する(S13)。この降車駅情報がフラッシュROM150に登録されていないと判断すると、ステップ16に進み、この降車駅情報152がフラッシュROM150に登録されていると判断すると、駅一覧情報141中の駅情報のうちで、この降車駅情報152と一致する駅情報があるか否かを判断する(S14)。
【0053】
記憶処理部122は、駅一覧情報141中の駅情報のうちで、この降車駅情報152と一致する駅情報があると判断すると、フラッシュROM150に登録されている降車駅情報152をコピーして、これをRAM140に記憶する(S15)。
【0054】
一方、記憶処理部122は、駅一覧情報141中の駅情報のうちで、この降車駅情報と一致する駅情報がないと判断した場合、及び、ステップ13で、降車駅情報がフラッシュROM150に登録されていないと判断した場合、駅一覧情報141に対して、適切な降車駅情報がRAM140及びフラッシュROM150に記憶等されていない旨を表示制御部125に通知して、ステップ16に進む。
【0055】
ステップ16に進むケースとしては、乗客GがRAM140に対する降車情報の記憶指示操作をしているにも関わらず、又は乗客GがフラッシュROM150に対する降車情報の登録指示操作をしているにも関わらず、列車の乗り誤りで、この列車の車内放送装置から提供された駅情報一覧141に対して適正な降車情報が記憶又は登録されていないケースと、単に、乗客Gが降車情報の記憶指示操作及び登録指示操作を行っていないケースとの2ケースが考えられる。
【0056】
そこで、表示制御部125は、乗り誤りの可能性があることを示す表示データを作成し、これを表示装置164に送って、図8に示すように、列車確認画面165aを表示させる(S16)。この列車確認画面165a中には、乗り誤りの可能性がある旨を示す文章と、「誤り」ボタンと、「正しい」ボタンとが表示される。乗客Gは、この列車確認画面165aを見て、乗り誤りであるか否かを確認し、乗り誤りであると判断すると、入力装置172を操作して「誤り」ボタンをクリックし、乗り誤りでないと判断すると、「正しい」ボタンをクリックする。
【0057】
表示制御部125は、クリックデータを入力制御部127から受け取ると、乗り誤りであるか否かを判断する。乗り誤りである場合には、ステップ1に戻り、乗り誤りでない場合には、ステップ18に進む。
【0058】
ステップ18に進むケースは、前述したように、単に、乗客Gが降車情報の記憶指示操作及び登録指示操作を行っていないケースである。そこで、表示制御部125は、RAM140に記憶されている駅一覧情報141から、各駅毎の駅順番号及び文字データである駅名を抽出し、各駅名を駅順番号に従って並べた表示データを作成し、これを表示装置164に送って、図8に示すように、降車駅入力画面165bを表示させる(S18)。この降車駅入力画面165bには、現時点における次の停車駅から終点駅までの駅名称が停車順に表示されている。乗客Gは、この降車駅入力画面165bを見つつ、入力装置172を操作して、自分の降車駅名をクリックする。すなわち、乗客Gが降車情報の記憶指示操作を行う。なお、この降車駅入力画面165bは、東海道線、東京始発、小田原終点の列車で、品川駅の一つ手前の新橋駅を出発した直後に表示される画面である。
【0059】
このように、本実施形態では、現時点における次の停車駅から終点駅までの駅名称を表示しているので、乗客Gは、比較的少ない駅名称のうちから、停車駅を選ぶことができる。しかも、本実施形態では、乗客は、表示された駅名称のうちから停車駅を指定するだけでよいため、極めて簡単な操作で停車駅情報を設定することができる。よって、本実施形態では、本実施形態の車内放送受信装置100を利用する者が降車通知サービスを受けるために必要な操作負担を軽減することができる。
【0060】
次に、入力制御部127が、降車情報の記憶指示が行われたか否かを判断し(S19)、記録指示が行われなければステップ1に戻り、この記録指示が行われたならば、指示された駅名を記憶処理部122に渡して、この駅名を含む駅情報を降車駅情報142として、RAM140に記憶させる(S20)。
【0061】
乗客Gから降車駅を指示されて、記憶処理部122がこの降車駅の駅情報を降車駅情報142としてRAM140に記憶すると、表示制御部125は、降車駅を登録するか否かを問い合わせる表示データを作成し、これを表示装置164に送って、図8に示すように、降車駅登録画面165cを表示させる。この表示に対して、乗客Gが入力装置172を操作して「はい(登録)」ボタンをクリックするか、「いいえ(否登録)」ボタンをクリックする。すなわち、乗客Gが降車情報の登録指示操作を行う。
【0062】
次に、入力制御部127が、降車情報の登録指示が行われたか否かを判断し(S21)、登録指示が行われなければステップ1に戻り、この登録指示が行われたならば、指示された駅名を記憶処理部122に渡して、この駅名を含む駅情報を降車駅情報152として、フラッシュROM150に登録させ(S20)、ステップ1に戻る。このように、本実施形態では、不揮発性メモリであるフラッシュROM150に降車駅情報152を登録することができるので、通勤や通学時のように、日々、同じ路線で同じ区間の列車に乗る者は、一旦、降車駅情報を登録すれば、以降、同じ路線で同じ区間の列車に乗る限り、降車駅情報の記憶指示操作を行う必要がない。
【0063】
以上で、降車駅記憶処理(S10)は終了する。
【0064】
以上のように、この降車駅記憶処理(S10)では、列車の車内放送装置から提供された駅情報一覧141に対して適正な降車情報が既にRAM140に記憶されている場合(S12でYESの場合)には、この処理は直ちに終了し、適正な降車情報がRAM140に記憶されていないが、フラッシュROM150に登録されている場合(S14でYESの場合)には、このフラッシュROM150に登録されている降車情報152がRAM140に記憶される(S15)。さらに、適正な降車情報がRAM140及びROM150に記憶等されていない場合には、停車駅の一覧を表示し(S18)、降車駅の指定を促す。そして、降車駅が指定されれば、この降車駅の駅情報が降車駅情報として、RAM140に記憶すると共に(S20)、乗客Gの要望に応じて、フラッシュROM150に登録する(S22)。
【0065】
なお、この降車駅記憶処理(S10)で、最初に、降車駅情報がRAM140に記憶されているか否かを判断するのは(S11)、図4を用いて前述したように、駅出発直後に、車内放送装置から同じ駅一覧情報が複数回提供されるという理由と、停車駅毎に車内放送装置から駅一覧情報が提供されるという理由に基づく。すなわち、駅出発直後に、車内放送装置から同じ駅一覧情報が複数回提供される過程で、乗客が、駅一覧情報の最初の提供時点で、降車駅情報の記憶指示を行った場合、以降、繰返し提供される同じ駅一覧情報に対して、ステップ12〜ステップ22の処理を繰り返さないためである。また、乗客Gが、列車に乗り込んだ直後に降車駅情報の記憶指示を行った場合、降車駅に到着するまでの各停車駅を出発するたびに提供される駅一覧情報に対して、ステップ12〜ステップ22の処理を繰り返さないためである。
【0066】
再び、図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0067】
ステップ3で、データ振分け部121が受信した通信フレームの用途種別が次停車駅情報であると判断し、次停車駅情報を判断結果と共に、記憶処理部122に渡すと、この記憶処理部122は、降車駅情報がRAM140に記憶されているか否かを判断する。降車駅情報が記憶されていない場合には、一連の処理を終了する。
【0068】
また、降車駅情報が記憶されている場合には、比較部123は、この降車駅情報と次停車駅情報とを比較する(S5)。比較部123は、まず、降車駅情報と次停車駅情報との一致性を判断する。この場合、降車駅情報が示す停車駅と次停車駅情報が示す停車駅とが一致しているか否かを判断する。一致性を判断する場合、各駅情報中の駅IDが一致しているか、又は各駅情報中の駅順番号が一致しているかを判断する。駅IDは、その駅固有の情報であるため、駅IDが一致していれば、次停車駅が確実に降車駅であると判断できる。一方、駅順番号は、その駅固有の情報ではなく、路線等が異なる場合には、駅が異なっていても同じ駅順番号が付されることがある。しかし、図7中のステップ12,14で適正であると判断された降車駅情報、又は、乗客Gが列車に乗り込んだ後に設定した降車駅情報に含まれている駅順番号は、乗客Gが乗っている列車に限っては、停車駅を一意に示すものであり、次停車駅情報に含まれている駅順番号に関しても、乗客Gが乗っている列車に限っては、停車駅を一意に示すものである。したがって、降車駅情報中の駅順番号と次停車駅情報中の駅順番号とが一致している場合でも、次停車駅が降車駅であると確実に判断できる。
【0069】
比較部123は、降車駅情報が示す停車駅と次停車駅情報が示す停車駅とが一致していると判断すると、音声制御部124、表示制御部125、バイブレータ制御部126のそれぞれに対して、降車通知指示を与える。この結果、音声制御部124は、次の停車駅で降車すべき旨の音声データを作成し、ヘッドホン70からその旨を出力させる。また、表示制御部125は、次の停車駅で降車すべき旨の表示データを作成し、図8に示すように、表示装置164に降車通知画面165dを表示させる。また、バイブレータ制御部126は、バイブレータ166に駆動信号を出力し、バイブレータ166を駆動させる。
【0070】
ステップ5で、比較部123は、降車駅情報と次停車駅情報との一致性が無いと判断した場合、降車駅情報中の駅順番号と次停車駅情報中の駅順番号との大小関係を比較する。
【0071】
比較部123は、降車駅情報中の駅順番号が次停車駅情報中の駅順番号より小さいと判断すると、音声制御部124、表示制御部125、バイブレータ制御部126のそれぞれに対して、乗り越し通知指示を与える。この結果、音声制御部124は、乗り越しである旨の音声データを作成し、ヘッドホン70からその旨を出力させる。また、表示制御部125は、乗り越しである旨の表示データを作成し、図8に示すように、表示装置164に乗り越し通知画面165eを表示させる。また、バイブレータ制御部126は、バイブレータ166に駆動信号を出力し、バイブレータ166を駆動させる。
【0072】
また、比較部123は、次停車駅情報中の駅順番号が降車駅情報中の駅順番号より小さいと判断すると、音声制御部124、表示制御部125のそれぞれに対して、降車までの駅通知指示と共に、両順番号の差を与える。この結果、音声制御部124は、降車駅までの駅数(両順番号の差)を示す音声データを作成し、ヘッドホン70からその旨を出力させる。また、表示制御部125は、降車駅までの駅数を示す表示データを作成し、図8に示すように、表示装置164に降車前通知画面165fを表示させる。なお、比較部123は、降車駅情報中の駅順番号が次停車駅情報中の駅順番号より小さいと判断した場合も、表示制御部125に、乗り越し通知指示と共に両順番号の差を与え、乗り越し駅数を表示させるようにしてもよい。
【0073】
以上のように、本実施形態よれば、車内放送受信装置100の利用者は、極めて簡単に降車駅を設定することができる。また、本実施形態では、従来技術のように、駅構内が混雑していない、携帯端末で切符予約をしているといった環境下でなくても、車内放送受信装置100の利用者が列車に乗り込めば、降車通知等のサービスを受けることができる。
【0074】
なお、以上の実施形態は、不揮発性の記憶手段として、フラッシュROMを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の不揮発性の記憶装置を用いてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、出力手段として、表示装置164、バイブレータ166、ヘッドホン70を備えているが、これらのうち、出力手段として表示装置164のみを備えていてもよい。但し、利用者に対して各種出力手段で降車通知等を行うことで、確実に利用者に降車等を通知できるので、本実施形態のように、複数種類の出力手段を備えていることが好ましい。
【0076】
また、以上の実施形態では、ミキシング装置に、記憶処理部122や比較部123等の諸機能を設けて、本発明に係る車内放送受信装置を構成しているが、携帯電話等のその他の携帯端末に、車内放送を受信できる機能や、記憶処理部122や比較部123等の諸機能を設けることでも、本発明に係る車内放送受信装置を構成できることは言うまでもない。
【0077】
さらに、以上の実施形態は、本発明を列車の車両内放送に適用した例であるが、バスや船舶等の他の公共交通機関の車両内放送に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1:列車、1a,1b,1c:車両、2:車掌室、10:放送卓、11:受信部、12:CPU、12a:放送制御部、15:出力部、16:補助記憶装置、16a:駅情報ファイル、16b:アナウンス音声データ、16c:放送制御プログラム、17:マイク、18:音声変調器、19:信号ケーブル、20:信号処理装置、22:音声復調器、30:スピーカーアンプ、31:スピーカー、40:無線装置、50:運行状況管理装置、60:携帯オーディオプレーヤー、70:ヘッドホン、100:車内放送受信装置、110:受信部、120:CPU、121:データ振分け部、122:記憶処理部、123:比較部、124:音声制御部、125:表示制御部、126:バイブレータ制御部、140:RAM、141:駅一覧情報、142,152:降車駅情報、150:フラッシュROM、159:受信処理プログラム、161:音声復調器、162:ミキシング・アンプ、164:表示装置、166:バイブレータ、172:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内での無線放送を受信する車内放送受信装置において、
表示手段を含む1以上の出力手段と、
入力手段と、
記憶手段と、
前記車両の停車ポイント名と当該停車ポイント固有の予め定められたポイント識別子とを含むポイント情報の束であって、該車両がこれから停車する全ての停車ポイントのポイント情報の束であるポイント一覧情報を受信すると共に、該車両の次の停車ポイント名と該次の停車ポイントのポイント識別子とを含むポイント情報である次停車ポイント情報を受信する車内放送受信手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ポイント一覧情報に含まれる全ての停車ポイント名を含むポイント一覧表示データを作成し、該ポイント一覧表示データを前記表示手段に表示させる出力制御手段と、
前記車内放送受信手段が受信した前記ポイント一覧情報を前記記憶手段に記憶すると共に、前記表示手段に表示された停車ポイント名のうちのいずれかの停車ポイント名を降車ポイント名として、前記入力手段により指定されると、指定された停車ポイント名に対応するポイント情報を降車ポイント情報として、前記記憶手段に記憶する記憶処理手段と、
前記車内放送受信手段が前記次停車ポイント情報を受信すると、該次停車ポイント情報と、前記記憶手段に記憶されている前記降車情報とを比較する比較手段と、
を備え、
前記出力制御手段は、前記比較手段により、前記車内放送受信手段が受信した前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと、前記記憶手段に記憶されている前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致していると判断されると、前記1以上の出力手段のうちの少なくとも一の出力手段に、次が降車ポイントである旨を出力させる、
を備えていることを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車内放送受信装置において、
前記記憶手段は、第一記憶手段と不揮発性の第二記憶手段とを有し、
前記記憶処理手段は、
前記表示手段に表示された停車ポイント名のうちのいずれかの停車ポイント名を降車ポイント名として、前記入力手段により指定されると、指定された停車ポイント名に対応するポイント情報を降車ポイント情報として、前記第一記憶手段に記憶し、
前記第一記憶手段に記憶した前記降車ポイント情報の登録を前記入力手段により指示されると、該降車ポイント情報を前記第二記憶手段に記憶し、
前記第一記憶手段に前記降車ポイント情報が記憶されていない場合又は該第一記憶手段に記憶されている降車ポイント情報が前記ポイント一覧情報中に含まれていない場合であって、前記第二記憶手段に記憶されている降車ポイント情報が前記ポイント一覧情報中に含まれている場合には、該第二記憶手段に記憶されている該降車ポイント情報を前記第一記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車内放送受信装置において、
前記記憶処理手段は、前記第一記憶手段に前記降車ポイント情報が記憶されていない場合又は該第一記憶手段に記憶されている降車ポイント情報が前記ポイント一覧情報中に含まれていない場合であって、前記第二記憶手段に記憶されている降車ポイント情報が前記ポイント一覧情報中に含まれていない場合、前記出力制御手段により、前記ポイント一覧表示データを前記表示手段に表示させて、前記入力手段による降車ポイント名の指定を促す、
ことを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車内放送受信装置において、
前記第一記憶手段に前記降車ポイント情報が記憶されていない場合又は該第一記憶手段に記憶されている降車ポイント情報が前記ポイント一覧情報中に含まれていない場合であって、前記第二記憶手段に記憶されている降車ポイント情報が前記ポイント一覧情報中に含まれていない場合、前記出力制御手段は、車両乗り誤りである旨を示す乗り誤り表示データを作成し、該乗り誤り表示データを前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の車内放送受信装置において、
前記ポイント一覧情報中の全てのポイント情報、及び前記次停車ポイント情報には、停車順を示すポイント順番号を含み、
前記比較手段は、前記車内放送受信手段が受信した前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと、前記記憶手段に記憶されている前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致するか否かを判断すると共に、該次停車ポイント情報中のポイント順番号と該降車ポイント情報中のポイント順番号との大小を比較し、
前記出力制御手段は、前記比較手段により、前記車内放送受信手段が受信した前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと、前記記憶手段に記憶されている前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致せず、且つ該降車ポイント情報中のポイント順番号が該次停車ポイント情報中のポイント順番号より小さいと判断されると、前記1以上の出力手段のうちの少なくとも一の出力手段に、乗り越しである旨を出力させる、
を備えていることを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車内放送装置において、
前記出力制御手段は、前記比較手段により、前記車内放送受信手段が受信した前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと、前記記憶手段に記憶されている前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致せず、且つ該降車ポイント情報中のポイント順番号が該次停車ポイント情報中のポイント順番号より小さいと判断されると、前記表示手段に、該降車ポイント情報中のポイント順番号とから求められる乗り越し停車ポイント数を表示させる、
ことを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の車内放送受信装置において、
前記ポイント一覧情報中の全てのポイント情報、及び前記次停車ポイント情報には、停車順を示すポイント順番号を含み、
前記比較手段は、前記車内放送受信手段が受信した前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと、前記記憶手段に記憶されている前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致するか否かを判断すると共に、該次停車ポイント情報中のポイント順番号と該降車ポイント情報中のポイント順番号との大小を比較し、
前記出力制御手段は、前記比較手段により、前記車内放送受信手段が受信した前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと、前記記憶手段に記憶されている前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致せず、且つ該次停車ポイント情報中のポイント順番号が該降車ポイント情報中のポイント順番号より小さいと判断されると、前記表示手段に、該次停車ポイント情報中のポイント順番号と該降車ポイント情報中のポイント順番号とから求められる降車ポイントまでの停車ポイント数を表示させる、
ことを特徴とする車内放送受信装置。
【請求項8】
車両内で無線放送を行う無線放送手段を備えている車内放送装置において、
前記車両の停車ポイント名と、当該停車ポイント固有の予め定められたポイント識別子と、当該停車ポイントの停車順を示すポイント順番号とを含むポイント情報を、該車両の全ての停車ポイント毎に記憶しているポイント情報記憶手段と、
前記車両の位置情報を受け付ける位置情報受付手段と、
前記位置情報受付手段が受け付けた前記位置情報が、前記車両が停車ポイントに停車中である、又は停車ポイントから出発してから予め定められた時間又は距離以内であることを示す場合に、前記ポイント情報記憶手段に記憶されている前記ポイント情報のうち、次に停車するポイントから終点ポイントまでの各停車ポイント毎のポイント情報の束であるポイント一覧情報を前記無線放送手段に無線放送させ、該位置情報受付手段が受け付けた該位置情報が、現在位置から次の停車ポイントまでの時間又は距離が予め定められた値以下であることを示す場合に、該ポイント情報記憶手段に記憶されている該ポイント情報のうち、該次の停車ポイントのポイント情報を次停車ポイント情報として前記無線放送手段に無線放送させる放送制御手段と、
を備えていることを特徴とする車内放送装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の車内放送受信装置と、
請求項8に記載の車内放送装置と、
を備えていることを特徴とする車内放送システム。
【請求項10】
車内放送装置で車両内で無線放送を行う車内放送方法において、
前記車内放送装置は、
前記車両の停車ポイント名と、当該停車ポイント固有の予め定められたポイント識別子と、当該停車ポイントの停車順を示すポイント順番号とを含むポイント情報を、該車両の全ての停車ポイント毎に予め記憶しており、
前記車両の位置情報を受け付ける位置情報受付ステップと、
前記位置情報受付ステップで受け付けた前記位置情報が、前記車両が停車ポイントに停車中である、又は停車ポイントから出発してから予め定められた時間又は距離以内であることを示す場合に、予め記憶している前記ポイント情報のうち、次に停車するポイントから終点ポイントまでの各停車ポイント毎のポイント情報の束であるポイント一覧情報を無線放送し、該位置情報受付ステップで受け付けた該位置情報が、現在位置から次の停車ポイントまでの時間又は距離が予め定められた値以下であることを示す場合に、該予め記憶しているポイント情報のうち、該次の停車ポイントのポイント情報を次停車ポイント情報として無線放送する放送ステップと、
を実行することを特徴とする車内放送方法。
【請求項11】
請求項10に記載の車内放送方法において、
前記車内放送装置からの無線放送を受信する車内放送受信装置は、
表示手段を含む1以上の出力手段と、入力手段とを備え、
前記車内放送装置からの前記ポイント一覧情報を受信するポイント一覧受信ステップと、
前記ポイント一覧受信ステップで受信した前記ポイント一覧情報を記憶するポイント一覧記憶ステップと、
前記ポイント一覧情報に含まれる全ての停車ポイント名を含むポイント一覧表示データを作成し、該ポイント一覧表示データを前記表示手段に表示させる表示ステップと、
前記表示手段に表示された停車ポイント名うちのいずれかの停車ポイント名の指定を前記入力手段により受け付ける降車ポイント受付ステップと、
前記降車ポイント受付ステップで受け付けた前記停車ポイント名に対応するポイント情報を降車ポイント情報として、記憶する降車ポイント記憶ステップと、
前記車内放送装置からの前記次停車ポイント情報を受信する次停車ポイント受信ステップと、
前記次停車ポイント受信ステップで前記次停車ポイント情報を受信すると、該次停車ポイント情報と、記憶している前記降車情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップで、前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと前記降車ポイント情報とが示す停車ポイントとが一致していると判断されると、前記1以上の出力手段のうちの少なくとも一の出力手段に、次が降車ポイントである旨を出力させる降車通知ステップと、
を実行することを特徴とする車内放送方法。
【請求項12】
表示手段を含む1以上の出力手段と、入力手段と、記憶手段と、車両内での無線放送を受信する受信手段を備えている車内放送受信装置の受信処理プログラムにおいて、
前記車両の停車ポイント名と当該停車ポイント固有の予め定められたポイント識別子とを含むポイント情報の束であって、該車両がこれから停車する全ての停車ポイントのポイント情報の束であるポイント一覧情報を受信するポイント一覧受信ステップと、
前記ポイント一覧受信ステップで受信した前記ポイント一覧情報を前記記憶手段に記憶するポイント一覧記憶ステップと、
前記ポイント一覧情報に含まれる全ての停車ポイント名を含むポイント一覧表示データを作成し、該ポイント一覧表示データを前記表示手段に表示させる表示ステップと、
前記表示手段に表示された停車ポイント名うちのいずれかの停車ポイント名の指定を前記入力手段により受け付ける降車ポイント受付ステップと、
前記降車ポイント受付ステップで受け付けた前記停車ポイント名に対応するポイント情報を降車ポイント情報として、前記記憶手段に記憶する降車ポイント記憶ステップと、
前記車両の次の停車ポイント名と該次の停車ポイントのポイント識別子とを含むポイント情報である次停車ポイント情報を受信する次停車ポイント受信ステップと、
前記次停車ポイント受信ステップで前記次停車ポイント情報を受信すると、該次停車ポイント情報と、記憶している前記降車情報とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップで、前記次停車ポイント情報が示す停車ポイントと前記降車ポイント情報が示す停車ポイントとが一致していると判断されると、前記1以上の出力手段のうちの少なくとも一の出力手段に、次が降車ポイントである旨を出力させる降車通知ステップと、
前記車内放送受信装置に実行させることを特徴とする受信処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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