説明

車室内状態調整装置

【課題】ユーザーが車両に乗り込む前に、車室内の状態を常に適切な状態にすることができる車室内状態調整装置を提供すること。
【解決手段】車両側制御装置20のECU21は、携帯機10から予約信号を受信して、バッテリー残量が所定値に達していると判定した場合は、フル制御開始信号を携帯機10に対して送信し、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果に基づいて視界確保及び環境調整が必要であると判定すると、車室内状態を携帯機10に対して送信し、動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給して、車室内の環境が適切になるようにエアコン制御部29に対して空調指示信号を送信すると共に、窓ガラスの視界状態が適切になるようにエアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31に対して駆動信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーが車両に乗り込む前に、車室内の状態を調整する車室内状態調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の未使用時に車室内の状態を調整するものとして、特許文献1に示す空調装置があった。
【0003】
特許文献1に示す空調装置は、遠隔操作可能な操作装置と、車両の未使用時に操作装置からの指示に応じて空調機器を駆動し、車両の室内の換気および空調を制御する制御装置と、空調機器を駆動する電源とを備える。空調機器は、車両の室内の換気を行う第1装置と、冷凍サイクルを利用して車両の室内の空調を行う第2装置とを有する。そして、制御装置は、操作装置から空調機器の駆動指示を受けたとき、第1装置および第2装置の少なくとも1つを選択して制御する。このように、車両の未使用時に、遠隔操作により車両に搭載された空調機器を駆動して室内の温度を下げるに際し、室内の換気および空調の少なくとも1つを選択して制御可能にすることにより、無駄な消費電力を抑えるようにするものである。
【特許文献1】特開2004−256092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す空調装置は、車両の未使用時に室内の温度を下げるものにすぎない。
【0005】
ところが、車室内の状態は、例えば冬場などにおいては、車室内の温度が適切な温度よりも低かったり、窓ガラスが結露したりして、温度を下げるのみでは適切な状態にならない場合もありうる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、ユーザーが車両に乗り込む前に、車室内の状態を常に適切な状態にすることができる車室内状態調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の車室内状態調整装置は、車両に設けられる車両側制御装置と車両側制御装置と無線通信可能な指示装置とを備える車室内状態調整装置であって、指示装置は、ユーザーによる操作に応じて、車両の外部から車両側制御装置に対して車室内状態の調整の予約を示す予約信号を送信するものであり、車両側制御装置は、指示装置から送信された予約信号を受信可能な通信手段と、車両の窓ガラスの視界状態を検出する視界状態検出手段と、車両の車室内の環境状態を検出する環境状態検出手段と、予約信号を受信すると、視界状態検出手段及び環境状態検出手段の検出結果に応じて、視界状態及び環境状態からなる車室内状態を調整する調整手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このように、予約信号を受信した場合は、車両の窓ガラスの視界状態及び車室内の環境状態を検出し、その検出結果に応じて視界状態及び環境状態を調整することによって、ユーザーが車両に乗り込む前に、視界状態及び環境状態を適切な状態することができるので、車室内の温度を下げる場合に限らず車室内の状態を常に適切な状態にすることができる。
【0009】
また、請求項2に示すように、調整手段は、車両のバッテリー残量を検出する残量検出手段を備えるものであり、残量検出手段の検出結果に応じて、視界状態及び環境状態の少なくとも一方の調整方法を切り替えるようにしてもよい。
【0010】
このようにすることによって、バッテリー残量に応じた適切な調整を行うことができるので好ましい。
【0011】
また、請求項3に示すように、調整手段は、環境状態を調整する場合、残量検出手段にて検出されたバッテリー残量が所定値に達している場合は空調装置を用いて環境状態を調整し、バッテリー残量が所定値に達していない場合は車両のパワーウインドウ又はシェードを開扉することによって環境状態を調整するようにしてもよい。
【0012】
このようにパワーウインドウ又はシェードを開扉することによっても、多少は環境状態を調整することができる。従って、請求項3に示すように、パワーウインドウ又はシェードを用いて環境状態を調整することによって、バッテリー容量不足によって車両が走行不能になることを抑制しつつ、環境状態を調整することができるので好ましい。
【0013】
また、請求項4に示すように、調整手段は、車両のバッテリー残量を検出する残量検出手段を備えるものであり、残量検出手段にて検出されたバッテリー残量が所定値に達している場合は、視界状態検出手段及び環境状態検出手段の検出結果に応じて視界状態及び環境状態の両方を調整し、バッテリー残量が所定値に達していない場合は、視界状態検出手段の検出結果に応じて視界状態のみを調整するようにしてもよい。
【0014】
このようにすることによって、バッテリー残量が所定値に達していない場合であっても、少なくとも視界状態を適切にすることができるので、ユーザーは、直ちに車両を発進させることができるので好ましい。
【0015】
また、請求項5に示すように、調整手段は、視界状態検出手段及び環境状態検出手段にて検出された視界状態及び環境状態を示す車室内状態信号を通信手段にて指示装置に送信するものであり、指示装置は、通信手段にて送信された車室内状態信号を出力する出力手段を備えるようにしてもよい。
【0016】
このようにすることによって、視界状態及び環境状態をユーザーに知らせることが出来るので好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の概略構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態における車室内状態調整装置は、無線通信可能な携帯機10と車両側制御装置20とを備えるものである。この車室内状態調整装置は、ユーザーが車両に乗り込む前に、車室内の状態を総合的に適切な状態に調整するものである。例えば、車室内の環境状態(温度や湿度)、窓ガラス(フロントガラス及びバックガラス)の視界状態を適切な状態に調整するものである。
【0019】
携帯機10は、本発明の指示装置に相当するものであり、CPUやメモリなどを含み携帯機10の全般的な制御を行う制御部11、車両側制御装置20における車両側通信部22(図面上では、単に通信部と記載)との間で無線通信を行う携帯機側通信部12(図面上では、単に通信部と記載)、ユーザーによって操作されるものであり予約信号の送信を指示する指示部13、所望の情報を表示する液晶ディスプレイなどを含む表示部14などを備える。
【0020】
通常、車室内の状態は、車両がおかれている環境によって変わるものである。例えば、車室内の温度が適切な温度よりも高かったり、車室内の温度が適切な温度よりも低かったり、フロントガラスが結露したり、フロントガラスに霜が付いたりなどする。このような状態の車両においては、ユーザーが乗車して適切な状態になるまで時間がかかるものである。予約信号は、このような状態の車両において、ユーザーが車両に乗車する前(乗り込む前、つまり車両の未使用時)に車室内の状態が適切になるように装置(シェード、パワーウインドウ、エアコン、デフォッガ、デアイサなど)が動作するように予約するためのものである。つまり、予約信号は、車両側制御装置20に対して車室内状態の調整の予約を示すものである。なお、この予約信号に基づく車両側制御装置20の処理動作に関しては後ほど詳しく説明する。
【0021】
なお、本実施の形態においては、本発明の指示装置の一例として携帯機10を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、パソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)など、車両の外部から車両側制御装置20における車両側通信部22と無線通信が可能なものであれば本発明の目的は達成できるものである。また、携帯機10などの指示装置と車両側通信部22とは、赤外線やインターネット網を介して行われる無線通信であればよい。
【0022】
車両側制御装置20は、車両に設けられるものであり、ECU21、車両側通信部22、視界検出部23、環境検出部24、電源検出部25、D席シート制御部26、シェード制御部27、P/W制御部28、エアコン制御部29、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31などを備えるものである。
【0023】
ECU(Electronic Control Unit)21は、CPUやメモリなどを含み車両側制御装置20の全般的な制御を行うものである。例えば、ECU21は、携帯機側通信部12から送信された予約信号と車両の視界検出部23、環境検出部24からの検出信号とに基づいて、エアコン制御部29を駆動制御する。
【0024】
車両側通信部22(図面上では、単に通信部と記載)は、本発明における車両側通信手段に相当するものであり、携帯機側通信部12との間で無線通信を行い、受信した信号(予約信号)をECU21に出力するものである。
【0025】
視界検出部23は、車両の窓ガラス(フロントガラス及びバックガラス)の視界状態を検出し、その検出結果をECU21へ出力するものである。この視界検出部23として、例えば、窓ガラス表面(主結露面)に配置され結露状態に応じた電気抵抗値の変化によって結露を検出する結露センサや、窓ガラスに赤外線を発光する投光器と窓ガラスからの反射光(赤外線)を受光器とを備え受光器での検出結果に基づいて視界状態を検出する赤外線センサなどを備えるものである。なお、視界検出部23は、窓ガラスの視界状態(窓ガラスに結露、霜などが生じているか否かなど)を検出できるものであれば特に限定されるものではない。
【0026】
環境検出部24は、車両の車室内の環境状態を検出し、その検出結果をECU21へ出力するものである。この環境検出部24としては、例えば、サーミスター等により構成され車室内の温度を検出する車室内温度センサ、サーミスター等により構成され車室外の温度を検出する車室外温度センサ、誘電体としての高分子膜を一対の電極板で挟んで構成され車室内の湿度を検出する車室内湿度センサ、フォトダイオード等の光検出手段等により構成され太陽からの日射量を検出する日射センサなどを備えるものである。
【0027】
電源検出部25は、車両に搭載されているバッテリーの残量を検出し、その検出結果をECU21へ出力するものである。この電源検出部25としては、例えば、バッテリーの電解液の比重またはバッテリー全体の重量を測定して充電容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して充電容量を検出するものや、バッテリーの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し、内部抵抗を測ることにより充電容量を検出するものなどを採用することができる。
【0028】
D席(運転席)シート制御部26は、モータなどを備え、ECU21からの駆動信号に基づいて、車両のD席シートを駆動制御するものである。D席シート制御部26は、例えば、D席シートを車両の進行方向に対して前後方向に移動したりする。
【0029】
シェード制御部27は、モータなどを備え、ECU21からの制御信号に基づいて車両のシェードの開閉を駆動制御するものである。換言すると、シェード制御部27は、車室内状態(環境状態)を調整する調整装置の一部である。P/W(パワーウインドウ)制御部28は、モータなどを備え、ECU21からの制御信号に基づいて車両ドアのパワーウインドウの開閉を駆動制御するものである。換言すると、P/W制御部28は、車室内状態(環境状態)を調整する調整装置の一部である。
【0030】
エアコン制御部29は、ECU21からの制御信号に基づいて空調装置を駆動制御することによって、車室内の温度、湿度を調整すると共に、結露や霜などを取り除くためにフロントガラスに空調空気を送風(デフロスタ)するものである。なお、空調装置に関しては、周知技術であるため詳しい説明は省略する。換言すると、エアコン制御部29は、車室内状態(環境状態、視界状態)を調整する調整装置の一部である。
【0031】
デフォッガ制御部30は、窓ガラスの視界状態を適切な状態に調整するものであり、ECU21からの制御信号に基づいてバックガラスに設けられた熱線への通電を制御するものである(防曇装置)。換言すると、デフォッガ制御部30は、車室内状態(視界状態)を調整する調整装置の一部である。
【0032】
デアイサ制御部31は、窓ガラスの視界状態を適切な状態に調整するものであり、ECU21からの制御信号に基づいてフロントガラス及びバックガラスの少なくとも一方の下端部に設けられたデアイサへの通電を制御するものである(氷結除去装置)。換言すると、デアイサ制御部31は、車室内状態(視界状態)を調整する調整装置の一部である。
【0033】
ここで、本実施の形態における車両シート制御装置の処理動作に関して説明する。図2は、本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の処理動作を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の限定制御処理を示すフローチャートである。この図2に示すフローチャートは、車両側制御装置20に電源が供給されている間に実行されるものである。
【0034】
まず、ステップS10では、車両側制御装置20のECU21は、車両側通信部22(通信手段)にて携帯機10からの予約信号の受信を確認する。そして、ステップS11では、車両側制御装置20のECU21は、予約信号を受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合はステップS12へ進み、受信していないと判定した場合はステップS10での処理を繰り返す。なお、携帯機10の制御部11は、ユーザーによって指示部13(操作手段)が操作されると、携帯機側通信部12から予約信号を送信する(指示装置側通信手段)ものである。
【0035】
ステップS12では、車両側制御装置20のECU21は、電源検出部25にて電源(バッテリー)状態を確認する(残量検出手段)。これは、車両に搭載されたバッテリーのバッテリー残量に応じて環境状態の調整方法を切り替えるためである。つまり、ユーザーが車両に乗り込む前(車両の未使用時)に車室内の環境状態を適切な状態に調整する場合、バッテリー残量によっては、バッテリーがあがってしまい車両を発進させることができなくなる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、バッテリー残量に応じて、環境状態の調整方法、つまり制御対象を切り替えるものである。
【0036】
ステップS13では、車両側制御装置20のECU21は、ステップS12での確認結果に基づいて電源状態がOKであるか否か、すなわち、バッテリー残量が所定値に達しているか否かを判定する。そして、車両側制御装置20のECU21は、バッテリー残量が所定値に達しており電源状態がOKであると判定した場合はステップS14へ進み、バッテリー残量が所定値に達しておらず電源状態がOKでないと判定した場合は図3に示す限定制御のフローへ進む。なお、バッテリー残量が所定値に達している場合の制御をフル制御、バッテリー残量が所定値に達していない場合の制御を限定制御とも称する。
【0037】
ステップS14では、車両側制御装置20のECU21は、車両側通信部22にてフル制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを示すフル制御開始信号を携帯機10に対して送信する。このフル制御開始信号を受信した携帯機10は、表示部14にてフル制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを表示する。このようにすることによって、ユーザーに対して、フル制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを知らせることができるので好ましい。なお、ステップS14の処理に関しては、省略することも可能である。
【0038】
ステップS15では、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24によって窓ガラスの視界状態及び車室内の環境状態を検出する(視界状態検出手段、環境状態検出手段)。そして、ステップS16では、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23による検出結果に基づいて視界確保が必要であるか否かを判定する。つまり、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23からの検出結果(検出信号)が所定値に達しているか否かに基づいて視界確保が必要であるか否かを判定するものである。そして、車両側制御装置20のECU21は、視界確保が必要であると判定した場合はステップS17へ進み、視界確保が必要でないと判定した場合はステップS28へ進む。
【0039】
ステップS17では、車両側制御装置20のECU21は、環境検出部24による検出結果に基づいて環境調整が必要であるか否かを判定する。つまり、車両側制御装置20のECU21は、環境検出部24からの検出結果(検出信号)が所定値に達しているか否かに基づいて環境調整が必要であるか否かを判定するものである。そして、車両側制御装置20のECU21は、環境調整が必要であると判定した場合はステップS18へ進み、環境調整が必要でないと判定した場合はステップS25へ進む。
【0040】
ステップS18では、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。この車室内状態信号を受信した携帯機10は、表示部14にて視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を表示する。このようにすることによって、ユーザーに対して、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を知らせることができるので好ましい。なお、ステップS18の処理に関しては、省略することも可能である。
【0041】
ステップS19では、車両側制御装置20のECU21は、ステップS16及びステップS17での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。
【0042】
ステップS20では、車両側制御装置20のECU21は、車室内の温度及び湿度が適切になるように、つまり環境検出部24の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29に対して空調指示信号(制御信号)を送信する(調整手段)。そして、エアコン制御部29は、空調指示信号(制御信号)に基づいて空調装置を駆動制御することによって車室内の温度、湿度を調整する(調整手段)。これによって、ユーザーが車両に乗車する際の車室内の環境(温度、湿度)を適切にすることができる。
【0043】
ステップS21では、車両側制御装置20のECU21は、窓ガラスの視界状態が適切になるように(視界が良くなるように)、つまり視界検出部23の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31に対して駆動信号(制御信号)を送信する(調整手段)。そして、エアコン制御部29は、駆動信号(制御信号)に基づいて空調装置を駆動制御することによってフロントガラスに空調空気を送風する(調整手段)。また、デフォッガ制御部30は、駆動信号(制御信号)に基づいてバックガラスに設けられた熱線へ通電する(調整手段)。また、デアイサ制御部31は、駆動信号(制御信号)に基づいてフロントガラス及びバックガラスの少なくとも一方の下端部に設けられたデアイサへ通電する(調整手段)。これによって、ユーザーが車両に乗車する際の窓ガラスの視界を適切にすることができる。
【0044】
なお、視界状態を調整する場合、エアコン制御部29、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31の全てを用いる必要はなく、視界検出部23の検出結果に応じて、エアコン制御部29、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31のいずれかを用いて視界状態を調整すればよいものである。
【0045】
ステップS22では、車両側制御装置20のECU21は、ドアカーテシ(図示省略)などを用いてD席(運転席)ドアの開閉状態を確認する。そして、ステップS23では、車両側制御装置20のECU21は、ドア開と判定した場合はステップS24へ進み、ドア開でないと判定した場合はステップS22へ戻る。
【0046】
ステップS24では、車両側制御装置20のECU21は、D席(運転席)シート制御部26に対してD席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動することを指示するシートスライド指示信号(駆動信号)を送信する。そして、D席シート制御部26は、ECU21からの駆動信号に基づいて、モータなどを駆動することによって、D席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動させる。
【0047】
一方、ステップS17での判定において環境調整は必要ないと判定した場合、つまり、視界確保は必要であるが環境調整は必要ないと判定した場合はステップS25〜ステップS27の処理を実行してステップ22へ進むこととなる。
【0048】
ステップS25では、上述のステップS18での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。ステップS26では、上述のステップS19での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ステップS16及びステップS17での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。ステップS27では、上述のステップS21での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、窓ガラスの視界状態が適切になるように(視界が良くなるように)、つまり視界検出部23の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31に対して駆動信号(制御信号)を送信する(調整手段)。
【0049】
また、ステップS16での判定において視界確保は必要ないと判定した場合はステップS28〜ステップS31の処理を実行してステップ22へ進むこととなる。
【0050】
ステップS28では、上述のステップS17での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、環境検出部24による検出結果に基づいて環境調整が必要であるか否かを判定し、環境調整が必要であると判定した場合はステップS29へ進み、環境調整が必要でないと判定した場合はステップS22へ進む。
【0051】
ステップS29では、上述のステップS18での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。ステップS30では、車両側制御装置20のECU21は、ステップS16及びステップS28での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。ステップS31では、上述のステップS20での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、車室内の温度及び湿度が適切になるように、つまり環境検出部24の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29に対して空調指示信号(制御信号)を送信する(調整手段)。
【0052】
このように、予約信号を受信した場合は、車両の窓ガラスの視界状態及び車室内の環境状態を検出し、その検出結果に応じて視界状態及び環境状態を調整することによって、ユーザーが車両に乗り込む前に、視界状態及び環境状態を適切な状態することができるので、車室内の温度を下げる場合に限らず車室内の状態を常に適切な状態にすることができる。
【0053】
また、このように、バッテリー残量が所定値に達している場合は、車室内の環境状態を調整する際に消費電力が大きいエアコン制御部29(空調装置)を用いる(フル制御)。一方、バッテリー残量が所定値に達していない場合は、後ほど説明するように、車室内の環境状態を調整する際に消費電力が大きいエアコン制御部29(空調装置)を用いることなく、消費電力が小さいシェード制御部27(シェード)やP/W制御部28(P/W)を用いる(限定制御)。
【0054】
ここで、この限定制御に関して説明する。図3は、本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の限定制御処理を示すフローチャートである。
【0055】
この限定制御は、バッテリー残量が少ない場合であっても、車両を発進させることが出来なくなることを抑制しつつ、ユーザーが車両に乗り込む前(車両の未使用時)に車室内の環境状態(温度)を適切な状態に調整するための制御である。
【0056】
ステップS40では、車両側制御装置20のECU21は、車両側通信部22にて限定制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを示す限定制御開始信号を携帯機10に対して送信する。この限定制御開始信号を受信した携帯機10は、表示部14にて限定制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを表示する。このようにすることによって、ユーザーに対して、限定制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを知らせることができるので好ましい。なお、ステップS40の処理に関しては、省略することも可能である。
【0057】
ステップS41では、上述のステップS15と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24によって窓ガラスの視界状態及び車室内の環境状態を検出する(視界状態検出手段、環境状態検出手段)。そして、ステップS42では、上述のステップS16と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23による検出結果に基づいて視界確保が必要であるか否かを判定する。そして、車両側制御装置20のECU21は、視界確保が必要であると判定した場合はステップS43へ進み、視界確保が必要でないと判定した場合はステップS57へ進む。
【0058】
ステップS43では、上述のステップS17と同様に、車両側制御装置20のECU21は、環境検出部24による検出結果に基づいて環境調整が必要であるか否かを判定する。そして、車両側制御装置20のECU21は、環境調整が必要であると判定した場合はステップS44へ進み、環境調整が必要でないと判定した場合はステップS51へ進む。
【0059】
ステップS44では、上述のステップS18と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。
【0060】
ステップS45では、車両側制御装置20のECU21は、ステップS42及びステップS43での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。
【0061】
ステップS46では、上述のステップS21と同様に、車両側制御装置20のECU21は、窓ガラスの視界状態が適切になるように(視界が良くなるように)、つまり視界検出部23の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31に対して駆動信号(制御信号)を送信する(調整手段)。これによって、ユーザーが車両に乗車する際の窓ガラスの視界を適切にすることができる。
【0062】
ステップS47では、上述のステップS22と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドアカーテシ(図示省略)などを用いてD席(運転席)ドアの開閉状態を確認する。そして、ステップS48では、上述のステップS23と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドア開と判定した場合はステップS49へ進み、ドア開でないと判定した場合はステップS47へ戻る。
【0063】
ステップS49では、上述のステップS24と同様に、車両側制御装置20のECU21は、D席(運転席)シート制御部26に対してD席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動することを指示するシートスライド指示信号(駆動信号)を送信する。
【0064】
ステップS50では、車両側制御装置20のECU21は、車室内の温度が適切に近づくように、つまり環境検出部24の検出結果が設定値に近づくように、シェード制御部27もしくはP/W制御部28に対して開指示信号(制御信号)を送信する(調整手段)。
【0065】
具体的には、車室内の温度が設定値よりも高い場合は、P/W制御部28に対してパワーウインドウを開扉することを示す開指示信号(制御信号)を出力する(調整手段)。そして、P/W制御部28は、開指示信号(制御信号)に基づいて、モータなどを駆動することによって、パワーウインドウを開扉する(調整手段)。このように、パワーウインドウを開扉することによって、車室内を換気することができるので、車室内の温度を下げることが出来る。
【0066】
また、車室内の温度が設定値よりも低い場合は、シェード制御部27に対してシェードを開扉することを示す開指示信号(制御信号)を出力する(調整手段)。そして、シェード制御部27は、開指示信号(制御信号)に基づいて、モータなどを駆動することによって、シェードを開扉する(調整手段)。このように、シェードを開扉することによって、車室内に日が差し込むようにすることができるので、車室内の温度を上げることが出来る。これによって、あまり消費電力をようすることなくユーザーが車両に乗車する際の車室内の環境(温度や湿度)を適切にすることができる。
【0067】
一方、ステップS43での判定において環境調整は必要ないと判定した場合、つまり、視界確保は必要であるが環境調整は必要ないと判定した場合はステップS51〜ステップS56の処理を実行することとなる。
【0068】
ステップS51では、上述のステップS18での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。ステップS52では、上述のステップS45での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ステップS42及びステップS43での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。ステップS53では、上述のステップS21での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、窓ガラスの視界状態が適切になるように(視界が良くなるように)、つまり視界検出部23の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31に対して駆動信号(制御信号)を送信する(調整手段)。
【0069】
ステップS54では、上述のステップS22と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドアカーテシ(図示省略)などを用いてD席(運転席)ドアの開閉状態を確認する。そして、ステップS55では、上述のステップS23と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドア開と判定した場合はステップS56へ進み、ドア開でないと判定した場合はステップS54へ戻る。ステップS56では、上述のステップS24と同様に、車両側制御装置20のECU21は、D席(運転席)シート制御部26に対してD席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動することを指示するシートスライド指示信号(駆動信号)を送信する。
【0070】
また、ステップS42での判定において視界確保は必要ないと判定した場合はステップS57〜ステップS66の処理を実行することとなる。
【0071】
ステップS57では、上述のステップS17での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、環境検出部24による検出結果に基づいて環境調整が必要であるか否かを判定し、環境調整が必要であると判定した場合はステップS58へ進み、環境調整が必要でないと判定した場合はステップS64へ進む。
【0072】
ステップS58では、上述のステップS18での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。ステップS59では、車両側制御装置20のECU21は、ステップS42及びステップS57での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。
【0073】
ステップS60では、上述のステップS22と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドアカーテシ(図示省略)などを用いてD席(運転席)ドアの開閉状態を確認する。そして、ステップS61では、上述のステップS23と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドア開と判定した場合はステップS62へ進み、ドア開でないと判定した場合はステップS60へ戻る。ステップS62では、上述のステップS24と同様に、車両側制御装置20のECU21は、D席(運転席)シート制御部26に対してD席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動することを指示するシートスライド指示信号(駆動信号)を送信する。
【0074】
ステップS63では、上述のステップS50での処理と同様に、車両側制御装置20のECU21は、車室内の温度が適切に近づくように、つまり環境検出部24の検出結果が設定値に近づくように、シェード制御部27もしくはP/W制御部28に対して開指示信号(制御信号)を送信する(調整手段)。
【0075】
また、ステップS57での判定において環境調整は必要ないと判定した場合、つまり、視界確保も環境調整は必要ないと判定した場合はステップS64〜ステップS66の処理を実行することとなる。
【0076】
ステップS64では、上述のステップS22と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドアカーテシ(図示省略)などを用いてD席(運転席)ドアの開閉状態を確認する。そして、ステップS65では、上述のステップS23と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドア開と判定した場合はステップS66へ進み、ドア開でないと判定した場合はステップS64へ戻る。ステップS66では、上述のステップS24と同様に、車両側制御装置20のECU21は、D席(運転席)シート制御部26に対してD席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動することを指示するシートスライド指示信号(駆動信号)を送信する。
【0077】
上述のように、限定制御においては、環境状態を調整する必要がある場合、エアコン制御部29(空調装置)を用いる代わりに、消費電力の小さいシェード制御部27(シェード)やP/W制御部28(P/W)を用いて車室内の環境(温度)を調整するものである。
【0078】
このように、パワーウインドウ又はシェードを開扉することによっても、環境状態を調整することができる。従って、パワーウインドウ又はシェードを用いて環境状態を調整することによって、バッテリー容量不足によって車両が走行不能になることを抑制しつつ、ユーザーが車両に乗り込む前に環境状態を調整することができるので好ましい。
【0079】
また、上述のように、バッテリー残量に応じてフル制御(空調装置を用いて環境状態を調整)と限定制御(シェードもしくはパワーウインドウを用いて環境状態を調整)を切り替えることによって、バッテリー残量に応じた適切な環境調整ができるので好ましい。
【0080】
また、上述の実施の形態においては、フル制御時及び限定制御時共に、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31を用いて視界状態を調整する例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、フル制御時は、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31を用いて視界状態を調整し、限定制御時は、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31のみを用いて視界状態を調整するようにしてもよい。このようにすることによって、バッテリー残量に応じた適切な視界状態の調整ができると共に、視界状態を調整する際にも空調装置を用いる必要がないので、より一層消費電力を抑えることができるので好ましい。
【0081】
なお、限定制御時においては、環境状態の調整方法のみを切り替えてもよいし、視界状態の調整方法のみを切り替えてもよいし、環境状態の調整方法及び視界状態の調整方法の両方を切り替えるようにしてもよい。
【0082】
なお、本実施の形態においては、上述のようにバッテリー残量に応じて視界状態及び環境状態の少なくとも一方の調整方法を切り替える例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、視界検出部23と環境検出部24の検出結果に基づいて、視界状態及び環境状態を調整するものであれば目的を達成できるものである。
【0083】
(変形例)
ここで、図4を用いて変形例に関して説明する。図4は、本発明の変形例における車室内状態調整装置の限定制御処理を示すフローチャートである。なお、変形例における車室内状態調整装置は、上述の実施の形態と同様であるため説明を省略する。上述の実施の形態と変形例とは、バッテリー残量が所定値に達している場合の制御は同一であり、バッテリー残量が所定値に達していない場合の制御が異なるものである。したがって、図4に示すフローは、図2のステップS13において、バッテリー残量が所定値に達していないと判定された場合にスタートする。
【0084】
ステップS70では、上述のステップS40と同様に、車両側制御装置20のECU21は、車両側通信部22にて限定制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを示す限定制御開始信号を携帯機10に対して送信する。この限定制御開始信号を受信した携帯機10は、表示部14にて限定制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを表示する。このようにすることによって、ユーザーに対して、限定制御で視界状態及び環境状態の調整を開始することを知らせることができるので好ましい。なお、ステップS70の処理に関しては、省略することも可能である。
【0085】
ステップS71では、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23によって窓ガラスの視界状態のみを検出する(視界状態検出手段)。そして、ステップS72では、上述のステップS16と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23による検出結果に基づいて視界確保が必要であるか否かを判定する。そして、車両側制御装置20のECU21は、視界確保が必要であると判定した場合はステップS73へ進み、視界確保が必要でないと判定した場合はステップS79へ進む。
【0086】
ステップS73では、上述のステップS25と同様に、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。
【0087】
ステップS74では、車両側制御装置20のECU21は、ステップS72での判定結果に基づき動作させる対象となる調整装置に対して電源を供給する。
【0088】
ステップS75では、上述のステップS21と同様に、車両側制御装置20のECU21は、窓ガラスの視界状態が適切になるように(視界が良くなるように)、つまり視界検出部23の検出結果が設定値になるように、エアコン制御部29(デフロスタ)、デフォッガ制御部30、デアイサ制御部31に対して駆動信号(制御信号)を送信する(調整手段)。これによって、ユーザーが車両に乗車する際の窓ガラスの視界を適切にすることができる。
【0089】
ステップS76では、上述のステップS22と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドアカーテシ(図示省略)などを用いてD席(運転席)ドアの開閉状態を確認する。そして、ステップS77では、上述のステップS23と同様に、車両側制御装置20のECU21は、ドア開と判定した場合はステップS78へ進み、ドア開でないと判定した場合はステップS76へ戻る。ステップS78では、上述のステップS24と同様に、車両側制御装置20のECU21は、D席(運転席)シート制御部26に対してD席シートを車両の進行方向に対して後方向に移動することを指示するシートスライド指示信号(駆動信号)を送信する。
【0090】
一方、ステップS72での判定において視界確保は必要ないと判定した場合はステップS79の処理を実行してステップ76へ進むこととなる。ステップS79では、車両側制御装置20のECU21は、視界検出部23の検出結果(車室内状態)を車両側通信部22にて携帯機10に対して送信する。
【0091】
このように、変形例においては、バッテリー残量が所定値に達している場合は、視界検出部23及び環境検出部24の検出結果に応じて視界状態及び環境状態の両方を調整し、バッテリー残量が所定値に達していない場合は、視界検出部23の検出結果に応じて視界状態のみを調整する。
【0092】
このようにすることによって、バッテリー残量が所定値に達していない場合であっても、少なくとも視界状態を適切にすることができるので、ユーザーは、直ちに車両を発進させることができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における車室内状態調整装置の限定制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の変形例における車室内状態調整装置の限定制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
10 携帯機、11 制御部、12 携帯機側通信部、13 指示部、14 表示部、20 車両側制御装置、21 ECU、22 車両側通信部、23 視界検出部、24 環境検出部、25 電源検出部、26 D席シート制御部、27 シェード制御部、28 P/W制御部、29 エアコン制御部、30 デフォッガ制御部、31 デアイサ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる車両側制御装置と当該車両側制御装置と無線通信可能な指示装置とを備える車室内状態調整装置であって、
前記指示装置は、ユーザーによる操作に応じて、前記車両の外部から前記車両側制御装置に対して車室内状態の調整の予約を示す予約信号を送信するものであり、
前記車両側制御装置は、
前記指示装置から送信された前記予約信号を受信可能な通信手段と、
前記車両の窓ガラスの視界状態を検出する視界状態検出手段と、
前記車両の車室内の環境状態を検出する環境状態検出手段と、
前記予約信号を受信すると、前記視界状態検出手段及び前記環境状態検出手段の検出結果に応じて、前記視界状態及び前記環境状態からなる車室内状態を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする車室内状態調整装置。
【請求項2】
前記調整手段は、前記車両のバッテリー残量を検出する残量検出手段を備えるものであり、当該残量検出手段の検出結果に応じて、前記視界状態及び前記環境状態の少なくとも一方の調整方法を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の車室内状態調整装置。
【請求項3】
前記調整手段は、前記環境状態を調整する場合、前記残量検出手段にて検出されたバッテリー残量が所定値に達している場合は空調装置を用いて環境状態を調整し、バッテリー残量が所定値に達していない場合は前記車両のパワーウインドウ又はシェードを開扉することによって環境状態を調整することを特徴とする請求項2に記載の車室内状態調整装置。
【請求項4】
前記調整手段は、前記車両のバッテリー残量を検出する残量検出手段を備えるものであり、当該残量検出手段にて検出されたバッテリー残量が所定値に達している場合は、前記視界状態検出手段及び前記環境状態検出手段の検出結果に応じて前記視界状態及び前記環境状態の両方を調整し、バッテリー残量が所定値に達していない場合は、前記視界状態検出手段の検出結果に応じて前記視界状態のみを調整することを特徴とする請求項1に記載の車室内状態調整装置。
【請求項5】
前記調整手段は、前記視界状態検出手段及び前記環境状態検出手段にて検出された前記視界状態及び前記環境状態を示す車室内状態信号を前記通信手段にて前記指示装置に送信するものであり、前記指示装置は、前記通信手段にて送信された前記車室内状態信号を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の車室内状態調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−23605(P2009−23605A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191146(P2007−191146)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】