説明

車室構成部品冷却装置

【課題】車室構成部品の温度を下げることができるとともに、車室の温度も効果的に下げることができる車室構成部品冷却装置を提供する。
【解決手段】本発明の車室構成部品冷却装置は、インストルメントパネル9内に延びる吸気ダクト3と、排気流路7とを有している。インストルメントパネル9内には、冷却流路9aが形成されている。排気流路7は、インストルメントパネル9に形成された開口7aと接続している。開口7aは冷却流路9aと連通している。この排気流路7は、車室CRと隔てられた状態でフロントピラーからルーフを経てリアピラー内に延びるように形成されており、車両の後方で排出口7bによって車外に開いている。このため、この冷却装置では、インストルメントパネル9等を冷やして温度が上がった空気が車室CR内に吹き出されることがなく、車室CRの温度を十分に下げることが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネル等の車室構成部品を冷却可能な車室構成部品冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インストルメントパネル等の車室構成部品を冷却可能な車室構成部品冷却装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この冷却装置は、車外に開く外気吸入口からインストルメントパネル内を介して車内吹出口まで延びる通気流路を備えている。
【0003】
この冷却装置によれば、外気吸入口から吸入した外気をインストルメントパネル内に導くことができる。このため、日射によって高温となったインストルメントパネルの温度を外気によって下げることができ、これによって車室の温度を下げることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−27461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の冷却装置では、通気流路がインストルメントパネル内と車内吹出口とを接続しているため、インストルメントパネルを冷やして温度が上がった空気が車内吹出口から車室内に吹き出され、車室の温度を十分に下げることができない。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、車室構成部品の温度を下げることができるとともに、車室の温度も効果的に下げることができる車室構成部品冷却装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車室構成部品冷却装置は、車外に開く外気吸入口と車室構成部品内とを連通する吸気流路と、該車室構成部品内と車外に開く排出口とを連通し、車室と隔てられて延びる排気流路とを備えている(請求項1)。
【0008】
本発明の冷却装置によれば、外気吸入口から吸入した外気を吸気流路によって車室構成部品内に導くことができる。このため、日射によって高温となった車室構成部品の温度を外気によって下げることができる。そして、車室構成部品を冷やして温度が上がった外気は、排気流路によって車室と隔てられた状態で排出口によって車外に排出される。このため、車室構成部品によって温度が高くなった外気が車室内に吹き出されることはなく、車室の温度を十分に下げることが可能である。
【0009】
したがって、本発明の車室構成部品冷却装置によれば、車室構成部品の温度を下げることができるとともに、車室の温度も効果的に下げることができる。
【0010】
車室構成部品とは、例えば、インストルメントパネル、ドアの内張り、天井等の車室内に露出する部材をいう。
【0011】
吸気流路及び排気流路としては、例えば吸気ダクト及び排気ダクトを採用することができる。また、車両に吸気流路及び排気流路を形成することもできる。
【0012】
排気流路は、前記車室構成部品と連続し、前記室内を区画する部材と、車両フレームとの間に形成されていることが好ましい(請求項2)。これにより車室内に余分な凸部を生じず、車室を広々と感じさせることができる。車室内を区画する部材としては、例えば、車室の内装材が挙げられる。車両フレームとしては、例えば、インストルメントパネルと隣接するフロントピラーやドア、ルーフ等が挙げられる。また、車両のフレームと内装材との間が排気ダクトとされ得る。
【0013】
本発明の車室構成部品冷却装置は、外気吸入口よりも下流側で吸気流路から分岐する外気案内流路と、外気案内流路と連通する空調室と、空調室内に設けられたファンと、空調室から吸気流路に合流する合流流路とを備えていることが好ましい(請求項3)。
【0014】
この場合、車両の走行速度が低い場合や停車中又は駐車中はファンによって外気に流れを作って車室構成部品を冷却することが可能となる。一方、一定速度以上で車両を走行させている場合には、走行による外気で車室構成部品を冷却することが可能である。このため、ファンを作動する必要は必ずしもない。
【0015】
本発明の車室構成部品冷却装置は、空調室と連通し、車室に開く内気吸入口を有する内気案内流路と、空調室と連通し、車室内に開く車内吹出口を有する通気流路とを備えていることが好ましい(請求項4)。
【0016】
この場合、内気によっても車室構成部品を冷却することが可能となる。また、通気流路により、外気や内気を車室内に導くことで、車室内の空調を行うことも可能となる。さらに、外気を車室構成部品内や車室内に導くファンと、内外気を車室構成部品内や車室内に導くファンとをそれぞれ設ける他、空調室内に設けられているファン単体で、外気及び内気を車室構成部品内や車室内に導くことも可能となる。空調室内に設けられているファン単体で、外気及び内気を車室構成部品内や車室内に導く場合には、製造コストの削減が可能となる。なお、外気及び内気のいずれか一方のみで車室構成部品を冷却することもでき、外気と内気とによって車室構成部品を冷却することもできる。同様に、外気及び内気のいずれか一方のみで車室内の空調を行うこともでき、外気と内気とによって車室内の空調を行うこともできる。
【0017】
空調室内には熱交換器が設けられていることが好ましい(請求項5)。この場合、温度調整を行った外気又は内気で車室構成部品の冷却及び車室内の空調を行うことができる。
【0018】
外気吸入口は車両の進行方向に開いていることが好ましい(請求項6)。この場合、車両が走行中に外気を外気吸入口に好適に吸入することができ、車室構成部品を冷却し易い。
【0019】
排出口は車両外面における車両後方を向いた面に開いていることが好ましい(請求項7)。この場合、車室構成部品を冷却した空気(外気及び/又は内気)を好適に車外に排出することができる。このため、インストルメントパネル内に好適に空気を取り入れることが可能である。なお、排出口は、車両後方を向いた状態であれば、傾斜面、垂直面のいずれに開いていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1の車室構成部品冷却装置の全体模式側面図である。
【図2】実施例1の車室構成部品冷却装置の一部を示す模式構造図である。
【図3】実施例1の車室構成部品冷却装置に係り、車室の一部を示す側方からの断面図である。
【図4】実施例1の車室構成部品冷却装置に係り、車両の一部を示す側面図である。
【図5】実施例1の車室構成部品冷却装置の一部を示す模式構造図である。
【図6】実施例1の車室構成部品冷却装置の一部を示す模式構造図である。
【図7】実施例1の車室構成部品冷却装置の一部を示す模式構造図である。
【図8】実施例2の車室構成部品冷却装置に係り、車室の一部を示す側方からの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の車室構成部品冷却装置(以下、冷却装置という。)は、ハイブリッド車又は電気自動車等の車両に搭載されている。この冷却装置は、吸気ダクト3、空調ケース5、排気流路7等を備えている。
【0023】
吸気ダクト3は車両の前方であるフロントグリル部分に外気吸入口3aを有している。このため、車両の走行(前進)によって吸気ダクト3内に外気を吸入させることが可能となっている。なお、吸気ダクト3が吸気流路に相当する。
【0024】
吸気ダクト3は、図2に示すように、外気吸入口3aよりも下流側の位置で分岐する外気案内ダクト11に接続されている。外気案内ダクト11は空調ケース5に接続されており、空調ケース5の下流側は合流ダクト13に接続されている。合流ダクト13が外気案内ダクト11より下流側で吸気ダクト3に合流している。外気案内ダクト11及び合流ダクト13はそれぞれ外気案内流路及び合流流路に相当する。
【0025】
また、この冷却装置では、空調ケース5の上流側に内気案内ダクト15が接続されている。内気案内ダクト15は、車室CR(図1参照)に開く内気吸入口15aを有している。また、空調ケース5の下流側は、車室CR内に延びる通気ダクト17に接続されている。通気ダクト17は、車室CRに開く車内吹出口17aを有している。内気案内ダクト15は内気案内流路に相当し、通気ダクト17は通気流路に相当する。
【0026】
空調ケース5は、車両のエンジン(モータ)ルーム内に配置されている。空調ケース5内には空調室5aが形成されている。この空調室5aは、上流側に可動壁19を有しており、内気案内ダクト15又は外気案内ダクト11と空調室5aとを選択的に連通させることが可能となっている。また、空調室5a内には、電動ファン21と、車内用熱交換器23が配置されている。さらに、空調室5aの下流側には、第1、2バタフライ弁25a、25bが配置されている。これらの第1、2バタフライ弁25a、25bを介して、空調室5aは、合流ダクト13及び通気ダクト17と連通している。これらの可動壁19、電動ファン21、第1、2バタフライ弁25a、25bは、それぞれ図示しない制御装置に電気的に接続されている。制御装置の制御により、第1、2バタフライ弁25a、25bは、それぞれ開度を調整することが可能となっている。なお、第1、2バタフライ弁25a、25bに替えて、他の構成の開閉弁を採用することもできる。
【0027】
この冷却装置では、可動壁19及び第1、2バタフライ弁25a、25bをそれぞれ制御することで、合流ダクト13を介して外気を吸気ダクト3に導くだけでなく、合流ダクト13を介して内気を吸気ダクト3に導くことも可能となっている。また、通気ダクト17を介して内気を車室CR内に導くだけでなく、通気ダクト17を介して外気を車室CR内に導くことも可能となっている。さらに、外気又は内気を合流ダクト13及び通気ダクト17双方に導くことも可能である。
【0028】
車内用熱交換器23は、図示しない蓄熱タンクと接続されており、図示しないポンプにより蓄熱タンク内の冷水等を車内用熱交換器23内に流入させることで、空調室5a内の空気を冷却可能となっている。なお、車内用熱交換器23の構成は、周知の車内用熱交換器と同様であり、車内用熱交換器23の構成に関する詳細な説明を省略する。また、上記のポンプは、図示しない制御装置に電気的に接続されている。
【0029】
図3に示すように、吸気ダクト3は、空調ケース5より下流側でインストルメントパネル9内に延びており、吸気ダクト3内の空気をインストルメントパネル9内に導入することが可能となっている。インストルメントパネル9内には冷却流路9aが形成されている。また、インストルメントパネル9には冷却流路9と連通する開口7aが開いている。開口7aは車両のフロントピラー内に設けられた排気流路7と接続されている。なお、インストルメントパネル9を外壁と内壁とからなる二重壁で構成し、外壁と内壁との間に冷却流路9aを形成させることもできる。
【0030】
排気流路7は、図1に示すように、フロントピラー、ルーフ及びリアピラーの車両フレームと、車室CRを区画する内装材との間に形成されいる。この排気流路7aは、フロントピラーからルーフを経てリアピラー内に延びるように形成されおり、車両の後方で排出口7bによって車外に開いている。この排気流路7は、排気流路7内を流れる空気がルーフ内を流れる際、車幅方向にも広がるように形成されている。これにより、排気流路7内を流れる空気により車室の天井を冷やすことも可能となっている。
【0031】
また、排出口7bは、図4に示すように、車両の後方において、車両後方を向いた面に開いている。
【0032】
以上のように構成された冷却装置では、車両の走行時、図2に示すように、制御装置が隔壁19を作動させて外気案内路ダクト11と空調室5aとを非連通とさせる。また、第1、2バタフライ弁25a、25bを閉鎖させる。これにより、外気吸入口3aから吸入された外気は、図2中の一点鎖線矢印方向で吸気ダクト3内を流れ、冷却流路9a内に導かれることとなる(図2参照)。
【0033】
この冷却装置では、制御装置が可動壁19及び第1バタフライ弁25aを作動させることで、図5に示すように、外気案内ダクト11及び合流ダクト13と空調室5aとを連通させることが可能となっている。この状態で、制御装置が電動ファン21を作動させることで、車両の走行速度が遅い場合にも、外気を冷却流路9a内に導くことができる(図5中の一点鎖線矢印参照)。
【0034】
また、図5に示す状態において、制御装置がポンプを作動させることで室内用熱交換器23により空調室5a内の外気が冷却される。これにより、冷却された外気を冷却流路9a内に導くことが可能となる。この際、制御装置が第2バタフライ弁25bを開放させることで、空調室5a内で冷却された外気を室内案内ダクト17から車室CR内に導くことも可能である。なお、制御装置は、車両の走行速度に応じて電動ファン21を作動又は停止させる。
【0035】
一方、車両の駐車時においては、制御装置が可動壁19及び第1バタフライ弁25aを作動させることで、上記の図5の状態とする。この状態で制御装置は電動ファン21を作動させる。これにより、駐車時に外気を冷却流路9a内に導くことが可能となる。
【0036】
また、この冷却装置では、制御装置が可動壁19及び第1バタフライ弁25aを作動させることで、図6に示すように、内気案内ダクト15及び合流ダクト13と空調室5aとを連通させることも可能である。この状態において、制御装置は電動ファン21を作動させる。これにより、内気を冷却流路9a内に導くことも可能である(図6中の一点鎖線矢印参照)。この際、制御装置がポンプを作動させることにより、室内用熱交換器23によって冷却された内気を冷却流路9a内に導くことも可能となる。さらに、図7に示すように、制御装置が第2バタフライ弁25bも開放させることで、冷却された内気を車室CR内にも導くことが可能となる(図7中の一点鎖線矢印参照)。なお、車両の走行時に、上記の図6、7に示す状態とすることで、内気を冷却流路9a内等に導くことも可能である。
【0037】
これらのように、この冷却装置では、これらの空気を吸気ダクト3によって冷却流路9a内に導くことで、日射によって高温となったインストルメントパネル9の温度を冷却流路9a内を流れる空気によって下げることができる。そして、インストルメントパネル9を冷やして温度が上がった空気は、排気流路7によって車室CRと隔てられた状態で排出口7aによって車外に排出される。具体的には、排気ダクト7内の空気は、図1に示す一点鎖線矢印方向で内装材の外側、すなわち、フロントピラー、ルーフ、リアピラーを流れる。上記のように、ルーフ内を流れる空気は車幅方向に流れるため、この冷却装置では、インストルメントパネル9とともに車室CRの天井の温度も下げることができる。そして、排気流路7内の空気は、車両の後方に開かれた排出口7bから車外へ排出されることとなる。このため、インストルメントパネル9等によって温度が高くなった空気が車室CR内に吹き出されることはなく、車室CRの温度を十分に下げることが可能である。
【0038】
また、この冷却装置では、通気ダクト17により、空気を車室CR内に導くことも可能となっている。これにより、車室CR内の空調も可能となっている。
【0039】
したがって、この冷却装置によれば、インストルメントパネル9及び車室CRの天井の温度を下げることができるとともに、車室CRの温度も効果的に下げることができる。
【0040】
特に、この冷却装置では、排気流路7が車両のフロントピラー、ルーフ、リアピラーの車両フレームと車室CRを区画する内装材との間に形成されている。これにより車室CR内に余分な凸部を生じず、車室CRを広々と感じさせることができるようになっている。
【0041】
また、この冷却装置では、電動ファン21により、外気及び内気を冷却流路9a内や車室CR内に導くことが可能となっている。このため、インストルメントパネル9を冷却するためのファンを別途に設ける必要がない。このため、冷却装置の製造コストの削減が可能となっている。
【0042】
また、この冷却装置では、空調室5a内に車内用熱交換器23が設けられているため、温度調整を行った空気でインストルメントパネル9等の冷却及び車室CR内の空調を行うこともできる。
【0043】
さらに、この冷却装置では、外気吸入口3aが車両前方のフロントグリルに開いている。このため、車両が走行中に外気を外気吸入口3aに好適に吸入することができ、インストルメントパネル9を冷却し易くなっている。
【0044】
また、この冷却装置では、図4に示すように、車両の後方であって、車両後方を向いた面に排気口7bが開いている。このため、車両の走行風(図4の実線矢印参照)によって排気流路7内の空気を引き出すことが可能となり、インストルメントパネル9及び車室CRの天井を冷却した空気を好適に車外に排出することができる。このため、冷却流路9a内に好適に空気を取り入れることが可能となっている。
【0045】
(実施例2)
実施例2の冷却装置は、図8に示すように、実施例1の冷却装置における排気流路7に替えて、排気ダクト70を備えている。また、この車両では、インストルメントパネル9に替えてインストルメントパネル90が備えられている。このインストルメントパネル90には冷却流路90aが形成されている。
【0046】
排気ダクト70は、インストルメントパネル90に開かれた開口70aと接続されている。開口70aは、冷却流路90aと連通している。この排気ダクト70は、エンジン(モータ)ルーム内に延びており、フロントタイヤハウジング2で排出口70bによって車外に開いている。なお、インストルメントパネル90についても、外壁と内壁とからなる二重壁で構成し、外壁と内壁との間に冷却流路90aを形成させる構成とすることもできる。他の構成は、実施例1の冷却装置と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成の詳細な説明を省略する。
【0047】
この冷却装置では、インストルメントパネル90を冷やして温度が上がった空気がフロントタイヤハウジング2から車外に排出される(図8中の一点鎖線矢印参照)。他の作用効果は実施例1の冷却装置と同様である。
【0048】
このように、この冷却装置では、実施例1の冷却装置と比較して、構造が簡略化されている。このため、冷却装置の製造が容易となり、製造コストの削減も容易となっている。
【0049】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0050】
例えば、実施例1、2の冷却装置において、空調ケース5、外気案内ダクト11、合流ダクト13、内気案内ダクト15及び通気ダクト17を設けないで構成することができる。
【0051】
また、実施例1、2の冷却装置における可動壁19に替えて、外気案内ダクト11及び内気案内ダクト15に、それぞれバタフライ弁等の開閉弁を設ける構成とすることもできる。この場合、各バタフライ弁の作動により、冷却流路9a内や車室CR内に外気又は内気を選択的に導くだけでなく、外気及び内気の両方を冷却流路9a内や車室CR内に導くことも可能となる。
【0052】
さらに、実施例1、2の冷却装置において、、吸気ダクト3は、フロントピラーからルーフまで延びる構成とし、排気流路7又は排気ダクト70はルーフからリアピラーに延びるように形成される構成とすることもできる。この場合、車室CRの天井の冷却のみを冷やすことが可能となる。
【0053】
また、吸気ダクト3は、車両側面のフレームからドアまで延びる構成とすることもできる。この場合、ドアの内張り、すなわち、車室CRの側面を冷やすことが可能となる。なお、排気流路7又は排気ダクト70は、ドアとドアの内張りとの間に形成することができ、また、排出口7b、70bは、ドアの側面等に開く構成とすることができる。
【0054】
また、実施例1、2の冷却装置において、車両のフロントバンパー、ボンネット、ルーフ等に外気吸入口3aを開口させることもできる。
【0055】
さらに、実施例1の冷却装置において、車両のルーフ、リアバンパー等に排出口7aを開口させることもできる。リアバンパーの下方で車両後方を向いた面に排出口7aを設けた場合には、走行時において、車両の下面を流れる外気により、排気流路7内の空気が好適に排出されることとなる。
【0056】
また、実施例2の冷却装置において、排気口70bはエンジン(モータ)ルーム内に開く構成とすることもできる。この場合、エンジン(モータ)ルームのエンジン(モータ)等の冷却を行うことも可能となる。
【0057】
また、実施例1、2の冷却装置において、室内用熱交換器23は、圧縮機等を備えた冷凍回路と接続させることもできる。また、空調室5a内に暖房用の熱交換器を設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は乗用車、トラック等に利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
3a…外気吸入口
9、90…インストルメントパネル(車室構成部品)
3…吸気ダクト(吸気流路)
7b、70b…排出口
CR…車室
7…排気流路
70…排気ダクト(排気流路)
5a…空調室
21…電動ファン(ファン)
13…合流ダクト(合流流路)
15a…内気吸入口
15…内気案内ダクト(内気案内流路)
17a…車内吹出口
17…通気ダクト(通気流路)
23…室内用熱交換器(熱交換器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外に開く外気吸入口と車室構成部品内とを連通する吸気流路と、該車室構成部品内と車外に開く排出口とを連通し、車室と隔てられて延びる排気流路とを備えていることを特徴とする車室構成部品冷却装置。
【請求項2】
前記排気流路は、前記車室構成部品と連続し、前記室内を区画する部材と、車両フレームとの間に形成されている請求項1記載の車室構成部品冷却装置。
【請求項3】
前記外気吸入口よりも下流側で前記吸気流路から分岐する外気案内流路と、該外気案内流路と連通する空調室と、該空調室内に設けられたファンと、該空調室から該吸気流路に合流する合流流路とを備えている請求項1又は2記載の車室構成部品冷却装置。
【請求項4】
前記空調室と連通し、前記車室に開く内気吸入口を有する内気案内流路と、前記空調室と連通し、前記車室内に開く車内吹出口を有する通気流路とを備えている請求項3記載の車室構成部品冷却装置。
【請求項5】
前記空調室内には熱交換器が設けられている請求項3又は4記載の車室構成部品冷却装置。
【請求項6】
前記外気吸入口は車両の進行方向に開いている請求項1乃至5のいずれか1項記載の車室構成部品冷却装置。
【請求項7】
前記排出口は車両外面における車両後方を向いた面に開いている請求項1乃至6のいずれか1項記載の車室構成部品冷却装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate