説明

車載ビデオ再生装置

【課題】ビデオディスクに記録されていたコンテンツと同期して再生すべきWAN上のコンテンツを、できるだけ多く正常に再生できる「車載ビデオ再生装置」を提供する。
【解決手段】無線基地局31を介してWAN3に接続可能な地域を走行している期間には、車載DVDプレイヤ1において、DVD2の再生時に利用される可能性のある各ネットワークファイルを、順次、ネットワークサーバ5から先行的にダウンロードして記憶する(b、c)。そして、WAN3に接続できない地域に進んだならば、当該地域を走行中、新たなネットワークファイルが再生対象となると、当該ネットワークファイルが既にダウンロードして記憶されている場合には、当該記憶されているネットワークファイルを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載された、ビデオディスクを再生するビデオ再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオディスクを再生するビデオ再生装置としては、ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、インターネットなどのWAN上のコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを、ビデオディスクに記録されているコンテンツと同期して再生するビデオ再生装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、車載装置において、無線通信を介してコンテンツをダウンロードして再生する技術としては、トンネルなどの無線通信ができなくなる走行区間が前方に検出されたときに、ダウンロード中のコンテンツのダウンロード速度を高速化し、無線通信ができなくなる走行区間において再生するデータを予め可及的に確保する技術が知られている。
【特許文献1】特開2006-073187号公報
【特許文献2】特開2004-193995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車に搭載されたビデオ再生装置において、特許文献1記載の技術のように、ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、インターネットなどのWAN上のコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを、ビデオディスクに記録されていたコンテンツと同期して再生する場合には次のような問題が生じる。
【0005】
すなわち、自動車に搭載されたビデオ再生装置は、無線通信を介してWANに接続することになるため、自動車が無線通信が可能なエリア外に位置するときには、WAN上のコンテンツをダウンロードすることができなくなる。
また、この場合に、特許文献2の技術を、コンテンツのダウンロードに適用すれば、再生中のコンテンツについては正常にダウンロードできる確率が高まるが、その他のWAN上のコンテンツについては、これをダウンロードすることはできない。
そこで、本発明は、ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、インターネットなどのWAN上のコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを、ビデオディスクに記録されていたコンテンツと同期して再生する車載のビデオ再生装置において、自動車が無線通信を介してWANに接続可能なエリア外に位置するときにも、できるだけ多くのWAN上のコンテンツを正常に再生できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載され、ビデオディスクを再生する車載ビデオ再生装置に、無線通信を介してWANに接続するWAN接続部と、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、前記WAN上のコンテンツを、当該ビデオディスクに記録されたコンテンツと共に再生する再生部とを設けると共に、前記再生部に、前記ビデオディスクの装着時に、前記ビデオディスクに記録された前記再生制御情報に従って前記ビデオディスクの再生時に前記再生部によって再生されることのある前記WAN上のコンテンツを登録したリストを作成するWAN上コンテンツリスト作成部と、前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、当該WANに接続して、前記リストに登録されている前記WAN上の各コンテンツを、順次ダウンロードして保存するダウンロード処理部を設けたものである。そして、当該再生部において、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記ダウンロード処理部によって既にダウンロードされ保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生するようにしたものである。
【0007】
このような車載ビデオ再生装置によれば、WANに接続可能な期間に、前記リストに基づいて、ビデオディスクの再生時に再生されることのある前記WAN上の各コンテンツを当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングによらずに、順次、先行的にダウンロードして保存しておくことができる。よって、車載ビデオ再生装置がWANに接続できない期間中であっても、先行して保存しておいたコンテンツを用いて、当該保存しておいたコンテンツの各々について、WAN上のコンテンツの正常再生を行うことができるようになり、結果、WANに接続可能なエリア外に位置するときにも、できるだけ多くのWAN上のコンテンツを正常に再生できるようになる。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載され、ビデオディスクを再生する車載ビデオ再生装置と、固定設置された、WANに接続可能なコンテンツ代理取得装置とを備えたビデオ再生システムにおいて、前記車載ビデオ再生装置に、近距離無線通信を介して前記コンテンツ代理取得装置に接続する近距離無線通信部と、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、前記WAN上のコンテンツを、当該ビデオディスクに記録されたコンテンツと共に再生する再生部とを備えると共に、当該再生部に、前記ビデオディスクの装着時に、前記ビデオディスクに記録された前記再生制御情報に従って前記ビデオディスクの再生時に前記再生部によって再生されることのある前記WAN上のコンテンツを登録したリストを作成するWAN上コンテンツリスト作成部と、前記近距離無線通信部が前記コンテンツ代理取得装置に接続可能な期間に、当該コンテンツ代理取得装置に接続し、前記リストを伴う前記WAN上のコンテンツの代理取得要求を前記コンテンツ代理取得装置に送信する代理取得依頼部と、前記近距離無線通信部が前記コンテンツ代理取得装置に接続可能な期間に、当該コンテンツ代理取得装置に接続し、前記コンテンツ代理取得装置から、当該コンテンツ代理取得装置が取得した前記WAN上のコンテンツの転送を受けて保存するコンテンツ保存部とを設けたものである。ただし、前記コンテンツ代理取得装置は、接続した前記車載ビデオ再生装置から受信した代理取得要求に伴うリストに登録されている前記WAN上のコンテンツを順次ダウンロードして保存する代理取得部と、接続した前記車載ビデオ再生装置に、前記代理取得部が保存しているコンテンツを転送するコンテンツ転送部とを備えたものであり、前記車載ビデオ再生装置の前記再生部は、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記コンテンツ保存部によって保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生するものである。
【0009】
このようなビデオ再生システムによれば、車載ビデオ再生装置は、コンテンツ代理取得装置に、ビデオディスクの再生時に再生されることのある前記WAN上の各コンテンツのダウンロードを代行させる形態で、当該WAN上のコンテンツを取得して保存し、WAN上のコンテンツを再生する際には、保存しておいたコンテンツを用いて当該コンテンツの再生を行う。
【0010】
ここで、コンテンツ代理取得装置は固定設置される装置であり、したがって、WANに常時高速に接続可能な装置とすることができる。よって、当該コンテンツ代理取得装置は、車載ビデオ再生装置よりも確実かつ速やかにWAN上のコンテンツをダウンロードすることができる。よって、車載ビデオ再生装置において、コンテンツ代理取得装置を利用して前記WAN上の各コンテンツを確実に取得することができ、結果、自動車がWANに接続可能なエリア外に位置するときにも、できるだけ多くのWAN上のコンテンツを正常に再生できるようになる。
【0011】
ここで、このようなビデオ再生システムは、前記コンテンツ代理取得装置の前記コンテンツ転送部は、接続した前記車載ビデオ再生装置に、前記代理取得部が保存しているコンテンツを、前記車載ビデオ装置における再生に適した再生レートのコンテンツにレート変換した上で転送するようにしてもよい。
【0012】
また、このようなビデオ再生システムは、前記車載ビデオ再生装置に、無線通信を介してWANに接続するWAN接続部を備えると共に、当該車載ビデオ再生装置の再生部に、前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、当該WANに接続して、前記リストに登録されている前記WAN上の各コンテンツを、順次ダウンロードして保存するダウンロード処理部を設け、当該再生部において、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記ダウンロード処理部によって既にダウンロードされ保存されているか、前記コンテンツ保存部によって既に保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生するようにしてもよい。なお、このようにビデオ再生システムを構成した場合には、前記コンテンツ代理取得装置の前記コンテンツ転送部は、接続した前記車載ビデオ再生装置に、前記代理取得部が保存しているコンテンツのうちの、前記車載ビデオ再生装置において保存されていないコンテンツのみを転送するようにし、車載ビデオ再生装置において既に保存されているコンテンツの転送の発生を抑止することが好ましい。
【0013】
また、以上の各車載ビデオ再生装置やビデオ再生システムは、前記車載ビデオ再生装置の前記ダウンロード処理部において、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツのうち、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングがより早いものを、より優先してダウンロードするようにしてもよい。また、この場合には、当該ダウンロード処理部において、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツであって、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが同じコンテンツについては、コンテンツのサイズがより小さいものを、より優先してダウンロードするようにしてもよい。
【0014】
これらのようにすることにより、WANに接続できない期間中に再生対象となったWAN上のコンテンツが既に保存されている確率を高め、より多くのWAN上のコンテンツを正常に再生できるようになる。
また、以上の各車載ビデオ再生装置やビデオ再生システムは、前記車載ビデオ再生装置の前記ダウンロード処理部において、前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、保存していない前記WAN上のコンテンツの、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが到来した場合には、当該再生のための処理の開始タイミングが到来した前記WAN上のコンテンツを、再生のための処理の開始タイミングが到来していない他の前記WAN上のコンテンツに優先してダウンロードして保存するように構成してもよい。
【0015】
なお、以上のビデオディスクは、たとえば、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVDであってもよいし、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、インターネットなどのWAN上のコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを、ビデオディスクに記録されていたコンテンツと同期して再生する車載のビデオ再生装置において、自動車が無線通信を介してWANに接続可能なエリア外に位置するときにも、できるだけ多くのWAN上のコンテンツを正常に再生できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のビデオ再生装置の実施形態を、DVDに記録されたビデオコンテンツを再生する車載DVDプレイヤへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係る車載DVDプレイヤの構成を示す。
本実施形態に係る車載DVDプレイヤは、図示するように、車載DVDプレイヤ1は、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVDやBDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray DiscなどのDVD2の記録データを読み出すDVDドライブ101、無線通信装置102、無線LANインタフェース103、入力装置104、表示装置105、スピーカ106、コンテンツ再生部107、再生制御部108、ネットワークファイル取得部109、ネットワークファイルテーブル110、ネットワークファイル記憶部111とを備えている。ただし、車載DVDプレイヤ1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたコンピュータを用いて構成するようにしてもよい。また、この場合、以上に示した車載DVDプレイヤ1のコンテンツ再生部107や、ネットワークファイル取得部109は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。
【0018】
ここで、車載DVDプレイヤ1は、図2に示すように自動車に搭載された装置である。
また、無線通信装置102は、図2b、cに示すように、車載DVDプレイヤ1が搭載された自動車が、インターネットなどのWAN3との間の通信の中継を行う無線基地局31の通信エリア32内に位置するときに、無線通信によって無線基地局31に接続すると共に、無線基地局31を介してWAN3と接続する。
【0019】
そして、WAN3上には、DVD再生時に併せて再生されるべきコンテンツを格納したファイルを車載DVDプレイヤ1に提供するネットワークサーバ5が配置されている。ここで、以下では、このネットワークサーバ5から車載DVDプレイヤ1に提供されるファイルを「ネットワークファイル」と呼ぶこととする。
【0020】
また、無線LANインタフェース103は、図2aに示すように車載DVDプレイヤ1が搭載された自動車が自宅近傍に位置するときに、自宅に設置された無線LAN4に近距離無線通信を介して接続する。そして、無線LAN4には、WAN3と、ユーザが自宅で使用するパーソナルコンピュータ6とが接続されており、パーソナルコンピュータ6は無線LAN4を介してWAN3に接続することができる。ここで、パーソナルコンピュータ6は、マイクロプロセッサや、メモリや、その他の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたコンピュータであり、マイクロプロセッサのプログラムの実行によって、図1に示すように、無線LAN4に接続するための無線LANインターフェース61と、HDD62と、ネットワークファイル取得代行部63を備えた機能構成がパーソナルコンピュータ6上に実現される。
【0021】
次に、車載DVDプレイヤ1において、再生制御部108は、DVDドライブ101を介してDVD2から読み出した再生制御情報と入力装置104のユーザ操作に従って、DVD2に記録されているコンテンツとWAN3上のネットワークファイルに格納されたコンテンツの再生を制御する。すなわち、再生制御部108は、DVDドライブ101を介してDVD2から読み出した再生制御情報と入力装置104のユーザ操作に従って、コンテンツの再生シーケンスを定め、定めた再生シーケンスに従った、DVD2に記録されているコンテンツの、コンテンツ再生部107における再生を制御する。また、再生制御部108は、定めた再生シーケンスに従って、再生対象となったWAN3上のネットワークファイルの提供をネットワークファイル取得部109に発行し、当該提供要求に応えてネットワークファイル部から提供されたネットワークファイルに格納されているコンテンツの、コンテンツ再生部107における、DVD2に記録されているコンテンツと同期した再生を制御する。
【0022】
そして、コンテンツ再生部107は、再生制御部108の制御に従って、DVD2に記録されているコンテンツやネットワークファイルに格納されているコンテンツを再生し、コンテンツに含まれるビデオや静止画などのビジュアルなオブジェクトを表示装置105に表示し、コンテンツに含まれる音声をスピーカ106に出力する。
【0023】
次に、ネットワークファイル記憶部111には、ネットワークサーバ5からダウンロードしたネットワークファイルが格納される。
また、ネットワークファイル管理テーブルには、図3に示すように、車載DVDプレイヤ1に装着されたことのあるDVD毎に対応して設けたネットワークファイル管理レコードが登録される。そして、各ネットワークファイル管理レコードには、対応するDVD2の識別子となるディスク識別子と、代理取得依頼済フラグと、ネットワークファイル管理リストが格納される。
【0024】
そして、ネットワークファイル管理リストは、対応するDVD2の再生制御情報に定義されている、車載DVDプレイヤ1で、対応するDVD2を再生する際に、利用する可能性のあるネットワークファイル毎に対応して設けたエントリを有し、各エントリには、対応するネットワークファイルのWAN3上のロケーションを表すネットワークファイルURL、再生制御情報によって対応するネットワークファイルのダウンロード開始指定時刻が規定されている場合に、当該ダウンロード開始指定時刻を表す取得定義時刻、対応するネットワークファイルのダウンロードが済んでいるかどうかを表す取得済フラグ、対応するネットワークファイルがダウンロード済である場合に、ネットワークファイル記憶部111に記録されている当該ダウンロードしたネットワークファイルへの示すファイルパスとが登録される。
【0025】
さて、このような車載DVDプレイヤ1において、ネットワークファイル取得部109は、ネットワークファイルのWAN3上からの取得と、再生制御部108から提供を要求されたネットワークファイルの提供のために、ネットワークファイル管理レコード作成処理、ネットワークファイル先行取得処理、ネットワークファイル提供処理、ネットワークファイル代理取得制御処理とを実行する。
【0026】
以下、これらの処理について説明する。
まず、ネットワークファイル管理レコード作成処理について説明する。
図4aに、このネットワークファイル管理レコード作成処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、DVDドライブ101への新たなDVD2の装着の発生を監視し(ステップ402)、新たなDVD2の装着が発生したならば、DVDドライブ101を介してDVD2の識別子を読み出し、読み出した識別子がディスク識別子として登録されたネットワークファイル管理レコードが既にネットワークファイルテーブル110に登録されているかどうかを調べ(ステップ404)、登録されている場合にはステップ402の監視に戻り、登録されていない場合には、装着されたDVD2に対応するネットワークファイル管理テーブルを新たに作成し、ネットワークファイルテーブル110に登録する(ステップ406)。ここで、このネットワークファイル管理テーブルの作成にあたっては、作成したネットワークファイル管理テーブルのディスク識別子には装着されたDVD2の識別子を登録し、代理取得依頼済フラグには未依頼を登録する。また、ネットワークファイル管理リストに、DVDドライブ101を介して読み出した装着されたDVD2の再生制御情報によって定義されている、装着されたDVD2を再生する際に利用する可能性のあるネットワークファイル毎に対応するエントリを設ける。そして、各エントリのネットワークファイルURLに、再生制御情報に記述されている対応するネットワークファイルのWAN3上のロケーションを登録し、取得定義時刻に再生制御情報に定義されている対応するネットワークファイルのダウンロード開始指定時刻を登録する。また、各エントリの取得済フラグには未取得を登録する。
【0027】
以上、ネットワークファイル管理レコード作成処理について説明した。
次に、ネットワークファイル先行取得処理について説明する。
図4bに、このネットワークファイル先行取得処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、現在、無線通信装置102を介してWAN3に接続可能であるかどうかを調べ(ステップ412)、接続可能でなければ接続可能となるのを待つ。
一方、WAN3に接続可能であるか、接続可能な状態となったならば、ネットワークファイル管理テーブルのいずれかのネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに、取得済フラグに未取得が登録されているエントリが存在するかどうかを調べ(ステップ414)、存在しない場合には、ステップ412に戻る。
【0028】
一方、そのようなエントリが存在する場合には、存在したエントリのうちで最も優先順位が高いネットワークファイルのエントリに登録されているネットワークファイルURLに含まれるサーバネームによって示されるネットワークサーバ5に、無線通信装置102、WAN3を介してアクセスして、当該ネットワークサーバ5から、当該ネットワークファイルURLで特定されるネットワークファイルをダウンロードしてネットワークファイル記憶部111に記憶する。また、ダウンロードしたネットワークファイルのエントリのファイルパスに、当該ネットワークファイルを記憶したネットワークファイル記憶部111上のロケーションのパスを登録すると共に、当該エントリの取得済フラグを取得済に設定する(ステップ416)。そして、ステップ412に戻る。
【0029】
ここで、ネットワークファイルの優先順位は、次の規則によって定める。
すなわち、現在再生中のDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに登録されているネットワークファイルの優先順位を、他のDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに登録されているネットワークファイルの優先順位よりも高くする。
【0030】
また、現在装着中のDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに登録されているネットワークファイルの優先順位を、現在装着されていない他のDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに登録されているネットワークファイルの優先順位よりも高くする。
【0031】
また、同じDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに登録されているネットワークファイル間の優先順位は、登録されている取得定義時刻が早いものほど(より先に再生されるものほど)高くなるように設定する。また、取得定義時刻が定義されているネットワークファイルの優先順位は、取得定義時刻が定義されていないネットワークファイルの優先順位よりも高くする。
【0032】
また、同じDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに登録されている、取得定義時刻が同じネットワークファイル間の優先順位は、よりデータサイズが小さいものほど高くする。
以上、ネットワークファイル先行取得処理について説明した。
次に、ネットワークファイル提供処理について説明する。
図4cに、このネットワークファイル提供処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、再生制御部108からの、ネットワークファイルのURLを指定したネットワークファイルの提供要求の発生を監視し(ステップ422)、ネットワークファイルの提供要求が発生したならば提供を要求されたネットワークファイルが既にダウンロード済みであるかどうかを再生中のDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストの、提供要求で指定されたURLがネットワークファイルURLとして登録されたエントリの取得済フラグを参照して調べる(ステップ424)。
【0033】
そして、ダウンロード済みであれば、当該エントリのファイルパスが示すネットワークファイル記憶部111のロケーションから、ダウンロードしておいたネットワークファイルを読み出してコンテンツ再生部107に出力する(ステップ432)。そして、ステップ422の監視に戻る。
【0034】
一方、提供を要求されたネットワークファイルが既にダウンロード済みでなければ(ステップ424)、現在、無線通信装置102を介してWAN3に接続可能であるかどうかを調べ(ステップ426)、接続可能でなければ、再生制御部108に提供不可を通知し(ステップ428)、ステップ422の監視に戻る。
【0035】
ここで、ネットワークファイルの提供不可を通知された再生制御部108は、提供不可を通知されたネットワークファイルのコンテンツを再生の対象から除外した形態でコンテンツ再生部107の再生を制御する。
さて、ステップ426において、WAN3に接続可能であると判定された場合には、指定されたURLに含まれるサーバネームによって指定されるネットワークサーバ5に、無線通信装置102、WAN3を介してアクセスして、当該ネットワークサーバ5から、当該URLによって特定されるネットワークファイルをダウンロードしてネットワークファイル記憶部111に記憶する。また、再生中のDVD2のネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストの、指定されたURLがネットワークファイルURLとして登録されているネットワークファイルのエントリのファイルパスに、当該ネットワークファイルを記憶したネットワークファイル記憶部111上のロケーションのパスを登録すると共に、当該エントリの取得済フラグを取得済に設定する(ステップ430)。
【0036】
そして、ダウンロードしてネットワークファイル記憶部111に記憶したネットワークファイルを読み出してコンテンツ再生部107に出力し(ステップ432)、ステップ422の監視に戻る。
以上、ネットワークファイル提供処理について説明した。
なお、ネットワークファイル取得部109は、以上のネットワークファイル先行取得処理のステップ416のネットワークファイルのダウンロードと、ネットワークファイル提供処理のステップ430のネットワークファイルのダウンロードが重複して発生した場合には、ネットワークファイル提供処理のステップ430のネットワークファイルのダウンロードを優先して行われるよう両処理を調整する処理も行う。
【0037】
次に、ネットワークファイル代理取得制御処理について説明する。
図5に、ネットワークファイル代行取得制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、無線LANインタフェース103、無線LAN4を介して自宅のパーソナルコンピュータ6と接続可能であるかどうかを調べ(ステップ502)、接続可能であれば、ネットワークファイルテーブル110に、依頼済フラグが未依頼に設定され、かつ、取得済フラグが未取得に設定されているエントリがネットワークファイル管理リストに登録されているネットワークファイル管理レコードが存在するかどうかを調べ(ステップ504)、存在しない場合にはステップ506に進む。
【0038】
一方、そのようなネットワークファイル管理レコードが存在する場合には(ステップ504)、存在したネットワークファイル管理レコードのコピーを代理取得ファイル管理レコードとして含めた代理取得要求を無線LANインタフェース103、無線LAN4を介してパーソナルコンピュータ6に送信し、存在したファイル管理レコードの依頼済フラグを依頼済に設定する(ステップ516)。そして、ステップ506に進む。
【0039】
次に、ステップ506では、代理取得ファイルリストの送信要求を無線LANインタフェース103、無線LAN4を介してパーソナルコンピュータ6に送信する。そして、ネットワーク転送要求に応答してパーソナルコンピュータ6から送信される代理取得ファイルリストを受信したならば(ステップ508)、受信した代理取得ファイルリストに登録されているネットワークファイルのうちの、未取得のネットワークファイルを選定し、選定したネットワークファイルの転送要求をパーソナルコンピュータ6に要求する(ステップ510)。ここで、パーソナルコンピュータ6から送信される代理取得ファイルリストは、ディスク識別子とネットワークファイルURLの組み合わせを個々のネットワークファイルのファイル識別子として作成された、ネットワークファイルのファイル識別子の一覧である。そして、ステップ510では、代理取得ファイルリストに登録されている各ネットワークファイルのファイル識別子について、当該ファイル識別子に含まれるディスク識別子が登録されているネットワークファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストの、当該ファイル識別子に含まれるネットワークファイルURLが登録されているエントリの取得済フラグが未取得に設定されている場合に、当該ファイル識別子のネットワークファイルが未取得のネットワークファイルであるとして、当該ネットワークファイルのファイル識別子を含むネットワークファイルの転送要求をパーソナルコンピュータ6に要求する。
【0040】
そして、当該ネットワークファイルの転送要求の応答としてパーソナルコンピュータ6からファイル識別子との対応を識別可能に転送されたネットワークファイルをネットワークファイル記憶部111に記憶し、転送されたネットワークファイルのファイル識別子が登録されているネットワークファイル管理レコードの、ネットワークファイル管理リストの、当該ファイル識別子に含まれるネットワークファイルURLが登録されているエントリのファイルパスに、当該ネットワークファイルを記憶したネットワークファイル記憶部111上のロケーションのパスを登録すると共に、当該エントリの取得済フラグを取得済に設定する(ステップ512)。
【0041】
そして、所定時間待って(ステップ514)、ステップ502からの処理に戻る。
以上、ネットワーク代理取得制御処理について説明した。
次に、ユーザの自宅に設置されたパーソナルコンピュータ6のネットワークファイル取得代行部63が行う。ネットワークファイル代理取得処理について説明する。
図6に、このネットワークファイル代理取得処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、無線LAN4を介して車載DVDビデオプレイヤから代理取得要求を受け取ったならば(ステップ602)、代理取得要求と共に受け取った代理取得ファイル管理レコードをHDD62に保存する(ステップ608)。
また、この処理では、保存しているいずれかの代理取得ファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストに、取得済フラグに未取得が登録されているエントリが存在する場合には(ステップ604)、存在したエントリのうちで最も優先順位が高いネットワークファイルのエントリに登録されているネットワークファイルURLに含まれるサーバネームが示すネットワークサーバ5に、無線LAN4、WAN3を介してアクセスして、当該ネットワークサーバ5から、当該ネットワークファイルURLが特定するネットワークファイルをダウンロードしてHDD62に記憶し、ダウンロードしたネットワークファイルのエントリのファイルパスに、当該ネットワークファイルを記憶したHDD62上のロケーションのパスを登録すると共に、当該代理取得ファイル管理レコードのエントリの取得済フラグを代理取得済に設定する(ステップ610)。
【0042】
また、この処理では、無線LAN4を介して車載DVDビデオプレイヤから代理取得ファイルリストの送信要求を受け取ったならば(ステップ606)、各代理取得ファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストの取得済フラグに代理取得済が登録されているエントリの各々について、当該エントリが属する代理取得ファイル管理レコードのディスク識別子と、当該エントリに登録されているネットワークファイルURLとを組み合わせたファイル識別子を生成すると共に、生成した各ファイル識別子を含めた代理取得ファイルリストを作成し車載DVDプレイヤ1に送信する(ステップ612)。そして、その後、無線LAN4を介して車載DVDビデオプレイヤからネットワークファイルの転送要求を受信したならば(ステップ614)、当該要求に含まれる各ファイル識別子について、当該ファイル識別子に含まれるディスク識別子が登録されている代理取得ファイル管理レコードの、ネットワークファイル管理リストの、当該ファイル識別子に含まれるネットワークファイルURLが登録されているエントリのファイルパスによって示されるHDD62のロケーションからネットワークファイルを読み出して、車載DVDプレイヤ1に、各ネットワークファイルのファイル識別子を識別可能な形態で転送し、先に送信した取得ファイルリストに含めた全てのファイル識別子に対応する各代理取得ファイル管理レコードのネットワークファイル管理リストのエントリの取得済フラグを取得済に設定する(ステップ616)。なお、ステップ616においてネットワークファイルを車載DVDプレイヤ1に送信する際に、ネットワークファイルが高画質ビデオデータである場合などには、当該ビデオデータを車載DVDプレイヤ1の再生に適した画質のビデオデータにレート変換した上で、車載DVDプレイヤ1に転送するようにすることも好ましい。
【0043】
以上、パーソナルコンピュータ6のネットワークファイル取得代行部63が行うネットワークファイル代理取得処理について説明した。
以下、このような車載DVDプレイヤ1の動作例について示す。
いま、図2aに示すように、自宅駐車場などの、車載DVDプレイヤ1が自宅の無線LAN4に接続可能な位置に駐車している状態で、自動車に搭載したユーザが、車載DVDプレイヤ1にDVD2を装着すると、車載DVDプレイヤ1において、ネットワークファイル管理レコード作成処理によって、当該DVD2の再生時に利用されるネットワークファイルを登録したネットワークファイル管理レコードが作成されると共に、ネットワークファイル代理取得制御処理によって、当該ネットワークファイル管理レコードのコピーが代理取得ファイル管理レコードとして無線LAN4を介してパーソナルコンピュータ6に送られる。そして、代理取得ファイル管理レコードが、パーソナルコンピュータ6において、ネットワークファイル代理取得処理によって保存される。
【0044】
そして、その後、自動車が図2b、c、dのように移動すると、図2b、cの無線基地局31を介してWAN3に接続可能な期間には、車載DVDプレイヤ1において、ネットワークファイル先行取得処理によって、DVD2の再生の有無やネットワークファイルのダウンロード開始定義時間に関わらず、ネットワークファイル管理レコードに登録された各ネットワークファイルが、順次、ネットワークサーバ5からダウンロードして記憶される。また、ネットワークファイル提供処理によって、再生対象となったネットワークファイルがコンテンツ再生部107に提供され再生される。ここで、ネットワークファイル提供処理は、再生対象となったネットワークファイルが既にダウンロードされ記憶されている場合には、当該記憶されているネットワークファイルをコンテンツ再生部107に提供し、再生対象となったネットワークファイルがダウンロードされていない場合には、ネットワークサーバ5からダウンロードした上で、コンテンツ再生部107に提供する。
【0045】
その後、自動車が、図3dの、WAN3に接続できない地域に進むと、当該地域を走行中、新たなネットワークファイルが再生対象となると、ネットワークファイル提供処理によって、当該ネットワークファイルが、当該ネットワークファイルが既にダウンロードされ記憶されているかどうかが判定され、記憶されている場合には、当該記憶されているネットワークファイルがコンテンツ再生部107に提供されて再生される。
【0046】
一方、この自動車が外出している間に、自宅のパーソナルコンピュータ6では、ネットワークファイル代理取得処理によって、車載DVDプレイヤ1から受け取った代理取得ファイル管理レコードに登録されている各ネットワークファイルが無線LAN4、WAN3を介してネットワークサーバ5からダウンロードされ保存される。
【0047】
そして、自動車が図2aに示すように自宅駐車場に帰着し、車載DVDプレイヤ1が無線LAN4と接続可能となると、車載DVDプレイヤ1のネットワークファイル代理取得制御処理と、パーソナルコンピュータ6のネットワークファイル代理取得処理によって、パーソナルコンピュータ6のネットワークファイル代理取得処理がネットワークサーバ5からダウンロードしておいたネットワークファイルのうち、車載DVDプレイヤ1に記憶されていないネットワークファイルが、パーソナルコンピュータ6から車載DVDプレイヤ1に転送され、車載DVDプレイヤ1に記憶される。そして、記憶されたネットワークファイルが、以降のDVD2の再生時に利用されることになる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明した。
このように本実施形態によれば、車載DVDプレイヤ1において、WAN3に接続可能な期間に、ビデオディスクの再生時に再生されることのある前記WAN3上の各ネットワークファイルを当該コンテンツの再生や、そのための処理の開始タイミングによらずに、順次、先行的にネットワークサーバ5からダウンロードして保存しておくことができる。よって、車載DVDプレイヤ1がWAN3に接続できない期間中であっても、先行して保存しておいたネットワークファイルを用いて、当該保存しておいたネットワークファイルの各々について、その正常再生を行うことができるようになり、結果、WAN3に接続可能なエリア外に位置するときにも、できるだけ多くのWAN3上のコンテンツを正常に再生できるようになる。
【0049】
また、本実施形態によれば、車載DVDプレイヤ1は、自宅のパーソナルコンピュータ6に、ビデオディスクの再生時に再生されることのあるWAN3上の各ネットワークファイルのダウンロードをオフラインで代行させる形態で、当該WAN3上のネットワークファイルを取得して保存し、WAN3上のネットワークファイルを再生する際には、保存しておいたネットワークファイルを用いて当該ネットワークファイルの再生を行うことができる。
【0050】
そして、パーソナルコンピュータ6は固定設置される装置であり、したがって、WAN3に常時高速に接続可能な装置とすることができる。よって、当該パーソナルコンピュータ6は、車載DVDプレイヤ1よりも確実かつ速やかにWAN3上のネットワークファイルをダウンロードすることができる。よって、車載DVDプレイヤ1において、パーソナルコンピュータ6を利用して前記WAN上の各ネットワークファイルを確実に取得することができ、結果、自動車がWANに接続可能なエリア外に位置するときにも、できるだけ多くのWAN上のコンテンツを正常に再生できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る車載DVDプレイヤの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載DVDプレイヤの動作例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るネットワークファイルテーブルを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車載DVDプレイヤが行うネットワークファイル作成処理、ネットワークファイル先行取得処理、ネットワークファイル提供処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る車載DVDプレイヤが行うネットワークファイル代理取得制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るパーソナルコンピュータが行うネットワークファイル代理取得処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1…車載DVDプレイヤ、2…DVD、3…WAN、4…無線LAN、5…ネットワークサーバ、6…パーソナルコンピュータ、31…無線基地局、62…HDD、63…ネットワークファイル取得代行部、101…DVDドライブ、102…無線通信装置、103…無線LANインタフェース、104…入力装置、105…表示装置、106…スピーカ、107…コンテンツ再生部、108…再生制御部、109…ネットワークファイル取得部、110…ネットワークファイルテーブル、111…ネットワークファイル記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に搭載され、装着されたビデオディスクを再生する車載ビデオ再生装置であって、
無線通信を介してWANに接続するWAN接続部と、
前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、前記WAN上のコンテンツを、当該ビデオディスクに記録されたコンテンツと共に再生する再生部とを有し、
当該再生部は、
前記ビデオディスクの装着時に、前記ビデオディスクに記録された前記再生制御情報に従って前記ビデオディスクの再生時に前記再生部によって再生されることのある前記WAN上のコンテンツを登録したリストを作成するWAN上コンテンツリスト作成部と、
前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、当該WANに接続して、前記リストに登録されている前記WAN上の各コンテンツを、順次ダウンロードして保存するダウンロード処理部を有し、
当該再生部は、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記ダウンロード処理部によって既にダウンロードされ保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生することを特徴とする車載ビデオ再生装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載ビデオ再生装置であって、
前記ダウンロード処理部は、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツのうち、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングがより早いものを、より先行してダウンロードすることを特徴とする車載ビデオ再生装置。
【請求項3】
請求項2記載の車載ビデオ再生装置であって、
前記ダウンロード処理部は、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツであって、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが同じコンテンツについては、コンテンツのサイズがより小さいものを、より先行してダウンロードすることを特徴とする車載ビデオ再生装置。
【請求項4】
請求項1記載の車載ビデオ再生装置であって、
前記ダウンロード処理部は、前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、保存していない前記WAN上のコンテンツの、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが到来した場合には、当該再生のための処理の開始タイミングが到来した前記WAN上のコンテンツを、再生のための処理の開始タイミングが到来していない他の前記WAN上のコンテンツに優先してダウンロードして保存することを特徴とする車載ビデオ再生装置。
【請求項5】
請求項1記載の車載ビデオ再生装置であって、
前記ビデオディスクは、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVD、または、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discであることを特徴とする車載ビデオ再生装置。
【請求項6】
自動車に搭載され、ビデオディスクを再生する車載ビデオ再生装置と、固定設置された、WANに接続可能なコンテンツ代理取得装置とを備えたビデオ再生システムであって、
前記車載ビデオ再生装置は、
近距離無線通信を介して前記コンテンツ代理取得装置に接続する近距離無線通信部と、
前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、前記WAN上のコンテンツを、当該ビデオディスクに記録されたコンテンツと共に再生する再生部とを有し、
当該再生部は、
前記ビデオディスクの装着時に、前記ビデオディスクに記録された前記再生制御情報に従って前記ビデオディスクの再生時に前記再生部によって再生されることのある前記WAN上のコンテンツを登録したリストを作成するWAN上コンテンツリスト作成部と、
前記近距離無線通信部が前記コンテンツ代理取得装置に接続可能な期間に、当該コンテンツ代理取得装置に接続し、前記リストを伴う前記WAN上のコンテンツの代理取得要求を前記コンテンツ代理取得装置に送信する代理取得依頼部と、
前記近距離無線通信部が前記コンテンツ代理取得装置に接続可能な期間に、当該コンテンツ代理取得装置に接続し、前記コンテンツ代理取得装置から、当該コンテンツ代理取得装置が取得した前記WAN上のコンテンツの転送を受けて保存するコンテンツ保存部とを有し、
前記コンテンツ代理取得装置は、
接続した前記車載ビデオ再生装置から受信した代理取得要求に伴うリストに登録されている前記WAN上のコンテンツを順次ダウンロードして保存する代理取得部と、
接続した前記車載ビデオ再生装置に、前記代理取得部が保存しているコンテンツを転送するコンテンツ転送部とを有し、
前記車載ビデオ再生装置の前記再生部は、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記コンテンツ保存部によって保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生することを特徴とするビデオ再生システム。
【請求項7】
請求項6記載のビデオ再生システムであって、
前記コンテンツ代理取得装置の前記コンテンツ転送部は、接続した前記車載ビデオ再生装置に、前記代理取得部が保存しているコンテンツを、前記車載ビデオ装置における再生に適した再生レートのコンテンツにレート変換した上で転送することを特徴とするビデオ再生システム。
【請求項8】
請求項6記載のビデオ再生システムであって、
前記車載ビデオ再生装置は、
無線通信を介してWANに接続するWAN接続部を有し、
当該車載ビデオ再生装置の再生部は、
前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、当該WANに接続して、前記リストに登録されている前記WAN上の各コンテンツを、順次ダウンロードして保存するダウンロード処理部を有し、
当該再生部は、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記ダウンロード処理部によって既にダウンロードされ保存されているか、前記コンテンツ保存部によって既に保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生することを特徴とする車載ビデオ再生システム。
【請求項9】
請求項8記載のビデオ再生システムであって、
前記コンテンツ代理取得装置の前記コンテンツ転送部は、接続した前記車載ビデオ再生装置に、前記代理取得部が保存しているコンテンツのうちの、前記車載ビデオ再生装置において保存されていないコンテンツのみを転送することを特徴とするビデオ再生システム。
【請求項10】
請求項8記載のビデオ再生システムであって、
前記車載ビデオ再生装置の前記ダウンロード処理部は、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツのうち、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングがより早いものを、より先行してダウンロードすることを特徴とする車載ビデオ再生システム。
【請求項11】
請求項10記載のビデオ再生システムであって、
前記車載ビデオ再生装置の前記ダウンロード処理部は、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツであって、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが同じコンテンツについては、コンテンツのサイズがより小さいものを、より先行してダウンロードすることを特徴とする車載ビデオ再生システム。
【請求項12】
請求項8記載のビデオ再生システムであって、
前記車載ビデオ再生装置の前記ダウンロード処理部は、前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、当該車載ビデオ再生装置に保存されていない前記WAN上のコンテンツの、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが到来した場合には、当該再生のための処理の開始タイミングが到来した前記WAN上のコンテンツを、再生のための処理の開始タイミングが到来していない他の前記WAN上のコンテンツに優先してダウンロードして保存することを特徴とする車載ビデオ再生システム。
【請求項13】
請求項6記載のビデオ再生システムであって、
前記ビデオディスクは、HD DVD-Video規格に従ってビデオコンテンツを記憶したHD DVD、または、BDMV規格に従ってビデオコンテンツを記憶したBlu-ray Discであることを特徴とするビデオ再生システム。
【請求項14】
自動車に搭載された車載ビデオ再生装置において、ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、WAN上のコンテンツを、当該ビデオディスクに記録されたコンテンツと共に再生するビデオ再生方法であって、
前記ビデオディスクの装着時に、前記ビデオディスクに記録された前記再生制御情報に従って前記ビデオディスクの再生時に前記車載ビデオ再生装置において再生されることのある前記WAN上のコンテンツを登録したリストを作成するWAN上コンテンツリスト作成ステップと、
前記WANに接続可能な期間に、当該WANに接続して、前記リストに登録されている前記WAN上の各コンテンツを、順次ダウンロードして保存する先行ダウンロードステップと、
前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記ダウンロード処理部によって既にダウンロードされ保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生する再生ステップとを有することを特徴とするビデオ再生方法。
【請求項15】
請求項14記載のビデオ再生方法であって、
前記先行ダウンロードステップにおいて、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツのうち、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングがより早いものを、より先行してダウンロードすることを特徴とするビデオ再生方法。
【請求項16】
請求項15記載のビデオ再生方法であって、
前記先行ダウンロードステップにおいて、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツであって、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが同じコンテンツについては、コンテンツのサイズがより小さいものを、より先行してダウンロードすることを特徴とするビデオ再生方法。
【請求項17】
自動車に搭載されるコンピュータによって読みとられ実行されるコンピュータプログラムであって、
当該コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
無線通信を介してWANに接続するWAN接続部と、
前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って、前記WAN上のコンテンツを、当該ビデオディスクに記録されたコンテンツと共に再生する再生部として機能させ、かつ、
当該再生部は、
前記ビデオディスクの装着時に、前記ビデオディスクに記録された前記再生制御情報に従って前記ビデオディスクの再生時に前記再生部によって再生されることのある前記WAN上のコンテンツを登録したリストを作成するWAN上コンテンツリスト作成部と、
前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、当該WANに接続して、前記リストに登録されている前記WAN上の各コンテンツを、順次ダウンロードして保存するダウンロード処理部を有し、
当該再生部は、前記ビデオディスクに記録された再生制御情報に従って再生対象となった前記WAN上のコンテンツが前記ダウンロード処理部によって既にダウンロードされ保存されている場合には、当該保存されているコンテンツを再生することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項18】
請求項17記載のコンピュータプログラムであって、
前記ダウンロード処理部は、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツのうち、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングがより早いものを、より先行してダウンロードすることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項18記載のコンピュータプログラムであって、
前記ダウンロード処理部は、前記リストに登録されている前記WAN上のコンテンツであって、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが同じコンテンツについては、コンテンツのサイズがより小さいものを、より先行してダウンロードすることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項17記載のコンピュータプログラムであって、
前記ダウンロード処理部は、前記WAN接続部が前記WANに接続可能な期間に、保存していない前記WAN上のコンテンツの、前記再生制御情報によって定義される当該コンテンツの再生のための処理の開始タイミングが到来した場合には、当該再生のための処理の開始タイミングが到来した前記WAN上のコンテンツを、再生のための処理の開始タイミングが到来していない他の前記WAN上のコンテンツに優先してダウンロードして保存することを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−253878(P2009−253878A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102201(P2008−102201)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】