車載レーザレーダ装置
【課題】ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制可能な車載レーザレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーザレーダ装置30は、ナンバープレート12とバンパー14との間にねじ止めされ、照射部42から照射されるレーザ光が筐体外に出射される位置及び受光部44に導かれる反射光を筐体内に取り込む位置が、ナンバープレート12の車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配されている。ここで特に、照射部42から照射されるレーザ光のうちナンバープレート12及びバンパー14の少なくとも一方によって反射されるレーザ光が受光部44にて受光されないように、照射部42による照射範囲AI及び受光部44による受光範囲ARが定められている。
【解決手段】レーザレーダ装置30は、ナンバープレート12とバンパー14との間にねじ止めされ、照射部42から照射されるレーザ光が筐体外に出射される位置及び受光部44に導かれる反射光を筐体内に取り込む位置が、ナンバープレート12の車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配されている。ここで特に、照射部42から照射されるレーザ光のうちナンバープレート12及びバンパー14の少なくとも一方によって反射されるレーザ光が受光部44にて受光されないように、照射部42による照射範囲AI及び受光部44による受光範囲ARが定められている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、車両周辺に存在する各物標の検知に用いられる車載レーザレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、見通しの悪い十字路やT字路等の交差点に進入する際に、車両の進行方向だけでなく車両進行方向に対し左右方向の道路の状態を検知し、運転者による道路状況の確認を補助する装置が知られている。
【0003】
例えば、車両進行方向に対し略直角な右方向及び左方向の被写体を左右に設けた一対の自動焦点カメラにより撮像するようにした車載用左右確認装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記装置では、自動焦点カメラのレンズ位置は被写体までの距離に対応して調整されるため、被写体に焦点が合った状態のレンズ位置を検出することによって当該被写体までの距離を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−41970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に自動焦点カメラは、レンズ位置を調整するための精密な可動機構を備える複雑な構成となっているため、耐久性に乏しいことが懸念される。
また、被写体に焦点が合ったときのレンズ位置に基づいて被写体までの距離が算出されることを考えると、自動焦点カメラを用いた上記装置は、刻々と変化するような車両周辺状況では被写体に焦点を合わせるまでに時間を要するため、被写体までの距離の算出に時間を要し、結果として左右方向の道路の状態の検知に時間がかかってしまう虞がある。
【0007】
そこで、本発明の発明者は、自動焦点カメラに代えてレーザレーダ装置を用いることを考えた。
なぜなら、レーザレーダ装置は、照射部にてレーザ光を照射してからそのレーザ光の物標からの反射光を受光部にて受光するまでの時間(以下、送受時間差という)の二分の一の値とレーザ光の伝播速度とを乗算することで物標までの距離を算出するため、焦点合わせを必要とする自動焦点カメラに比べて物標までの距離の算出時間を短縮することができるためである。また、レーザレーダ装置は、自動焦点カメラに比べて構造が簡単で耐久性にも優れているためである。
【0008】
そしてさらに、レーザレーダ装置を、車両の美観を損なうことがないように、ナンバープレートの裏側に取り付けることを考えた。この場合、ナンバープレートとバンパーに挟まれた筐体の側面に照射部及び受光部を設けることとした。
【0009】
また、雨等によって照射部や受光部が受ける影響を抑制するために、照射部及び受光部が設けられた筐体の側面は、ナンバープレートの側方端部よりナンバープレート中央側に奥まった位置に配置することとした。
【0010】
このように配置した場合、図14(a)に示すように、レーザレーダ装置90は、照射部から照射されたレーザ光がナンバープレート92で反射された反射光L1を直接受光したり(以下ではこのような反射光を直接反射光という)、図14(b)や(c)に示すように、ナンバープレート92とバンパー94とで多重に反射された反射光L2、L3(以下ではこれらの反射光を多重反射光という)を受光するといった現象が生じることが分かった。
【0011】
本発明者は、この現象によってもたらされるレーザレーダ装置への影響について検討した。その結果を図15(a)〜(d)を用いて説明する。
図15(a)〜(d)は、レーザレーダ装置が直接反射光または多重反射光を受光したときの問題点を示す説明図である。図15において、受光信号の受光のタイミングは信号の立ち上がり(図15(b)に見られるような信号を受け始めた時刻t1に相当)に設定されており、物標は車両から5m離れた位置に存在しているものとする。
【0012】
図15(a)に示すトリガ信号の発生をきっかけとして照射部からレーザ光が照射される(時刻t0)と、図15(b)に示すように照射部から照射されたレーザ光の物標からの反射光が受光部にて受光される(時刻t1)。物標までの距離は、時刻t0とt1の差としての送受時間差Td1に基づいて算出される。
【0013】
ところが、図15(c)に示すように直接反射光または多重反射光が受光部にて受光されている(時刻t2)と、場合によっては直接反射光または多重反射光と物標からの反射光とが重畳することがある。
【0014】
例えば、レーザ光のパルス幅が40nsecであるとすると、物標までの往復距離である10mをレーザ光の伝播速度(光速)で除算した結果として得られる送受時間差Td1は、約33nsecである。また、直接反射光または多重反射光の送受時間差Td2は、その経路長が短いことから約0nsecである。
【0015】
このように、物標からの送受時間差Td1がレーザ光のパルス幅より小さいとき、即ち、物標が自車両に近い(数m程度離れた)位置に存在する場合に、直接反射光または多重反射光と物標からの反射光とは、図15(d)に示すように、一つの山の形に合成される。この結果、合成波の受光タイミング(t3)は本来得るべき物標からの反射光の受光タイミング(t1)とは大きく異なり、合成波の送受時間差Td3に基づいて得られる物標までの距離は実際の物標までの距離とは大きく異なってしまう。
【0016】
即ち、レーザレーダ装置において直接反射光または多重反射光が受光部にて受光されるといった現象によってもたらされるレーザレーダ装置への影響として、距離の誤検出を招き、その結果、車両に近い位置に存在する物標までの距離の検知精度が低下することになる。
【0017】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制可能な車載レーザレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の車載レーザレーダ装置は、車両端部に設けられたナンバープレートと車両本体との間に筐体が設置されおり、該筐体の内部に照射手段と受光手段とを備えている。ここで特に本発明では、照射手段から照射されるレーザ光が筐体外に出射される位置及び受光手段に導かれる反射光を筐体内に取り込む位置が、ナンバープレートの車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配されている。さらに、照射手段及び受光手段は、照射手段から照射されるレーザ光のうちナンバープレート及び車両部位の少なくとも一方によって反射されるレーザ光が受光手段にて受光されないように、照射手段による照射範囲及び受光手段による受光範囲が定められている。
【0019】
このように、本発明の車載レーザレーダ装置では、ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置することによって照射手段及び受光手段が雨等の影響を受けることを抑制するとともに、ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制することができる。結果として、本発明では、車両に近い位置に存在する物標からの反射光を検出することができ、これらの物標までの距離の検知精度を向上させることができる。
【0020】
ここで、例えば請求項2に記載のように、照射範囲及び受光範囲のうち少なくとも一方の範囲が、レーザ光がナンバープレートによって反射される第一反射部位及び車両部位によって反射される第二反射部位を含まないように、照射手段及び受光手段を配置しても良い。
【0021】
より具体的には請求項3に記載のように、照射範囲及び受光範囲のうち少なくとも一方の範囲が、その範囲のナンバープレート側の端部が第一反射部位を含まず、かつその範囲の車両部位側の端部が第二反射部位を含まないように、照射手段及び受光手段を配置しても良い。
【0022】
これによると、上記照射範囲において上記配置とする場合は、照射手段からのレーザ光によりナンバープレートや車両本体での反射光が生じないため、図15(c)に示すような直接反射光及び多重反射光が受光手段にて受光されることを抑制できる。
【0023】
また、上記受光範囲において上記配置とする場合は、何らかの要因で照射手段からのレーザ光によりナンバープレートや車両本体での反射光が生じたとしても、受光範囲がナンバープレートと車両本体での反射光を受光しないように設定されているため、直接反射光及び多重反射光(図15(c)参照)を受光手段にて受光することを抑制できる。
【0024】
また、請求項4に記載の車載レーザレーダ装置では、照射手段及び受光手段が、車両の高さ方向に並べて配置されている。
これにより、照射手段及び受光手段を車両の前後方向に並べて配置する場合と比べて、探査領域の角度範囲を大きく設定することができる。
【0025】
この探査領域の角度範囲とは、照射範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲と、受光範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲との重複する角度範囲に相当する。
【0026】
この重複する角度範囲について、図16の例を用いてより具体的に説明する。図16(a)に示すように、ナンバープレート92とバンパー94との間に設置されたレーザレーダ装置90aにて照射手段82及び受光手段84が車両の前後方向に配置される場合、照射手段82の照射範囲における車両前後方向前側の一部がナンバープレートに遮られ狭くなり、結果、上記重複する角度範囲が狭くなり、探査領域として設定できるのは重複範囲85となる。これに対し、図16(b)に示すように、レーザレーダ装置90bにて照射手段82及び受光手段84が車両の高さ方向に配置される場合、照射範囲、受光範囲のいずれもナンバープレートやバンパーに遮られることなく、結果、探査領域として設定できるのは照射範囲の全体に相当する重複範囲86となる。
【0027】
従って、本発明の車載レーザレーダ装置では、探査領域を広く設定することができる。また、照射手段及び受光手段を車両の前後方向に配置する場合に比べて、筐体の車両の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0028】
ところで、上記の照射窓部及び受光窓部に汚れが付着していると、物標の検知精度が低下するため、照射窓部及び受光窓部の拭き掃除を行う必要がある。しかしながら、照射窓部及び受光窓部がナンバープレートの側方の端部よりナンバープレートの中央側に配置されていると、拭き掃除の際に奥のほうまで手を入れなくてはならないため、ナンバープレートの端部のバリ等が拭き作業の邪魔となり得る。
【0029】
そこで、例えば請求項5に記載のように、ナンバープレートより硬度の低い材料により形成され、少なくともナンバープレートの裏側端部に配置される軟材料部を設けてもよい。軟材料部は、例えばナンバープレート裏側の側方端部に車両の高さ方向に沿って帯状に設けてもよい。なお、軟材料部はナンバープレートの外周端部から突出するように形成されていること、及び、軟材料部の車両の幅方向外側の端部は曲率を有するように形成されていることが望ましい。
【0030】
これによると、拭き掃除の際に、人の手はナンバープレートの端部に直接触れることなく軟材料部の端部に触れることになるため、ナンバープレートの端部のバリ等による拭き作業の障害を払拭できる。
【0031】
また、本発明の車載レーザレーダ装置は、例えば請求項6に記載のように、ナンバープレート及び車両部位のうち少なくとも一方に、赤外線を吸収する赤外線吸収部を備えていても良い。これにより、ナンバープレートが曲がったり、レーザレーダ装置の取付位置がずれたりすることによって、照射範囲又は受光範囲にナンバープレートの一部分が含まれてしまったとしても、その部分に赤外線吸収部が設けられていれば、これらの部分からの反射光を抑制することができる。
【0032】
なお、本発明の車載レーザレーダ装置は、例えば請求項7に記載のように、照射手段は、レーザ光を照射する照射素子の位置によって、照射範囲を調整するように構成されていてもよい。同様に、請求項8に記載のように、受光手段は、レーザ光を受光する受光素子の位置によって、受光範囲を調整するように構成されていてもよい。また、照射手段は、請求項9に記載のように、レーザ光(照射光)を遮ることによって、照射範囲を調整する照射側遮光部を有していてもよい。同様に、請求項10に記載のように、受光手段は、受光するレーザ光を遮ることによって、受光範囲を調整する受光側遮光部を有していてもよい。
【0033】
以上説明した車載レーザレーダ装置は、車両の前進方向に対して右側方にレーザ光を照射してその反射光を受光するように構成されても良いし、車両の前進方向に対して左側方にレーザ光を照射してその反射光を受光するように構成されても良い。
【0034】
または、請求項11に記載の車載レーザレーダ装置のように、車両の前進方向に対して右側方及び左側方の両方にレーザ光を照射しその反射光を受光するように構成されても良い。請求項11に記載された発明に、請求項1に記載された発明と同様に、請求項2〜10に記載の構成を適用してもよいことは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態の車載警報システムの設置場所及び探査領域を示す説明図である。
【図2】車両がT字路に進入する場合に想定される状況を例示した説明図である。
【図3】ナンバープレートの裏側から見たレーザレーダ装置の外観を示す斜視図である。
【図4】車載警報システム及びレーザレーダ装置の構成を表すブロック図である。
【図5】(a)はナンバープレートの裏側から見たときの照射部及び受光部の配置の一例を示す説明図であり、(b)は(a)のb−b線の上方(車両の高さ方向上側)から見て照射部及び受光部を透視したときの照射範囲及び受光範囲の一例を示す説明図である。
【図6】照射部がとり得る照射範囲の他の例を示す説明図である。
【図7】受光部がとり得る受光範囲の他の例を示す説明図である。
【図8】(a)は、裏側から見たナンバープレート及びレーザレーダ装置を示す説明図であり、(b)は(a)のレーザレーダ装置を上方から見て照射部及び受光部を透視したときの照射範囲及び受光範囲の一例を示す説明図である。
【図9】第2実施形態のレーザレーダ装置の、筐体と照射範囲及び受光範囲とを示す説明図である。
【図10】第3実施形態のレーザレーダ装置の照射部を示す説明図である。
【図11】(a)は、第4実施形態のレーザレーダ装置の照射部を示す説明図であり、(b)は照射部に設けられた遮光部を示す説明図である。
【図12】(a)〜(e)は、他の実施形態のレーザレーダ装置の探査領域を示す説明図である。
【図13】ナンバープレートに設けられた軟材料部を示す説明図である。
【図14】(a)はナンバープレートによる反射光が直接受光される場合の反射光の経路の一例を示す説明図であり、(b)ならびに(c)はそれぞれ多重反射光の経路の一例を示す説明図である。
【図15】(a)は時刻t0における発光トリガの波形図であり、(b)は時刻t1における5m離れた物標からの反射光を受光したときの受光信号の波形図であり、(c)は直接反射光または多重反射光の波形図であり、(d)は物標からの反射光及び直接反射光または多重反射光の両方を受光部にて受光したときの波形図である。
【図16】(a)は照射手段及び受光手段が車両の前後方向に並べて配置される場合の探査領域を示す説明図であり、(b)は照射手段及び受光手段が車両の高さ方向に並べて配置される場合の探査領域を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<第1実施形態>
<全体構成>
本発明が適用された車載警報システム1の設置場所及び探査領域を図1に示す。
【0037】
図1に示すように、車載警報システム1は、レーザ光を照射してその反射光を受光することにより予め設定された探査領域内に存在する物標を検知するレーザレーダ装置30と、車両10の室内に設置されて探査領域内に物標が存在することを車両の乗員(特にドライバ18)に視覚または聴覚により認識させる報知装置20とを備えている。
【0038】
<レーザレーダ装置>
レーザレーダ装置30は、車両前端のナンバープレート12と車両本体(多くは車両本体の一部を構成するバンパー14)との間に取り付けられ、その取り付け位置から左右測方に向けてレーザ光を照射するように構成されている。以下、車両本体を、より具体的なバンパー14として説明する。
【0039】
なお、車両の前進方向に向かって右を単に「右」、車両の前進方向に向かって左を単に「左」と称し、車両の右に向けて照射されるレーザ光によって形成される探査領域を右探査領域SR、車両の左に向けて照射されるレーザ光によって形成される探査領域を左探査領域SLという。
【0040】
いずれの探査領域SR、SLも、レーザレーダ装置30の設置位置からみた左右方向を基準として、その左右方向より前進方向に所定の角度(例えば15°)向いた方向までの角度範囲をカバーするように設定されている。
【0041】
レーザレーダ装置30は、例えば図2に示すように、車両10がT字路(狭い路地から広い主要道路)に進入する場合に物標(障害物)19の存在を検知する用途等に使用される。
【0042】
<外観>
図3は、ナンバープレート12の裏側から見たレーザレーダ装置30の外観を示す斜視図である。
【0043】
レーザレーダ装置30の筐体31は、略直方体に形成されており、その右側面32に、照射窓部33及び受光窓部34が車両の高さ方向の上下に並ぶように形成されている。つまり、レーザ光を発生させる照射部と、照射部からの照射光を物標が反射する事により生じた反射光を受光する受光部とを車両の高さ方向の上下に並ぶように配置した格好としている。
【0044】
照射窓部33は車両の右に向けて照射されたレーザ光が透過する窓部であり、受光窓部34は車両の右に向けて照射されたレーザ光の照射方向に存在する物標から到来する反射光が透過する窓部である。筐体31の左側面には、図示していないが、車両の左に向けて照射されたレーザ光が透過する照射窓部及び車両の左に向けて照射されたレーザ光の照射方向に存在する物標から到来する反射光が透過する受光窓部が、同様に形成されている。
【0045】
このように照射窓部33及び受光窓部34を車両の高さ方向の上下に並ぶように形成するようにしたので、車両の前後方向に並べて配置する場合と比べて探査領域の角度範囲、すなわち、物標(検知対象)の検知範囲を広くすることができる。
【0046】
この探査領域の角度範囲とは、照射範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲と、受光範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲との重複する角度範囲に相当する。
【0047】
ところで、筐体31には、ナンバープレート12に設けられたねじ孔と同じ間隔で二つのねじ孔35、36が設けられている。これにより、ナンバープレート12をバンパー14に取り付けるときにナンバープレート12を挿通するねじ(図示せず)によって、レーザレーダ装置30がナンバープレート12とともにバンパー14にねじ止めされる。
【0048】
また、筐体31は、車両の幅方向及び車両の高さ方向の両方において、ナンバープレート12より小さく形成されている。これにより、レーザレーダ装置30がナンバープレート12とともにバンパー14にねじ止めされると、筐体31の側面(32)に設けられた照射窓部(33)及び受光窓部(34)は、ナンバープレート12の車幅方向において、側方端部よりナンバープレート12の中央側に奥まった位置に配置される。
【0049】
<内部構成>
図4は、レーザレーダ装置30及び車載警報システム1の内部構成を表すブロック図である。
【0050】
レーザレーダ装置30は、右探査領域SR内に存在する物標を検知する右測距部40と、左探査領域SL内に存在する物標を検知する左測距部50と、右測距部40及び左測距部50による検知結果に基づいて報知装置20を作動させる信号処理部60とを備えている。信号処理部60はマイクロコンピュータにより構成されている。
【0051】
右測距部40は、レーザ光を発生させる照射部42と、照射部42からの照射光の物標からの反射光を受光する受光部44と、照射部42からレーザ光を出力してから当該レーザ光の物標からの反射光が受光部44に入力されるまでの時間に基づいて反射光が到来した方位に存在する物標までの距離を算出する距離算出部48とを備える。
【0052】
ここで、照射部42は、予め設定された探査周期毎に、右探査領域SRをカバーするように一括してパルス状のレーザ光を照射するように構成されている。一方、受光部44は、右探査領域SRを予め設定された角度範囲ごとに複数に分割した領域を単位領域として、これら単位領域からの反射光を個別に受光できるように配置される複数の受光素子で構成されている。以下ではこのような構成によりレーザ光を照射及び受光する方式を一括投光方式という。
【0053】
左測距部50は、右測距部40の照射部42、受光部44及び距離算出部48と同様に構成された照射部52、受光部54及び距離算出部58を備えている。上記右測距部40の説明において、右探査領域SRを左探査領域SLに置き換え、照射部42、受光部44及び距離算出部48をそれぞれ照射部52、受光部54及び距離算出部58に置き換えると、左測距部50の説明となる。右測距部40及び左測距部50は、探査領域が異なる他は同様の構成となっているため、以下では主に右測距部40についてその構成を説明する。
【0054】
<照射範囲及び受光範囲と探査領域との関係>
ここで、照射部42によりレーザ光が照射される照射範囲と、受光部44が反射光を受光可能な受光範囲と、探査領域との関係について説明する。
【0055】
照射範囲とは、照射部における、レーザ光を照射する照射素子やレンズなどの光学部品を組合せた際の特性により、照射部がレーザ光を照射可能な角度範囲をいう。但し、一般には、レンズや照射部内部の光の散乱などに由来する迷光成分による照射は含まない。(このような迷光成分による照射は、微量ではあるが広い角度範囲にわたって照射される性質を持つ。)この事を考慮し、ここでいう照射範囲は、例えば、最も強く照射される方向の照射強度を基準として、その1/2以上、1/e以上、又は1/e2以上などの強度で照射される角度範囲などを指す。なお、上記における「e」とは、自然対数の底(Napier‘s constant)である。
【0056】
受光範囲とは、受光部における、受光素子やレンズなどの光学部品を組み合わせた際の特性により、受光部がレーザ光を受光可能な角度範囲をいう。但し、一般には、レンズや受光部内部の光の散乱などに由来する迷光成分による受光は含まない。(このような迷光成分による受光は、微量ではあるが広い角度範囲にわたって受光される性質を持つ。)この事を考慮し、ここでいう受光範囲は、例えば、最も強く受光される方向の受光強度を基準として、その1/2以上、1/e以上、又は1/e2以上などの強度で受光される角度範囲などを指す。
【0057】
ところで、レーザ装置は、その用途に応じて、要求される探査領域が定められている。上述の様に、照射範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲と、受光範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲との重複する角度範囲が探査領域になる。探査領域として所望の範囲が得られるように、照射範囲や受光範囲の角度範囲及び中心軸方向、ナンバープレートの端部から筐体側面までの奥行き、筐体の厚さ(ナンバープレートとバンパーとの間隔)といったパラメータが適宜調整されている。
【0058】
<照射部及び受光部の配置>
以下では、本実施形態にて照射範囲及び受光範囲をどのように設定しているかを具体的に説明する。
【0059】
図5(a)はナンバープレート12の裏側から見たときの照射部42及び受光部44の配置の一例を示す説明図であり、(b)は(a)のb−b線の上方(車両の高さ方向上側)から見て照射部42及び受光部44を透視したときの照射範囲AI及び受光範囲ARの一例を示す説明図である。右測距部40は左測距部50と同様の構成であるため、以下では右測距部40の照射部42及び受光部44について説明する。また、車両前後方向前側のことを単に「前」側といい、車両前後方向後側のことを単に「後」側という。
【0060】
図5(a)及び(b)に示すように、照射部42、受光部44は、それぞれ照射範囲AIと受光範囲ARとを有し、その重複する範囲が、探査領域となるように構成されたものが用いられる。
【0061】
特に車両前後方向については、図5(b)に示すように、照射範囲AIの前側の端部(前端)A1がナンバープレート12の裏側より後側(バンパー14側)に位置し、照射範囲AIの後側の端部(後端)B1がバンパー14の前端より前側(ナンバープレート12側)に位置するように、照射部42が配置されている。受光部44も同様に、受光範囲ARの前端A2がナンバープレート12の裏側より後側に位置し、受光範囲ARの後端B2がバンパー14の前端より前側に位置するように、配置されている。
【0062】
このような配置により、照射範囲AIは、ナンバープレート12ともバンパー14とも重なり合うことがなく、さらに、受光範囲ARも、ナンバープレート12ともバンパー14とも重なり合うことが無い。このため、照射部42から照射されたレーザ光による直接反射光及び多重反射光を受光部44にて受光することが抑制される。
【0063】
<配置の変形例>
ところで、直接反射光及び多重反射光の受光を抑制するために、照射部42及び受光部44は、車両の前後方向について、照射範囲AI及び受光範囲ARが必ず上述のごとく設定されるように配置されなければならないわけではない。以下、照射部42及び受光部44の配置の変形例について説明する。
【0064】
ここで、図6は、照射部42がとり得る照射範囲の他の例を示す説明図である。照射範囲がとり得る範囲は、図5(b)に示した照射範囲の前端及び後端がそれぞれナンバープレート12及びバンパー14に当たらないケース(以下、ケース1と称する)と、図6(a)〜(c)に示す三つのケースとの合計四つのケースに分類される。
【0065】
図6(a)は、レーザ光がナンバープレート12の一部を照射するように照射部42が配置されている場合である(以下ケース2と称する)。このとき、照射範囲AIは、前端A1がナンバープレート12に重なっており、後端B1はバンパー14の前端より前側に位置している。ここでいう「重なる」とは、(ナンバープレート12の一部が)照射範囲AI内に位置することをいう。
【0066】
同図(b)は、レーザ光がバンパー14の一部を照射するように照射部42が配置されている場合(以下、ケース3と称する)である。このとき、照射範囲AIは、前端A1がナンバープレート12の裏側より後側に位置し、後端B1がバンパー14に重なっている。
【0067】
同図(c)は、レーザ光がナンバープレート12の一部及びバンパー14の一部を照射するように照射部42が配置されている場合(以下ケース4と称する)である。このとき、照射範囲AIは、前端A1がナンバープレートA1に重なっており、かつ後端B1がバンパー14に重なっている。
【0068】
一方、図7は、受光部44がとり得る受光範囲の他の例を示す説明図である。受光範囲がとり得る範囲は、図5(b)に示した受光範囲ARの前端A2及び後端B2がいずれもナンバープレート12及びバンパー14に重ならないケース(以下、ケース5と称する)と、図7(a)〜(c)に示す三つのケースとの合計四つのケースに分類される。
【0069】
図7(a)に示すケース6は、受光範囲ARにナンバープレート12の一部が含まれるように受光部44が配置されている場合である。受光範囲ARは、前端A2がナンバープレート12に重なっており、後端B2はバンパー14の前端より前側に位置している。ここでいう「重なる」とは、(バンパー14の一部が)受光範囲AR内に位置することをいう。
【0070】
同図(b)に示すケース7は、受光範囲ARにバンパー14の一部が含まれるように受光部44が配置されている場合である。受光範囲ARは、前端A2がナンバープレート12の裏側より後側に位置し、後端B2がバンパー14に重なっている。
【0071】
同図(c))に示すケース8は、受光範囲ARにナンバープレート12の一部及びバンパー14の一部が含まれるように受光部44が配置されている場合である。受光範囲ARは、前端A2がナンバープレートA1に重なっており、かつ後端B2がバンパー14に重なっている。
【0072】
これらの、ケース1〜4に示す照射部42の配置と、ケース5〜8に示す受光部44の配置との組み合わせを[表1]に示す。表中にて丸印が付されている組み合わせは、直接反射光及び多重反射光の受光が抑制される組み合わせであり、バツ印が付されている組み合わせは、直接反射光及び多重反射光の受光が抑制されない組み合わせである。
【0073】
【表1】
【0074】
すなわち、少なくともケース1が成立する場合、照射部42からのレーザ光によりナンバープレート12やバンパー14での反射光が生じない。また、少なくともケース5が成立する場合、たとえ照射部42からのレーザ光によりナンバープレート12やバンパー14での反射光が生じたとしても、受光範囲ARがナンバープレート12とバンパー14からの反射光を受光することがない。
【0075】
従って、少なくとも上記のケース1及びケース5のうちいずれか一方が成立する場合は、照射部42から照射されるレーザ光のうち、ナンバープレート12及びバンパー14による直接反射光及び多重反射光が、受光部44にて受光されることが抑制される。
【0076】
<効果>
以上説明したように、本実施形態のレーザレーダ装置30では、ナンバープレート12とバンパー14(車両本体)との間にレーザレーダ装置30を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制することができる。結果として、車両に近い位置に存在する物標からの反射光の検出が可能となり、これらの物標までの距離の検知精度を向上させることができる。なお、ナンバープレート12とバンパー14との間にレーザレーダ装置30が配置されているため、照射部42及び受光部44が雨等の影響を受けて検知精度が低下することが抑制される。
【0077】
また、本実施形態のレーザレーダ装置30では、照射窓部33及び受光窓部34が車両の高さ方向に並べて配置されている。この結果、レーザレーダ装置30の探査領域を広く設定することができる。また、照射部42及び受光部44を車両の前後方向に配置する場合に比べて、筐体31の車両前後方向の寸法を小さくできる。
【0078】
<請求項との対応>
本実施形態におけるレーザレーダ装置30が特許請求の範囲における「車載レーザレーダ装置」に相当し、バンパー14が特許請求の範囲における「車両部位」に相当し、照射部42が特許請求の範囲における「照射手段」、「右照射手段」に相当し、照射部52が特許請求の範囲における「照射手段」、「左照射手段」に相当する。また、受光部44が特許請求の範囲における「受光手段」、「右受光手段」に相当し、受光部54が特許請求の範囲における「受光手段」、「左受光手段」に相当する。
【0079】
さらにまた、ナンバープレート12の裏側が特許請求の範囲における「第一反射部位」に相当し、バンパー14の前端が特許請求の範囲における「第二反射部位」に相当する。また、照射窓部33の位置が特許請求の範囲における「照射手段から照射されるレーザ光が筐体外に出射される位置」に相当し、受光窓部34が特許請求の範囲における「受光手段に導かれる反射光を筐体内に取り込む位置」に相当する。
【0080】
さらにまた、照射範囲AIが特許請求の範囲における「第1照射範囲」に相当し、受光範囲ARが特許請求の範囲における「第1受光範囲」に相当する。また、照射部52による照射範囲が特許請求の範囲のおける「第2照射範囲」に相当し、受光部54による受光範囲が特許請求の範囲における「第2受光範囲」に相当する。
【0081】
<変形例>
次に、照射部42と受光部44との配置に関する変形例について、図8を用いて説明する。
【0082】
図8(a)は、裏側から見たナンバープレート12及びレーザレーダ装置30を示す説明図であり、(b)は(a)のレーザレーダ装置30を上方(車両の高さ方向上側)から見て照射部42及び受光部44を透視したときの照射範囲AI及び受光範囲ARの一例を示す説明図である。図中、上記実施形態と同様の構成については同様の符号を付すものとし、以下では、上記構成と異なる部分について主に説明する。
【0083】
本変形例では、図8(a)に示すように、ナンバープレート12の裏側の右側方端部及び左側方端部には、これらの端部の縁に沿って、帯状に形成された赤外線吸収部72が設けられている。赤外線吸収部72には、赤外線を吸収する無電解黒色めっき(カニブラック(登録商標))が施されている。
【0084】
レーザレーダ装置30がこのようなナンバープレート12に取り付けられている場合、例えば、小石等が当たってナンバープレートが曲がったり、レーザレーダ装置30の取付位置がずれたりすることによって、照射部42の照射範囲AI又は受光部44の受光範囲ARがずれてナンバープレート12の一部分が含まれてしまったとしても、その部分に赤外線吸収部72が設けられていれば、これらの部分からの反射光を抑制することができる。
【0085】
なお、レーザレーダ装置30がこのようなナンバープレート12に取り付けられている場合、図8(b)に示すように、照射範囲AI及び受光範囲ARは、ナンバープレート12に設けられた赤外線吸収部72の一部を含むように設定されていてもよい。つまり、照射範囲AIの前側の境界A3が赤外線吸収部72の一部に重なっていても良く、受光範囲ARの前側の境界A4が赤外線吸収部72の一部に重なっていても良い。
【0086】
一般に、レーザレーダ装置30の筐体31の大きさには製造誤差がある。つまり、照射窓部33及び受光窓部34の位置が装置毎に若干異なるため、レーザレーダ装置30をナンバープレート12にねじ止めした場合に、ナンバープレート12の一部分が照射範囲AI又は受光範囲ARに含まれる事態が生じうる。
【0087】
また、ねじ止めするときの取付状態のずれ、つまり取付誤差によっても、ナンバープレート12の一部分が照射範囲AI又は受光範囲ARに含まれる事態が生じうる。
このような場合であったとしても、赤外線吸収部72が設けられていれば、物標までの距離の検知精度に影響を及ぼすような反射光が生じてしまうことを抑制できる。
【0088】
なお、本変形例では、赤外線吸収部はナンバープレート12に設けられているが、同様にバンパー14に設けられていてもよいことは言うまでもない。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
【0089】
本実施形態では、筐体31の構成が第1実施形態のものとは一部異なるだけであるため、この異なる部分を中心に説明する。
図9は、本実施形態のレーザレーダ装置30の筐体39と照射範囲AI及び受光範囲ARとを示す説明図であり、車高方向上側から見た図である。
【0090】
図9に示すように、本実施形態では、ナンバープレート12に筐体39が当接する面をナンバープレート当接面391として、ナンバープレート当接面391を拡大する鍔部393が形成されている。
【0091】
この鍔部393を含んだナンバープレート当接面391の寸法は、車両の幅方向及び車両の高さ方向の両方において、ナンバープレート12より、わずかに(数mm程度)大きく形成され、ナンバープレート12と共に筐体39がバンパー14に固定されると、鍔部393の先端がナンバープレート12の縁から突出するように構成されている。そして、このナンバープレート12の縁から突出する鍔部393の端部は、人が触れても怪我をしない程度に曲率を有するように形成(面取り加工)されている。
【0092】
また、鍔部393には、照射窓部及び受光窓部が形成された右側面32から突出してバンパー14と対向する部位に、側方端部の縁に沿って、赤外線を吸収する赤外線吸収部74が帯状に形成されている。
【0093】
更に、バンパー14の前面(少なくともレーザレーダ装置30が当接する部分を除いた部分)にも、赤外線を吸収する赤外線吸収部75が設けられている。これら赤外線吸収部74、75には、上述した赤外線吸収部72と同様に、赤外線を吸収する無電解黒色めっきが施されている。
【0094】
このように構成された本実施形態のレーザレーダ装置30では、鍔部393によりナンバープレート12が補強されるため、ナンバープレート12の変形を抑制することができ、その結果、変形したナンバープレート12が照射範囲AIまたは受光範囲ARの一部を遮ることによって、物標までの距離の検知精度を低下さる事態が発生することを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態のレーザレーダ装置30では、赤外線吸収部74、75が設けられているため、仮に照射部42から照射されたレーザ光による直接反射光または多重反射光が生じたとしても、これらの反射光の強度を、物標からの反射光の強度より十分に弱めることができる。
【0096】
更に、鍔部393の端部が面取り加工されているため、照射窓部及び受光窓部の拭き掃除の際に、人の手はナンバープレート12の端部に直接触れることなく鍔部393の端部に触れることになるため、ナンバープレート12のバリ等による拭き作業の障害を払拭できる。
【0097】
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について説明する。上記実施形態では、照射部42及び受光部44の傾きを調整することによって、照射範囲AI及び受光範囲ARが設定されているが、本実施形態では、照射範囲AIの設定方法がこれとは異なっている。
【0098】
図10は、本実施形態のレーザレーダ装置30の照射部42を示す説明図である。本実施形態では、図10に示すように、照射部42にてレーザダイオードなどの発光素子421をナンバープレート12側からバンパー14側に位置を調整することによって、ナンバープレート12及びバンパー14と重ならないように照射範囲AIが設定されている。なお、図示していないが、同様に、受光部44にて受光素子の位置を調整することにより受光範囲ARを設定しても良い。
【0099】
<請求項との対応>
本実施形態における発光素子421が特許請求の範囲における「照射素子」に相当する。
【0100】
<第4実施形態>
次に本発明の第4実施形態について説明する。
図11(a)は、本実施形態のレーザレーダ装置30の照射部42を示す説明図であり、(b)は、照射部42に設けられた遮光部425を示す説明図である。図11(a)に示すように、照射部42は、本体423に遮光部425が設けられている。遮光部425は、図11(b)に示すように、ナンバープレート12側及びバンパー14側への照射光を遮るように形成されている。
【0101】
これにより、ナンバープレート12及びバンパー14と重ならないように、照射範囲AIを設定することができる。なお、図示していないが、同様に、受光部44にて、ナンバープレート12側及びバンパー14側からの反射光の受光を遮るように形成されている遮光部を設けても良い。
【0102】
<請求項との対応>
本実施形態における遮光部425が特許請求の範囲における「照射側遮光部」に相当する。
【0103】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施することが可能である。
【0104】
(イ)上記実施形態では、レーザレーダ装置は、一つの筐体31に右測距部40及び左測距部50をいずれも収納し、右探査領域SR及び左探査領域SLの両方を探査するように構成されているが、図12(a)に示すレーザレーダ装置30aように、筐体31に右測距部40だけを収納し、右探査領域SRだけを探査したり、図12(b)に示すレーザレーダ装置30bように、筐体31に左測距部50だけを収納し、左探査領域SLだけを探査したりするように構成されていてもよい。但し、この場合、信号処理部は、筐体31に設けられていてもよいし、筐体31とは別体(例えば、報知装置内)に設けられていてもよい。
【0105】
また、図12(c)に示すように、レーザレーダ装置30cを、筐体31の代わりにこの筐体31の半分の大きさを有する二つの筐体31a、31bで構成し、一方の筐体31aが右測距部40、他方の筐体31bが左測距部50を収納するようにしてもよい。但し、この場合、信号処理部は、両筐体のそれぞれに設けられていてもよいし、これら筐体とは別体(例えば、報知装置内)に設けられていてもよい。
【0106】
更に、図12(d)に示すレーザレーダ装置30dのように、左測距部50を収納した筐体31bを省略し、右測距部40を収納した筐体31aだけで構成されていてもよいし、逆に、図12(e)に示すレーザレーダ装置30eのように、右測距部40を収納した筐体31aを省略し、左測距部50を収納した筐体31bだけで構成されていてもよい。
【0107】
これにより、例えば右レーザレーダ装置を取り付けた後に左レーザレーダ装置を追加するという様に、レーザレーダ装置を取り付ける際の自由度が増す。
(ロ)上記第2実施形態では、筐体に鍔部を設けたが、図13に示すように、鍔部を設ける代わりに、ナンバープレート12より硬度の低い材料(例えば樹脂)によってレーザレーダ装置30の筐体とは別体に形成された板状の軟材料部76を、ナンバープレート12の裏側(鍔部の位置)に設け、この軟材料部76の表面(バンパー14との対向面)に、赤外線を吸収する赤外線吸収部78を形成するようにしてもよい。
【0108】
なお、図13は、軟材料部76がナンバープレート12の裏側に設けられている様子を示す説明図である。
これによると、レーザレーダ装置の筐体に鍔部を設けた場合と同様に、ナンバープレート12のバリ等による拭き作業の障害を払拭できる。
【0109】
(ハ)上記実施形態では、レーザレーダ装置は、一括投光方式でレーザ光を照射及び受光するように構成されていたが、これに対し、複数の方位に順次レーザ光を照射してその反射光を受光する方式で照射部及び受光部が構成されてもよい。この場合、複数の方位にレーザ光を照射したときの照射範囲の全体が上記実施形態の照射範囲に相当する。また、受光部にて受光可能な受光範囲が上記実施形態の受光範囲に相当する。
【0110】
(ニ)上記実施形態の赤外線吸収部は、赤外線を吸収するめっき処理の他に、赤外線を吸収できる材料の塗布、及び赤外線を吸収できる材料の貼り付け等により形成されてもよい。また、赤外線吸収部は、ナンバープレートの裏側及びバンパーの前側のうち、いずれか一方に形成されていてもよいし、両方に形成されていてもよい。
【0111】
(ホ)上記実施形態では、軟材料部は、ナンバープレートの裏側の側方端部の縁に沿って帯状に形成されていたが、このような形状に限るものではない。例えば、軟材料部は、ナンバープレートの裏側の周囲に沿って帯状に形成されてもよいし、レーザレーダ装置がナンバープレートとともにバンパーにねじ止めされたときにナンバープレートと当接する部分を除いた部分全てに形成されてもよい。
【0112】
(へ)上記実施形態では、軟材料部は、樹脂で形成されていたが、ナンバープレートより硬度の低い材料としてゴム、シール、テープ等によりナンバープレートの裏側の端部を覆うように形成されてもよい。
【0113】
(ト)上記実施形態ではレーザレーダ装置が車両警報装置に適用された例を説明したが、本発明の車載レーザレーダ装置が適用される対象は、探査領域内の物標を検知するためのものであればこれに限るものではない。
【符号の説明】
【0114】
10・・・車両 12・・・ナンバープレート 14・・・バンパー 30、30a〜30e・・・レーザレーダ装置 31・・・筐体 39・・・筐体 42・・・照射部 44・・・受光部 52・・・照射部 54・・・受光部 72、74、75、78・・・赤外線吸収部 76・・・軟材料部 421・・・発光素子 425・・・遮光部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、車両周辺に存在する各物標の検知に用いられる車載レーザレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、見通しの悪い十字路やT字路等の交差点に進入する際に、車両の進行方向だけでなく車両進行方向に対し左右方向の道路の状態を検知し、運転者による道路状況の確認を補助する装置が知られている。
【0003】
例えば、車両進行方向に対し略直角な右方向及び左方向の被写体を左右に設けた一対の自動焦点カメラにより撮像するようにした車載用左右確認装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記装置では、自動焦点カメラのレンズ位置は被写体までの距離に対応して調整されるため、被写体に焦点が合った状態のレンズ位置を検出することによって当該被写体までの距離を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−41970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に自動焦点カメラは、レンズ位置を調整するための精密な可動機構を備える複雑な構成となっているため、耐久性に乏しいことが懸念される。
また、被写体に焦点が合ったときのレンズ位置に基づいて被写体までの距離が算出されることを考えると、自動焦点カメラを用いた上記装置は、刻々と変化するような車両周辺状況では被写体に焦点を合わせるまでに時間を要するため、被写体までの距離の算出に時間を要し、結果として左右方向の道路の状態の検知に時間がかかってしまう虞がある。
【0007】
そこで、本発明の発明者は、自動焦点カメラに代えてレーザレーダ装置を用いることを考えた。
なぜなら、レーザレーダ装置は、照射部にてレーザ光を照射してからそのレーザ光の物標からの反射光を受光部にて受光するまでの時間(以下、送受時間差という)の二分の一の値とレーザ光の伝播速度とを乗算することで物標までの距離を算出するため、焦点合わせを必要とする自動焦点カメラに比べて物標までの距離の算出時間を短縮することができるためである。また、レーザレーダ装置は、自動焦点カメラに比べて構造が簡単で耐久性にも優れているためである。
【0008】
そしてさらに、レーザレーダ装置を、車両の美観を損なうことがないように、ナンバープレートの裏側に取り付けることを考えた。この場合、ナンバープレートとバンパーに挟まれた筐体の側面に照射部及び受光部を設けることとした。
【0009】
また、雨等によって照射部や受光部が受ける影響を抑制するために、照射部及び受光部が設けられた筐体の側面は、ナンバープレートの側方端部よりナンバープレート中央側に奥まった位置に配置することとした。
【0010】
このように配置した場合、図14(a)に示すように、レーザレーダ装置90は、照射部から照射されたレーザ光がナンバープレート92で反射された反射光L1を直接受光したり(以下ではこのような反射光を直接反射光という)、図14(b)や(c)に示すように、ナンバープレート92とバンパー94とで多重に反射された反射光L2、L3(以下ではこれらの反射光を多重反射光という)を受光するといった現象が生じることが分かった。
【0011】
本発明者は、この現象によってもたらされるレーザレーダ装置への影響について検討した。その結果を図15(a)〜(d)を用いて説明する。
図15(a)〜(d)は、レーザレーダ装置が直接反射光または多重反射光を受光したときの問題点を示す説明図である。図15において、受光信号の受光のタイミングは信号の立ち上がり(図15(b)に見られるような信号を受け始めた時刻t1に相当)に設定されており、物標は車両から5m離れた位置に存在しているものとする。
【0012】
図15(a)に示すトリガ信号の発生をきっかけとして照射部からレーザ光が照射される(時刻t0)と、図15(b)に示すように照射部から照射されたレーザ光の物標からの反射光が受光部にて受光される(時刻t1)。物標までの距離は、時刻t0とt1の差としての送受時間差Td1に基づいて算出される。
【0013】
ところが、図15(c)に示すように直接反射光または多重反射光が受光部にて受光されている(時刻t2)と、場合によっては直接反射光または多重反射光と物標からの反射光とが重畳することがある。
【0014】
例えば、レーザ光のパルス幅が40nsecであるとすると、物標までの往復距離である10mをレーザ光の伝播速度(光速)で除算した結果として得られる送受時間差Td1は、約33nsecである。また、直接反射光または多重反射光の送受時間差Td2は、その経路長が短いことから約0nsecである。
【0015】
このように、物標からの送受時間差Td1がレーザ光のパルス幅より小さいとき、即ち、物標が自車両に近い(数m程度離れた)位置に存在する場合に、直接反射光または多重反射光と物標からの反射光とは、図15(d)に示すように、一つの山の形に合成される。この結果、合成波の受光タイミング(t3)は本来得るべき物標からの反射光の受光タイミング(t1)とは大きく異なり、合成波の送受時間差Td3に基づいて得られる物標までの距離は実際の物標までの距離とは大きく異なってしまう。
【0016】
即ち、レーザレーダ装置において直接反射光または多重反射光が受光部にて受光されるといった現象によってもたらされるレーザレーダ装置への影響として、距離の誤検出を招き、その結果、車両に近い位置に存在する物標までの距離の検知精度が低下することになる。
【0017】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制可能な車載レーザレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の車載レーザレーダ装置は、車両端部に設けられたナンバープレートと車両本体との間に筐体が設置されおり、該筐体の内部に照射手段と受光手段とを備えている。ここで特に本発明では、照射手段から照射されるレーザ光が筐体外に出射される位置及び受光手段に導かれる反射光を筐体内に取り込む位置が、ナンバープレートの車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配されている。さらに、照射手段及び受光手段は、照射手段から照射されるレーザ光のうちナンバープレート及び車両部位の少なくとも一方によって反射されるレーザ光が受光手段にて受光されないように、照射手段による照射範囲及び受光手段による受光範囲が定められている。
【0019】
このように、本発明の車載レーザレーダ装置では、ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置することによって照射手段及び受光手段が雨等の影響を受けることを抑制するとともに、ナンバープレートと車両本体との間にレーザレーダ装置を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制することができる。結果として、本発明では、車両に近い位置に存在する物標からの反射光を検出することができ、これらの物標までの距離の検知精度を向上させることができる。
【0020】
ここで、例えば請求項2に記載のように、照射範囲及び受光範囲のうち少なくとも一方の範囲が、レーザ光がナンバープレートによって反射される第一反射部位及び車両部位によって反射される第二反射部位を含まないように、照射手段及び受光手段を配置しても良い。
【0021】
より具体的には請求項3に記載のように、照射範囲及び受光範囲のうち少なくとも一方の範囲が、その範囲のナンバープレート側の端部が第一反射部位を含まず、かつその範囲の車両部位側の端部が第二反射部位を含まないように、照射手段及び受光手段を配置しても良い。
【0022】
これによると、上記照射範囲において上記配置とする場合は、照射手段からのレーザ光によりナンバープレートや車両本体での反射光が生じないため、図15(c)に示すような直接反射光及び多重反射光が受光手段にて受光されることを抑制できる。
【0023】
また、上記受光範囲において上記配置とする場合は、何らかの要因で照射手段からのレーザ光によりナンバープレートや車両本体での反射光が生じたとしても、受光範囲がナンバープレートと車両本体での反射光を受光しないように設定されているため、直接反射光及び多重反射光(図15(c)参照)を受光手段にて受光することを抑制できる。
【0024】
また、請求項4に記載の車載レーザレーダ装置では、照射手段及び受光手段が、車両の高さ方向に並べて配置されている。
これにより、照射手段及び受光手段を車両の前後方向に並べて配置する場合と比べて、探査領域の角度範囲を大きく設定することができる。
【0025】
この探査領域の角度範囲とは、照射範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲と、受光範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲との重複する角度範囲に相当する。
【0026】
この重複する角度範囲について、図16の例を用いてより具体的に説明する。図16(a)に示すように、ナンバープレート92とバンパー94との間に設置されたレーザレーダ装置90aにて照射手段82及び受光手段84が車両の前後方向に配置される場合、照射手段82の照射範囲における車両前後方向前側の一部がナンバープレートに遮られ狭くなり、結果、上記重複する角度範囲が狭くなり、探査領域として設定できるのは重複範囲85となる。これに対し、図16(b)に示すように、レーザレーダ装置90bにて照射手段82及び受光手段84が車両の高さ方向に配置される場合、照射範囲、受光範囲のいずれもナンバープレートやバンパーに遮られることなく、結果、探査領域として設定できるのは照射範囲の全体に相当する重複範囲86となる。
【0027】
従って、本発明の車載レーザレーダ装置では、探査領域を広く設定することができる。また、照射手段及び受光手段を車両の前後方向に配置する場合に比べて、筐体の車両の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0028】
ところで、上記の照射窓部及び受光窓部に汚れが付着していると、物標の検知精度が低下するため、照射窓部及び受光窓部の拭き掃除を行う必要がある。しかしながら、照射窓部及び受光窓部がナンバープレートの側方の端部よりナンバープレートの中央側に配置されていると、拭き掃除の際に奥のほうまで手を入れなくてはならないため、ナンバープレートの端部のバリ等が拭き作業の邪魔となり得る。
【0029】
そこで、例えば請求項5に記載のように、ナンバープレートより硬度の低い材料により形成され、少なくともナンバープレートの裏側端部に配置される軟材料部を設けてもよい。軟材料部は、例えばナンバープレート裏側の側方端部に車両の高さ方向に沿って帯状に設けてもよい。なお、軟材料部はナンバープレートの外周端部から突出するように形成されていること、及び、軟材料部の車両の幅方向外側の端部は曲率を有するように形成されていることが望ましい。
【0030】
これによると、拭き掃除の際に、人の手はナンバープレートの端部に直接触れることなく軟材料部の端部に触れることになるため、ナンバープレートの端部のバリ等による拭き作業の障害を払拭できる。
【0031】
また、本発明の車載レーザレーダ装置は、例えば請求項6に記載のように、ナンバープレート及び車両部位のうち少なくとも一方に、赤外線を吸収する赤外線吸収部を備えていても良い。これにより、ナンバープレートが曲がったり、レーザレーダ装置の取付位置がずれたりすることによって、照射範囲又は受光範囲にナンバープレートの一部分が含まれてしまったとしても、その部分に赤外線吸収部が設けられていれば、これらの部分からの反射光を抑制することができる。
【0032】
なお、本発明の車載レーザレーダ装置は、例えば請求項7に記載のように、照射手段は、レーザ光を照射する照射素子の位置によって、照射範囲を調整するように構成されていてもよい。同様に、請求項8に記載のように、受光手段は、レーザ光を受光する受光素子の位置によって、受光範囲を調整するように構成されていてもよい。また、照射手段は、請求項9に記載のように、レーザ光(照射光)を遮ることによって、照射範囲を調整する照射側遮光部を有していてもよい。同様に、請求項10に記載のように、受光手段は、受光するレーザ光を遮ることによって、受光範囲を調整する受光側遮光部を有していてもよい。
【0033】
以上説明した車載レーザレーダ装置は、車両の前進方向に対して右側方にレーザ光を照射してその反射光を受光するように構成されても良いし、車両の前進方向に対して左側方にレーザ光を照射してその反射光を受光するように構成されても良い。
【0034】
または、請求項11に記載の車載レーザレーダ装置のように、車両の前進方向に対して右側方及び左側方の両方にレーザ光を照射しその反射光を受光するように構成されても良い。請求項11に記載された発明に、請求項1に記載された発明と同様に、請求項2〜10に記載の構成を適用してもよいことは言うまでも無い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態の車載警報システムの設置場所及び探査領域を示す説明図である。
【図2】車両がT字路に進入する場合に想定される状況を例示した説明図である。
【図3】ナンバープレートの裏側から見たレーザレーダ装置の外観を示す斜視図である。
【図4】車載警報システム及びレーザレーダ装置の構成を表すブロック図である。
【図5】(a)はナンバープレートの裏側から見たときの照射部及び受光部の配置の一例を示す説明図であり、(b)は(a)のb−b線の上方(車両の高さ方向上側)から見て照射部及び受光部を透視したときの照射範囲及び受光範囲の一例を示す説明図である。
【図6】照射部がとり得る照射範囲の他の例を示す説明図である。
【図7】受光部がとり得る受光範囲の他の例を示す説明図である。
【図8】(a)は、裏側から見たナンバープレート及びレーザレーダ装置を示す説明図であり、(b)は(a)のレーザレーダ装置を上方から見て照射部及び受光部を透視したときの照射範囲及び受光範囲の一例を示す説明図である。
【図9】第2実施形態のレーザレーダ装置の、筐体と照射範囲及び受光範囲とを示す説明図である。
【図10】第3実施形態のレーザレーダ装置の照射部を示す説明図である。
【図11】(a)は、第4実施形態のレーザレーダ装置の照射部を示す説明図であり、(b)は照射部に設けられた遮光部を示す説明図である。
【図12】(a)〜(e)は、他の実施形態のレーザレーダ装置の探査領域を示す説明図である。
【図13】ナンバープレートに設けられた軟材料部を示す説明図である。
【図14】(a)はナンバープレートによる反射光が直接受光される場合の反射光の経路の一例を示す説明図であり、(b)ならびに(c)はそれぞれ多重反射光の経路の一例を示す説明図である。
【図15】(a)は時刻t0における発光トリガの波形図であり、(b)は時刻t1における5m離れた物標からの反射光を受光したときの受光信号の波形図であり、(c)は直接反射光または多重反射光の波形図であり、(d)は物標からの反射光及び直接反射光または多重反射光の両方を受光部にて受光したときの波形図である。
【図16】(a)は照射手段及び受光手段が車両の前後方向に並べて配置される場合の探査領域を示す説明図であり、(b)は照射手段及び受光手段が車両の高さ方向に並べて配置される場合の探査領域を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<第1実施形態>
<全体構成>
本発明が適用された車載警報システム1の設置場所及び探査領域を図1に示す。
【0037】
図1に示すように、車載警報システム1は、レーザ光を照射してその反射光を受光することにより予め設定された探査領域内に存在する物標を検知するレーザレーダ装置30と、車両10の室内に設置されて探査領域内に物標が存在することを車両の乗員(特にドライバ18)に視覚または聴覚により認識させる報知装置20とを備えている。
【0038】
<レーザレーダ装置>
レーザレーダ装置30は、車両前端のナンバープレート12と車両本体(多くは車両本体の一部を構成するバンパー14)との間に取り付けられ、その取り付け位置から左右測方に向けてレーザ光を照射するように構成されている。以下、車両本体を、より具体的なバンパー14として説明する。
【0039】
なお、車両の前進方向に向かって右を単に「右」、車両の前進方向に向かって左を単に「左」と称し、車両の右に向けて照射されるレーザ光によって形成される探査領域を右探査領域SR、車両の左に向けて照射されるレーザ光によって形成される探査領域を左探査領域SLという。
【0040】
いずれの探査領域SR、SLも、レーザレーダ装置30の設置位置からみた左右方向を基準として、その左右方向より前進方向に所定の角度(例えば15°)向いた方向までの角度範囲をカバーするように設定されている。
【0041】
レーザレーダ装置30は、例えば図2に示すように、車両10がT字路(狭い路地から広い主要道路)に進入する場合に物標(障害物)19の存在を検知する用途等に使用される。
【0042】
<外観>
図3は、ナンバープレート12の裏側から見たレーザレーダ装置30の外観を示す斜視図である。
【0043】
レーザレーダ装置30の筐体31は、略直方体に形成されており、その右側面32に、照射窓部33及び受光窓部34が車両の高さ方向の上下に並ぶように形成されている。つまり、レーザ光を発生させる照射部と、照射部からの照射光を物標が反射する事により生じた反射光を受光する受光部とを車両の高さ方向の上下に並ぶように配置した格好としている。
【0044】
照射窓部33は車両の右に向けて照射されたレーザ光が透過する窓部であり、受光窓部34は車両の右に向けて照射されたレーザ光の照射方向に存在する物標から到来する反射光が透過する窓部である。筐体31の左側面には、図示していないが、車両の左に向けて照射されたレーザ光が透過する照射窓部及び車両の左に向けて照射されたレーザ光の照射方向に存在する物標から到来する反射光が透過する受光窓部が、同様に形成されている。
【0045】
このように照射窓部33及び受光窓部34を車両の高さ方向の上下に並ぶように形成するようにしたので、車両の前後方向に並べて配置する場合と比べて探査領域の角度範囲、すなわち、物標(検知対象)の検知範囲を広くすることができる。
【0046】
この探査領域の角度範囲とは、照射範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲と、受光範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲との重複する角度範囲に相当する。
【0047】
ところで、筐体31には、ナンバープレート12に設けられたねじ孔と同じ間隔で二つのねじ孔35、36が設けられている。これにより、ナンバープレート12をバンパー14に取り付けるときにナンバープレート12を挿通するねじ(図示せず)によって、レーザレーダ装置30がナンバープレート12とともにバンパー14にねじ止めされる。
【0048】
また、筐体31は、車両の幅方向及び車両の高さ方向の両方において、ナンバープレート12より小さく形成されている。これにより、レーザレーダ装置30がナンバープレート12とともにバンパー14にねじ止めされると、筐体31の側面(32)に設けられた照射窓部(33)及び受光窓部(34)は、ナンバープレート12の車幅方向において、側方端部よりナンバープレート12の中央側に奥まった位置に配置される。
【0049】
<内部構成>
図4は、レーザレーダ装置30及び車載警報システム1の内部構成を表すブロック図である。
【0050】
レーザレーダ装置30は、右探査領域SR内に存在する物標を検知する右測距部40と、左探査領域SL内に存在する物標を検知する左測距部50と、右測距部40及び左測距部50による検知結果に基づいて報知装置20を作動させる信号処理部60とを備えている。信号処理部60はマイクロコンピュータにより構成されている。
【0051】
右測距部40は、レーザ光を発生させる照射部42と、照射部42からの照射光の物標からの反射光を受光する受光部44と、照射部42からレーザ光を出力してから当該レーザ光の物標からの反射光が受光部44に入力されるまでの時間に基づいて反射光が到来した方位に存在する物標までの距離を算出する距離算出部48とを備える。
【0052】
ここで、照射部42は、予め設定された探査周期毎に、右探査領域SRをカバーするように一括してパルス状のレーザ光を照射するように構成されている。一方、受光部44は、右探査領域SRを予め設定された角度範囲ごとに複数に分割した領域を単位領域として、これら単位領域からの反射光を個別に受光できるように配置される複数の受光素子で構成されている。以下ではこのような構成によりレーザ光を照射及び受光する方式を一括投光方式という。
【0053】
左測距部50は、右測距部40の照射部42、受光部44及び距離算出部48と同様に構成された照射部52、受光部54及び距離算出部58を備えている。上記右測距部40の説明において、右探査領域SRを左探査領域SLに置き換え、照射部42、受光部44及び距離算出部48をそれぞれ照射部52、受光部54及び距離算出部58に置き換えると、左測距部50の説明となる。右測距部40及び左測距部50は、探査領域が異なる他は同様の構成となっているため、以下では主に右測距部40についてその構成を説明する。
【0054】
<照射範囲及び受光範囲と探査領域との関係>
ここで、照射部42によりレーザ光が照射される照射範囲と、受光部44が反射光を受光可能な受光範囲と、探査領域との関係について説明する。
【0055】
照射範囲とは、照射部における、レーザ光を照射する照射素子やレンズなどの光学部品を組合せた際の特性により、照射部がレーザ光を照射可能な角度範囲をいう。但し、一般には、レンズや照射部内部の光の散乱などに由来する迷光成分による照射は含まない。(このような迷光成分による照射は、微量ではあるが広い角度範囲にわたって照射される性質を持つ。)この事を考慮し、ここでいう照射範囲は、例えば、最も強く照射される方向の照射強度を基準として、その1/2以上、1/e以上、又は1/e2以上などの強度で照射される角度範囲などを指す。なお、上記における「e」とは、自然対数の底(Napier‘s constant)である。
【0056】
受光範囲とは、受光部における、受光素子やレンズなどの光学部品を組み合わせた際の特性により、受光部がレーザ光を受光可能な角度範囲をいう。但し、一般には、レンズや受光部内部の光の散乱などに由来する迷光成分による受光は含まない。(このような迷光成分による受光は、微量ではあるが広い角度範囲にわたって受光される性質を持つ。)この事を考慮し、ここでいう受光範囲は、例えば、最も強く受光される方向の受光強度を基準として、その1/2以上、1/e以上、又は1/e2以上などの強度で受光される角度範囲などを指す。
【0057】
ところで、レーザ装置は、その用途に応じて、要求される探査領域が定められている。上述の様に、照射範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲と、受光範囲のうちのナンバープレートやバンパーに遮られない角度範囲との重複する角度範囲が探査領域になる。探査領域として所望の範囲が得られるように、照射範囲や受光範囲の角度範囲及び中心軸方向、ナンバープレートの端部から筐体側面までの奥行き、筐体の厚さ(ナンバープレートとバンパーとの間隔)といったパラメータが適宜調整されている。
【0058】
<照射部及び受光部の配置>
以下では、本実施形態にて照射範囲及び受光範囲をどのように設定しているかを具体的に説明する。
【0059】
図5(a)はナンバープレート12の裏側から見たときの照射部42及び受光部44の配置の一例を示す説明図であり、(b)は(a)のb−b線の上方(車両の高さ方向上側)から見て照射部42及び受光部44を透視したときの照射範囲AI及び受光範囲ARの一例を示す説明図である。右測距部40は左測距部50と同様の構成であるため、以下では右測距部40の照射部42及び受光部44について説明する。また、車両前後方向前側のことを単に「前」側といい、車両前後方向後側のことを単に「後」側という。
【0060】
図5(a)及び(b)に示すように、照射部42、受光部44は、それぞれ照射範囲AIと受光範囲ARとを有し、その重複する範囲が、探査領域となるように構成されたものが用いられる。
【0061】
特に車両前後方向については、図5(b)に示すように、照射範囲AIの前側の端部(前端)A1がナンバープレート12の裏側より後側(バンパー14側)に位置し、照射範囲AIの後側の端部(後端)B1がバンパー14の前端より前側(ナンバープレート12側)に位置するように、照射部42が配置されている。受光部44も同様に、受光範囲ARの前端A2がナンバープレート12の裏側より後側に位置し、受光範囲ARの後端B2がバンパー14の前端より前側に位置するように、配置されている。
【0062】
このような配置により、照射範囲AIは、ナンバープレート12ともバンパー14とも重なり合うことがなく、さらに、受光範囲ARも、ナンバープレート12ともバンパー14とも重なり合うことが無い。このため、照射部42から照射されたレーザ光による直接反射光及び多重反射光を受光部44にて受光することが抑制される。
【0063】
<配置の変形例>
ところで、直接反射光及び多重反射光の受光を抑制するために、照射部42及び受光部44は、車両の前後方向について、照射範囲AI及び受光範囲ARが必ず上述のごとく設定されるように配置されなければならないわけではない。以下、照射部42及び受光部44の配置の変形例について説明する。
【0064】
ここで、図6は、照射部42がとり得る照射範囲の他の例を示す説明図である。照射範囲がとり得る範囲は、図5(b)に示した照射範囲の前端及び後端がそれぞれナンバープレート12及びバンパー14に当たらないケース(以下、ケース1と称する)と、図6(a)〜(c)に示す三つのケースとの合計四つのケースに分類される。
【0065】
図6(a)は、レーザ光がナンバープレート12の一部を照射するように照射部42が配置されている場合である(以下ケース2と称する)。このとき、照射範囲AIは、前端A1がナンバープレート12に重なっており、後端B1はバンパー14の前端より前側に位置している。ここでいう「重なる」とは、(ナンバープレート12の一部が)照射範囲AI内に位置することをいう。
【0066】
同図(b)は、レーザ光がバンパー14の一部を照射するように照射部42が配置されている場合(以下、ケース3と称する)である。このとき、照射範囲AIは、前端A1がナンバープレート12の裏側より後側に位置し、後端B1がバンパー14に重なっている。
【0067】
同図(c)は、レーザ光がナンバープレート12の一部及びバンパー14の一部を照射するように照射部42が配置されている場合(以下ケース4と称する)である。このとき、照射範囲AIは、前端A1がナンバープレートA1に重なっており、かつ後端B1がバンパー14に重なっている。
【0068】
一方、図7は、受光部44がとり得る受光範囲の他の例を示す説明図である。受光範囲がとり得る範囲は、図5(b)に示した受光範囲ARの前端A2及び後端B2がいずれもナンバープレート12及びバンパー14に重ならないケース(以下、ケース5と称する)と、図7(a)〜(c)に示す三つのケースとの合計四つのケースに分類される。
【0069】
図7(a)に示すケース6は、受光範囲ARにナンバープレート12の一部が含まれるように受光部44が配置されている場合である。受光範囲ARは、前端A2がナンバープレート12に重なっており、後端B2はバンパー14の前端より前側に位置している。ここでいう「重なる」とは、(バンパー14の一部が)受光範囲AR内に位置することをいう。
【0070】
同図(b)に示すケース7は、受光範囲ARにバンパー14の一部が含まれるように受光部44が配置されている場合である。受光範囲ARは、前端A2がナンバープレート12の裏側より後側に位置し、後端B2がバンパー14に重なっている。
【0071】
同図(c))に示すケース8は、受光範囲ARにナンバープレート12の一部及びバンパー14の一部が含まれるように受光部44が配置されている場合である。受光範囲ARは、前端A2がナンバープレートA1に重なっており、かつ後端B2がバンパー14に重なっている。
【0072】
これらの、ケース1〜4に示す照射部42の配置と、ケース5〜8に示す受光部44の配置との組み合わせを[表1]に示す。表中にて丸印が付されている組み合わせは、直接反射光及び多重反射光の受光が抑制される組み合わせであり、バツ印が付されている組み合わせは、直接反射光及び多重反射光の受光が抑制されない組み合わせである。
【0073】
【表1】
【0074】
すなわち、少なくともケース1が成立する場合、照射部42からのレーザ光によりナンバープレート12やバンパー14での反射光が生じない。また、少なくともケース5が成立する場合、たとえ照射部42からのレーザ光によりナンバープレート12やバンパー14での反射光が生じたとしても、受光範囲ARがナンバープレート12とバンパー14からの反射光を受光することがない。
【0075】
従って、少なくとも上記のケース1及びケース5のうちいずれか一方が成立する場合は、照射部42から照射されるレーザ光のうち、ナンバープレート12及びバンパー14による直接反射光及び多重反射光が、受光部44にて受光されることが抑制される。
【0076】
<効果>
以上説明したように、本実施形態のレーザレーダ装置30では、ナンバープレート12とバンパー14(車両本体)との間にレーザレーダ装置30を配置した場合に生じる反射光の影響を抑制することができる。結果として、車両に近い位置に存在する物標からの反射光の検出が可能となり、これらの物標までの距離の検知精度を向上させることができる。なお、ナンバープレート12とバンパー14との間にレーザレーダ装置30が配置されているため、照射部42及び受光部44が雨等の影響を受けて検知精度が低下することが抑制される。
【0077】
また、本実施形態のレーザレーダ装置30では、照射窓部33及び受光窓部34が車両の高さ方向に並べて配置されている。この結果、レーザレーダ装置30の探査領域を広く設定することができる。また、照射部42及び受光部44を車両の前後方向に配置する場合に比べて、筐体31の車両前後方向の寸法を小さくできる。
【0078】
<請求項との対応>
本実施形態におけるレーザレーダ装置30が特許請求の範囲における「車載レーザレーダ装置」に相当し、バンパー14が特許請求の範囲における「車両部位」に相当し、照射部42が特許請求の範囲における「照射手段」、「右照射手段」に相当し、照射部52が特許請求の範囲における「照射手段」、「左照射手段」に相当する。また、受光部44が特許請求の範囲における「受光手段」、「右受光手段」に相当し、受光部54が特許請求の範囲における「受光手段」、「左受光手段」に相当する。
【0079】
さらにまた、ナンバープレート12の裏側が特許請求の範囲における「第一反射部位」に相当し、バンパー14の前端が特許請求の範囲における「第二反射部位」に相当する。また、照射窓部33の位置が特許請求の範囲における「照射手段から照射されるレーザ光が筐体外に出射される位置」に相当し、受光窓部34が特許請求の範囲における「受光手段に導かれる反射光を筐体内に取り込む位置」に相当する。
【0080】
さらにまた、照射範囲AIが特許請求の範囲における「第1照射範囲」に相当し、受光範囲ARが特許請求の範囲における「第1受光範囲」に相当する。また、照射部52による照射範囲が特許請求の範囲のおける「第2照射範囲」に相当し、受光部54による受光範囲が特許請求の範囲における「第2受光範囲」に相当する。
【0081】
<変形例>
次に、照射部42と受光部44との配置に関する変形例について、図8を用いて説明する。
【0082】
図8(a)は、裏側から見たナンバープレート12及びレーザレーダ装置30を示す説明図であり、(b)は(a)のレーザレーダ装置30を上方(車両の高さ方向上側)から見て照射部42及び受光部44を透視したときの照射範囲AI及び受光範囲ARの一例を示す説明図である。図中、上記実施形態と同様の構成については同様の符号を付すものとし、以下では、上記構成と異なる部分について主に説明する。
【0083】
本変形例では、図8(a)に示すように、ナンバープレート12の裏側の右側方端部及び左側方端部には、これらの端部の縁に沿って、帯状に形成された赤外線吸収部72が設けられている。赤外線吸収部72には、赤外線を吸収する無電解黒色めっき(カニブラック(登録商標))が施されている。
【0084】
レーザレーダ装置30がこのようなナンバープレート12に取り付けられている場合、例えば、小石等が当たってナンバープレートが曲がったり、レーザレーダ装置30の取付位置がずれたりすることによって、照射部42の照射範囲AI又は受光部44の受光範囲ARがずれてナンバープレート12の一部分が含まれてしまったとしても、その部分に赤外線吸収部72が設けられていれば、これらの部分からの反射光を抑制することができる。
【0085】
なお、レーザレーダ装置30がこのようなナンバープレート12に取り付けられている場合、図8(b)に示すように、照射範囲AI及び受光範囲ARは、ナンバープレート12に設けられた赤外線吸収部72の一部を含むように設定されていてもよい。つまり、照射範囲AIの前側の境界A3が赤外線吸収部72の一部に重なっていても良く、受光範囲ARの前側の境界A4が赤外線吸収部72の一部に重なっていても良い。
【0086】
一般に、レーザレーダ装置30の筐体31の大きさには製造誤差がある。つまり、照射窓部33及び受光窓部34の位置が装置毎に若干異なるため、レーザレーダ装置30をナンバープレート12にねじ止めした場合に、ナンバープレート12の一部分が照射範囲AI又は受光範囲ARに含まれる事態が生じうる。
【0087】
また、ねじ止めするときの取付状態のずれ、つまり取付誤差によっても、ナンバープレート12の一部分が照射範囲AI又は受光範囲ARに含まれる事態が生じうる。
このような場合であったとしても、赤外線吸収部72が設けられていれば、物標までの距離の検知精度に影響を及ぼすような反射光が生じてしまうことを抑制できる。
【0088】
なお、本変形例では、赤外線吸収部はナンバープレート12に設けられているが、同様にバンパー14に設けられていてもよいことは言うまでもない。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
【0089】
本実施形態では、筐体31の構成が第1実施形態のものとは一部異なるだけであるため、この異なる部分を中心に説明する。
図9は、本実施形態のレーザレーダ装置30の筐体39と照射範囲AI及び受光範囲ARとを示す説明図であり、車高方向上側から見た図である。
【0090】
図9に示すように、本実施形態では、ナンバープレート12に筐体39が当接する面をナンバープレート当接面391として、ナンバープレート当接面391を拡大する鍔部393が形成されている。
【0091】
この鍔部393を含んだナンバープレート当接面391の寸法は、車両の幅方向及び車両の高さ方向の両方において、ナンバープレート12より、わずかに(数mm程度)大きく形成され、ナンバープレート12と共に筐体39がバンパー14に固定されると、鍔部393の先端がナンバープレート12の縁から突出するように構成されている。そして、このナンバープレート12の縁から突出する鍔部393の端部は、人が触れても怪我をしない程度に曲率を有するように形成(面取り加工)されている。
【0092】
また、鍔部393には、照射窓部及び受光窓部が形成された右側面32から突出してバンパー14と対向する部位に、側方端部の縁に沿って、赤外線を吸収する赤外線吸収部74が帯状に形成されている。
【0093】
更に、バンパー14の前面(少なくともレーザレーダ装置30が当接する部分を除いた部分)にも、赤外線を吸収する赤外線吸収部75が設けられている。これら赤外線吸収部74、75には、上述した赤外線吸収部72と同様に、赤外線を吸収する無電解黒色めっきが施されている。
【0094】
このように構成された本実施形態のレーザレーダ装置30では、鍔部393によりナンバープレート12が補強されるため、ナンバープレート12の変形を抑制することができ、その結果、変形したナンバープレート12が照射範囲AIまたは受光範囲ARの一部を遮ることによって、物標までの距離の検知精度を低下さる事態が発生することを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態のレーザレーダ装置30では、赤外線吸収部74、75が設けられているため、仮に照射部42から照射されたレーザ光による直接反射光または多重反射光が生じたとしても、これらの反射光の強度を、物標からの反射光の強度より十分に弱めることができる。
【0096】
更に、鍔部393の端部が面取り加工されているため、照射窓部及び受光窓部の拭き掃除の際に、人の手はナンバープレート12の端部に直接触れることなく鍔部393の端部に触れることになるため、ナンバープレート12のバリ等による拭き作業の障害を払拭できる。
【0097】
<第3実施形態>
次に本発明の第3実施形態について説明する。上記実施形態では、照射部42及び受光部44の傾きを調整することによって、照射範囲AI及び受光範囲ARが設定されているが、本実施形態では、照射範囲AIの設定方法がこれとは異なっている。
【0098】
図10は、本実施形態のレーザレーダ装置30の照射部42を示す説明図である。本実施形態では、図10に示すように、照射部42にてレーザダイオードなどの発光素子421をナンバープレート12側からバンパー14側に位置を調整することによって、ナンバープレート12及びバンパー14と重ならないように照射範囲AIが設定されている。なお、図示していないが、同様に、受光部44にて受光素子の位置を調整することにより受光範囲ARを設定しても良い。
【0099】
<請求項との対応>
本実施形態における発光素子421が特許請求の範囲における「照射素子」に相当する。
【0100】
<第4実施形態>
次に本発明の第4実施形態について説明する。
図11(a)は、本実施形態のレーザレーダ装置30の照射部42を示す説明図であり、(b)は、照射部42に設けられた遮光部425を示す説明図である。図11(a)に示すように、照射部42は、本体423に遮光部425が設けられている。遮光部425は、図11(b)に示すように、ナンバープレート12側及びバンパー14側への照射光を遮るように形成されている。
【0101】
これにより、ナンバープレート12及びバンパー14と重ならないように、照射範囲AIを設定することができる。なお、図示していないが、同様に、受光部44にて、ナンバープレート12側及びバンパー14側からの反射光の受光を遮るように形成されている遮光部を設けても良い。
【0102】
<請求項との対応>
本実施形態における遮光部425が特許請求の範囲における「照射側遮光部」に相当する。
【0103】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施することが可能である。
【0104】
(イ)上記実施形態では、レーザレーダ装置は、一つの筐体31に右測距部40及び左測距部50をいずれも収納し、右探査領域SR及び左探査領域SLの両方を探査するように構成されているが、図12(a)に示すレーザレーダ装置30aように、筐体31に右測距部40だけを収納し、右探査領域SRだけを探査したり、図12(b)に示すレーザレーダ装置30bように、筐体31に左測距部50だけを収納し、左探査領域SLだけを探査したりするように構成されていてもよい。但し、この場合、信号処理部は、筐体31に設けられていてもよいし、筐体31とは別体(例えば、報知装置内)に設けられていてもよい。
【0105】
また、図12(c)に示すように、レーザレーダ装置30cを、筐体31の代わりにこの筐体31の半分の大きさを有する二つの筐体31a、31bで構成し、一方の筐体31aが右測距部40、他方の筐体31bが左測距部50を収納するようにしてもよい。但し、この場合、信号処理部は、両筐体のそれぞれに設けられていてもよいし、これら筐体とは別体(例えば、報知装置内)に設けられていてもよい。
【0106】
更に、図12(d)に示すレーザレーダ装置30dのように、左測距部50を収納した筐体31bを省略し、右測距部40を収納した筐体31aだけで構成されていてもよいし、逆に、図12(e)に示すレーザレーダ装置30eのように、右測距部40を収納した筐体31aを省略し、左測距部50を収納した筐体31bだけで構成されていてもよい。
【0107】
これにより、例えば右レーザレーダ装置を取り付けた後に左レーザレーダ装置を追加するという様に、レーザレーダ装置を取り付ける際の自由度が増す。
(ロ)上記第2実施形態では、筐体に鍔部を設けたが、図13に示すように、鍔部を設ける代わりに、ナンバープレート12より硬度の低い材料(例えば樹脂)によってレーザレーダ装置30の筐体とは別体に形成された板状の軟材料部76を、ナンバープレート12の裏側(鍔部の位置)に設け、この軟材料部76の表面(バンパー14との対向面)に、赤外線を吸収する赤外線吸収部78を形成するようにしてもよい。
【0108】
なお、図13は、軟材料部76がナンバープレート12の裏側に設けられている様子を示す説明図である。
これによると、レーザレーダ装置の筐体に鍔部を設けた場合と同様に、ナンバープレート12のバリ等による拭き作業の障害を払拭できる。
【0109】
(ハ)上記実施形態では、レーザレーダ装置は、一括投光方式でレーザ光を照射及び受光するように構成されていたが、これに対し、複数の方位に順次レーザ光を照射してその反射光を受光する方式で照射部及び受光部が構成されてもよい。この場合、複数の方位にレーザ光を照射したときの照射範囲の全体が上記実施形態の照射範囲に相当する。また、受光部にて受光可能な受光範囲が上記実施形態の受光範囲に相当する。
【0110】
(ニ)上記実施形態の赤外線吸収部は、赤外線を吸収するめっき処理の他に、赤外線を吸収できる材料の塗布、及び赤外線を吸収できる材料の貼り付け等により形成されてもよい。また、赤外線吸収部は、ナンバープレートの裏側及びバンパーの前側のうち、いずれか一方に形成されていてもよいし、両方に形成されていてもよい。
【0111】
(ホ)上記実施形態では、軟材料部は、ナンバープレートの裏側の側方端部の縁に沿って帯状に形成されていたが、このような形状に限るものではない。例えば、軟材料部は、ナンバープレートの裏側の周囲に沿って帯状に形成されてもよいし、レーザレーダ装置がナンバープレートとともにバンパーにねじ止めされたときにナンバープレートと当接する部分を除いた部分全てに形成されてもよい。
【0112】
(へ)上記実施形態では、軟材料部は、樹脂で形成されていたが、ナンバープレートより硬度の低い材料としてゴム、シール、テープ等によりナンバープレートの裏側の端部を覆うように形成されてもよい。
【0113】
(ト)上記実施形態ではレーザレーダ装置が車両警報装置に適用された例を説明したが、本発明の車載レーザレーダ装置が適用される対象は、探査領域内の物標を検知するためのものであればこれに限るものではない。
【符号の説明】
【0114】
10・・・車両 12・・・ナンバープレート 14・・・バンパー 30、30a〜30e・・・レーザレーダ装置 31・・・筐体 39・・・筐体 42・・・照射部 44・・・受光部 52・・・照射部 54・・・受光部 72、74、75、78・・・赤外線吸収部 76・・・軟材料部 421・・・発光素子 425・・・遮光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)の端部に設けられたナンバープレート(12)と車両部位(14)との間に筐体(31)が設置されている車載レーザレーダ装置(30)であって、
前記筐体内に設けられ、車両の進行方向に対して側方に予め定められた照射範囲にてレーザ光を照射する照射手段(42)と、
前記筐体内に設けられ、前記照射手段によるレーザ光の照射方向から到来する前記レーザ光の反射光を予め定められた受光範囲にて受光する受光手段(44)と、
を備え、
前記照射手段から照射されるレーザ光が前記筐体外に出射される位置、及び前記受光手段に導かれる前記反射光を前記筐体内に取り込む位置が、前記ナンバープレートの車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配され、
前記ナンバープレートにおいてレーザ光が反射される部位を第一反射部位とし、前記車両部位においてレーザ光が反射される部位を第二反射部位として、前記第一反射部位及び前記第二反射部位のうち少なくとも一方によって反射されるレーザ光が前記受光手段にて受光されないように、前記照射範囲及び前記受光範囲が定められていることを特徴とする車載レーザレーダ装置。
【請求項2】
前記照射範囲及び前記受光範囲のうち少なくとも一方の範囲が、前記第一反射部位及び前記第二反射部位を含まないように、前記照射手段及び前記受光手段を配置したこと、を特徴とする請求項1に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項3】
前記照射範囲及び前記受光範囲のうち少なくとも一方の範囲は、前記ナンバープレート側の端部が前記第一反射部位を含まず、かつ前記車両部位側の端部が前記第二反射部位を含まないこと、を特徴とする請求項1または2に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項4】
前記照射手段及び前記受光手段は、車両の高さ方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項5】
前記ナンバープレートより硬度の低い材料により形成され、少なくとも該ナンバープレートの裏側端部に配置される軟材料部(76)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項6】
前記ナンバープレート及び前記車両部位のうち少なくとも一方に、赤外線を吸収する赤外線吸収部(72)を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項7】
前記照射手段は、レーザ光を照射する照射素子(421)の位置を調整することによって、前記照射範囲を設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項8】
前記受光手段は、レーザ光を受光する受光素子の位置を調整することによって、前記受光範囲を調整することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項9】
前記照射手段は、照射するレーザ光を遮ることによって、前記照射範囲を調整する照射側遮光部(425)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項10】
前記受光手段は、受光するレーザ光を遮ることによって、前記受光範囲を調整する受光側遮光部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項11】
車両(10)の端部に設けられたナンバープレート(12)と車両部位(14)との間に筐体が設置される車載レーザレーダ装置(30)であって、
前記筐体内に設けられ、車両の前進方向に対して右側方に予め定められた第1照射範囲にてレーザ光を照射する右照射手段(42)と、
前記筐体内に設けられ、車両の前進方向に対して左側方に予め定められた第2照射範囲にてレーザ光を照射する左照射手段(52)と、
前記筐体内に設けられ、前記右照射手段によるレーザ光の照射方向から到来する前記レーザ光の反射光を予め定められた第1受光範囲にて受光する右受光手段(44)と、
前記筐体内に設けられ、前記左照射手段によるレーザ光の照射方向から到来する前記レーザ光の反射光を予め定められた第2受光範囲にて受光する左受光手段(54)と、
を備え、
前記右照射手段及び左照射手段から照射されるレーザ光が前記筐体外に出射される位置、及び前記右受光手段及び左受光手段に導かれる前記反射光を前記筐体内に取り込む位置が、前記ナンバープレートの車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配され、
前記右照射手段及び左照射手段から照射されるレーザ光のうち前記ナンバープレート及び前記車両部位によって反射されるレーザ光が前記右受光手段及び左受光手段にて受光されないように、前記第1照射範囲、前記第2照射範囲、前記第1受光範囲、及び前記第2受光範囲が定められていること、
を特徴とする車載レーザレーダ装置。
【請求項1】
車両(10)の端部に設けられたナンバープレート(12)と車両部位(14)との間に筐体(31)が設置されている車載レーザレーダ装置(30)であって、
前記筐体内に設けられ、車両の進行方向に対して側方に予め定められた照射範囲にてレーザ光を照射する照射手段(42)と、
前記筐体内に設けられ、前記照射手段によるレーザ光の照射方向から到来する前記レーザ光の反射光を予め定められた受光範囲にて受光する受光手段(44)と、
を備え、
前記照射手段から照射されるレーザ光が前記筐体外に出射される位置、及び前記受光手段に導かれる前記反射光を前記筐体内に取り込む位置が、前記ナンバープレートの車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配され、
前記ナンバープレートにおいてレーザ光が反射される部位を第一反射部位とし、前記車両部位においてレーザ光が反射される部位を第二反射部位として、前記第一反射部位及び前記第二反射部位のうち少なくとも一方によって反射されるレーザ光が前記受光手段にて受光されないように、前記照射範囲及び前記受光範囲が定められていることを特徴とする車載レーザレーダ装置。
【請求項2】
前記照射範囲及び前記受光範囲のうち少なくとも一方の範囲が、前記第一反射部位及び前記第二反射部位を含まないように、前記照射手段及び前記受光手段を配置したこと、を特徴とする請求項1に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項3】
前記照射範囲及び前記受光範囲のうち少なくとも一方の範囲は、前記ナンバープレート側の端部が前記第一反射部位を含まず、かつ前記車両部位側の端部が前記第二反射部位を含まないこと、を特徴とする請求項1または2に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項4】
前記照射手段及び前記受光手段は、車両の高さ方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項5】
前記ナンバープレートより硬度の低い材料により形成され、少なくとも該ナンバープレートの裏側端部に配置される軟材料部(76)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項6】
前記ナンバープレート及び前記車両部位のうち少なくとも一方に、赤外線を吸収する赤外線吸収部(72)を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車載レーザレーダ装置。
【請求項7】
前記照射手段は、レーザ光を照射する照射素子(421)の位置を調整することによって、前記照射範囲を設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項8】
前記受光手段は、レーザ光を受光する受光素子の位置を調整することによって、前記受光範囲を調整することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項9】
前記照射手段は、照射するレーザ光を遮ることによって、前記照射範囲を調整する照射側遮光部(425)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項10】
前記受光手段は、受光するレーザ光を遮ることによって、前記受光範囲を調整する受光側遮光部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
【請求項11】
車両(10)の端部に設けられたナンバープレート(12)と車両部位(14)との間に筐体が設置される車載レーザレーダ装置(30)であって、
前記筐体内に設けられ、車両の前進方向に対して右側方に予め定められた第1照射範囲にてレーザ光を照射する右照射手段(42)と、
前記筐体内に設けられ、車両の前進方向に対して左側方に予め定められた第2照射範囲にてレーザ光を照射する左照射手段(52)と、
前記筐体内に設けられ、前記右照射手段によるレーザ光の照射方向から到来する前記レーザ光の反射光を予め定められた第1受光範囲にて受光する右受光手段(44)と、
前記筐体内に設けられ、前記左照射手段によるレーザ光の照射方向から到来する前記レーザ光の反射光を予め定められた第2受光範囲にて受光する左受光手段(54)と、
を備え、
前記右照射手段及び左照射手段から照射されるレーザ光が前記筐体外に出射される位置、及び前記右受光手段及び左受光手段に導かれる前記反射光を前記筐体内に取り込む位置が、前記ナンバープレートの車幅方向の端部より中央側に奥まった位置に配され、
前記右照射手段及び左照射手段から照射されるレーザ光のうち前記ナンバープレート及び前記車両部位によって反射されるレーザ光が前記右受光手段及び左受光手段にて受光されないように、前記第1照射範囲、前記第2照射範囲、前記第1受光範囲、及び前記第2受光範囲が定められていること、
を特徴とする車載レーザレーダ装置。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図2】
【図12】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図2】
【図12】
【公開番号】特開2013−36976(P2013−36976A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92200(P2012−92200)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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