説明

車載用通信システム

【課題】車載用通信システムにおいて、中継接続ユニットの中継処理をカットスルー方式よりも高速化を図る。
【解決手段】CAN通信線11に接続されたECU30と、異なるCAN通信線11に属するECU30間で送受信するメッセージフレーム40を中継する中継接続ユニット20とを備える車載用通信システム10であって、ECU30から送信するメッセージフレーム40は、アービトレーションフィールド42の上位ビットに送信先CAN通信線11を示すバス識別子42aを付与すると共に、該バス識別子42aに続く下位ビットにメッセージを識別するメッセージ識別子42bを付与しており、中継接続ユニット20は受信するメッセージフレーム40のアービトレーションフィールド42のバス識別子42aを読み込んだ時点で送信先のCAN通信線11に送信を開始することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用通信システムに関し、詳しくは、異なる多重通信線に接続された電子制御ユニット(ECU)間で中継接続ユニットを介してメッセージフレームの送受信を行う車載用通信システムにおいて、前記中継接続ユニットはECUから送信したメッセージフレームを高速に中継するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載される電装品および電機装置の数は、車両の高機能化および高性能化に伴って急増しており、車両内の配線が複雑化すると共に大規模化している。
そこで、車両内の配線の本数増加を抑制すべく、車載電装品を制御するECUをシートやドアのボディ系、エンジンやスロットル等のパワートレイン系などに区分けしてグループ化し、グループ毎にグループ内に属するECUを多重通信線で接続すると共に、異なるECUに接続した多重通信線間に中継接続ユニット(ゲートウェイユニット)を介設し、該中継接続ユニットでグループ内のECU間の通信の中継を行う車載用通信システムが採用されている。
このように、車両に搭載した多数のECUをグループ別とし、かつ、各グループ内ではECUに接続した多重通信線を中継接続ユニットと接続するシステムとすることで、配線数の低減化を図ると共に、中継接続ユニットを介したECU間の通信の高速化を図っている。
前記した車載用通信システムにおいて、各グループ内では、例えば、第1多重通信線に接続されたECUからメッセージフレームが送信されると、中継接続ユニットは該メッセージフレームを受信し、該メッセージフレームの中継送信先である第2多重通信線にメッセージフレームを中継している。
【0003】
車載用通信システムの通信プロトコルとしてはCANが標準となりつつある。CANプロトコルでは、送受信されるメッセージフレームの仕様が予め規定されており、各メッセージフレームはメッセージを識別するためのメッセージ識別子が記載されるアービトレーションフィールドを備えている。
【0004】
前記メッセージ識別子を備えたメッセージフレームを受信する中継接続ユニットは、該受信したメッセージフレームのメッセージ識別子と中継送信する送信先のECUを接続した多重通信線との対応を記載したルーティングマップを備えている。
詳細には、中継接続ユニットはメッセージフレームを受信してアービトレーションフィールドのメッセージ識別子を読み込こむ。ついで、前記ルーティングマップを参照して該メッセージ識別子と対応する送信先の多重通信線を判別し、特定した送信先の多重通信線にメッセージフレームを送信している。
【0005】
車両に搭載される電装品等が増加するに従って、これら電装品を制御するECUも増加し、ECU間で送受信するメッセージフレームが増加するため、中継接続ユニットにおける前記中継処理の負担が増加し、中継速度が遅延する問題がある。よって、通信の高速化を図るために、中継接続ユニットはできるだけメッセージフレームを高速に中継することが望まれている。
【0006】
前記中継接続ユニットの中継処理の方法として、例えば、特開平9−162917号公報(特許文献1)に記載されているように、ストア&フォワード方式及びカットスルー方式が知られている。
【0007】
ストア&フォワード方式は、中継接続ユニットがメッセージフレームを最後まで受信した後、アービトレーションフィールドからメッセージ識別子を読み出し、ルーティングマップを参照して該メッセージ識別子に対応する中継先の多重通信線を判別し、該多重通信線に送信を開始する方式である。
中継接続ユニットはメッセージフレームを全て受信しているので、受信したメッセージフレームにエラーが発生していた場合には、該エラーを検知してメッセージフレームの送信を中止することができる。しかし、メッセージフレームを最後まで受信してから他の多重通信線への送信を開始しているので、後述するカットスルー方式に比べてメッセージフレームの受信を開始してから送信を開始するまでの時間が長くなる。
【0008】
一方、カットスルー方式は、中継接続ユニットが、メッセージフレームのうちメッセージ識別子が書き込まれたアービトレーションフィールドまでを受信した時点で、ルーティングマップを参照して該メッセージ識別子に対応する中継先の多重通信線を判別し、該多重通信線に送信を開始する方式である。
メッセージフレームにエラーが存在していても、中継接続ユニットはアービトレーションフィールドを受信した時点で、既に他の多重通信線への送信を開始しているので、該エラーのあるメッセージフレームの送信を中止することができない。
しかし、メッセージフレームを最後まで受信せずに多重通信線に送信を開始しているので、ストア&フォワード方式に比べてメッセージフレームの受信を開始してから送信を開始するまでの時間が短くなり、中継処理を高速化することができる。
【0009】
【特許文献1】特開平9−162917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、前記ストア&フォワード方式と比較して中継の高速化を図れるカットスルー方式においても、メッセージ識別子を読み出すためにはメッセージフレームのアービトレーションフィールドを全て受信しなければならず、さらに、ルーティングマップを参照し、読み出したメッセージ識別子に対応した中継先の多重通信線を判別しなければならないため、中継処理時間を短縮化して中継の高速化を図るには改善の余地がある。
【0011】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、ECUが接続された多重通信線に中継接続ユニットを介設して、異なる多重通信線に接続されたECU間でメッセージフレームの送受信を行う車載用通信システムにおいて、中継接続ユニットで行う中継処理を従来のカットスルー方式よりも更に高速化することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本発明は、CAN通信線に接続された電子制御ユニットと、異なるCAN通信線に属する前記電子制御ユニット間で送受信するメッセージフレームを中継する中継接続ユニットとを備える車載用通信システムであって、
前記電子制御ユニットから送信するメッセージフレームは、アービトレーションフィールドの上位ビットに送信先CAN通信線を示すバス識別子を付与すると共に、該バス識別子に続く下位ビットにメッセージを識別するメッセージ識別子を付与しており、
前記中継接続ユニットは受信する前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドのバス識別子を読み込んだ時点で送信先のCAN通信線に送信を開始することを特徴とする車載用通信システムを提供している。
【0013】
前記のように、本発明では、電子制御ユニット(ECU)から送信されるメッセージフレームは、そのアービトレーションフィールドの上位ビットを送信先のバス識別子として用い、残りの下位ビットをメッセージ識別子として用いている。これにより、中継接続ユニットがECUからメッセージフレームを受信すると、まず、アービトレーションフィールドの上位ビットのバス識別子を読み込み、読み込んだ時点でバス識別子で識別されたCAN通信線(バス)へ送信を開始できるようにして、中継接続ユニットでの中継処理時間の短縮化を図り、中継を高速化している。
【0014】
即ち、各ECUはメッセージフレームを送信する際に、自メッセージフレームが中継送信される送信先のCAN通信線を示したバス識別子をアービトレーションフィールドに付与している。
中継接続ユニットは各ECUからメッセージフレームを受信すると、メッセージフレームのうちアービトレーションフィールドの上位ビットのバス識別子を受信した時点で、メッセージフレームを中継する送信先のCAN通信線をバス識別子から判別し、該送信先のCAN通信線に送信を開始している。
【0015】
このように、中継接続ユニットはアービトレーションフィールドの上位のバス識別子までを受信した時点で他のCAN通信線へメッセージフレームの送信を開始できるので、アービトレーションフィールドを全て受信した後にメッセージフレームの送信を開始する従来のカットスルー方式よりも中継処理を高速に行うことができる。
また、カットスルー方式では読み込んだメッセージ識別子に基づいてルーティングマップを参照して送信先のCAN通信線を判別していたが、本発明ではバス識別子に送信先のCAN通信線が記載されているので、ルーティングマップを参照する処理がなくより高速に中継処理を行うことができる。
さらに、中継接続ユニットのメモリにルーティングマップを記録する必要がないため、メモリ容量を小さくすることができる。
【0016】
また、従来の前記ストア&フォワード方式またはカットスルー方式のどちらの方式においても、中継接続ユニットにルーティングマップを備えて中継するCAN通信線を判別しているので、車載用通信システムに新たなECUが接続されてメッセージフレームを送信する場合や、既存のECUが送信するメッセージフレームであってもメッセージ識別子が変更になった場合には、その度に中継接続ユニットのルーティングマップを変更しなくてはならず、車載用通信システムの設計の変更が困難である。
さらに、更に車載用通信システムに接続されるECUは車種毎に異なるため、車種毎に異なるルーティングマップを中継接続ユニットに設定しなければならず、中継接続ユニットの品番が増加する。
【0017】
しかし、本発明によれば、各ECUから送信するメッセージフレームに送信先のCAN通信線を記載したバス識別子を付して送信しているため、中継接続ユニットはルーティングマップを持つ必要がなくなり、車載用通信システムの設計の変更を容易に行うことができる。また、車種ごとに車載用通信システムに接続されるECUが異なっていても、車種毎のルーティングマップの設定が不要であるため、中継接続ユニットを共用化することができる。
【0018】
前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドのバス識別子を付与するビット数は、前記中継接続ユニットに接続したCAN通信線の個数に応じて設定していることが好ましい。
即ち、CAN通信線の個数が少なければビット数を少なくでき、CAN通信線の個数が増加するとビット数は多くなるが、バス識別子を付与するビット数は4ビット以下とすることが好ましい。
これはバス識別子のビット数を5ビット以上とすると、中継接続ユニットがアービトレーションフィールドのバス識別子までを受信するのに時間がかかるため、中継処理を高速に行うことができないからである。
かつ、バス識別子を5ビット以上とすると、CANの標準フォーマットはアービトレーションフィールドが11ビットであるため、メッセージ識別用のメッセージ識別子に6ビット以下しか取れなくなる。メッセージ識別子はCAN通信線上に送信されるメッセージ毎に異なる値としなければならず、CAN通信線で扱うことのできるメッセージ数が少なくなってしまうからである。
【0019】
具体的には、前記バス識別子はビット毎に夫々CAN通信線を予め特定し、かつ、特定したCAN通信線に中継が必要な場合「0」、中継不要の場合は「1」で表している。
前記構成とすることで、中継接続ユニットはバス識別子のビットごとに「0(ドミナント)」か「1(リセッシブ)」を判断し、「0」ビットに対応したCAN通信線にメッセージフレームを送信することができる。このため、中継接続ユニットはルーティングマップを参照して送信先を判別する必要がなく、高速に中継処理を行うことができる。
【0020】
また、メッセージフレームの送信元であるCAN通信線が特定されたビットも「0」としている。しかし、中継接続ユニットは、メッセージフレームの送信元であるCAN通信線にはメッセージフレームを送信しない。
【0021】
前記のように、バス識別子のビット毎に夫々CAN通信線を予め特定して、「0」「1」によりメッセージフレームの送信先および送信元のCAN通信線を表しているため、中継接続ユニットに接続された各CAN通信線から受信したメッセージフレームを他のどのCAN通信線に送信するかは、バス識別子の各ビットの「0」「1」の組み合わせで定めることができる。
【0022】
中継接続ユニットの中継処理の動作確認テストを行う場合、従来技術では、受信したメッセージフレームの送信先はルーティングマップに記載されており、該ルーティングマップに記載された全てのメッセージフレームについて中継処理の動作確認を行わなくてはならない。メッセージフレームは各ECUから送信されるため中継処理の数は膨大であり、動作確認テストに手間がかかる。
一方、本発明の場合には、バス識別子の各ビットの「0」「1」の全ての組合せについて中継処理の動作確認を行えばよく、組合せの数は前記ルーティングマップに記載された中継処理の数に比べて大幅に少ないため、動作確認テストの工数を低減することができる。
【0023】
1本の前記CAN通信線に接続された複数の電子制御ユニットから、他のCAN通信線への中継が必要なメッセージと、他のCAN通信線への中継が不要なメッセージが送信された場合、前記メッセージを送信した各電子制御ユニットは、自電子制御ユニットが送信する前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドの前記バス識別子と、前記CAN通信線の信号レベルをビットごとに比較して調停を行い、他のCAN通信線への中継が必要なメッセージフレームを優先して送信する。
【0024】
また、1本の前記CAN通信線に接続された前記電子制御ユニットが、他のCAN通信線への中継が不要なメッセージフレームを送信すると同時に、前記中継接続ユニットが、他のCAN通信線から受信したメッセージフレームを前記電子制御ユニットが接続されたCAN通信線に送信する場合に、前記各電子制御ユニットと前記中継接続ユニットは、自電子制御ユニットまたは自中継接続ユニットが送信する前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドの前記バス識別子と、前記CAN通信線の信号レベルをビットごとに比較して調停を行い、前記中継接続ユニットが優先してメッセージフレームを送信する。
【0025】
前述したように、前記バス識別子はビット毎に夫々CAN通信線を予め特定し、特定したCAN通信線に中継が必要な場合「0」、中継不要の場合は「1」で表し、メッセージフレームの送信元であるCAN通信線が特定されたビットも「0」としている。
このように設定することで、一本のCAN通信線に接続された複数の電子制御ユニットから、他のCAN通信線への中継が必要なメッセージフレームと他のCAN通信線への中継が不要なメッセージフレームが同時に送信された場合、各電子制御ユニットが調停を行うと、必ず他のCAN通信線への中継が必要なメッセージフレームを送信している電子制御ユニットが優先的にメッセージフレームを送信することができる。
【0026】
同様に、1本の前記CAN通信線に接続された前記電子制御ユニットが、他のCAN通信線への中継が不要なメッセージフレームを送信すると同時に、前記中継接続ユニットが、他のCAN通信線から受信したメッセージフレームを前記電子制御ユニットが接続されたCAN通信線に送信した場合に、中継接続ユニットと電子制御ユニットが調停を行うと、中継接続ユニットは必ず優先的にメッセージフレームを送信することができる。
【発明の効果】
【0027】
前述したように、本発明の車載用通信システムによれば、ECUが接続されたCAN通信線(多重通信線)に中継接続ユニットを介設して、異なるCAN通信線に接続されたECU間でメッセージフレームの送受信を行う車載用通信システムにおいて、ECUから送信するメッセージフレームには、そのアービトレーションフィールドの上位ビットにバス識別子を付しているため、中継接続ユニットはECUから受信するメッセージフレームのバス識別子を読み込んだ時点で送信先に指定されたCAN通信線へメッセージフレームの送信を開始することができる。このように、アービトレーションフィールドを全て受信した後にメッセージフレームの送信を開始する従来のカットスルー方式よりも中継処理を高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6に本発明の第1実施形態を示す。
本発明の車載用通信システム10は、中継接続ユニット20にCANプロトコルに準拠する複数のCAN通信線11からなるバスを接続していると共に、CAN通信線11にはそれぞれ1または複数の電子制御ユニット(ECU)30を接続している。
本実施形態では図1に示すように、中継接続ユニット20に4本のCAN通信線11A〜11Dを接続し、CAN通信線11AにはECU30A−1、ECU30A−2を接続すると共にCAN通信線11B、11C、11Dにはそれぞれ1つのECU30B、30C、30Dを接続している。
【0029】
前記ECU30が中継接続ユニット20を介して他のCAN通信線に送信するメッセージフレーム40には、そのアービトレーションフィールド42に送信先のCAN通信線11を示すバス識別子42aを備えている。中継接続ユニット20はECU30からメッセージフレーム40を受信すると、メッセージフレーム40のアービトレーションフィールド42の上位ビットに記載されているバス識別子42aを読み込むと、該バス識別子42aから送信先のCAN通信線11を判断し、特定したCAN通信線11にECU30から受信したメッセージフレーム40の送信を開始するものである。
【0030】
前記ECU30から送信するバス識別子42aを備えたメッセージフレーム40について、図2を用いて説明する。
メッセージフレーム40は、上位ビットより、メッセージフレームの開始を示す1ビットのスタートオブフレーム(SOF)フィールド41と、バス識別子42aおよびメッセージ識別子42bを備えたアービトレーションフィールド42と、メッセージ長等の制御に関する情報を示すコントロールフィールド43と、送受信されるメッセージ内容を示すデータフィールド44とを備えている。
また、データフィールド44の後の下位ビットには、図示しないCRCフィールド、フレームのエンドオブフレーム(EOF)フィールド等を備えている。
【0031】
アービトレーションフィールド42の識別子は11ビットで構成され、上位ビットに送信先CAN通信線11を示すバス識別子42aを付与していると共に、該バス識別子42aに続く下位ビットにメッセージを識別するメッセージ識別子42bを付与している。また、アービトレーションフィールド42の最下位ビットにはRTRビット42cを備えている。
【0032】
バス識別子42aを付与するビット数は、前記中継接続ユニット20に接続したCAN通信線11の個数に応じて設定している。本実施形態では4本のCAN通信線11を中継接続ユニット20に接続しているので、バス識別子42aは4ビットとし、残りの下位ビットをメッセージ識別子42bとしている。
さらに、4ビットのバス識別子42aに、ビット毎にそれぞれCAN通信線11を予め設定している。例えば、最上位の1ビット目をCAN通信線11Dと特定し、2ビット目をCAN通信線11Cと特定し、3ビット目をCAN通信線11B、4ビット目をCAN通信線11Aと特定している。
【0033】
次に、バス識別子42aの設定方法について、中継接続ユニット20に4本のCAN通信線11が接続された本実施形態を例として説明する。
まず、各CAN通信線11のバスIDを図3(A)のように4ビットで設定する。CAN通信線11Aは最下位ビットを「0」、その他のビットを「1」としている。
CAN通信線11Bは上位から3ビット目を「0」、その他のビットを「1」とし、CAN通信線11Cは上位から2ビット目を「0」、その他のビットを「1」とし、CAN通信線11Dは最上位ビットを「0」、その他のビットを「1」としている。
【0034】
次に、バス識別子42aを、送信元のCAN通信線11のバスIDと、送信先のCAN通信線11のバスIDとの論理積(and)として設定する。
ここで、送信元のCAN通信線11とは、メッセージフレーム40を送信するECU30が接続されたCAN通信線11であり、中継接続ユニット20は該CAN通信線11からのメッセージフレーム40を受信する。また、送信先のCAN通信線11とは、中継接続ユニット20がメッセージフレーム40を送信するCAN通信線11であり、メッセージフレーム40を受信するECU30が接続されている。
【0035】
バス識別子42aの設定例を図3(B)〜(D)に示す。
図示の縦欄は送信元のCAN通信線11を示し、横欄は送信先のCAN通信線11を示している。
図3(B)は中継接続ユニット20が1本のCAN通信線11に送信を行う場合のバス識別子42aを示す図である。例えば、送信元がCAN通信線11Aであり送信先がCAN通信線11Bである場合、バス識別子42aはCAN通信線11AとCAN通信線11BのバスIDの論理積(and)である「1100」となる。
図3(B)には送信先と送信元が同じCAN通信線11である場合も記載されており、この場合、バス識別子42aはCAN通信線11のバスIDと同じとなる。なお、送信先と送信元が同じCAN通信線11である場合には中継接続ユニット20は中継処理を行わない。
【0036】
図3(C)は送信先が2本のCAN通信線11である場合のバス識別子42aを示す図である。
例えば、送信元がCAN通信線11Aであり送信先がCAN通信線11B、CAN通信線11Cである場合、バス識別子42aはCAN通信線11A、CAN通信線11B、およびCAN通信線11CのバスIDの論理積(and)である「1000」となる。
なお、図3(C)には、送信先と送信元が異なる場合だけでなく、送信先が送信元のCAN通信線11を含めて2本である場合も記載されている。
図3(C)で送信元がCAN通信線11A、送信先がCAN通信線11A、CAN通信線11Bである場合のバス識別子42a「1100」は、図3(B)の送信元がCAN通信線11A、送信先がCAN通信線11Bである場合のバス識別子42a「1100」と同じである。
このように送信先のCAN通信線11が送信元のCAN通信線11を含む場合には、中継接続ユニット20は2本の送信先のCAN通信線11のうち、送信元と異なるCAN通信線11には中継処理を行うが、同じCAN通信線11には中継処理を行わない。
【0037】
図3(D)は送信先が3本のCAN通信線11である場合のバス識別子42aを示す図である。
例えば、送信元がCAN通信線11Aであり送信先がCAN通信線11B、CAN通信線11C、CAN通信線11Dである場合、バス識別子42aはCAN通信線11A、CAN通信線11B、CAN通信線11C、およびCAN通信線11DのバスIDの論理積(and)である「0000」となる。
図3(D)にも、送信先と送信元が異なる場合だけでなく、送信先が送信元のCAN通信線11を含めて3本である場合も記載されており、中継接続ユニット20は3本の送信先のCAN通信線11のうち、送信元と異なるCAN通信線11には中継処理を行うが、同じCAN通信線11には中継処理を行わない。
【0038】
また、中継接続ユニット20が受信したメッセージフレーム40が他のCAN通信線11へ送信が不要な場合、すなわち他のCAN通信線へ中継されず、メッセージフレーム40を送信したECU30が接続されているCAN通信線11でのみ使用されるメッセージフレーム(ローカルフレームと称す)40の場合には、バス識別子42aは図3(A)に示す送信元のバスIDと同じとする。
なお、前記ローカルフレームに対して他のCAN通信線への中継を必要とするメッセージフレームをCANフレームと称す。
【0039】
前記の設定方法において設定するバス識別子42aは、すなわち、(1)該ECU30がメッセージフレーム40を送信する相手のECU30が接続されているCAN通信線11、すなわち中継接続ユニット20の中継の送信先であるCAN通信線11が特定されたビットは「0(ドミナント)」、(2)その他のビット、すなわち中継接続ユニット20が中継不要なCAN通信線11が特定されたビットは「1(リセッシブ)」、(3)自ECU30が接続されているCAN通信線11が特定されたビットは「0」、として設定されることになる。
バス識別子42aが取りうる「0」「1」の組み合わせは図3(A)〜(D)に示す組み合わせのいずれかとなる。
【0040】
各CAN通信線11に接続されたECU30の構成について説明する。
ECU30は図1に示すように処理部31と送受信部32を備えており、処理部31はメッセージフレーム40のアービトレーションフィールド42のバス識別子42aに前述した設定方法に基づいて送信先を書き込み、送受信部32を介してメッセージフレーム40の送信を行っている。
また、送受信部32を介して他ECU30が送信したメッセージフレーム40を受信している。
さらに、同じCAN通信線11に接続された複数のECU30が同時にメッセージフレーム40を送信した場合に、後述するメッセージフレーム40の衝突の調停を行っている。
【0041】
前記処理部31は例えばCPUとROMやRAMなどのメモリで構成され、メモリにはECU30がメッセージフレーム40をどのECU30またはCAN通信線11に送信するか予め記憶されており、CPUは該メモリを参照してバス識別子42aに割り当てた上位ビットに送信先を書き込んでいる。また、メモリに格納されたプログラムをCPUが読み込むことで、メッセージフレーム40の送受信等を行っている。
ECU30A−1、30A−2、30B,30C,30Dは全て同様の構成としている。
【0042】
複数のCAN通信線11に接続された中継接続ユニット20は、図1に示すように中継処理部21と各CAN通信線11にそれぞれ接続した送受信部22A〜22Dを備えている。中継処理部21はECU30が送信したメッセージフレーム40をアービトレーションフィールド42のバス識別子42aまで受信すると、バス識別子42aから該メッセージフレーム40の送信先を読み取り、該当するCAN通信線11に送受信部32を介して該メッセージフレーム40を送信する。中継処理部21は例えばCPUとROMやRAMなどのメモリで構成される。
【0043】
車載用通信システム10の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
例として、CAN通信線11Aに接続されたECU30A−1が、CAN通信線11Bに接続されたECU30B、CAN通信線11Cに接続されたECU30Cにメッセージフレーム40を送信する動作について説明する。
ステップS1では、ECU30A−1の処理部31は、送信するメッセージフレーム40の送信先であるCAN通信線11B、CAN通信線11Cを自ECU30のメモリから読み取り、アービトレーションフィールド42のバス識別子42aに割り当てた4ビットに書き込む。図3(C)に示すように、バス識別子42aは「1000」となる。
【0044】
ステップS2では、ECU30A−1はメッセージフレーム40をCAN通信線11Aに送信する。
ステップS3では、中継接続ユニット20はCAN通信線11Aから該メッセージフレーム40を受信する。
ステップS4では、中継接続ユニット20の送受信部32がメッセージフレーム40のアービトレーションフィールド42のバス識別子42a「1000」までを読み込んだ時点で、中継処理部21は「0」を示しているビットに特定されたCAN通信線11A、11B、11Cを判別する。メッセージフレーム40はCAN通信線11Aから送信されているので、CAN通信線11Aを除いたCAN通信線11B、11Cにメッセージフレーム40を送信することを判別する。
【0045】
ステップS5では、中継接続ユニット20の中継処理部21は、送信先のCAN通信線11B、11Cにメッセージフレーム40の送信を開始する。なお、メッセージフレーム40の受信が最後まで完了していなくても、先頭のSOFフィールド41から送信を開始する。すなわち、メッセージフレーム40の受信を行うと共に送信も行う。
ステップS6では、送信先のCAN通信線11B、11Cに接続されたECU30B、30Cが該メッセージフレーム40を受信する。
【0046】
次に、図5を参照して、中継接続ユニット20において、メッセージフレーム40の中継に要する時間について説明する。
図5(A)は本発明の中継接続ユニット20の中継の説明図であり、A時点は中継接続ユニット20がメッセージフレーム40の受信を開始した時点、B時点は送信先のCAN通信線11へメッセージフレーム40の送信を開始した時点である。
A時点からB時点の時間Tが短いほどメッセージフレーム40の中継が高速に行われたことになる。
【0047】
図5(A)中で、A時点においてメッセージフレーム40の受信を開始してから、メッセージフレーム40のうち1ビットのSOFフィールド41とアービトレーションフィールド42のバス識別子42aまでを受信したB時点でメッセージフレーム40の送信を開始している。本実施形態ではバス識別子42aは4ビットなので、合計5ビットを受信する時間がA点からB点までの時間T1となる。
中継接続ユニット20が5ビットを受信する時間T1は、CAN通信線11の伝送速度を500kbpsとすると、式(1)のようになる。
T1=5ビット×(1/500kbps)=10μsec ・・式(1)
【0048】
図5(B)は従来のストア&フォワード方式による中継接続ユニット20の中継の説明図であり、メッセージフレーム40を全て受信したB時点でメッセージフレーム40の送信を開始している。
このため、メッセージフレーム40の総ビット数を受信する時間がA点からB点までの時間T2となる。メッセージフレーム40の総ビット数を111ビットとすると、時間T2は式(2)のようになる。
T2=111ビット×(1/500kbps)=222μsec ・・式(2)
【0049】
図5(C)は従来のカットスルー方式による中継接続ユニット20の中継の説明図であり、メッセージフレーム40のうちアービトレーションフィールド42の11ビットを受信したB時点でメッセージフレーム40の送信を開始している。
このため、SOFフィールド41の1ビットを加えた計12ビットを受信する時間がA点からB点までの時間T3となり、時間T3は式(2)のようになる。
T3=12ビット×(1/500kbps)=24μsec ・・式(3)
【0050】
前記のように、図5(B)のストア&フォワード方式では、A時点からB時点までの時間T2は222μsec、図5(C)のカットスルー方式では、A時点からB時点までの時間T3は24μsecである。これに対して、本発明の図5(A)では、A時点からB時点までの時間T1は10μsecであり、メッセージフレーム40の中継を高速に行うことができる。
【0051】
次に、1本のCAN通信線11に接続されたECU30から同時にメッセージフレーム40が送信された場合の動作について図6に説明する。
同一のCAN通信線へのメッセージフレームの送信が衝突した場合、衝突したメッセージフレーム40のうち、どのメッセージフレーム40をCAN通信線11に優先的に送信するかを各ECUが決定する調停が行われる。調停により優先が認められたメッセージフレーム40は優先的にCAN通信線11に送信され、優位性が劣るメッセージフレーム40は、優先メッセージフレーム40の送信完了後に改めて送信がなされる。
【0052】
他のCAN通信線11への中継が必要なメッセージフレーム(CANフレーム)40と、他のCAN通信線11への中継が不要なメッセージフレーム(ローカルフレーム)40が同時に同じCAN通信線11に送信された場合、図3のようにアービトレーションフィールド42のバス識別子42aを設定することで、中継が必要なメッセージフレーム40は優先してCAN通信線11に送信される。
【0053】
前記1つのCAN通信線11に同時にメッセージフレーム40が送信された場合において、どのメッセージフレームを優先して送信するかの調停について説明する。
CAN通信線11Aに接続されたECU30A−1が、CAN通信線11Bへの中継が必要なCANフレーム40A−1を送信し、同じCAN通信線11Aに接続されたECU30A−2が他のCAN通信線11への中継が不要なローカルフレーム40A−2を送信した場合を説明例とする。
【0054】
CAN通信線11Bへ中継が必要なCANフレーム40A−1のバス識別子42aは、図3(B)に示されるように「1100」である。
中継が不要なローカルフレーム40A−2のバス識別子42aは、前述したように図3(A)のバスIDと同じ「1110」である。
ECU30A−1、ECU30A−2の処理部31は、送受信部32を介してそれぞれCAN通信線のバスレベル(「0」もしくは「1」)を検知しており、該バスレベルと自メッセージフレーム40のバス識別子42aの値をビットごとに比較して、レベルが異なればメッセージフレーム40の送信を停止する。
CAN通信線11Aのバスレベルは、ビットごとに、CAN通信線11Aに接続されたECU30Aのうち1つでも「0」のメッセージフレーム40を送信している場合は「0」である。即ち、バスレベルは各メッセージフレーム40のビットごとの論理積と同じである。
【0055】
図6に示すように、バス識別子42aの1ビット目のバスレベルは「1」であり、CANフレーム40A−1、ローカルフレーム40A−2ともに「1」であるため、ECU30A−1、ECU30A−2はフレームの送信を継続する。2ビット目についても同様である。
次に、3ビット目においては、バスレベルは「0」であり、ローカルフレーム40A−2は「1」である。このため、ECU30A−2はローカルフレーム40A−2の送信を停止する。一方、CANフレーム40A−1のレベルは「0」であるため、CANフレーム40A−1は調停で優位性が認められECU30A−1は送信を継続する。
【0056】
同様に、他のCAN通信線11に中継されるCANフレーム40A−1が図3(B)〜(D)に示すどのバス識別子42aの値であっても、他のCAN通信線11に中継が不要なローカルフレーム40A−2との調停に優位性が認められ、優先的に送信されることとなる。
このように、他のCAN通信線11への中継が必要なメッセージフレーム40と、他のCAN通信線11への中継が不要なメッセージフレーム40が同時に同じCAN通信線11に送信された場合、中継が必要なメッセージフレーム40は常に優先して送信される。
なお、1本のCAN通信線11に接続されたECU30A−1、30A−2の両方から他のCAN通信線11への中継が必要なCANフレーム40が同時に送信された場合には、それぞれのバス識別子42aの設定の値により調停が行われ、どちらが優先されるか決定される。
【0057】
また、一本のCAN通信線11に、該CAN通信線11に接続されたECU30から他のCAN通信線11への中継が不要なローカルフレーム40が送信されると同時に、他のCAN通信線11に接続されたECU30が送信したメッセージフレーム(CAN中継フレーム)40が中継接続ユニット20から該CAN通信線11に送信された場合にも、他のCAN通信線11から送信されて中継接続ユニット20が送信したメッセージフレーム40が優先的に送信される。
例えば、CAN通信線11Aに接続されたECU30A−2から他のCAN通信線11への中継が不要なローカルフレーム40A−2が送信され、同時に、ECU30Bが送信したCAN中継フレーム40Bを中継接続ユニット20がCAN通信線11通信線Aに送信した場合は、以下の調停となる。
【0058】
ローカルフレーム40A−2のバス識別子42aは図3(A)より「1110」である。
CAN中継フレーム40Bのバス識別子42aは、CAN中継フレーム40BがCAN通信線11C、11Dに送信されている可能性を考慮すると「1100」、「1000」「0100」「0000」のいずれかである。
このとき、ローカルフレーム40A−2とCAN中継フレーム40Bが同時にCAN通信線11Aに送信され、図6に示す調停が行われ、CAN中継フレーム40Bが前記いずれのバス識別子42aであっても調停で優位性が認められ、優先的にCAN通信線11Aに送信される。
【0059】
他のCAN通信線11CまたはCAN通信線11DからCAN通信線11Aへ送信されたメッセージフレーム40についても同様に、他のCAN通信線11に中継が不要なCANフレーム40A−1との調停で優位性が認められ、他のCAN通信線11から中継されたメッセージフレーム40は、他のCAN通信線11に中継が不要なメッセージフレーム40よりも優先的にCAN通信線11に送信される。
【0060】
前記構成により、他のCAN通信線11への中継が必要なCANフレームおよび中継接続ユニットが中継するCAN中継フレームは、他のCAN通信線11への中継が不要なローカルフレームより優先的に中継を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態を示す車載用通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】メッセージフレームの構成図である。
【図3】(A)はCAN通信線のバスIDを示し、(B)は送信先が1本のCAN通信線の場合のバス識別子を示し、(C)は送信先が2本のCAN通信線の場合のバス識別子を示し、(D)は送信先が3本のCAN通信線の場合のバス識別子を示し、
【図4】車載用通信システムの動作のフローチャートを示す図である。
【図5】(A)は本発明の車載用通信システムの中継接続ユニットの中継時間の説明図、(B)は従来技術であるストア&フォワード方式での中継時間の説明図、(C)は従来技術であるカットスルー方式での中継時間の説明図である。
【図6】メッセージフレームの調停の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
10 車載用通信システム
11(11A〜11D) CAN通信線
20 中継接続ユニット
30(30A〜30D) 電子制御ユニット(ECU)
40 メッセージフレーム
42 アービトレーションフィールド
42a バス識別子
42b メッセージ識別子
43 コントロールフィールド
44 データフィールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CAN通信線に接続された電子制御ユニットと、異なるCAN通信線に属する前記電子制御ユニット間で送受信するメッセージフレームを中継する中継接続ユニットを備える車載用通信システムであって、
前記電子制御ユニットから送信するメッセージフレームは、アービトレーションフィールドの上位ビットに送信先CAN通信線を示すバス識別子を付与すると共に、該バス識別子に続く下位ビットにメッセージを識別するメッセージ識別子を付与しており、
前記中継接続ユニットは、受信する前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドのバス識別子を読み込んだ時点で送信先のCAN通信線に送信を開始することを特徴とする車載用通信システム。
【請求項2】
前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドのバス識別子を付与するビット数は、前記中継接続ユニットに接続したCAN通信線の個数に応じて設定している請求項1に記載の車載用通信システム。
【請求項3】
前記バス識別子を付与するビット数は4ビット以下としている請求項2に記載の車載用通信システム。
【請求項4】
前記バス識別子はビット毎に夫々CAN通信線を予め特定し、かつ、特定したCAN通信線に中継が必要な場合「0」、中継不要の場合は「1」で表している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用通信システム。
【請求項5】
1本の前記CAN通信線に接続された複数の電子制御ユニットから、他のCAN通信線への中継が必要なメッセージと、他のCAN通信線への中継が不要なメッセージが送信された場合、前記メッセージを送信した各電子制御ユニットは、自電子制御ユニットが送信する前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドの前記バス識別子と、前記CAN通信線の信号レベルをビットごとに比較して調停を行い、他のCAN通信線への中継が必要なメッセージフレームを優先して送信する請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載用通信システム。
【請求項6】
前記CAN通信線に接続された前記電子制御ユニットが他のCAN通信線への中継が不要なメッセージフレームを送信すると同時に、前記中継接続ユニットが他のCAN通信線から受信したメッセージフレームを前記電子制御ユニットが接続されたCAN通信線に送信する場合に、前記各電子制御ユニットと前記中継接続ユニットは、自電子制御ユニットまたは自中継接続ユニットが送信する前記メッセージフレームのアービトレーションフィールドの前記バス識別子と、前記CAN通信線の信号レベルをビットごとに比較して調停を行い、前記中継接続ユニットが優先してメッセージフレームを送信する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車載用通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−227741(P2008−227741A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60651(P2007−60651)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】