説明

車載用電子機器

【課題】如何なる状況であっても容易に前面パネルをクローズ状態まで移動させることができる車載用電子機器を提供する。
【解決手段】前面パネル20を装置本体の前面で開閉可能に設け、前面パネル20の操作部と、パネル駆動部と、前面パネル20の開閉状態を検出する開閉状態判定部と、車両データ取得部と、車両が走行中であるか否かを判定する走行判定部と、車両内の照度を検出する照度検出部15と、照度判定部と、を備え、開閉状態判定部により前面パネル20が装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定され且つ走行判定部により車両が停車中であると判定されたときの車両内の照度が所定値以下であることが照度判定部により判定された際は、操作部を介して前面パネル20の開閉指示以外の指示入力がされると、パネル駆動部は、前面パネル20を装置本体の前面部を露出させる位置から装置本体の前面部を覆う位置まで移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、前面パネルを装置本体の前面に設けた車載用電子機器が開示されている。この特許文献1に開示された車載用電子機器における前面パネルの開閉動作は、前面パネルに設けられた複数の操作ボタンのうち前面パネルを開閉させるための操作ボタン(以下、開閉ボタン)がユーザにより押下されると、前面パネルをスライド開閉させるものである。具体的には、前面パネルがクローズ状態にあるとき(図3に示す状態であり、前面パネルが装置本体の前面部を露出させない位置にある状態)に開閉ボタンが押下されると、前面パネルをスライド開閉させてオープン状態まで移動させ(図4に示す状態であり、前面パネルが装置本体の前面部を露出させる位置にある状態)、逆に前面パネルがオープン状態にあるときに開閉ボタンが押下されると、前面パネルをスライド開閉させてクローズ状態まで移動させるものである。
【特許文献1】特開2000−298027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、オープン状態にある前面パネルをスライド開閉させてクローズ状態まで移動させるとき、ユーザは、開閉ボタンを押下する必要があるのだが、開閉ボタンを押下しようとするときの状況が走行中(運転中)であったり、又は夜間等で操作ボタン周辺の照度が低く開閉ボタンの位置を視認しづらい状況であったりすると、誤って開閉ボタン以外の操作ボタンを押下してしまうといった問題が発生する。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された車載用電子機器では、走行中や、操作ボタン周辺の照度が低いため開閉ボタンを押下しづらいという問題について何ら対策が講じられていなかった。
【0005】
そこで、本願発明の車載用電子機器では、前面パネルがオープン状態にあるときは、オープン状態にある前面パネルをクローズ状態まで移動させるための操作以外(例えば、楽曲再生指示や目的地設定入力等々)は行われないことに着目し、前面パネルがオープン状態にあり且つ走行中、又は操作ボタン周辺の照度が低く開閉ボタンの位置を視認しづらい状況にあるときにユーザが何れかの操作ボタンを押下したとき、押下した操作ボタンが開閉ボタン以外の操作ボタンであっても前面パネルをクローズ状態まで移動させるものとする。これにより、走行中で開閉ボタンを押下しづらい状況や、操作ボタン周辺の照度が低いため開閉ボタンの位置を確認しづらい状況であっても容易に前面パネルをクローズ状態まで移動させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明における車載用電子機器は、
前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器であって、
前記前面パネルの開閉指示を含む種々の指示入力を行う操作部と、
前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示が入力されたとき前記前面パネルを装置本体の前面部を覆う位置から前記装置本体の前面部を露出させる位置、又は前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させるパネル駆動部と、を備えた車載用電子機器において、
前記前面パネルの開閉状態を検出する開閉状態判定部と、
前記車載用電子機器が搭載された車両から該車両の走行に関わるデータを取得する車両データ取得部と、
前記車両データ取得部により取得されたデータに基づき、前記車両が走行中であるか否かを判定する走行判定部と、
を備えており、
前記開閉状態判定部により前記前面パネルが前記装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定され且つ前記走行判定部により前記車両が走行中であると判定されたときに前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示以外の指示入力がされたとき、前記パネル駆動部は、前記前面パネルを前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させることを特徴とする。
【0007】
また、前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器であって、
前記前面パネルの開閉指示を含む種々の指示入力を行う操作部と、
前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示が入力されたとき前記前面パネルを装置本体の前面部を覆う位置から前記装置本体の前面部を露出させる位置、又は前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させるパネル駆動部と、を備えた車載用電子機器において、
前記前面パネルの開閉状態を検出する開閉状態判定部と、
前記車両内の照度を検出する照度検出部と、
前記照度検出部により検出された照度が所定値以上か否かを判定する照度判定部と、
を備え、
前記開閉状態判定部により前記前面パネルが前記装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定されたときの車両内の照度が所定値以下であることが前記照度判定部により判定されたときに前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示以外の指示入力がされたとき、前記パネル駆動部は、前記前面パネルを前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させることを特徴とする。
【0008】
また、前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器であって、
前記前面パネルの開閉指示を含む種々の指示入力を行う操作部と、
前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示が入力されたとき前記前面パネルを装置本体の前面部を覆う位置から前記装置本体の前面部を露出させる位置、又は前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させるパネル駆動部と、を備えた車載用電子機器において、
前記前面パネルの開閉状態を検出する開閉状態判定部と、
前記車両内に設置された座席に対する搭乗者の有無を判定する搭乗者判定部と、
を備えており、
前記開閉状態判定部により前記前面パネルが前記装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定されたとき前記搭乗者判定部により車両に設置された座席のうち運転席を除く他の座席に搭乗者が乗車していないと判定されたときに前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示以外の指示入力がされると、前記パネル駆動部は、前記前面パネルを前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させることを特徴とする。
【0009】
また、前記他の座席とは、車両内に設置された前部座席のうち運転席を除く座席であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車載用電子機器によれば、走行中(運転中)や、夜間等で操作ボタン周辺の照度が低く開閉ボタンの位置を視認しづらい状況においては、開閉ボタン以外の如何なる操作ボタンが押下されても前面パネルをオープン状態からクローズ状態まで移動させるので、運転中であり開閉ボタンを押下しづらい状況や、操作ボタン周辺の照度が低いため開閉ボタンの位置を確認しづらい状況であっても容易に前面パネルをクローズ状態まで移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1にかかる車載用ナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1にかかる車載用ナビゲーション装置1における制御部10の制御動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明にかかる車載用ナビゲーション装置1の外観を示す前方斜視図であり、前面パネルがクローズ状態にあることを示す図である。
【図4】本発明にかかる車載用ナビゲーション装置1の外観を示す前方斜視図であり、前面パネルがオープン状態にあることを示す図である。
【図5】本発明の実施形態2にかかる車載用ナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態2にかかる車載用ナビゲーション装置1における制御部10の制御動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための車載用ナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこの車載用ナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の車載用電子機器にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0013】
図1は、車載用ナビゲーション装置1の要部構成を示すブロック図であり、図2は、車載用ナビゲーション装置1における制御部10の制御動作を説明するフローチャートであり、図3、図4は、車載用ナビゲーション装置1の外観を示す前方斜視図である。
【0014】
車載用ナビゲーション装置1は、図3、図4に示すように、車載用ナビゲーション装置1本体の前面でスライド開閉可能な状態で前面パネル20が設けられている。
【0015】
ここで、図1を用いて、車載用ナビゲーション装置1の要部構成について説明を行う。
【0016】
車載用ナビゲーション装置1は、制御部10、車両データ取得部11、操作部12、表示部13、開閉駆動部14、照度センサ15から構成されている。
【0017】
制御部10は、CPU101、RAM102、ROM103からなるプロセッサで構成され、CPU101が、RAM102及び/又はROM103に記録された制御プログラムに従って車載用ナビゲーション装置1の各部の動作を制御するものである。
【0018】
制御部10が実行する制御としては、出発地、又は車両の現在位置から目的地までの案内経路を地図データ記憶部(図示しない)に記憶された地図データを用いて探索する経路探索処理や、経路探索処理で探索した案内経路に基づき経路案内を行う経路案内処理が挙げられる。
【0019】
車両データ取得部11は、GPSアンテナ(図示せず)を介して取得した複数のGPS衛星からのGPS信号を制御部10に出力する他、車両が備える距離センサ、方位センサ、舵角センサ等から車両の走行に関わるデータを取得して制御部10に出力するものである。制御部10は、GPS信号及び/又は各種センサからのデータに基づき車載用ナビゲーション装置1を搭載した車両の現在位置を算出するとともに車両が走行中であるか否かの判定を行う。
【0020】
操作部12は、ユーザが、前面パネル20の開閉を含む車載用ナビゲーション装置1にかかる種々の機能を実行させるため制御部10に対して実行指示を入力するためのものであり、図3、図4に示す前面パネル20に設けられた操作ボタン120や、表示部13の表面上に設けられたタッチセンサ(図示せず)、さらには、リモートコントローラ(図示せず)等で構成されている。
【0021】
表示部13は、図3、図4に示すように前面パネル20に設けられており、制御部10の指示に基づき、地図画像や案内経路画像、さらには、所定の案内地点において分岐点拡大図や方面名称情報を表示してユーザが視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。そして、この表示部13は、前述したとおり表面にタッチセンサを設けて操作部として機能させてもよく、この場合、ディスプレイ上に表示されたアイコンをユーザが触れることで選択入力が行われる。
【0022】
開閉駆動部14は、ユーザが、操作部12を操作して制御部10に対して前面パネル20の開閉指示を入力したとき、制御部10からの指示に基づき前面パネル20をスライド開閉させるものである。具体的には、前面パネル20がクローズ状態にあるときにユーザにより操作部12が操作されると開閉駆動部14は前面パネル20をスライド開閉させることでオープン状態まで移動させる。逆に前面パネル20がオープン状態にあるときに操作部12が操作されると開閉駆動部14は前面パネル20をスライド開閉させてクローズ状態まで移動させる。なお、開閉駆動部14は、図示しないモータを有しており、モータを駆動させることで前面パネル20のスライド開閉を実現する。また、前面パネル20がクローズ状態にあるとは、図3に示すように前面パネル20が車載用ナビゲーション装置1の前面部を露出させない位置にある状態であり、前面パネル20がオープン状態とは、図4に示すように前面パネル20が車載用ナビゲーション装置1の前面部を露出させる位置にある状態である。
【0023】
照度センサ15は、車載用ナビゲーション装置1が搭載された車両内(車室内)の照度を検出するためのセンサであり、例えば、図3、図4に示すように前面パネル20の一部分に設けられる。なお、照度センサ15を設ける位置は、車両内の照度を検出できる位置であればよく、図中に示した位置に限定するものではない。また、照度センサ15は、車両内の照度の検出から照度値の算出までを一貫して行い、算出した照度値を制御部10に出力する形態、又は照度の検出のみを行い、照度値の算出は制御部10にて行う形態の何れでも構わない。なお、以下の説明において、照度センサ15は、照度の検出のみを行うものとして説明を行う。
【0024】
次に、図2のフローチャートを用いて、実施形態1にかかる車載用ナビゲーション装置1における制御部10の制御動作について説明を行う。
【0025】
なお、以下の説明では、既に前面パネル20がオープン状態にあるものとして説明を開始する。
【0026】
また、以下の説明では、操作部12を前面パネル20に設けられた操作ボタン120として説明を行う。操作ボタン120は、図3、図4に示すように車載用ナビゲーション装置1にかかる種々の機能に対応して複数の操作ボタンで構成されており、このうちの一つが前面パネル20の開閉指示を入力するための操作ボタン(開閉ボタン121)となっている。
【0027】
まず、制御部10は、前面パネル20の開閉状態を検出し前面パネル20がオープン状態であるか否かを判定する(ステップS101)。この判定で前面パネル20がオープン状態にあると判定すると(ステップS101のYES)、次に、ユーザにより操作ボタン120が押下されたか否かを判定する(ステップS102)。この判定で操作ボタン120が押下されたと判定すると(ステップS102のYES)、次に、押下されたのが開閉ボタン121であるか否かを判定し(ステップS103)、この判定で押下されたのが開閉ボタン121であると判定すると(ステップS103のYES)、通常どおり開閉駆動部14に対して前面パネル20をクローズ状態まで移動させる指示を送り、この指示に基づき開閉駆動部14は前面パネル20をスライド開閉させることでオープン状態からクローズ状態まで移動させる(ステップS105)。その後、ステップS106の処理において装置がOFFにされたか否かを判定し、この判定で装置がOFFにされたと判定した場合は処理を終了し(ステップS106のYES)、装置がOFFにされていないと判定した場合は、ステップS101に戻り処理を継続する。
【0028】
ステップS103の処理において、押下されたのが開閉ボタン120でないと判定したとき(ステップS103のNO)、次に、車載用ナビゲーション装置1が搭載された車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS104)、この判定については、上述したとおり、車両データ取得部11からの出力に基づき判定することができる。
【0029】
ステップS104の処理で車両が走行中であると判定すると、ステップS105の処理に進み、開閉駆動部14に対して前面パネル20をクローズ状態まで移動させる指示を送り、この指示に基づき開閉駆動部14は前面パネル20をスライド開閉させることでオープン状態からクローズ状態まで移動させる(ステップS105)。その後、ステップS106の処理において装置がOFFにされたか否かを判定し、この判定で装置がOFFにされたと判定した場合は処理を終了し(ステップS106のYES)、装置がOFFにされていないと判定した場合は、ステップS101に戻り処理を継続する。
【0030】
ステップS104の処理で車両が走行中ではないと判定すると(ステップS104のNO)、次に、ステップS107の処理に進む。ステップS107の処理では、照度センサ15による車載用ナビゲーション装置1が搭載されている車両内の照度検出が実行される。この検出結果を受けて車両内の照度が所定値以下であると判定すると(ステップS107のYES)、ステップS105の処理に進み、開閉駆動部14に対して前面パネル20をクローズ状態まで移動させる指示を送り、この指示に基づき開閉駆動部14は前面パネル20をスライド開閉させることでオープン状態からクローズ状態まで移動させる(ステップS105)。その後、ステップS106の処理において装置がOFFにされたか否かを判定し、この判定で装置がOFFにされたと判定した場合は処理を終了し(ステップS106のYES)、装置がOFFにされていないと判定した場合は、ステップS101に戻り処理を継続する。
【0031】
ステップS107の処理において、照度が所定値以上であると判定すると(ステップS107のNO)、表示部13、又は図示しない音声出力装置(スピーカ)からエラー通知を行い、ユーザに対し操作したのが開閉ボタン120ではない旨を通知する(ステップS108)。
【0032】
なお、ステップS101の処理において、前面パネル20がクローズ状態にあると判定したとき(ステップS101のNO)、又はステップS102の処理において、操作ボタン120が押下されていないと判定すると(ステップS102のNO)、ステップS106の処理において装置がOFFにされたか否かを判定し、この判定で装置がOFFにされたと判定した場合は処理を終了し(ステップS106のYES)、装置がOFFにされていないと判定した場合は、ステップS101に戻り処理を継続する。
【0033】
なお、上記実施形態では、操作部12を操作ボタン120として説明を行ったが、これに限るものではなく、表示部12の表面に設けられたタッチセンサや、リモートコントローラであっても構わない。操作部12をタッチセンサとした場合、表示部12(ディスプレイ)には車載用ナビゲーション装置1にかかる種々の機能に対応した操作アイコンが表示されており、ユーザが所望の操作アイコンを押下することで該当する機能の実行指示を入力することができる。そして、操作アイコンの一つを前面パネル20の開閉指示を入力するための操作アイコンとして割り当てることで、タッチセンサを用いて前面パネル20の開閉指示を入力することができる。
【0034】
なお、操作部12をタッチセンサとした場合のステップS102、ステップS103の処理では、押下された操作アイコンが前面パネル20の開閉指示を入力するための操作アイコンか否かを判定することなく、ユーザがディスプレイに触れたことを検知すれば前面パネル20をオープン状態からクローズ状態まで移動させても構わない。
【実施例2】
【0035】
次に、上記説明した実施形態1とは別の実施形態について説明を行う。
【0036】
図5は、実施形態2における車載用ナビゲーション装置1の要部構成を説明するためのブロック図である。
【0037】
実施形態2にかかる車載用ナビゲーション装置1は、実施形態1で説明した車載用ナビゲーション装置1と同じ構成であるため各構成部の説明については省略する。実施形態1における車載用ナビゲーション装置1との相違点としては、車両データ取得部11が、車両内の各座席に設けられた圧力センサ(図示せず)にて検出されたデータを取得する点で異なる。そして、車両データ取得部11により取得されたデータに基づき制御部10が各座席に対する搭乗者の有無を判定する。
【0038】
次に、図6のフローチャートを用いて、実施形態2にかかる車載用ナビゲーション装置1における制御部10の制御動作について説明を行う。
【0039】
なお、ステップS201からステップS204の処理については、図2で説明したフローチャートにおけるステップS101からステップS104の処理と同様の処理であるため説明を省略する。
【0040】
ステップS204の処理で走行中であると判定すると(ステップS204のYES)、次に、ステップS205の処理において、車両データ取得部11が取得した圧力センサの検出データに基づき助手席に搭乗者が乗車しているか否かを判定し、この判定で、助手席に搭乗者が乗車していないと判定すると(ステップS205のNO)、ステップS206の処理に進み、開閉駆動部14に対して前面パネル20をクローズ状態まで移動させる指示を送り、この指示に基づき開閉駆動部14は前面パネル20をスライド開閉させることでオープン状態からクローズ状態まで移動させる。その後、ステップS207の処理において装置がOFFにされたか否かを判定し、この判定で装置がOFFにされたと判定した場合は処理を終了し(ステップS207のYES)、装置がOFFにされていないと判定した場合は、ステップS101に戻り処理を継続する。
【0041】
なお、ステップS205の処理で、助手席に搭乗者が乗車していると判定すると(ステップS205のYES)、ステップS207の処理に進み、装置がOFFにされたか否かを判定し、この判定で装置がOFFにされたと判定した場合は処理を終了し(ステップS207のYES)、装置がOFFにされていないと判定した場合は、ステップS101に戻り処理を継続する。
【0042】
このように、実施形態2にかかる車載用ナビゲーション装置1では、前面パネル20がオープン状態であり且つ車両が走行中であると判定したときに、さらに制御部10が、車両データ取得部11から出力されたデータに基づき助手席に搭乗者が乗車しているか否かを判定し、助手席に誰も乗車していない状況で操作ボタン120が押下された場合、押下された操作ボタンが開閉ボタン121以外の操作ボタンでも前面パネル20をクローズ状態まで移動させるものとする。その理由として、例えば、助手席に搭乗者が乗車しているような場合は、この搭乗者が車載用ナビゲーション装置1にかかる操作を行う可能性が高く、このように助手席に乗車した搭乗者が操作を行うような場合は、例え走行中であっても操作に支障はない。これに対して助手席に誰も乗車しておらず運転手のみが乗車しているような状況で且つ走行中である場合は、運転手の意識は前方に向いているためこの状態で開閉ボタン121を押下するのは困難であり、この状態で開閉ボタン121を押下しようと意識を車載用ナビゲーション装置1に向けた場合事故を引き起こす原因になるためである。
【0043】
なお、リモートコントローラを用いた操作を行う場合は、助手席のみならず後部座席に乗車した搭乗者でも操作が可能となるので、助手席に搭乗者が乗車しているか否かの判定に加え後部座席に搭乗者が乗車しているか否かの判定を加えてもよい。
【0044】
また、実施形態2の説明では、前面パネル20がオープン状態であり且つ車両が走行中であると次に搭乗者の有無を判定する構成としたが、これに限るものではなく、車両の走行に関係なく、前面パネル20がオープン状態であり且つ助手席及び/又は後部座席に搭乗者が乗車していないときに操作ボタン120が押下されると押下されたのが開閉ボタン121以外の操作ボタンでも前面パネル20をオープン状態からクローズ状態まで移動させる構成でも構わない。
【符号の説明】
【0045】
1 : 車載用ナビゲーション装置
10 : 制御部
101: CPU
102: RAM
103: ROM
11 : 車両データ取得部
12 : 操作部
13 : 表示部
14 : 開閉駆動部
15 : 照度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器であって、
前記前面パネルの開閉指示を含む種々の指示入力を行う操作部と、
前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示が入力されたとき前記前面パネルを装置本体の前面部を覆う位置から前記装置本体の前面部を露出させる位置、又は前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させるパネル駆動部と、を備えた車載用電子機器において、
前記前面パネルの開閉状態を検出する開閉状態判定部と、
前記車載用電子機器が搭載された車両から該車両の走行に関わるデータを取得する車両データ取得部と、
前記車両データ取得部により取得されたデータに基づき、前記車両が走行中であるか否かを判定する走行判定部と、
を備えており、
前記開閉状態判定部により前記前面パネルが前記装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定され且つ前記走行判定部により前記車両が走行中であると判定されたときに前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示以外の指示入力がされたとき、前記パネル駆動部は、前記前面パネルを前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させることを特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器であって、
前記前面パネルの開閉指示を含む種々の指示入力を行う操作部と、
前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示が入力されたとき前記前面パネルを装置本体の前面部を覆う位置から前記装置本体の前面部を露出させる位置、又は前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させるパネル駆動部と、を備えた車載用電子機器において、
前記前面パネルの開閉状態を検出する開閉状態判定部と、
前記車両内の照度を検出する照度検出部と、
前記照度検出部により検出された照度が所定値以上か否かを判定する照度判定部と、
を備え、
前記開閉状態判定部により前記前面パネルが前記装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定されたときの車両内の照度が所定値以下であることが前記照度判定部により判定されたときに前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示以外の指示入力がされたとき、前記パネル駆動部は、前記前面パネルを前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させることを特徴とする車載用電子機器。
【請求項3】
前面パネルを装置本体の前面で開閉可能に設けた車載用電子機器であって、
前記前面パネルの開閉指示を含む種々の指示入力を行う操作部と、
前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示が入力されたとき前記前面パネルを装置本体の前面部を覆う位置から前記装置本体の前面部を露出させる位置、又は前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させるパネル駆動部と、を備えた車載用電子機器において、
前記前面パネルの開閉状態を検出する開閉状態判定部と、
前記車両内に設置された座席に対する搭乗者の有無を判定する搭乗者判定部と、
を備えており、
前記開閉状態判定部により前記前面パネルが前記装置本体の前面部を露出させる位置にあると判定されたとき前記搭乗者判定部により車両に設置された座席のうち運転席を除く他の座席に搭乗者が乗車していないと判定されたときに前記操作部を介して前記前面パネルの開閉指示以外の指示入力がされると、前記パネル駆動部は、前記前面パネルを前記装置本体の前面部を露出させる位置から前記装置本体の前面部を覆う位置まで移動させることを特徴とする車載用電子機器。
【請求項4】
前記他の座席とは、車両内に設置された前部座席のうち運転席を除く座席であることを特徴とする請求項3に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−30645(P2012−30645A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170590(P2010−170590)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】