説明

転がり軸受

【課題】異物混入環境下でも、長寿命かつ低トルクで回転する転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪、外輪、及び転動体のうち少なくとも1つがC:0.3〜1.2重量%、Si:0.3〜2.2重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、を含有する鋼からなり、浸炭窒化処理もしくは窒化処理によってその転動面表面の窒素濃度が0.2〜2.0重量%、SiおよびMnを含有した窒化物の面積率が1%以上20%未満であり、前記内外輪軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとした場合にγrAB−15≦γrC≦γrAB+15(ただし0≦γrAB、γrC≦50)とし、且つ、グリース封入量を軸受空間容積の5%〜15%とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物が混入するような潤滑状態が厳しい環境下での使用にも使用できる転がり軸受に関する。特に、掃除機、洗濯機等のように高速回転での使用にも好適な軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
掃除機や洗濯機等に使用されるブラシモータは、その回転軸(モータ軸)が軸受(例えば転がり軸受)で回転自在に支持されている。このような用途で使用される転がり軸受は、ブラシモータの回転に伴い発生するブラシ摩耗粉や粉塵が軸受内部に侵入すると、転がり軸受を構成する内外輪の軌道面および転動体の表面に圧痕が発生し軸受寿命の低下を招く。
【0003】
このため、従来は異物の侵入を防止する目的で接触シールを使用することが一般的であった。接触シールは、環状で、径方向基端側が転がり軸受の一方の軌道輪(例えば外輪)に固定され、先端側が他方の軌道輪(例えば内輪)に摺接可能に設けられているものである。しかし、接触シールはシールと内輪を接触させ異物の侵入を効果的に防ぐことができるが、掃除機や洗濯機等に使用されるブラシモータは、高速回転で使用されるため、このシールと内輪が接触することによる摺動抵抗により軸受トルクを上昇させる。
【0004】
そこで、シール(密封板)の先端側と他方の軌道輪とが接触しないシールを使用し、防塵性と低トルクを兼ね備えた転がり軸受として、ラビリンスすきまとラビリンスの軸方向長さとの関係を規定したもの(特許文献1)や、他方の軌道輪に突起物を取り付けて、密封板との間に小さく複雑なラビリンス構造を持たせて防塵性能を向上させるもの(特許文献2)が提案されている。
【0005】
また、軸受鋼素材の見直しや浸炭窒化処理の利用により内外輪軌道面や転動体表面を硬くすることで、軸受内部に異物侵入があっても、圧痕の発生を抑制できる軸受(特許文献3)が提案されている。さらに、軸受鋼素材の改良により、特許文献3のものよりも安価で歩留まり良いものとして、特許文献4が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−28176号公報
【特許文献2】特開2002−310172号公報
【特許文献3】特許3509803号公報
【特許文献4】特開2007−154281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の転がり軸受でも、異物侵入を完全に防ぐことは不可能であるため、特にブラシ摩耗粉や粉塵等の発生の著しい環境下では異物侵入による内外輪軌道面および転動体表面に圧痕の発生の防止には限界があった。
【0008】
特許文献1や特許文献2の転がり軸受において軸受内部に封入するグリースを多くすることでグリースによるシール効果等を狙うことも考えられるが、グリース封入量を増量することでトルク増を招く結果となる。
【0009】
また、特許文献3の軸受鋼を使用した転がり軸受では、非常に高価で且つ軸受サイズによっては、熱処理変形が著しく、歩留まりが悪いという課題があり、特許文献4のものでは、そのような課題は解決されるものの、掃除機等で使用されるような高速回転するモータ用として必要とされる低トルクに対する配慮はなされておらず、検討の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の転がり軸受は、内外輪、転動体のうち少なくとも1つがC:0.3〜1.2重量%、Si:0.3〜2.2重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、を含有する鋼からなり、浸炭窒化処理もしくは窒化処理によってその転動面表面の窒素濃度が0.2〜2.0重量%、SiおよびMnを含有した窒化物(以下、Si−Mn系窒化物)の面積率が1%以上20%未満であり、前記内外輪軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとした場合にγrAB−15≦γrC≦γrAB+15(ただし0≦γrAB、γrC≦50)とし、かつ、グリース封入量を空間容積の5%〜15%とする。
【0011】
また、転がり軸受の転動体を玉とした場合、軸受内輪および外輪の溝R寸法を転動体の直径の50.5%以上とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の転がり軸受は、内外輪、転動体のうち少なくとも1つの軸受素材として、C:0.3〜1.2重量%、Si:0.3〜2.2重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、を含有する鋼を使用し、浸炭窒化処理もしくは窒化処理によってその転動面表面の窒素濃度が0.2〜2.0重量%、Si−Mn系窒化物の面積率が1%以上20%未満、前記内外輪軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとした場合にγrAB−15≦γrC≦γrAB+15(ただし0≦γrAB、γrC≦50)とすることで、JISに規定のSUJ2を使用した軸受よりも異物圧痕の発生を減らすことが可能となるため、接触シールを使用する必要がないので、軸受空間へのグリース封入量を5%〜15%とすることと相俟って、長寿命で且つ低トルクで回転する軸受となる。また、特許文献3に開示されたもので浸炭窒化処理した軸受よりも安価でありながら寿命は同等となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の転がり軸受を示し、(a)は要部を示す断面図、(b)は一部を省略して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態は、深溝玉軸受を一例とし、その内輪、外輪または転動体を作製する軸受鋼、及び使用するグリースについて、説明する。深溝玉軸受は、内輪2、外輪4、複数の転動体としての玉6、各玉6を周方向に関して所定の間隔に保持する保持器8、及び、それぞれ外輪の内周面に設けられた環状溝4bに基端部を固定された2枚の環状のシール(密封板)10を備える。また、上記各部品により画成される軸受空間、すなわち、シール10の内側面、内輪2の外周面、外輪4の内周面により囲まれる領域のうち、玉6(全数)及び保持器8を除いた空間には、後で詳述するグリースGが封入されている。但し、実際には内輪2とシール10の間には隙間があり、上記軸受空間は厳密には閉じた空間ではないので、内輪2とシール10との間にラビリンスを形成する内輪2の段部2bが無いものと仮定して上記軸受空間を定義する。
【0015】
内輪2の軌道溝2a、及び、外輪4の軌道溝4aは、図1に示すとおり、断面円弧状であり、その曲率半径(溝R寸法)の玉6の直径に対する比は、50.5%以上に設定されている。
【0016】
<素材をなす鋼について>
外輪、内輪及び転動体の少なくともいずれかの素材(軸受素材)をなす鋼としては、Si含有率が0.3質量%以上2.2質量%以下で、Mn含有率が0.3質量%以上2.0質量%以下で、Si含有率とMn含有率との質量比Si/Mnが5以下の鋼を用いることが好ましい。また、転がり面にSi−Mn系窒化物を効率よく析出させ、転がり面をなす表層部に本発明の範囲内のNを固溶させるためには、Si含有率とMn含有率との合計を1質量%以上とすることが好ましい。
【0017】
ここで、Si含有率及びMn含有率は、Si−Mn系窒化物を効率よく析出させるために、それぞれ0.3質量%以上とする。一方、Si含有率が多すぎると、加工性や被削性が低下するだけでなく、浸炭窒化特性や窒化特性が低下して、転がり面をなす表層部のN含有率を本発明の範囲内に出来なくなる。また、Mn含有率が多すぎると、熱処理後に転がり面をなす表層部の残留オーステナイト量が多くなり、硬さ、耐摩耗性、及び耐圧痕性が劣化する。よって、Si含有率は2.2質量%以下とし、Mn含有率は2.0質量%以下とすることが好ましい。
【0018】
また、Si−Mn系窒化物は、浸炭窒化又は窒化時に侵入した窒素が、オーステナイト域でMnを取り込みながらSiと反応して析出することで得られる。このため、Si含有率に対してMn含有率が少ないと、窒素を十分に拡散させてもSi−Mn系窒化物の析出が促進され難くなる。よって、素材をなす鋼中のSiとMnとの含有率の比(Si/Mn)を、質量比で5以下とすることが好ましい。
【0019】
さらに、素材をなす鋼は、C含有率を0.3質量%以上1.2質量%以下とし、Cr含有率を0.5質量%以上2.0質量%以下とすることが好ましい。ここで、素材をなす鋼中に存在するCは、鋼に必要な強度と寿命を付与するために必要な元素である。素材をなす鋼のC含有率が少なすぎると、転動部材に必要な強度を付与できないだけでなく、窒化又は浸炭窒化を行う際に転がり面に必要な硬化層深さを得るための熱処理時間が長くなり、熱処理コストが増大する。よって、素材をなす鋼のC含有率は0.3質量%以上とすることが好ましく、0.5質量%以上とすることがより好ましい。
【0020】
一方、素材をなす鋼のC含有率が多過ぎると、製鋼時に巨大な炭化物が生成されて、その後の焼入れ特性や転がり疲れ寿命に悪影響を与えるだけでなく、ヘッダー加工性が低下してコストの上昇を招く。よって、C含有率は1.2質量%以下とすることが好ましい。
また、素材をなす鋼中に存在するCrは、基地に固溶して、焼入れ性及び焼戻し軟化抵抗性を向上させる作用を有するとともに、高硬度の微細な炭化物や炭窒化物を形成して、転動部材の硬さや熱処理時の結晶粒粗大化を抑制するため、転がり疲れ寿命を向上させる作用を有する。これらの作用を得るために、素材をなす鋼のCr含有率は0.5質量%以上とすることが好ましく、1.3質量%以上とすることがより好ましい。
【0021】
一方、素材をなす鋼のCr含有率が多過ぎると、製鋼時に巨大な炭化物が生成されて、
その後の焼入れ特性や転がり疲れ寿命に悪影響を与えたり、ヘッダー加工性及び被削性が低下する場合がある。よって、素材をなす鋼のCr含有率は2.0質量%以下とすることが好ましく、1.6質量%以下とすることがより好ましい。なお、素材をなす鋼には、上述した元素に加えて、Crと同様の作用を有するMoやV等の炭化物形成促進元素を、素材費の上昇や加工性の低下によるコスト上昇を招かない範囲で含有してもよい。
また、素材をなす鋼の残部は、実質的にFeからなるが、不可避不純物として、S,P,Al,Ti,O等を含有してもよい。これらの元素は、圧痕縁を起点とする表面起点型の剥離に対して特に際立った抑制効果はないと言われているが、鋼の品質が著しく悪い場合には、これらが起点となって内部起点型の剥離が生じる。このため、コストの著しい上昇を招くような厳しい不純物規制は行わないが、不可避不純物の含有率は、JISG4805に規定された高炭素クロム軸受鋼の清浄度規制を満たす品質レベルとする。
【0022】
<熱処理について>
まず、上述した鋼からなる素材を、成形加工や粗研削等で所定形状に加工した後に、アンモニアガスを導入した炉内で加熱保持することによる「窒化」を行うか、混合ガス(例えば、RXガス+エンリッチガス+アンモニアガス)を導入した炉内で加熱保持することによる「浸炭窒化」を行う。これらの処理は、熱処理後において、転がり面のSi−Mn系窒化物の存在率が1.0%以上20.0%以下で、転がり面をなす表層部のN含有率が0.2質量%以上となるような条件で行う。
次に、焼入れ及び焼戻しを行う。これらの処理は、熱処理後における転がり面をなす表層部に、転動部材として必要な硬さ(例えば、Hv750以上)が得られるような条件で行うことが好ましい。
【0023】
<転がり面をなす表層部のN含有率について>
転がり面をなす表層部に存在するNは、マルテンサイトの固溶強化や残留オーステナイトの安定確保に作用するだけでなく、窒化物や炭窒化物を形成して、耐摩耗性及び耐圧痕性を向上させ、転がり面に作用する接線力を小さくする作用を有する。これらの作用を得るために、転がり面をなす表層部のN含有率は0.2質量%以上とし、好ましくは0.3質量%とし、より好ましくは0.45質量%以上とする。
一方、前記表層部のN含有率が多すぎると、転動部材として必要な靱性や強度が得られなくなる。特に、転がり支持装置の転動体には、十分な靱性や強度が必要であるため、転がり面をなす表層部のN含有率は2.0質量%以下とすることが好ましい。
【0024】
<転がり面のSi−Mn系窒化物の存在率について>
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、転がり面に存在するSi−Mn系窒化物は、耐摩耗性及び耐圧痕性を向上させるとともに、転がり疲れ寿命を向上させる作用を有することを見出した。これらの作用を得るために、転がり面のSi−Mn系窒化物の存在率は1.0%以上とする。
一方、転がり面に存在するSi−Mn系窒化物が多すぎると、転動部材として必要な靱性や強度が得られなくなる。よって、転がり面のSi−Mn系窒化物の存在率は20.0%以下とし、好ましくは10.0%以下とする。
【0025】
<転がり面をなす表層部の残留オーステナイト量について>
転がり面をなす表層部の残留オーステナイト量は、圧痕縁への応力集中を抑制するためには多くすることが好ましいが、表層部に優れた耐摩耗性や耐圧痕性を付与して、転がり面に作用する接線力を小さくするためには少なくすることが好ましい。
そこで、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、第1部材及び第2部材の軌道面をなす表層部の残留オーステナイト量をγrAB
とし、転動体の転動面をなす表層部の残留オーステナイト量をγrCとした時に、0≦γrAB 及び0≦γrC≦50を満たすとともに、γrAB−15≦γrC≦γrAB+15を満たすようにすることにより、転がり面をなす表層部における圧痕縁への応力集中を確実に抑制しつつ、転がり面に作用する接線力をより小さくできることを見出した。ここで、転がり面に必要な硬さを付与し、優れた耐圧痕性や耐摩耗性を得るとともに、高温下で使用された場合に優れた寸法安定性を付与するために、γrCは50体積%以下とする。
【0026】
<グリース及びその封入量について>
通常、家電製品が使用される環境は約40℃であり、また、モータ自身の発熱が約30℃であることを考慮すると、軸受は約40℃〜70℃の使用環境に対応する必要があり、グリースの基油は40〜70℃における動粘度が10〜60mm/sが望ましい。
【0027】
グリースの混和ちょう度は、170以上〜300以下に設定すると、軸受回転で徐々に転送面から押し出され、潤滑剤流動性が良く、回転トルク低減の効果もあるので、望ましい。グリースの混和ちょう度が170以下となると、グリースは硬すぎて、流動性が不足となるので、転がり疲れ寿命が短くなる恐れがある。また、グリースの混和ちょう度を300以上の場合、グリースが柔らかくて、グリース漏れが発生しやすくなるので、好ましくない。
【0028】
グリースは、転がり軸受の使用条件や使用態様などに応じて、各種のグリースを選択して使用してもよい。例えば、ポリオールエステルやジエステルを基油とし、Li石けんを増ちょう剤とするグリースや、ポリアルファオレフィンを基油とし、ウレアを増ちょう剤とするグリースを採用することができる。
【0029】
特に本実施形態では、軸受空間に封入するグリースGの量を軸受空間の容積の5%〜15%の範囲内としている。
【0030】
本実施形態の転がり軸受では、外輪、内輪、転動体の少なくともいずれかの素材(軸受素材)として上記の鋼を使用したことにより、掃除機、洗濯機等に使用されるブラシモータに組み込まれるような、軸受内部にブラシ粉等の異物侵入を避けられない用途で使用される転がり軸受であっても、内外輪軌道面や転動体表面に圧痕の発生を抑制でき、転がり疲労寿命を長寿命にできる。したがって、シールとして、接触シールを使用しないで済むため、回転トルクを抑制できるので、発熱を抑えられると同時に、省エネルギーにも寄与する。
【0031】
さらに、グリースGの封入量を15%以下とすることで、軸受の発熱をより低下させられ、その結果さらなる寿命延長の効果も認められる。グリースGの封入量が15%を超えると、グリースGの攪拌抵抗が大きくなり、掃除機や洗濯機等の比較的高速回転で使用される場合、発熱量、回転トルクが大きくなり過ぎエネルギーのロスや寿命低下の原因となる。一方、グリースGの封入量が5%を下回ると、本実施形態のような、十分な潤滑性能が得られない。したがって、グリースGの封入量は5%〜15%の範囲内としている。
【0032】
さらに、溝R寸法を玉の直径の50.5%以上に規定していることも、グリースGの封入量の上限値を規定することともに、回転トルクの低減に寄与する。一方、溝R寸法が玉の直径に対する比が大きくなり過ぎると、外輪と内輪との相対的な軸方向変位を抑制するために必要な剛性が確保できなくなる。したがって、溝R寸法の上限値は、軸受の使用条件により、適宜の値を設定する。例えば、本実施の形態では、溝R寸法を、玉の直径の50.5%〜60%の範囲内としている。
【0033】
なお、転動体として、玉を使用する深溝玉軸受を一例として説明したが、本発明は、転動体として玉を使用する他の各種転がり軸受や、転動体として、各種のころ(円錐ころ、円筒ころ及び球面ころなど)を使用する転がり軸受にも適用できる。
【符号の説明】
【0034】
2 内輪
4 外輪
6 転動体(玉)
8 保持器
10 シール(密封板)
G 潤滑剤(グリース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪、外輪、及び転動体のうち少なくとも1つがC:0.3〜1.2重量%、Si:0.3〜2.2重量%、Mn:0.2〜2.0重量%、を含有する鋼からなり、浸炭窒化処理もしくは窒化処理によってその転動面表面の窒素濃度が0.2〜2.0重量%、SiおよびMnを含有した窒化物の面積率が1%以上20%未満であり、前記内外輪軌道面の残留オーステナイト量をγrAB、前記転動体転動面の残留オーステナイト量をγrCとした場合にγrAB−15≦γrC≦γrAB+15(ただし0≦γrAB、γrC≦50)とし、且つ、グリース封入量を軸受空間容積の5%〜15%としてなる転がり軸受。
【請求項2】
前記転動体は玉であり、内輪および外輪の溝R寸法を転動体直径の50.5%以上に設定してなる請求項1に記載の転がり軸受。

【図1】
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【公開番号】特開2012−247015(P2012−247015A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119874(P2011−119874)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】