説明

転写ローラ

【課題】転写ローラから搬送ベルトや中間転写ベルトへの汚染物質の移行を可及的に防止して、高温高湿環境下であっても良好な画像を確実に得ることができる転写ローラを提供することを目的とする。
【解決手段】中間転写ベルト方式又はタンデム方式によりカラー印刷を行う際に、中間転写ベルト又は記録メディア搬送ベルトの裏側に接触し、前記中間転写ベルトに電圧を印加して、又は前記記録メディア搬送ベルトを介して記録メディアに電圧を印加して、感光体に形成されたトナー像を前記中間転写ベルト又は前記記録メディアに転写する転写ローラにおいて、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴムから選ばれる1種又は2種以上のゴムとエピクロルヒドリンゴムとを含み、かつ高抵抗オイルを配合したゴム組成物で形成された導電性弾性層52を有することを特徴とする転写ローラを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム方式や中間転写ベルト方式の電子写真方式カラープリンタなどで、中間転写ベルトや記録メディア搬送ベルトの裏側に接触して、中間転写ベルトに電圧を印加し、又は搬送ベルトを介してベルトの表面側に保持された記録メディアに電圧を印加して、感光体に形成されたトナー像を前記導電性ベルト又は前記記録メディアに転写する転写ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トナーを用いたカラープリントの方式として、タンデム方式や中間転写ベルト方式が知られている。
【0003】
タンデム方式は、図2に示したように、ブラックB、イエローY、マゼンタM、シアンCの4色でそれぞれ現像を行う4台の現像器1a〜1dで、各感光ドラム2a〜2dにそれぞれの色でトナー像を形成し、導電性の搬送ベルト3の表面に記録用紙(記録メディア)4を保持して搬送すると共に、各感光ドラム2a〜2dの表面と接触させた状態で搬送ベルト3の裏側に接触させた転写ローラ5,5,5,5から搬送ベルト3を介して記録用紙4に電圧を印加し、上記各感光ドラム2a〜2dから各色のトナー像を記録用紙4に転写して記録用紙4上にカラー画像を形成し、これを定着ローラ9で加熱して定着させるようになっている。なお、図中6は感光ドラム2a〜2dを露光させて静電潜像を形成する光源、7は感光ドラム2a〜2dを一様に帯電させる帯電ローラ、8は感光ドラム2a〜2dの表面にトナーを供給してトナー像を形成される現像ローラである。
【0004】
また、中間転写ベルト方式では、図3に示したように、中間転写ベルト10の裏側に接触し、各感光ドラム2a〜2dと対向する位置に配置された各転写ローラ5,5,5,5で中間転写ベルト10に電圧を印加し、各現像器1a〜1dにより現像されて各感光ドラム2a〜2dの表面に形成された各色(ブラックB、イエローY、マゼンタM、シアンC)のトナー像を中間転写ベルト10の表面に転写して該中間転写ベルト10の表面にカラー画像を形成し、二次転写ローラ11でこの中間転写ベルト10に接触した記録用紙(記録メディア)4に電圧を印加して、中間転写ベルト10表面のカラー像を転写するものである。なお、その他の構成は図1のタンデム方式と同様であるから、図2と同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0005】
この場合、従来は、上記搬送ベルト3や中間転写ベルト10の裏面に接触して、中間転写ベルト10に直接電圧を印加したり、搬送ベルト3を介して記録用紙4に電圧を印加する上記転写ローラ5は、シャフトの周囲に導電性ゴム組成物からなる導電性弾性層を形成したものが用いられており、通常は上記中間転写ベルト方式で、中間転写ベルト10から記録用紙へと画像転写を行う二次転写ローラ11やモノクロプリンターなどで感光ドラムから記録媒体へと画像を転写する転写ローラと同様のものが用いられている。
【0006】
しかしながら、このようなタンデム方式や中間転写ベルト方式の場合、上記転写ローラ5から搬送ベルト3や中間転写ベルト10への移行物質によるベルト3,10の汚染が問題となりやすい。即ち、上記タンデム方式や中間転写ベルト方式で良好な画像を得るための重要な要件の一つとして、搬送ベルト3や中間転写ベルト10の抵抗値が所定値に調整されていることが挙げられるが、印刷枚数を重ねていくと転写ローラ5からイオン導電剤、オイル類、その他ゴム組成物中の未反応成分がブリードして搬送ベルト3や中間転写ベルト10に移行し、ベルトの抵抗値を下げてしまう問題を生じやすい。特に、高温高湿環境下(例えば32.5℃/80%)においては、このようなブリードによるベルト抵抗の低下によって印刷画像がカスれるという不都合が発生する。
【0007】
なお、このような転写ローラの関連技術としては、下記特許文献1,2が挙げられる。
【特許文献1】特開2004−20800号公報
【特許文献2】特開2004−29690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、タンデム方式や中間転写ベルト方式でカラープリントを行う場合に、転写ローラから搬送ベルトや中間転写ベルトへの汚染物質の移行を可及的に防止して、高温高湿環境下であっても良好な画像を確実に得ることができる転写ローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、導電性ゴム組成物で転写ローラの導電性弾性層を形成する際に、該導電性ゴム組成物のゴム原料として、エピクロルヒドリンゴムと、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴムから選ばれる1種又は2種以上のゴムとを併用すると共に、パラフィンオイルやシリコーンオイルなどの高抵抗オイルを添加して、上記導電性弾性層を形成することにより、タンデム方式や中間転写ベルト方式によりカラー印刷を行う電子写真装置において、たとえ高温高湿下に搬送ベルトや中間転写ベルトに接触して中間転写ベルトや記録用紙に電圧印加を行う場合でも、導電性弾性層から搬送ベルトや中間転写ベルトにイオン導電剤などが移行して、これらベルトの抵抗値が低下することを可及的に防止し得、良好な転写操作を確実に行うことができることを見い出した。
【0010】
即ち本発明の転写ローラでは、導電性弾性層中にシリコーンオイル、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、脂肪族二塩基酸エステルなど、1×108Ω・cm(30℃)以上の体積固有抵抗を有する高抵抗オイルを配合すると共に、ゴム成分としてオイル類をブリードさせやすいエピクロルヒドリンゴムを用いたことにより、上記高抵抗オイルを搬送ベルトや中間転写ベルトに積極的にブリードさせて、これら高抵抗オイルによる皮膜をこれらベルト上に形成して、イオン導電剤などの不都合な物質がベルトに移行することを防止することができるものである。更にこの場合、転写ローラは搬送ベルトや中間転写ベルトの裏面側に接触した状態で使用されるため、上記高抵抗オイルによる皮膜はベルトの裏側に形成され、この高抵抗オイルが中間転写ベルト表面に転写保持される画像や搬送ベルト表面に保持される記録用紙などを汚染することは無く、良好なカラー画像を確実に形成することができるものである。
【0011】
従って、本発明は、中間転写ベルト方式又はタンデム方式によりカラー印刷を行う際に、中間転写ベルト又は記録メディア搬送ベルトの裏側に接触し、前記中間転写ベルトに電圧を印加して、又は前記記録メディア搬送ベルトを介して記録メディアに電圧を印加して、感光体に形成されたトナー像を前記中間転写ベルト又は前記記録メディアに転写する転写ローラにおいて、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴムから選ばれる1種又は2種以上のゴムとエピクロルヒドリンゴムとを含み、かつ高抵抗オイルを配合したゴム組成物で形成された導電性弾性層を有することを特徴とする転写ローラを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の転写ローラによれば、複写機やレーザービームプリンタなどの電子写真装置においてタンデム方式や中間転写ベルト方式でカラープリントを行う場合に、転写ローラから記録メディア搬送ベルトや中間転写ベルトへの汚染物質の移行を可及的に防止して、高温高湿環境下であっても良好な画像を確実に得ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の転写ローラは、導電性ゴム組成物で形成された導電性弾性層を有するものであり、例えば図1に示したように、シャフト51の周囲に導電性弾性層52を形成したものである。
【0014】
上記シャフト51は、特に制限されるものではなく、金属製や樹脂製のシャフトを用いることができる。この場合、通常はこのシャフト51を通じて電圧が印加されるため、良好な導電性を有するステンレススチール、アルミニウム製の金属シャフトが好適に用いられ、また樹脂製のシャフトを用いる場合には、導電剤を配合した導電性樹脂により形成されたシャフトが用いられる。
【0015】
上記導電性弾性層52は、ニトリルゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)から選ばれる1種又は2種以上のゴムとエピクロルヒドリンゴム(ECO)とをゴム成分として含有する導電性ゴム組成物を用いて形成され、発泡体層であっても無発泡体であってもよい。
【0016】
この場合、ECOとその他のゴム(NBR、SBR、BR)との混合割合は、特に制限されるものではないが、質量比で(ECO)/(NBR,SBR,BR)=20/80〜80/20とすることが好ましい。この場合、ECOの割合が少ないとオゾンによる劣化(オゾンクラック)の不都合が生じる場合があり、一方ECOが過多であるとコスト高になってしまう。
【0017】
本発明では、この導電性組成物中に高抵抗オイルが添加配合される。この高抵抗オイルとしては、体積固有抵抗が1×108Ω・cm(30℃)以上のものが好ましく用いられ、具体的にはシリコーンオイル、フタル酸エステル系可塑剤(DIDA,DIDP)、トリメリット酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤(DOA,DOS)などが例示され、これらの1種又は2種以上を併用することができる。
【0018】
この高抵抗オイルの配合量は、オイルの種類やゴム成分の種類、導電性弾性層の厚さなどに応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、通常は上記全ゴム成分100質量部に対して5〜50質量部、特に10〜40質量部とすることが好ましい。この場合、高抵抗オイルの配合量が5質量部に満たないと、導電性弾性層から十分にブリードせず、記録メディア搬送ベルトや中間転写ベルトの裏面に良好なオイル皮膜を形成することができずに、本発明の目的を十分に達成し得ない場合があり、一方50質量部を超えると、ゴム練、押出し時にスリップが発生するなどゴム組成物の加工性が大幅に低下してしまう場合がある。
【0019】
通常、このゴム組成物には導電剤が配合され、105〜109Ω・cm程度の良好な導電性が付与される。導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤のいずれをも使用することができるが、均一で安定的な導電性が得られることから、特にイオン導電剤を用いることが好ましく、場合によってはイオン導電剤と電子導電剤とを併用することも好ましい。
【0020】
上記イオン導電剤としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、トリデシルメチルジヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、ラウリルトリメチルアンモニウムパークロレート、変性脂肪族・ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3′−ドデシロキシ−2′−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムエトサルフェート、3−ラウルアミドプロピル−トエイメチルアンモニウムメチルサルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル−アンモニウム−ジハイドロジェンフォスフェート、テトラブチルアンモニウムホウフッ酸塩、ステアリルアンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウムの過塩素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、メチルサルフェート塩、リン酸塩、ホウフッ化水素酸塩、アセテート等の有機イオン性導電物質或は電荷移動錯体などが例示され、これらの1種又は2種以上を配合することができる。なお、特に制限されるものではないが、これらのなかでは、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム、第4級アンモニウム塩が特に好適に用いられる。
【0021】
また電子導電剤としては、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどが例示される。
【0022】
導電剤の配合量は、所望の抵抗値に応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、通常はイオン導電剤の場合ゴム成分100質量部に対して0.05〜2質量部、特に0.1〜1質量部とすることが好ましい。
【0023】
このゴム組成物には、上記ゴム成分を加硫成形するために、加硫剤、加硫促進剤を配合することができる。加硫剤としては、硫黄や過酸化物などが例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができ、また、加硫促進剤としては、チウラム系、チオウレア系、チアゾール系、ジチオカルバミン酸塩系、スルフェンアミド系、アルデヒドアミン系、グアニジン系、アルデヒドアンモニア系、キサントゲン酸系などの加硫促進剤が例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
また、導電性弾性層52を発泡体層とする場合には適宜な発泡剤を配合することができ、発泡剤としては、ADCA系,OBSH系,無機発泡系(NaHCO3等)などが例示される。この発泡剤の配合量は、発泡剤やゴム成分の種類、目的とする発泡倍率などに応じて適宜設定されるものであるが、通常は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.2〜10質量部とすることができる。この場合、発泡助剤を併用することができる。発泡助剤としては、尿素などの公知の発泡助剤を用いることができ、これらを上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部、特に0.5〜3質量部配合することができる。
【0025】
その他、充填剤、加硫促進剤、老化防止剤などの公知の添加剤を適宜添加することができる。
【0026】
導電性弾性層52の厚さに特に制限は無く、種々の条件に応じて適宜設定されるが、通常は2〜10mm程度とすることができる。
【0027】
本発明の転写ローラでは、上記導電性弾性層の上に、上記高抵抗オイルの染み出しが可能であれば、更に適宜な皮膜層を形成することも可能であるが、通常は上記導電性弾性層52がローラの表面を形成するものであることが好ましい。
【0028】
本発明の、転写ローラは、上記のように、中間転写ベルト方式又はタンデム方式によりカラー印刷を行う際に、中間転写ベルト又は記録メディア搬送ベルトの裏側に接触し、前記中間転写ベルトに電圧を印加して、又は前記記録メディア搬送ベルトを介して記録メディアに電圧を印加して、感光体に形成されたトナー像を前記中間転写ベルト又は前記記録メディアに転写するものである。例えば、図2に示されたタンデム方式のカラー電子写真装置で、記録メディア搬送ベルト3を介して記録メディア4に電圧を印加する転写ローラ5や、図3に示された中間転写ベルト方式のカラー電子写真装置で、中間転写ベルト10に電圧を印加する転写ローラ5として用いられるものである。
【0029】
この場合、本発明の転写ローラでは、導電性弾性層中に含有される上記シリコーンオイルなどの高抵抗オイルがブリードして、ベルト3,10の裏面にこれら高抵抗オイルの皮膜が形成され、この皮膜によって、導電性弾性層52からイオン導電剤などが上記搬送ベルト3,中間転写ベルト10に移行してベルト3,10の抵抗値が低下することを防止するものであり、これにより高温高湿環境下でも搬送ベルト3や中間転写ベルト10の抵抗値低下による画像不良の発生を確実に防止することができるものである。
【0030】
この場合、上記シリコーンオイルなどの高抵抗オイルは搬送ベルト3や中間転写ベルト10自体の抵抗値を変動させることは無く、また本発明転写ローラ5は、搬送ベルト3や中間転写ベルト10の裏面に接触して電圧印加を行うものであるから、高抵抗オイルが搬送ベルト3の表側に保持された記録メディア4を汚染したり、中間転写ベルト10の表面に形成されるトナー像を汚染することもない。
【実施例】
【0031】
[実施例1〜11、比較例]
以下、実施例,比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
表1に示した組成のゴム組成物を下記方法により調製し、下記方法で金属シャフト(6mmφ)の外周に導電性弾性層(厚さ5mm)を形成し、図1に示されたローラと同様の構成の導電性ゴムローラを作成した。
【0032】
[導電性弾性層の形成]
下記表1に示した各成分を、混合して発泡ゴム原料を調整し、押出し成形により発泡ゴムチューブを成形した。これに金属シャフトを圧入し、表面を研磨して寸法調整を行い、上記導電性ゴムローラとした。
【0033】
得られた各導電性ゴムローラを、ブラザー工業(株)製のカラーレーザープリンタ(図2と同様のタンデム方式によるプリンタ)に転写ローラ(図2の転写ローラ5に相当)として装着し、高温高湿(32.5℃/80%)環境下で、1枚/21秒のスピードで5000枚のカラー印刷を行った。この際に、記録メディア搬送ベルト(図2のベルト3)の表面抵抗を印刷開始前と1000枚,5000枚印刷後に測定した。なお、測定は上記高温高湿下で三菱化学(株)製の抵抗測定器「ハイレスタ」を用いて行った。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】

注)TT:大内新興化学工業(株)「ノクセラーTT」
テトラメチルチウラムジスルフィド
CZ:大内新興化学工業(株)「ノクセラーCZ」
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
【0035】
表1の通り、本発明の転写ローラによれば、高温高湿環境下であっても、転写ローラから記録メディア搬送ベルトや中間転写ベルトへの汚染物質の移行によるベルト抵抗値の低下を効果的に防止することができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明転写ローラの一例を示す概略断面図である。
【図2】タンデム方式によるカラー印刷電子写真装置を示す概略図である。
【図3】中間転写ベルト方式によるカラー印刷電子写真装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0037】
1a〜1d 現像器
2a〜2d 感光ドラム
3 記録メディア搬送ベルト
4 記録用紙(記録メディア)
5 転写ローラ
51 シャフト
52 導電性弾性層
6 光源
7 帯電ローラ
8 現像ローラ
9 定着ローラ
10 中間転写ベルト
11 二次転写ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写ベルト方式又はタンデム方式によりカラー印刷を行う際に、中間転写ベルト又は記録メディア搬送ベルトの裏側に接触し、前記中間転写ベルトに電圧を印加して、又は前記記録メディア搬送ベルトを介して記録メディアに電圧を印加して、感光体に形成されたトナー像を前記中間転写ベルト又は前記記録メディアに転写する転写ローラにおいて、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴムから選ばれる1種又は2種以上のゴムとエピクロルヒドリンゴムとを含み、かつ高抵抗オイルを配合したゴム組成物で形成された導電性弾性層を有することを特徴とする転写ローラ。
【請求項2】
上記高抵抗オイルが、体積固有抵抗が1×108Ω・cm(30℃)以上の低揮発性オイルである請求項1記載の転写ローラ。
【請求項3】
上記高抵抗オイルとして、シリコーンオイル、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤から選ばれた1種又は2種以上を用いた請求項2記載の転写ローラ。
【請求項4】
上記導電性弾性層を形成するゴム組成物中にイオン導電剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写ローラ。
【請求項5】
上記エピクロルヒドリンゴム(ECO)と、ニトリルゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)から選ばれる1種又は2種以上のゴムとの混合比が、質量比で(ECO)/(NBR,SBR,BR)=20/80〜80/20である請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写ローラ。
【請求項6】
高抵抗オイルの配合量が、ゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の転写ローラ。
【請求項7】
上記導電性弾性層が、ローラ表面を形成する請求項1〜6のいずれか1項に記載の転写ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−198768(P2009−198768A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39782(P2008−39782)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】