説明

転圧機械

【課題】 不凍液が外部に排出されるのを抑え、良好な環境を保つ。
【解決手段】 前側散水ノズル19および後側散水ノズル22と不凍液タンク25との間に、前側散水ノズル19の各ノズル口21に接続される前側不凍液受け具34と、後側散水ノズル22の各ノズル口24に接続される後側不凍液受け具35と、これら前,後の不凍液受け具34,35と不凍液タンク25との間を接続する不凍液回収管36とからなる不凍液回収装置33を取付ける。これにより、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22内に充填された不凍液を、外部に排出することなく、散水ポンプ27により不凍液回収装置33を介して不凍液タンク25内に回収することができる。この結果、不凍液が前,後の散水ノズル19,22から外部に排出されるのを抑え、振動ローラ1の周囲の環境を良好に維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば振動ローラ、タイヤローラ、マカダムローラ等の路面を舗装する作業に好適に用いられる転圧機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、路面や地面の舗装を行うときには、振動ローラ、タイヤローラ、マカダムローラ等の転圧機械が好適に用いられる。この転圧機械は、車体の前部側に前転圧ローラが回転可能に設けられると共に後部側に後転圧ローラが回転可能に設けられ、路盤材、アスファルト混合物等の舗装材を敷きつめた路面を走行することにより、この路面を前,後の転圧ローラによって転圧して締め固めるものである。
【0003】
ここで、転圧機械の車体には、散布される大量の水を貯溜する散水タンクと、この散水タンク内の水を転圧ローラまたは路面に散布する散水ノズルと、散水タンクと散水ノズルとの間を接続する散水通路と、この散水通路の途中に設けられた散水ポンプとを備えている。そして、散水ポンプによって散水タンク内の水を散水ノズルに向けて圧送することにより、舗装材を敷きつめた路面および前,後の転圧ローラの表面に対し、常時水を散布することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】実開平5−47007号公報
【0005】
ところで、転圧機械による路面の転圧作業が終了した後には、散水通路等には水が残留している。このため、寒冷地等においては、転圧機械による転圧作業を一定期間(例えば、一晩)休止する間に、散水通路内に残留した水が凍結した場合には、作業を行うことができなくなるという問題がある。
【0006】
このため、転圧機械の車体には、通常、凍結防止用の不凍液を貯溜した不凍液タンクが装備されており、路面の転圧作業が終了した後には、不凍液タンク内の不凍液を散水ポンプによって散水通路へと圧送する。これにより、水に代えて不凍液を散水通路内に充填することができ、水の凍結を防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来技術では、転圧機械を一晩休止させた後に再び転圧作業を行う場合には、通常、散水タンク内の水を散水ポンプによって散水通路内に圧送し、この水の圧力によって散水通路内に充填されている不凍液を外部に押出す方法が採用されている。
【0008】
また、転圧機械を休止させるときに、散水通路内に不凍液を充填するときには、通常、散水ポンプによって圧送された不凍液を散水ノズルから外部に排出させることにより、散水通路内に不凍液が確実に充填されたことを確認する方法が採用されている。
【0009】
このため、散水通路内に充填された不凍液が、転圧作業を行う毎に大量に外部に排出されることになり、転圧機械の周囲の環境を悪化させてしまう虞れがある。また、散水通路内に充填された不凍液が回収されずに使い捨てされることにより、大量の不凍液が無駄に消費されてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、不凍液が外部に排出されるのを抑え、良好な環境を保つと共に不凍液の無駄な消費を抑えることができるようにした転圧機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は、前部側と後部側にそれぞれ転圧ローラが回転可能に設けられた車体と、該車体に設けられ散布される水を貯溜する散水タンクと、前記車体に設けられ該散水タンク内の水を前記転圧ローラに散布する散水ノズルと、該散水ノズルと前記散水タンクとの間を接続する散水通路と、該散水通路に充填される不凍液を貯溜する不凍液タンクと、前記散水通路の途中に設けられ前記散水タンク内の水または前記不凍液タンク内の不凍液を前記散水ノズルに向けて圧送する散水ポンプとを備えてなる転圧機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記散水通路に充填されている不凍液を回収し当該回収した不凍液を前記不凍液タンク内に戻す不凍液回収装置を設け、前記散水通路のうち前記散水ポンプよりも上流側には、当該散水通路を前記散水タンクと不凍液タンクと大気開放位置とに選択的に切換える方向切換弁を設けたことにある。
【0013】
請求項2の発明は、前記不凍液回収装置は、前記散水ノズルから排出された不凍液を受ける不凍液受け具と、該不凍液受け具と前記不凍液タンクとの間を接続して設けられた不凍液回収通路とにより構成したことにある。
【0014】
請求項3の発明は、前記方向切換弁は、前記散水タンクと前記散水ポンプとの間に位置して前記散水通路の途中に設けられ、前記散水タンク内の水を前記散水ノズルに供給する水供給位置と、前記不凍液タンク内の不凍液を前記散水通路に充填する不凍液充填位置とに切換える第1の方向切換弁と、前記不凍液タンクと前記第1の方向切換弁との間に設けられ、前記不凍液タンク内の不凍液を前記散水通路に供給する不凍液供給位置と、前記散水通路を大気に開放する大気開放位置とに切換える第2の方向切換弁とにより構成したことにある。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、散水ノズルと不凍液タンクとの間に不凍液回収装置を設け、方向切換弁を大気開放位置に切換えて散水ポンプを作動させることにより、散水通路に充填されている不凍液を、不凍液回収装置によって不凍液タンク内に回収することができる。また、散水通路内に不凍液を充填するときに、散水ノズルから排出された不凍液を不凍液回収装置によって回収することができる。
【0016】
この結果、不凍液が散水ノズルから外部に排出されるのを確実に抑えることができ、転圧機械の周囲の環境を良好に維持することができる。また、散水ノズルから排出される不凍液を回収することにより、不凍液タンク内に常時ほぼ一定量の不凍液を貯留しておくことができるので、不凍液タンク内に貯溜された不凍液を何度も再利用することができ、不凍液の無駄な消費を抑えてコストの削減にも寄与することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、散水ポンプによって散水ノズルから排出された不凍液を、不凍液受け具によって受け、この不凍液を不凍液回収通路を通じて不凍液タンク内に環流させることができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、第1の方向切換弁を不凍液充填位置とし、第2の方向切換弁を不凍液供給位置とすることにより、不凍液タンク内の不凍液を散水ポンプによって散水通路内に充填することができる。一方、第1の方向切換弁を不凍液充填位置とし、第2の方向切換弁を大気開放位置とすることにより、散水ポンプにより散水通路内に圧送された空気によって当該散水通路内に充填されている不凍液を散水ノズルから排出し、この排出された不凍液を不凍液回収装置によって不凍液タンク内に戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る転圧機械の実施の形態を、振動ローラに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
図中、1は転圧機械としての振動ローラで、この振動ローラ1は、例えば道路の舗装作業等に用いられ、路盤材、アスファルト混合物等の舗装材を敷きつめた路面を走行することにより、この路面を締め固めるものである。
【0021】
そして、振動ローラ1は、後述の前転圧ローラ6が設けられた前部車体2と、後述の後転圧ローラ11が設けられた後部車体3と、前部車体2と後部車体3との間を左,右方向に揺動可能に連結する連結装置4とを備えている。また、前部車体2と後部車体3との間にはステアリングシリンダ(図示せず)が設けられ、このステアリングシリンダが後述するハンドル15の操作に応じて伸縮することにより、振動ローラ1の走行方向が制御される構成となっている。
【0022】
ここで、前部車体2の構成について説明する。この前部車体2は、有底な箱状をなす前フレーム2Aと、この前フレーム2Aを上方から開,閉可能に覆う前カバー2Bとにより大略構成され、前フレーム2Aの前部下側は、後述の前転圧ローラ6を収容する凹窪部2Cとなっている。そして、前フレーム2A内には、エンジン、油圧ポンプ、ラジエータ等の搭載機器(いずれも図示せず)が設けられている。また、前フレーム2Aの左,右の側面部には、凹窪部2Cを挟んで左,右方向で対をなすローラ支持アーム5の上端側が固定され、該ローラ支持アーム5の下端側には、後述の前転圧ローラ6が回転可能に支持される構成となっている。
【0023】
6は前部車体2に回転可能に設けられた前転圧ローラで、該前転圧ローラ6は、例えば前部車体2の左,右方向の幅寸法よりも僅かに大きな軸方向寸法を有する金属製のドラムにより構成され、左,右のローラ支持アーム5に支持された状態で前フレーム2Aの凹窪部2C内に配置されている。ここで、左側のローラ支持アーム5と前転圧ローラ6との間には、前転圧ローラ6を回転駆動する走行用油圧モータ(図示せず)が設けられ、右側のローラ支持アーム5と前転圧ローラ6との間には、前転圧ローラ6に振動を付与する振動用油圧モータ7が設けられている。そして、前転圧ローラ6は、振動用油圧モータ7によって振動を発生しつつ走行用油圧モータによって回転駆動されることにより、路面を締め固める構成となっている。
【0024】
8は前部車体2の前端側に設けられた前側ブレードで、該前側ブレード8は、図2、図4、図5等に示すように、前フレーム2Aの前端部下面に固定された左,右のブラケット9,9によって支持され、前転圧ローラ6に沿って左,右方向に延びている。ここで、前側ブレード8は、例えばゴム等の弾性材料を用いて左,右方向に延びる1枚の帯板状に形成されている。そして、前側ブレード8の下端縁は、前転圧ローラ6の表面に常時当接し、例えば舗装作業時に前転圧ローラ6の表面に付着した舗装材等をかき落すことができる構成となっている。また、前側ブレード8の近傍部位には、後述する前側散水ノズル19が配設されている。
【0025】
次に、後部車体3の構成について説明する。この後部車体3は、有底な箱状をなす後フレーム3Aと、この後フレーム3Aの前部側に設けられオペレータの足場を形成する床板部3Bとにより大略構成され、後フレーム3Aの後部下側は、後述の後転圧ローラ11を収容する凹窪部3Cとなっている。そして、後フレーム3A内には、後述の後転圧ローラ11を回転駆動する走行用油圧モータ(図示せず)が設けられ、後フレーム3A上には、オペレータが着席する運転席10が設けられている。また、運転席10の後側には後述の散水タンク18が配設され、運転席10の右側には後述の不凍液タンク25が配設されている。
【0026】
11は後部車体3に回転可能に設けられた後転圧ローラで、該後転圧ローラ11は、左,右方向に伸長する1本の車軸(図示せず)に固定された複数(例えば4個)のタイヤ11A,11A,…により構成され、後フレーム3Aの凹窪部3C内に配置されている。そして、後転圧ローラ11は、後部車体3の後フレーム3A内に設けられた走行用油圧モータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、路面上を走行しつつ当該路面を締め固める構成となっている。
【0027】
12は後部車体3の後端側に設けられた後側ブレードで、該後側ブレード12は、図1および図3に示すように、後フレーム3Aの後端部下面に固定された左,右のブラケット13,13によって支持され、後転圧ローラ11に沿って左,右方向に延びている。ここで、後側ブレード12は、例えばゴム等の弾性材料を用いて左,右方向に延びる1枚の帯板状に形成されている。そして、後側ブレード12の下端縁は、後転圧ローラ11の表面に常時当接し、例えば舗装作業時に後転圧ローラ11の表面に付着した舗装材等をかき落すことができる構成となっている。また、後側ブレード12の近傍部位には、後述する後側散水ノズル22が配設されている。
【0028】
14は運転席10の前側に位置して床板部3B上に立設された操作スタンドで、該操作スタンド14には、操舵用のハンドル15、振動ローラ1の前進,後進を切換える前後進切換レバー16、ブレーキペダル17等が設けられている。そして、運転席10に着席したオペレータがハンドル15を操作すると、前部車体2と後部車体3との間に設けられたステアリングシリンダ(図示せず)が伸縮し、後部車体3が連結装置4を中心として前部車体2に対し左,右方向に揺動することにより、振動ローラ1の走行方向が制御される構成となっている。
【0029】
18は運転席10の後側に位置して後部車体3の後フレーム3A上に設けられた散水タンクで、該散水タンク18は、舗装作業時において、路面および前,後の転圧ローラ6,11の表面に散布される水を貯溜するものである。ここで、散水タンク18は、図3に示すように、後部車体3の左,右方向の幅寸法とほぼ等しい長さ寸法を有し、内部に大量の水を貯溜することにより、振動ローラ1の重量を増大させるものである。
【0030】
19は前側ブレード8の近傍に位置して前部車体2の前端側に設けられた前側散水ノズルで、該前側散水ノズル19は、散水タンク18内の水を前転圧ローラ6に散布するものである。ここで、前側散水ノズル19は、図2、図4および図5等に示すように、前フレーム2Aの前端部にブラケット9を介して取付けられ、前転圧ローラ6に沿って左,右方向に延びる1本の集合パイプ20と、この集合パイプ20に設けられた後述の各ノズル口21とにより構成されている。なお、振動ローラ1には、通常、前側散水ノズル19および後述の後側散水ノズル22とは別に、路面に水を散布するための路面散水ノズル(図示せず)が設けられている。
【0031】
21は集合パイプ20に設けられた複数(例えば5個)のノズル口で、該各ノズル口21は、図2に示すように、左,右方向に適度な間隔をもって集合パイプ20の下面側に下向きに突設され、散水タンク18内に貯溜された水を前転圧ローラ6の表面に散布するものである。
【0032】
ここで、各ノズル口21は、図9および図10に示すように、前側散水ノズル19の下面側に固定された固定筒体21Aと、該固定筒体21Aの先端側に螺着されたナット部材21Bと、固定筒体21Aとナット部材21Bとの間に挟持されナット部材21Bから突出した先端部から水を噴射する口金21Cとにより大略構成されている。また、固定筒体21A内にはストレーナ21Dが設けられ、ナット部材21Bの先端部外周には雄ねじ部21Eが形成されている。そして、散水タンク18内に貯溜された水は、後述の散水ポンプ27によって前側散水ノズル19と後述の後側散水ノズル22とに圧送され、前側散水ノズル19に圧送された水は、各ノズル口21を通じて前転圧ローラ6の表面に散布される構成となっている。
【0033】
22は後側ブレード12の近傍に位置して後部車体3の後端側に設けられた後側散水ノズルで、該後側散水ノズル22は、散水タンク18内の水を後転圧ローラ11に散布するものである。ここで、後側散水ノズル22は、図3に示すように、後フレーム3Aの後端部にブラケット13を介して取付けられ、後転圧ローラ11に沿って左,右方向に延びる1本の集合パイプ23と、この集合パイプ23に設けられた後述の各ノズル口24とにより構成されている。
【0034】
24は集合パイプ23に設けられた複数(例えば4個)のノズル口で、該各ノズル口24は、後転圧ローラ11を構成する各タイヤ11Aに対向するように集合パイプ23の下面側に下向きに突設され、散水タンク18内に貯溜された水を後転圧ローラ11の表面に散布するものである。
【0035】
ここで、後側散水ノズル22のノズル口24も、前側散水ノズル19のノズル口21と同様に、固定筒体24Aと、ナット部材24Bと、口金24Cとにより大略構成され、固定筒体24A内にはストレーナ24Dが設けられ、ナット部材24Bの先端部外周には雄ねじ部24Eが形成されている(図9、図10参照)。そして、後述の散水ポンプ27によって後側散水ノズル22に圧送された水は、各ノズル口24を通じて後転圧ローラ11の各タイヤ11A表面に散布される構成となっている。
【0036】
25は運転席10の右側に位置して後部車体3の後フレーム3A上に設けられた不凍液タンクで、該不凍液タンク25は、凍結防止用の不凍液を貯留するものである。そして、寒冷地等において振動ローラ1による転圧作業が終了した後には、後述の散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22に対し、不凍液タンク25内の不凍液が充填されるようになっている。
【0037】
次に、上述した散水タンク18、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22、不凍液タンク25等の接続関係について、図11を参照して説明する。
【0038】
26は前側散水ノズル19および後側散水ノズル22と散水タンク18との間を接続する散水通路で、散水タンク18内の水または不凍液タンク25内の不凍液は、後述の各方向切換弁28,30の切換操作により、散水通路26を通じて前側散水ノズル19および後側散水ノズル22に供給される構成となっている。
【0039】
27は散水通路26の途中に設けられた散水ポンプで、該散水ポンプ27は、散水タンク18内の水または不凍液タンク25内の不凍液を、前側散水ノズル19および後側散水ノズル22に向けて圧送するものである。
【0040】
28は散水タンク18と散水ポンプ27との間に位置して散水通路26の途中に設けられた3ポート2位置の第1の方向切換弁で、該第1の方向切換弁28は、散水通路26が接続されるポート28A,28Bと、後述の不凍液通路29が接続されるポート28Cと、オペレータによって操作される切換レバー28Dとを有している。
【0041】
そして、第1の方向切換弁28は、ポート28A,28B間を連通させることにより、散水タンク18内の水を散水通路26を通じて前側散水ノズル19と後側散水ノズル22とに供給する水供給位置(a)と、ポート28A,28C間を連通させることにより、不凍液タンク25内の不凍液を散水通路26、前側散水ノズル19および後側散水ノズル22に充填する不凍液充填位置(b)とに選択的に切換えられるものである。
【0042】
29は不凍液タンク25と第1の方向切換弁28のポート28Cとの間を接続する不凍液通路で、該不凍液通路29は、不凍液タンク25内の不凍液を散水通路26へと導出するものである。そして、不凍液通路29の途中には、後述する第2の方向切換弁30が設けられている。
【0043】
30は不凍液タンク25と第1の方向切換弁28との間に位置して不凍液通路29の途中に設けられた3ポート2位置の第2の方向切換弁で、該第2の方向切換弁30は、不凍液通路29が接続されるポート30A,30Bと、大気開放ポート30Cと、オペレータによって操作される切換レバー30Dとを有している。
【0044】
そして、第2の方向切換弁30は、ポート30A,30B間を連通させることにより不凍液タンク25内の不凍液を散水通路26に供給する不凍液供給位置(c)と、ポート30A,30C間を連通させることにより不凍液通路29を介して散水通路26を大気に開放する大気開放位置(d)とに選択的に切換えられるものである。
【0045】
31は散水ポンプ27と第1の方向切換弁28との間に位置して散水通路26の途中に設けられたフィルタで、該フィルタ31は、水または不凍液が散水通路26を通って前,後の散水ノズル19,22へと流れるときに、この水または不凍液に混入した異物を捕捉するものである。
【0046】
32は前,後の散水ノズル19,22と散水ポンプ27との間に位置して散水通路26の途中に設けられたチェック弁で、該チェック弁32は、散水ポンプ27により前,後の散水ノズル19,22に向けて圧送された水または不凍液が、散水ポンプ27側に逆流するのを防止するものである。
【0047】
33は前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24と不凍液タンク25との間に設けられた不凍液回収装置で、該不凍液回収装置33は、散水通路26等に充填されている不凍液を回収し、この回収した不凍液を不凍液タンク25内に戻すものである。ここで、不凍液回収装置33は、後述の前側不凍液受け具34、後側不凍液受け具35、不凍液回収通路としての不凍液回収管36等により構成されている。
【0048】
なお、不凍液回収装置33は、散水通路26、前,後の散水ノズル19,22内に不凍液を充填するときと、散水通路26等に不凍液が充填されている間と、散水通路26等に充填されている不凍液を回収するときにのみ、図1に示すように、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24と不凍液タンク25との間に設けられるものである。従って、不凍液の回収が終了し、振動ローラ1を用いて路面の舗装等を行うときには、不凍液回収装置33は取外される構成となっている(図6参照)。
【0049】
34は前側散水ノズル19に設けられた各ノズル口21の先端側に着脱可能に取付けられる複数(例えば5個)の前側不凍液受け具で、該各前側不凍液受け具34は、各ノズル口21から排出された不凍液を受け、この不凍液を後述の不凍液回収管36内に導出するものである。ここで、前側不凍液受け具34は、図9および図10に示すように、先端側がフランジ部34Aとなった筒体34Bと、フランジ部34Aにより軸方向に抜止めされた状態で筒体34Bに対して回転可能に取付けられたナット部材34Cとにより大略構成されている。
【0050】
そして、図10に示すように、ノズル口21の雄ねじ部21Eに、前側不凍液受け具34のナット部材34Cを螺合させて締込むことにより、ノズル口21の口金21Cが、前側不凍液受け具34の筒体34Bの内周縁部に押付けられ、これにより、各ノズル口21の先端側に、それぞれ前側不凍液受け具34を着脱可能に取付けることができる構成となっている。
【0051】
35は後側散水ノズル22に設けられた各ノズル口24の先端側に着脱可能に取付けられる複数(例えば4個)の後側不凍液受け具で、該各後側不凍液受け具35は、各ノズル口24から排出された不凍液を受け、この不凍液を後述の不凍液回収管36内に導出するものである。ここで、後側不凍液受け具35は、前側不凍液受け具34と同様に、先端側がフランジ部35Aとなった筒体35Bと、ナット部材35Cとにより大略構成されている。そして、ノズル口24の雄ねじ部24Eに、後側不凍液受け具35のナット部材35Cを螺合させて締込むことにより、各ノズル口24の先端側に、それぞれ後側不凍液受け具35を着脱可能に取付けることができる構成となっている。
【0052】
36は各前側不凍液受け具34および各後側不凍液受け具35と不凍液タンク25との間を接続して設けられた不凍液回収通路としての不凍液回収管で、該不凍液回収管36は、各ノズル口21,24から排出され前側不凍液受け具34,後側不凍液受け具35によって受けた不凍液を回収し、この不凍液を不凍液タンク25内に戻すものである。
【0053】
ここで、不凍液回収管36は、図1等に示すように、前側散水ノズル19の下側に位置して左,右方向に延び、各前側不凍液受け具34が接続された前側回収管36Aと、後側散水ノズル22の下側に位置して左,右方向に延び、各後側不凍液受け具35が接続された後側回収管36Bと、これら前側回収管36Aと後側回収管36Bとの間を連結すると共に不凍液タンク25に着脱可能に取付けられるT型継手36Cとにより構成されている。また、不凍液回収管36は、例えば可撓性を有する透明なホースにより構成され、着色された色付きの不凍液が不凍液回収管36を流れていることを外部から確認することができるようになっている。
【0054】
従って、不凍液回収装置33の前側不凍液受け具34を前側散水ノズル19のノズル口21に接続すると共に、後側不凍液受け具35を後側散水ノズル22のノズル口24に接続した状態で、後述の如く散水ポンプ27によって各ノズル口21,24から不凍液を排出することにより、排出された不凍液を不凍液回収管36を通じて不凍液タンク25内に環流させることができる構成となっている。
【0055】
本実施の形態による振動ローラ1は上述の如き構成を有するもので、この振動ローラ1を用いて路面の舗装等の転圧作業を行う場合には、まず、図1に示す不凍液回収装置33を、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22、不凍液タンク25から取外し、図6に示すように、散水タンク18内に貯溜した水を、前側散水ノズル19および後側散水ノズル22から路面等に散布できる状態とする。
【0056】
この状態で、運転席10に着席した運転者がハンドル15等を操作して振動ローラ1を前進走行または後進走行させる。これにより、路面上に敷きつめられた路盤材、アスファルト混合物等の舗装材を、前転圧ローラ6、後転圧ローラ11によって転圧して締め固めることができる。
【0057】
この振動ローラ1による転圧作業時には、図11および図12に示すように、第1の方向切換弁28を水供給位置(a)としてポート28A,28B間を連通させた状態で、散水ポンプ27を作動させる。これにより、散水タンク18内に貯溜された水は、散水通路26を通じて前側散水ノズル19および後側散水ノズル22に圧送される。
【0058】
この結果、前側散水ノズル19の各ノズル口21から、前転圧ローラ6に向けて水を散布すると共に、後側散水ノズル22の各ノズル口24から、後転圧ローラ11の各タイヤ11Aに向けて水を散布することができる。これにより、前転圧ローラ6の表面、後転圧ローラ11を構成する各タイヤ11Aの表面に舗装材が付着するのを抑え、転圧作業の作業性を高めることができる。
【0059】
そして、振動ローラ1による転圧作業が終了すると、散水ポンプ27が停止し、前側散水ノズル19および後側散水ノズル22からの水の散布も停止する。ここで、振動ローラ1の転圧作業が終了したときには、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22内に水が残留するため、寒冷地等においては、残留した水が凍結することにより、これら散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22等が破損する虞れがある。このため、振動ローラ1による転圧作業が終了した後、振動ローラ1を長時間(例えば一晩)に亘って休止状態とする場合には、散水通路26等の内部に残留した水を排出し、この水に代えて不凍液を充填する必要がある。
【0060】
この場合には、第1の方向切換弁28を不凍液充填位置(b)に切換えてポート28A,28C間を連通させると共に、第2の方向切換弁30を大気開放位置(d)に切換えた状態で散水ポンプ27を作動させる。これにより、不凍液通路29を通じて散水通路26内に空気が圧送され、散水通路26等の内部に残留した水を、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24を通じて外部に排出することができる。
【0061】
このようにして、散水通路26等の内部に残留した水を排出した後には、一旦、散水ポンプ27を停止させた状態で、図10に示すように、不凍液回収装置33の各前側不凍液受け具34を前側散水ノズル19の各ノズル口21に取付け、各後側不凍液受け具35を後側散水ノズル22の各ノズル口24に取付けると共に、これら前,後の不凍液受け具34,35が接続された不凍液回収管36のT型継手36Cを不凍液タンク25に接続する(図1参照)。
【0062】
このようにして、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24と不凍液タンク25との間に不凍液回収装置33を取付けた後には、第1の方向切換弁28を不凍液充填位置(b)としてポート28A,28C間を連通させると共に、第2の方向切換弁30を不凍液供給位置(c)に切換えてポート30A,30B間を連通させる。この状態で、散水ポンプ27を作動させることにより、不凍液タンク25内に貯溜された不凍液が、不凍液通路29、散水通路26を通じて前側散水ノズル19および後側散水ノズル22に圧送され、各ノズル口21,24から排出される。
【0063】
このとき、前側散水ノズル19の各ノズル口21には前側不凍液受け具34が取付けられ、後側散水ノズル22の各ノズル口24には後側不凍液受け具35が取付けられているので、各ノズル口21,24から排出された不凍液は、路面等に排出されることなく、前,後の不凍液受け具34,35を介して不凍液回収管36内に導出される。
【0064】
また、不凍液回収管36は透明なホースにより構成されているので、不凍液回収管36内に着色された不凍液が導出されたことを外部から確認することができる。従って、オペレータは、不凍液回収管36内に不凍液が導出された時点で、散水ポンプ27を停止させることにより、不凍液の充填作業を終了し、振動ローラ1を休止状態とすることができる。
【0065】
このように、散水ポンプ27によって圧送された不凍液を各ノズル口21,24から排出させることにより、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22内に確実に不凍液を充填することができる。この結果、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22等が、残留した水の凍結によって破損するのを確実に防止することができる。
【0066】
しかも、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24と不凍液タンク25との間には、不凍液回収装置33を取付けているので、各ノズル口21,24から排出された不凍液を、不凍液回収装置33の不凍液回収管36内に導出することができる。この結果、不凍液が路面等に排出されることがなく、振動ローラ1の周囲の環境を良好に保つことができる。
【0067】
次に、作業休止状態とした振動ローラ1を作動させて再び転圧作業を行う場合には、まず、図6に示すように、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24と不凍液タンク25との間に不凍液回収装置33が取付けられていることを確認する。そして、第1の方向切換弁28を不凍液充填位置(b)としてポート28A,28C間を連通させると共に、第2の方向切換弁30を大気開放位置(d)に切換えてポート30A,30C間を連通させた状態で、散水ポンプ27を作動させる。
【0068】
これにより、不凍液通路29を通じて散水通路26内に空気が圧送され、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22内に充填されている不凍液を、各ノズル口21,24から前側不凍液受け具34および後側不凍液受け具35を介して不凍液回収管36内に導出し、該不凍液回収管36を通じて不凍液タンク25内に排出することができる。この場合、不凍液回収管36は透明なホースにより構成されているので、色付きの不凍液が、不凍液回収管36を通じて不凍液タンク25内に戻るのを外部から確認することができ、適宜に散水ポンプ27を停止させることにより不凍液の回収作業を終了することができる。
【0069】
なお、上述した回収作業が終了した後に、不凍液回収管36内に少量の不凍液が残留している場合には、第1の方向切換弁28を不凍液充填位置(b)とし、第2の方向切換弁30を大気開放位置(d)とした状態で、不凍液回収装置33の前側不凍液受け具34および後側不凍液受け具35を、各ノズル口21,24から取外す。そして、不凍液回収管36全体を不凍液タンク25よりも高い位置まで持上げることにより、不凍液回収管36内に残留した少量の不凍液をも確実に不凍液タンク25内に戻すことができる。
【0070】
このように、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24と不凍液タンク25との間に不凍液回収装置33を取付けることにより、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22内に充填されている不凍液を、散水ポンプ27により散水通路26内に圧送された空気によって不凍液タンク25内に回収することができる。
【0071】
この結果、不凍液が各ノズル口21,24から路面等に排出されるのを確実に抑えることができ、振動ローラ1の周囲の環境を良好に維持することができる。しかも、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22に充填した不凍液を不凍液タンク25内に回収することにより、不凍液タンク25内に常時ほぼ一定量の不凍液を貯留しておくことができ、この不凍液を何度も再利用することができる。
【0072】
このようにして、不凍液の回収作業が終了した後には、図1に示す不凍液回収装置33を、前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24、および不凍液タンク25から取外す(図6参照)。そして、図11に示す第1の方向切換弁28を水供給位置(a)に切換えてポート28A,28B間を連通させた状態で、散水ポンプ27を作動させることにより、散水タンク18内に貯溜した水を、前側散水ノズル19の各ノズル口21から前転圧ローラ6に散布すると共に、後側散水ノズル22の各ノズル口24から後転圧ローラ11に散布することができる。
【0073】
かくして、本実施の形態によれば、前側散水ノズル19および後側散水ノズル22と不凍液タンク25との間に、前側散水ノズル19の各ノズル口21に接続される前側不凍液受け具34と、後側散水ノズル22の各ノズル口24に接続される後側不凍液受け具35と、これら前側不凍液受け具34および後側不凍液受け具35と不凍液タンク25との間を接続する不凍液回収管36とからなる不凍液回収装置33を取付ける構成としている。これにより、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22に充填されている不凍液を、外部に排出することなく、散水ポンプ27によって不凍液タンク25内に回収することができる。
【0074】
また、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22に不凍液を充填するときに、散水ポンプ27によって圧送された不凍液が前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24から排出された場合でも、この排出された不凍液を、外部に排出することなく、不凍液回収装置33の不凍液回収管36内に回収することができる。
【0075】
この結果、不凍液が前,後の散水ノズル19,22の各ノズル口21,24から外部に排出されるのを確実に抑えることができ、振動ローラ1の周囲の環境を良好に維持することができる。また、散水通路26、前側散水ノズル19、後側散水ノズル22に充填された不凍液を回収することにより、不凍液タンク25内に常時ほぼ一定量の不凍液を貯留しておくことができるので、不凍液タンク25内に貯溜された不凍液を何度も再利用することができ、不凍液の無駄な消費を抑えてコストの削減にも寄与することができる。
【0076】
なお、上述した実施の形態では、前,後の散水ノズル19,22に対する水の供給、不凍液の充填、充填された不凍液の回収を行うため、図11に示すように、散水通路26の途中に3ポート2位置の第1の方向切換弁28を設けると共に、不凍液通路29の途中に3ポート2位置の第2の方向切換弁30を設けた場合を例示している。
【0077】
しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図13に示すように、散水ポンプ27よりも上流側に位置して散水通路26と不凍液通路29との間に4ポート3位置の方向切換弁37を設ける構成としてもよい。この場合、方向切換弁37は、散水通路26に接続されるポート37A,37Bと、不凍液通路29に接続されるポート37Cと、大気開放ポート37Dと、オペレータによって操作される切換レバー37Eとを有している。そして、方向切換弁37を、ポート37A,37B間を連通させる水供給位置(a)と、ポート37A,37C間を連通させる不凍液充填位置(b)と、ポート37A,37D間を連通させる大気開放位置(c)とに選択的に切換えることにより、前,後の散水ノズル19,22に対する水の供給、不凍液の充填、充填された不凍液の回収を行うことができる。
【0078】
また、上述した実施の形態では、不凍液回収装置33の前側不凍液受け具34と、前側散水ノズル19の各ノズル口21との間の接続を、前側不凍液受け具34のナット部材34Cとノズル口21に設けた雄ねじ部21Eとの螺合によって行う場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば急速継手(ワンタッチカプラ)を用いて前側不凍液受け具34とノズル口21との間を接続する構成としてもよい。このことは、不凍液回収装置33の各後側不凍液受け具35と、後側散水ノズル22の各ノズル口24との間の接続についても同様である。
【0079】
また、上述した実施の形態では、転圧機械として振動ローラ1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばタイヤローラ、マカダムローラ等の他の転圧機械にも広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態による振動ローラを示す正面図である。
【図2】振動ローラを図1中の矢示II−II方向からみた右側面図である。
【図3】振動ローラを図1中の矢示III−III方向からみた左側面図である。
【図4】図1中のA部を拡大した要部拡大図である。
【図5】図2中のB部を拡大した要部拡大図である。
【図6】図1の振動ローラから不凍液回収装置を取外した状態を示す正面図である。
【図7】図4中の前側散水ノズルから不凍液回収装置を取外した状態を示す要部拡大図である。
【図8】図5中の前側散水ノズルから不凍液回収装置を取外した状態を示す要部拡大図である。
【図9】不凍液回収装置の前側不凍液受け具を前側散水ノズルのノズル口から取外した状態を示す拡大断面図である。
【図10】不凍液回収装置の前側不凍液受け具を前側散水ノズルのノズル口に取付けた状態を示す拡大断面図である。
【図11】散水タンク、不凍液タンク、散水通路、前側散水ノズル、後側散水ノズル、不凍液回収装置等の接続関係を示す回路図である。
【図12】散水ポンプ、第1の方向切換弁、第2の方向切換弁の動作状態を経時的に示すタイムチャートである。
【図13】方向切換弁の変形例を示す図11と同様な回路図である。
【符号の説明】
【0081】
1 振動ローラ(転圧機械)
2 前部車体
3 後部車体
6 前転圧ローラ
11 後転圧ローラ
18 散水タンク
19 前側散水ノズル
22 後側散水ノズル
25 不凍液タンク
26 散水通路
27 散水ポンプ
28 第1の方向切換弁
29 不凍液通路
30 第2の方向切換弁
33 不凍液回収装置
34 前側不凍液受け具
35 後側不凍液受け具
36 不凍液回収管(不凍液回収通路)
37 方向切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部側と後部側にそれぞれ転圧ローラが回転可能に設けられた車体と、該車体に設けられ散布される水を貯溜する散水タンクと、前記車体に設けられ該散水タンク内の水を前記転圧ローラに散布する散水ノズルと、該散水ノズルと前記散水タンクとの間を接続する散水通路と、該散水通路に充填される不凍液を貯溜する不凍液タンクと、前記散水通路の途中に設けられ前記散水タンク内の水または前記不凍液タンク内の不凍液を前記散水ノズルに向けて圧送する散水ポンプとを備えてなる転圧機械において、
前記散水通路に充填されている不凍液を回収し当該回収した不凍液を前記不凍液タンク内に戻す不凍液回収装置を設け、
前記散水通路のうち前記散水ポンプよりも上流側には、当該散水通路を前記散水タンクと不凍液タンクと大気開放位置とに選択的に切換える方向切換弁を設ける構成としたことを特徴とする転圧機械。
【請求項2】
前記不凍液回収装置は、前記散水ノズルから排出された不凍液を受ける不凍液受け具と、該不凍液受け具と前記不凍液タンクとの間を接続して設けられた不凍液回収通路とにより構成してなる請求項1に記載の転圧機械。
【請求項3】
前記方向切換弁は、
前記散水タンクと前記散水ポンプとの間に位置して前記散水通路の途中に設けられ、前記散水タンク内の水を前記散水ノズルに供給する水供給位置と、前記不凍液タンク内の不凍液を前記散水通路に充填する不凍液充填位置とに切換える第1の方向切換弁と、
前記不凍液タンクと前記第1の方向切換弁との間に設けられ、前記不凍液タンク内の不凍液を前記散水通路に供給する不凍液供給位置と、前記散水通路を大気に開放する大気開放位置とに切換える第2の方向切換弁とにより構成してなる請求項1または2に記載の転圧機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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