説明

軸流送風機及び空気調和機

【課題】ファン性能を向上させることができる軸流送風機及びこれを備えた空気調和機を提供する。
【解決手段】軸流送風機10は、回転軸Aの周りに設けられた複数の羽根21と、複数の羽根21の外周縁部に沿って複数の羽根21と一体的に設けられたリング部22とを有する羽根車20と、リング部22の外周を囲むようにリング部22と所定の隙間をあけて配置され、空気の流路を区画する仕切部30aとを備えている。リング部22の吸込側領域22aの内周面22sには、周方向に配列された複数のディンプル24が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸流送風機及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機などの用途で軸流送風機が用いられている。軸流送風機は、回転軸の周りに放射状に設けられた複数の羽根を有する羽根車と、空気の流路を区画する仕切部としてのベルマウスと、を備えている。ベルマウスは、羽根車の外周を囲むように配置されている。このような軸流送風機では、羽根の外周付近において空気の渦(翼端渦)が発生することがある。この翼端渦は、大きな圧力損失の要因となり、ファン性能を十分に発揮できないという問題がある。
【0003】
そこで、複数の羽根の外周縁部に沿って複数の羽根と一体的に設けられた筒状のリング部を有する羽根車を用いることにより、翼端渦の発生を抑制する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−223625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようなリング部を有する羽根車を用いる場合には、リング部とベルマウスとの隙間(チップクリアランス)において空気が逆流する現象が発生する。すなわち、この逆流は、リング部の内側の領域を通過する主流の向きとは反対方向に流れる。このような逆流が生じると、主流は逆流を巻き込みながら羽根車を通過するため、リング部における吸込側領域の先端部では大きな剥離が生じる。特に、半開放型の軸流送風機では、羽根車の外周部の吸込側がベルマウスに囲まれておらず開放されているので、この開放されている領域から羽根車に空気が流入しやすい。したがって、半開放型の軸流送風機では、主流が逆流を巻き込みやすく、その結果、リング部における吸込側領域の先端部において剥離が生じやすい。
【0006】
また、リング部を有していない羽根車に比べて、リング部を有する羽根車では求心的な流れ(回転軸寄りの流れ)が支配的となるため、吸込側領域の先端部において剥離した流れがリング部の内周面に再付着しにくい。このようにリング部の内周面に再付着していない領域においては、羽根が流体に対して負荷を与えられないので、ファン性能が低下する。
【0007】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ファン性能を向上させることができる軸流送風機及びこれを備えた空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の軸流送風機は、羽根車(20)と、仕切部(30a)とを備えている。前記羽根車(20)は、回転軸(A)の周りに設けられた複数の羽根(21)と、前記複数の羽根(21)の外周縁部に沿って前記複数の羽根(21)と一体的に設けられたリング部(22)とを有している。前記仕切部(30a)は、前記リング部(22)の外周を囲むように前記リング部(22)と所定の隙間をあけて配置されている。前記仕切部(30a)は、空気の流路を区画する。前記リング部(22)の吸込側領域(22a)の内周面(22s)には、周方向に配列された複数のディンプル(24)が設けられている。
【0009】
この構成では、リング部(22)の吸込側領域(22a)の内周面(22s)に周方向に配列された複数のディンプル(24)を設けることによって剥離を抑制し、ファン性能を向上させることができる。すなわち、リング部(22)の吸込側領域(22a)の先端部において剥離して層流状態で流れる空気を複数のディンプル(24)によって乱流状態に遷移させることにより、空気の剥離を抑制する。具体的には次の通りである。
【0010】
複数のディンプル(24)は、その近傍を流れる空気に乱流を生じさせるので、ディンプル(24)の近傍を流れる空気と、その周囲の空気との混合が促進される。これにより、リング部(22)の吸込側領域(22a)の先端部において剥離した空気は、吸込側領域(22a)の内周面(22s)の近傍に沿って流れやすくなり、吸込側領域(22a)の内周面(22s)に再付着しやすくなる。よって、羽根車(20)に吸い込まれる空気の剥離が抑制され、ファン性能を向上させることができる。
【0011】
(2)前記軸流送風機において、前記吸込側領域(22a)がフレア形状を有している場合には、主流が逆流を巻き込みやすく、リング部における吸込側領域の先端部において剥離がより生じやすくなる。したがって、このようなフレア形状の場合には、吸込側領域(22a)の内周面(22s)に複数のディンプル(24)を設けることによる剥離抑制効果がより顕著に得られる。
【0012】
(3)前記軸流送風機において、複数のディンプル(24)は、各ディンプル(24)の直径(D)が隣り合うディンプル(24)間の距離(G)よりも大きいという条件に基づいて配置されているのが好ましい。このように吸込側領域(22a)の内周面(22s)において、複数のディンプル(24)が比較的密に配列されることにより、剥離抑制の効果をより高めることができる。
【0013】
(4)前記軸流送風機において、各ディンプル(24)は、滑らかに湾曲する凹面形状を有しているのが好ましい。このように複数のディンプル(24)の形状が凹面形状に揃えられているので、吸込側領域(22a)の内周面(22s)では周方向においてばらつきの少ない剥離抑制効果を得ることができる。
【0014】
(5)本発明の空気調和機は、前記軸流送風機を室外ユニットの送風装置として用いたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、リング部の内周面における吸込側領域に、周方向に配列された複数のディンプルが設けられているので、ファン性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る軸流送風機を備えた空気調和機の室外ユニットを示す断面図である。
【図2】前記軸流送風機の羽根車を示す背面図である。
【図3】図2において二点鎖線で囲まれた領域(リング部)を拡大した図である。
【図4】前記羽根車のリング部を拡大した斜視図である。
【図5】(A)は、前記リング部に設けられたディンプルの直径及びディンプル間の距離を説明するための模式図であり、(B)は、ディンプルの直径及び深さを説明するための模式図である。
【図6】(A)は、前記実施形態に係る軸流送風機における空気の流れを示す模式図であり、(B)は、ディンプルが設けられていない参考例の軸流送風機における空気の流れを示す模式図である。
【図7】前記実施形態に係る軸流送風機の特性とディンプルが設けられていない軸流送風機の特性とを比較した結果を示すグラフであり、流量係数と静圧係数との関係を示している。
【図8】前記実施形態に係る軸流送風機の特性とディンプルが設けられていない軸流送風機の特性とを比較した結果を示すグラフであり、流量係数と比騒音との関係を示している。
【図9】前記実施形態に係る軸流送風機の特性とディンプルが設けられていない軸流送風機の特性とを比較した結果を示すグラフであり、流量係数と全圧効率との関係を示している。
【図10】前記リング部の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る軸流送風機10及びこれを備えた空気調和機の室外ユニット40について図面を参照して説明する。図1に示すように、室外ユニット40は、ケーシング41と、熱交換器42と、軸流送風機10とを備えている。ケーシング41には、空気吸込口43と空気吹出口44とが設けられている。熱交換器42は、上下方向に延びる形状を有しており、ケーシング41内において空気吸込口43側に配置されている。空気吹出口44にはグリル45が取り付けられている。
【0018】
軸流送風機10は、羽根車20と、ベルマウス30と、ファンモータ11とを備えている。軸流送風機10は、半開放型の軸流送風機である。すなわち、軸流送風機10では、ベルマウス30は、羽根車20の外周部における吹出側(図1における左側)の周りを囲んでおり、羽根車20の外周部における吸込側(図1における右側)は、ベルマウス30に囲まれておらず、開放されている。
【0019】
ファンモータ11は、グリル45に取り付けられている。ファンモータ11は、回転軸Aを中心に回転するシャフト12を有している。
【0020】
図1及び図2に示すように、羽根車20は、シャフト12に固定されたハブ23と、ハブ23の外周面から半径方向外側に放射状に延びる複数の羽根21と、複数の羽根21の外周縁部21aに沿って複数の羽根21と一体的に設けられたリング部22とを有している。
【0021】
リング部22は、吸込側領域に位置する吸込部22aと、吹出側領域に位置する吹出部22bとを有している。吹出部22bは、内径が一定の筒形状を有しており、後述するベルマウス30の仕切部30aの内周面に対して半径方向に対向している。吹出部22bの内周面は、各羽根21の外周縁部21aに接続されている。吹出部22bの端部の開口から空気が吹き出される。
【0022】
吸込部22aは、吹出部22bから気流の上流側に延びる部位であり、気流の上流側に向かうにつれて拡径するフレア形状を有している。吸込部22aの周囲は、ベルマウス30には囲まれていない。吸込部22aの内周面は、各羽根21の外周縁部21aから離隔している。
【0023】
ベルマウス30は、ケーシング41の前板41aに取り付けられている。ベルマウス30は、グリル45、ファンモータ11及び羽根車20と一体化(モジュール化)された後、前板41aに取り付けられる。
【0024】
ベルマウス30は、前板41aと平行に延びる平板部30bと、円形の空気吹出口44を区画する仕切部30aとを有している。仕切部30aは、リング部22の外周を囲むようにリング部22と所定の隙間をあけて配置されている。仕切部30aにおける空気の流れの上流側の部位は、内周面の内径がほぼ一定の筒形状を有しており、仕切部30aにおける空気の流れの下流側の部位は、下流側に向かうにつれて内周面の内径が大きくなるフレア形状を有している。
【0025】
このような軸流送風機10では、ファンモータ11により羽根車20が回転すると、空気吸込口43からケーシング41内に外部の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、熱交換器42において冷媒と熱交換した後、図1において二点鎖線の矢印の方向に進み、空気吹出口44を通じてケーシング41の外部に吹き出される。
【0026】
次に、リング部22の構成について詳しく説明する。リング部22の吸込部22aの内周面22sには、複数のディンプル24が設けられている。複数のディンプル24は、吹出部22bには設けられていない。複数のディンプル24は、フレア形状の内周面22sのほぼ全域に形成されている。複数のディンプル24は、周方向に配列されているとともに、空気の流れ方向にも配列されている。
【0027】
図5(A),(B)に示すように、各ディンプル24は、滑らかに湾曲する凹面形状(球面の一部のような凹面形状)を有している。各ディンプル24の開口部の形状はほぼ円形である。各ディンプル24の開口部における直径Dは、隣り合うディンプル間の距離G1,G2,G3よりも大きい。各ディンプル24の直径Dは、深さHよりも大きい(H/D<1)。本実施形態では、全てのディンプル24の直径Dは同じ寸法であり、全てのディンプル24の深さHは同じ寸法である。
【0028】
複数のディンプル24をリング部22の内周面22sに配置する方法の一例について説明する。以下では、図3に示すように、内周面22sにおいて、ディンプル24を周方向の全周にわたって規則的に点在させた環状の並びLが、空気の流れ方向に複数段設けられている(並びL1,L2,L3・・・)場合を例に挙げて説明する。また、層流から乱流へと流れの状態が遷移するときの臨界レイノルズ数Reを5000とし、各ディンプル24の深さHと直径Dとの比(H/D)を0.2とし、各ディンプル24の直径Dをファン径の100分の1とする。
【0029】
まず、並びL1の配置を決める際には、リング部22の吸込部22aの内周面22sにおいて、回転軸Aに直交する方向に平行な断面が設定される。ついで、この断面において回転軸Aを中心とする同心円上(内周面22sを通る円上)に例えば2°間隔でディンプル24の位置が決められる。
【0030】
次に、並びL2の配置を決める際には、並びL1よりも空気の流れの下流側(吹出側)にずれた位置に、上記とは別の断面が設定される。この断面において、並びL1と同様にして、回転軸Aを中心とする同心円上(内周面22sを通る円上)に2°間隔でディンプル24の位置が決められる。このとき、図3に示すように、並びL2の各ディンプル24は、並びL1のディンプル24に対して周方向に1°ずれた位置に配置される。以下、同様にして並びL3以降の並びLが決められる。なお、複数のディンプル24の配置方法は上記した方法に限定されず、他の方法を採用することもできる。
【0031】
図6(A)は、本実施形態に係る軸流送風機10における空気の流れを示す模式図であり、図6(B)は、ディンプルが設けられていない軸流送風機における空気の流れを示す模式図である。図6(B)に示す参考例の軸流送風機は、リング部にディンプルが設けられていないことを除いて、本実施形態に係る軸流送風機10と同様の構成を備えている。
【0032】
図6(A)に示す軸流送風機10及び図6(B)に示す参考例の軸流送風機では、リング部22とベルマウス30の仕切部30aとの隙間(チップクリアランス)において空気が逆流する現象が発生する。この逆流BFは、リング部22の内側を通過する主流MFの向きとは反対方向に流れる。
【0033】
図6(B)に示す参考例の軸流送風機では、上記のような逆流BFが生じると、主流MFが逆流BFを巻き込みながら羽根車20を通過するため、リング部22における吸込部22aの先端部及びその近傍では大きな剥離S2が生じる。また、この軸流送風機は、半開放型であるので、主流MFが逆流BFを巻き込みやすく、リング部22における吸込部の先端部において剥離が生じやすい。しかも、リング部22を有する羽根車20では回転軸A寄りの流れが支配的となるため、吸込部の内周面において剥離した流れは、リング部22の内周面に再付着しにくい。
【0034】
一方、図6(A)に示す本実施形態に係る軸流送風機10では、リング部22の内周面22sに周方向に配列された凹面状の複数のディンプル24が設けられている。これらのディンプル24は、その近傍を流れる空気に乱流を生じさせるので、ディンプル24の近傍を流れる空気と、その周囲の空気との混合が促進される。これにより、リング部22の吸込部22aの先端部において剥離した空気は、吸込部22aの内周面22sの近傍に沿って流れやすくなり、吸込部22aの内周面22sに再付着しやすくなる。よって、羽根車20に吸い込まれる空気の剥離が抑制され、ファン性能を向上させることができる。
【0035】
図7〜図9は、本実施形態に係る図6(A)に示す軸流送風機10の特性と、ディンプルが設けられていない図6(B)に示す参考例の軸流送風機の特性とを比較した結果を示すグラフである。図7のグラフでは、横軸が流量係数を示し、縦軸が静圧係数を示している。図8のグラフでは、横軸が流量係数を示し、縦軸が比騒音を示している。図9のグラフでは、横軸が流量係数を示し、縦軸が全圧効率を示している。
【0036】
図7からわかるように、ディンプル24を有する本実施形態の軸流送風機10では、ディンプルを有していない参考例の軸流送風機に比べて、全体的に静圧係数が高いことがわかる。特に、流量が大きい領域(図7のグラフの右側の領域)においては、静圧係数の差がより大きくなっており、ディンプル24の効果がより顕著に表れている。
【0037】
また、図8からわかるように、本実施形態の軸流送風機10では、参考例の軸流送風機に比べて、全体的に比騒音が低いことがわかる。特に、流量が大きい領域(図8のグラフの右側の領域)においては、比騒音の低下度合いがより大きくなっており、ディンプル24の効果がより顕著に表れている。
【0038】
また、図9からわかるように、本実施形態の軸流送風機10では、参考例の軸流送風機に比べて、全体的に全圧効率が高いことがわかる。特に、流量が大きい領域(図9のグラフの右側の領域)においては、全圧効率の差がより大きくなっており、ディンプル24の効果がより顕著に表れている。
【0039】
なお、上記グラフのデータに関する用語の定義は次の通りである。
【0040】
流量係数Φ=(Q/60)/(A・Ut)
静圧係数ψ=Ps/{(γ/2g)・Ut
全圧係数ηt={Q(Ps+Pt)}/6120・L
比騒音KSA[dB]=SPL−10log10{(Q・Ps)/60}2.5
軸動力L[kW]=(T・N)/974
Q:風量(m/min)
A:環状流路面積(m)
Ut:羽根先端周速度(m/s)
γ:空気の比重量(kgf/m)
Ps:静圧(mmAq)
Pt:全圧(mmAq)
SPL:騒音レベル(dB)
T:トルク(kgf・m)
N:ファン回転数(rpm)
g:重力加速度
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、リング部22における吸込側の領域に位置する吸込部22aの内周面22sに周方向に配列された複数のディンプル24を設けることによって剥離を抑制し、ファン性能を向上させることができる。すなわち、リング部22の吸込部22aの先端部において剥離して層流状態で流れる空気を複数のディンプル24によって乱流状態に遷移させることにより、空気の剥離を抑制する。具体的には次の通りである。
【0042】
複数のディンプル24は、その近傍を流れる空気に乱流を生じさせるので、ディンプル24の近傍を流れる空気と、その周囲の空気との混合が促進される。これにより、リング部22の吸込部22aの先端部において剥離した空気は、吸込部22aの内周面22sの近傍に沿って流れやすくなり、吸込部22aの内周面22sに再付着しやすくなる。よって、羽根車20に吸い込まれる空気の剥離が抑制され、ファン性能を向上させることができる。
【0043】
本実施形態では、複数のディンプル24は、各ディンプル24の直径Dが隣り合うディンプル24間の距離Gよりも大きいという条件に基づいて配置されている。このように吸込部22aの内周面22sにおいて、複数のディンプル24が比較的密に配列されることにより、剥離抑制の効果をより高めることができる。
【0044】
本実施形態では、各ディンプル24は、滑らかに湾曲する凹面形状を有している。このように複数のディンプル24の形状が凹面形状に揃えられているので、吸込部22aの内周面22sでは周方向においてばらつきの少ない剥離抑制効果を得ることができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
【0046】
例えば、前記実施形態では、ディンプル24がリング部22の吸込部22aの内周面22sに設けられ、吹出部22bには設けられていない場合を例示したが、これに限定されない。例えば図10に示すように、ディンプル24は、吸込部22aの内周面22sだけでなく、吹出部22bの内周面にも設けることができる。これにより、吹出部22bの内周面においても剥離が抑制される。
【0047】
前記実施形態では、複数のディンプル24の直径D及び深さHは同じ寸法に設定されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、空気の流れの下流側(吹出側)に向かうにつれてディンプル24の直径Dが次第に大きくなる領域又は次第に小さくなる領域が設けられていてもよい。同様に、空気の流れの下流側に向かうにつれてディンプル24の深さHが次第に大きくなる領域又は次第に小さくなる領域が設けられていてもよい。
【0048】
前記実施形態では、各ディンプル24の直径Dが隣り合うディンプル24間の距離Gよりも大きい場合を例示したが、これに限定されない。
【0049】
前記実施形態では、各ディンプル24が滑らかに湾曲する凹面形状(球面の一部のような凹面形状)を有している場合を例示したが、これに限定されない。例えば、各ディンプル24は、多面体の一部のような凹形状であってもよい。
【0050】
前記実施形態では、軸流送風機10が半開放型である場合を例示したが、これに限定されない。
【0051】
前記実施形態では、本発明の軸流送風機を空気調和機に適用した例について説明したが、本発明は、冷蔵機、冷凍機、ヒートポンプ給湯器などのような空気調和機以外の冷凍装置や、換気装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 軸流送風機
20 羽根車
21 羽根
22 リング部
22a 吸込部
22b 吹出部
23 ハブ
24 ディンプル
30 ベルマウス
30a 仕切部
D ディンプルの直径
G(G1,G2,G3) 隣り合うディンプル間の距離
H ディンプルの深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(A)の周りに設けられた複数の羽根(21)と、前記複数の羽根(21)の外周縁部に沿って前記複数の羽根(21)と一体的に設けられたリング部(22)とを有する羽根車(20)と、
前記リング部(22)の外周を囲むように前記リング部(22)と所定の隙間をあけて配置され、空気の流路を区画する仕切部(30a)と、を備え、
前記リング部(22)の吸込側領域(22a)の内周面(22s)には、周方向に配列された複数のディンプル(24)が設けられている、軸流送風機。
【請求項2】
前記吸込側領域(22a)は、フレア形状を有している、請求項1に記載の軸流送風機。
【請求項3】
各ディンプル(24)の直径(D)は、隣り合うディンプル(24)間の距離(G)よりも大きい、請求項1又は2に記載の軸流送風機。
【請求項4】
各ディンプル(24)は、滑らかに湾曲する凹面形状を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸流送風機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸流送風機を室外ユニットの送風装置として用いたことを特徴とする空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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