説明

軸状部品用支持トレー

【課題】複数本のガラス細管を適正かつ容易に整列させ、かつ保持することができる軸状部品用支持トレーを提供する。
【解決手段】本発明に係る軸状部品用支持トレー20は、軸状部品(ガラス細管)21を個々に収容する溝部25を備えたトレー片22A〜22Cがガラス細管21の軸方向に沿って複数設置されており、これらトレー片22A〜22C上の溝部25にガラス細管を各々収容した後、保持部材24を設置することで、保持部材24とトレー片22A〜22Cとの間でガラス細管21を複数本同時に挟み込む。ガラス細管21の整列配置を行う際、表面に各段のトレー片22A〜22Cの溝部25と整列する直線的なガイド溝31が複数本平行に形成された整列用治具30を用いることにより、ガラス細管21の収容位置の位置ずれを防止して作業効率の大幅な向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス管等の長尺の軸状部品を複数本、整列状態で保持する軸状部品用支持トレーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、蛍光管などの放電管は、放電ガスを密封したガラス管で構成されている。このガラス管内への放電ガスの封入には、例えば図6に概略的に示すガス封入装置が広く用いられている。
【0003】
図6に示すガス封入装置において、複数本のガラス管10が各々、その軸方向を鉛直方向に向けて真空チャンバ2の内部に収容されている。この状態において、排気バルブ5を開放し図示しない真空ポンプを作動させて真空チャンバ2の内部を所定の真空度にまで減圧する。次いで、バルブ4を操作して、真空チャンバ2へ所定の導入圧で放電ガスを供給する。真空チャンバ2へ導入された放電ガスは、各ガラス管10の内部へ充填される。その後、放電ガスの導入を停止し、ガラス配管10の開口端を溶融温度に加熱することで封着する。これにより、ガラス管10の内部に所定圧の放電ガスが封入される。
【0004】
ところで、上述したようなガス封入装置を用いたガス封入方法においては、複数本のガラス管を一括処理するための保持具が用いられている(例えば特許文献1参照)。従来の保持具としては、例えば図7に示すように、上部プレート12Aと、下部プレート12Bと、各プレート12A,12Bを一体支持するスペーサ13からなる支持トレー11が用いられている。各プレート12A,12Bには、ガラス管10が挿通される複数の挿通孔14が設けられている。そして、これら各挿通孔14にガラス管10を一本ずつ挿通することで、複数本のガラス管10を一括して保持するようにしている。
【0005】
挿通孔14は、各段のプレート12A,12Bにおいて共通の位置に形成されており、各ガラス管10が各段のプレート12A,12Bの対応する挿通孔14へそれぞれ挿通されることで、全てのガラス管10が一定の平行度をもって支持トレー11に支持されるようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−228727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した構成の支持トレー11においては、各プレート12A,12Bの挿通孔14にガラス管10を一本ずつ挿通する必要があり、ガラス管10の本数増に応じて作業の煩雑性が増すという問題がある。
【0008】
また、従来の支持トレー11においては、各段のプレート12A,12Bに対して、ガラス管10をそれぞれ対応する挿通孔14に適正に挿通させる必要があり、作業効率が悪いという問題がある。また、挿通孔14へのガラス管の挿通位置を誤ると、ガラス管同士が交差したり、ガラス管にストレスが及んで破損したりするおそれが高い。この問題は、使用するプレートの段数が多いほど、またはガラス管が長尺であるほど顕著に発生する。
【0009】
更に、従来の支持トレー11においては、ガラス管10を図7に示したように鉛直方向に向けた際、トレー11からのガラス管10の落下を防止するための対策が別途必要になる。
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、複数本のガラス管を適正かつ容易に整列させ、かつ保持することができる軸状部品用支持トレーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するに当たり、本発明の軸状部品用支持トレーは、長尺の軸状部品を複数本、整列状態で保持するための軸状部品用支持トレーであって、前記軸状部品をその軸方向に沿った複数の位置で各々支持する複数のトレー片と、前記複数のトレー片を支持するフレームと、前記複数のトレー片のうち少なくとも1つのトレー片に着脱自在に取り付けられ、当該トレー片との間で複数本の前記軸状部品を同時に挟み込む保持部材とを備え、前記複数のトレー片の各々には、前記軸状部品の軸方向と交差する方向に沿って前記軸状部品を個々に収容する複数の溝部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の軸状部品用支持トレーは、軸状部品を個々に収容する溝部を備えたトレー片が軸状部品の軸方向に沿って複数設置されており、これらトレー片上の溝部に軸状部品を各々収容した後、上記保持部材を設置することで、保持部材とトレー片との間で軸状部品を複数本同時に挟み込むようにしている。トレー片の溝部は、軸状部品の軸方向と交差する方向に沿って設けられているため、各段のトレー片上において軸状部品は並列して載置されることになる。また、溝部を各段のトレー片上の共通の位置に形成することで、支持トレー上で複数本の軸状部品を平行に載置することができる。
【0013】
したがって、本発明に係る支持トレーにおいては、各トレー片の個々の溝部に軸状部品を落とし込むだけで複数本の軸状部品を所期の姿勢に整列配置させることができるので、トレーに対する軸状部品のセッティング作業を適正かつ容易に行えるようになる。また、保持部材によって複数本の軸状部品を同時に保持することができるので、トレーからの軸状部品の落下防止対策のための作業を簡素化できる。
【0014】
また、本発明の支持トレーにおいて、各段のトレー片は、一側面部に上記溝部が櫛歯状に形成された板状部を備えている。この構成により、トレー全体の軽量化を図ることができるとともに、各トレー片において軸状部品と溝部の間の接触領域を小さくできるので、溝部の加工作業が容易となる。また、各トレー片の熱容量を小さくできるので、加熱処理の際、溝部に対する軸状部品の接触部と非接触部の温度差を小さく抑えることができる。
【0015】
ここで、各トレー片に形成される溝部の深さを、軸状部品の軸径または高さと同等の大きさに形成することで、溝部に収容された軸状部品の上を他の軸状部品が円滑に通過できるようになる。これにより、軸状部品のトレーへの搭載性を高め、作業性の更なる向上が図れるようになる。
【0016】
更に、本発明の支持トレーにおいて、軸状部品の整列配置を行う際、表面に各段のトレー片の溝部と整列する直線的なガイド溝が複数本平行に形成された整列用治具を用いることにより、軸状部品の収容位置の位置ずれを防止して作業効率の大幅な向上を図ることができる。また、トレーに対する軸状部品のセッティング作業を常に適正に行うことができる。
【0017】
一方、各段のトレー片上に載置された軸状部品を上記保持部材で固定する際、この保持部材とトレー片との間に緩衝材を設置することで、保持部材との接触による軸状部品の損傷を防止できるとともに、緩衝材との接触摩擦力によって軸状部品のトレーからの落下を阻止することができる。上記緩衝材は特に限定されず、軸状部品の構成材料によって適宜選定される。例えば、軸状部品がガラス管等の場合には、ガラスウールを用いることが好ましい。軸状部品は、ガラス細管に限られず、金属材料やプラスチック材料等で構成された中空の管状部品あるいは中実の棒状部品などが適用される。なお、軸状部品の断面形状、長さ等も特に制限されない。特に本発明は、断面積が小さく長尺な部品ほど顕著な効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、本発明の軸状部品用支持トレーによれば、トレーに対する軸状部品のセッティング作業を適正かつ容易に行えるようになる。また、保持部材によって複数本の軸状部品を同時に保持することができるので、トレーからの軸状部品の落下防止対策のための作業を簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態による軸状部品用支持トレー(以下単に「支持トレー」ともいう。)20の全体構成を示す斜視図である。図1に示す支持トレー20は、複数本のガラス細管21を搭載した状態を示している。ガラス細管21は本発明の「軸状部品」に相当するもので、例えば、放電ガスが封入される蛍光管等の放電管として用いられる。支持トレー20は、これら複数のガラス細管21を保持した状態で、図示しないガス封入装置に装填するためのものである。
【0021】
図示するガラス細管21は、両端が開口あるいは一端が開口し他端が閉塞した同一形態のガラス管であり、その断面形状は円形状、四角形状、扁平楕円形状等とされる。具体的に、本実施形態のガラス細管21は、断面形状が直径0.8mmの円形状に形成されているが、寸法や形状は勿論これに限られない。また、ガラス細管21は何れも同一の長さに加工されており、例えば960mmである。更に、ガラス細管21はホウケイ酸ガラスや石英等で構成されている。
【0022】
次に、支持トレー20の詳細について説明する。
【0023】
支持トレー20は、複数のトレー片22A,22B,22Cと、これら複数のトレー片22A〜22Cを支持するフレーム23,23と、各トレー片22A〜22Cにそれぞれ着脱自在に取り付けられ、トレー片22A〜22Cとの間で複数本のガラス細管21を同時に挟み込む保持部材24とを備えている。
【0024】
トレー片22A〜22Cは、ガラス細管21をその軸方向に沿った複数の位置で支持するためのもので、それぞれ離間して配置されている。なお図示の例では、互いに等間隔で設置された3つのトレー片22A〜22Cでガラス細管21を支持するように構成されているが、トレー片の設置数、設置間隔等はこれに限定されない。また、トレー片22A〜22Cは金属材料で構成されるが、これに限られず、例えばガラス材(石英)等を用いてもよい。
【0025】
各トレー片22A〜22Cはその両端部においてフレーム23,23と一体化されている。トレー片22A〜22Cとフレーム23,23の間の固定には、接着、溶接、ネジ止め等の適宜の固着手段が用いられる。なお、フレーム23は図示する板状の部材で構成する場合に限られず、例えばパイプ等の軸状部材で構成し、各トレー片22A〜22Cの両端部に挿通してもよい。この場合、当該フレームに対して各トレー片の取付位置を可変とするのが好ましい。
【0026】
図2はトレー片22A〜22Cの構成を示す斜視図である。トレー片22A〜22Cはそれぞれ同一の形状、大きさで構成されており、一側面部(図において上面側の側部)にガラス細管21を個々に収容する複数の溝部25が櫛歯状に形成された板状部26を備えている。各トレー片22A〜22Cは、その長手方向がガラス細管21の軸方向と直交するように配置されるため、溝部25は、ガラス細管21の軸方向と直交する方向に沿って設けられている。なお、トレー片22A〜22Cに形成される溝の数は図示の例に限られず、収容する部品の大きさやトレーの大きさに応じて、数十〜数百のオーダーで適宜設定される。
【0027】
本実施形態では、溝部25は、各トレー片22A〜22Cにおいてそれぞれ共通の位置に等間隔に形成されている。ガラス細管21は、各トレー片22A〜22Cの同一位置上の溝部25にそれぞれ収容されることにより、等間隔で平行に整列配置される。各溝部25は、同時に2本以上のガラス細管21が収容されない大きさに形成されており、断面形状は、ガラス細管21の断面形状等に応じて適宜形成される。具体的に、ガラス細管21の断面形状が直径0.8mmの円形状である場合、溝部25は、例えば0.9mm×0.9mmの四角形状に形成される。
【0028】
トレー片22A〜22Cの長さ方向の両端部には、フレーム23に結合される柱状の基部27,27がそれぞれ設けられている。基部27は板状部26と一体的に形成されていてもよいし、板状部26とは別部品で構成されていてもよい。基部27の上端面には、保持部材24をトレー片22A〜22Cに締結するボルトやネジ等の締結孔27aがそれぞれ形成されている。
【0029】
図3は、トレー片22A〜22Cに対するガラス細管21の整列用治具30を設置した状態の支持トレー20を示している。整列用治具30は、トレー片22A〜22Cと同一高さのブロック体で構成されており、トレー片22Aとトレー片22Bの間およびトレー片22Bとトレー片22Cの間に着脱自在に取り付けられる。整列用治具30の表面には、トレー片22A〜22Cの溝部25と整列する直線的なガイド溝31が複数本平行に形成されている。ガイド溝31の断面形状は、トレー片22A〜22Cの溝部25の断面形状と同等の形状に形成されている。
【0030】
整列用治具30は、各トレー片22A〜22Cの溝部25に対するガラス細管21の収納性を高めるためのものであり、図2の状態で支持トレー20上にランダムに載置された複数本のガラス細管21を、トレー上を滑らせながらガイド溝31の未収納部に順次収納させる。これにより、トレー片22A〜22Cの溝部25へのガラス細管21の収容作業性を高め、位置ズレを防止しながら、短時間で効率よく、ガラス細管21を所期の整列姿勢でトレーに搭載できるようになる。図4に、ガラス細管21を整列姿勢で支持した状態の支持トレー20を示す。
【0031】
上述のように、整列用治具30は、その上でガラス細管21を滑らせて各トレー片22A〜22Cの溝部25に落とし込む作用を有するものであるため、ガラス細管21を滑動時にガラス細管21を損傷させない軟質の材料で形成されるのが好ましい。具体的に、ポリカーボネート樹脂や「テフロン(デュポン社の登録商標)」の商品名で知られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、あるいはこれらに代わる低摩擦性合成樹脂材料が好適に用いられる。
【0032】
次に、保持部材24は、各トレー片22A〜22Cの溝部25に各々収容されたガラス細管21の整列姿勢を保持することと、支持トレー20を縦向きにした際のガラス細管21の落下を防止するためのものである。図示の例では、各トレー片22A〜22Cに対して保持部材24をそれぞれ取り付けた例を示しているが、これに限られず、複数のトレー片22A〜22Cのうち少なくとも1つのトレー片にのみ保持部材24を取り付けることによっても、ガラス細管21の整列姿勢を同様に保持することは可能である。
【0033】
保持部材24は、トレー片22A〜22Cと同等の幅、長さの板片で構成され、その長手方向の両端位置で、トレー片22A〜22Cの基部27,27にボルト28を介して取り付けられる。これにより、各段のトレー片22A〜22Cにおいてすべてのガラス細管21が1つの保持部材24によって同時に保持される。
【0034】
保持部材24は金属材料で構成されるが、これに限られない。また、保持部材24との接触によるガラス細管21の損傷を防止するために、保持部材24はトレー片22A〜22Cに対して緩衝材(図示略)を介して設置されている。本実施形態では、上記緩衝材としてガラスウールが用いられている。このガラスウールが保持部材24と各ガラス細管21の間に介在することによって、ガラス細管21を保持部材24による保持作用から効果的に保護することができる。また、ガラスウール(緩衝材)の摩擦力によって、支持トレー20を垂直方向に立てた際のガラス細管21の自重による落下を防止することができる。
【0035】
なお、緩衝材として用いるガラスウールは、繊維径が例えば10μm以下のものが好ましい。また、ガラスウールの形状は、綿状、シート状、ロール状など何れのものでも構わない。
【0036】
本実施形態の支持トレー20は以上のようにして構成される。次に、この支持トレー20へのガラス細管21の搭載方法について説明する。
【0037】
まず、支持トレー20の保持部材24を取り外し、図2に示したように各トレー片22A〜22Cの溝部25を上方側に開放する。次に、図3に示すように、隣接するトレー片22A〜22Cの間に整列用治具30を設置し、トレー片22A〜22Cの溝部25に整列用治具30のガイド溝31を合わせる。
【0038】
続いて、図3に示した状態において、複数本のガラス細管21を支持トレー20上にランダムに載せる。ガラス細管21の本数は特に制限されないが、支持トレー20で支持できる本数以上あればよい。そして、支持トレー20上でガラス細管21を滑らせながら、ガイド溝31に入っていくものから順次ガラス細管21をガイド溝31に落とし込み、最終的に、図4に示したように、すべてのガイド溝31にガラス細管21を収容する。
【0039】
また、各トレー片22A〜22Cの溝部25および整列用治具30のガイド溝31の深さを、ガラス細管21の軸径または高さと同等の大きさに形成することで、溝部25およびガイド溝31に収容されたガラス細管21の上を他のガラス細管21が円滑に通過できるようになり、ガラス細管21の支持トレー20への搭載性を高め、作業性の向上が図れるようになる。
【0040】
その後、余剰のガラス細管21を支持トレー20の上から除去する。そして、トレー片22A〜22Cに保持部材24を取り付け、ガラス細管21をトレー上で一括保持する。その後、支持トレー20から整列用治具30を取り外す。なお、保持部材24の取付けは、整列用治具を支持トレー20から取り外した後に行うようにしてもよい。
【0041】
以上のようにして、図1に示したように、支持トレー20上に複数本のガラス細管21が各々所定の間隔をおいて平行に整列保持される。ガラス細管21は、支持トレー20に支持された状態で、その軸方向を鉛直方向に向けて図示しないガス封入装置の真空チャンバに装填される。ガラス細管21は、緩衝材(ガラスウール)を介して保持部材24とトレー片22A〜22Cとの間に挟み込まれているので、支持トレー20から落下することが防止される。
【0042】
本実施形態によれば、各トレー片22A〜22Cの個々の溝部25にガラス細管21を落とし込むだけで複数本のガラス細管21を所期の姿勢に整列配置させることができるので、支持トレー20に対するガラス細管21のセッティング作業を適正かつ容易に行えるようになる。また、セッティング中のガラス細管21の損傷も防止できる。更に、保持部材24によって複数本のガラス細管21を同時に保持することができるので、支持トレー20からのガラス細管21の落下防止対策のための作業を簡素化できる。
【0043】
また、本実施形態によれば、各段のトレー片22A〜22Cを、溝部25が櫛歯状に形成された板状部26で構成したことにより、トレー全体の軽量化を図ることができるとともに、各トレー片22A〜22Cにおいてガラス細管21と溝部25の間の接触領域を小さくできるので溝部25の加工作業が容易となる。
【0044】
更に、ガラス細管21の整列配置を行う際、上述した構成の整列用治具30を用いることにより、ガラス細管21の収容位置の位置ずれを防止して作業効率の大幅な向上を図ることができる。また、トレーに対する軸状部品のセッティング作業を常に適正に行うことができる。
【0045】
特に、本実施形態においては、アスペクト比の大きい複数の長尺細管状部品の整列保持作業に非常に有効であるとともに、放電管製造用のガス封入装置に対する装着性にも優れるため、放電管の生産性の向上を図ることが可能となる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0047】
例えば以上の実施形態では、図1に示したように支持トレー20を単段で使用する例について説明したが、これに限られず、図5に示したように、支持トレー20を複数、段積みして使用することも可能である。これにより、ガラス細管21の処理本数を大幅に増加させることができる。なお、この場合、各段の支持トレー20のフレーム33に対して位置決めピン34を共通に挿通することによって、支持トレー20間の一体化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態による支持トレーの構成を示す斜視図である。
【図2】図1の支持トレーにおける各トレー片の構成を示す斜視図である。
【図3】図1の支持トレーに用いられる整列用治具の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態による支持トレーに対する軸状部品の搭載方法を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施形態による支持トレーの構成の変形例を示す斜視図である。
【図6】ガラス細管へ放電ガスを封入するガス封入装置の概略構成図である。
【図7】従来の支持トレーの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
20 支持トレー
21 ガラス細管(軸状部品)
22A,22B,22C トレー片
23 フレーム
24 保持部材
25 溝部
26 板状部
27 基部
30 整列用治具
31 ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の軸状部品を複数本、整列状態で保持するための軸状部品用支持トレーであって、
前記軸状部品をその軸方向に沿った複数の位置で各々支持する複数のトレー片と、
前記複数のトレー片を支持するフレームと、
前記複数のトレー片のうち少なくとも1つのトレー片に着脱自在に取り付けられ、当該トレー片との間で複数本の前記軸状部品を同時に挟み込む保持部材とを備え、
前記複数のトレー片の各々には、前記軸状部品の軸方向と交差する方向に沿って前記軸状部品を個々に収容する複数の溝部が設けられていることを特徴とする軸状部品用支持トレー。
【請求項2】
前記トレー片は、一側面部に前記溝部が櫛歯状に形成された板状部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項3】
前記溝部の形成深さが、前記軸状部品の軸径または高さと同等の大きさに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項4】
前記複数のトレー片の各トレー片の間に着脱自在に取り付けられ、表面に前記溝部と整列する直線的なガイド溝が複数本平行に形成された整列用治具を備えたことを特徴とする請求項1に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項5】
前記保持部材は、前記トレー片に対して、緩衝材を介して設置されていることを特徴とする請求項1に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項6】
前記緩衝材は、ガラスウールであることを特徴とする請求項5に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項7】
前記軸状部品は、管状部品であることを特徴とする請求項1に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項8】
前記軸状部品は、ガラス管であることを特徴とする請求項7に記載の軸状部品用支持トレー。
【請求項9】
前記複数のトレー片を支持するフレームが複数、段積みされていることを特徴とする請求項1に軸状部品用支持トレー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−201430(P2008−201430A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37785(P2007−37785)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】