説明

軽量コンクリート組成物

使用する成分の合計が100容量%を超えず、8から20容量%のセメント、11から50容量%の砂、10から31容量%の予備発泡粒子、9から40容量%の粗骨材及び10から22容量%の水を含有する軽量レディーミクスコンクリート組成物。前記予備発泡粒子は、0.2から8mmの平均粒径、0.02から0.64g/ccのかさ密度及び1から3のアスペクト比を有している。組成物のASTM C143に従って測定したスランプ値は2から8インチである。軽量レディーミクスコンクリート組成物は28日間凝結させた後、ASTM C39に従って試験して少なくとも1400psiの圧縮強度を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常建設業及び建築業における物質として有用な新規な組成物、材料、その使用方法及びその製造方法に関する。より具体的には、本発明の組成物は、高い強度及びしばしば改善された絶縁性を有する比較的に軽量で増量可能、成形可能、注入可能な材料の恩恵を受ける建設及び建築用途で使用され得る。
【背景技術】
【0002】
所謂軽量コンクリートのような軽量セメント質材料の製造及び使用の分野において、今まで販売されている材料は通常、各種成分の高い均質性を有し、コンクリート塊全体にわたって均一に結合している強いが軽量のコンクリート塊を得るために通常各種成分の添加を必要としている。
【0003】
米国特許3,214,393、3,257,338及び3,272,765は、セメント、主骨材、粒状発泡スチレンポリマー及び均質化及び/または界面活性添加剤を含有するコンクリート混合物を開示している。
【0004】
米国特許3,021,291は、コンクリート混合物を流し込む前に、コンクリート混合物に養生中熱の影響下で膨張するポリマー材料を配合することによる気泡コンクリートの製造方法を開示している。ポリマー粒子の形及び大きさは重要でない。
【0005】
米国特許5,580,378は、フライアッシュ、ポルトランドセメント、砂、石灰、及び軽量化成分として50から2000μmの範囲の粒子サイズ及び約1lb/ftの密度を有する超微粉ポリスチレン粒子を含み得る水性セメント質混合物から構成される軽量セメント質製品を開示している。前記混合物は成形品、例えば基礎壁、瓦、煉瓦等に注入され得る。前記製品は組積モルタル、プラスター、スタッコまたはテクスチャーとしても使用され得る。
【0006】
JP 9 071 449は、ポルトランドセメント及び軽量骨材、例えば骨材の一部または全部として発泡ポリスチレン、パーライトまたはヒル石を含む軽量コンクリートを開示している。前記発泡ポリスチレンは0.1から10mmの粒径及び0.01から0.08の比重を有している。
【0007】
米国特許5,580,378、5,622,556及び5,725,652は、セメント;膨張頁岩、粘土、スレート、フライアッシュ及び/または石灰;及び50から2000μmの範囲の粒子サイズを有する超微粉ポリスチレン粒子である軽量化成分を含む水性セメント質混合物から構成され、0.5から50% v/vの範囲の含水量を有することを特徴とする軽量セメント質製品を開示している。
【0008】
米国特許4,265,964は、低密度発泡性熱可塑性顆粒、セメント質母材(例えば、セッコウ)、界面活性剤、混合物に適当量の空気を導入するための起泡剤として作用する混和剤、フイルム形成成分及びデンプンを含む構造単位(例えば、ウォールボードパネル等)用軽量組成物を開示している。前記発泡性熱可塑性顆粒はできる限り完全に発泡させる。
【0009】
WO 98 02 397は、骨材として合成樹脂フォームを含有し、約1.6から2の比重を有する水硬結合剤組成物を成形することにより作られる軽量コンクリートルーフィングタイルを開示している。
【0010】
WO 00/61519は、約40から99%の有機ポリマー材料及び1から約60%のAE剤のブレンドを含む軽量コンクリートを開示している。前記ブレンドは、ポリスチレン骨材を用いる軽量コンクリートを作成するために使用される。前記ブレンドは、ポリスチレン骨材を分散させ且つポリスチレン骨材と周囲のセメント質結合剤間の結合を向上させるために必要である。
【0011】
WO 01/66485は、5から80容量%のセメント、10から65容量%の発泡ポリスチレン粒子、10から90容量%の膨張無機粒子、及び適切に混合後発泡ポリスチレンが実質的に均一に分布しているペーストを作成するのに十分な水を含有する軽量セメント質混合物を開示している。
【0012】
米国特許6,851,235は、水、セメント、及び3.18mm(1/8インチ)から9.53mm(3/8インチ)の直径を有する発泡ポリスチレン(EPS)フォームビーズの混合物を68から95リッター(18から25ガロン)の水、150から190kg(325から425lb)のセメント及び850から1400リッター(30から50ft)の予備発泡ビーズの比率で含む建築ブロックを開示している。
【0013】
米国特許5,913,791は、ブロックの外表面の一方または両方上に貫入ファスナー(釘、ねじ、ステップル等)を受容し、保持するセメントベースの取り付け層を有する建築ブロックを開示している。1つのセメントベース層は第1比率で水、セメント及び発泡ポリスチレンフォームビーズを含有し、第2の外表面は第1比率とは異なる第2比率で水、セメント及び発泡ポリスチレンフォームビーズを含有している。
【0014】
一般的に、従来技術は、組成物の全重量を減らすためにコンクリート組成物中に幾つかの形態の発泡ポリマーを使用する有用性を認識している。発泡ポリマーは主にコンクリート中のスペースを占めて、ボイドを形成すべく添加されており、発泡ポリマー中の“エアスペース”の量は典型的には上記目的を達成するために最大とされている。一般的に、従来技術は、発泡ポリマー粒子は軽量コンクリート組成物の強度及び/または構造保全性を低下させると推定している。更に、従来技術の軽量コンクリート組成物から作成したコンクリート物品は最良でも一致しない物性(例えば、ヤング率、熱伝導性及び圧縮強度)を有しており、典型的には所望の物性よりも劣る物性を示している。
【0015】
従って、当業界では、上記した問題を解消して予想できる所望の物性を有する軽量コンクリート物品を提供する軽量コンクリート組成物が要望されている。
【発明の開示】
【0016】
(発明の概要)
本発明は、使用する成分の合計が100容量%を超えず、8から20容量%のセメント、11から50容量%の砂、10から31容量%の0.2から8mmの平均粒径、0.02から0.64g/ccのかさ密度及び1から3のアスペクト比を有する予備発泡粒子、9から40容量%の粗骨材及び10から22容量%の水を含有する軽量レディーミクスコンクリート組成物を提供する。前記組成物のASTM C143に従って測定したスランプ値は2から8インチである。軽量レディーミクスコンクリート組成物を28日間凝結させた後、ASTM C39に従って試験した圧縮強度は少なくとも1400psiである。
【0017】
(発明の詳細な記述)
明細書及び請求の範囲中で使用されている成分の量、反応条件等を指すすべての数字または語句は、実施例中のものまたは他の方法で指定されている場合を除いていずれの場合も用語「約」により修飾されると理解される。従って、反対の指示がない限り、明細書及び請求の範囲中に記載されている数的パラメーターは、本発明が求めている所望特性に応じて異なり得る概算である。請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、せめて数的パラメーターの各々は少なくとも報告されている有効数字の数にてらし、通常の丸め技術を適用して解釈されるべきである。
【0018】
本発明の広い範囲を規定する数的範囲及びパラメーターは概算であるが、具体的実施例に記載されている数値はできるだけ正確に報告されている。しかしながら、数値はすべて本質的にそれぞれの試験方法で見られる標準偏差から必ず生ずるある誤差を含んでいる。
【0019】
また、本明細書中に挙げられている数的範囲はここに包含されているすべてのサブ範囲を含むと意図されると理解されるべきである。例えば、「1から10」の範囲は1という最小値と10という最大値を含めたこれらの範囲のすべてのサブ範囲を含むと意図される。すなわち、最小値は1またはそれを超え、最大値は10またはそれ未満である。開示されている数的範囲は連続しているので、最小値と最大値の範囲のすべての値を含んでいる。他の方法で明白に示されていない限り、本明細書中に特定されているいろいろな数的範囲は概算である。
【0020】
本明細書中で使用されている用語「ボイドスペースを含む粒子」は、本明細書中に記載されている予備発泡粒子の非限定例として空気、特殊ガス、またはガスの組合せを含んでいる発泡ポリマー粒子、予備発泡粒子、及びその少なくとも一部が完全に包囲されている気泡及び/またはハチの巣状チャンバを含んでいる他の粒子を指す。
【0021】
本明細書中で使用されている用語「セメント」及び「セメント質」は、最終製品そのものではなく、コンクリートまたは他のモノリシック製品を結合させる材料を指す。特に、水硬性セメントは、最終硬化製品を得るために十分量の水の存在下で水和反応を受けることにより凝結し、硬化する材料を指す。
【0022】
本明細書中で使用されている用語「セメント質混合物」は、セメント材料及び1つ以上の充填剤、補助剤、または養生時に硬化するスラリーを形成する当業界で公知の他の骨材及び/または材料を含む組成物を指す。セメント材料には水硬性セメント、セッコウ、セッコウ組成物、石灰等が含まれるが、これらに限定されず、水を含んでいてもいなくてもよい。補助剤及び充填剤には砂、粘土、フライアッシュ、骨材、AE剤、着色剤、混和剤/流動化剤等が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書中で使用されている用語「コンクリート」は、セメント質混合物を十分な水と混合してセメント質混合物を凝結させ、塊全体を結合させることにより作成した硬くて強い建築材料を指す。
【0024】
本明細書中で使用されている用語「レディーミクス」は、作業現場で混合する代わりに中央プラントからデリバリーするためにまとめて処理されるコンクリートを指す。典型的には、レディーミクスのバッチは特殊建設プロジェクトの特質に従ってテーラーメードされ、可塑状態で、通常しばしば“セメントミキサー”と呼ばれている円筒形トラックを用いてデリバリーされる。
【0025】
本明細書中で使用されている容量%及び重量%はすべて、水の特定の容量または重量の使用を意図している。ドライミクスまたはレディーミクス組成物を指すときの特定量は、使用のために最終的に配合、混合及び他の方法で用意されるときにドライミクスまたはレディーミクスに相応量の水を添加すると予想される同一比率にある。
【0026】
本明細書中に記載されている組成範囲はすべて実際合計で100%(容量%または重量%)に限定され、100%(容量%または重量%)を超えない。組成物中に複数の成分が存在し得る場合、各成分の最大量の合計は100%を超え得、当業者が容易に理解するように実際使用される成分の量は100%の最大に一致すると理解される。
【0027】
本明細書中で使用されている用語「(メタ)アクリル酸」及び「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸及びメタクリル酸誘導体の両方、例えばアクリレート及び(メタ)アクリレートとしばしば称されている対応のアルキルエステルを含むことを意味し、用語「(メタ)アクリレート」は包含すると意味する。
【0028】
本明細書中で使用されている用語「ポリマー」は、非限定的にホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、並びにそのブレンド及び組合せを包含すると意味する。
【0029】
広義に、本発明は、成形品における空気同伴のコントロール方法を提供する。成形品は成形可能な材料から作成され、空気を構造的に支持する方法で同伴するためにボイドスペースを含有する粒子が使用されている。ボイドスペースを含有する粒子が成形過程中に壊されない限り適当な成形可能な材料が使用され得る。
【0030】
本明細書中で使用されている用語「複合材料」は、異なる物理的特徴を有する2つ以上の物質を含み、各物質はその一体性を保持しつつ全体に所望の特性を付与している固体材料を指す。非限定例として、複合材料には予備発泡ビーズが均一に分散され、埋め込まれているコンクリートが含まれ得る。
【0031】
よって、本発明は、成形可能な材料及びボイドスペースを含有する粒子を合わせて混合物を生成し、この混合物を型枠に入れて形成される物品の空気同伴のコントロール方法に関する。
【0032】
本明細書はポリマー粒子を含むセメント質混合物を詳細に記載しているが、本明細書中に記載されている概念及び実施形態は当業者により上記した他の用途に対して適用され得る。
【0033】
本発明の実施形態は、セメント質混合物及びポリマー粒子を含む軽量コンクリート(LWC)組成物に関する。驚くことに、発泡ポリマー粒子のサイズ、組成、構造及び物性、幾つかの場合にはその樹脂ビーズ前駆体が本発明のLWC組成物から作成したLWC物品の物性にかなりの影響を及ぼし得ることが知見された。得られるLWC物品の物性に対するビーズサイズと発泡ポリマー粒子密度間の関係を特に注目されたい。
【0034】
本発明の一実施形態では、セメント質混合物は水性セメント質混合物であり得る。
【0035】
場合により発泡ポリマー粒子であり得るポリマー粒子は、LWC組成物中にLWC組成物の全容量に基づいて少なくとも10容量%、幾つかの例では少なくとも15容量%、他の例では少なくとも20容量%、90容量%以下、幾つかの場合に75容量%以下、他の場合には60容量%以下、幾つかの例では50容量%以下、他の例では40容量%以下、特定の例では35容量%以下、幾つかの場合には31容量%以下のレベルで存在している。ポリマーの量は最終LWC物品において所望される特定の物性に応じて異なる。LWC組成物中のポリマー粒子の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0036】
ポリマー粒子には、適当な発泡性熱可塑性材料から誘導される粒子が含まれ得る。実際のポリマー粒子は最終LWC物品において所望される特定の物性に基づいて選択される。非限定例として、場合により発泡性ポリマー粒子であり得るポリマー粒子には、ビニル芳香族モノマーのホモポリマー、少なくとも1つのビニル芳香族モノマーと1つ以上のジビニルベンゼン、共役ジエン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニトリル及び/または無水マレイン酸とのコポリマー、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、天然ゴム、合成ゴム及びその組合せから選択される1つ以上のポリマーが含まれ得る。
【0037】
本発明の一実施形態では、ポリマー粒子にはビニル芳香族モノマー(例えば、スチレン、イソプロピルスチレン、α−メチルスチレン、核メチルスチレン、クロロスチレン、tert−ブチルスチレン等)から誘導されるホモポリマー、並びに少なくとも1つの上記したビニル芳香族モノマーがコポリマーの少なくとも50重量%の量で存在している該ビニル芳香族モノマーと1つ以上の他のモノマーを共重合することにより製造されるコポリマーから選択される熱可塑性ホモポリマーまたはコポリマーが含まれる。前記した他のモノマーの非限定例はジビニルベンゼン、共役ジエン(非限定的にブタジエン、イソプレン、1,3−及び2,4−ヘキサジエンが例示される)、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニトリル及び無水マレイン酸である。本発明の実施形態では、合成ポリマー、特にポリスチレンが使用される。しかしながら、他の適当なポリマー、例えばポリオレフィン(例:ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド及びその混合物が使用され得る。
【0038】
本発明の特定の実施形態では、ポリマー粒子は発泡性ポリスチレン(EPS)粒子である。これらの粒子はビーズ、顆粒、または発泡及び成形操作のために好都合な他の粒子の形態をとり得る。
【0039】
本発明では、懸濁方法で重合させた、本質的に球形樹脂ビースーである粒子がポリマー粒子としてまたは発泡ポリマー粒子を作成するために使用される。しかしながら、押し出し、粒子サイズの樹脂ビーズに切断する溶液及びバルク重合技術から誘導したポリマーも使用可能である。
【0040】
本発明の一実施形態では、本明細書中に記載されているポリマーまたはポリマー組成物を含有している樹脂ビーズ(非発泡)は少なくとも0.2mm、幾つかの状況では少なくとも0.33mm、幾つかの場合には少なくとも0.35mm、他の場合には少なくとも0.4mm、幾つかの例では少なくとも0.45mm、他の例では少なくとも0.5mmの粒子サイズを有している。また、樹脂ビーズは3mm以下、幾つかの例では2mm以下、他の例では2.5mm以下、幾つかの場合には2.25mm以下、他の場合には2mm以下、幾つかの状況では1.5mm以下、他の状況では1mm以下の粒子サイズを有し得る。この実施形態では、本発明に従って作成したLWC物品の物性は、上記した範囲を外れた粒子サイズを有する樹脂ビーズを発泡ポリマー粒子を作成するために使用したときには矛盾するまたは望ましくない物性を有する。この実施形態で使用される樹脂ビーズは上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0041】
発泡性熱可塑性粒子または樹脂ビーズに場合により慣用方法を用いて適当な発泡剤を含浸させてもよい。非限定例として、含浸は、ポリマーの重合中に発泡剤を水性懸濁液に添加するか、または米国特許2,983,692に教示されているようにポリマー粒子を水性媒体中に再懸濁させた後発泡剤を配合することにより行われ得る。ガス状材料または加熱時にガスを発生する材料が発泡剤として使用され得る。慣用の発泡剤には、選択されるポリマーの軟化点以下の温度で沸騰する分子中に4から6個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素(例:ブタン、ペンタン、ヘキサン)及びハロゲン化炭化水素(例:CFC類及びHCFC類)が含まれる。これらの脂肪族炭化水素発泡剤の混合物も使用可能である。
【0042】
或いは、脂肪族炭化水素発泡剤と水を混合してもよく、または米国特許6,127,439、6,160,027及び6,242,540に教示されているように水を単一の発泡剤として使用してもよい。これらの特許では保水剤が使用されている。発泡剤として使用するための水の重量%は1から20%の範囲であり得る。米国特許6,127,439、6,160,027及び6,242,540は援用により本明細書中に含まれるとする。
【0043】
含浸させたポリマー粒子または樹脂ビーズを場合により少なくとも1.25lb/ft(0.02g/cc)、幾つかの場合には1.75lb/ft(0.028g/cc)、幾つかの状況では少なくとも2lb/ft(0.032g/cc)、他の状況では少なくとも3lb/ft(0.048g/cc)、特定の状況では少なくとも3.25lb/ft(0.052g/cc)または3.5lb/ft(0.056g/cc)のかさ密度まで発泡させてもよい。非発泡樹脂ビーズを使用する場合にはかさ密度がより高いビーズが使用され得る。このようなとき、かさ密度は40lb/ft(0.64g/cc)くらい高くてもよい。他の状況では、ポリマー粒子は少なくとも部分的に発泡され、かさ密度は35lb/ft(0.56g/cc)以下、幾つかの場合には30lb/ft(0.48g/cc)以下、他の場合には25lb/ft(0.4g/cc)以下、幾つかの例では20lb/ft(0.32g/cc)以下、他の例では15lb/ft(0.24g/cc)以下、ある状況では10lb/ft(0.16g/cc)以下であり得る。ポリマー粒子のかさ密度は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。ポリマー粒子、樹脂ビーズ及び/または予備発泡粒子のかさ密度は(周囲条件下で24時間エージングした)既知容量のポリマー粒子、ビーズ及び/または予備発泡粒子を秤量することにより測定される。
【0044】
発泡ステップを含浸させたビーズを慣用の加熱媒体(例えば、蒸気、熱風、熱水または放射熱)を用いて加熱することにより実施することが好都合である。含浸させた熱可塑性粒子をプレ発泡させるための一般的に容認されている1つの方法は米国特許3,023,175に教示されている。
【0045】
含浸ポリマー粒子は、その教示が援用により本明細書中に含まれるとする米国特許出願公開2002−0117769A1に教示されている発泡気泡ポリマー粒子であり得る。発泡気泡粒子は、発泡されており、揮発性発泡剤をポリマーの重量に基づいて14重量%未満、幾つかの状況では6重量%未満、幾つかの場合には約2から約5重量%、他の場合には約2.5から約3.5重量%のレベルで含有しているポリスチレンであり得る。
【0046】
本発明の発泡熱可塑性樹脂またはポリマー粒子に配合され得るポリオレフィンと現場重合されるビニル芳香族モノマーのインターポリマーは米国特許4,303,756、4,303,757及び6,908,949に開示されており、これらの特許の関連部分は援用により本明細書に含まれるとする。
【0047】
ポリマー粒子は慣用の成分及び添加剤、例えば難燃剤、顔料、染料、着色剤、可塑剤、離型剤、安定化剤、紫外光吸収剤、防カビ剤、抗酸化剤、殺鼠剤、昆虫忌避剤等を含み得る。典型的な顔料には非限定的に無機顔料、例えばカーボンブラック、グラファイト、発泡性グラファイト、酸化亜鉛、二酸化チタン及び酸化鉄;及び有機顔料、例えばキナクリドンレッド及びバイオレット、銅フタロシアニンブルー及びグリーンが含まれる。
【0048】
本発明の特定実施形態では、顔料はカーボンブラックであり、その材料の非限定例はNOVA Chemicals Inc.から入手可能なEPS SILVER(登録商標)である。
【0049】
本発明の別の特定実施形態では、顔料はグラファイトであり、その材料の非限定例はドイツのルードヴィヒスハーフェン・アム・ラインに所在のBASF Aktiengesellschaft Corp.から入手可能なNEOPOR(登録商標)である。
【0050】
カーボンブラック及び/またはグラファイトのような材料をポリマー粒子中に配合する場合、カーボンブラックまたはグラファイトを含有する材料は(ASTM−C518を用いて測定される)R値が高いことから例示されるように改善された絶縁性が与えられる。すなわち、カーボンブラック及び/またはグラファイトを含有する発泡ポリマー粒子または前記ポリマー粒子から作成した材料のR値は、カーボンブラック及び/またはグラファイトを含有していない粒子または得られる物品について観察されるR値よりも少なくと5%高い。
【0051】
発泡ポリマー粒子または予備発泡粒子は少なくとも0.2mm、幾つかの状況では少なくとも0.3mm、他の状況では少なくとも0.5mm、幾つかの場合には少なくとも0.75mm、他の場合には少なくとも0.9mm、幾つかの例では少なくとも1mmの平均粒子サイズを有し得、8mm以下、幾つかの状況では6mm以下、他の状況では5mm以下、幾つかの場合には4mm以下、他の場合には3mm以下、幾つかの例では2.5mm以下であり得る。発泡ポリマー粒子または予備発泡粒子のサイズが余りに小さいかまたは余りに大きい場合には、本発明のLWC組成物を用いて作成されるLWC物品の物性は望ましくないことがある。発泡ポリマー粒子または予備発泡粒子の平均粒子サイズは上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。発泡ポリマー粒子または予備発泡粒子の平均粒子サイズは、レーザー回折技術を用いて、または当業界で公知の機械的分離方法を用いてメッシュサイズに従って篩分けることにより調べられ得る。
【0052】
本発明の一実施形態では、ポリマー粒子または発泡ポリマー粒子は最低の平均気泡壁厚さを有しており、これにより本発明のLWC組成物を用いて作成したLWC物品に対して所望の物性が与えられる。平均気泡壁厚さ及び内部気泡寸法は当業界で公知の走査型電子顕微鏡技術を用いて測定され得る。発泡ポリマー粒子は少なくとも0.15μm、幾つかの場合には少なくとも0.2μm、他の場合には少なくとも0.25μmの平均気泡壁厚さを有し得る。特定の理論に拘束されるつもりはないが、上記した寸法を有する樹脂ビーズを上記密度まで発泡すると所望の平均気泡壁厚さが生ずると考えられている。
【0053】
本発明の一実施形態では、上記した所望の気泡壁厚さが得られるようにポリマービーズを場合により発泡させて発泡ポリマー粒子を形成する。多くの変数が壁厚さに影響を及ぼし得るが、この実施形態では所望の壁厚さ及び発泡ポリマー粒子強度が得られるようにポリマービーズの発泡を制限することが望ましい。加工ステップ及び発泡剤を最適化すると、ポリマービーズを1.25lb/ft(0.02g/cc)の最低値まで発泡させ得る。こうした発泡ポリマーかさ密度の性質はpcf(lb/ft)または発泡係数(cc/g)により記載され得る。
【0054】
本明細書中で使用されている用語「発泡係数」は、典型的にはcc/gで表わされる所与の重量の発泡ポリマービーズが占める容量を指し、本発明では典型的には50cc/g以下の値である。
【0055】
所望の気泡壁厚さ及び強度を有する発泡ポリマー粒子を得るためには、発泡ポリマー粒子をその最大発泡係数まで発泡させない。極度に発泡させると、望ましくないほど薄い気泡壁及び不十分な強度を有する粒子が生ずる。更に、ポリマービーズはその最大発泡係数の少なくとも5%、幾つかの場合には少なくとも10%、他の場合には少なくとも15%発泡させ得る。しかしながら、気泡壁厚さが余りに薄くならないように、ポリマービーズをその最大発泡係数の80%以下、幾つかの場合には75%以下、他の場合には70%以下、幾つかの例では65%以下、他の例では60%以下、幾つかの状況では55%以下、他の状況では50%以下発泡させ得る。ポリマービーズは上記した程度まで発泡させても、発泡が上記した値の範囲であってもよい。典型的には、ポリマービーズまたは予備発泡粒子は、本発明のセメント質組成物に配合するとき更に発泡させず、セメント質組成物を凝結、養生及び/または硬化させながら更に発泡しない。
【0056】
本明細書中で使用されている用語「予備発泡」は、発泡されているが、その最大発泡係数まで発泡されていない発泡性粒子、樹脂及び/またはビーズを指す。
【0057】
本発明の実施形態では、予備発泡粒子は少なくとも10cc/g、幾つかの場合には少なくとも12cc/gの発泡係数を有し得、70cc/g以下、幾つかの場合には60cc/g以下、他の場合には50cc/g以下であり得る。予備発泡粒子の発泡係数は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0058】
予備発泡または発泡ポリマー粒子は、典型的には気泡構造またはハニカム内部部分及び外表面として通常平滑な連続ポリマー表面、すなわち実質的に連続的な外層を有している。平滑な連続表面は走査型電子顕微鏡(SEM)技術を用いて倍率1000倍で観察され得る。SEM観察は、図1、3及び5に示すように予備発泡または発泡ポリマー粒子の外表面における孔の存在を示していない。予備発泡または発泡ポリマー粒子の断面を取り、SEM観察すると、図2、4及び6に示すように予備発泡または発泡ポリマー粒子の内部が通常のハニカム構造であることが分かる。
【0059】
ポリマー粒子または発泡ポリマー粒子は、LWC物品において所望の物性を与えることができる断面形状を有し得る。本発明の実施形態では、発泡ポリマー粒子は円形、長円形または楕円形の断面形状を有している。本発明の実施形態では、予備発泡または発泡ポリマー粒子は1、幾つかの場合には少なくとも1のアスペクト比を有しており、アスペクト比は3以下、幾つかの場合には2以下、他の場合には1.5以下であり得る。予備発泡または発泡ポリマー粒子のアスペクト比は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0060】
セメント質混合物はLWC組成物中にLWC組成物の少なくとも10容量%、幾つかの例では少なくとも15容量%、他の例では少なくとも22容量%、幾つかの場合には少なくとも40容量%、他の場合には少なくとも50容量%のレベルで存在しており、LWC組成物の90容量%以下、幾つかの状況では85容量%以下、他の状況では80容量%以下、特定の場合には75容量%以下、幾つかの場合には70容量%以下、他の場合には65容量%以下、幾つかの例では60容量%以下のレベルで存在し得る。セメント質混合物はLWC組成物中に上記したレベルで存在し得、上記したレベルの範囲であってもよい。
【0061】
本発明の一実施形態では、セメント質混合物は水硬性セメント組成物を含む。水硬性セメント組成物はセメント質混合物の少なくとも3容量%、ある状況では少なくとも5容量%、幾つかの場合には少なくとも8容量%、他の場合には少なくとも9容量%のレベルで存在し得、40容量%以下、幾つかの場合には35容量%以下、他の場合には30容量%以下、幾つかの例では20容量%以下のレベルで存在し得る。セメント質混合物は上記したレベルまたは上記したレベルの範囲のレベルで水硬性セメント組成物を含み得る。
【0062】
本発明の特定実施形態では、水硬性セメント組成物はポルトランドセメント、ポゾランセメント、セッコウセメント、アルミナセメント、マグネシアセメント、シリカセメント及びスラグセメントから選択される1つ以上の材料であり得る。更に、ASTM C150に定義されている各種型のセメントが本発明で使用され得、その非限定例にはI型(他のセメント型の特殊な性質を必要としない場合に使用するために)、IA型(I型品質のAEセメントのために)、II型(適度の耐硫酸塩性または適度の水和熱が所望される場合に一般的に使用するために)、IIA型(Il型品質のAEセメントのために)、III型(高い初期強度が所望される場合に使用するために)、IIIA型(III型品質のAEセメントのために)、IV型(少ない水和熱が所望される場合に使用するために)、V型(高い耐硫酸塩性が所望される場合に使用するために)が含まれる。
【0063】
本発明の特定実施形態では、セメント組成物はI型ポルトランドセメントである。
【0064】
本発明の一実施形態では、セメント質混合物は場合により当業界で公知の他の骨材及び補助剤を含んでいてもよく、その例には砂、追加の骨材、可塑剤及び/または繊維が含まれるが、これらに限定されない。適当な繊維にはガラス繊維、炭化ケイ素、アラミド繊維、ポリエステル、炭素繊維、複合繊維、ファイバーグラス及びその組合せ;並びに上記した繊維を含むファブリック及び上記した繊維のファブリック含有配合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
本発明で使用され得る繊維の非限定例には、サウカスロライナ州アンダーソンに所在のTechFab,LLCから入手可能なMeC−GRID(登録商標)及びC−GRID(登録商標);デラウェア州ウィルミントンに所在のE.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能なKEVLAR(登録商標);オランダ国アルンヘムに所在のTeijin Twaron B.V.から入手可能なTWARON(登録商標);ニュージャージー州モリスタウンに所在のHoneywell International Inc.から入手可能なSPECTRA(登録商標);デラウェア州ウィルミントンに所在のInvista North America S.A.R.L.Corp.から入手可能なDACRON(登録商標);及びニューヨーク州ニューヨークに所在のHoechst Cellanese Corp.から入手可能なVECTRAN(登録商標)が含まれる。繊維はメッシュ構造で使用したり、撚り合わせたり、織り交ぜても、所望方向に配向させてもよい。
【0066】
本発明の特定実施形態では、繊維はLWC組成物の少なくとも0.1容量%、幾つかの場合には少なくとも0.5容量%、他の場合には少なくとも1容量%、幾つかの例では少なくとも2容量%を占め得る。更に、繊維はLWC組成物の10容量%以下、幾つかの場合には8容量%以下、他の場合には7容量%以下、幾つかの例では5容量%以下を与え得る。繊維の量はLWC組成物に対して所望の特性を与えるように調節される。繊維の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0067】
この実施形態に加えて、追加の骨材には砂、石及び砂利のような常用骨材から選択される1つ以上の材料が含まれ得るが、これらに限定されない。常用軽量骨材には高炉水砕スラグ、フライアッシュ、ガラス、シリカ、膨張スレート及び粘土;断熱骨材、例えば軽石、パーライト、ヒル石、スコリア及びケイソウ土;LWC骨材、例えば膨張頁岩、膨張スレート、膨張粘土、膨張スラグ、ヒュームドシリカ、ペレット化骨材、押出しフライアッシュ、凝灰岩及びマクロライト;及び組積骨材、例えば膨張頁岩、粘土、スレート、膨張高炉スラグ、焼結フライアッシュ、石炭殻、軽石、スコリア及びペレット化骨材が含まれる得る。
【0068】
非限定例として、石には川岩、石灰岩、花崗岩、砂岩、褐色砂岩、れき岩、方解岩、ドロマイト、蛇紋岩、トラバーチン、スレート、青石、片麻岩、石英を含む砂岩、石英及びその組合せが含まれ得る。
【0069】
配合される場合、他の骨材及び補助剤はセメント質混合物中にセメント質混合物の少なくとも0.5容量%、幾つかの場合には少なくとも1容量%、他の場合には少なくとも2.5容量%、幾つかの例では少なくとも5容量%、他の例では少なくとも10容量%のレベルで存在している。また、他の骨材及び補助剤はセメント質混合物の95容量%以下、幾つかの場合には90容量%以下、他の場合には85容量%以下、幾つかの例では65容量%以下、他の例では60容量%以下のレベルで存在し得る。他の骨材及び補助剤はセメント質混合物中に上記したレベルで存在していても、上記したレベルの範囲であってもよい。
【0070】
本発明の特定実施形態では、砂及び/または他の細骨材はLWC組成物の少なくとも11容量%、幾つかの場合には少なくとも15容量%、他の場合には少なくとも20容量%を占め得る。更に、砂及び/または他の細骨材はLWC組成物の50容量%以下、幾つかの場合には45容量%以下、他の場合には40容量%以下、幾つかの例では35容量%以下を与え得る。砂及び/または他の細骨材の量はLWC組成物に対して望ましい特性を与えるように調節される。砂及び/または他の細骨材の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0071】
本発明の特定実施形態では、粗骨材(4以上のFM値を有する骨材)はLWC組成物の少なくとも1容量%、幾つかの場合には少なくとも9容量%、他の場合には少なくとも12容量%を占め得る。更に、粗骨材はLWC組成物の40容量%以下、幾つかの場合には35容量%以下、他の場合には30容量%以下、幾つかの例では25容量%以下を与え得る。粗骨材の量はLWC組成物に対して望ましい特性を与えるように調節される。粗骨材の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0072】
本発明の実施形態では、軽量コンクリート組成物は1つ以上の混和剤を含み得る。その非限定例は消泡剤、防水剤、分散剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、可塑剤、流動化剤、混和剤、結合剤、凝固点降下剤、接着性改良剤及び着色剤である。混和剤は典型的には組成物の全重量に対して1重量%未満でしか存在しないが、0.1から3重量%で存在させてもよい。
【0073】
本発明で使用される適当な分散剤または可塑剤には、ヘキサメタホスフェート、トリポリホスフェート、ポリナフタレンスルホネート、スルホン化ポリアミン及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
本発明で使用される適当な可塑剤には、ポリヒドロキシカルボン酸またはその塩、ポリカルボキシレートまたはその塩、リグノスルホネート、ポリエチレングリコール及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
本発明で使用される適当な流動化剤には、リグニンスルホネートのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;リグノスルホネート、高縮合したナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;ポリナフタレンスルホネート、1つ以上のポリカルボキシレート(例えば、ポリ(メタ)アクリレート及び関連部分が援用により本明細書中に含まれるとする米国特許6,800,129に記載されているポリカルボキシレート櫛形コポリマー)のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;メラミン/ホルムアルデヒド/亜硫酸塩縮合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;スルホン酸エステル;炭水化物エステル;及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
適当な混和剤の非限定例には、リグノスルホネート、ナトリウムナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、スルホン化メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、スルホン化ビニルコポリマー、尿素樹脂、ヒドロキシ−またはポリヒドロキシ−カルボン酸の塩、米国特許3,686,133に記載されているホルムアルデヒド及びグルコン酸ナトリウムと部分的に縮合させたナフタレンスルホン酸のナトリウム塩のポリマーの90/10(w/w)混合物、及びその組合せが含まれる。
【0077】
適当な結合剤の例は、無機でも有機でもよく、新鮮なときは軟らかく、加工可能であるが水硬作用または化学的架橋のいずれかにより凝結させると養生時に硬い不融性固体を形成する材料である。前記材料の非限定例には有機材料、例えばゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレンブタジエンコポリマー及び各種の粉末状ポリマーが含まれ得る。
【0078】
本発明で使用され得る適当な凝結促進剤には、可溶性塩化物(例:塩化カルシウム)、トリエタノールアミン、パラホルムアルデヒド、可溶性ギ酸塩(例:ギ酸カルシウム)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、12CaO・7Al、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、米国特許4,026,723に開示されているアルカリ金属硝酸塩/スルホン化芳香族炭化水素脂肪族アルデヒド縮合物、米国特許4,298,394に開示されている水溶性界面活性剤促進剤、米国特許5,211,751に開示されているアミノ酸促進剤のメチロール誘導体、関連部分が援用により本明細書中に含まれるとする米国特許再35,194に開示されているチオシアン酸塩、アルカノールアミン及び硝酸塩の混合物、及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
本発明で使用され得る適当な凝結遅延剤には、リグノスルホネート、ヒドロキシカルボン酸(例:グルコン酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、サリチル酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、及びナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム及びトリエタノールアミン塩のようなその無機または有機塩)、炭酸、糖、加工糖、ホスフェート、ボレート、シリコ−フロイド、臭素酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、単糖(例:グルコース、フルクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース及び転化糖)、二糖及び三糖のようなオリゴ糖(例:デキストリン)、多糖(例:デキストラン)及び他の糖(例:これらを含有する糖みつ);糖アルコール(例:ソルビトール);マグネシウムシリコフロリド;リン酸及びその塩、またはボレートエステル;アミノカルボン酸及びその塩;アルカリ可溶性タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;多価アルコール(例:グリセロール);ホスホン酸及びその誘導体(例:アミノトリ(メチレン−ホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸))及びそのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、並びに上記した凝結遅延剤の組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本発明で使用され得る適当な脱泡剤には、シリコーン(例:ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルション、有機基変性ポリシロキン(ジメチルポリシロキンのようなポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等)を主成分とする脱泡剤、リン酸アルキル(例:リン酸トリブチル、オクチルリン酸ナトリウム等)を主成分とする脱泡剤、鉱油(例:灯油、流動パラフィン等)を主成分とする脱泡剤、油脂(例:動物または植物油、ゴマ油、ヒマシ油、これらから誘導されるアルキレンオキシド付加物等)を主成分とする脱泡剤、脂肪酸(例:オレイン酸、ステアリン酸、これらから誘導されるアルキレンオキシド付加物等)を主成分とする脱泡剤、脂肪酸エステル(例:モノリシノール酸グリセロール、アルケニルコハク酸誘導体、モノラウリン酸ソルビトール、トリオレイン酸ソルビトール、天然ワックス等)を主成分とする脱泡剤、オキシアルキレンタイプ脱泡剤、アルコール(例:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール等)を主成分とする脱泡剤、アミド(例:アクリレートポリアミン等)を主成分とする脱泡剤、金属塩(例:ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸カルシウム等)を主成分とする脱泡剤、及び上記脱泡剤の組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
本発明で使用され得る適当な凝固点降下剤には、エチルアルコール、塩化カルシウム、塩化カリウム及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
本発明で使用され得る適当な接着性改良剤には、ポリ酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン、(メタ)アクリレートエステルのホモポリマー及びコポリマー、及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
本発明で使用され得る適当な撥水剤または防水剤には、脂肪酸(例:ステアリン酸またはオレイン酸)、低級アルキル脂肪酸エステル(例:ステアリン酸ブチル)、脂肪酸塩(例:ステアリン酸カルシウムまたはアルミニウム)、シリコーン、ワックスエマルション、炭化水素樹脂、ビチューメン、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス及びその組合せが含まれるが、これらに限定されない。本発明の多くの実施形態では使用されていないが、使用するときの適当なAE剤にはビンソル樹脂、アビエチン酸ナトリウム、脂肪酸及びその塩、テンシド、アルキル−アリール−スルホネート、フェノールエトキシレート、リグノスルホネート及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
セメント質混合物、発泡ポリマー粒子並びに他の骨材、混和剤及び/または補助剤を当業界で公知の方法を用いて混合する。本発明の実施形態では、液体(幾つかの場合には、水)も他の成分に混合する。
【0085】
本発明の一実施形態では、(鉱物を含有し、または水が添加されていない)ドライ混合物が将来の使用のために製造、包装及び貯蔵され得る。こうしたドライ混合物を後で水と混合すると、本明細書に記載されている軽量コンクリート組成物が得られる。
【0086】
本発明の一実施形態では、コンクリート組成物は、セメント質混合物が少なくとも一部連続相を形成し、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子が該連続相中にばらばらの粒子の分散相として存在している分散物である。
【0087】
本発明の特定の非限定的実施形態として、コンクリート組成物は分散物を安定化するために使用されている湿潤剤または分散剤を実質的に含んでいない。
【0088】
本発明の非限定的実施形態として、1つの理論に限定するつもりはないが、本発明のLWC組成物の性能に影響を及ぼす恐れがある幾つかの要因には発泡樹脂ビーズの容積分率、平均発泡ビーズサイズ、及びコンクリート内のビーズ間間隔により生ずるミクロ構造が含まれる。この実施形態では、ビーズ間間隔は二次元モデルを用いて推定され得る。説明を簡素化するために、ビーズ間間隔はビーズ半径に限定され得る。加えて、本発明を決して限定することを意味しないが、この実施形態では、ビーズは立方格子に配置されており、LWC組成物中のビーズサイズ分布は考慮されておらず、発泡ビーズ面積の断面での分布は考慮されていないと推定されている。1サンプルあたりのビーズの数を計算するために、3次元試験シリンダーを仮定する。
【0089】
発泡ビーズサイズが小さければ小さいほど、以下の式1:
=K/B (1)
(ここで、Nは発泡ビーズの数を表す)
で記載されているように同じ発泡ビーズ容積分率を維持するのに必要な発泡ビーズの数はより多くなる。発泡ビーズの数を指数的に増加させると、発泡ビーズ間の間隔は小さくなる。
【0090】
直径D×高さH(通常、2”×4”または6”×12”)を有するLWC試験片は平均発泡ビーズ直径Bを有する発泡ポリマービーズを分散して含有し、所与の容積分率Vは式1で表される量の発泡ポリマービーズNを含有している。
【0091】
は発泡ポリマービーズの立方に逆比例していることに注目されたい。比例定数K=1.5VHDはサンプルサイズ及び発泡ポリマービーズの容積分率にのみ依存している数である。よって、所与のサンブルサイズ及び公知の発泡ポリマービーズ容積分率では、ビーズの数はビーズの直径が小さくなるにつれて3乗まで増加する。
【0092】
非限定例として、2”×4”LWC試験片の場合、90pcf(lb/ft)(1.25pcfの予備発泡かさ密度で発泡ポリマービーズの43%容積分率に相当)では、ビーズの数は0.65mmビーズからそれぞれ0.4mm及び0.33mmビーズに変わると4倍及び7倍に増加する。2.08pcfでは、ビーズの数の増加はそれぞれ0.4mm及び0.33mmビーズで6倍及び7倍である。5pcfでは、増加はそれぞれ2倍及び3倍である。よって、密度はビーズサイズに相関している。以下に示すように、密度は気泡壁厚さにも影響を及ぼす。発泡ビーズが存在しているコンクリートマトリックスの強度は典型的には気泡壁の剛性及び厚さにより影響される。
【0093】
本発明の一実施形態では、単分散球形気泡を仮定すると、平均気泡直径dは、式2
【0094】
【数1】

(ここで、ρはフォームの密度であり、ρは充実ポリマービーズの密度である)
により平均壁厚さδに関連している。
【0095】
よって、所与のポリマーの場合、使用する具体的な発泡方法に応じて、(所与の気泡サイズで)同一の気泡壁厚さまたは異なるδ値で同一の気泡サイズを得ることができる。密度は気泡サイズだけでなく、気泡壁の厚さを変えることによりコントロールされる。
【0096】
下表は、3クラスのビーズについて発泡ポリマービーズ密度のビーズサイズによる変化を例示している。
【0097】
【表1】

【0098】
望ましいミクロ構造及び/または形態は別個のクラスに分類され得る。第1は特殊な界面を有する二相または共連続複合物であり、第2は特殊な介在物を連結マトリックス中に含んでいる。二相及び単一連結ミクロ構造の有効な特性は公知の最適クロス−プロパティー境界により記載される。
【0099】
多くの場合、ビーズが小さいと、式1に記載されているように同じ発泡ポリマービーズ容積分率を維持するために必要なビーズの数は多くなる。ビーズの数を指数的に増加させると、ビーズ間の間隔は小さくなる。
【0100】
最適境界は、臨界的数または限界を表す多数の関係により記載され得る。非限定例として、所与の容積分率で、臨界ビーズサイズはしばしばすべてのビーズが孤立しており、コンクリートが単に連結されるような所望の形態を与えるように分散され得るビーズの臨界数に相当している。すべてのビーズが孤立していないが接触している形態を形成することも可能である。
【0101】
二次元断面の有限要素解析をANSYS(登録商標)(ペンシルバニア州キャノンズバーグに所在のANSYS Inc.から入手可能な有限要素解析プログラム)を用いて実施した。断面の有限要素メッシュでは、ビーズを単に結合させたコンクリートマトリックス中に非接触または孤立している円としてモデル化されている。
【0102】
結果は、荷重を加えると、応力が荷重軸に垂直な方向に蓄積することを示している。応力濃度は発泡ポリマービーズ間の水平境界で最大であり、ビーズは円形から楕円形に変形する傾向にある。
【0103】
本発明の特定の実施形態では、コンクリート組成物は発泡ポリマー粒子または予備発泡粒子の少なくとも一部を立方または六方格子で含有している。
【0104】
本発明の一実施形態では、本発明のLWC組成物は、典型的にはコンクリートのバッチ中に気泡またはボイドを生成するために添加されるAE剤を実質的に含んでいない。
【0105】
本発明の別の実施形態では、LWC組成物は強化繊維を含有し得る。この繊維は、荷重が可能性ある破壊点を超えるように大きなアスペクト比(すなわち、長さ/直径比が高い)を有する強化成分として作用する。適当な繊維の非限定例には長さが約1から1.75インチのファイバーグラスストランドが含まれるが、セメント質混合物、ポリプロピレン繊維及び上記した他の繊維のマトリックスよりも高いヤング率を有する材料を使用してもよい。
【0106】
本発明のLWC組成物を当業界で公知の方法を用いて凝結及び/または硬化させると、最終コンクリート物品が形成され得る。
【0107】
本発明のLWC組成物を含む凝結及び/または硬化させたコンクリート物品の密度は少なくとも40lb/ft(0.64g/cc)、幾つかの場合には少なくとも45lb/ft(0.72g/cc)、他の場合には少なくとも50lb/ft(0.8g/cc)lb/ftであり得、密度は130lb/ft(2.1g/cc)以下、幾つかの場合には120lb/ft(1.9g/cc)以下、他の場合には115lb/ft(1.8g/cc)以下、幾つかの状況では110lb/ft(1.75g/cc)以下、他の状況では105lb/ft(1.7g/cc)以下、幾つかの例では100lb/ft(1.6g/cc)以下、他の例では95lb/ft(1.5g/cc)以下であり得る。本発明のコンクリート物品の密度は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。LWC組成物の密度はASTM C138に従って測定される。
【0108】
本発明の特定の実施形態では、LWC組成物は、8から20容量%のI型ポルトランドセメントを含むセメント組成物;10から31容量%の0.2から5mmの平均粒径、0.02から0.64g/ccのかさ密度及び1から2のアスペクト比を有する発泡ポリマー粒子;9から90容量%の1つ以上の骨材;及び場合により0.1から1容量%の消泡剤、防水剤、分散剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、可塑剤、流動化剤、凝固点降下剤、接着性改良剤、着色剤及びその組合せから選択される1つ以上の混和剤を含み、使用する成分の合計は100容量%を超えず、軽量セメント質組成物を凝結させた後、28日後ASTMC 39に従って試験して少なくとも1400psiの圧縮強度を有している。
【0109】
本発明の一実施形態では、本発明の凝結及び/または硬化させたLWC組成物は構造用途で使用され、耐力組積構造用途のために少なくとも1400psi(98kgf/cm)、幾つかの場合には1700psi(119.5kgf/cm)、他の場合には少なくとも1800psi(126.5kgf/cm)、幾つかの例では少なくとも1900psi、他の例では少なくとも2000psi(140.6kgf/cm)の最低圧縮強度を有し得る。構造用軽量コンクリートの場合には、組成物は少なくとも2500psi(175.8kgf/cm)の最低圧縮強度を有し得る。圧縮強度は28日目にASTM C39に従って測定する。
【0110】
ASTM C39は正確な詳細を知るために参照され得、全文を本明細書中に援用に含まれるとするが、圧縮軸荷重を成形したシリンダーまたはコアに対して規定されている範囲内の速度で破損が生ずるまで適用することからなる試験方法を提供するとして要約され得る。試験機は2つの硬化面を有するスチール製ベアリングブロックを備えており、1つは試験片の上面上に載せる球面座ブロックであり、他方はその上に試験片が静止している固体ブロックである。荷重を試験片に対して35+7psi/s(0.25+0.05Mpa/s)の応力速度に相当する移動(クロスヘッド測定のためのつかみ)の速度で適用する。荷重指示器が荷重が着実に低下していることを示し、試験片が明瞭な破損パターンを呈するまで圧縮荷重を適用する。圧縮強度は、試験中試験片が支えられる最大荷重を試験片の断面積で割ることにより計算する。
【0111】
本発明の実施形態では、本発明のLWC組成物はレディーミクス用途で使用される。非限定例として、レディーミクストLWC組成物は、少量のコンクリートまたはコンクリートの間欠打込みを必要とする場合、或いはスペースが限定されており、混合プラント及び骨材備蓄の余裕があまりない理由で使用され得る。
【0112】
非限定例として、レディーミクスにはセントラルミクストコンクリート、トランジットミクストコンクリート及びシュリンクミクストコンクリートが含まれ得る。
【0113】
セントラルミクストコンクリートはプラントで完全に混合され、その後トラック−ミキサーまたはアジテータートラックを用いて輸送される。作業現場がプラントの近くならば、混合したばかりのLWC組成物を開放型ダンプカーを用いて輸送してもよい。運搬中にコンクリートを軽く撹拌すると、材料のセグレゲーションが予防され、スランプ低下の量が減る。
【0114】
トランジットミクスト(トランクミクストとしても公知)コンクリートでは、材料を中央プラントでまとめて処理し、運搬時にトラック中で完全に混合する。多くの場合、LWC組成物を運搬時に部分混合し、混合を作業現場で完了させる。トランジット混合により、水をセメント及び骨材から離して保持し、工事現場での打込み直前にコンクリートを混合し得る。この方法により、セントラルミクストコンクリートの輸送または打込み時の潜在的な遅れの結果生ずる時期尚早の硬化及びスランプ低下の問題が避けられる。更に、トランジット混合により、コンクリートをプラントからかなり離れている工事現場に運搬することができる。しかしながら、トランジットミクストコンクリートの欠点は、トラックの処理能力がセントラルミクストコンクリートを収容する同じトラックの処理能力よりも小さいことである。
【0115】
シュリンクミクストコンクリートは、トランクの積載重量を増やすために使用され、トランジットミクストコンクリートの利点は保持されている。シュリンクミクストコンクリートでは、LWC組成物を混合物の容量を低下乃至減少させるためにプラントで部分的に混合し、混合は運搬時または作業現場で完了させる。
【0116】
レディーミクストコンクリートはしばしば、適切なスランプが確実に得られるように作業現場に到着したらもう一度再混合される。しかしながら、再混合したコンクリートは1回しか混合していないコンクリートに比べてより迅速に凝結する傾向を有している。水や混和物の幾つかの成分のような材料はしばしば、打込み前に特定の比率に確実に達するようにまとめて処理した後作業現場でLWC組成物に添加される。
【0117】
本発明のLWCコンクリートレディーミクス組成物はしばしば特定の用途のために予定される。非限定例として、高濃度の補強鋼の周りにコンクリートを打込まなければならない場合には高スランプLWCコンクリートレディーミクス組成物が望ましいことがあり得る。また、コンクリートを大型開放型枠に打込む場合または型枠をスロープ上に置く場合には低スランプLWCコンクリートレディーミクス組成物が望ましいことがあり得る。
【0118】
よって、本発明の幾つかの実施形態では、LWCレディーミクス組成物はASTM C172(混合したばかりのコンクリートのサンプリングについての標準プラクティス)に従ってサンプリングし、ASTM C143(水硬性セメントコンクリートのスランプについての標準試験方法)に従って測定して適度なスランプ値を有している。正確なスランプ値が特定のミクスに予定され、LWCレディーミクス組成物の用途及び設計に依存している。典型的な使用では、スランプは少なくとも約2インチ(5cm)、幾つかの場合には少なくとも約3インチ(7.6cm)から約8インチ(20cm)以下、幾つかの場合には約7インチ(18cm)以下、他の場合には約6インチ(15cm)以下の範囲である。プロジェクトにデリバリーされるコンクリートが余りに堅め(低スランプ)ならば、それをトラックから排出することが困難であり得る。スランプが余り高いならば、コンクリートを使用できないことがあり得る。この実施形態では、スランプは上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0119】
本発明の他の特定実施形態では、LWCレディーミクス組成物は従来のレディーミクス用途で使用される。前記用途にはティルトアップ工法、適所注入、軽量グラウト、ICF充填、及びコンクリートを注入または圧送し、例えばレディーミクストラックを用いて作業現場に輸送する他の用途が含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
本発明のLWCコンクリートレディーミクス組成物は上記した調合物及び組成物を含み得る。
【0121】
本発明のLWCコンクリートレディーミクス組成物の実施形態の多くでは、組成物は砂、粗骨材、セメント、予備発泡ビーズ、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子、水及び混和剤の1つ以上を記載されている順序で添加することにより作成される。パンまたはドラム型ミキサーを使用することができ、水セメント比はしばしば少なくとも0.40である。
【0122】
本発明のLWCコンクリートレディーミクス組成物は適当なセメントを利用し得、その非限定例にはI型、II型、III型及びその組合せが含まれる。本発明の特定実施形態では、セメントはレディーミクス組成物中に少なくとも約8容量%、幾つかの場合には少なくとも約10容量%で存在し、約20容量%以下、幾つかの場合には約17容量%以下、特定の例では約14容量%以下であり得る。正確な量のセメントが特定のミクスに予定され、セメントの種類、意図する用途及びLWCレディーミクス組成物の設計に依存する。LWCコンクリートレディーミクス組成物中のセメントの量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0123】
本発明のこの特定実施形態では、上記した砂はレディーミクス組成物中に少なくとも約11容量%、幾つかの場合には少なくとも約14容量%、他の場合には少なくとも約17容量%で存在し、約50容量%以下、幾つかの場合には約40容量%以下、他の場合には約30容量%以下であり得る。正確な量の砂が特定のミクスに予定され、砂の種類(粗いまたは細かい)、意図する用途及びLWCレディーミクス組成物の設計に依存する。LWCコンクリートレディーミクス組成物中の砂の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0124】
本発明のこの特定実施形態に加えて、本発明の予備発泡ビーズ、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子は少なくとも約10容量%、幾つかの場合には少なくとも約14容量%、他の場合には少なくとも約18容量%で存在し、約31容量%以下、幾つかの場合には約29容量%以下、他の場合には約27容量%以下で存在し得る。正確な量の予備発泡ビーズ、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子が特定のミクスに予定され、粒子及び/またはビーズの密度、意図する用途及びLWCレディーミクス組成物の設計に依存する。LWCコンクリートレディーミクス組成物中の予備発泡ビーズ、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0125】
更に、この特定実施形態では、LWCレディーミクス組成物中に使用される予備発泡ビーズ、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子は上記した粒子サイズ及び寸法を有し得、少なくとも約1lb/ft(0.016g/cc)、幾つかの場合には少なくとも約1.25lb/ft(0.02g/cc)、他の場合には少なくとも約1.5lb/ft(0.024g/cc)、幾つかの例では少なくとも約2lb/ft(0.032g/cc)の密度を有し得、約40lb/ft(0.64g/cc以下)、多くの例では約5.5lb/ft(0.088g/cc)以下、幾つかの場合には約4lb/ft(0.064g/cc)以下、他の場合には約3.5lb/ft(0.056g/cc)以下であり得る。LWCコンクリートレディーミクス組成物中の予備発泡ビーズ、ポリマー粒子及び/または発泡ポリマー粒子の密度は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0126】
更に、本発明のこれらの特定実施形態では、上記した粗骨材(例えば、石)はレディーミクス組成物中に少なくとも約9容量%、幾つかの場合には少なくとも約14容量%、他の場合には少なくとも約17容量%で存在し得、約40容量%以下、幾つかの場合には約30容量%以下、他の場合には約25容量%以下であり得る。正確な量、種類及びサイズの粗骨材が特定のミクスに予定され、意図する用途及びLWCレディーミクス組成物の設計に依存する。LWCコンクリートレディーミクス組成物中の粗骨材の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。粗骨材は少なくとも約0.375インチ(0.95cm)、幾つかの場合には約0.5インチ(1.3cm)、他の場合には約0.75インチ(1.9cm)から約2インチ(5cm)以下の直径を有し得る。
【0127】
また、本発明のこれらの特定実施形態では、水はレディーミクス組成物中に少なくとも約10容量%、幾つかの場合には少なくとも約14容量%から約22容量%以下、幾つかの場合には約20容量%以下、他の場合には約18容量%以下で存在し得る。LWCコンクリートレディーミクス組成物中の水の量は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0128】
これらの実施形態のLWCコンクリートレディーミクス組成物は、凝結及び/または 硬化させたとき少なくとも約1400psi(98kgf/cm)、幾つかの場合には少なくとも約1500psi(105.5kgf/cm)、他の場合には少なくとも約1600psi(112.5kgf/cm)、幾つかの例では少なくとも約1800psi(126.5kgf/cm)、他の例では少なくとも約2000psi(140.6kgf/cm)の圧縮強度を有し得、場合により約3600psi(253kgf/cm)以下、幾つかの場合には約3300psi(232kgf/cm)以下、他の場合には約3000psi(211kgf/cm)以下であり得る。本発明の他の実施形態では、LWCコンクリートレディーミクス組成物は、ポストテンション用に48時間で約4000psi(281kgf/cm)以上の構造圧縮強度及び約4500psi(316kgf/cm)以上の28日圧縮強度を有し得る。これらの実施形態では、圧縮強度は28日目にASTM C39に従って測定される。LWCコンクリートレディーミクス組成物の正確な圧縮強度はその配合、密度及び意図する用途に依存する。LWCコンクリートレディーミクス組成物の圧縮強度は上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0129】
LWC組成物は、従来のコンクリート調合物が使用されているすべてではないが多くの用途で使用され得る。非限定例として、本発明のLWC組成物は構造及び建築用途(その非限定例は戸境壁、ICFまたはSIP構造物、水盤、ベンチ、屋根板、壁板、乾式壁、セメントボード、建物の装飾柱またはアーチ道等)、家具または家庭用途(例えば、調理台、床下輻射暖房システム、床(一次及び二次)、ティルトアップ壁、化粧コーティングとしてのサンドイッチ壁パネル)、道路及び空港安全用途(例えば、拘束壁、ジャージーバリア、障音バリア及び壁、擁壁、走路アレスティングシステム、AEコンクリート、避難トラックランプ、流動性掘削埋め戻し)、及び道路構築用途(例えば、路床材料及び船橋楼甲板)で使用され得る。
【0130】
粗骨材が使用されていない本発明の実施形態では、本発明のLWC物品はねじ(非限定例として、乾式壁ねじ及び釘)の直接取り付けを容易に許容し得、ねじは慣用の空気または粉末駆動デバイスを用いて取り付けられ得る。これにより、従来のコンクリート調合物を用いては不可能であった材料、例えば合板、乾式壁、スタッド及び建築産業で通常使用されている他の材料を容易に取り付けることができる。
【0131】
本発明のLWC組成物を路床建設に使用する場合、ポリマー粒子はクラックの拡大を防止または最小限にするのを助けることができる。こうした現象は水の凍結−融解が関与しているときに特に起こる。
【0132】
本発明の組成物は、成形建設物品及び材料を作成するのにかなり適している。その非限定例にはティルトアップ壁パネルを含めた壁パネル、Tビーム、二重Tビーム、屋根タイル、ルーフパネル、天井パネル、床パネル、Iビーム、基礎壁等が含まれる。組成物は従来のLWC組成物よりも高い強度を呈している。
【0133】
本発明の一実施形態では、成形建設物品及び材料をプレキャスト及び/またはプレストレスしてもよい。
【0134】
本明細書中で使用されている「プレキャスト」コンクリートは、所要の形状の型またはキャストに注入し、養生及び/または硬化させた後、取り出し、所望の位置に置かれるコンクリートを指す。
【0135】
本発明の実施形態では、LWC組成物はプレキャスト用途で使用され、その例にはビームのようなプレキャスト部品、二重−T、パイプ、隔離壁、プレストレス製品、及びLWC組成物を直接型枠に注入し、最終部品がトラックにより作業現場に輸送される他の製品が含まれるが、これらに限定されない。本発明のこれらの実施形態では、スランプ値は少なくとも約8インチ(20cm)、幾つかの場合には少なくとも約10インチ(25.4cm)から約20インチ(50cm)以下、幾つかの場合には約18インチ(46cm)以下、他の場合には約16インチ(41cm)以下の範囲である。これらの実施形態では、スランプは上記した値であっても、上記した値の範囲であってもよい。
【0136】
本明細書中で使用されている「プレストレス」コンクリートは、さもなければ曲げ荷重のためにコンクリート部材が受けるであろう引張応力を相殺する圧縮強度を生じさせる型締荷重を与えるために使用されているプレストレス緊張材(多くの場合、高引張スチールケーブルまたはロッド)を使用することによりその張力が改善されているコンクリートを指す。当業界で公知の適当な方法がコンクリートをプレストレスするために使用され得る。適当な方法には、コンクリートが既に引っ張られている緊張材の周りに流し込まれているプレテンションコンクリート、及び注入及び養生プロセスの後に圧縮が加えられているポストテンションコンクリートが含まれるが、これらに限定されない。
【0137】
幾つかの実施形態での具体的利点は、本発明の粗骨材を含有していない凝結コンクリート組成物及び/または該組成物から成形される成形建設物品が特殊なコンクリートまたは先端にダイアモンドが付いている刀及び/または鋸を用いなければならないのとは対照的に、慣用の方法を用いて容易に切断及び/または区分され得ることである。こうすると、コンクリート物品をカスタマイズするときの時間及びコストを実質的に節約できる。
【0138】
組成物は、当業者に公知の方法に従って、非限定例としての屋根タイル、舗装材料または他の物品に対して実質的に所望の三次元構造で型に容易に流し込まれ得る。前記構造には木の屋根葺き板、スレート屋板板または面が滑らかなセメントタイルの外観を有しているようなある局所的テキスチャーを有する構造が含まれる。典型的な屋根板は幅10インチ、長さ17インチ、厚さ1.75インチの概算寸法を有し得る。屋根材料を成形する場合、AE剤を添加すると最終製品が凍結/融解劣化に対する耐性の点でより耐候性となる。
【0139】
本発明のLWC組成物を用いて基礎壁を注入する場合、基礎壁はより軽量であるために規格を上回り得る。通常、基礎壁の下の部分はコンクリート混合物の絶対的な重量のために外側に流れる傾向を有しているが、本発明のより軽量な組成物ではこの事象がより起こりにくい傾向にある。本発明のLWC組成物を用いて作成される基礎壁は従来の基礎壁建設に使用されている慣用のファスナーを容易に採用し得る。
【0140】
本発明の実施形態では、本発明のコンクリート組成物はコンクリート組積ユニットの形態で形成、凝結及び/または硬化される。本明細書中で使用されている用語「コンクリート組積ユニット」は中空または充実のコンクリート物品を指し、その中には刻みをつけたスプリット面、リブ付、ひだ付の接地面、スランプ付舗装石種類が含まれるが、これらに限定されない。本発明の実施形態は、少なくとも部分的に本発明に従って作成したコンクリート組積ユニットを含んでいる壁を提供する。
【0141】
本発明の一実施形態では、粗骨材を使用しないときには、上記した成形建設物品及び材料、並びにコンクリート組積ユニットは貫入ファスナーを受容及び保持することができる。前記ファスナーの非限定例には釘、ねじ、ステップル等が含まれる。これは、表面養生が成形建設物品及び材料、並びにコンクリート組積ユニット成形建設物品及び材料、並びにコンクリート組積ユニットに直接取り付けられ得るという利点を有し得る。
【0142】
本発明の一実施形態では、標準の2.5インチ乾式壁ねじを本発明の軽量コンクリート組成物を含有している注入し、凝結させた表面に1.5インチの深さまでねじ締めし、少なくとも500ポンド、幾つかの場合には少なくとも600ポンド、他の場合には少なくとも700ポンドから800ポンド以下の力をねじ締めた表面に対して垂直に1分間、幾つかの場合には5分間、他の場合には10分間適用する。
【0143】
本発明は、本発明のLWC組成物を含む建築物にも関する。
【0144】
本発明は、
凝結させた軽量コンクリート組成物の所望密度及び強度特性を同定し;
軽量コンクリート組成物中に使用するために発泡させようとするポリマービーズの種類、サイズ及び密度を決定し;
発泡させようとするポリマービーズのサイズ及び密度を測定し;
ポリマービーズを発泡させて、発泡ポリマービーズを形成し;
発泡ポリマービーズをセメント質混合物中に分散させて、軽量コンクリート組成物を形成し;
軽量コンクリート組成物を所望の形態に凝結させること
を含む最適化軽量コンクリート物品の作成方法をも提供する。
【0145】
凝結及び/または硬化させたLWC組成物の所望の密度及び強度特性は意図する用途に基づいて決定される。
【0146】
本発明の実施形態では、発泡させようとするポリマービーズの種類、サイズ及び密度、並びに発泡させようとするポリマービーズのサイズ及び密度は実験及び/または公表されているデータに基づいて決定され得る。
【0147】
本発明の別の実施形態では、有限要素解析を使用して、発泡させようとするポリマービーズの種類、サイズ及び密度、並びに発泡させようとするポリマービーズのサイズ及び密度を決定することができる。
【0148】
生じた軽量コンクリート組成物を凝結及び/または硬化すると、上記したLWC物品及びコンクリート組積ユニットが得られる。
【0149】
本発明を以下の実施例を参照することにより更に記載する。以下の実施例は単に本発明の例示であり、限定すると意図されない。別段の記載がない限り、%はすべて重量基準であり、別段の記載がない限りポルトランドセメントが使用されている。
【0150】
実施例
別段の記載がない限り、以下の材料を使用した:
III型ポルトランドセメント
メーソン砂(かさ密度=165pcf,比重=2.64,粗粒率=1.74)
飲用水−周囲温度(から70°F/21℃)
発泡性ポリスチレン−M97BC、F271C、F271M、F271T(ペンシルバニア州ピッツバーグに所在のNOVA Chemicals Inc.)
EPS樹脂−1037C(NOVA Chemicals,Inc.)
0.5インチ膨張スレート(ノースカロライナ州ソールズベリーに所在のCarolina Stalite Company,かさ密度=89.5pcf,比重=1.43)。
【0151】
別段の記載がない限り、組成物はすべて実験室条件下で1つの軸パドルを有する7ft作業容積本体を備えたモデル42N−5ブレンダー(ニューヨーク州ホーポージに所在のCharles Ross & Son Company)を用いて製造した。このミキサーを34rpmで操作した。LH−10温度・湿度チャンバ(マサチューセッツ州エアに所在のAssociated Environmental Systems製)においてコンディショニングを実施した。サンプルを平らなキャップを有する6”×12”使い捨てプラスチックシリンダー型を用いて成形し、3回試験した。圧縮試験は、鉛直荷重を所望の速度で油圧式に適用するForney FX250/300圧縮試験機(ペンシルバニア州ハーミティジに所在のForney Incorporated)を用いて実施した。他の周辺材料(スランプコーン、タンピングロッド等)はすべて適用可能なASTM試験方法に取り付けた。
【0152】
以下のASTM試験方法及び手順は以下の通りであった:
ASTM C470−コンクリート試験シリンダーを垂直方向に形成するための型についての標準規格;
ASTM C192−実験室でコンクリート試験片を作成し、養生させるための標準プラクティス;
ASTM C330−構造コンクリート用軽量骨材についての標準規格;
ASTM C511−水硬化性セメント及びコンクリートを試験する際に使用される混合ルーム、湿りキャビネット、湿り室及び貯水タンクについての標準規格;
ASTM C143−水硬化性セメントコンクリートのスランプについての標準試験方法;
ASTM C 1231−硬化コンクリートシリングーの圧縮強度を測定する際の非結合キャップの使用についての標準プラクティス;
ASTM C39−円筒状コンクリート試験片の圧縮強度の標準試験方法。
【0153】
シリンダーに蓋を被せ、周囲の実験室条件下で24時間放置した。その後、すべてのシリンダーを23±2℃、相対湿度95%で更に6日間エージングした。次いで、試験片を調べた。
【実施例1】
【0154】
非発泡ビーズ形態のポリスチレン(M97BC−0.65mm、F271T−0.4mm、及びF271M−0.33mm)を下表に示すように異なる密度を有するEPSフォーム(予備発泡)粒子に予備発泡させた。
【0155】
【表2】

【0156】
上記データは、予備発泡粒子サイズが材料の発泡密度によって逆に変化することを示している。
【実施例2】
【0157】
非発泡ビーズ形態のポリスチレン(0.65mm、0.4mm及び0.33mm)を下表に示すように2lb/ftのかさ密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて46.5重量%(25.3容量%)のポルトランドセメント、16.3重量%(26.3容量%)の水及び1.2重量%(26.4容量%)の予備発泡粒子を含有しているLWC組成物中に配合した。生じたLWC組成物は90lb/ftのコンクリート密度を有していた。平均圧縮強度(ASTM C39に従って測定、7日間破壊試験)を下表に示す。
【0158】
【表3】

【0159】
上記データは、平均非発泡ビーズサイズが小さくなるにつれて、一定の予備発泡粒子密度では、驚くことに従来技術で示唆されているように非発泡ビーズサイズを小さくしても必ずしもより高い圧縮強度が得られないことを示している。より具体的には、上記データは、90pcfコンクリート密度が得られるように配合したときに2.00pcfでの圧縮強度に関して最適の非発泡ビーズサイズが存在することを示している。この最適は、この具体的調合物に関して330から650ミクロンの範囲であるようである。
【実施例3】
【0160】
予備発泡粒子密度が全コンクリート密度にも影響を与えるので、一定のコンクリート密度を維持するためにEPS密度を変化させるにはEPS配合レベルを変化させなければならない。予備発泡粒子の全量が周りのコンクリートマトリックスの強度を低下させるほど大きくない限りのみ、この関係は保たれる。予備発泡粒子密度と配合レベルの関係により、全コンクリート密度をコントロールしながらコンクリート強度を最適にするための追加の機会が与えられる。
【0161】
非発泡ビーズ形態(0.65mm)のポリスチレンを下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。各々は90lb/ftのコンクリートの密度を有していた。
【0162】
【表4】

【0163】
下表は、90lb/ftという一定のコンクリート密度での予備発泡濃度とコンクリート強度の関係を数字で示している。
【0164】
【表5】

【0165】
上記データは、予備発泡粒子密度が増えると一定のコンクリート密度ではLWC組成物の圧縮強度も増加することを示している。
【実施例4】
【0166】
非発泡ビーズ形態(0.65mm)のポリスチレンを下表に示すように1.1lb/ftのかさ密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。
【0167】
【表6】

【0168】
以下のデータ表は、予備発泡配合量、コンクリート強度及びコンクリート密度の関係を数字で示している。
【0169】
【表7】

【0170】
上記データは、一定のフォーム粒子密度ではLWC組成物中の予備発泡粒子配合量が増えるにつれて軽量コンクリート密度及び圧縮強度が低下することを示している。
【実施例5】
【0171】
非発泡ビーズ形態(0.65mm)のポリスチレンを下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。
【0172】
【表8】

【0173】
下表は、調合物の重量に基づく一定のコンクリート予備発泡配合量での予備発泡密度とコンクリート強度の関係を数字で示している。
【0174】
【表9】

【0175】
上記データは、一定の予備発泡粒子配合量(重量基準)では軽量コンクリート組成物中の予備発泡粒子密度が増えるにつれて軽量コンクリート密度及び圧縮強度が増加することを示している。
【実施例6】
【0176】
非発泡ビーズ形態(0.65mm)のポリスチレンを下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。
【0177】
【表10】

【0178】
下表は、一定のコンクリート密度での予備発泡密度とコンクリート強度の関係を数字で示す。
【0179】
【表11】

【0180】
上記データは、一定のコンクリート密度ではLWC組成物中の予備発泡粒子密度が増えるにつれてLWCの圧縮強度が増加することを示している。
【実施例7】
【0181】
非発泡ビーズ形態(0.65mm)のポリスチレンを下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。
【0182】
【表12】

【0183】
以下のデータ表は、一定のコンクリート密度での予備発泡密度とコンクリート強度の関係を数字で示している。
【0184】
【表13】

【0185】
上記データは、一定のコンクリート密度ではLWC組成物中の予備発泡粒子密度が増えるとLWCの圧縮強度が増加することを示している。
【実施例8】
【0186】
以下の実施例は、骨材としての膨張スレートと本発明の予備発泡粒子の併用を立証している。非発泡ビーズ形態のポリスチレンを下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。
【0187】
【表14】

【0188】
上記データは、軽量コンクリート組成物中に本発明の予備発泡及び骨材として膨張スレートを用いると所望の軽量コンクリートが得られ得ることを示している。
【実施例9】
【0189】
以下の実施例は、骨材としての膨張スレートと本発明の予備発泡粒子の併用を立証している。非発泡ビーズ形態のポリスチレンを下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を3.5ftドラムミキサーにおいて下表に示す成分を含有しているLWC組成物中に配合した。
【0190】
【表15】

【実施例10】
【0191】
1ft×4インチ厚さのコンクリート成形品を、下表に示す実施例X及びYに従って調製した調合物を型枠に注入し、この調合物を24時間凝結させることにより作成した。
【0192】
【表16】

【0193】
7日後、合板の1ft×0.5インチのシートを成形したコンクリートに直接締結させた。十分に締結させるためには最低1インチの貫入が必要であった。結果を下表に示す。
【0194】
【表17】

【0195】
上記データは、本発明のスレートなしの軽量コンクリート組成物が従来の膨張スレート調合物に比べて標準のファスナーを用いて合板と優れた優れた把持能力を与え、一方スレート含有コンクリートは簡単にファスナーを受容しなかったことを立証している。このことは、コンクリートに対してファスナーを把持させることができるようにアンカーをコンクリートに固定させるのに消費する時間をなくすことができるので従来技術に比べた改善に相当する。
【実施例11】
【0196】
1ft×4インチ厚さのコンクリート成形品を、実施例X及びYの調合物を型枠に注入し、この調合物を24時間凝結させることにより作成した。7日後、標準乾式壁の1ft×0.5インチのシートを標準1.75インチの乾式壁ねじを用いて成形したコンクリートに直接締結させた。十分に締結させるために最低1インチのねじ貫入が必要であった。結果を下表に示す。
【0197】
【表18】

【0198】
上記データは、本発明のスレートなしの軽量コンクリート組成物が、簡単にファスナーを受容しなかった従来の膨張スレート調合物に比して優れた把持能力を与えることを立証している。このことは、コンクリートに対して乾式壁を取り付けることができるようにコンクリートに対して釘打ちスタッドを締結させるのに消費する時間をなくすことができるので従来技術に比べた改善に相当する。
【実施例12】
【0199】
2ft×4インチ厚さのコンクリート成形品を、実施例X及びYの調合物を型枠に注入し、調合物を24時間凝結させることにより作成した。7日後、長さ3ftの2”×4”スタッドを標準16d釘を用いて成形したコンクリートに直接締結させた。十分に締結させるために最低2インチの釘貫入が必要であった。結果を下表に示す。
【0200】
【表19】

【0201】
上記データは、本発明のスレートなしの軽量コンクリート組成物が、簡単にファスナーを受容しなかった従来の膨張スレート調合物に比して優れた把持能力を与えることを立証している。このことは、TAPCON(登録商標)(イリノイ州グレンビューに所在のIllinois Tool Works Inc.から入手可能)または類似のファスナー、リードアンカー、或いはコンクリートに対してスタッドを締結させるために当業界で公知の方法を用いたときにかかる費用及び時間をなくすことができるので従来技術に比べた改善に相当する。
【実施例13】
【0202】
追加の骨材を含まないコンクリートを下表に示す成分を用いて作成した。
【0203】
【表20】

【0204】
上記データは、最大の圧縮強度の組成物を与えるために必要な平均予備発泡サイズがある程度予備発泡の発泡係数に依存していることを示している。平均予備発泡サイズのみに注目しても、最大の可能性あるコンクリート強度の良好な指標を与えない。この点は、実施例BBとFFを比較することにより説明される。実施例FF(1.54mmサイズ)は18×発泡係数でも最大圧縮強度を与えず、48×発泡させたビーズから得られる最大圧縮強度に近い。
【0205】
予備発泡サイズと発泡係数の組合せを用いると、最大コンクリート強度に対する指標が得られ得る。例として、実施例AA(予備発泡サイズ=1.35mm、発泡係数=48)は1750psiの圧縮強度を有する93pcfコンクリートを与えるのに対して、同様の大きさの予備発泡である実施例II(予備発泡サイズ=1.41mm、発泡係数=12)は2100psiという有意により高い圧縮強度を有する90pcfコンクリートを与える。よって、予備発泡サイズが小さく且つ発泡係数が低いと、最適の予備発泡粒子サイズ範囲で本発明の軽量コンクリート組成物の圧縮強度を向上させることができる。
【実施例14】
【0206】
骨材として膨張スレートを含むコンクリートを下表に示す成分を用いて作成した。
【0207】
【表21】

【0208】
上記データは、約90pcf密度コンクリートを維持するために必要なEPS容量はスレート濃度が増加するにつれてやや直線的に減少することを示している。本発明の軽量コンクリートの強度は調合物中のスレートの量が増加するにつれて指数的に増加する。この関係は、本発明の軽量コンクリート調合物中に骨材を配合する潜在的に有意な影響を強調しており、所望密度で強度を最大とするために調合物中のEPS及び骨材の量を最適にする可能性を立証している。加えて、各種成分のコストは軽量コンクリート調合物を最大強度及び最低コストの両方について最適化し得るような設計で配合することもできる。
【実施例15】
【0209】
非発泡EPS(1037C)を有し、追加の骨材を含まないコンクリートを下表に示す成分を用いて作成した。
【0210】
【表22】

【0211】
上記データは、非発泡ポリスチレン樹脂ビーズ(かさ密度=から40pcf)が低密度(76から100pcf)で驚くほど高い圧縮強度(2500から3200psi)を有する軽量コンクリート組成物を提供し得ることを示している。
【実施例16】
【0212】
1.2lb/ftまで発泡させたF271Tビーズ、1.3lb/ftまで発泡させたF271Cビーズ及び1.5lb/ftまで発泡させたM97BCビーズからの予備発泡を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて評価した。
【0213】
予備発泡粒子の外部構造は通常連続する外表面またはスキンを有する球形であった。予備発泡サンプルの内部気泡構造はハニカム様構造に似ている。
【0214】
予備発泡粒子のサイズもSEMを用いて測定し、結果を下表に示す。
【0215】
【表23】

【0216】
上に挙げたデータをすべて勘案すると、上記データから内部気泡構造が軽量コンクリート調合物の強度に影響を与えることが示唆される。
【0217】
軽量コンクリート組成物中に使用する場合、予備発泡粒子は2つの方法でコンクリートの全強度に影響を与え得る。第1に、低い密度を有する大きな粒子は予備発泡粒子の周りのコンクリートマトリックスを変化させ、第2に、低密度の予備発泡粒子は発泡された粒子の気泡構造のために余り剛性でない。コンクリートの強度は少なくとも一部予備発泡粒子の強度に依存しているので、予備発泡粒子強度を高くして軽量コンクリートの強度を高くしなければならない。可能性ある強度の増加はコンクリートマトリックスに影響を及ぼす程度により制限され得る。本実施例中のデータは、最大の可能性ある軽量コンクリート強度を生じさせる最適サイズの予備発泡粒子(予備発泡密度によりコントロールされる)を得るために元のビーズ粒子サイズを最適化させ得ることを示唆している。
【0218】
換言すると、最適の予備発泡粒子サイズ及び最適の密度の範囲で、予備発泡の壁厚さにより本発明の軽量コンクリート組成物が従来技術の軽量コンクリート組成物よりも高い強度を有するのに十分な支持が得られる。
【0219】
本明細書中に挙げられているデータは、従来技術で採用されている仮定及びアプローチとは異なり、驚くことに発泡EPS粒子が単にコンクリート中のボイドスペースとして作用する以上に働き得ることを立証している。より具体的には、本発明において使用される予備発泡粒子の構造及び特性は生じる軽量コンクリート組成物の強度を有意に高め得る。
【実施例17】
【0220】
この実施例は、ファスナーと本発明の軽量コンクリート組成物の併用及び関連する引抜強度を立証する。この評価は、本発明の軽量コンクリート(約90pcf)に直接取り付けたねじの荷重容量を普通重量コンクリート及び従来の軽量コンクリートに取り付けた従来のコンクリートファスナーと比較するために使用した。
【0221】
ファスナー引抜試験は3種のコンクリートで実施した。すなわち、次表の配合に従って上記したように作成した普通重量コンクリート=143pcf(サンプルMM,140pcf普通コンクリート)、膨張スレートを用いる軽量コンクリート=123pcf(サンプルNN,120pcf LWC)、及びEPSを含む軽量コンクリート=87pcf(サンプルOO,90pcf LWC)。
【0222】
【表24】

【0223】
ファスナーの軸と一直線に荷重を加えるべく重りを重力を利用して各ファスナーから垂直につり下げることができる装置を構築した。90pcf LWCには2.5”標準乾式壁ねじが約1.5”の深さまで直接取り付けられた。120pcf LWCには予め開けた孔に2つのタイプのファスナーを取り付けた。すなわち、2.75” TAPCON(登録商標)金属ねじタイプの組積締結アンカー(イリノイ州グレンビューに所在のIllinois Tool Works Inc.)を約2”の深さに取り付け、標準の2.25”調整ウェッジ−クリップボルト/ナットアンカーを約1.25”の深さに取り付けた。140pcf 普通コンクリートにも予め開けた孔に2つのタイプのファスナーを取り付けられた。すなわち、2.75” TAPCONアンカーを約2”の深さに取り付け、標準の2.25”調整ウェッジ−クリップボルト/ナットアンカーを約1.25”の深さに取り付けた。試験のために、軽量コンクリート中の乾式壁ねじの1つを抜き、同じファスナー孔に再び取り付けた。TAPCONねじの1つも抜き、再び取り付けて、容量の損失を評価した。次表は、試験したアンカー/ファスナーに関するデータ及び荷重を示す。
【0224】
【表25】

【0225】
乾式壁ねじは容易に破損したりコンクリートから剥がれることがなかったので、90pcf LWCにおける乾式壁のねじの保持力は驚くほど高かった。乾式壁ねじは簡単に取り付けられ、標準サイズの電気ドリルしか必要でなかった。90pcf LWCにおける乾式壁ねじの把持強度では、ねじ頭がコンクリートの表面に達する前に適用したドリリングトルクが停止しなかったらねじ頭がねじり取られるであろう。90pcf LWCにおける抜き取り、再び取り付けた乾式壁ねじを除いて、ファスナーはすべて740lbsの荷重を少なくとも10分間保持した。前者のねじはコンクリートから裂ける前30秒間700lbsを保持している。この乾式壁ねじは破壊点で破壊せず、コンリートから引き抜かれた。
【0226】
上記データを全体として考慮すると、本発明の軽量コンクリート調合物の圧縮強度を最大とするためには最適の予備発泡ビーズサイズ(非限定例として、90pcf 軽量コンクリートの場合約750から1400μmの予備発泡直径まで約10から20cc/gの発泡係数に発泡させた約450から550μm樹脂ビーズ)が存在することが立証された。本発明の軽量コンクリート調合物の圧縮強度は、本発明のEPS予備発泡ビーズ密度を増加させることにより向上させ得る。非発泡ポリスチレン樹脂(かさ密度=から40pcf)は、低密度(76から100pcf)を考慮して高い圧縮強度(2500から3200psi)を有するLWCを生ずる。本発明の軽量コンクリート調合物中に骨材を使用することができる。粗骨材なしの本発明の軽量コンクリート調合物は標準のドリル及びねじを用いて直接締結され得るコンリート組成物を提供する。EPS予備発泡ビーズを低いかさ密度(例えば、<1pcf)に発泡させると、ビースは弱い内部気泡構造を有し、これが弱いフォームが生じ、低い圧縮強度を有する軽量コンクリート組成物しか提供されない。
【実施例18】
【0227】
以下の例は、本発明の予備発泡粒子のレディーミクス調合物における使用を立証している。非発泡ビーズ形態のポリスチレン(Nova Chemicals Inc.から入手可能なF271)を下表に示すように異なる密度を有する予備発泡粒子にプレ発泡させた。この予備発泡粒子を2.2ftモルタルミキサー(カリフォルニア州サンフラシスコに所在のIMER USA Inc.製READYMAN(登録商標)120)において下表に示す成分を含有しているレディミクス組成物中に配合した。成分を砂(粗い,比重2.5)、粗骨材、ポルトランドセメント(I型,CEMEX)、予備発泡及び水の順序で合わせた。シリンダー(4”×8”)をASTM C192に従って作成し、ASTM C511に従って養生させた。
【0228】
【表26】


【0229】
上記データから、本発明の予備発泡粒子を含有しているレディーミクス組成物を使用すると優れた圧縮強度が得られ得ることが分かる。
【0230】
本発明を特定実施形態の具体的詳細を参照して記載してきた。これらの詳細は請求の範囲に含まれる限り及びその程度まで本発明の範囲を限定するとはみなされるとは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】本発明で使用される予備発泡ビーズの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明で使用される予備発泡ビーズの内部の走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明で使用される予備発泡ビーズの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明で使用される予備発泡ビーズの内部の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明で使用される予備発泡ビーズの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明で使用される予備発泡ビーズの内部の走査型電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
8−20容量%のセメント、
11−50容量%の砂、
10−31容量%の予備発泡(prepuff)粒子、
9−40容量%の粗骨材、
10−22容量%の水
を含む軽量レディーミクスコンクリート組成物であり、
予備発泡粒子は0.2mmから8mmの平均粒子径、0.02g/ccから0.64g/ccのかさ密度、1から3のアスペクト比を有し、成分の合計は100容量%を越えず、ASTM C143に準拠して測定したスランプ値は2から8インチであり、ならびに軽量レディーミクスコンクリート組成物は28日間凝結させた後、ASTM C39に準拠して試験して少なくとも1400psiの圧縮強度を有している、軽量コンクリート組成物。
【請求項2】
予備発泡粒子が実質的に連続的な外層を有している請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項3】
予備発泡粒子が少なくとも0.15μmの内部気泡壁厚さを有する発泡ポリマー粒子を含む請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項4】
粒子が、ビニル芳香族モノマーのホモポリマー;少なくとも1つのビニル芳香族モノマーとジビニルベンゼン、共役ジエン、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレート、アクリロニトリル及び/または無水マレイン酸の1つ以上とのコポリマー;ポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアミド;天然ゴム;合成ゴム;及びその組合せからなる群から選択される1つ以上のポリマーからなる発泡ポリマー粒子を含む請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項5】
予備発泡粒子が、約0.2から約2mmの非発泡平均樹脂粒子サイズを有するポリマービーズを発泡させることにより作成される発泡ポリマー粒子を含む請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項6】
セメントが、ポルトランドセメント、ポゾランセメント、セッコウセメント、セッコウ組成物、アルミナセメント、マグネシアセメント、シリカセメント、スラグセメント、I型セメント、IA型セメント、II型セメント、IIA型セメント、III型セメント、IIIA型セメント、IV型セメント及びV型セメントからなる群から選択される1つ以上の材料を含む請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項7】
組成物が可塑剤及び/または繊維を含む請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項8】
繊維が、ガラス繊維、炭化ケイ素、アラミド繊維、ポリエステル、炭素繊維、複合繊維、ファイバーグラス、その組合せ、前記繊維を含有するファブリック及び前記繊維の組合せを含有するファブリックからなる群から選択される請求項7に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項9】
粗骨材が、石、砂利、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、ガラス、シリカ、膨張スレート、粘土、軽石、パーライト、ヒル石、スコリア、ケイソウ土、膨張頁岩、膨張粘土、膨張スラグ、ヒュームドシリカ、ペレット化骨材、押出しフライアッシュ、凝灰岩、マクロライト、スレート、膨張高炉スラグ、焼結フライアッシュ、石炭殻及びその組合せからなる群から選択される請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項10】
約40から約130lb/ftの密度を有している請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の軽量コンクリート組成物を含む路床。
【請求項12】
建築パネルの形態で凝結させた請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項13】
水セメント比が0.40を超える請求項1に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項14】
パンまたはドラム型ミキサーにおいて砂、粗骨材、セメント、0.2から8mmの平均粒径、0.02から0.64g/ccのかさ密度及び1から3のアスペクト比を有する予備発泡粒子、水及び場合により混和剤を混合することを含む軽量レディーミクスコンクリート組成物の製造方法。
【請求項15】
セメントが組成物の8から20容量%を占め、砂が組成物の11から50容量%を占め、予備発泡粒子が組成物の10から31容量%を占め、粗骨材が組成物の9から40容量%を占め、水が組成物の10から22容量%を占めている請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法に従って製造される軽量レディーミクスコンクリート組成物。
【請求項17】
ASTM C143に従って測定して2から8インチのスランプ値を有する請求項16に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項18】
軽量レディーミクスコンクリート組成物が28日間凝結させた後、ASTM C39に従って試験して少なくとも1400psiの圧縮強度を有している請求項16に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項19】
セメントがI型セメント、II型セメントまたはIII型セメントを含む請求項16に記載の軽量コンクリート組成物。
【請求項20】
混和剤は、リグノスルホネート、ナフタレンスルホン酸ナトリウム−ホルムアルデヒド縮合物、スルホン化メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、スルホン化ビニルコポリマー、尿素樹脂、ヒドロキシ−またはポリヒドロキシ−カルボン酸の塩及びその組合せからなる群から選択される請求項16に記載の軽量コンクリート組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−530225(P2009−530225A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501470(P2009−501470)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/006668
【国際公開番号】WO2007/111850
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(503200752)ノバ・ケミカルズ・インコーポレイテツド (19)
【Fターム(参考)】