説明

較正用標準試料の生成方法および装置、並びにレーザー誘起プラズマ分光分析方法および装置

【課題】金属元素物質が測定対象試料と同じ状態でフィルタに付着しており、最適化されたレーザー誘起プラズマ分光装置の定量下限値と測定範囲を確認できる程度の付着量を包含している較正用標準試料を提供する。
【解決手段】水中に既知の金属元素物質を設置して微粒化手段の破砕あるいは/および融砕条件を変化させ、量と粒径を制御して、融砕を行い、制御された量と粒径の融砕した金属元素物質が懸濁した懸濁液を形成する方法によって、量と粒径が制御された既知の同種のおよび異種の金属元素物質についての一又は複数の懸濁液を形成し、形成された懸濁液を適宜混合希釈調整して調整懸濁液をそれぞれ形成し、該調整懸濁液をフィルタに付着させて乾燥させ、既知の分析、検定方法によって前記フィルタに付着した既知の一又は複数の金属元素物質についてのそれぞれの付着量と粒径からなる付着状況データを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
レーザー誘起プラズマ分光分析方法、装置に用いる較正用標準試料の生成方法および装置、並びにこの較正用標準用試料を用いたレーザー誘起プラズマ分光分析方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、(1)空気中に浮遊して監視対象元素種を含む粒子状物質をろ過してフィルタ物質上に捕集する手段、(2)フィルタ物質にパルス状のレーザー光を照射して付着した実質的にすべての粒子状物質を絶縁性破壊する手段、(3)上記の絶縁性破壊の結果発生する種々の要因によって発生する発光から粒子状物質に含まれる元素種に特有の発光スペクトルを分離する手段、(4)上記の粒子状物質に含まれる元素種に特有の発光スペクトルを定量的に検出・記録する手段、(5)既知量の監視対象元素種をフィルタ物質上に付着させた標準試料を調製する手段、(6)上記の定量的な検出・記録を、標準試料についての定量的な検出・記録と比較して空気試料中に浮遊する粒子状物質に含まれる監視対象元素種の濃度を測定する等の六段階の手段を具えたことを特徴とし、通常の化学分析と比較して分析時間が大幅に短縮され、実質的に瞬時・現場分析を可能とする、流体中に含まれる物質を定量測定するための装置と方法が記載され、ベリリウム、ベリリウム化合物或いは合金の塵への適用が説明されている。
【0003】
非特許文献1には、上記第(2)項、第(5)項、第(6)項に関して、検討を行った結果を記載している。ここでは、特許文献1で開示された、監視対象元素種の水溶液を霧状とし、脱水して生成する粒子をフィルタ物質に付着させる方法に加えて新たに、水中に置いたベリリウム金属片に焦点を合わせたレーザーで、パルスエネルギー150mJを3000回繰り返して照射を行って融砕を行い、粒径が0.5乃至5μのベリリウム微粒子を約2.5μg/mLの濃度で含む懸濁水溶液を作り、フィルタに一定量の懸濁水溶液をろ過させて、直径37mmの標準フィルタに約1ng〜10μgのベリリウムを付着させる方法を開発し、レーザー誘起プラズマ分光分析の結果における標準偏差の3倍として定義される検出限界が0.36ngであり、この方法によって空気中のベリリウム濃度が通常行われる原子吸光分析法における検出限界と比較し得ることから、標準フィルタ試料の調製方法として適切であることが記載されている。また、この方法によって調製した標準フィルタ試料(直径37mm)について透明アクリル塗料を吹きかけて乾燥し、約5mgの被膜を形成することがレーザー照射時に発生する衝撃波によるベリリウム微粒子の脱落を抑制するために効果があることが記載されている。上記のベリリウムについての融砕操作では、約1.2mgのベリリウムが融砕されていることになり、エネルギー150mJ/パルスの照射で毎パルス400ngのベリリウムが融砕されていたことになる。
【0004】
非特許文献2は、レーザー誘起プラズマ分光分析法において、レーザー光(Nd:YAG、1064−nm、光束径6mm、パルス幅10ns、パルスエネルギー185mJ)を試料表面に収束するための球面及び円柱面レンズ(焦点距離75mm及び150mm)の焦点におけるエネルギー密度がそれぞれ14.8GW/cm2及びで3.1GW/cm2あるが、球面レンズでは空気プラズマを透過する割合が、焦点距離75mmの場合に10%であり、150mmの場合に17%であり、円柱面レンズでは空気プラズマが発生しないことを示し、また、実際のレンズ−試料間距離(LTSD)とレンズの焦点距離の関係を検討し、融砕物質量に与える影響を、重量約100mgの1100Al金属を試料として、12ヶ所にそれぞれ600回ずつのパルス照射を行い照射試験前後の重量測定からパルス当りの融砕物質量を求め、球面レンズではLTSDが焦点距離以下になって空気プラズマが発生しないと融砕物質量が増えて60ng/パルスに達し、元来空気プラズマが発生しない円柱面レンズてもLTSDが焦点距離に近づくと融砕物質量が減る傾向があるが、焦点距離150mmの場合には特徴的にLTSDが焦点距離に等しい時に最大値として100ng/パルスを与えており、これはプラズマ温度の測定結果とも一致していると記載している。
【0005】
非特許文献3は、レーザーの波長が短く、レーザーパルスのエネルギーが大きく、レーザーパルス幅がプラズマ存続時間と同程度以上のns程度であることが融砕効率を高めるが、プラズマによる光吸収効果や試料内への熱伝導がエネルギー効率を低下させることを記載している。
【0006】
特許文献2は、発光分光分析装置を用いて不活性ガス雰囲気中で、金属試料と対電極との間でスパーク放電を飛ばし、そこから得られる各元素の発光強度から金属試料中に存在する介在物を測定する方法であって、予め、金属材料に含まれる介在物の組成が分析されてスパーク放電毎に得られる該標試料中の介在物形成元素の固有スペクトル強度をマトリクス元素のスペクトル強度で割り求めた強度比から、各元素毎に介在物の組成と強度比との関係を求めておき、それらの関係から、対象とする金属材料において測定される、介在物起因で起こる固有スペクトル強度から求めた強度比を、各元素の組成に換算することにより、金属材料中の介在物の組成を定量分析することを特徴とする発光分光分析法による金属材料中の介在物の分析方法を記載している。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,561,777号公報
【特許文献2】特開2006−308347号公報
【非特許文献1】D. A. Cremers and L. J. Radziemski, Applied Spectroscopy, Vol. 39, No. 1, 1985, 57-63. Direct Detection of Beryllium on Filters Using the Laser Spark.
【非特許文献2】R. A. Multari, L. E. Foster, D. A. Cremers and M. J. Ferris (1996). The effects on sampling geometry on elemental emissions in laser-induced breakdown spectroscopy. Appl. Spectrosc. 50: 1483-1499.
【非特許文献3】A. Semelock, B. Salle, J.-F. Wagner and G. Petite, Laser and Particle Beam (2002), Vol.20, 67-72, Femtosecond, picosecond, and nanosecond laser microablation: Laser plasma and creator investigation.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
大気汚染防止法に定める規制物質、有害大気汚染物質に該当する物質、PRTR法の第一種指定化学物質、労働安全衛生法に定める特定化学物質などに係わる金属類の空気中濃度が規制されており、それぞれ法規に定めるところに従って測定されなければならない。空気中に粉じんとして浮遊する金属類試料の採取は、フィルタによるろ過捕集法が統一的に指定されているが、金属元素量の分析には、フィルタとフィルタに付着する物質を全て溶液化するために特定の金属の種類によって定められる前処理を行って、フィルタに付着していた特定の金属元素の全量を含んだ溶液について化学的に分析を行うが、労働安全衛生法関連では吸光光度分析法又は原子吸光分析法と同等或いはそれ以上の性能を有する方法によって行うものとし、大気汚染防止法・PRTR法関連では原子吸光分析法又は誘導結合プラズマ発光分析或いは誘導結合プラズマ質量分析法等と同等或いはそれ以上の性能を有する方法によって行うものとしている。この測定基準の問題は、分析法そのものではなく、測定対象元素を溶液化する前処理に要する多大の労力と長い時間であり、特に、作業環境において有害物質の暴露を管理する立場から解決すべき課題であった。
【0009】
レーザー誘起プラズマ分光法は気体、液体中で、又は固体の表面でレーザーの焦点に存在する物質が高温のプラズマ中で励起されて発生する原子発光のスペクトル波長に基づいて、存在する化学種の同定を行い、また、スペクトルの強度を標準スペクトルと比較して基質に含まれる対象化学種の濃度を求めることができる。
【0010】
ろ過捕集法で採取した金属類の微粒子は、フィルターの比較的表面近くの繊維に付着して存在する特性がある。このため、固体試料の表面近くに存在する物質を選択的に分析する特徴がある、レーザー誘起プラズマ分光法を適用して有効に分析できる。
【0011】
溶液化してからの化学分析に代わって、レーザー誘起プラズマ分光法の適用における課題は、定量分析に必須である検量線を作成するために使用する、金属元素が測定対象試料と同じ状態でフィルタに付着している較正用標準試料を作成することである。較正用標準試料を使って検量線が直線となることで定義付けられる定量範囲と、定量範囲の下限領域における繰り返し分析操作における標準偏差値の十倍で定義され、分析値の確からしさの指標となる定量下限値を求めることによって測定装置と方法の性能が評価される。従来の溶液化と化学分析法に代えて、フィルタ表面に付着する粒子状物質に含まれる元素量を直接定量分析する方法を適用することの妥当性は、新しい装置と方法の性能が従来適用されている分析方法と同等或いはそれ以上の性能を有することを実証しなければならない。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、金属元素物質が測定対象試料と同じ状態でフィルタに付着しており、最適化されたレーザー誘起プラズマ分光装置の定量下限値と測定範囲を確認できる程度の付着量を包含している較正用標準試料を提供することによって、レーザー誘起プラズマ分光分析法、装置に基づく実用的な分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、微粒子に含まれる一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法に用いる較正用標準試料を作成する較正用標準試料の生成方法において、
水中に既知の金属元素物質を設置して微粒化手段の破砕あるいは/および融砕条件を変化させ、量と粒径を制御して、破砕あるいは/および融砕を行い、制御された量と粒径の融砕金属元素物質が懸濁した懸濁液を形成する方法によって、量と粒径が制御された既知の同種のおよび異種の金属元素物質についての複数の懸濁液を形成し、
形成された懸濁液を適宜混合調整して調整懸濁液をそれぞれ形成し、
該調整懸濁液をフィルタに付着させて乾燥させ、既知の分析、検定方法によって前記フィルタに付着した既知の一又は複数の金属元素物質についてのそれぞれの付着量と粒径からなる付着状況データを特定し、
前記フィルタにレーザー誘起プラズマ分光分析方法を適用してそれぞれの金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度を取得し、
前記付着状況データが特定された金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度が付着量のみに依存し、粒径に依存しないスペクトル強度と付着量の相関関係である検量線を与えるレーザー誘起プラズマ分光分析操作条件を特定して記憶媒体に記憶させること
を特徴とする較正用標準試料の生成方法を提供する。
【0014】
本発明は、また、前記微粒化手段は水中に既知の金属元素物質を設置してレーザーパルス照射を利用する微粒化手段であり、レーザーパルスの光学的照射条件を変化させてレーザーを照射して破砕あるいは/および融砕を行い、金属元素物質の懸濁液を連続的に水で置換しながら行うことを特徴とする較正用標準試料の生成方法を提供する。
【0015】
本発明は、また、前記いずれかの較正用標準試料の生成方法によって生成された較正用標準試料を用いて環境雰囲気中に浮遊する一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法において、
較正用標準試料の記憶媒体に記憶されたスペクトル強度と付着量の直線的な相関関係である検量線が成立することをもってレーザー誘起プラズマ分光分析がなされること
を特徴とする一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法を提供する。
【0016】
本発明は、微粒子に含まれる一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法に用いる標準試料を作成する較正用標準試料生成装置において、
水中に既知の金属元素物質を設置して破砕あるいは/および融砕条件を変化させ、量と粒径を制御する破砕あるいは/および融砕を行う微粒化手段と、
制御された量と粒径の金属元素物質が懸濁することによって懸濁液を形成する方法によって、量と粒径が制御された既知の同種のおよび異種の金属元素物質についての一又は複数の懸濁液をそれぞれ形成する懸濁液形成手段と、
形成された懸濁液を適宜混合調整して調整懸濁液を形成する調整懸濁液形成手段と、
該調整懸濁液をフィルタに付着させて乾燥させ、既知の分析、検定方法によって前記フィルタに付着した既知の一又は複数の金属元素物質についてのそれぞれの付着量と粒径からなる付着状況データを特定する付着状況データ取得手段と、
前記フィルタにレーザー誘起プラズマ分光分析方法を適用してそれぞれの金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度を取得するスペクトル強度取得手段と、
前記付着状況データが特定された金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度が付着量のみに依存し、粒径に依存しないスペクトル強度と付着量の相関関係である検量線を与えるレーザー誘起プラズマ分光分析操作条件を特定する記憶媒体と、を有することを
を特徴とする較正用標準試料の生成装置を提供する。
【0017】
本発明は、また、前記微粒化手段は水中に既知の金属元素物質を設置してレーザーパルス照射を利用する微粒化手段であり、レーザーパルスの光学的照射条件を変化させてレーザーを照射して破砕あるいは/および融砕を行い、金属元素物質の懸濁液を連続的に水で置換しながら行うことを特徴とする較正用標準試料生成装置を提供する。
【0018】
本発明は、また、前記いずれかの較正用標準試料生成装置によって生成された較正用標準試料を用いて環境雰囲気中に浮遊する一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析装置において、
較正用標準試料の記憶媒体に記憶されたスペクトル強度と付着量の直線的な相関関係である検量線が粒径に依存せずに成立することをもってレーザー誘起プラズマ分光分析がなされるようにしたこと
を特徴とする一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析装置を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、想定される定量範囲を包含する濃度範囲の間で複数濃度について行う必要があるレーザー誘起プラズマ分光分析の検量線の作成操作のために、既知の分析方法によって検定され得る標準試料を提供し、このように、予め別の分析方法によって検定され得る標準試料を提供することによって、個別に一又は複数の金属元素物質を包含する標準試料を調製し、検定に要する費用と時間を軽減し、レーザー誘起プラズマ分光分析装置の初期較正、定期較正操作に係わる費用と時間を著しく軽減し、結果的にレーザー誘起プラズマ分光分析経費を著しく軽減することができる。
【0020】
また、本発明によれば、微粒子に含まれる複数の金属元素物質のレーザー誘起プラズマ分光分析結果の、感度、精度、確からしさ、信頼性を高く保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施例の較正用標準試料生成装置に用いる1つの例としての懸濁液形成装置1の概要を示す図である。
図1において、懸濁液形成装置は、レーザー電源1、レーザー発振器2、レーザー光を屈折させるための鏡3、レーザー光を収束するための球面状或いは円柱面状レンズ4、レーザーパルス照射液槽6、レーザーパルス照射液槽内の水7、分析対象金属元素又はその非水溶性化合物の平滑で平坦な面を有するレーザー照射対象物の一片9を固定するホルダー10、懸濁液の貯留タンク11、レーザーパルス照射液槽6と懸濁液の貯留タンク11を搭載し、三次元的に移動できる架台12から構成され、レーザーパルスの幅およびパルス周波数は制御計算機を備えた制御装置(図示せず)によって制御される。レーザーパルス照射液槽6はレーザーに対して透過性がある物質で構成される窓14、レーザーパルス照射液槽への水供給口15、レーザーパルス照射液槽からの懸濁液溢流口16を備える。レーザー発信器3からパルス状に発振されたレーザー5はパルス状レーザービーム16となってレーザー照射対象物の一片9に照射される。
【0023】
レーザーパルス照射液槽6には、上述のように、レーザーに対して透過性がある物質で構成される窓14が設けてある。ホルダ10はL字状をなし、底部は水平方向に平坦な面を有し、縦方向の側部は縦方向に平坦な面を有し、レーザー照射対象物の一片9をしっかりと鉛直に固定保持することができる。
図1において、レンズ4の理論的な焦点距離はL1で、レンズ4とレーザー照射対象物の距離はL2で示され、L2は架台12を移動することによって調整可能とされる。
【0024】
本実施例において、レーザー発振器2は、Nd:YAGレーザー、波長266nm、パルス出力50mJであり、レンズ4は、球面状或いは円柱面状で焦点距離が50mm乃至150mmであり、レーザー入射用の窓14は石英ガラス製であり、寸法が20mm×20mm×1mmで平滑な平板状のレーザー照射対象物の一方9のレーザー照射面は石英ガラス内面から5mmの位置に鉛直に設置され、三次元可動架台12によって、光軸が水平であるレンズとレーザー照射対象物間の距離Lがレンズ理論的な焦点距離Lの0.8倍乃至0.9倍となる位置にレーザー照射対象物の一片9があるようにする。照射対象物上の照射範囲は、球面レンズの場合に直径0.6〜1.2mmであり、円柱面レンズの場合に幅0.6〜1.2mm、長さ6mmであった。レーザーは10nsまでパルス幅を広げることが可能であるが本実施例では1nsとして短時間にエネルギーを集中する。レーザーパルスの繰り返し速度は20Hzまで高めることができる。定量液送ポンプと水供給口15を軟質プラスチック管で接続して毎分60ccの水をレーザーパルス照射液槽6に送りこんだ。幅が20mmの照射対象物の前面における流路断面積が1cm2であるので、流速は毎秒1cmであった。レーザーパルスの熱出力50mJにおいて、レーザーパルスの繰り返し速度を20Hzとして照射を行った。金属元素物質の懸濁液は毎秒1cmの速度で連続的に上方に除去されて水と置換し、照射されるレーザーの出力は毎秒1Jである条件で、レーザーパルスが水中に懸濁する微粒子によって吸収されることを防止でき、固体と水の接触面における泡の影響を避けることができた。120回のパルス毎に照射位置を照射範囲に相当するだけ上下・左右方向に順次に移動させて、合計して3,600回のパルス照射を行い、アルミニウムについて、約0.2mg、ベリリウムについて約2mgがそれぞれ粒径が0.5〜5μmの微粒子として、従来の方法と比較して約5倍の高い濃度で、懸濁液貯留タンク13内の約200ccの水中に懸濁した。懸濁液貯留タンク11を取り外して懸濁液を取り出した。
【0025】
本実施例は、波長が266nmのNd:YAGレーザーパルスを使用して行われたが、波長が異なるNd:YAGレーザーを使用することも可能である。
【0026】
レーザー照射対象物としては、分析対象金属元素又はその非水溶性化合物の平滑で平坦な面を有する材料がホルダ10上に設置される。
以下、レーザー照射対象物の一片9を金属元素物質に置き代えて説明する。
【0027】
このように、水中に既知の金属元素物質を設置して微粒化手段の破砕あるいは/および融砕条件を変化させ、量と粒径を制御して、破砕あるいは/および融砕を行い、制御された量と粒径の融砕金属元素物質が懸濁した懸濁液を形成する方法によって、量と粒径が制御された既知の同種のおよび異種の金属元素物質についての一又は複数の懸濁液を形成する。
そして、形成された懸濁液を適宜希釈混合調整して調整懸濁液をそれぞれ形成する。
【0028】
対象とする金属元素は、大気汚染防止法で有害物質・優先取組物質に該当するものが、As、Be、Cd、Cr、Hg、Mn、Ni、Pb、であり、同法で有害大気汚染物質に該当するものが、Ba、Ce、Co、Sb、Se、Sn、Ti、V、Znであり、PRTR法の第一種指定物質に該当するものが、Ag、Cu、Moであり、労働安全衛生法に係わるものがAs、Be、Cd、Cr、Hg、Mn、Pb、Vであり、核燃料物質に係わるものがUであり、核原料物質に係わるものがThであり、放射性同位元素であるものがTcであり、空気中に粉じんとして存在する物質としてAl、Ca、Mg、Si等があり、合金としてCr、Cu、Fe、Mo、Ni、Pb、Sn等があり、これらの元素を目的に応じて選択し、又は、組み合せて標準試料の材料である分析対象元素とすることができる。
【0029】
上述のように、微粒化手段はレーザー利用微粒化手段であり、レーザーパルスの光学的照射条件を変化させてレーザーパルスを照射して破砕あるいは/および融砕を行なうことができる。
【0030】
微粒化手段としてせん断力および衝突力を利用した機械的微粒化手段を用いて、せん断力および衝突力条件を変化させて破砕を行なうことができる。そして、レーザーパルス利用による微粒化物と機械的微粒化手段によって生成された微粒化とを混合した懸濁液とすることができる。すなわち、水中に保持した金属元素物質の表面に適当なエネルギー、パルス幅、パルス周期を有するレーザーパルスを適当な光学的収集条件で照射し、発生するプラズマで破砕および融砕した金属元素物質を水中で微小な粒子とし、懸濁させることによって懸濁液とする。
【0031】
上述したように、金属元素物質が水溶性である場合は、その金属元素物質の非水溶性化合物によって懸濁液を形成する。
【0032】
形成された懸濁液は、水で希釈し又は、水が蒸発されることによって既知の金属元素物質定量当りの懸濁液容積が調整されるようにしてもよい。
【0033】
既知量の分析対象元素が微粒子として懸濁して含まれる液体の既知量をフィルタでろ過した後に乾燥して保護包装し、抜取り品の分析によって検定された既知量の分析対象元素を付着させたフィルタを標準試料として調製することを行う。
【0034】
異なる分析対象元素の微粒子が懸濁して含まれる異なる液体の既知量をフィルタでろ過する過程を逐次的に繰返して行なった後に乾燥して保護包装し、抜取り品の分析によって検定された既知量の分析対象元素を付着させたフィルタを標準試料として調製する。他の既知の分析、検定方法によってフィルタに付着した既知の複数の金属元素物質についてそれぞれの付着量と粒径データを取得するようにしてもよい。
【0035】
標準的に用いられるフィルタは有機質の繊維からなり、粒径0.3μmの粒子状物質に対し99%以上の捕集率を有し、圧力損失が低く、吸湿性及びガス状物質の吸着が少なく、分析の妨害になる物質を含まないものであり、例えば直径が37mm又は25mmの円形に加工されている。減圧ろ過漏斗にフィルタを乗せ、少量の水で湿らせた後に、粒径が0.5〜5μmの微粒子を懸濁して含む液体をろ過することができる。このようにすると、ろ過液に含まれる粒径が0.5μm以下の微粒子質量は無視できる程度に少なく、懸濁液中の微粒子質量はほぼ定量的にろ紙に付着していることが判った。
【0036】
このように、調整懸濁液をフィルタに付着させて乾燥させ、既知の分析、検定方法によって前記フィルタに付着した既知の複数の金属元素物質についてのそれぞれの付着量と粒径からなる付着状況データを特定することができる。
【0037】
物性に基づいて金属元素を沸騰させるために必要な限界的なエネルギー量から、所定量の微粒子を調製するために必要なレーザーパルス照射エネルギー量を推定することを試みた。
【0038】
物質に断熱的に照射されるエネルギーがEであるとき、蒸発する物質の量Mは、物質の表面反射率R、物質の比熱C、物質の沸点T,室温T,物質の蒸発熱Lから、式(1)で与えられる。
M=E(1−R)/〔C(T−T)+L〕 (1)
【0039】
図2に、金属元素物質について、標準的に適用される分析法、レーザープラズマ分光法における主要発光スペクトル波長、各金属元素の原子量、沸点、比熱、蒸発熱を示し、物質の表面反射がないものとして、沸点まで加熱するための熱量(A)、溶融と蒸発を完了するための潜熱(B)及び元素を蒸発するために必要な最低限度の反射率がゼロであると仮定した場合の熱エネルギー(C)を与えた。
【0040】
パルスエネルギーが50mJであるレーザーの3600回にわたる照射によって、アルミニウムについて、約0.2mg、ベリリウムについて約2mgがそれぞれ水中に懸濁した。累計した照射エネルギー量は、それぞれ180Jであり、図2を参照すると、これらの破砕された融砕された量に相当する所要限界エネルギーは、それぞれ2.3J及び76.7Jである。アルミニウムについて異常に低いエネルギー効率は高い光反射率に由来するものと考えられる。ベリリウムについてのエネルギー効率は42.6%であり、その他の金属についても同程度の効率であるものと考えられる。上記の累計した照射エネルギー量である180Jは、43calに相当し、すべてのエネルギーが200mLの水に吸収されても温度の上昇は約0.2℃である。
【0041】
上述した金属元素物質の沸点は、化合物の沸点より低いので当該元素を含んだ微小粒子を調製するための素材として金属状物質を選択することが好ましい。しかし、レーザーパルスを照射する媒体となる水と反応する可能性があるBe以外のアルカリ土類元素であるMg、Ca、Baなどは元素状では勿論、酸化物でも取り扱うことは困難である。これらは、難溶解性のMgF2(沸点2137℃)、CaF2(沸点2500℃)、BaF2(沸点2137℃)などの2フッ化物として取り扱うことが好適である。また、空気中に浮遊する粉じんに含まれて存在する鉱物類の微粒子を模擬するために、Al2O3-SiO2-MgO系の鉱物結晶を素材として請求項6の方法を適用することが好適である。
【0042】
液中に懸濁する微粒子の濃度が一定限度を超えると、微粒子によるレーザーの散乱による効率の低下が有意となるため、予め調製した微粒子の懸濁液中で別の素材について繰返して適用することはこのましくない。
【0043】
アラビアゴムやポリビニールアルコールなどの添加剤は懸濁液の凝集を抑制するのみでなく、乾燥した後にフィルタに付着している微粒子の偶発的な脱落を防止するために効果的であることが判ったが、レーザー誘起プラズマ分光分析の過程におけるレーザーパルスの衝撃波による微粒子の脱落を抑制するためには十分ではないことが判り、透明で薄いプラスチック保護膜で覆う操作が望ましいことが判った。
【0044】
図3は、本実施例のフローを示す図である。
図3において、水中に金属元素物質を設置する(S1A〜S1C)。
【0045】
異なった種類のレーザーパルスを照射(S2A〜S2C)することによって触砕し(破砕が含まれる)を行い、数も粒径も異なる微粒子が含まれる性状の異なる懸濁液を生成する(S3A〜S3C)。生成した懸濁液を適宜希釈混合し、各種の懸濁液を形成する(S4)。混合された懸濁液は個々の懸濁液に既知量の分析対象元素が懸濁して含まれているので、含まれる分析対象元素の数も粒径も既知となる。
【0046】
このようにして、調整された懸濁液について金属元素物質をフィルタに付着させ、捕集する(S5)。このようにして既知量の分析対象元素を付着させたフィルタを標準試料の材料として調整する。異なる分析対象元素の金属元素物質が懸濁して含まれる異なる液体からなる混合懸濁液をフィルタでろ過する過程を逐次的に繰り返して行なった後に乾燥して保護包装する(S6)。
【0047】
フィルタには定量下限値と測定範囲を確認できる程度の付着量が包含されるようにする。ここで、既知の分析・検定方法を適用してフィルタに付着する金属元素物質の付着量,粒径を取得する(S7)。
【0048】
既知の一又は複数の金属元素物質についての付着量と粒径データ、すなわち付着状況データの取得を行なう(S8)。これらのデータは記憶媒体に記憶される(S9)。これらの記憶に際しては金属元素物質の付着量、粒径について整理した木構造(ツリー構造)として形成し、記憶するのが望ましい。
【0049】
レーザー誘起プラズマ分光分析方法を適用する(S10)。レーザー誘起プラズマ分光分析方法は、パルス状のレーザーを固体に集光すると、高温高密度のprimary plasmaが生成され、このprimary plasmaから原子は高速で噴出し雰囲気ガスと衝突してsecondary plasmaが作られそこから原子が冷却する過程で放出する元素に特有の発光が分光分析に利用される方法であることがよく知られている。
【0050】
このようにして、原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度が測定される(S11)。上記関係からスペクトル強度と当該金属元素物質の付着状況データをX−Y座標として原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度と該当の金属元素物質の付着量が特定された検量線が作成される(S13)。定量下限値と測定範囲を確認できる程度の付着量を包含している較正用標準試料が生成される(S14)。
【0051】
このように生成された較正用標準試料を用いて環境雰囲気中に浮遊する金属元素物質を同時に定量するレーザー誘起プラズマ分光分析方法は次のようにして構成される。
【0052】
図4はその構成法を示すフローである。
図4において、環境雰囲気中、すなわち空気中の微粒子をフィルタに付着させて捕集する(S21)。ついでレーザー誘起プラズマ分光分析方法を適用し(S22)、微粒子に含まれる一又は複数の金属元素物質について原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度が金属元素物質量にのみ依存し、較正用標準試料について記録されている最大粒径に依存しない分析条件において測定する(S23)。既知の分析、検定方法によって当該フィルタに付着した既知の一又は複数の金属元素物質についてのそれぞれの最大粒径からなる付着状況データを特定し、取得する(S24)。
【0053】
レーザー誘起プラズマ分光分析装置及び分析方法において、スペクトル強度に影響する因子としては以下のものがある。
(1)原子発光強度に関するもの:
レーザーパルス波長、強度、強度のばらつき、重複照射、光学的条件、分光器への取り込み遅延時間(パルス照射からの)等
(2)スペクトル検出効率に関するもの:
分光器の波長依存感度、検出器の波長依存感度
較正用標準試料は、別の全量分析方法によって与えられている既知の付着物質量と最大粒子径を保証しているものである。較正用標準試料を用いて検量線を求め、本来与えられるべき濃度範囲において直線性が与えられない場合、或いは、本来与えられる定量限界値が与えられない場合には、測定装置の設定や測定条件に狂いが生じている可能性がある。「実験に先立って測定器の狂いや精度を基準値を用いて正すこと」という較正がなされることになる。
【0054】
較正用標準試料に記録される「粒径からなる付着状況データ」は、この較正用標準試料が特定の測定装置、測定装置の設定、測定方法について適用できる条件を示す。もし、実際の分析試料の最大粒径が標準試料の最大粒径を超えて大きい場合には、この較正用標準試料の適用はできない。言い換えれば、LIBSでは分析できない可能性がある。
【0055】
逆に、較正用標準試料としては、できるだけ大きい粒径の試料でも分析できるような測定器の設定、分析条件を提供して行くことが望まれることになる。
【0056】
このように、レーザー誘起プラズマ分光分析を行うに際して、較正用標準試料の記憶媒体に記憶されたスペクトル強度と付着量の相関関係である検量線が粒径に依存せずに予め設定された検量線の範囲にあるかが判定され、許容範囲にある場合にレーザー誘起分光分析が行なわれることになる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例の金属元素物質懸濁液形成装置の概要を示す図。
【図2】分析対象金属元素類の沸騰限界エネルギーを示す図。
【図3】本発明の実施例の較正用標準試料生成方法を示すフローチャート図。
【図4】本発明の実施例のレーザー誘起プラズマ分光分析方法を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0058】
1…レーザー電源、2…レーザー発振器、3…鏡、4…レンズ、6…レーザーパルス照射液槽、7…水、9…照射対象物、10…ホルダ、12…架台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子に含まれる一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法に用いる較正用標準試料を作成する較正用標準試料の生成方法において、
水中に既知の金属元素物質を設置して微粒化手段の破砕あるいは/および融砕条件を変化させ、量と粒径を制御して、破砕あるいは/および融砕を行い、制御された量と粒径の融砕金属元素物質が懸濁した懸濁液を形成する方法によって、量と粒径が制御された既知の同種のおよび異種の金属元素物質についての複数の懸濁液を形成し、
形成された懸濁液を適宜混合調整して調整懸濁液をそれぞれ形成し、
該調整懸濁液をフィルタに付着させて乾燥させ、既知の分析、検定方法によって前記フィルタに付着した既知の一又は複数の金属元素物質についてのそれぞれの付着量と粒径からなる付着状況データを特定し、
前記フィルタにレーザー誘起プラズマ分光分析方法を適用してそれぞれの金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度を取得し、
前記付着状況データが特定された金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度が付着量のみに依存し、粒径に依存しないスペクトル強度と付着量の相関関係である検量線を与えるレーザー誘起プラズマ分光分析操作条件を特定して記憶媒体に記憶させること
を特徴とする較正用標準試料の生成方法。
【請求項2】
請求項1において、前記微粒化手段は水中に既知の金属元素物質を設置してレーザーパルス照射を利用する微粒化手段であり、レーザーパルスの光学的照射条件を変化させてレーザーを照射して破砕あるいは/および融砕を行い、金属元素物質の懸濁液を連続的に水で置換しながら行うことを特徴とする較正用標準試料の生成方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれかの較正用標準試料の生成方法によって生成された較正用標準試料を用いて環境雰囲気中に浮遊する一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法において、
較正用標準試料の記憶媒体に記憶されたスペクトル強度と付着量の直線的な相関関係である検量線が成立することをもってレーザー誘起プラズマ分光分析がなされること
を特徴とする一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法。
【請求項4】
微粒子に含まれる一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析方法に用いる標準試料を作成する較正用標準試料生成装置において、
水中に既知の金属元素物質を設置して破砕あるいは/および融砕条件を変化させ、量と粒径を制御する破砕あるいは/および融砕を行う微粒化手段と、
制御された量と粒径の金属元素物質が懸濁することによって懸濁液を形成する方法によって、量と粒径が制御された既知の同種のおよび異種の金属元素物質についての一又は複数の懸濁液をそれぞれ形成する懸濁液形成手段と、
形成された懸濁液を適宜混合調整して調整懸濁液を形成する調整懸濁液形成手段と、
該調整懸濁液をフィルタに付着させて乾燥させ、既知の分析、検定方法によって前記フィルタに付着した既知の一又は複数の金属元素物質についてのそれぞれの付着量と粒径からなる付着状況データを特定する付着状況データ取得手段と、
前記フィルタにレーザー誘起プラズマ分光分析方法を適用してそれぞれの金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度を取得するスペクトル強度取得手段と、
前記付着状況データが特定された金属元素物質の原子発光スペクトル波長についてのスペクトル強度が付着量のみに依存し、粒径に依存しないスペクトル強度と付着量の直線的な相関関係である検量線を与えるレーザー誘起プラズマ分光分析操作条件を特定する記憶媒体と、を有することを
を特徴とする較正用標準試料の生成装置。
【請求項5】
請求項4において、前記微粒化手段は水中に既知の金属元素物質を設置してレーザーパルス照射を利用する微粒化手段であり、レーザーパルスの光学的照射条件を変化させてレーザーを照射して破砕あるいは/および融砕を行い、金属元素物質の懸濁液を連続的に水で置換しながら行うことを特徴とする較正用標準試料生成装置。
【請求項6】
請求項4及び5のいずれかの較正用標準試料生成装置によって生成された較正用標準試料を用いて環境雰囲気中に浮遊する一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析装置において、
較正用標準試料の記憶媒体に記憶されたスペクトル強度と付着量の直線的な相関関係である検量線が粒径に依存せずに成立することをもってレーザー誘起プラズマ分光分析がなされるようにしたこと
を特徴とする一又は複数の金属元素物質を同時に定量分析するレーザー誘起プラズマ分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−19607(P2010−19607A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178351(P2008−178351)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000140627)株式会社化研 (27)
【Fターム(参考)】