説明

輻射パネル装置

【課題】各パネルを支持するための部材を金属製とした場合であっても、当該部材に結露が発生することを簡単な構成で抑制することのできる輻射パネル装置を提供する。
【解決手段】パネル6内部に熱媒体流通管12が設けられると共にパネル6がブリッジ4で支持されている輻射パネル装置1について、金属によって構成されるパネル6とブリッジ4との間に断熱部材13を配置することによって、パネル6とブリッジ4との間の熱伝達を断熱部材13によって著しく抑制する。従って、冷房時において各パネル6が表面に結露が発生する程度まで冷却された場合であっても、パネル6の冷熱を断熱部材13によってブリッジ4の手前で遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輻射暖房及び輻射冷房を行う輻射パネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輻射パネル装置として、内部に熱媒体を流通させる流路を有する複数のパネルが並設されたものが知られている。この輻射パネル装置では、複数のパネルと別途設置される熱源との間で熱媒体を循環させることによって各パネルに輻射機能を持たせ、これらのパネルによる輻射暖房及び輻射冷房によって居室などの空調を行うことが可能とされている。例えば、特開2006−121907号公報に記載された輻射パネル装置は、中空のパネルの上下に上部導管及び下部導管を連結することによって、上部導管、パネル、下部導管へ至る流路を形成し、当該流路と熱源との間で熱媒体を循環させることによって、各パネルに熱輻射機能を持たせることができる。この際、上部導管や下部導管は強度確保の観点、及び製造コストの観点から好ましくは金属によって構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−121907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の輻射パネル装置において上部導管及び下部導管を金属によって構成した場合、上部導管及び下部導管はパネルから適宜伝熱されることとなり、上部導管あるいは下部導管の表面に結露が発生する可能性があった。パネルに結露が発生する場合には、当該パネルに沿って結露水を流下させることができるものの、横架される上部導管や下部導管に結露が発生すると、当該結露水が落下して跳ねるなどによって床面が不測の広範囲に亘って汚染される虞があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、各パネルを支持するための部材を金属製とした場合であっても、当該部材に結露が発生することを簡単な構成で抑制することのできる輻射パネル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る輻射パネル装置は、一対の支柱と、一対の支柱に架設されるブリッジと、ブリッジに一端が支持される複数の長尺のパネルと、パネル内に設けられると共に、パネルの一端側から他端側へ向かって熱媒体を流す往路、及び他端側から一端側へ熱媒体を流す復路を有する熱媒体流路と、を備える輻射パネル装置であって、パネル及びブリッジは金属によって構成され、パネルとブリッジとの間には断熱部材が配置されていることを特徴としている。
【0007】
この輻射パネル装置では、金属によって構成されるパネルとブリッジとの間に断熱部材が配置されているため、パネルとブリッジとの間の熱伝達が断熱部材によって著しく抑制される。従って、冷房時において各パネルが表面に結露が発生する程度まで冷却された場合であっても、パネルの冷熱が断熱部材によってブリッジの手前で遮断される。以上によって、各パネルを支持するためのブリッジを金属製とした場合であっても、当該ブリッジに結露が発生することを簡単な構成で抑制することができる。
【0008】
本発明に係る輻射パネル装置において、断熱部材は、樹脂から構成されると共にパネルの一端を覆うキャップ状に形成され、管状の熱媒体流路の往路及び復路をそれぞれ挿通させる貫通孔を有していることが好ましい。このように、断熱部材を樹脂製のキャップ状に形成することによって、簡単にパネルに取り付けることが可能となる。また、管状の往路及び復路をそれぞれ挿通させる貫通孔が形成されているため、当該貫通孔に往路及び復路を挿通させるだけの簡単な作業で、流路を妨げることなく断熱部材を取り付けることができる。
【0009】
本発明に係る輻射パネル装置において、断熱部材は、パネルの他端にも設けられていることが好ましい。これによって、パネルの他端側も樹脂製のキャップ状の断熱部材に覆われる構成となる。従って、金属製パネルの他端におけるエッジ部が樹脂製の断熱部材に覆われて保護されることとなり、装置の安全性を一層向上させることができる。また、パネルの一端側の断熱部材と他端側の断熱部材とで部品の共通化を図ることが可能となると共にコストを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各パネルを支持するための部材を金属製とした場合であっても、当該部材に結露が発生することを簡単な構成で抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る輻射パネル装置の使用状態を示す図である。
【図2】パネルの上端付近の構成を示した展開斜視図である。
【図3】パネルを輻射パネル装置の幅方向から見た場合の一部断面図である。
【図4】断熱部材を下面側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る輻射パネル装置の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る輻射パネル装置1の使用状態を示す図である。図1に示すように、建物の居室の一角に設置されて輻射暖房あるいは輻射冷房を行う輻射装置であり、居室の天井板TBと床板DBとの間で鉛直方向に立設された一対の支柱2,3と、一対の支柱2,3の上端側に架設されるブリッジ4と、ブリッジ4に上端が支持される複数の長尺のパネル6と、パネル6の下方で床板DB上に設けられて結露水を受け止める結露水受構造7とを備えて構成されている。各パネル6内には、図示されない熱源及びポンプに接続されてパネル6の上端(一端)側から下端(他端)側へ向かって熱媒体を流す往路12a、及び熱源に接続されて下端側から上端側へ熱媒体を流す復路12bを有する熱媒体流通管(熱媒体流路)12が取り付けられている(図3参照)。これによって、温熱源や冷熱源からの熱媒体が往路12aを流れた後に復路12bを流れて熱源へ還流することによって回収される。従って、輻射パネル装置1のパネル6は、熱媒体が熱源とパネル6との間で繰り返し循環することで輻射暖房あるいは輻射冷房を行うことが可能となる。
【0014】
図2はパネル6の上端6a付近の構成を示した展開斜視図であり、図3はパネル6を輻射パネル装置1の幅方向から見た場合の一部断面図である。この図3においては、ブリッジ4と、パネル6の上端6a付近と、パネル6の下端6b付近と、上端6a側の断熱部材13の一部の断面が示されており、パネル6の厚さ方向における中心位置で切断された断面が示されている。図2及び図3に示すように、パネル6の上端6aに断熱部材13が取り付けられると共にパネル6の下端6bに断熱部材14が取り付けれ、パネルの上端6aは断熱部材13を介してブリッジ4の底板部4aに固定されている。
【0015】
パネル6は、アルミニウムやステンレスなどの金属を、例えば押出成形することによって構成されており、鉛直方向に延在して断面が扁平に形成された中空部材である。以下、パネル6の扁平な断面形状が水平方向に延びる方向を「パネル6の幅方向」と称し、幅方向と垂直な水平方向を「パネル6の厚さ方向」と称する。パネル6は、隣接するパネル6と互いに厚さ方向に対向するように複数並設されている。このパネル6の外壁は、断面が尖円弧状に形成されると共に幅方向外側へ向かうに連れて先細りとなる尖頭部6c,6dと、互いに厚さ方向に平行に向かい合うと共に尖頭部6c,6d同士を連結する一対の平板6e,6fとを備えて構成されている。尖頭部6c,6dの外面には、外気に対する伝熱面積を広げると共に結露水を下方へ伝わせるために鉛直方向へ延在する複数のフィンが設けられている。この複数のフィンは外壁を内面から外側へ向かって突出させることによって形成されている。
【0016】
パネル6の内部には、尖頭部6cにおける幅方向の略中央位置に熱媒体流通管12の往路12aをガイドして保持するためのガイド部6gが形成されている。このガイド部6gは、パネル6内部で鉛直方向に延在すると共に断面が半円状に形成されている。ガイド部6gと長さ方向に対向する位置には鉛直方向に延在すると共に半円状に形成される壁部を有し、パネル6内に挿入されるガイド部材8が配置されている。このガイド部材8の内面とガイド部6gの内面によって往路12aを挿通させて保持するためのガイド孔が形成される。このガイド孔の内径は、往路12aの外径と略同一とされている。尖頭部6dにおける幅方向の略中央位置にも、ガイド部6g及びガイド部材8と同様の構成を有し、熱媒体流通管12の復路12bを保持するためのガイド部6hが形成されると共にガイド部材9が配置されている。また、パネル6の内部における尖頭部6c,6dの先端位置には上方からネジ16,17を締めるための略六角形状の締付孔6k,6mが形成されている。
【0017】
熱媒体流通管12は、架橋ポリエチレンを主材として構成される管状部材であるが、他のポリオレフィン系等の樹脂材料、例えばポリブデンを主材として形成することも可能である。また、当該熱媒体流通管12は、パネル6の延設方向、すなわちパネル6の上端6a側から下方へ向かって延びる往路12aと、パネル6内部における下端6b側でU字状に曲がるU字部12cと、パネル6の延設方向、すなわち上方へ向かってパネル6の上端6a側に延びる復路12bとを備えて構成されている。この熱媒体流通管12の往路12a及び復路12bの上端側の一部は、パネル6の一端縁からパネル6外方に伸長しており、当該パネル6の上端6aをブリッジ4に取付けるとブリッジ4の底板部4aよりも上方に突出する。当該パネル6外方に伸長する部分は、ブリッジ4に取り付けられる各パネル6の熱媒体流通管12同士をブリッジ4上にて連結するための連結代としての機能を有している。なお、パネル6の断面形状は長尺方向に一定とされているため、パネル6の下端6bの形状も上端6aの形状と同一とされて尖頭部6c,6d、平板6e,6f、ガイド部6g,6h、締付孔6k,6mが形成されているが、ガイド部材8,9は熱媒体流通管12のU字部12cの手前で途切れているため、下端6bまでは延びていない。
【0018】
ブリッジ4は、水平に広がる底板部4aと、底板部4a上に立設される一対のリブ壁4b,4cとを備えて構成されており、アルミニウムやステンレスなどの金属を押出成形することによって形成されている。底板部4aは長尺方向の長さが一対の支柱2,3の間隔相当とされ、幅がパネル6の幅方向の大きさよりも大きくされている。また、リブ壁4b,4cは、底板部4a上面に当該底板部4aの幅方向に互いに対向するように立設され、その長さは底板部4aの長尺方向の長さと略同一されると共に、リブ壁4b,4c同士の間の距離はパネル6の幅方向の大きさと略同一とされている。このブリッジ4の底板部4aには、ネジ16,17を挿通させるための一対の貫通孔4d,4e、熱媒体流通管12の往路12a及び復路12bをそれぞれ挿通させるための一対の貫通孔4f,4gが、長尺方向と直交する方向に並ぶように形成されている。貫通孔4d,4eはパネル6の締付孔6k,6mに対応する位置に形成されており、貫通孔4f,4gはガイド部6g及びガイド部材8によって形成される往路12a用のガイド孔及びガイド部6h及びガイド部材9によって形成される復路12b用のガイド孔に対応する位置に形成されている。この貫通孔4d,4e,4f,4gは、複数のパネル6の上端6aに対応する位置ごとにそれぞれ形成されている。貫通孔4f,4gは、熱媒体流通管12の往路12a,復路12bの外径よりも内径が大きく、当該往路12a,復路12bを取り囲むような幅方向に延びる長円状の形状をなすルーズ孔として形成されている。これによって、熱媒体流通管12の連結代の拘束が緩められることとなって当該連結代のブリッジ上での取り回しが容易となると共に、当該リブ壁4b,4c間で発生する結露水をスムーズに貫通孔4f,4gを通じてパネル6内部に流下させることが可能となる。なお、ブリッジ4には、リブ壁4b,4cの上側を覆うように断面コ字状の補強部材30が複数位置に取り付けられると共に、当該補強部材30を介して天井を支持する天井支持構造に連結されている。また、ブリッジ4の上部には、熱媒体流通管12を取り囲んだ状態で断熱材31が配置されている。
【0019】
断熱部材13は、パネル6の上端6aを覆うようにキャップ状に形成されており、パネル6の上端6aを覆う蓋部21と、パネル6の内壁に係合する舌部22とを備えて構成されている。この断熱部材13は、例えばASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート)やAES(アクリロニトリル-エチレンプロピレンジエン-スチレン)などを主成分とする樹脂から構成されており、パネル6とブリッジ4との間の熱伝達を抑制する機能を有している。
【0020】
断熱部材13の蓋部21は、上下方向から見た場合に、パネル6の横断面における外形と同一の外形を有する扁平の板状部材から形成されている。以下、断熱部材13の蓋部21の扁平な断面形状が水平方向に延びる方向を「断熱部材13の長さ方向」と称し、幅方向と垂直な水平方向を「断熱部材13の幅方向」と称する。蓋部21は、尖円弧状に形成されると共に長さ方向外側へ向かうに連れて先細りとなる尖頭部21c,21dと、外壁が互いに幅方向に平行に向かい合うと共に尖頭部21c,21d同士を連結する平板部21eとを備えて構成されている。蓋部21の尖頭部21c,21dの外周壁にはパネル6の複数のフィンに対応する位置及び形状の複数のフィンが設けられている。これらのフィンは、断熱部材13をパネル6の上端6aに取り付けた際にパネル6のフィンと連結される。
【0021】
蓋部21には、尖頭部21cにおける長さ方向の略中央位置に熱媒体流通管12の往路12aを挿通させる貫通孔21fが形成されるとともに、尖頭部21dにおける長さ方向の略中央位置に熱媒体流通管12の復路12bを挿通させる貫通孔21gが形成されている。貫通孔21fは、取付時にパネル6のガイド部6g及びガイド部材8によって形成されるガイド孔とブリッジ4の貫通孔4fに対応する位置に設けられており、ブリッジ4の貫通孔4fと同一形状となるように、長さ方向に延びる長円状の形状をなすルーズ孔として形成されている。また、貫通孔21gは、取付時にパネル6のガイド部6h及びガイド部材9によって形成されるガイド孔とブリッジ4の貫通孔4gに対応する位置に設けられており、ブリッジ4の貫通孔4gと同一形状となるように、長さ方向に延びる長円状の形状をなしている。
【0022】
蓋部21には、尖頭部21cにおける先端部にネジ16を挿通させる貫通孔21hが形成されるとともに、尖頭部21dにおける先端部にネジ17を挿通させる貫通孔21kが形成されている。貫通孔21hは、取付時にパネル6の締付孔6kとブリッジ4の貫通孔4dに対応する位置に形成される円形状の孔である。また、貫通孔21kは、取付時にパネル6の締付孔6mとブリッジ4の貫通孔4eに対応する位置に設けられる円形状の孔である。
【0023】
蓋部21の下面からは、断面略H字状の舌部22が下方へ向かって延びている。この舌部22は、蓋部21の中央位置から長さ方向の両側に向かって延びると共に、互いに幅方向に平行に対向するように形成された一対の壁部22a,22bと、蓋部21の中央位置において壁部22aから壁部22bへ向かって幅方向に延びる補強部22cとを備えて構成されている(図4参照)。壁部22aは、長さ方向において貫通孔21fの手前側から貫通孔21gの手前側まで延びると共に、その幅方向の外面はパネル6の平板6eの内面と一致するように配置されている。また、壁部22bは、長さ方向において貫通孔21fの手前側から貫通孔21gの手前側まで延びると共に、その幅方向の外面はパネル6の平板6fの内面と一致するように配置されている。更に、壁部22aと壁部22bの外面の少なくとも一方には鉛直方向に延びる複数のリブ22dが形成されている。以上によって、パネル6の平板6e,6fの内面と断熱部材13の舌部22の壁部22a,22bの外面とが一致する配置とされると共にリブ22dで平板6eが押さえられることによって、断熱部材13をパネル6に確実に取り付けることができる。また、補強部22cによって壁部22a,22bが内側に倒れこんでしまうことを抑制することができる。
【0024】
断熱部材14は、パネル6の下端6bを覆うようにキャップ状に形成されており、パネル6の下端6bを覆う蓋部23と、パネル6の内壁に係合する舌部24とを備えて構成されている。この断熱部材14は、断熱部材13と同じく、例えばASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート)やAES(アクリロニトリル-エチレンプロピレンジエン-スチレン)などを主成分とする樹脂から構成されており、パネル6の下端6bのエッジ部を保護する機能を有している。断熱部材14の蓋部23及び舌部24は、断熱部材13の蓋部21及び舌部22と同様の構成を有しており、尖頭部21c,21d、平板部21e、貫通孔21f,21g,21h,21kと同様の構成を有する尖頭部23c,23d、平板部23e、貫通孔23f,23g,23h,23kを有すると共に、壁部22a,22b、補強部22c、リブ22dと同様の構成を有する壁部24a,24b、補強部24c、リブ24dを有している。断熱部材14においては、貫通孔23f,23gには熱媒体流通管12は挿通されないが、貫通孔23f,23gは、上方からパネル6内部を伝ってきた結露水を結露水受構造7へ向けて排出する機能を備えている。また、当該断熱部材14の蓋部23のフィンは、断熱部材14をパネル6の下端6bに取り付けた際にパネル6のフィンと連結される。これによって、連結された各フィンを伝わせることでパネル6表面に付着する結露水を周囲に飛散させることなく流下させることができる。
【0025】
上述のように構成されたパネル6、熱媒体流通管12、断熱部材13,14、ブリッジ4の取付方法について説明する。まず、パネル6の上端6a側からパネル6内部に熱媒体流通管12を挿入する。このとき、熱媒体流通管12のU字部12c側からパネル6へ挿入し、往路12aがガイド部6gにガイドされると共に復路12bがガイド部6hにガイドされるようにパネル6内部へ押し込む。パネル6へ押し込む際は、熱媒体流通管12の上端側の一部が連結代としてパネル6の上端6aからパネル6外方に伸長させる。熱媒体流通管12を挿入すると同時に、あるいは挿入した後に、ガイド部材8,9をパネル6内に挿入する。次に、パネル6の上端6aに断熱部材13を取り付けると共にパネル6の下端6bに断熱部材14を取り付ける。このとき、断熱部材13の舌部22がパネル6の平板6e,6f付近に挟まれるようにして挿入すると共に、蓋部21の下面がパネル6の上端6aに当接する位置まではめ込む。断熱部材14も舌部24がパネル6の平板6e,6f付近に挟まれるようにして挿入すると共に、蓋部23の下面がパネル6の下端6bに当接する位置まではめ込む。また、断熱部材13の取り付けの際は、熱媒体流通管12の往路12aの上端側の連結代を断熱部材13の貫通孔21fに挿通すると共に、復路12bの上端側の連結代を断熱部材13の貫通孔21gに挿通しながら取り付ける。
【0026】
次に、パネル6をブリッジ4に取り付ける。このとき、熱媒体流通管12の往路12aの上端側の連結代をブリッジ4の底板部4aの貫通孔4fに挿通すると共に、復路12bの上端側の連結代をブリッジ4の底板部4aの貫通孔4gに挿通しながら取り付ける。断熱部材13に上面をブリッジ4の底板部4aの下面に接触させた状態で、ネジ16を貫通孔4d、貫通孔21hを挿通させて締付孔6kにねじ込んで締め付けると共に、ネジ17を貫通孔4e、貫通孔21kに挿通させて締付孔6mにねじ込んで締め付けることによって断熱部材13を介してブリッジ4にパネル6を取り付ける。更に、下端6b側では、ネジ18を貫通孔23kに挿通させて締付孔6kにねじ込んで締め付けると共に、ネジ19を貫通孔23hに挿通させて締付孔6mにねじ込んで締め付けることによって、パネル6に断熱部材14を取り付ける。
【0027】
以上によって、本実施形態に係る輻射パネル装置1によれば、金属によって構成されるパネル6とブリッジ4との間に断熱部材13が配置されているため、パネル6とブリッジ4との間の熱伝達が断熱部材13によって著しく抑制される。従って、冷房時において各パネル6が表面に結露が発生する程度まで冷却された場合であっても、パネル6の冷熱が断熱部材13によってブリッジ4の手前で遮断される。以上によって、各パネル6を支持するためのブリッジ4を金属製とした場合であっても、当該ブリッジ4に結露が発生することを簡単な構成で抑制することができる。
【0028】
また、輻射パネル装置1において、断熱部材13は、樹脂から構成されると共にパネル6の上端6aを覆うキャップ状に形成され、熱媒体流通管12の往路12a及び復路12bをそれぞれ挿通させる貫通孔21g,21fを有している。このように、断熱部材13を樹脂製のキャップ状に形成することによって、簡単にパネル6に取り付けることが可能となる。また、管状の往路12a及び復路12bをそれぞれ挿通させる貫通孔21g,21fが形成されているため、当該貫通孔21g,21fに往路12a及び復路12bを挿通させるだけの簡単な作業で、熱媒体流通管12を妨げることなく断熱部材13を取り付けることができる。
【0029】
また、輻射パネル装置1において、断熱部材13は、パネル6の下端6bにも設けられている。これによって、パネル6の下端6b側も樹脂製のキャップ状の断熱部材14に覆われる構成となる。従って、金属製のパネル6の下端6bにおけるエッジ部が樹脂製の断熱部材14に覆われて保護されることとなり、装置の安全性を一層向上させることができる。また、パネル6の上端6a側の断熱部材13と下端6b側の断熱部材14とで部品の共通化を図ることが可能となると共にコストを低減することが可能となる。
【0030】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では断熱部材13の蓋部21をパネル6の横断面形状と同一の形状としたが、この形状は特に限定されず、パネル6とブリッジ4との間に断熱部材が配置されていればよい。
【0031】
また、上述の実施形態ではパネル6の下端6b側にも断熱部材14が取り付けられているが、少なくとも上端6a側の断熱部材13が取り付けられていればよく、断熱部材14が取り付けられていない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…輻射パネル装置、2,3…支柱、4…ブリッジ、6…パネル、6a…上端(一端)、6b…下端(他端)、12…熱媒体流通管(熱媒体流路)、12a…往路、12b…復路、13,14…断熱部材、21f,21g…貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の支柱と、
前記一対の支柱に架設されるブリッジと、
前記ブリッジに一端が支持される複数の長尺のパネルと、
前記パネル内に設けられると共に、前記パネルの前記一端側から他端側へ向かって熱媒体を流す往路、及び前記他端側から前記一端側へ前記熱媒体を流す復路を有する熱媒体流路と、を備える輻射パネル装置であって、
前記パネル及び前記ブリッジは金属によって構成され、
前記パネルと前記ブリッジとの間には断熱部材が配置されていることを特徴とする輻射パネル装置。
【請求項2】
前記断熱部材は、樹脂から構成されると共に前記パネルの前記一端を覆うキャップ状に形成され、管状の前記熱媒体流路の前記往路及び前記復路をそれぞれ挿通させる貫通孔を有していることを特徴とする請求項1記載の輻射パネル装置。
【請求項3】
前記断熱部材は、前記パネルの前記他端にも設けられていることを特徴とする請求項2記載の輻射パネル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−243127(P2010−243127A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−95121(P2009−95121)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 住宅産業新聞社 刊行物名 住宅産業新聞 平成21年2月11日号 発行日 平成21年2月11日 発行者名 日本プレハブ新聞社 刊行物名 日本プレハブ新聞 平成21年2月15日号 発行日 平成21年2月15日 発行者名 週間住宅新聞社 刊行物名 週間住宅 平成21年2月16日号 発行日 平成21年2月16日発行者名 住宅新報 刊行物名 住宅新報 平成21年2月17日号 発行日 平成21年2月17日 発行者名 建設技術新聞社 刊行物名 建設技術新聞 平成21年2月23日号 発行日 平成21年2月23日 発行者名 株式会社商工経済新聞社 刊行物名 管材新聞 平成21年3月4日号 発行日 平成21年3月4日 発行者名 株式会社 創樹社 刊行物名 Housing Tribune(ハウジング トリビューン)2009.3.13 No.4 vol.363 発行日 平成21年3月13日 ホームページのアドレス http://www.asahi−kasei.co.jp/j−koho/press/fukusha.pdf http://www.asahi−kasei.co.jp/asahi/jp/news/2008/ho090206.html 掲載日 平成21年2月6日 博覧会名 第33回地球環境とエネルギーの調和展(ENEX2009) 主催者名 財団法人 省エネルギーセンター 開催日 平成21年2月10日〜12日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 
【出願人】(303046244)旭化成ホームズ株式会社 (703)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】