Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
農業用シート
説明

農業用シート

【課題】農業用シートとして、材料組成を変えることにより使用後の処分時にCOの発生を低減させる。
【解決手段】石油系由来原料の脂肪酸に代えて原料の少なくとも10(重量)%以上のトウモロコシ澱粉、サトウキビ澱粉、ヒマシ油など植物系由来の脂肪酸を用いたバイオマスベースポリマーの脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステルを混合する。これにより使用後の廃棄時に植物由来原料のカーボンニュートラルを実現し、COの発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農地表面を被覆することにより種苗や農作物の保温性を高め、また適度の射光を確保するとともに風害をなくし、さらには過剰な水分蒸発防止、あるいは雑草繁茂の抑制用など多用途に用いられるマルチシートに関し、特に廃棄時におけるCO発生量の削減をはかることを目的とする。
【背景技術】
【0002】
従来一般に知られている農業用シートは、石油系由来と澱粉コンパウンド系、および植物由来とに大別される。石油系では、ポリエチレンに代表されるポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体樹脂フィルムなどに代えて近時とくに生分解性のものが多用されるようになった。
【0003】
たとえば、脂肪族カルボン酸および芳香族ジカルボン酸よりなるジカルボン酸成分と、脂肪族ジオールからなるジオール成分とを縮合してなる脂肪族芳香族ポリエステルを多官能イソシアネートで高分子化した融点105〜115℃の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂20〜82%と、脂肪族ジカルボン酸よりなるジカルボン酸成分と、脂肪族ジオールからなるジオール成分とを縮合してなる脂肪族ポリエステルを多官能イソシアネートで高分子化した融点110〜120℃の脂肪族ポリエステル系樹脂18〜80重量%を配合することにより、特定の生分解性樹脂を組合わせることにより、インフレーション成形機によるフィルム成形が可能で、生分解性が損なわれず、しかも耐候性や柔軟性に優れた生分解性フィルムが知られている(特許第3710726号公報参照)。
【0004】
また生分解性ポリエステル樹脂にポリブチレンアジペートテレフタレートやポリブチレンサクシネートなどの芳香族脂肪族ポリエステル系樹脂を20重量%以上含有させるとともに、さらに炭酸カルシウムや水酸化マグネシウムなどの無機充填物を10〜50重量%含有させることにより生分解性樹脂フィルムシートの水蒸気透過性を改善して水蒸気バリア性を向上させるようにしたものも知られている(特開2005−192465号公報参照)。
【0005】
さらに澱粉コンパウンド系のものでは、表面欠陥のない射出成形製品の製造用に適する生分解性熱可塑性組成物として、澱粉成分、セルロースエステルあるいはエーテル、澱粉相並びにセルロース及び誘導体の可塑剤、及び脂肪族又はポリ水酸化鎖でグラフト化されたセルロース及び/又は澱粉成分と相溶化しうるポリマーから選択された相溶化剤とからなり;2〜24C含有のヒドロキシ酸あるいはジアミンと脂肪族若しくは芳香族のジイソシアネートから得られたコポリマー;脂肪族のポリエステル、あるいはポリ尿素と脂肪族あるいは芳香族のジイソシアネートから得られたコポリマー;セルロースエステルあるいはエーテル及び/又は澱粉成分と相溶性であるポリマーを澱粉可溶性ポリオールによりグラフト化して得られたコポリマー、澱粉を錯体化できるポリマー;澱粉相溶性ポリオールから選択される、生分解性熱可塑性組成物が知られる(特開平8−231762号公報参照)。
【0006】
また芳香族脂肪族ポリエステルのアジピン酸に代えて植物由来の有機酸を混合させたものや、あるいは炭酸カルシウムやタルクなどのフィラーを少量添加して耐久性を向上させたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3710726号公報
【特許文献2】特開2005−192465号公報
【特許文献3】特開平8−231762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した特許文献1あるいは特許文献2に開示されている石油系由来の樹脂フィルムシートにあっては、使用済み後の処理時に多量のCOを発生するところから環境維持の面において大きな問題があり、また生体への影響も少なくない。また特許文献3に記載されている生分解性熱可塑性組成物シートにおいても、基本的には石油系樹脂をベースとしているところから現実には処分時に発生するCOの発生量を削減する効果は小さく、現状において用いられている生分解性マルチフィルムは、依然としてその殆どが石油系由来のポリエチレン製であり、ポリブチレンサクシネートとアジベートの混合物を用いたものが多い。
【0009】
そのために、生分解性シートは作物の収穫後に、これを土壌中に漉き込んで土壌中の微生物により分解・消滅させることが可能であるが、土壌中において消滅しないポリエチレンを含む石油系由来の原料を主成分とした多くの農業用生分解性マルチシートにあっては使用後にいちいち剥がして回収後に焼却処分する必要があり、多量のCO発生が避けられない。
【0010】
因みに世界のマルチ栽培面積は広大であるが、とくに中国国内でのマルチ栽培面積は全世界の約90%を占めるといわれ、厚さが8μ程度のものが主流であって薄すぎて回収が困難であるために、2000年以前の17年間のマルチ栽培により、土中には1haあたり225〜375kgのフィルムが残留しているといわれる。この場合に3〜5cm程度の表層については耕作時に比較的回収されやすいが、5cm以上の深層部に残存するフィルムの回収は困難である。
【0011】
また土塊とともに隠れているフィルムは張力が弱いために土塊を崩して細かくしないと回収ができない。3〜5年間程度の連続マルチ栽培によってフィルムを回収しなければ、小麦で2〜3%、トウモロコシで10%程度、綿で10〜15%の減収になるとの報告もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明においては使用後の廃棄時にCO発生量削減効果のより大きな農業用生分解性マルチシートを開発したものであって、具体的には石油系由来原料の脂肪酸に代えて原料の少なくとも10%以上についてトウモロコシ澱粉、サトウキビ澱粉、ヒマシ油など植物系由来の脂肪酸を用いたバイオマスベースポリマーの脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステルとした農業用シートを開発したものである。
【0013】
より具体的には主成分である脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル等の石油系由来の生分解性樹脂に対し、植物由来の生分解性ポリマー樹脂を少なくとも10(重量)%以上添加混合して使用するようにした農業用シートに関する。また上記により添加混合した植物由来の生分解性ポリマー樹脂の強度を向上させるために、植物由来の生分解性ポリマー樹脂の添加量に比例した量のフィラーを添加するようにした農業用シートに関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上記したように、石油系由来原料の脂肪酸に代えて原料の少なくとも一部としてトウモロコシ澱粉、サトウキビ澱粉、ヒマシ油など植物系由来の脂肪酸を用いたバイオマスベースポリマーの脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステルとしたために、使用後の廃棄時に植物由来原料のカーボンニュートラルを実現し、COの発生量を抑制することができる。植物系由来樹脂として、とくにトウモロコシより得られるポリ乳酸などは比較的安価で効率的に得られる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において本発明の実施の形態について詳細に説明をする。本発明で用いられる石油系由来原料の脂肪酸としては、たとえば三菱化学(GS・プラ)、昭和高分子〔ビオノーレ(登録商標)〕、BASF社〔エコフレックス(登録商標)〕など汎用の脂肪族ポリエステル、あるいは芳香族脂肪族ポリエステルなどが用いられる。エコフレックスに代表される芳香族脂肪族ポリエステルは、アジピン酸およびテレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、1,4 ブタンジオールからなるジオール成分との重縮合物を、多官能イソシアネート化合物で高分子化した脂肪である。
【0016】
また上記したGS・プラ、およびビオノーレに代表される脂肪族ポリエステルは、コハク酸からなるジカルボン酸成分と、1,4 ブタンジオールからなるジオール成分との重縮合物を、多官能イソシアネート化合物で高分子化した脂肪である。
【0017】
これに対してその少なくとも一部に代用される原料組成として、トウモロコシ澱粉、サトウキビ澱粉、ヒマシ油など植物系由来の脂肪酸を用いたバイオマスベースポリマーの脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステルが用いられる。
【0018】
具体的にはたとえば、ノバモント社(マタビー CF-99A・CF-51A)に代表されるブタンジオール/長鎖ジカルボン酸共重合体は、植物由来物質として芳香族脂肪族ポリエステルのアジピン酸の代わりに効果的に用いることができる。その他BASF社のエコバイオ(商品名)等も用いることができる。この場合にポリ乳酸は比較的安価で安定的に入手でき、トウモロコシなどに含まれるデンプンを抽出し,それを酵素分解して得た糖類を発酵させる工程を経て容易に生成することができる。
【0019】
天然物質の糖類に属するものとしては、上記のほかに酢酸セルロースやエステル化澱粉、キトサンなどが使用可能である。またタンパク質に属するものとしてはフィブロイン、コラーゲン、ゼラチンなどが使用可能とみられ、その他分泌物として天然ゴムなどの使用も考えられる。
【0020】
また上記により添加混合した植物由来の生分解性ポリマー樹脂の強度、及びインフレ生産性の向上、穴あけ時ロス低減をはかるためにタルクや炭カル等のフィラーを添加使用するとより一層有効である。なお、この場合のフィラーの添加量については実験の結果7(重量)%以下ではあまり効果はなく、また30(重量)%以上でもかえって強度劣化を招くところから8〜30(重量)%の範囲内であるのが好ましい。
【実施例】
【0021】
上記の組成による樹脂成分をコンパウンド、あるいはドライブレンドにより成形する。この場合の組成について種々の実験をおこなった結果、
植物由来の生分解性ポリマー樹脂量:10%〜92%、
石油系由来樹脂量:10%〜92%、
フィラー量:8%〜30%
上記の範囲内でコンパウンドあるいはドライブレンドにより成形してシートに形成するのが好ましい範囲であることが下記の実験データから明らかとなった。
【0022】

【0023】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油系由来原料の脂肪酸に代えて、原料としてトウモロコシ澱粉、サトウキビ澱粉、ヒマシ油など植物系由来の脂肪酸を少なくとも10(重量)%以上用いたバイオマスベースポリマーの脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステルとした農業用シート。
【請求項2】
主成分である脂肪族ポリエステル、芳香族脂肪族ポリエステル等の石油系由来の生分解性樹脂に対し、植物由来の生分解性ポリマー樹脂を少なくとも10(重量)%以上添加混合して使用するようにした農業用シート。
【請求項3】
上記により添加混合した植物由来の生分解性ポリマー樹脂の強度を向上させるために、8〜30(重量)%のフィラーを添加するようにした請求項1又は請求項2に記載の農業用シート。


【公開番号】特開2011−223893(P2011−223893A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94264(P2010−94264)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(308027617)株式会社ユニック (3)
【Fターム(参考)】