説明

農業被覆用フィルム

【課題】 透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れた農業被覆用フィルムを提供する。
【解決手段】 JIS K6924−1(1997)に準拠して測定したメルトフローレートが0.3〜20g/10min、JIS K6924−1(1997)に準拠して測定した酢酸ビニル残基含量が3〜40重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)0.01〜5重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)0.01〜5重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)0.05〜5重量部からなる農業被覆用フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れた農業被覆用フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業被覆用フィルムは、ハウス栽培やトンネル栽培等の農業用に使用され、塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂が用いられている。
【0003】
これらの農業被覆用フィルムで被覆されたハウス、トンネル内部では、地面や植物から蒸発した水蒸気で飽和されるため、この水蒸気が夜間等気温の低下したときに農業被覆用フィルムの内部に結露し水滴として付着する。水滴が付着すると、水滴が落下し作物を濡らすことで病害が発生しやすくなる。また水滴に太陽光が反射して作物への入射太陽光が減少するため、作物の育成が悪化する原因となる。このため一般的な農業被覆用フィルムには、付着した水滴が滞留しないように流滴性、特に流滴性の速効性や流滴性の長期持続性が要求されている。
【0004】
流滴性を改善する方法として、エチレン−酢酸ビニル共重合体にソルビタン脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステルを添加した農業被覆用フィルムが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体にモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルに加えて、ソルビタン−グリセリン系縮合脂肪酸エステル(例えば、特許文献2参照。)あるいはソルビタン脂肪酸エステル(例えば、特許文献3参照。)を添加した農業被覆用フィルムも提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭52−102130号公報
【特許文献2】特開平03−59046号公報
【特許文献3】特開平03−59047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の方法により得られる農業被覆用フィルムは、いまだ透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に満足すべきものではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記した問題を解決するため、農業被覆用フィルムに必要な透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れた農業被覆用フィルムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物をそれぞれ特定量配合してなる農業被覆用フィルムが、透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れた農業被覆用フィルムなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、JIS K6924−1(1997)に準拠して測定したメルトフローレートが0.3〜20g/10min、JIS K6924−1(1997)に準拠して測定した酢酸ビニル残基含量が3〜40重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)0.01〜5重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)0.01〜5重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)0.05〜5重量部からなる農業被覆用フィルムに関するものである。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の農業被覆用フィルムは、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物をそれぞれ特定量配合してなる農業被覆用フィルムである。
【0012】
本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のJIS K6924−1(1997)に準拠して測定したメルトフローレート(MFR)は、0.3〜20g/10min、好ましくは2.4〜20g/10minである。MFRが0.3g/10min未満である場合、農業被覆用フィルムを加工する際に、溶融粘度が高く成形性が劣り好ましくない。また、MFRが20g/10minを越える場合は、農業被覆用フィルムを成形する際に安定して製膜できないばかりか、農業被覆用フィルムの衝撃強度等が損なわれる恐れがあるため好ましくない。
【0013】
本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)のJIS K6924−1(1997)に準拠して測定した酢酸ビニル残基含量は3〜40重量%、好ましくは6〜25重量%である。酢酸ビニル残基含量が3重量%未満である場合、農業被覆用フィルムとしての流滴性の長期持続性が劣り好ましくない。また、酢酸ビニル残基含量が40重量%を越える場合は、太陽光等の熱により農業被覆用フィルムが伸びる傾向が認められるため好ましくない。
【0014】
本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)は、一般的な重合方法である高圧法によるラジカル重合法により得ることができる。
【0015】
本発明に用いられるモノグリセリン脂肪酸エステル(B)は、モノグリセリン脂肪酸エステルであれば如何なるものでもよく、その中でもヒドロキシ基を有する脂肪酸のモノグリセリンエステルが好ましい。具体的なモノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノ−12−ヒドロキシパルミテート、グリセリンモノ−12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノ−12−ヒドロキシベヘネート等が挙げられ、その中でもヒドロキシ基を有する脂肪酸のモノグリセリンエステルであるグリセリンモノ−12−ヒドロキシパルミテート、グリセリンモノ−12−ヒドロキシステアレート、グリセリンモノ−12−ヒドロキシベヘネート等が好ましく、特にグリセリンモノ−12−ヒドロキシステアレートが好ましい。これらは1種類あるいは2種類以上混合して使用しても良い。
【0016】
本発明に用いられるモノグリセリン脂肪酸エステル(B)としては、一般的な市販品を用いることができ、例えば理研ビタミン(株)社製のモノグリセリン脂肪酸エステル(商品名リケマールHC−100)が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられるジグリセリン脂肪酸エステル(C)は、ジグリセリン脂肪酸エステルであれば如何なるものでもよく、その中でも炭素数12〜16である飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のジグリセリンエステルが好ましい。具体的なジグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばジグリセリンラウレート、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンベヘネート、ジグリセリンオレート、ジグリセリンカプリレート等が挙げられ、その中でも炭素数12〜16である飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のジグリセリンエステルであるジグリセリンラウレート、ジグリセリンパルミテートが好ましく、特にジグリセリンラウレートが好ましい。これらは1種類あるいは2種類以上混合して使用しても良い。
【0018】
本発明に用いられるジグリセリン脂肪酸エステル(C)としては、一般的な市販品を用いることができ、例えば、理研ビタミン(株)社製のジグリセリン脂肪酸エステル(商品名リケマールL−71−D)が挙げられる。
【0019】
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)は、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物であれば如何なるものでもよく、該ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノラウレート等が挙げられ、その中でもソルビタンモノステアレートが好ましい。また、該ソルビトール脂肪酸エステルとしては、例えばソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールモノラウレート等が挙げられ、その中でもソルビトールモノステアレートが好ましい。これらソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルを、溶融混練法、ドライブレンド法等の混合方法より混合することにより本発明のソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物となる。その際の混合割合としては、ソルビタン脂肪酸エステルの割合が50重量%以上であることが好ましく、特に60重量%以上であることが好ましい。そして、特にソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)の好ましい例示として、ソルビタンモノステアレートとソルビトールモノステアレートの混合物が挙げられる。
【0020】
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)としては、一般的な市販品を用いることができ、例えば理研ビタミン(株)社製のソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(商品名ポエムS−60)が挙げられる。
【0021】
本発明の農業被覆用フィルムは、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)を併用することにより、透明性と流滴性の速効性や流滴性の長期持続性が両立する農業被覆用フィルムとなるものである。
【0022】
本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)の配合割合は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)0.01〜5重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)0.01〜5重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)0.05〜5重量部であり、好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステル(B)0.03〜1重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)0.03〜1重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)0.05〜1重量部である。
【0023】
本発明の農業被覆用フィルムには、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、保温剤、防霧剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の農業被覆用フィルムの技術分野で使用されている種々の添加剤を含有してもよい。
【0024】
酸化防止剤としては、特に制限はなく、一般的に酸化防止剤として知られているものを用いることができ、その中でもフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤等が好ましく、フェノール系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いることが可能である。
【0025】
リン系酸化防止剤としては、例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイソビスホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0026】
硫黄系酸化防止剤としては、例えばジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0027】
フォスファイト系酸化防止剤としては、例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル)フォスファイト等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0028】
これら種々の酸化防止剤の中でも、特にペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)が好ましく用いられる。
【0029】
紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、一般的に紫外線吸収剤として知られているものを用いることができ、例えば2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール、2,4−ジ−t−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール、オクタベンゼン等が挙げられ、その中でも2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノールが好ましく用いられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0030】
光安定剤としては、特に制限はなく、一般的に光安定剤として知られているものを用いることができ、例えば2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミン−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられ、その中でもポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミン−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)が好ましく用いられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0031】
帯電防止剤としては、特に制限はなく、一般的に帯電防止剤として知られているものを用いることができ、例えば非イオン系の多価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、カチオン系の第一級アミン塩、カチオン系の第三級アミン、アニオン系の脂肪アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、両性系のカルボン酸誘導体、イミダリン誘導体等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0032】
保温剤としては、特に制限はなく、一般に保温剤として知られているものを用いることができる。例えばリチウムアルミニウム類化合物、ハイドロタルサイト類化合物、シリカ、ゼオライト、ガラス粉末、層状粘土鉱物等が挙げられ、その中でもハイドロタルサイト類化合物が好ましく、特にハイドロタルサイトが好ましく用いられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0033】
防霧剤としては、特に制限はなく、一般的に防霧剤として知られているものを用いることができ、例えばパーフルオロアルキルアクリレート化合物、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩が挙げられ、その中でもパーフルオロアルキルアクリレート化合物が好ましく用いられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0034】
滑剤としては、特に制限はなく、一般的に滑剤として知られているものを用いることができ、例えば脂肪酸モノアミド系滑剤であるラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド;脂肪酸ビスアミド系滑剤であるエチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0035】
アンチブロック剤としては、特に制限はなく、一般的にアンチブロック剤として知られているものを用いることができ、天然物でも合成品でも良く、例えばシリカ、タルク、カオリン、マイカ、長石、珪藻土、ゼオライト、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
【0036】
本発明の農業被覆用フィルムの製造方法は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A)、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)からなる農業被覆用フィルムが得られる限り如何なる方法をも用いることができ、その中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)を混練した後フィルムとする方法が好ましく用いられる。
【0037】
混練する方法としては、例えば単軸押出機、ニ軸押出機、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の溶融混錬方法;ドライブレンド方法;等を用いることができ、その中でも溶融混練方法が好ましく用いられる。溶融混練方法の際には、例えば100〜200℃で行うことができる。
【0038】
フィルムとする際の方法としては、例えば通常のインフレーション成形法、キャスト成形法等の公知の成形方法が挙げられ、その中でもキャスト成形法が好まし用いられる。キャスト成形法によりフィルムとする際の条件は、例えば加工温度110〜220℃、引取速度5〜50m/min、冷却ロール温度20〜50℃が好ましく、得られたフィルムの厚みは30〜300μm、フィルムの巾は0.5〜15mが好ましい。
【0039】
本発明の農業被覆用フィルムは、単層フィルムに限らず、積層体とすることも可能である。該積層体としては、本発明の農業被覆用フィルムを中間層とし、この中間層にポリオレフィン系樹脂フィルムが外層と内層に積層された積層体であることが好ましい。その際の積層体の厚みは20〜300μmであることが好ましい。前記積層体の外層と内層に用いられるポリオレフィン系樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂フィルムであれば如何なるものでもよく、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の樹脂よりなるフィルムが挙げられ、その中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体よりなるフィルムが好ましい。これらのポリオレフィン系樹脂フィルムは1種以上用いることができる。そして、具体的な積層体としては、例えば第1層/第2層/第3層=高密度ポリエチレンフィルム/本発明の農業被覆用フィルム/エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、第1層/第2層/第3層=エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム/本発明の農業被覆用フィルム/エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等が挙げられる。
【0040】
本発明の農業被覆用フィルムが積層された積層体の製造方法としては、例えば通常のインフレーション成形法、キャスト成形法等の公知の成形方法が挙げられ、その中でもインフレーション成形法が好ましく用いられる。インフレーション成形法により積層体とする際の条件は、加工温度110〜220℃、引取速度5〜50m/min、ブローアップ比(インフレーション成形した積層体の円周長さを、インフレーション加工機の丸ダイスの円周長さで除した値を示す)1.1〜4.0が好ましく用いられる。
【0041】
本発明の農業被覆用フィルムは、ハウス栽培やトンネル栽培等の農業被覆用フィルムに好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の農業被覆用フィルムは、透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ、その結果水滴による病害の防止や、水滴による作物への入射太陽光の減少を改善できることから、農業被覆用フィルムとして好適に用いられ、ハウス栽培やトンネル栽培等の農作物の生育の妨げとなる冷害、及び風害などを防止するために用いられる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に各物性の測定方法と性能の評価方法を示す。なお、実施例で用いた試薬は断りのない限り市販品を用いた。
【0044】
<酢酸ビニル残基含量>
JIS K6924−1(1997)に準拠して測定した。
【0045】
<メルトフローレート(MFR)>
JIS K6924−1(1997)に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18Nにて測定した。
【0046】
<透明性>
透明性は、JIS K7105(1981)に準拠し、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製 300A)を用い、ヘイズ値を測定し、このヘイズ値を透明性の指標とした。
【0047】
透明性の判断基準
○:ヘイズ値が15%以下の場合、透明性に優れるものとする。
【0048】
×:ヘイズ値が15%より大きい場合、透明性に劣るものとする。
【0049】
<流滴性の速効性>
実施例で得られた直後のフィルムを水温45℃、外気温4℃の水槽の上に傾斜角30度でフィルムを展張し、6時間後のフィルムの流滴性を評価し、流滴性の速効性の指標とした。
【0050】
流滴性の速効性の判断基準
◎:フィルム全体の表面に水滴の付着がない。
【0051】
○:フィルム全体の表面に水滴が20%未満の範囲で生じている。
【0052】
△:フィルム全体の表面に水滴が20〜50%の範囲で生じている。
×:フィルム全体の表面に水滴が50%以上の範囲で生じている。
<流滴性の長期持続性>
実施例で得られた直後のフィルムを水温50℃、外気温23℃の水槽の上に傾斜角30度でフィルムを展張し、所定日数経過後のフィルムの流滴性を評価し、流滴性の長期持続性の指標とした。
【0053】
流滴性の長期持続性の判断基準
◎:フィルム全体の表面に水滴の付着がない。
【0054】
○:フィルム全体の表面に水滴が20%未満の範囲で生じている。
【0055】
△:フィルム全体の表面に水滴が20〜50%の範囲で生じている。
×:フィルム全体の表面に水滴が50%以上の範囲で生じている。
実施例1
MFR2.4g/10min、酢酸ビニル残基含量25重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A−1)(東ソー(株)製 ウルトラセン635)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステルとしてグリセリンモノ−12−ヒドロキシステアレート(B−1)(理研ビタミン(株)製 リケマールHC−100)0.03重量部、ジグリセリン脂肪酸エステルとしてジグリセリンラウレート(C−1)(脂肪酸の炭素数:12)(理研ビタミン(株)製 リケマールL−71−D)0.03重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物としてソルビタンステアレート/ソルビトールステアレート=60/40(重量比)(D−1)(理研ビタミン(株)製 ポエムS−60)1.0重量部、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 IRGANOX1010)0.2重量部、紫外線吸収剤として2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 TINUVIN326)0.1重量部、光安定剤としてポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミン−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 CHIMASSORB944)0.5重量部、防霧剤としてパーフルオロアルキルアクリレート化合物(ダイキン工業(株)製 ユニダインDS−403)0.2重量部、保温剤としてハイドロタルサイト(協和化学工業製 アルカマイザー)1.5重量部を、50mmφ押出機を有するキャスト成形機(住友重機械モダン(株)、Tダイス350mm、リップクリアランス1mm、エアチャンバー式)により、押出機の温度150℃、Tダイスの温度150℃にて厚み100μmのフィルムを得た。
【0056】
得られたフィルムを評価した結果、該フィルムは透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ農業被覆用フィルムに好適であった。結果を表1に示した。
【0057】
実施例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、MFR20.0g/10min、酢酸ビニル残基含量20重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A−2)(東ソー(株)製 ウルトラセン633)を用い、モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)0.2重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)1.0重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)0.05重量部とした以外は、実施例1と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ農業被覆用フィルムに好適であった。結果を表1に示した。
【0058】
実施例3
エチレン−酢酸ビニル共重合体として、MFR2.5g/10min、酢酸ビニル残基含量6重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A−3)(東ソー(株)製 ウルトラセン515)を用い、モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)1.0重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)0.2重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)0.5重量部とした以外は、実施例1と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ農業被覆用フィルムに好適であった。結果を表1に示した。
【0059】
実施例4
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A−1)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)0.03重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)0.03重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)1.0重量部、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 IRGANOX1010)0.2重量部、紫外線吸収剤として2−(5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 TINUVIN326)0.1重量部、光安定剤としてポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミン−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 CHIMASSORB944)0.5重量部、防霧剤としてパーフルオロアルキルアクリレート化合物(ダイキン工業(株)製 ユニダインDS−403)0.2重量部、保温剤としてハイドロタルサイト(協和化学工業製 アルカマイザー)1.5重量部を、3種3層ダイを有するインフレーション成形機(プラコー(株)社製、ダイ径175mmφ、外層用押出機スクリュー径28mmφ、中間層用押出機スクリュー径50mmφ、内層用押出機スクリュー径28mmφ)の中間層へ供給し、外層と内層には、MFR2.5g/10min、酢酸ビニル残基含量6重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A−4)(東ソー(株)製 ウルトラセン515)を供給し、各層の構成比が外層/中間層/内層=1/2/1、押出機の温度が150℃、ダイの温度を150℃、引取速度10m/minの条件で成形を行い、厚み100μm、巾550mmの積層体を得、評価を行った。
【0060】
その結果、該積層体は透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ農業被覆用フィルムに好適であった。結果を表2に示した。
【0061】
実施例5
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A−2)、モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)0.2重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)1.0重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)0.05重量部とした以外は、実施例4と同様に積層体を得、評価を行った。
【0062】
その結果、該積層体は透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ農業被覆用フィルムに好適であった。結果を表2に示した。
【0063】
実施例6
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A−3)、モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)1.0重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)0.2重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)0.5重量部、外層と内層に中間層と同じエチレン−酢酸ビニル共重合体(A−3)を用いた以外は、実施例4と同様に積層体を得、評価を行った。
【0064】
その結果、該積層体は透明性、流滴性の速効性や流滴性の長期持続性に優れ農業被覆用フィルムに好適であった。結果を表2に示した。
【0065】
比較例1
ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)及びソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)を用いなかった以外は、実施例1と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは流滴性の速効性と流滴性の長期持続性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0066】
比較例2
モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)及びソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)を用いなかった以外は、実施例2と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは流滴性の長期持続性に劣り、農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0067】
比較例3
モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)及びジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)を用いず、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)1.0重量部とした以外は、実施例3と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは透明性と流滴性の速効性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0068】
比較例4
ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)の代わりに、ソルビタン−グリセリン系縮合脂肪酸エステルを用いた以外は、実施例1と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは流滴性の長期持続性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0069】
比較例5
ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)の代わりに、ソルビタン脂肪酸エステル(理研ビタミン社製 リケマールSP−250)1.0重量部とした以外は、実施例2と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは流滴性の長期持続性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0070】
比較例6
ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)を用いなかった以外は、実施例1と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは流滴性の長期持続性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0071】
比較例7
ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)を用いず、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)1.0重量部とした以外は、実施例2と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは流滴性の速効性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0072】
比較例8
モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)を用いず、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)1.0重量部とした以外は、実施例3と同様にフィルムに成形し評価を行った。その結果、該フィルムは透明性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表1に示した。
【0073】
比較例9
ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)を用いなかった以外は、実施例4と同様に積層体に成形し評価を行った。その結果、該積層体は流滴性の長期持続性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表2に示した。
【0074】
比較例10
ジグリセリン脂肪酸エステル(C−1)を用いず、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)1.0重量部とした以外は、実施例5と同様に積層体に成形し評価を行った。その結果、該積層体は流滴性の速効性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表2に示した。
【0075】
比較例11
モノグリセリン脂肪酸エステル(B−1)を用いず、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D−1)1.0重量部とした以外は、実施例6と同様に積層体に成形し評価を行った。その結果、該積層体は透明性に劣り農業被覆用フィルムに適したものではなかった。結果を表2に示した。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS K6924−1(1997)に準拠して測定したメルトフローレートが0.3〜20g/10min、JIS K6924−1(1997)に準拠して測定した酢酸ビニル残基含量が3〜40重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)0.01〜5重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)0.01〜5重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)0.05〜5重量部からなる農業被覆用フィルム。
【請求項2】
モノグリセリン脂肪酸エステル(B)が、ヒドロキシ基を有する脂肪酸のモノグリセリンエステルであることを特徴とする請求項1に記載の農業被覆用フィルム。
【請求項3】
モノグリセリン脂肪酸エステル(B)が、グリセリンモノ−12−ヒドロキシステアレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業被覆用フィルム。
【請求項4】
ジグリセリン脂肪酸エステル(C)が、炭素数12〜16である飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のジグリセリンエステルであることを特徴とする請求項1に記載の農業被覆用フィルム。
【請求項5】
ジグリセリン脂肪酸エステル(C)が、ジグリセリンラウレートであることを特徴とする請求項1又は4に記載の農業被覆用フィルム。
【請求項6】
ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)中のソルビタン脂肪酸エステルの割合が、50重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の農業被覆用フィルム。
【請求項7】
ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)が、ソルビタンモノステアレートとソルビトールモノステアレートの混合物であることを特徴とする請求項1又は6に記載の農業被覆用フィルム。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の農業被覆用フィルムを中間層とし、この中間層にポリオレフィン系樹脂フィルムが外層と内層に積層されることを特徴とする積層体。
【請求項9】
ポリオレフィン系樹脂フィルムが、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体よりなる群から選ばれる1種以上の樹脂フィルムであることを特徴とする請求項8に記載の積層体。

【公開番号】特開2006−191853(P2006−191853A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6533(P2005−6533)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】