説明

農薬の送出に有用なメソサイズカプセル

本明細書中で開示する多様な態様は、多様な殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、毒性緩和剤および植物の生理または構造の改変剤などの農業用活性成分などの活性成分を含むメソカプセルを開示する。これらのメソカプセルは、ポリ尿素シェルを含み、その表面上に親水性基を有する。このメソカプセルの体積平均径は約500nm以下であり、そのいくつかの体積平均径は約300nm以下程度である。このメソカプセルは、水にあまり溶解しない活性成分の送出に特に好適であり、こうした化合物の多くの溶解度は1,000ppm以下の範囲である。このメソカプセルを作製する方法は、ドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤の存在下で実施される界面重縮合反応と、界面活性剤の全てまたは大部分を、アミノ酸を界面の反応混合物の水相に加えることにより置き換えてから最終的なエマルジョンが形成される別の方法とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年8月7日に出願された米国特許仮出願第61/232,044号の利益を主張するものであり、同文献は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
多様な態様は、メソサイズカプセルを作製し、このカプセルを、殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、毒性緩和剤および植物の生理または構造の改変剤などの活性成分の植物ヘの送出に使用するための材料および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤および毒性緩和剤ならびに植物の生理および構造の改変剤ならびに栄養分など現代の農業用の殺有害生物剤の活性成分は、典型的には、液体または固体の製剤として製剤化される。これらの製剤は、栽培者または末端消費者が使用するのに便利なように、また、活性成分の固有の生物活性が正しく発現されるように、設計される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書中で開示する多様な態様および実施形態の目的は、農業および一般的な有害生物管理において使用される活性成分の送出および生物活性の有効性および効率をさらに改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
定義
用語「農業用活性成分(agricultural active ingredient)(AI)」は、本明細書中で使用する場合、農業、園芸、ならびに作物、植物、構造物、ヒトおよび動物を真菌性および細菌性の植物病原体、雑草、昆虫、ダニ、藻類、線虫類など望ましくない生物から保護するための有害生物管理において使用される化学物質を指す。具体的には、こうした目的のために使用される活性成分としては、殺真菌剤、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺藻剤、ネムトシド(nemtocide)および燻蒸剤が挙げられる。用語「農業用活性成分」は、昆虫誘引剤、忌避剤およびフェロモン、植物の生理または構造の改変剤および除草剤毒性緩和剤(herbicide safener)も包含する。
【0006】
用語「メソ」は、本明細書中で使用する場合、体積平均径が約30nm〜約500nmである粒子、カプセルまたは液滴を指す。用語「メソカプセル(mesocapsule)」は、本明細書中で使用する場合、体積平均径が約30nm〜約500nmであるカプセルまたはコアシェル粒子を指す。
【0007】
用語「約」は、±10パーセントの範囲を意味し、例えば、約1には、0.9〜1.1の値を含めた。
【0008】
用語「水溶性に乏しい」は、本明細書中で使用する場合、水溶解度が約1000ppm未満の活性成分を意味する。好ましくは、水溶性に乏しい活性成分の水溶解度は、100ppm未満、より好ましくは10ppm未満である。
【0009】
用語「水非混和性の溶媒」は、本明細書中で使用する場合、水溶解度が100ml当たり約10g以下の溶媒または溶媒混合物を意味する。
【0010】
用語「界面活性剤を本質的に含まない」は、本明細書中で使用する場合、界面活性剤の濃度が油相に対し1重量パーセント未満、より好ましくは、油相に対し界面活性剤が0.5重量パーセント未満であることを意味する。
【0011】
用語「界面活性剤」は、本明細書中で使用する場合、エマルジョンを生成および/または安定化させるために使用される物質を意味する。界面活性剤としては、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性のもの、または、非イオン性/陰イオン性、もしくは非イオン性/陽イオン性の組合せが挙げられる。適当な界面活性剤の例としては、以下が挙げられる:アルカリ金属のラウリル硫酸塩(ドデシル硫酸ナトリウムなど)、アルカリ金属の脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウムおよびステアリン酸ナトリウムなど)、アルカリ金属のアルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)、ポリオキシエチレン非イオン性界面活性剤ならびに四級アンモニウム界面活性剤。当業者が適当な界面活性剤(前述の系統に限定されない)を選択できる標準的な参照先としては、Handbook of Industrial Surfactants、第4版、(2005)、Synapse Information Resources Inc刊、およびMcCutcheon's Emulsifiers and Detergents、北米版および国際版、(2008)、MC Publishing Company刊が挙げられる。
【0012】
用語「界面縮合」は、本明細書中で使用する場合、一方の非混和性の液体が他方の非混和性の液体に分散している2つの非混和性の液体の間の界面で行われる、2つの賞賛的な(complimentary)有機中間体間での反応を意味する。界面縮合反応の例は、米国特許第3,577,515号(同文献は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)により示されている。「コアシェル」カプセルは、2つの非混和相(第1の非混和相は分散相であり、第2の非混和相は連続相である)の間で生じる界面縮合反応により生成されるカプセルであり、該分散相またはコアは、シェルを形成する2つの賞賛的な有機中間体の反応により形成されるシェル内に封入され、コアシェルカプセルは連続相内に分散する。
【0013】
用語「架橋剤」は、本明細書中で使用する場合、コアシェル粒子を形成するポリマー前駆体の反応を開始し容易にする物質を意味する。架橋剤は、コアシェル粒子を含むポリマー構造の一部となる。架橋剤の例としては、本明細書中で使用する場合、水、水溶性ジアミン、水溶性ポリアミン、水溶性ポリアミノ酸、水溶性ジオール、水溶性ポリオールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0014】
本開示の一実施形態は、農業用活性成分を送出するための組成物であって、ポリマーシェルを有するメソカプセルと、水溶性に乏しい農業用活性成分とを含み、該活性成分が、該ポリマーシェル内に少なくとも部分的に含まれ、該メソカプセルの体積平均粒径が約30nm〜約500nmである組成物を包含する。
【0015】
本開示の別の実施形態は、メソカプセルを合成する方法であって、少なくとも1つの農業用活性成分と、反応させてシェルを形成することが可能な1つまたは複数のポリマー前駆体とを含む油相を提供するステップ、水と少なくとも1つの架橋剤とを含む水相を供給するステップ、界面活性剤を該水相および該油相のうち少なくとも一方に加えるステップ、体積平均径が約500nm以下のメソサイズ液滴を有するエマルジョンを形成するのに十分なせん断条件下で該油相と該水相とを混合するステップ、ならびに該ポリマー前駆体を該架橋剤と反応させて該メソカプセルを形成するステップを含む方法を包含する。
【0016】
本開示の別の実施形態は、界面活性剤を含まないメソカプセルを合成する方法であって、少なくとも1つの農業用活性成分と少なくとも1つのポリイソシアネートとを含む油相を提供するステップ、一級もしくは二級アミンまたは一級もしくは二級アミノ基のいずれかである少なくとも1つの官能部分と、加えて少なくとも1つの親水性官能基とを有する少なくとも1つの成分を含む水相を供給するステップ、該油相と該水相とを混合してエマルジョンを形成するステップ、およびポリイソシアネートを架橋剤と反応させて該メソカプセルを形成するステップを含む方法を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本明細書中で開示する例示的なメソサイズカプセルを合成するために調製および使用したグリシンおよびリシンのストック溶液の成分をまとめた表である。
【図2】本明細書中で開示するフェンブコナゾールの例示的なメソカプセルを合成するために組み合わせた原料をまとめた表である。
【図3】本明細書中で開示する除草剤、殺真菌剤および殺虫剤の例示的なメソカプセルを合成するために組み合わせた原料をまとめた表である。
【図4】殺有害生物剤としての有効性を試験した例示的な製剤のリストであり、表には、製剤を列挙し、各製剤中の農業用活性成分(AI)の重量%の推定値を示してある。
【図5】図4で特定した多様な製剤を、コムギ葉枯病菌(Septoria tritici)により植物に引き起こされる真菌性感染症を治癒する能力について試験した結果をまとめた表である。
【図6】図4で特定した多様な製剤を、コムギ葉枯病菌(Septoria tritici)により植物において引き起こされる真菌性感染症を防止する能力について試験した結果をまとめた表である。
【図7】図4で特定した多様な製剤を、コムギ赤サビ病菌(Puccinia recondita f. sp. tritici)により植物において引き起こされる真菌性感染症を防止する能力について試験した結果をまとめた表である。
【図8】図4で特定した多様なアトラジン製剤を、雑草を防除する能力について試験した結果をまとめた表である。データは、雑草防除率(%)である。
【図9】図4で特定した多様なフルロキシピルメプチル製剤を、雑草を防除する能力について試験した結果をまとめた表である。データは、雑草防除率(%)である。
【図10】図4で特定した多様なインドキサカルブ製剤を、コナガによる食葉(leaf feeding)を減少させる能力について試験した結果をまとめた表である。
【図11】図4で特定した多様なインドキサカルブ製剤を、コナガの死を引き起こす能力について試験した結果をまとめた表である。
【図12】図4で特定した多様なインドキサカルブ製剤を、注射により投与した際にチャバネゴキブリの死を引き起こす能力について試験した結果をまとめた表である。
【図13】図4で特定した多様なインドキサカルブ製剤を、局所施用により投与した際にチャバネゴキブリの死を引き起こす能力について試験した結果をまとめた表である。
【図14】図4で特定した多様なインドキサカルブ製剤を、ベイト(bait)摂取により投与した際にチャバネゴキブリによる採食停止を引き起こす能力について試験した結果をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本新規技術の原理の理解を促進する目的で、次に、その好ましい実施形態に言及し、その説明のために特定の用語を用いることとする。但し、そのことにより本新規技術の範囲を限定することを意図してはおらず、本新規技術が関連する当業者には通常想起されるであろうと思われるような本新規技術の原理の変更、改変およびさらなる応用が企図されることは理解されよう。
【0019】
殺真菌剤、殺虫剤、除草剤、毒性緩和剤、植物の生理または構造の改変剤などの有効および経済的な農業用活性成分(AI)を発見、開発および作製することは、農業化学工業が直面している課題の一部にすぎない。こうした種類の化合物を効率的且つ経済的に施用できるようにするための有効な製剤を開発することも重要である。費用の問題があるだけで、AIを作製及び使用するための新しい製剤および方法に対する必要性が増え続けることになる。この必要性は、水溶液への溶解度の低さ、または、植物および昆虫の体内および体表での生物学的利用率の低さなどの問題により、AIの有効性が限定される場合、またはAIを思い通りに取り扱い有効に施用することが難しい場合には特に深刻である。
【0020】
本明細書中で使用する場合、用語「植物」および「農作物」は、任意の商業的に繁殖される植物を意味するものとし、従来の植物育種、栄養繁殖により作製されるか、または遺伝子改変の手法を用いることにより作製されるかを問わない。
【0021】
AIの有効性を改善する最も有効な方式の1つは、根系経由、もしくは茎および葉の表面経由いずれかにより植物体内への、または、消化管もしくは外骨格経由で昆虫体内への、AIの浸透を増加させることである。多くの場合、これには、AIを水溶性の形態で製剤化することが含まれる。しかし、他の形で有効なAIの多くは、あまり水に溶解しない。したがって、水溶性に乏しいAIの、植物および昆虫の体内および隅々までの浸透を増加させる化合物または製剤は、多種多様なAI(例えば、あまり水に溶解しないAIなど)の全体的な有効性を向上させる可能性を有する。
【0022】
本明細書中で開示するいくつかの態様および実施形態は、非常に小さいサイズのポリ尿素コアシェル粒子(例えば、体積平均粒径が約500nm以下のメソカプセル)中にAIを封入することにより農業用活性成分の生物学的利用率を増加させるが、いくつかの実施形態では、メソカプセルの直径はおよそ300nm以下である。こうしたメソカプセルの中には、生物学的に適合性のある親水性官能基(カルボン酸基など)で官能化した表面を備えるものがある。多くの用途において、メソカプセル中に少なくとも部分的に封入されたAIの方が、封入されていないAIより有効に植物および昆虫に浸透し、より効率的に植物内で、また植物の隅々まで輸送される。
【0023】
殺有害生物活性成分の製剤化および送出にとって有用であることに加え、本明細書中で開示するメソサイズの封入された製剤を作製するためのメソカプセルおよび方法の多くは、他の活性成分(殺生物剤、インク、日焼け止め剤、香味成分、香料、化粧品、医薬など)と組み合わせて使用する場合に有用である。本明細書中で開示する、こうしたメソカプセルおよびその作製方法は、核酸ポリマー(二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAなど)、および/またはタンパク質分子の送出においても有用であり得る。これらの製剤は、遺伝子工学、診断法および治療法(例えばワクチン接種など)を含め、広範な用途を有する。
【0024】
コアシェルメソカプセルは、液滴または粒子の表面での界面重合など、いくつかの方法により調製できる。好ましい封入用ポリマーはポリ尿素であり、ポリイソシアネートをポリアミン、ポリアミノ酸または水と反応させることから形成されるものが挙げられる。他の好ましい封入用ポリマーとしては、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物または尿素−ホルムアルデヒド縮合物、ならびに類似の種類のアミノプラストから形成されるものが挙げられる。ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリサッカハリド(polysaccaharide)、タンパク質、シリカ、脂質、変性セルロース(modified cellulose)、ゴム、ポリアクリレート、ポリリン酸、ポリスチレンおよびポリエステルまたはこれらの材料の組合せを含むシェル壁を有するカプセルを使用して、コアシェルメソカプセルを形成することもできる。
【0025】
本開示においてメソカプセルを形成する上での使用に適当なポリマーとしては、以下が挙げられる:尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂およびグリコウリル−ホルムアルデヒド樹脂などアミノベースのプレポリマー、ならびにジメチロールジヒドロキシエチレン尿素タイプのプレポリマー。これらのプレポリマーは、ブレンド、ならびにポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、アクリレート(酸官能性が好ましい)、アミン、多糖、ポリ尿素/ウレタン、ポリアミノ酸およびタンパク質との架橋剤として使用できる。他の適当なポリマーとしては、以下などのポリエステルが挙げられる:生分解性のポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレートおよびポリアクリルアミド、ポリビニルポリマー、ならびにポリアクリレートとのコポリマー、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリカーボネート、天然に存在するポリマー(ポリ酸無水物、ポリホスファジン、ポリオキサゾリンなど)、ならびにUV硬化型ポリオレフィン。
【0026】
一実施形態では、水溶性に乏しい農業用活性成分を、非常に小型(例えば、約500nm以下、より好ましくは300nm以下)のコアシェル粒子内に封入する。こうしたメソカプセル中に封入されたAIは、メソカプセルと結び付いていないAIより、昆虫および植物、植物組織、植物細胞、さらには植物病原体中への浸透の増加を呈しうる。
【0027】
一実施形態では、メソカプセルは、ポリ尿素シェル中に構築されメソカプセルの表面上で少なくとも部分的に曝露された親水性官能基を有する。こうした粒子を形成するために使用できる官能性材料のいくつかを一部列挙したものは以下の公報WO2001/94001中に見出すことができ、同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。親水性官能基としては以下が挙げられる:カルボキシレート、カルボキシレートの塩、ホスホネート、ホスホネートの塩、ホスフェート、ホスフェートの塩、スルホネート、スルホネートの塩、四級アンモニウム、ベタイン、オキシエチレンまたはオキシエチレン含有ポリマー。好ましくは、親水性基は、カルボキシレートまたはカルボキシレートの塩である。
【0028】
一実施形態では、農業用活性成分は、殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、毒性緩和剤および植物の生理または構造の改変剤からなる群から選択される少なくとも1つの農薬である。
【0029】
一実施形態では、農業用活性成分の水溶解度は、約1,000ppm以下の程度、好ましくは100ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。
【0030】
一実施形態では、本発明は、メソカプセルを合成する方法であって、少なくとも1つの活性成分と少なくとも1つのポリイソシアネートとを含む油相を提供するステップ、水相を供給して乳化剤を加えるステップ、および体積平均径が約500nm以下、但し好ましくは300nm未満のメソサイズ液滴を有するエマルジョンを形成するのに十分なせん断下で該油相と該水相とを混合するステップ、および該ポリイソシアネートを少なくとも1つの架橋剤または水と反応させて該メソカプセルを形成するステップを含む方法である。
【0031】
いくつかのAIは、室温で固体であり、溶媒に溶解してからでないと、ポリ尿素メソカプセル内に封入できない。一実施形態では、水溶性に乏しいAIを、該AIを容易に溶解する溶媒に溶解してから、油相を加える。適当な溶媒は、水溶解度が低い(すなわち100ml当たり約10g以下)有機溶媒のうち1つまたはその混合物であってもよく、そのような溶媒としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:石油留分または炭化水素(鉱油、芳香族溶媒、キシレン、トルエン、パラフィン油など);植物油(大豆油、菜種油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、ヤシ油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、アブラギリ油など);前記の植物油のエステル;モノアルコールまたは二価、三価もしくは他の低級ポリアルコール(4〜6個のヒドロキシ基を含有する)のエステル(2−ステアリン酸エチルヘキシル、安息香酸エチルヘキシル、安息香酸イソプロピル、n−オレイン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコール、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、リン酸トリエチルなど);モノカルボン酸、ジカルボン酸およびポリカルボン酸のエステル(酢酸ベンジル、酢酸エチルなど);ケトン(シクロヘキサノン、アセトフェノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、イソホロン、N−エチルピロリドン、N−オクチルピロリドンなど);アルキルジメチルアミド(C8およびC10のジメチルアミド、ジメチルアセトアミドなど);水溶解度が低い(すなわち100ml当たり約10g以下)アルコール(ベンジルアルコール、クレゾール、テルピネオール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−イソプロピルフェノール、シクロヘキサノール、n−ヘキサノールなど)。場合により、超疎水物質(ultrahydrophobe)を油相に加えるが、これは、油相を水相と混合するプロセスで後に生成されることになるエマルジョンの安定性を維持するためであることは明らかである。この添加物は高度に水不溶性の材料であり、1)連続水相中では、無視できる拡散係数および無視できる溶解度を有し、2)分散相と相溶性がある、材料である。超疎水物質の例としては以下が挙げられる:長鎖パラフィン(ヘキサデカンなど)、ポリマー(例えばIndopol(商標)H15(INESO Oligomers)などのポリイソブテン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルなど)、天然油(種子油など)、およびシリコーン(シリコーン油またはジメチコンなど)。好ましくは、添加物は、分散相の重量を基準にして10重量パーセント以下の量で使用する。
【0032】
一実施形態では、分散相内のポリマー前駆体は、ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物である。ポリイソシアネートは、架橋剤または水と反応してポリ尿素シェルを形成する。ポリイソシアネートの例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:ジイソシアン酸トルエン(TDI)、ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、MDIを含有するポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどのMDI誘導体(その例は、PAPI27(商標)ポリメリックMDI(The Dow Chemical Company)である)、ジイソシアン酸イソホロン、1,4−ジイソシアナトブタン、ジイソシアン酸フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,8−ジソシアナトオクタン(disocyanatooctane)、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびそれらの混合物。別の実施形態では、分散相中の適当なポリマー前駆体としては以下を挙げることもできるが、これらに限定されない:二酸塩化物(diacid chloride)、ポリ酸塩化物(polyacid chloride)、塩化スルホニル、クロロホルメートなど、およびそれらの混合物。
【0033】
油相と水相とを、500nm未満、但し好ましくは300nm未満のメソサイズ液滴の生成および/または安定化を助ける界面活性剤の存在下で組み合わせる。界面活性剤は、油相もしくは水相のいずれか、または、油相と水相との両方に加えることができる。界面活性剤としては、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性のもの、または、非イオン性/陰イオン性、もしくは非イオン性/陽イオン性の組合せが挙げられる。適当な界面活性剤の例としては、以下が挙げられる:アルカリ金属のラウリル硫酸塩(ドデシル硫酸ナトリウムなど)、アルカリ金属の脂肪酸塩(オレイン酸塩およびステアリン酸塩など)、アルカリメチルアルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)、ポリオキシエチレン非イオン性界面活性剤ならびに四級アンモニウム界面活性剤。当業者が適当な界面活性剤(前述の系統に限定されない)を選択できる標準的な参照先としては、Handbook of Industrial Surfactants、第4版、(2005)、Synapse Information Resources Inc刊、およびMcCutcheon's Emulsifiers and Detergents、北米版および国際版、(2008)、MC Publishing Company刊が挙げられる。
【0034】
エマルジョンは、当技術分野で周知のバッチ法および連続法など、さまざまな方法により調製できる。好ましい一方法では、エマルジョンは、500nm未満、好ましくは300nm未満のメソサイズ液滴を生成させるために、超音波処理器または高圧ホモジナイザーなどの超高せん断器を用いて調製される。超音波処理器としては、製剤中に挿入してメソサイズ液滴を生成させる超音波プローブを含有する標準的な超音波処理機が挙げられ、1つの代表例は、Misonix Sonicators製のSonicator400である。高圧ホモジナイザーは、非常に高い圧力(500〜20,000psi)を用いて流体を小さな開口部に通させて、メソサイズ液滴を生成させる。そのような器具の例としては、EmulsiFlex(商標)(Avestin,Inc.)器具およびMicrofluidizer(商標)(Microfluidics)器具が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
一実施形態では、ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物は、連続相(すなわち水)中のヒドロキシル含有またはアミン含有分子(水溶性ジアミン、水溶性ポリアミン、水溶性ポリアミノ酸、水溶性ジオール、水溶性ポリオールおよびそれらの混合物など)と界面重縮合により反応して、ポリマーシェルを形成する。水性の連続相中のこうした鎖延長剤または架橋剤の例としては以下のうち少なくとも1つを挙げることができるが、これらに限定されない:水溶性ジアミン(エチレンジアミンなど);水溶性ポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど);2つ以上のイソシアネート反応性の官能基を有する水溶性アミノ酸(L−リシン、アルギニン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、これらのアミノ酸のポリマーまたはオリゴマーなど);水溶性ジオールまたは水溶性ポリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシドジオール、レゾルシノールなど)、水溶性アミノアルコール(2−アミノエタノールなど)、およびグアニジン、グアニジン化合物、ポリアミジンならびにそれらの誘導体および混合物。一実施形態では、水溶相は、カルボン酸官能基を有するジアミン(L−リシンなど)を含み、これが反応して、メソカプセルの表面にカルボン酸官能基を有するポリ尿素シェルを形成する。このカルボン酸官能基は中和されていなくてもよく、または、部分的または完全に中和されてカルボン酸塩を形成してもよい。
【0036】
さらなる別の実施形態では、前述の例示的な水相中に含まれるジアミンまたはポリアミンまたはその等価物は、反応混合物から取り除かれる。この実施形態では、ポリイソシアネートは水と反応してポリ尿素シェルを形成する。
【0037】
多様な因子を調節して、界面縮合反応速度を増加または減少させることができる。こうした因子としては以下が挙げられる:例えば、温度、pH、混合率、反応時間、浸透圧、および当然ながら、乳化剤、ポリマー成分、溶媒の濃度および種類の変更、触媒の添加など。こうした種類の反応時の温度、触媒、pHなどに及ぼす効果の追加的な考察については、例えば、米国特許第4,285,750号(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。こうした種類の反応時の塩および塩濃度の効果についての追加的な情報は、公報WO2006/092409(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)中で見出すことができる。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのAIを含むメソカプセルを形成するために使用する、分散した油相と連続水相とからなる反応混合物中の反応物のいくつかの濃度を変化させることにより実現できる。いくつかの実施形態では、これらは、油相に対する重量パーセント(重量%)で示せば、約1.0重量%〜約90重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約80重量%の範囲の少なくとも1つのAI;場合により、約1重量%〜約90重量%、より好ましくは約20重量%〜約80重量%の範囲のAIの溶解に適した溶媒;場合により、約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1.0重量%〜約5.0重量%の範囲で存在する超疎水物質;約1重量%〜約30重量%、より好ましくは約5重量%〜約20重量%の範囲で存在する少なくとも1つのポリイソシアネート;場合により、油相の0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲で存在する乳化剤を含んでおり、その中で、油相は、エマルジョンの総量の約1%〜約60%程度を占める。
【0039】
この反応混合物の水相は、エマルジョン全体の約40重量%〜約99重量%を構成し、約60重量%〜約90重量%の水、約1重量%〜約30重量%の1つまたは複数の架橋剤、および場合により、約0.1重量%〜約20重量%の1つまたは複数の水溶性界面活性剤を含有する。
【0040】
同様に、例示的な製剤のいくつかにおいて使用される原料のいくつかは、任意選択的なものである。例えば、いくつかの実施形態において有効なメソカプセルは、溶媒および/または超疎水物質を加えずに合成することが可能である。こうした種類の任意選択的な成分を反応混合物に加えることは、AIが固体である場合に特に有用である。
【0041】
本明細書に記載のように、水溶性に乏しい材料の封入において使用される1つの方法は、分散した油相中のポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物を、連続相中の水および水溶性ポリアミンのうち少なくとも1つと界面縮合反応させることによりポリ尿素コアシェルを生成させることである。凝集しないようにマイクロカプセルを安定化させ、反応前にマイクロカプセルのサイズを制御するためには、1つまたは複数の界面活性剤またはコロイド状安定化剤を反応混合物に加えることが望ましい場合が多い。界面活性剤は、反応の目的が500nm未満のメソカプセルを生成させることである場合には有用であり得る。しかし、界面活性剤の存在は、多くの最終的な用途において不利益であり得る。例えば、農業用活性成分の植物中への送出においては、界面活性剤を伴うポリ尿素メソカプセルは、植物にとって有害である場合がある。他の用途においては、界面活性剤は最終製品において不必要な発泡を引き起こす恐れもある。したがって、これまでに検討された方法より少ない界面活性剤を必要とするかまたは全く必要としないマイクロカプセルおよびメソカプセルを効率的に合成する方法を開発することは有益であり得る。
【0042】
本開示の一態様は、一級もしくは二級アミンまたは一級もしくは二級アミノ基のいずれかである少なくとも1つの官能部分と、加えて少なくとも1つの親水性官能基とを有する化合物を加え、この成分の添加により界面活性剤を本質的に用いずにエマルジョンを作製することを可能にする、マイクロカプセルまたはメソカプセルを作製する方法である。本発明の一実施形態では、この成分は、グリシン、グリシン塩、または、グリシンとグリシン塩との混合物である。マイクロカプセルまたはメソカプセルを作製するこれらの方法は、最終的なエマルジョンを生成させる前に、および必要に応じ、ポリイソシアネートなどの成分間での架橋反応を開始してポリ尿素メソカプセルシェルを生成させる前に、グリシン、グリシン塩、またはグリシンとグリシン塩との混合物を反応混合物の水相に加えることを含む。グリシンに加えまたはその代わりに使用できる追加的な分子としては、分子の一方の末端に一級または二級アミン基のいずれかと、分子の他方の末端にカルボン酸またはトリメチルアミンなどの親水性基とを有する他の分子が挙げられる。本明細書中で開示する方法により形成される生成物を得るために、荷電部分を全て中和させる必要はない場合もある。こうした種類の分子のいくつかを一部列挙したものは、米国特許第4,757,105号(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)中に見出すことができる。
【0043】
いかなる単一の理論または説明に拘束されることも望むものではないが、グリシン、グリシン塩、またはグリシン様材料のいずれかを加えてから最終的なエマルジョンを形成すると、グリシンを、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートの小部分と反応させて、エマルジョンの生成および/または安定化を助け最終的なエマルジョンにおける液滴サイズの制御を助ける界面活性剤様の分子を生成させることが可能になり得る。次に、最終的なエマルジョンの生成後、界面縮合反応の間、グリシンの反応により形成された界面活性剤様の分子は、反応してポリ尿素シェル中に組み込まれ始め、遊離界面活性剤としてはもはや作用しない。グリシンまたはグリシン様分子の親水性官能基は、シェルの表面に存在して、シェルの安定化を助ける。
【0044】
本開示は、低濃度の界面活性剤もしくはコロイド状安定化剤を用いて、または、界面活性剤もしくはコロイド状安定化剤を一切用いなくても分散安定性および粒子サイズ制御を維持することにより、水溶性に乏しいAIをポリ尿素コアシェル粒子内に封入する方法を含む。本開示は、過剰な界面活性剤が植物に対し植物毒性効果を有する恐れがある農業用活性成分の送出において、および界面活性剤の存在が最終的な用途において不利益である他の送出または制御放出用途に対して、用途がある。
【0045】
ポリ尿素メソカプセルは、界面活性剤を用いなくても、ポリビニルアルコールなどのコロイド状安定化剤を用いて作製できるが、粒子サイズを制御することは難しい。いくつかのAI製剤は、植物毒性の比較的低い界面活性剤、または発泡を比較的呈さない界面活性剤を用いるなど、回避する必要がある特性のいくつかを呈さない界面活性剤を用いて作製される。
【0046】
一級または二級アミン基のいずれかと、カルボン酸基またはトリメチルアミンのいずれかとを含むグリシン塩または類似の分子を水相に加えてから最終的なエマルジョンを生成させると、界面活性剤を反応混合物に加える必要が低下するか、または全くなくなる。界面活性剤ではなく(グリシンなど)、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートと反応して有機相の乳化および安定化を助け、一旦ジイソシアネートまたはポリイソシアネートが反応するとさらに反応してポリ尿素シェルになる分子を生成させる材料を加えると、界面活性剤を含まないまたは本質的に含まないメソカプセルの作製が可能になる。いくつかの実施形態では、本質的に含まないとは、油相が、約1.0重量パーセント未満、より好ましくは0.5重量パーセント未満の界面活性剤を含むことを意味する。
【0047】
残留界面活性剤が全くまたは非常にわずかにしか含まれないメソカプセルを製剤化することが可能であることは、製剤中の遊離界面活性剤の存在が不利益なまたは望ましくない効果を有する多くの用途において利点を有する。高価な界面活性剤の量を減少させることができる場合には、潜在的な価格面での利点もあると考えられる。
【0048】
本発明の一実施形態は、少なくとも1つのAI(例えば、殺真菌剤フェンブコナゾールなど)を含むメソカプセルである。これらのメソカプセルを形成する例示的な方法は、油相中の化合物と、水相中の水、または、水および水溶性の架橋剤のいずれかとの間の界面重縮合反応を包含する。メソカプセル、特に、平均径が約500nm以下のメソカプセルまたは平均径が約300nm以下のメソカプセルを作製するには、ドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を反応混合物に加えることができるか、または、最終的なエマルジョンを生成させるおよび/または架橋反応を開始する前にグリシンなどの分子を水相に加えることができるか、いずれかである。一実施形態では、油相と水相とを高せん断下で混合して、本明細書に記載のようにポリ尿素メソカプセルに転換するメソサイズ液滴を含むエマルジョンを形成する。メソカプセルの形成を助けるエマルジョンを加工するための器具としては、超音波処理器および/または高圧ホモジナイザーが挙げられる。超音波処理器としては、系中に挿入してメソサイズ液滴を生成させる超音波プローブを含有する標準的な超音波処理機が挙げられ、1つの代表例は、Misonix Sonicators製のSonicator400である。高圧ホモジナイザーは、非常に高い圧力(500〜20,000psi)を用いて流体を小さな開口部に通させて、メソサイズ液滴を生成させる。そのような器具の例としては、EmulsiFlex(商標)(Avestin,Inc.)器具およびMicrofluidizer(商標)(Microfluidics)器具が挙げられる。
【0049】
一実施形態では、水溶性に乏しいAIを、場合により、酢酸ベンジルなどの溶媒に溶解させる。場合により、ヘキサデカンなどの超疎水物質を加えて、一旦油相と水相とが組み合わされると形成することになるエマルジョンの安定性の維持を助けることができる。ポリイソシアネート、例えばPAPI(商標)27ポリメリックMDI(The Dow Chemical Company)を油相に加える。メソカプセルを形成するための前駆体であるメソサイズ液滴の形成を助けるために、硫酸ドデシルナトリウム塩(SDS)などの界面活性剤を油相もしくは水相のいずれかまたは両方に加えてもよい。あるいは、分子の一方の末端にアミンまたはアミノ部分のいずれかと分子の他方の末端に親水性基とを有するグリシンまたは任意の他の分子を水相に加えてから、最終的なエマルジョンを形成するか、または架橋反応を開始する。グリシンまたは類似の分子の量は、必要に応じて増加させて、界面活性剤の全てまたは少なくとも一部を置き換えることができる。次に、油相と水相とを混合し、場合により、Microfluidizer(商標)(Microfluidics)器具などの超高せん断器を用いて加工して所望の小液滴を生成させ、これが、本明細書に記載のとおりのメソサイズポリ尿素カプセルに転換する。
【0050】
多くの系統および種類の殺虫剤は、農業および有害生物管理において有用である。例としては、以下などの殺虫剤が挙げられる:抗生物質系殺虫剤(アロサミジンおよびツリンゲンシン(thuringensin)など)、大環状ラクトン系殺虫剤(スピノサド、スピネトラムおよび21−ブテニルスピノシンなど)などの殺虫剤;アベルメクチン系殺虫剤(アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチンおよびセラメクチンなど);ミルベマイシン系殺虫剤(レピメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシムおよびモキシデクチンなど);植物性殺虫剤(アナバシン、アザジラクチン、d−リモネン、ニコチン、ピレトリン、シネリン、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ピレトリンI、ピレトリンII、カシア、ロテノン、リアニアおよびサバジラなど);カルバメート系殺虫剤(ベンジオカルブおよびカルバリルなど);ベンゾフラニルメチルカルバメート系殺虫剤(ベンフラカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、デカルボフランおよびフラチオカルブなど);カルバミン酸ジメチル系殺虫剤ジミタン、ジメチラン、ヒキンカルブ(hyquincarb)およびピリミカルブ;オキシムカルバメート系殺虫剤(アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、メトミル、ニトリラカルブ、オキサミル、タジムカルブ、チオカルボキシム、チオジカルブおよびチオファノックスなど);フェニルメチルカルバメート系殺虫剤(アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、カルバノレート、クロエトカルブ、ジクレシル(dicresyl)、ジオキサカルブ、EMPC、エチオフェンカルブ、フェネタカルブ、フェノブカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メトルカルブ、メキサカルベート、プロマシル、プロメカルブ、プロポクスル、トリメタカルブ、XMCおよびキシリルカルブなど);ジニトロフェノール系殺虫剤(ジネックス、ジノプロップ、ジノサムおよびDNOCなど);フッ素系殺虫剤(ヘキサフルオロケイ酸バリウム、氷晶石、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムおよびスルフルラミドなど);ホルムアミジン系殺虫剤(アミトラズ、クロルジメホルム、ホルメタネートおよびホルムパラネートなど);燻蒸剤系殺虫剤(アクリロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、クロロピクリン、パラジクロロベンゼン、1,2−ジクロロプロパン、ギ酸エチル、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、シアン化水素、ヨードメタン、臭化メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、ナフタレン、ホスフィン、フッ化スルフリルおよびテトラクロロエタンなど);無機殺虫剤(ホウ砂、多硫化カルシウム、オレイン酸銅、塩化第一水銀、チオシアン酸カリウムおよびチオシアン酸ナトリウムなど);キチン合成阻害剤(ビストリフルロン、ブプロフェジン、クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロンなど);幼若ホルモン模倣体(エポフェノナン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェンおよびトリプレンなど);幼若ホルモン(幼若ホルモンI、幼若ホルモンIIおよび幼若ホルモンIIIなど);脱皮ホルモン作動剤(クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジドなど);脱皮ホルモン(α−エクジソンおよびエクジステロンなど);脱皮阻害剤(ジオフェノランなど);プレコセン(プレコセンI、プレコセンIIおよびプレコセンIIIなど);未分類の昆虫成長制御剤(ジシクラニルなど);ネライストキシン類似体系殺虫剤(ベンスルタップ、カルタップ、チオシクラムおよびチオスルタップなど);ニコチノイド系殺虫剤(フロニカミドなど);ニトログアニジン系殺虫剤(クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリドおよびチアメトキサムなど);ニトロメチレン系殺虫剤(ニテンピラムおよびニチアジンなど);ピリジルメチルアミン系殺虫剤(アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラムおよびチアクロプリドなど);有機塩素系殺虫剤(ブロモ−DDT、カンフェクロール、DDT、pp’−DDT、エチル−DDD、HCH、γ−HCH、リンデン、メトキシクロール、ペンタクロロフェノールおよびTDEなど);シクロジエン系殺虫剤(アルドリン、ブロモシクレン、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、ディルドリン、ジロール、エンドスルファン、エンドリン、HEOD、ヘプタクロール、HHDN、イソベンザン、イソドリン、ケレバンおよびミレックスなど);有機リン系殺虫剤(ブロムフェンビンホス、クロルフェンビンホス、クロトキシホス、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメチルビンホス、ホスピレート、ヘプテノホス、メトクロトホス(methocrotophos)、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、ナフタロホス、ホスファミドン、プロパホス、TEPPおよびテトラクロルビンホスなど);有機チオリン酸系殺虫剤(ジオキサベンゾホス、ホスメチランおよびフェントエートなど);脂肪族有機チオリン酸系殺虫剤(アセチオン、アミトン、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルメホス、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−O、デメトン−S、デメトンメチル、デメトン−O−メチル、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、IPSP、イソチオエート、マラチオン、メタクリホス、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、ホレート、スルホテップ、テルブホスおよびチオメトンなど);脂肪族アミド有機チオリン酸系殺虫剤(アミジチオン、シアントエート、ジメトエート、エトエートメチル、ホルモチオン、メカルバム、オメトエート、プロトエート、ソファミドおよびバミドチオンなど);オキシム有機チオリン酸系殺虫剤(クロルホキシム、ホキシムおよびホキシムメチルなど);複素環有機チオリン酸系殺虫剤(アザメチホス、クーマホス、クミトエート、ジオキサチオン、エンドチオン、メナゾン、モルホチオン、ホサロン、ピラクロホス、ピリダフェンチオンおよびキノチオンなど);ベンゾチオピラン有機チオリン酸系殺虫剤(ジチクロホス(dithicrofos)およびチクロホス(thicrofos)など);ベンゾトリアジン有機チオリン酸系殺虫剤(アジンホスエチルおよびアジンホスメチルなど);イソインドール有機チオリン酸系殺虫剤(ジアリホスおよびホスメットなど);イソキサゾール有機チオリン酸系殺虫剤(イソキサチオンおよびゾラプロホスなど);ピラゾロピリミジン有機チオリン酸系殺虫剤(クロルプラゾホス(chlorprazophos)およびピラゾホスなど);ピリジン有機チオリン酸系殺虫剤(クロルピリホスおよびクロルピリホスメチルなど);ピリミジン有機チオリン酸系殺虫剤(ブタチオホス、ジアジノン、エトリムホス、リリムホス(lirimfos)、ピリミホスエチル、ピリミホスメチル、プリミドホス、ピリミテート(pyrimitate)およびテブピリムホスなど);キノキサリン有機チオリン酸系殺虫剤(キナルホスおよびキナルホスメチルなど);チアジアゾール有機チオリン酸系殺虫剤(アチダチオン、リチダチオン、メチダチオンおよびプロチダチオンなど);トリアゾール有機チオリン酸系殺虫剤(イサゾホスおよびトリアゾホスなど);フェニル有機チオリン酸系殺虫剤(アゾトエート、ブロモホス、ブロモホスエチル、カルボフェノチオン、クロルチオホス、シアノホス、シチオエート(cythioate)、ジカプトン、ジクロフェンチオン、エタホス、ファムフール、フェンクロルホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオンエチル、ヘテロホス、ヨードフェンホス、メスルフェンホス、パラチオン、パラチオンメチル、フェンカプトン、ホスニクロール(phosnichlor)、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テメホス、トリクロルメタホス−3およびトリフェノホスなど);ホスホネート系殺虫剤(ブトネートおよびトリクロルホンなど);ホスホノチオエート系殺虫剤(イミシアホスおよびメカルホンなど);フェニルエチルホスホノチオエート系殺虫剤(ホノホスおよびトリクロロナートなど);フェニルフェニルホスホノチオエート系殺虫剤(シアノフェンホス、EPNおよびレプトホスなど);ホスホラミデート系殺虫剤(クルホメート、フェナミホス、ホスチエタン、メホスホラン、ホスホランおよびピリメタホス(pirimetaphos)など);ホスホラミドチオエート系殺虫剤(アセフェート、イソカルボホス、イソフェンホス、メタミドホスおよびプロペタンホスなど);ホスホロジアミド(phosphorodiamide)系殺虫剤(ジメホックス、マジドックス、ミパホックスおよびシュラーダンなど);オキサジアジン系殺虫剤(インドキサカルブなど);フタリミド系殺虫剤(ジアリホス、ホスメットおよびテトラメトリンなど);ピラゾール系殺虫剤(アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、テブフェンピラド、トルフェンピラドおよびバニリプロール(vaniliprole)など);ピレトロイドエステル系殺虫剤(アクリナトリン、アレトリン、ビオアレトリン、バルトリン、ビフェントリン、ビオエタノメトリン、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、γ−シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、β−シペルメトリン、θ−シペルメトリン、ζ−シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン(dimefluthrin)、ジメトリン、エンペントリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン(fenpirithrin)、フェンプロパトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、τ−フルバリネート、フレトリン(furethrin)、イミプロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン、ビオペルメトリン、トランスペルメトリン(transpermethrin)、フェノトリン、プラレトリン、プロフルトリン、ピレスメトリン、レスメトリン、ビオレスメトリン、シスメトリン、テフルトリン、テラレトリン(terallethrin)、テトラメトリン、トラロメトリンおよびトランスフルトリンなど);ピレトロイドエーテル系殺虫剤(エトフェンプロックス、フルフェンプロックス、ハルフェンプロックス、プロトリフェンブトおよびシラフルオフェンなど);ピリミジンアミン系殺虫剤(フルフェネリムおよびピリミジフェンなど);ピロール系殺虫剤(クロルフェナピルなど);リアノジン受容体系殺虫剤(フルベンジアミド、クロラントラニリプロール(リナキシピル)およびシアントラニリポール(cyantranilipole)など);テトロン酸系殺虫剤(スピロジクロフェン、スピロメシフェンおよびスピロテトラマトなど);チオ尿素系殺虫剤(ジアフェンチウロンなど);尿素系殺虫剤(フルコフロンおよびスルコフロンなど);スルホキシミン系殺虫剤(スルホキサフロールなど)ならびに未分類の殺虫剤(クロサンテル、クロタミトン、EXD、フェナザフロール、フェナザキン、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェンピロキシメート、フルベンジアミド、ヒドラメチルノン、イソプロチオラン、マロノベン、メタフルミゾン、メトキサジアゾン、ニフルリジド、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ラホキサニド、トリアラテン(triarathene)およびトリアザメートなど)。本発明は、このリストから、水溶解度が約1000ppm以下の殺虫剤を選択し、それをコアシェルポリ尿素メソカプセルとして製剤化することを企図する。好ましい殺虫剤は、水溶解度が約100ppm以下のものである。より好ましい殺虫剤は、水溶解度が10ppm以下のものである。殺虫剤は、The Pesticide Manual、第14版、(ISBN 1-901396-14-2)(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)などの概説で公開されている水溶解度に基づいて選ぶことができる。The Pesticide Manualの将来的な改訂版も、コアシェルポリ尿素メソカ


プセル中への組込み用の殺虫剤の選択に有用であろう。
【0051】
多くの系統および種類の殺真菌剤は、農業において有用である。例としては以下が挙げられる:アメトクラジン、アミスルブロム2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール、2−フェニルフェノール、8−硫酸ヒドロキシキノリン、アンチマイシン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、ベンジルアミノベンゼン−スルホン酸(BABS)塩、炭酸水素塩、ビフェニル、ビスメルチアゾール、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン−S、ホウ砂、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、BYF1047、多硫化カルシウム、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、オクタン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、酸化第一銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、クマリン、ダゾメット、デバカルブ、ジアンモニウムエチレンビス−(ジチオカルバメート)、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジノカップ、メプチルジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、ドジン、ドジン遊離塩基、エジフェンホス、エネストロビン(enestrobin)、エポキシコナゾール、エタボキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチン、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピラド(fluxapyrad)、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、酢酸グアザチン、GY−81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イミノクタジントリス(アルベシレート)、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、塩酸カスガマイシン水和物、クレソキシム−メチル、マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メパニピリム、メプロニル、メプチルジノカップ、塩化第二水銀、酸化第二水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メフェノキサム、メタラキシル−M、メタム、メタム−アンモニウム、メタム−カリウム、メタム−ナトリウム、メトコナゾール、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ナバム、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモール、オクチリノン、オフレース、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン銅、フマル酸オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、ラウリン酸ペンタクロロフェニル、ペンチオピラド、酢酸フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、炭酸水素カリウム、ヒドロキシキノリン硫酸カリウム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、塩酸プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラキソストロビン(pyraxostrobin)、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピロメトストロビン(pyrometostrobin)、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、オオイタドリ(Reynoutria sachalinensis)抽出物、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、イオウ、SYP−Z071、SYP−048、SYP−Z048、タール油、テブコナゾール、テブフロキン、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾロピリミジン、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、バリフェナル、バリフェネート(valifenate)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、(RS)−N−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−スクシンイミド、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロアセトン水和物、1−クロロ−2,4−ジニトロナフタレン、1−クロロ−2−ニトロプロパン、2−(2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−1−イル)エタノール、2,3−ジヒドロ−5−フェニル−1,4−ジチ−イン、1,1,4,4−テトラオキシド、2−酢酸メトキシエチル水銀、2−塩化メトキシエチル水銀、2−ケイ酸メトキシエチル水銀、3−(4−クロロフェニル)−5−メチルロダニン、4−(2−ニトロプロパ−1−エニル)フェニルチオシアナテメ(thiocyanateme):アンプロピルホス、アニラジン、アジチラム、ポリ硫化バリウム、Bayer32394、ベノダニル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル(benzamacril);ベンザマクリル−イソブチル、ベンザモルフ(benzamorf)、ビナパクリル、ブチオベート、カドミウムカルシウム銅亜鉛クロムメートスルフェート(cadmium calcium copper zinc chromate sulfate)、カルバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロルフェナゾール、クロルキノックス、クリンバゾール、銅ビス(3−サリチル酸フェニル)、銅亜鉛クロメート(copper zinc chromate)、クフラネブ、硫酸ヒドラジニウム第二銅(cupric hydrazinium sulfate)、クプロバム(cuprobam)、シクラフラミド、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン(decafentin)、ジクロン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモール、ジノクトン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジピリチオン、ジタリムホス、ドジシン、ドラゾキソロン、EBP、ESBP、エタコナゾール、エテム(etem)、エチリム(ethirim)、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパン、フルオトリマゾール、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−cis、フルメシクロックス、フロファネート、グリオジン、グリセオフルビン、ハラクリネート、Hercules3944、ヘキシルチオホス、ICIA0858、イソパムホス(isopamphos)、イソバレジオン(isovaledione)、メベニル、メカルビンジド(mecarbinzid)、メタゾキソロン、メトフロキサム、メチル水銀ジシアンジアミド、メトスルホバックス、ミルネブ、ムコクロル酸無水物、ミクロゾリン、N−3,5−ジクロロフェニル−スクシンイミド、N−3−ニトロフェニルイタコンイミド、ナタマイシン、N−エチルメルクリオ−4−トルエンスルホンアニリド、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、OCH、ジメチルジチオカルバミン酸フェニル水銀、ホスジフェン(phosdiphen)、プロチオカルブ;塩酸プロチオカルブ、ピラカルボリド、ピリジニトリル、ピロキシクロル、ピロキシフル(pyroxyfur)、キナセトール;硫酸キナセトール、キナザミド、キンコナゾール、ラベンザゾール、サリチルアニリド、SSF−109、スルトロペン、テコラム、チアジフルオール(thiadifluor)、チシオフェン、チオクロルフェンフィム、チオファネート、チオキノックス、チオキシミド(tioxymid)、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリクラミド、UK−2A、UK−2A誘導体(例えば、(3S,6S,7R,8R)−8−ベンジル−3−(3−(イソブチリルオキシメトキシ)−4−メトキシピコリンアミド)−6−メチル−4,9−ジオキソ−1,5−ジオキソナン−7−イルイソブチレートなど。CAS登録番号は328255−92−1であり、本明細書中では328255−92−1と呼ぶことにする)、ウルバシド、XRD−563、およびザリラミド(zarilamid)、IK−1140、およびプロパルギルアミド。本発明は、このリストから、水溶解度が約1000ppm以下の殺真菌剤を選択し、それをコアシェルポリ尿素メソカプセルとして製剤化することを企図する。好ましい殺真菌剤は、水溶解度が約100ppm以下のものである。より好ましい殺真菌剤は、水溶解度が10ppm以下のものである。殺真菌剤は、The Pesticide Manual、第14版、ISBN 1-901396-14-2(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)などの概説で公開されている水溶解度に基づいて選ぶことができる。The Pesticide Manualの将来的な改訂版も、コアシェルポリ尿素メソカプセル中への組込み用の殺真菌剤の選択に有用であろう。
【0052】
多くの系統および種類の除草剤は、農業において有用である。例としては以下が挙げられる:アミド系除草剤(アリドクロール、ベフルブタミド、ベンザドクス、ベンジプラム、ブロモブチド、カフェンストロール、CDEA、クロルチアミド、シプラゾール、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジフェナミド、エプロナズ、エトニプロミド、フェントラザミド、フルポキサム、ホメサフェン、ハロサフェン(halosafen)、イソカルバミド、イソキサベン、ナプロパミド、ナプタラム、ペトキサミド、プロピザミド、キノナミドおよびテブタムなど);アニリド系除草剤(クロラノクリル、シサニリド、クロメプロップ、シプロミド、ジフルフェニカン、エトベンザニド、フェナスラム(fenasulam)、フルフェナセット、フルフェニカン(flufenican)、メフェナセット、メフルイジド、メタミホップ、モナリド、ナプロアニリド、ペンタノクロール、ピコリナフェンおよびプロパニルなど);アリールアラニン系除草剤(ベンゾイルプロップ、フラムプロップおよびフラムプロップ−Mなど);クロロアセトアニリド除草剤(アセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ブテナクロール(butenachlor)、デラクロール、ジエタチル、ジメタクロール、メタザクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、プリナクロール、テルブクロール(terbuchlor)、テニルクロールおよびキシラクロール(xylachlor)など);スルホンアニリド系除草剤(ベンゾフルオール(benzofluor)、ペルフルイドン、ピリミスルファンおよびプロフルアゾール(profluazol)など);スルホンアミド系除草剤(アスラム、カルバスラム(carbasulam)、フェナスラム(fenasulam)およびオリザリンなど);抗生物質系除草剤(ビラナホスなど);安息香酸系除草剤(クロラムベン、ジカンバ、2,3,6−TBAおよびトリカンバなど);ピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤(ビスピリバックおよびピリミノバックなど);ピリミジニルチオ安息香酸系除草剤(ピリチオバックなど);フタル酸系除草剤(クロルタールなど);ピコリン酸系除草剤(アミノピラリド、クロピラリドおよびピクロラムなど);キノリンカルボン酸系除草剤(キンクロラックおよびキンメラックなど);ヒ素系除草剤(カコジル酸、CMA、DSMA、ヘキサフルレート、MAA、MAMA、MSMA、亜ヒ酸カリウムおよび亜ヒ酸ナトリウムなど);ベンゾイルシクロヘキサンジオン系除草剤(メソトリオン、スルコトリオン、テフリルトリオンおよびテンボトリオンなど);アルキルスルホン酸ベンゾフラニル系除草剤(ベンフレセートおよびエトフメセートなど);カルバメート系除草剤(アスラム、カルボキサゾール(carboxazole)クロルプロカルブ、ジクロルメート、フェナスラム(fenasulam)、カルブチレートおよびテルブカルブなど);カルバニレート系除草剤(バルバン、BCPC、カルバスラム(carbasulam)、カルベタミド、CEPC、クロルブファム、クロルプロファム、CPPC、デスメジファム、フェニソファム、フェンメジファム、フェンメジファム−エチル、プロファムおよびスウェップなど);シクロヘキセンオキシム系除草剤(アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム(cloproxydim)、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジムおよびトラルコキシジムなど);シクロプロピルイソキサゾール系除草剤(イソキサクロルトールおよびイソキサフルトールなど);ジカルボキシミド系除草剤(ベンズフェンジゾン、シニドン−エチル、フルメジン、フルミクロラック、フルミオキサジンおよびフルミプロピン(flumipropyn)など);ジニトロアニリン系除草剤(ベンフルラリン、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、メタルプロパリン、ニトラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、プロフルラリンおよびトリフルラリンなど);ジニトロフェノール系除草剤(ジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、DNOC、エチノフェンおよびメジノテルブなど);ジフェニルエーテル系除草剤(エトキシフェンなど);ニトロフェニルエーテル系除草剤(アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、クロメトキシフェン、クロルニトロフェン、エトニプロミド、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロニトロフェン、ホメサフェン、フリロキシフェン(furyloxyfen)、ハロサフェン、ラクトフェン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェンおよびオキシフルオルフェンなど);ジチオカルバメート系除草剤(ダゾメットおよびメタムなど);ハロゲン化脂肪族系除草剤(アロラック、クロロポン、ダラポン、フルプロパネート、ヘキサクロロアセトン、ヨードメタン、臭化メチル、モノクロロ酢酸、SMAおよびTCAなど);イミダゾリノン系除草剤(イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキンおよびイマゼタピルなど);無機除草剤(スルファミン酸アンモニウム、ホウ砂、塩素酸カルシウム、硫酸銅、硫酸第一鉄、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウムおよび硫酸など);ニトリル系除草剤(ブロモボニル(bromobonil)、ブロモキシニル、クロロキシニル、ジクロベニル、ヨードボニル(iodobonil)、イオキシニルおよびピラクロニルなど);有機リン系除草剤(アミプロホス−メチル、アニロホス、ベンスリド、ビラナホス、ブタミホス、2,4−DEP、DMPA、EBEP、ホサミン、グルホシネート、グリホセートおよびピペロホスなど);フェノキシ系除草剤(ブロモフェノキシム、クロメプロップ、2,4−DEB、2,4−DEP、ジフェノペンテン(difenopenten)、ジスル、エルボン、エトニプロミド、フェンテラコールおよびトリホプシム(trifopsime)など);フェノキシ酢酸系除草剤(4−CPA、2,4−D、3,4−DA、MCPA、MCPA−チオエチルおよび2,4,5−Tなど);フェノキシ酪酸系除草剤(4−CPB、2,4−DB、3,4−DB、MCPBおよび2,4,5−TBなど);フェノキシプロピオン酸系除草剤(クロプロップ、4−CPP、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、3,4−DP、フェノプロップ、メコプロップおよびメコプロップ−Pなど);アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤(クロラジホップ(chlorazifop)、クロジナホップ、クロホップ、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェンチアプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ−P、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ−Pおよびトリホップなど);フェニレンジアミン系除草剤(ジニトラミンおよびプロジアミンなど);ピラゾリル系除草剤(ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピロキサスルホンおよびトプラメゾンなど);ピラゾリルフェニル系除草剤(フルアゾレートおよびピラフルフェンなど);ピリダジン系除草剤(クレダジン、ピリダホール(pyridafol)およびピリデートなど);ピリダジノン系除草剤(ブロムピラゾン、クロリダゾン、ジミダゾン、フルフェンピル、メトフルラゾン、ノルフルラゾン、オキサピラゾンおよびピダノンなど);ピリジン系除草剤(アミノピラリド、クリオジネート、クロピラリド、ジチオピル、フルロキシピル、フルロキシピルメプチル、ハロキシジン、ピクロラム、ピコリナフェン、ピリクロール、チアゾピルおよびトリクロピルなど);ピリミジンジアミン系除草剤(イプリミダムおよびチオクロリム(tioclorim)など);四級アンモニウム系除草剤(シペルコート、ジエタムコート(diethamquat)、ジフェンゾコート、ジコート、モルファムコートおよびパラコートなど);チオカルバメート系除草剤(ブチレート、シクロエート、ジアレート、EPTC、エスプロカルブ、エチオレート、イソポリネート(isopolinate)、メチオベンカルブ、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、スルファレート、チオベンカルブ、チオカルバジル、トリ−アレートおよびベルノレートなど);チオカルボネート系除草剤(ジメキサノ、EXDおよびプロキサンなど);チオ尿素系除草剤(メチウロンなど);トリアジン系除草剤(ジプロペトリン、トリアジフラムおよびトリヒドロキシトリアジンなど);クロロトリアジン系除草剤(アトラジン、クロラジン、シアナジン、シプラジン、エグリナジン、イパジン、メソプラジン(mesoprazine)、プロシアジン、プログリナジン、プロパジン、セブチラジン、シマジン、テルブチラジンおよびトリエタジンなど);メトキシトリアジン系除草剤(アトラトン、メトメトン、プロメトン、セクブメトン、シメトンおよびテルブメトンなど);メチルチオトリアジン系除草剤(アメトリン、アジプロトリン、シアナトリン、デスメトリン、ジメタメトリン、メトプロトリン、プロメトリン、シメトリンおよびテルブトリンなど);トリアジノン系除草剤(アメトリジオン、アミブジン(amibuzin)、ヘキサジノン、イソメチオジン、メタミトロンおよびメトリブジンなど);トリアゾール系除草剤(アミトロール、カフェンストロール、エプロナズおよびフルポキサムなど);トリアゾロン系除草剤(アミカルバゾン、ベンカルバゾン、カルフェントラゾン、フルカルバゾン、プロポキシカルバゾン、スルフェントラゾンおよびチエンカルバゾン−メチルなど);トリアゾロピリミジン系除草剤(クロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラム、ペノックススラム(penoxsulam)およびピロックススラム(pyroxsulam)など);ウラシル系除草剤(ブタフェナシル、ブロマシル、フルプロパシル、イソシル、レナシルおよびテルバシルなど);3−フェニルウラシル;尿素系除草剤(ベンズチアズロン、クミルロン、シクルロン、ジクロラルウレア(dichloralurea)、ジフルフェンゾピル、イソノルロン(isonoruron)、イソウロン、メタベンズチアズロン、モニソウロン(monisouron)およびノルロンなど);フェニル尿素系除草剤(アニスロン、ブツロン、クロルブロムロン、クロレツロン、クロロトルロン、クロロクスロン、ダイムロン、ジフェノクスロン、ジメフロン、ジウロン、フェヌロン、フルオメツロン、フルオチウロン、イソプロツロン、リヌロン、メチウロン、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトクスロン、モノリヌロン、モヌロン、ネブロン、パラフルロン、フェノベンズロン、シズロン、テトラフルロンおよびチジアズロンなど);ピリミジニルスルホニル尿素系除草剤(アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、オルトスルファムロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロンおよびトリフロキシスルフロンなど);トリアジニルスルホニル尿素系除草剤(クロルスルフロン、シノスルフロン、エタメツルフロン、ヨードスルフロン、メツルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロンおよびトリトスルフロンなど);チアジアゾリル尿素系除草剤(ブチウロン、エチジムロン、テブチウロン、チアザフルロンおよびチジアズロンなど);ならびに未分類の除草剤(アクロレイン、アリルアルコール、アザフェニジン、ベナゾリン、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ブチダゾール、カルシウムシアナミド、カンベンジクロール(cambendichlor)、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、シンメチリン、クロマゾン、CPMF、クレゾール、オルト−ジクロロベンゼン、ジメピペレート、エンドタール、フルオロミジン、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、フルチアセット、インダノ


ファン、メタゾール、イソチオシアン酸メチル、ニピラクロフェン(nipyraclofen)、OCH、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、酢酸フェニル水銀、ピノキサデン、プロスルファリン、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、キノクラミン、ロデタニル(rhodethanil)、スルグリカピン、チジアジミン、トリジファン、トリメツロン、トリプロピンダン(tripropindan)およびトリタック(tritac)など)。本発明は、このリストから、水溶解度が約1000ppm以下の除草剤を選択し、それをコアシェルポリ尿素メソカプセルとして製剤化することを企図する。好ましい除草剤は、水溶解度が約100ppm以下のものである。より好ましい除草剤は、水溶解度が10ppm以下のものである。除草剤は、The Pesticide Manual、第14版、ISBN 1-901396-14-2(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)などの概説で公開されている水溶解度に基づいて選ぶことができる。The Pesticide Manualの将来的な改訂版も、コアシェルポリ尿素メソカプセル中への組込み用の除草剤の選択に有用であろう。
【0053】
多くの系統および種類の、植物の生理および構造の改変剤は、農業において有用である。例としては以下が挙げられる:アンシミドール、アミノエトキシビニルグリシン、6−ベンジルアミノプリン、カルボン、クロルフルレノール−メチル、塩化クロルメコート、クロキシホナック、4−CPA、シクラニリド、サイトカイニン、ダミノジド、ジケグラック、エテホン、フルレノール、フルルプリミドール、ホルクロルフェヌロン、ジベレリン酸、ジベレリン、イナベンフィド、インドール−3−イル酢酸、4−インドール−3イル酪酸、マレイン酸ヒドラジド、塩化メピコート、1−メチルシクロプロペン、2−(1−ナプチル(napthyl))アセタミド、1−ナプチル酢酸、2−ナプチルオキシ酢酸、ニトロフェノレート、パクロブトラゾール、N−フェニルフタラミン酸、プロヘキサジオン−カルシウム、n−プロピルジヒドロジャスモネート、チジアズロン、トリブホス、トリネキセパック(trinexepac)エチルおよびウニコナゾール。本発明は、このリストから、水溶解度が約1000ppm以下の生長制御剤を選択し、それをコアシェルポリ尿素メソカプセルとして製剤化することを企図する。好ましい、植物の生理および構造の改変剤は、水溶解度が約100ppm以下のものである。より好ましい、植物の生理および構造の改変剤は、水溶解度が10ppm以下のものである。植物の生理および構造の改変剤は、The Pesticide Manual、第14版、ISBN 1-901396-14-2(同文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)などの概説で公開されている水溶解度に基づいて選ぶことができる。The Pesticide Manualの将来的な改訂版も、コアシェルポリ尿素メソカプセル中への組込み用の、植物の生理および構造の改変剤の選択に有用であろう。
【0054】
多様な実施形態による除草剤のメソカプセル製剤は、以下を包含する多種多様な除草剤毒性緩和剤と組み合わせて使用できる:毒性緩和剤(ベノキサコール、ベンチオカルブ、ブラシノリド、クロキントセット(メキシル)、シオメトリニル、シプロスルファミド、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン(dicyclonon)、ジメピペレート、ジスルホトン、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、MG191、MON4660、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル、R29148およびN−フェニルスルホニル安息香酸アミド。これらの製剤の合成に使用される油相中の活性成分レベルのレベルは、約0.001重量%から約99重量%まで変動できる。毒性緩和剤は、コアシェルメソカプセル中に、単独で、もしくは、適当な除草剤と組み合わせて封入してもよく、または、メソカプセルの外側の製剤媒体に加えてもよい。
【0055】
本開示のメソ粒子(mesoparticle)は、多くの従来の製剤原料(水性もしくは非水性の溶媒媒体または賦形剤など)と共に使用でき、その中で、このメソ粒子を、製剤に対し農業用活性成分が約0.1%〜約30%の濃度で、懸濁またはスラリー化させることが企図される。従来の、活性のないまたは不活性な原料(分散剤、増粘剤、展着剤(sticker)、フィルム形成剤、緩衝剤、乳化剤、凍結防止剤、染料、安定化剤、固形担体など)を、メソ粒子を含有する製剤中に組み込むこともできる。
【0056】
メソカプセル中に含有される農業用AI製剤を利用して、農業に有効な量の該製剤を以下のうち少なくとも1つに供給および施用することにより、昆虫、ダニ、植物疾患または雑草を防除できることが企図される:植物、植物の葉、花、茎、果実、植物に隣接する区域、土壌、種子、発芽種子、根、液体および固体の生育媒体、ならびに水耕法の生育溶液(growth solution)、処置すべき表面、ならびに有害生物自体の体内または体表。本メソカプセル製剤は、適当な農業用賦形剤(水など)に希釈し、以下を含むが、それらには限定されない任意の従来方法により施用できる:1)葉用スプレーとして、好ましくは、葉または処置表面をぬらすのに十分な体積で施用、2)土壌にドレンチとして施用、3)種子に施用、4)土壌または水耕法の生育媒体中への注入による施用、および5)有害生物の体内または体表に直接。メソカプセル製剤は、従来の農業用AI製剤、植物用の栄養分、ならびに植物の生理および構造の改変剤との混合物の形態で施用できることも、さらに想定される。従来の農業用AI製剤としては以下が挙げられる:水中油または油中水乳剤にできる濃縮物および分散剤などの溶液、AI水溶液、体積平均径が約1ミクロン以上の懸濁微粒子としてのAIのスプレー可能な濃縮物、体積平均径が約1ミクロン以上の水和剤の形態のAI、ならびに体積平均径が約10ミクロン以上の顆粒の形態のAI。
【実施例】
【0057】
粒子サイズ測定
粒子サイズは、とりわけ、公知の準弾性光散乱法により定量できる。この定量に使用できる1つの装置は、Brookhaven 90Plus Nanoparticle Size Analyzerである。この装置を用いると、光子相関分光法(またはPCS)により、平均径の測定値が得られる。加えて、粒子サイズ測定には、Malvern MasterSizer 2000を使用することもできる。あるいは、粒子サイズは、遠心分離または電子顕微鏡観察法など、他の公知の技術により測定してもよい。
【0058】
メソカプセルの合成
メソカプセルの合成に使用するアミノ酸のストック溶液の調製。
本明細書中で開示する例示的なメソカプセルの合成に用いる多様な反応作業の開始前に、図1に掲載する比率で、グリシンおよびリシンのストック溶液を調製した。
【0059】
本明細書中で開示するポリ尿素メソカプセルのいくつかの調製に用いる一般的な方法。
代表的なポリ尿素メソカプセル製剤の合成に用いる典型的な方法を、図2に掲載する原料および量を使用して以下に記載する。簡潔に言えば、フェンブコナゾール、酢酸ベンジル、ヘキサデカンおよびPAPI(商標)27ポリメリックMDI(The Dow Chemical Co.)を60mlの広口瓶に加え、均一になるまで混合した。界面活性剤、水およびグリシン溶液をこの広口瓶に加え、手持ちタイプのBioHomogenizerミキサー(BioSpec Products,Inc.)で約10秒間混合して、プレエマルジョンを生成させた。この広口瓶を氷浴中に置き、Branson 184V Ultrasonicatorを40%の出力で用いてプレエマルジョンを5分間超音波処理して、最終的なエマルジョンを生成させた。架橋剤を最終的なエマルジョンに加えてポリメリックMDIと反応させて最終製品を生成させたが、但し、試料4では、ポリメリックMDIを水と長時間反応させて最終製品を生成させた。各試料中のメソカプセルの体積平均粒径は、Brookhaven 90Plus Nanoparticle Size Analyzerを用いて測定した。図2に掲載する多様なメソカプセル製剤は、こうした方法を用いて作製した。図2に示すように、反応混合物の組成を変化させて、本明細書中で開示する多様な製剤を生成させた。図4に載せた製剤を植物に対して試験して、その治癒的および防止的な植物疾患防除特性を決定した。
【0060】
フェンブコナゾールを含有するポリ尿素メソカプセル製剤を、本明細書に記載の原料(製剤全体に対する量(重量%)として)を使用して調製した。油相および水相を別々に調製した。油相中で、5.07重量%のフェンブコナゾール、14.33重量%のシクロヘキサノンおよび14.08重量%のAromatic200溶媒を合わせて、最初の溶液とした。この最初の溶液に、1.31重量%のIndopol(商標)H15(INEOS Oligomers)、6.54重量%のジイソシアン酸イソホロンおよび2.18重量%のPAPI(商標)27(The Dow Chemical Company)を加えた。水相中で、42.56重量%の水、0.10重量%のProxel(商標)GXL(Arch UK Biocides,Ltd.)および0.44重量%のラウリル硫酸ナトリウムを合わせた。Silverson L4RT High Shear Mixer/Emulsifierを6000rpmで2分間用いて混合しながら水相を油相と合わせてプレエマルジョンを作製し、これを氷/水浴中で冷却した。次に、Emulsiflex(登録商標)−C3(Avestin,Inc.、600〜1000バール)により氷/水冷却しながら、プレエマルジョンを高圧下でホモジナイズして、中規模の安定な水中油エマルジョンを作製した。撹拌しながら、0.87重量%の固体のラウリル硫酸ナトリウムを加えてから、1.31重量%のL−リシン(乾燥重量基準)を44.4重量%水溶液として加えてPAPI(商標)27と反応させ、2.20重量%のジエチレントリアミンをジエチレングリコール−水(0.76:0.24、重量%/重量%)中の25重量%溶液として1時間かけて加えて、ジイソシアン酸イソホロンと反応させた。この混合物を室温で4時間撹拌させると、ポリ尿素シェルの形成が完了した。この製剤は、体積平均粒径が313nmのフェンブコナゾールのメソカプセルを含有した。
【0061】
以下の手順を利用して、328255−92−1、エポキシコナゾール、アトラジン、フルロキシピル−メプチル、スピノサドおよびインドキサカルブのメソカプセル懸濁液を作製した。油相および水相は、図3に示す原料および量を使用して別々に調製した。活性成分を溶媒/溶媒混合物に溶解して77%の油相を作製してから、3%の超疎水物質および20%のイソシアネート(モノマー1)を加えた。水相中に、Proxel(商標)GXL(Arch UK Biocides,Ltd.、製剤全体の0.1%)およびラウリル硫酸ナトリウム(油相の3%)を加えた。水相を油相と合わせ、この混合物を2分間磁気撹拌してプレエマルジョンを作製し、次いでこれを、Vibra Cell(商標)(Sonics&Materials,Inc.)超音波処理器を750W、24〜25%の振幅にて氷/水浴中で用いて超音波処理して(4〜5分)、中規模の安定な水中油エマルジョンを作製した。撹拌時に、ポリアミン(モノマー2)を加えてイソシアネートと反応させて、ポリ尿素シェルを形成した。図3に掲載する多様なメソカプセル製剤は、こうした方法を用いて作製した。図4に載せた製剤を植物および昆虫に対して試験して、その有害生物防除特性を決定した。
【0062】
328255−92−1、エポキシコナゾールおよびインドキサカルブの水性の懸濁濃縮製剤を、標準的な界面活性剤、湿潤剤および製粉機を用いて従来法により調製して、図4に示す試料7、9および13とした。これらの試料の体積平均径は、それぞれ約2.5μmであった。
【0063】
図4を参照すると、表には、コムギ葉枯病について試験した製剤のいくつかを掲載してある。図4に掲載したフェンブコナゾールのポリ尿素メソカプセルを試験して、真菌のコムギ葉枯病菌(Septoria tritici)が引き起こすコムギ葉枯病に対する治癒効果および保護剤効果を測定した。測定は、別々の群のコムギ(栽培品種ユマ(Yuma))苗について行った。本明細書中で開示する多様な実施形態に従って作製したポリ尿素メソカプセルを、市販のフェンブコナゾール製剤Indar(商標)75WPと比較した。各フェンブコナゾール製剤を水で希釈し、1Ha当たり62.5g、20.8g、6.9g、2.3gおよび0.77gの活性成分の比率で試験した。各実験単位は、MetroMixを半分、粘土ローム土壌を半分含む生育媒体の5cm×5cmのポットの中で生長させた8〜10本のコムギ苗から構成された。各処置は3回繰り返し、処置は、化学物質を施用した後でランダム化した。
【0064】
治癒試験では、試験製剤および対照製剤を苗に施用する2日前に、双葉生長期(2-leaf stage of growth)の段階で苗に接種した。保護剤試験については、双葉生長期の間、試験製剤および対照製剤を苗に施用し、4日後、葉枯病を引き起こす真菌を接種した。処置は、Gen III Research Sprayer(DeVries Mfg.、Hollandale、MN)トラックスプレーヤー(tracksprayer)にSpraying Systems 8002E TeeJetスプレーノズルを装着し1Ha当たり100Lを送出するように調整したものを用いて施した。
【0065】
葉の病原体であるコムギ葉枯病菌(Septoria tritici)の接種菌液は、新しく突起し成熟した分生子核から分生子を採取することにより調製した。いくつかの試料を血球計数器で計数することにより分生子の水性懸濁液を作製し、次いでこの懸濁液を、1ml当たり約1,000,000分生子が含まれるように調節した。苗には、低圧の圧縮空気スプレーヤーを用いた細かい霧をコムギ80ポット当たりおよそ200mlの体積で施用することにより、接種した。接種後、苗を99〜100%相対湿度の暗く湿った部屋(dew room)(22℃)で24時間インキュベートしてから、99〜100%相対湿度の、照明を点けた湿った部屋(20℃)にさらに48時間移し、次いで、試験の残りの間は、20℃、14時間光周期の条件に設定した温室に置いた。希薄な液体肥料溶液の定期的な施用により、苗の生長を維持した。
【0066】
コムギの苗は、接種の約21日後、疾患について評価付けした。疾患症状を示す葉の比率(%)を目測することにより、疾患率(%)を評価した。まず接種してから2日後に化学物質で処置した苗は、治癒効果を示した。まず処置してから4日後に接種した苗は、保護剤効果を示す。治癒試験において未処置の苗について測定した疾患レベルは約82%であった。保護剤試験において未処置の苗について測定した疾患レベルは約95%であった。
【0067】
図5および6を参照すると、多様な試験の結果は次のとおりである。治癒試験(図5)においては、フェンブコナゾールのメソカプセル製剤は全て、フェンブコナゾールの標準的な水和剤製剤と比較した場合、全般的に低い疾患レベルを示す結果となった。同様に、保護剤試験(図6)においては、フェンブコナゾールのメソカプセル製剤は、試験した1つまたは複数の比率で、標準的な水和剤製剤と比較した場合、低い疾患レベルを示す結果となった。
【0068】
図4を参照すると、表には、コムギの茶色サビ病(brown rust)について試験した製剤のいくつかを掲載してある。図4に掲載した328255−92−1およびエポキシコナゾールのポリ尿素メソカプセル製剤を試験して、真菌のコムギ赤サビ病菌(Puccinia recondita f. sp. tritici)が引き起こす茶色サビ病として公知のコムギ疾患に対する保護剤効果を測定した。測定は、コムギ(栽培品種ユマ)苗について行った。本明細書中で開示する多様な実施形態に従って作製したポリ尿素メソカプセルを、従来の水ベースの微粒子製剤と比較した。各製剤を水で希釈し、1Ha当たり活性成分62.5g、20.8g、6.9g、2.3gおよび0.77gの比率で試験した。各実験単位は、MetroMixを半分、粘土ローム土壌を半分含む生育媒体の5cm×5cmのポットの中で生長させた8〜10本のコムギ苗から構成された。各処置は4回繰り返し、処置は、化学物質を施用した後でランダム化した。
【0069】
双葉生長期の間、試験製剤および対照製剤を苗に施用し、4日後、茶色サビ病の真菌を接種した。処置は、Gen III Research Sprayer(DeVries Mfg.、Hollandale、MN)トラックスプレーヤーにSpraying Systems 8002E TeeJetスプレーノズルを装着し1Ha当たり100Lを送出するように調整したものを用いて施した。
【0070】
葉の病原体であるコムギ赤サビ病菌(Puccinia recondita f.sp. tritici)の接種菌液は、新しく突起し成熟したいぼ状の隆起から夏胞子を採取することにより調製した。夏胞子の最終的な水性懸濁液は、以下の手順を用いて作製した。0.1gの夏胞子を3滴のTween20に加えてから、ペーストとして混合した。このペーストに、100mlの蒸留水を加えた。この懸濁液からは、1ml当たりおよそ1,000,000の夏胞子が得られた。苗には、低圧の圧縮空気スプレーヤーを用いた細かい霧をコムギ80ポット当たりおよそ300mlの体積で施用することにより、接種した。接種後、苗を99〜100%相対湿度の暗く湿った部屋(22℃)で24時間インキュベートしてから、試験の残りの間は、24℃、14時間光周期の条件に設定した温室に移した。希薄な液体肥料溶液の定期的な施用により、苗の生長を維持した。
【0071】
コムギの苗は、接種のおよそ7〜8日後、疾患について評価付けした。初生葉上の疾患率(%)を目測することにより、疾患率(%)を評価した。結果を比率全体で平均した。試験は2回実施し、個々の試験の結果を合わせた。
【0072】
図7を参照すると、茶色サビ病を用いた2つの保護剤試験の結果を合わせたものから、328255−92−1およびエポキシコナゾールのメソカプセル製剤は、標準的なスプレー可能な濃縮製剤と比較した場合、全般的に低い疾患レベルを示す結果となったことが示唆される。
【0073】
図4を参照すると、表には、除草剤の活性成分アトラジンおよびフルロキシピル−メプチルについて試験した製剤が掲載してある。本明細書中で開示する多様な実施形態に従って作製したポリ尿素メソ製剤を、従来の水ベースの微粒子製剤と比較した。図4に掲載したアトラジンおよびフルロキシピル−メプチルのポリ尿素メソカプセルを試験して、本明細書に記載の方法を利用して、多様な双子葉植物および単子葉植物の雑草種に対する発生後の除草効果を測定した。
【0074】
ピートベースの鉢植え用土壌Metro−mix360を、この試験のための土壌媒体として使用した。Metro−mixは、特別に加工されたココナッツコイア髄35〜45%、園芸用のバーミキュライト10〜20%、加工された樹皮灰15〜25%、上質のカナダ産水苔由来ピートモスおよび独自の栄養分および他の原料20〜30%からなる生育媒体である。各種のいくつかの種子を10cm角のポットに植え、1日2回、葉上潅水した。エビスグサ(Casia obtusifolia)(CASOB)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)(SIDSP)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、ジギタリア・サティバ(Digitaria sativa)(DIGSA)、ホウキギ(Kochia scoparia)(KCHSC)、ハコベ(Stellaria media)(STEME)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)(POLCO)、シロザ(Chenopodium album)(CHEAL)およびブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)(AMBEL)を、26〜28℃の一定温度、50〜60%相対湿度の温室で繁殖させた。自然光を、平均照度が500uE m−2 s−1光合成有効放射(PAR)の1000ワットのハロゲン化金属の頭上ランプで補った。光周期は16時間であった。植物材料には、処置に先立ち葉上潅水し、処置後は地下潅水した。
【0075】
アトラジンのメソカプセル製剤を、標準的な水分散性顆粒の市販製剤、AAtrex Nine−0(商標)(Syngenta)と比較した。2つのアトラジン製剤を脱イオン水で希釈し、1Ha当たり活性成分2240g、1120g、460gおよび280gの比率で施用した。フルロキシピル−メプチルのメソカプセル製剤を、標準的な市販のフルロキシピル−メプチル製剤Casino(商標)25WP(Dow AgroSciences、LLC)と比較した。2つのフルロキシピル−メプチル製剤を脱イオン水で希釈し、1Ha当たり活性成分200g、100g、50g、25gおよび12.5gの比率で施用した。処置は、Allen Machine Works製のトラックスプレーヤーで施した。このスプレーヤーは、8002Eスプレーノズル、スプレー圧力262kPa圧力、および1Ha当たり187Lを送出するスピード1.5mphを利用した。ノズルの高さは、植物の樹冠上46cmであった。多様な雑草種の生長期は、葉2〜4枚の幅があった。処置は3回繰り返した。植物は、処置後、温室に戻し、実験の継続期間にわたり地下潅水した。植物材料には、Hoagland’s肥料溶液を週2回施肥した。制御率(%)の視覚的評価を、未処置の対照植物と比較して0〜100%のスケールで行った(この場合、0は制御なしに等しく、100は完全な制御に等しい)。
【0076】
図8を参照すると、発生後の除草剤試験の結果から、アトラジンのメソカプセル製剤は、標準的な水分散性の顆粒製剤と比較した場合、全般的に高い防除レベルを示す結果となったことが示唆される。
【0077】
図9を参照すると、発生後の除草剤試験の結果から、フルロキシピル−メプチルのメソカプセル製剤は、標準的な水和剤製剤と比較した場合、全般的に高い防除レベルを示す結果となったことが示唆される。
【0078】
図4を参照すると、表には、殺虫剤の活性成分インドキサカルブについて試験した製剤が掲載してある。図4に掲載したインドキサカルブのポリ尿素メソカプセル製剤(試料12)を試験して、コナガの二齢幼虫(Plutella xylostella)およびオスの成虫のチャバネゴキブリ(Blatella germanica)の致死およびリーフディスクまたはベイトの消費量それぞれに対する効果を測定した。本明細書中で開示する多様な実施形態に従って作製したインドキサカルブのポリ尿素メソ製剤を、水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤(試料13)と比較した。
【0079】
各インドキサカルブ製剤を、試験用に水で希釈した。コナガの致死および処置したリーフディスクの消費量について試験した比率は、0.15ppm、0.62ppm、2.5ppm、10ppm、20ppm、40ppm、80ppmおよび160ppmであった。チャバネゴキブリの致死および処置した水ベースのベイトについて試験した比率は、試験の種類(すなわち、注射、局所施用、または、水ベースのベイトの摂取)に応じ、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%および1%であった。
【0080】
コナガの試験については、キャベツ苗を温室で生育し、1苗当たり2枚の葉を切り取った。製剤は、脱イオン水に0.025%Silwet L−77界面活性剤を加えたものを用いて希釈した。試験した比率は、0.15ppm、0.62ppm、2.5ppm、10ppm、20ppm、40ppm、80ppmおよび160ppmであった。キャベツ苗には、1ヘクタール当たりおよそ200リットルのスプレー体積を送出するトラックスプレーヤーを用いてスプレーした。処置したキャベツ苗を乾燥させた後、スプレーした各苗からリーフディスクを採取し、1枚のリーフディスクを、32ウェルのバイオアッセイトレイの各ウェル(ウェルの底に寒天の薄層が入っている)中に置いた。3匹のコナガの二齢幼虫を、各リーフディスクの中央に置き、トレイをプラスチックの蓋で覆った。致死率およびリーフディスク消費率(%)のデータを、1〜4日の多様な時間間隔で回収した。
【0081】
図10および11を参照すると、コナガ試験の結果は次のとおりである。2.5ppmおよび10ppmの比率では、ポリ尿素メソカプセル製剤に有利な差が認められた。
【0082】
2.5ppmの比率では、ポリ尿素メソカプセル製剤処置により、処置後3日および4日時点で、それぞれ、水ベースの懸濁濃縮製剤処置と比較して28〜46パーセント、処置したリーフディスクの消費量が減少した。10ppmの比率では、ポリ尿素メソ製剤処置により、処置後3日および4日時点で、それぞれ、水ベースの懸濁濃縮製剤処置と比較して18〜37%、処置したリーフディスクの消費量が減少した。処置したリーフディスクの消費量がこのように減少したことから、インドキサカルブのポリ尿素メソカプセル製剤は、処置したキャベツ苗を、コナガの幼虫による採食から、水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤より良好に保護できたことが示される。
【0083】
10ppmの比率では、処置後4日時点で、ポリ尿素メソカプセル製剤処置により、コナガの幼虫の致死数は、水ベースの懸濁濃縮製剤処置と比較して19%増加した。致死数がこのように増加したことから、インドキサカルブのポリ尿素メソ製剤は、10ppmの比率で、水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤より、毒性活性を強化できたことが示される。
【0084】
3種類の試験(注射、局所および摂取のバイオアッセイ)をチャバネゴキブリについて行った。注射試験については、1処置当たり10匹のオスの成虫のチャバネゴキブリに1μlの各処置剤を注射した。処置溶液は、インドキサカルブ製剤をMilli−Q精製水で希釈してインドキサカルブ濃度を0.001%、0.01%、0.1%および1%にすることにより作製した。注射されたゴキブリは、食物および水の入った100×25mmのペトリ皿の中で維持し、26℃、60%相対湿度の実験室の制御環境チャンバーの中に置いた。注射されたゴキブリを7日間毎日チェックし、死んだ数を記録した。食物および水は、必要に応じて補給した。
【0085】
図12を参照すると、チャバネゴキブリ注射試験の結果は、致死率(%)については次のとおりであり、ポリ尿素メソ製剤に有利な差が認められた。試験した製剤間の差は、0.01%の比率の場合に認められた。
【0086】
0.01%濃度のインドキサカルブでは、処置後2〜7日時点で、ポリ尿素メソカプセル製剤処置により、チャバネゴキブリの致死数が、水ベースの懸濁濃縮製剤処置と比較して20〜30%増加した。致死率がこのように増加したことから、ポリ尿素メソカプセル製剤中のインドキサカルブは、0.01%比率で、インドキサカルブ懸濁濃縮製剤と比較して、より大きな有効性を有したことが示される。
【0087】
本製剤の水ベースの希釈物をチャバネゴキブリに直接施用した場合の本製剤の致死発現を、局所的なバイオアッセイにおいて試験した。局所的な試験については、1処置当たり10匹の成虫のオスのチャバネゴキブリに、注射器により前胸背板に局所施用する1μlの各処置を行った。処置の前および後に、ゴキブリにCOで麻酔をかけた。製剤は、インドキサカルブ濃度が0.001%、0.01%、0.1%および1%となるMilli−Q精製水希釈物の形態で試験した。処置したゴキブリは、実験室の制御環境チャンバー内に、食物および水の入った60×15mmのペトリ皿の中で維持した(1皿当たり1匹)。処置されたゴキブリを7日間毎日チェックし、死んだ数を記録した。食物および水は、必要に応じて補給した。
【0088】
図13を参照すると、チャバネゴキブリの局所試験の結果は、致死率(%)については次のとおりであり、ポリ尿素メソ製剤に有利な差が認められた。試験した製剤間の差は、0.1%比率のみの場合に認められた。
【0089】
0.1%比率では、処置後1〜7日時点で、ポリ尿素メソカプセル製剤処置により、チャバネゴキブリの致死数は、水ベースの懸濁濃縮製剤処置と比較して20〜40%増加した。致死数がこのように増加したことから、インドキサカルブのポリ尿素メソカプセル製剤は、0.1%比率で、水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤より、毒性活性を強化できたことが示される。加えて、本ポリ尿素メソカプセル製剤で処置すると、水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤処置と比較して死ぬスピードも増加した。
【0090】
この摂取バイオアッセイを用いて、水ベースの希釈物をチャバネゴキブリが摂取した場合の本製剤の致死発現を試験した。この摂取試験については、5回の反復試験(rep)当たり10匹の成虫のオスのチャバネゴキブリを、小さなボール紙製の隠れ場所と食物としてひとかけらのイヌ用餌Purina(商標)との入った100×25mmのペトリ皿の中に置いた。水ベースの処置したベイトに曝露させる前は、ゴキブリには水を3日間与えなかった。水ベースの処置したベイトへの曝露は、1〜3日目に30分間、選択の余地のない曝露であり、1日目には200μlのベイトを与え、2日目および3日目には150μlのベイトを与えた。1日目に与えた水ベイトを除去し、2日目および3日目には新しい水ベイトに交換した。水ベイトへの3日間の曝露後、ゴキブリには次の11日間、未処置の水および食物を与えた。製剤を脱イオン水に希釈して、インドキサカルブ濃度を0.0001%、0.001%、0.01%および0.1%とした。処置したゴキブリを15日間毎日チェックし、死んだ数を記録した。消費した水ベイトの量を、この曝露を行った3日間記録した。
【0091】
致死率(%)について試験した製剤間には、本ポリ尿素メソ製剤が水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤処置より能力が優れているという差はなかった。しかし、0.1%比率では、ベイト消費データに差が認められた。図14を参照すると、チャバネゴキブリの摂取試験の結果は、0.1%比率での消費量(mg)については次のとおりである。
【0092】
0.1%比率では、処置後1日時点では、本ポリ尿素メソカプセル製剤ベイト処置により、チャバネゴキブリによるベイト消費量は、水ベースの懸濁濃縮製剤ベイト処置と比較して86mg減少した。ポリ尿素メソカプセル製剤中のインドキサカルブの0.1%濃度でのインドキサカルブベイトの消費量がこのように減少したことから、1日目時点で、水ベースのインドキサカルブ懸濁濃縮製剤と比較して早く、採食の減少/停止が生じたことが示される。
【0093】
図面および前述の説明において本新規技術を詳細に例証し記載してきたが、同図面および説明の性質は例証的なものであって限定的なものでないことは考慮されたく、好ましい実施形態のみを示し説明してあること、また、本新規技術の範囲内に入る変化形および改変形は全て保護対象となることを望むものであることは理解される。尚、具体例、理論的な主張、説明および例証を用いて本新規技術を例証したが、これらの例証および付随する考察は、本技術を制限するものとは決して解釈されるべきではない。本出願において参照した全ての特許、特許出願および参考文献、科学論文、刊行物などは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用活性成分を送出するための組成物であって、
ポリマーシェルを有するメソカプセルと、
水溶性に乏しい農業用活性成分とを含み、前記活性成分が、前記ポリマーシェル内に少なくとも部分的に含まれ、前記メソカプセルの体積平均粒径が約30nm〜約500nmである組成物。
【請求項2】
前記ポリマーシェルが、ポリ尿素、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、アミノプラスト、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリサッカハリド、タンパク質、シリコーン、脂質、変性セルロース、ゴム、ポリアクリレート、ポリリン酸、ポリスチレンおよびポリエステルのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマーシェルがポリ尿素を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリ尿素が、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つのポリアミンとの反応生成物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記メソカプセルの体積平均径が約50nm〜約300nmの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記シェルが親水性官能基を含み、前記親水性官能基の少なくともいくつかが水と接触している、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記シェルの表面上の前記親水性官能基がカルボキシレートである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記活性成分の水溶解度が約1,000ppm以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
昆虫、ダニ、植物疾患または雑草を防除する方法であって、
請求項1に記載の組成物を含む製剤を提供するステップ、ならびに
農業に有効な量の前記製剤を、植物、植物の葉、花、茎、果実、植物に隣接する区域、土壌、種子、発芽種子、根、液体および固体の生育媒体、水耕法の生育溶液、処置表面、ならびに有害生物自体の体内または体表のうち少なくとも1つに施用するステップと
を含む方法。
【請求項10】
昆虫、植物疾患または雑草を防除する方法であって、
請求項1に記載の組成物を含む製剤を提供するステップ、ならびに
農業に有効な量の前記製剤を、1つまたは複数の従来の農業用活性成分製剤または栄養分との混合物の形態で、植物、植物の葉、花、茎、果実、植物に隣接する区域、土壌、種子、発芽種子、根、液体および固体の生育媒体、水耕法の生育溶液、処置表面、ならびに有害生物自体の体内または体表のうち少なくとも1つに施用するステップ
を含む方法。
【請求項11】
メソカプセルを合成する方法であって、
少なくとも1つの農業用活性成分と、反応させてシェルを形成することが可能な1つまたは複数のポリマー前駆体とを含む油相を提供するステップ、
水と少なくとも1つの架橋剤とを含む水相を供給するステップ、
界面活性剤を、前記水相および前記油相のうち少なくとも一方に加えるステップ、
体積平均径が約500nm以下のメソサイズ液滴を有するエマルジョンを形成するのに十分なせん断条件下で前記油相と前記水相とを混合するステップ、ならびに
前記ポリマー前駆体を前記架橋剤と反応させて前記メソカプセルを形成するステップ
を含む方法。
【請求項12】
前記ポリマー前駆体が、ポリイソシアネート、シロキサンおよび他のケイ素含有前駆体を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記架橋剤が、水、アミノ酸、レゾルシノール、メラミン、ホルムアルデヒド、尿素、グアニジン、グアニジン化合物、ジアミン、ポリアミン、ポリアミジンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリマー前駆体が少なくとも1つのポリイソシアネートを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのポリイソシアネートが、PAPI(商標)27とジイソシアン酸イソホロンとの混合物である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記エマルジョンを形成するのに十分なせん断が、超音波処理または高圧ホモジナイゼーションのいずれかにより達成される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記架橋剤が、水、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびL−リシンからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記油相が、前記農業用活性成分を実質的に溶解する溶媒を約1重量%〜約90重量%の範囲でさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒が、酢酸ベンジル、シクロヘキサノン、芳香族溶媒、アセトフェノン、種子油、種子油のエステル、パラフィン油およびそれらの混合物である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記油相が、約0.5重量%〜約10重量%の間の超疎水物質をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記超疎水物質がヘキサデカンまたはIndopol(商標)H15である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記農業用活性成分が、殺真菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、毒性緩和剤および植物の生理または構造の改変剤からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
前記メソカプセルの前記油相が、約1〜約90重量パーセントのAIを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
界面活性剤を含まないメソカプセルを合成する方法であって、
少なくとも1つの農業用活性成分と少なくとも1つのポリイソシアネートとを含む油相を提供するステップ、
一級もしくは二級アミンまたは一級もしくは二級アミノ基のいずれかである少なくとも1つの官能部分と、加えて少なくとも1つの親水性官能基とを有する少なくとも1つの成分を含む水相を供給するステップ、
前記油相と前記水相とを混合してエマルジョンを形成するステップ、および
ポリイソシアネートを架橋剤と反応させて前記メソカプセルを形成するステップ
を含む方法。
【請求項26】
前記親水性官能基がカルボキシレートである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
一級または二級アミンがアミノ酸である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記アミノ酸が、リシンおよびグリシンからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−501716(P2013−501716A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523936(P2012−523936)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/044484
【国際公開番号】WO2011/017480
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】