説明

迅速プロトタイプ作成装置の改良

発光ダイオードが光源として使用される、立体リソグラフィ装置、および立体リソグラフィ装置用の露光システム。本発明は、発光ダイオードからの光を整合すること、および発光ダイオードを交換および制御することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断面の付加処理による3次元対象物の製造のための迅速プロトタイプ作成装置に関する改良に関する。
【背景技術】
【0002】
立体リソグラフィに使用される装置が、近年、開発されている。それらの装置は、現在では、UV光電球と発光ダイオードの両方を光源として備えている。発光ダイオードを光源として実装すると、異なる問題を生じることになり、この問題を本出願では取り扱う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、立体リソグラフィ装置用の露光システムであって、200〜10000nmの間の波長の光を放出する少なくとも1つの発光ダイオードと、複数の個別に制御可能な光変調器群を備える、少なくとも1つの空間光変調器と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記少なくとも1つの空間光変調器に光学的に結合された出力光学系と、少なくとも1つの制御ユニットとを具備し、前記入力光学系および出力光学系は、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出された光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器群を介して、照明領域に伝達するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御ユニットからの制御信号に従って前記入力光学系からの光のパターンを確立することを可能とし、前記出力光学系は、前記少なくとも1つの空間光変調器からの前記光のパターンを照明スポットに集束させることを可能にし、前記露光システムは、前記発光ダイオードの光軸に対して45度を超える角度で前記発光ダイオードから放出された光を、前記光軸に対して平行な方向にそのような光を向けるように、整合させることができる露光システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の発光ダイオードは、深紫外線から遠赤外線まで、例えば200nm〜100000nmまでの範囲における放射線を放出することができる。したがって、「光」という用語は、深紫外線から遠赤外線まで、例えば200nm〜100000nmまでの範囲における放射線に当てはまる。3次元固体対象物を製造するための、材料の粉末焼結のような応用は、最高100000nmまでの波長を有する赤外エネルギー範囲において実施するのが好ましい。硬化性液体樹脂の立体リソグラフィ浴を使用する応用は、200nmから最高500nmまでの波長を有する紫外エネルギー範囲において実施するのが好ましい。
【0005】
本発明の有利な一態様によれば、空間光変調器の光変調器群は、発光ダイオードからの光を感光材料上にパターン化する。感光材料は、空間光変調器内の光変調器群の位置を反映するパターンに硬化する。発光ダイオードから、感光材料の方向に向けられる光が多くなるほど、立体リソグラフィ装置を制御するときに利用可能な制御選択肢が多くなる。そのような制御選択肢としては、例えば、感光材料全体にわたっての露光システムの走査速度があり、例えば、発光ダイオードからの光の強度を低減させる、エネルギー消費制御は、エネルギーの消費を低減することになるなどである。
【0006】
本発明のさらに有利な一態様によれば、露光システムは、空間光変調器のモジュールを備え、各モジュールは、2つ以上の空間光変調器を含む。さらに、入力光学系を、モジュールで製作してもよく、これによって1つの入力光学モジュールが、空間光変調器の1つのモジュールに対応する。さらに、出力光学系をモジュールで製作してもよく、これによって出力光学モジュールが、空間光変調器の1つのモジュールに対応する。露光システムの要素のモジュール構造は、露光システムの寸法に対する特定のユーザ定義要求を満足するように、露光システムを容易に修正することを助ける。
【0007】
本発明のさらに有利な一態様によれば、2つ以上の空間光変調器は、露光システムの幅を増大させるのに使用され、それによって、照明することのできる領域を増大させて、これによって、より大きな対象物またはより多数の小さい対象物を同時に構築することが可能となる。
【0008】
本発明のさらに有利な一態様によれば、2つ以上の発光ダイオードが、露光システムからの放出光の強度を増大させるのに使用される。光の強度の増大によって、感光材料を横断する露光システムの走査速度を増大させることができる。
【0009】
本発明のさらに有利な一態様によれば、発光ダイオードからの光をパターン化するのに使用することのできる空間光変調器は、マイクロ光スイッチ、液晶ディスプレイ、ディジタルマイクロミラー装置などと同等である。
【0010】
本発明のさらに有利な一態様によれば、発光ダイオードは、レーザーダイオード、紫外線発光ダイオード、などと同等としてもよい。さらに、発光ダイオードに匹敵する、将来的に開発される任意のダイオードまたは光源を使用してもよい。
【0011】
本発明のさらに有利な一態様によれば、光は、任意の電磁波として理解される。
本発明の一実施形態において、 前記露光システムは、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸に対する前記整合された光の角度が1.5度以下となるように、前記光の方向を変えるように、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸に対して45度を超える角度で、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光の一部の方向を整合する手段を含む。
【0012】
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードから放出された光の整合の結果は、視準光学系とマイクロレンズの間の入力光学系において測定される。
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードから放出された光を、発光ダイオードの光軸に対する角度が、発光ダイオードから放出されるときよりも小さくなる方向に、誘導、反射または整合することができることは、非常に有利である。このことは、例えば入力光学系におけるさらなる光の取り扱いを容易にすることができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記露光システムは、前記光が入力光学系中に導入される前に、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光を整合させる手段を含む。
【0014】
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードから放出された光が、その光が少なくとも部分的に同一の方向に放出されるように、方向が整合される。このことは、発光ダイオードから放出される光の多くが、発光材料に向けられ、露光システムが、感光材料全体にわたってより速く走査することができるので、本発明の一実施形態によれば重要である。
【0015】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光を整合させる手段は、少なくとも1つの反射器を含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードは、発光ダイオードから放出される光を最適化するための外部反射器と共に使用してもよい。反射器を使用するときには、放出光のより多くを、入力光学系の方向に向けさせることができ、そのために同一の発光ダイオードから、より大きな光の強度を、入力光学系に加えることができる。
【0016】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードには、内部的に位置する反射器を設けてもよい。外部反射器の場合について、内部反射器を備える発光ダイオードは、入力光学系の方向、したがって感光材料の表面上の照明スポットの方向に向けられた、放出光の一部を増大させることができる。
【0017】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードの効率を増大させ、これによって感光材料全体にわたる露光システムの走査速度の上限を増大させるために、発光ダイオードに関係する反射器が使用される。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出された光を整合させる前記手段は、少なくとも1つの光学レンズを含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードからの光は、照明源に含まれる、少なくとも1つの光学レンズを用いて、少なくとも部分的に方向を整合させてもよい。それによって、この光は、少なくとも部分的に整合され、それによって入力光学系に対する要件を低減することができる。さらに、照明源内の光学系は、視準光学系の一部としてもよい。
【0019】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、照明源に含まれる光学系は、発光ダイオードの一部として、または発光ダイオードがその上に搭載されるプリント回路板の一部として搭載するか、または注型してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光を整合させる手段は、少なくとも1つの保護シールドを含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードは、発光中心、この発光中心の保護体、反射器などを含む。発光中心の保護体は、放出光の方向を少なくとも部分的に変えることを容易にするように成形してもよい。光の方向の変化は、光の整合の一部としてもよく、したがって、視準光学系に対する要件が、光方向保護体を備えない発光ダイオードからの光を取り扱うのと、同じでなくてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態において、1つの空間光変調器から発生する、それぞれの照明スポットに集束される光のエネルギーの総量と、前記空間光変調器に対応する前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光のエネルギーの総量との比は、少なくとも0.1である。
【0022】
利用効率が高くなるほど、露光システムが必要とするエネルギーは少なくなり、したがって、立体リソグラフィ装置全体に対するエネルギー消費は最少化される。
さらに、本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の装置を使用することによって、感光材料から3次元対象物を製造する方法に関する。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記露光システムは、前記感光材料の全体にわたって走査される。
本発明の有利な一実施形態によれば、露光システムは感光材料全体にわって走査される。露光システムが感光材料全体にわって走査されるとき、空間変調器は、光をパターン化して、感光材料上の1つまたは複数の照明スポットを硬化させる。露光システムは、構築しようとする対象物の一層毎に少なくとも1回、感光材料全体にわたって、少なくとも部分的に走査される。
【0024】
さらに、本発明は、立体リソグラフィ装置用の露光システムであって、200〜100000nmの間の波長の光を放出する少なくとも2つの発光ダイオードと、複数の個別に制御可能な光変調器群を備える、少なくとも2つの空間光変調器と、前記少なくとも2つの空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記少なくとも2つの空間光変調器に光学的に結合された出力光学系と、少なくとも1つの測定ユニットと、少なくとも1つの制御ユニットとを含み、前記入力光学系および出力光学系は、前記発光ダイオードから放出された光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器群を介して、照明領域に伝送するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御ユニットからの制御信号に従って,前記入力光学系からの光のパターンの確立を可能とし、前記出力光学系は、前記少なくとも2つの空間光変調器からの前記光のパターンを照明領域に集束させることを可能にし、前記測定ユニットは、それぞれの個別空間光変調器によって伝送される光の強度を測定することを可能にし、前記制御ユニットは、前記測定値に基づいて、各発光ダイオードによって放出される光の強度を調整することを可能にする、露光システムに関する。
【0025】
本発明の有利な一態様によれば、1つまたは複数の発光ダイオードをオフにすることができる。例えば、対象物の一層が、全発光ダイオードからの光を必要としない場合には、発光ダイオードは単にオフにされる。同様にして、感光材料の新規の層が、3次元対象物に加えられるときに、全発光ダイオードがオフにされて、これによって感光材料に対する迷光の影響が減少する。
【0026】
本発明の有利な一態様によれば、発光ダイオードから生成される熱を低減するのに、発光ダイオードをオフにすることができるのは、非常に有利である。露光システム内の電気的構成要素の損傷を回避するために、露光システムにおいて生成される熱は除去されることになっている。
【0027】
本発明の有利な一態様によれば、熱のために露光システムの(例えば、空間変調器内、発光ダイオードが締結されるフレーム内、などの)構造が変化するのをできる限り回避できるように、熱の生成を低減することは非常に有利である。露光システム内の公差は非常に小さく、したがってわずかの変化も露光システムの精度に影響を与える可能性がある。
【0028】
本発明のさらに有利な一態様によれば、2つ以上の空間光変調器が、例えば露光システムの幅を増大させ、それによって照明することの可能な領域を増大させるために使用され、これによって、より大きな対象物を構築するか、またはより多数の小さい対象物を同時に構築することが可能である。
【0029】
本発明のさらに有利な一態様によれば、2つ以上の発光ダイオードが、露光システムからの放射光の強度を増大させるのに使用される。光の強度が増大すると、例えば、感光材料全体にわっての露光システムの走査速度を増大させることができる。
【0030】
本発明のさらに有利な一態様によれば、発光ダイオードからの光をパターン化するのに使用される空間光変調器は、マイクロ光スイッチ、液晶ディスプレイ、ディジタルマイクロミラー装置などと同等にしてもよい。
【0031】
本発明のさらに有利な一態様によれば、発光ダイオードは、レーザーダイオード、紫外線発光ダイオードなどと同等なものである。
さらに、発光ダイオードに匹敵する、将来的に開発される任意のダイオードまたは光源を使用してもよい。
【0032】
本発明のさらに有利な一態様によれば、光は、任意の種類の電磁波として理解される。
本発明の一実施形態において、前記測定値は、前記少なくとも2つの空間光変調器の各個体に関連する、光の強度の代表値であり、前記制御ユニットは、前記測定された代表値に基づいて、前記少なくとも2つの発光ダイオードの各固体からの光の強度を調整することを可能にする。
【0033】
本発明の有利な一実施形態によれば、1つまたは複数の測定ユニットは、発光ダイオードから放出される光からの1つまたは複数の代表値を測定する。そのような代表値は、例えば、光強度、発光ダイオードから放出される光の均一度、放出光の温度などとすることができる。
【0034】
本発明のさらなる一実施形態によれば、発光ダイオードの放出領域の温度は、発光ダイオードを調整するための基礎として使用することもできる。
本発明の有利な一実施形態によれば、1つまたは複数の測定ユニットは、露光システムの光変調器群からの光の代表値を測定するのに使用される。2つ以上の測定ユニット使用すると、測定工程の速度を増大させ、したがって対象物を構築するための合計時間が増大し、このことは非常に有利である。
【0035】
本発明の一実施形態において、前記露光システムは、立体リソグラフィ装置の一部であり、該立体リソグラフィ装置は、3次元対象物がそれから調製される感光材料の表面を平らにするための塗り重ね装置を具備する。
【0036】
本発明の一実施形態において、前記測定ユニットは、少なくとも1つの光感度センサを含み、該光感度センサの出力は、前記少なくとも2つの発光ダイオードの各固体から放出される光の強度の代表値を表わす。
【0037】
本発明の有利な一実施形態によれば、1つの光感度センサで、個々の発光ダイオードのすべてからの光を測定するのに十分である場合がある。2つ以上の光感度センサが使用される場合には、個々の発光ダイオードからの光を測定するのに要する時間は減少する。
【0038】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの光感度センサは、200nmから100000nmの範囲内の光に応答性を有する。
本発明の有利な一実施形態によれば、前記代表値は、光に反応するように適合された任意のセンサを用いて測定してもよい。これは、特別に構築されたセンサが不要であり、このことによりコストが低下するので有利である。
【0039】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの光感度センサは、装置内で、光が前記空間光変調器によってパターン化される前に前記光の強度を測定することを可能にする位置に置かれる。
【0040】
本発明の有利な一実施形態によれば、測定ユニットは、光が空間光変調器によってパターン化される前に、光の代表値を測定する。このことは、発光ダイオードからの光のリアルタイム測定を可能にする動的測定を少なくとも部分的に助長することができる。そのような測定は、例えば、光が空間光変調器内に導入される前にビーム分割器を挿入することによって助長することもできる。
【0041】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの光感度センサは、装置内で、光が前記空間光変調器によってパターン化された後に前記光の強度を測定することを可能にする位置に置かれる。
【0042】
本発明の有利な一実施形態によれば、測定ユニットは、空間光変調器によって光がパターン化されるときに、光の代表値を測定する。これは、パターン化された光の代表値の測定が、その光を使用しようとする場所において行われるので有利である。したがって、光がパターン化されるときに代表値を測定することによって、さらなる損失のリスク、およびそれによって多かれ少なかれ不正確な測定を最少化するか、または完全に無くすことができる。
【0043】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、露光システムが1つまたは複数の測定ユニットに対して単に走査されるので、代表値(複数を含む)の測定を非常に容易に実現することができる。代替的に、露光システムのすべての空間光変調器によって、1つまたは複数の測定ユニットを通過させるか、または測定装置全体にわたって露光システムを走査させることと、空間光変調器によって測定ユニットを通過させることの組合せによって代表値を測定することも可能である。
【0044】
本発明の一実施形態において、前記制御ユニットは、1つまたは複数の前記測定された代表値に基づいて、前記少なくとも2つの発光ダイオードの各固体から放出される光の強度を制御することを可能にする。
【0045】
本発明の有利な一実施形態によれば、測定された代表値は、発光ダイオードの制御において制御ユニットによって使用される。対象物の特定の層を硬化させるのに使用される、全空間光変調器からのパターン化された光の強度を均一にすること、または少なくとも均一に近くすることが非常に重要である。したがって、空間光変調器Aの下方で測定された代表値が、空間光変調器Bの下方で測定された代表値よりも小さいときには、空間光変調器AおよびBの下方での代表値が均一になるように、空間光変調器AおよびBに関係する発光ダイオードが制御ユニットを用いて調整される。
【0046】
本発明の一実施形態において、前記制御ユニットは、1つまたは複数の前記測定された代表値に基づいて、前記少なくとも2つのダイオードの各固体から放出される光の強度が均一になるように、前記少なくとも2つの発光ダイオードの各固体から放出される光の強度を制御することを可能にする。
【0047】
本発明の有利な一実施形態によれば、感光材料上の照明スポット上のパターン化された光の強度を均一にすることが重要である。このことは、空間光変調器からのパターン化された光の各ビームが同一の強度で照明スポットを照明するように全発光ダイオードを調整することによって、少なくとも部分的に助長することができる。さらに、これによって、露光システムが感光材料全体にわって走査される走査速度を増大させることができる。これは、露光システムが、低い強度の照明スポットによって感光材料が硬化するのを「待つ」必要がないからである。
【0048】
本発明の一実施形態において、前記制御ユニットは、前記少なくとも2つの発光ダイオードに印加される電圧または電流を制御することによって、前記少なくとも2つの発光ダイオードから放出される光の強度を制御する手段を含む。
【0049】
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードからの光の調整は、発光ダイオードによって消費される電力と密接に関係する場合がある。したがって、発光ダイオードが消費する電力のレベルを制御することによって、発光ダイオードから放出される光の制御が行われる。
【0050】
本発明の一実施形態において、前記光感度センサは、前記塗り重ね装置(REC)上に搭載されている。
本発明の有利な一実施形態によれば、塗り重ね装置の走査方向は、露光システムの走査方向に直角である。したがって、塗り重ね装置が感光材料の全体にわたって走査されるときに、塗り重ね装置はまた、個々の発光ダイオードのすべてを通過するので、測定ユニットまたは光感度センサを塗り重ね装置上に搭載するのは時間的に非常に効率的である。
【0051】
さらに、本発明は、請求項10〜20のいずれかに記載の装置を使用することによって感光材料から3次元対象物を製造する方法に関する。
本発明の一実施形態においては、露光システムが、照明領域によって定義される面全体にわたって走査をしていない状態にあるときに、前記少なくとも2つの発光ダイオードの各固体から放出される光の強度が測定される。
【0052】
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードからの光の強度の測定および制御は、露光システムが感光材料の全体にわたって走査をしていないときに行われる。例えば、新規の層が感光材料で上塗りされるときに、少なくとも代表値を測定すること、または発生ダイオードを調整することのいずれかを実施するのが有利である場合がある。
【0053】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードからの光の強度の測定および制御、またはその較正は、硬化された対象物を運ぶ槽(バット)または構築プレートを交換しようとするときに行われる。さらに、発光ダイオードの較正または調整を新規の対象物の構築を開始する前に行うのが有利な場合がある。
【0054】
本発明の有利な一実施形態によれば、露光システムは、使用されないときには構築プレートまたは槽の片側に停止される。これは、塗り重ね装置が感光材料の新規の層を上塗りする、構築プレートまたは槽が変更される、その他の状況であり得る。露光システムが停止されているときには、発光ダイオードからの光を測定するのが有利なことがあり、これは、特に槽または構築プレートが変更されるときに、そのときの測定による迷光効果が、感光材料に与える影響が最小となるためである。
【0055】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、測定による迷光は、例えば分離プレート、防護材(guards)などを用いて低減することができる。
本発明の一実施形態においては、前記少なくとも2つの発光ダイオードの各固体からの代表値の測定は、1回の走査動作において行われる。
【0056】
有利な一実施形態によれば、露光システムが一回の走査動作において測定ユニットの全体にわたって走査できるように、測定ユニットは置かれる。このことは、発光ダイオードからの光を測定し、制御するのに使われる時間が減少し、したがって3次元対象物の構築により多くの時間が残されるために有利である。
【0057】
本発明の一実施形態においては、前記露光システムは、前記感光材料の全体にわたって走査される。
本発明の有利な一実施形態によれば、露光システムは、感光材料の全体にわたって走査される。空間光変調器は、露光システムが感光材料全体にわって走査されるときに、感光材料上の1つまたは複数の照明スポットで、硬化するように光をパターン化する。露光システムは、構築しようとする対象物の層毎に少なくとも1回、感光材料全体にわたって少なくとも部分的に走査される。
【0058】
さらに、本発明は露光システムを備える立体リソグラフィ装置であって、前記露光システムは、少なくとも1つのソケットおよび少なくとも1つの発光ダイオードを備える、少なくとも1つのプリント回路板と、複数の個別に制御可能な光変調器群を備える、少なくとも2つの空間光変調器と、前記空間光変調器に光学的に結合された入力光学系と、前記空間光変調器に光学的に結合された出力光学系と、少なくとも1つの制御ユニットと、発光ダイオードの光軸が前記入力光学系の光軸と整合されるように、前記プリント回路板を解除可能にロックしている、少なくとも1つの光源ベッドとを含み、前記入力光学系および出力光学系は、前記発光ダイオードから放出された光を、前記空間光変調器の前記個別に制御可能な光変調器群を介して照明領域に伝送するのを容易にし、前記空間光変調器は、前記制御ユニットからの制御信号に従って、前記入力光学系からの光のパターンの確立を可能にし、前記出力光学系は、前記空間光変調器から照明領域上への光のパターンを集束させることを可能にする、立体リソグラフィ装置に関する。
【0059】
本発明の有利な一態様によれば、発光ダイオードを交換することが可能である。全立体リソグラフィ装置の寿命時間は、発光ダイオードの寿命時間の数倍であり、したがって発光ダイオードの交換が必要である。
【0060】
本発明のさらに有利な一態様によれば、光源ベッドは、例えば、入力光学系の少なくとも一部分を含む、露光システムの一部であり、したがって立体リソグラフィ装置から取り外すのは容易ではない。このため、光源ベッドそれ自体を取り外すことなく、発光ダイオードを光ベッドから取り外すことができることは非常に有利である。
【0061】
本発明のさらに有利な一態様によれば、例えば、露光システムの幅を増大させて、それによって照明することのできる領域を増大させるために、2つ以上の空間光変調器が使用され、このために、より大きな対象物、またはより多数の小さい対象物を同時に構築することが可能である。
【0062】
本発明の有利な一態様によれば、発光ダイオードは、発光ダイオードの1つまたは複数がプリント回路板に接続されていれば、取り扱いがより容易である。例えば、4つの発光ダイオードを含むプリント回路板を交換するのは、4つの個々の発光ダイオードを交換するのと比較して、より容易で迅速である。
【0063】
本発明の一実施形態においては、前記プリント回路板が、解除可能なロック機構によって前記光源ベッドに解除可能にロックされており、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸が、前記入力光学系の光軸と一致するように、前記プリント回路板が、前記解除可能なロック機構によって解除可能にロックされている。
【0064】
本発明の一実施形態において、前記露光システムは、2つ以上の光源ベッドを含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、光源ベッドはモジュールとして構築されており、したがって2つ以上の光源ベッドモジュールを、同一の立体リソグラフィ装置内部で使用して、より多くの数の照明スポットを照明することを助長することができる。
【0065】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、露光システムにおける精度に対する高い要求は、解除可能なロック機構を含む光源ベッドによって満たされる。したがって、発光ダイオードが光源ベッド内に設置されるときに、発光ダイオードの光軸が、入力光学系の光軸と所与の公差範囲内で整合され、解除可能なロック機構を用いてこの位置でロックされる。
【0066】
本発明の有利な一実施形態によれば、プリント回路板が前記光源ベッドに解除可能にロックされるときに、プリント回路板に取り付けられた発光ダイオードの光軸に対して、入力光学系の光軸と一致させるように、さらに整合または調節を行う必要はない。
【0067】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、プリント回路板が解除可能なロック機構を用いて光源ベッドに解除可能にロックされているとき、プリント回路板を変更することは容易で迅速である。
【0068】
本発明の一実施形態において、前記立体リソグラフィ装置は、装置の動作における障害または異常を知らせるための警報を具備する。
本発明の有利な一実施形態によれば、警報は、発光ダイオードの1つまたは複数を変更するときであることを示す。この警報は、例えば、音、(例えば、点滅または回転する)光、電子データ警報などの形態としてもよい。警報は、発光ダイオードが理由なく変更されることがないこと、およびサービス要員が、例えば、発光ダイオードの強度を検査する必要がないことから、非常に有利な場合がある。
【0069】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、サービス要員が、例えばコンピュータを用いて、発光ダイオードを、例えばそれらが何時間使用されたか、現在の強度などについて検査することができる。このことは、立体リソグラフィ装置の部品の保全を計画するために、サービス要員にとって非常に有利な場合がある。
【0070】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つのプリント回路板は、前記入力光学系の少なくとも一部を含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、プリント回路板は、整合光学系または入力光学系の少なくとも一部を含む。プリント回路板に、例えば、反射板または光学機器を設けることは、このようにすれば、例えば、反射器または光学機器を発光ダイオードに近接して、または接触してでも設置することが可能となるために、非常に有利となる場合がある。
【0071】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つのプリント回路板は、少なくとも1つの冷却表面を含む冷却手段を含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、冷却表面がプリント回路板に取り付けられて、プリント回路板上の電子回路の冷却を助長し、電子回路またはプリント回路板を損傷するリスクを低減する。
【0072】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、冷却表面には、プリント回路板からの熱の除去を最適化するためのファンが設けられる。
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、プリント回路板の一方側から、プリント回路板の他方側への熱の除去を最適化するために、プリント回路板を貫通して穴が作製される。
【0073】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つのプリント回路板は、例えば、電力供給および/または制御信号のための、少なくとも1組の直流電流接続を含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、プリント回路板は、例えば、やはりプリント回路板上に置かれている発光ダイオード用の電源などの、電子回路を含む。電子回路をより小さなユニットまたはプリント回路板上に分散させることは非常に有利な場合がある。1つの電源が損傷した場合に、より小さなユニットまたはプリント回路板だけを、損傷した構成要素と交換する方が、複数の機能構成要素を含む、1つの大きなプリント回路板を交換するよりも安価である。
【0074】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、プリント回路板上の直流電流接続を、例えば、発光ダイオードに直接または間接に電力を伝達するため、またはプリント回路板上の電子回路を制御するための制御信号を伝送するためのプラグまたはソケットとして、実施してもよい。この制御信号は、電源またはリレーを制御して、発光ダイオードをオンにしたりオフにしたりすることができる。
【0075】
本発明の一実施形態において、前記解除可能なロック機構は、前記光源ベッドに移動可能に接続されている。
本発明の有利な一実施形態によれば、解除可能なロック機構を1つの位置から別の位置に向きを変えるか、または任意の方法で動かすことができる。このことは、プリント回路板を挿入するか、または光源ベッドから取り外すときには有利である。
【0076】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、解除可能なロック機構を光源ベッドから取り外すことができる。
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、解除可能なロック機構、プリント回路板誘導手段、および光源誘導手段の間の相互作用によって、発光ダイオードの光軸と入力光学系の光軸との一致が助長される。
【0077】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、光源ベッドは誘導手段を含み、この誘導手段は光源ベッド内に穴を含んでもよい。発光ダイオードに関して、プリント回路板誘導手段は、光源ベッド誘導手段と相互作用するように適合させて置いてもよい。プリント回路板誘導手段は、発光ダイオードが搭載されている、プリント回路板上の例えば、棒材としてもよい。したがって、発光ダイオードに関係する棒材が光源ベッド内の穴に設置されるときに、発光ダイオードの光軸が入力光学系の光軸に整合される。解除可能なロック機構を使用して、発光ダイオードと関係する棒材が、光源ベッド内の穴の中に固定されることを確実にしてもよい。
【0078】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、誘導手段は、例えば、発光ダイオードが取り付けられているプリント回路板上の発光ダイオードと関係する、幾何図形を有してもよい。これらの幾何図形は、光源ベッド内の幾何図形に合うように適合して、発光ダイオードの光軸と入力光学系の光軸との整合を確実にするようにされている。そのような幾何図形には、発光ダイオードまたは発光ダイオードが取り付けられるプリント回路板に合うように適合された、光源ベッド内の凹部またはノッチを含めることができる。
【0079】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードおよび/またはプリント回路板に関係して説明した誘導手段を、光源ベッドと関係して使用してもよい。同様にして、光源ベッドと関係して説明した誘導手段を、発光ダイオードおよび/またはプリント回路板と関係して使用することができる。
【0080】
本発明の一実施形態においては、発光ダイオードの光軸および入力光学系の光軸の整合の誤差が20μm未満である。
本発明の一実施形態において、前記光源ベッド、前記露光システムまたは前記プリント回路板は、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸の位置、または前記入力光学系の光軸の位置の調節のための調節機構を含む。
【0081】
本発明の有利な一実施形態によれば、光源ベッドにプリント回路板を調節する機構を設けてもよく、またはプリント回路板に発光ダイオードを手動または電気的に調節するための機構を設けてもよい。例えば、発光ダイオード、またはプリント回路板が交換されるとともに、例えば、測定によって発光ダイオードの光軸が入力光学系の光軸と完全には一致していないことがわかったとき、2つの光軸が一致するまで、発光ダイオードまたはプリント回路板を較正できることが有利である場合がある。代替的に、露光システムの要素を、入力光学系および/または出力光学系のように調節してもよい。
【0082】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、プリント回路板上に搭載された発光ダイオードは、立体リソグラフィ装置以外の別の場所で較正してもよい。
さらに、本発明は、請求項25〜34のいずれかに記載の装置の使用によって感光材料から3次元対象物を製造する方法に関する。
【0083】
本発明の一実施形態において、前記露光システムは、前記感光材料全体にわって走査される。
本発明の有利な一実施形態によれば、露光システムは感光材料の全体にわたって走査される。空間光変調器は、露光システムが感光材料の全体にわたって走査されるときに、光をパターン化して感光材料上の1つまたは複数の照明スポットを硬化させる。露光システムは、構築しようとする対象物の層毎に少なくとも1回、感光材料全体にわたって少なくとも部分的に走査される。
【0084】
本発明の一実施形態において、発光ダイオードの数は、空間光変調器の数以下である。
本発明の有利な一実施形態によれば、1つの特定の発光ダイオードが1つの特定の空間光変調器の専用とされる。このことは、空間光変調器の1つからのパターン化された光が対象物の一層を構築するのに使用する必要がない場合には、1つの発光ダイオードを完全にオフにすることができるようになるので、非常に有利な場合がある。1つの発光ダイオードをオフにすることは、エネルギー消費に加えて熱の生成を低減する。
【0085】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードと空間光変調器の関係は、1対1の関係である。この1対1の関係は、高度な融通性を与え、例えば、露光システムが、個々の空間変調器のそれぞれをオンまたはオフにすることを可能にする。
【0086】
本発明の一実施形態において、発光ダイオードの数は、空間光変調器の数に等しい。
本発明の有利な一実施形態によれば、露光システムからの放出光の強度を増大させるために、2つ以上の発光ダイオードが使用される。光の強度を増大させると、感光材料全体にわたる、露光システムの走査速度を増大させることができる。
【0087】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードは、レーザーダイオード、紫外線発光ダイオードなどと同等としてもよい。さらに、発光ダイオードに匹敵する、将来的に開発される任意のダイオードまたは光源を使用してもよい。
【0088】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、発光ダイオードからの光をパターン化するのに使用される空間光変調器は、マイクロ光スイッチ、液晶ディスプレイ、ディジタルマイクロミラー装置などと同等にしてもよい。
【0089】
本発明の一実施形態において、前記入力光学系は、マイクロレンズの少なくとも1つの配列を含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、入力光学系は、少なくとも部分的にマイクロレンズの配列としてもよい。マイクロレンズの配列は、例えば、発光ダイオードからの光を空間光変調器の開口に集束させるのに使用してもよい。
【0090】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、入力光学系には、発光ダイオードからの光を視準する視準光学系を含めてもよい。さらに、入力光学系の機能に応じて、追加の光学系を入力光学系に含めてもよい。
【0091】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、入力光学系には、マイクロレンズおよび/または光学系のモジュールを含めてもよく、これによって、露光システムが2つ以上の空間光変調器を含む場合には、各空間光変調器を1つの入力光学モジュールに取り付けることができる。
【0092】
本発明の一実施形態において、前記入力光学系は、少なくとも1つの視準レンズを含む。
本発明の一実施形態において、前記入力光学系は、発光ダイオードからの光を、複数の異なるビームに分割することを可能にする。
【0093】
本発明の有利な一実施形態によれば、入力光学系からの複数のビームは、1つまたは複数の空間光変調器の開口と1対1の関係にある。このことは、発光ダイオードからのすべての光を、感光材料を照明するのに使用できるようになるので、非常に有利である場合がある。
【0094】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、入力光学系からの複数のビームは、1つまたは複数の空間光変調器の開口の数を超える。空間光変調器内の開口よりも入力光学系からのビームの数を多くすると、入力光学系が厳密には空間光変調器に適合しなくなるので、入力光学系に融通性が付加される。したがって、入力光学系からの追加のビームは、例えば、発光ダイオードからの光の強度を測定するのに使用することができる。
【0095】
本発明の一実施形態において、前記出力光学系は、マイクロレンズの少なくとも1つの配列を含む。
本発明の有利な一実施形態によれば、少なくとも1つの空間光変調器からのパターン化された光は、例えば、感光材料上の照明スポットにおける光の最大強度を確保するために、前記マイクロレンズの配列によって光学材料上に集束される。
【0096】
本発明のさらに有利な一実施形態によれば、出力光学系には、マイクロレンズおよび/または光学系のモジュールを含めてもよく、これによって、露光システムが2つ以上の空間光変調器を含む場合には、各空間光変調器を1つの出力光学モジュールに取り付けることができる。
【0097】
本発明の有利な一実施形態においては、光が空間光変調器の開口上に集束される。すると、空間光変調器は、光変調器群によって集束された光のパターンを確立する。次いで、この空間光変調器からのパターン化された光は、出力光学系によって表面感光材料上の照明スポット内に集束される。
【0098】
本発明の一実施形態において、前記装置は、前記発光ダイオードの1つまたは複数から放出された光を前記空間光変調器中に誘導する、光誘導手段を具備し、前記光誘導手段は光ファイバの形態である。
【0099】
本発明の有利な一実施形態によれば、発光ダイオードは、空間光変調器からある距離に物理的に設置されており、このために、発光ダイオードから空間光変調器に光を誘導するのに、例えば光ファイバ(例えば、ガラス、プラスチック、その他で製作された)などの光ガイドを使用するのが非常に有利である。
【0100】
さらに有利な一実施形態によれば、光ガイドは入力光学系の一部としてもよく、これによって、光ガイドは、光が空間光変調器によって容易にパターン化されるように、光を、例えば成形、整合または誘導することができる。
【0101】
本発明の一実施形態において、前記露光システムは立体リソグラフィ装置の一部であり、前記立体リソグラフィ装置は槽(V)を具備する。
本発明の有利な一実施形態において、感光材料は、槽内に収納されている。感光材料を収納する槽内で、構築プレートを上下させ、これによって露光システムが槽内の構築プレートの全体にわたって走査するときに、対象物の新規の層が硬化される。
【0102】
本発明の一実施形態において、前記制御ユニットは、前記露光システムを制御することを可能にする。
本発明の有利な一実施形態において、発光ダイオードおよび空間光変調器は、制御ユニットによって制御される。さらに、露光システムは、制御ユニットによって較正してもよい。
【0103】
さらに、本発明は、請求項1〜7、10〜20、25〜34、または37〜45のいずれかに記載の装置における、感光材料の使用に関する。
さらに、本発明は、請求項1〜7、10〜20、25〜34、または37〜45のいずれかに記載の装置において、感光材料を硬化させる方法に関する。
【0104】
さらに、本発明は、請求項8または9、21〜24、あるいは35〜36のいずれかに記載の方法によって製作される、3次元対象物に関する。
さらに、本発明は、請求項1〜7、10〜20、25〜34、または37〜45のいずれかに記載の装置を使用することによって製作される、3次元対象物に関する。
【0105】
さらに、本発明は、請求項49および50に記載の3次元対象物に関する。
次に、以下の図を参照して本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】立体リソグラフィ装置の簡略横断面図を示す図である。
【図2】本発明の一態様による、露光システムを示す図である。
【図3A】露光システムの照明源の簡略横断面図を示すである。
【図3B】露光システムの照明源の簡略横断面図を示すである。
【図3C】露光システムの照明源の簡略横断面図を示すである。
【図3D】露光システムの照明源の簡略横断面図を示すである。
【図3E】露光システムの照明源の簡略横断面図を示すである。
【図4】照明源を備えるプリント回路板の簡略横断面図である。
【図5A】発光ダイオードからの光を整合させる一例を示す図である。
【図5B】発光ダイオードからの光を整合させる一例を示す図である。
【図5C】発光ダイオードからの光を整合させる一例を示す図である。
【図6】露光システムを測定し、制御する一例を示す図である。
【図7A】発光ダイオードを交換する一例を示す図である。
【図7B】発光ダイオードを交換する一例を示す図である。
【図8】本発明の一態様による、立体リソグラフィ装置の例を示す図である。
【図9】本発明の一態様による、立体リソグラフィ装置のさらに別の例を示す図である。
【図10】本発明の一態様による、立体リソグラフィ装置のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
3次元対象物の製造のための本発明による装置の使用において、感光材料LSMが、対象物を形成する材料として使用される。当業者であれば、この目的に対して好適な様々な種類の感光材料を知っているであろう。
【0108】
図1は、本発明の一態様による3次元対象物OBを構築するための、立体リソグラフィ装置SAの簡略横断面図を示す。3次元対象物OBは、露光システムESからの光に晒されるときの感光材料LSMの硬化によって、層別(layer−wise)に構築される。
【0109】
立体リソグラフィ装置SAは、1つまたは複数の3次元対象物OBがその上に構築される、構築プレートBPを備える。構築プレートBPは、エレベータELを用いて、感光材料LSMを含む槽V中に、垂直方向に移動される。塗り重ね装置RECは、本発明の一態様によると、感光材料LSMの新規な層の全体にわたって走査されて、新規の層の均一性を確保する。
【0110】
前記の説明によれば、3次元対象物OBは、露光システムESからのパターン化された光に、感光材料LSMの層を晒させることによって構築される。感光材料LSMの層は、それが晒される光のパターンに応じて硬化する。第1の層が硬化すると、感光材料LSMの新しい上部の層を定着させるために、硬化した3次元対象物OBの第1の層を備える構築プレートBPが槽V中に下げられて、塗り重ね装置RECが感光材料LSMの層の全体にわたって走査する。次いで、露光システムESを、再び感光材料LSMの全体にわたって走査させて、3次元対象物OBの新規の層を硬化させる。
【0111】
上述したように、立体リソグラフィ装置SAは、露光システムESを具備する。この露光システムESは、照明源IS(図示せず)および照明ユニットIU(図示せず)を含む。露光システムESの少なくとも一部が、走査方向SDに感光材料LSMの全体にわたって走査される。
【0112】
本発明の一態様においては、槽Vは、車輪などの槽Vの移動手段、レール、軌道(track)、フォークリフトなどとの相互作用物(interactions)を装備していてもよい。これによって、槽Vは、立体リソグラフィ装置SA内に位置して取り外しが可能となり、例えば、槽Vに感光材料LSMを再充填するため、または構築プレートBPから3次元対象物OBを容易に取り外すために、開口OPを介してアクセスが可能である。
【0113】
なお、例えば、図示したエレベータELまたはその他の装置を用いて、構築プレートVPを動かす代わりに槽Vを垂直に動かすことも可能であることに留意されたい。
本発明の一態様によれば、3次元対象物OBのディジタル層別表現を、インターフェイスユニットIFUを介して、立体リソグラフィ装置SAに提供することができる。このインターフェイスユニットIFUには、例えば、キーボードまたはポインタなどの入力インターフェイスおよび、例えば、スクリーンまたはプリンタなどの出力インターフェイスを含めて、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)、WLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)、シリアル通信などのインターフェイスを介して通信を処理してもよい。さらに、インターフェイスユニットIFUには、データプロセッサ、メモリ、および/またはデータの永久記憶の手段を含めてもよい。
【0114】
図2は、本発明の一態様による、露光システムESの要素の簡略横断面図を示す。本発明のこの態様によれば、露光システムESの要素は、照明源ISおよび照明ユニットIUである。
【0115】
本発明の一態様によれば、照明源ISは、少なくとも1つの発光ダイオードLDを含み、本発明のさらに別の態様においては、照明源ISはまた、反射器(図示せず)も含む。本発明のさらに別の一態様においては、照明源ISはさらに光学系を含み、この光学系は入力光学系IOの一部としても、またはそうでなくてもよい。この光学系は、例えば、発光ダイオードLDからの光の視準の一部としてもよい。様々な照明源ISを、反射器および光学系と組み合わせるか、そうしないで、またはその任意の組合せによって使用してもよい。
【0116】
発光ダイオードLDは、本発明の一態様によれば、空間光変調器SLMと1対1の関係で位置してもよい。したがって、1つの発光ダイオードLDが、空間光変調器SLMの光変調器群LMの少なくとも一部を照明している。そのような1対1の関係によって、発光ダイオードの光軸OALDを、少なくとも一部の入力光学系の光軸OAOPと一致させることを助長することができる。
【0117】
本発明の好ましい態様によれば、発光ダイオードLDは、空間変調器SLMの上方に位置しており、その結果として少なくとも1つの空間変調SLMの変調器群LMの少なくとも一部が、発光ダイオードLDからの光によって照明される。
【0118】
本発明のさらに別の態様によれば、発光ダイオードLDから少なくとも1つの空間変調器SLMの光変調器群LMの少なくとも一部に光を伝送するのに光ガイドが必要となるように、照明源IS、したがって発光ダイオードLDを配置してもよい。そのような光ガイド、例えば、(例えば、ポリマー、プラスチック、ガラスなどで製作された)光ファイバ、光学系、レンズ配列、反射器、などを備えてもよい。
【0119】
発光ダイオードLDは、周知の任意の種類のもの、またはその任意の開発品とすることができる。本発明の一態様によれば、発光ダイオードLDは、例えば、レーザーダイオード、紫外線ダイオード、または電磁放射線の形態の光を放出する、その他任意の光源とすることができる。
【0120】
空間光変調器SLMは、複数の個々の光線を確立し、複数の照明スポットISPを照明して、合わせて照明領域を形成する。
この明細書および添付の特許請求の範囲の文脈の範囲では、「照明領域」の用語は、個々の光線の照明スポットISPとも呼ばれる、ある数の焦点位置によって定義される、近似的な面を意味する。
【0121】
照明領域は、3次元対象物OBのディジタル層別表現に従って、感光材料LSMの表面上に近似面を形成することができる。
本発明の一態様によれば、露光システムESは、ディジタル層別表現によるパターン内の感光材料LSMを硬化させて、それによって3次元対象物OBを形成する。
【0122】
本発明の一態様によれば、感光材料LSMは、発光ダイオードLDの選択に対する決定要因となることがある。通常、感光材料LSMは、200〜100000nmの波長を有する高強度の光で露光または照明されると、硬化する。通常、300〜400nmの間の中心周波数の波長を有する光が、好ましい種類の感光材料LSMを硬化させるのに最も適している。勿論のこと、特殊な感光材料LSMが必要な場合には、前記以外の波長の光を使用してもよい。
【0123】
その他の要因も、発光ダイオードLDの選択に対して決定的になることがある。そのような要因は、例えば、特定の波長の光に晒されると損傷を受けることのある、光学系または空間光変調器SLMである場合がある。1つの具体的な例は、ポリマーで被覆されて、高強度の光で露光されるか、または低強度の光でより長時間、露光される光学系であり、250nm未満の波長においては、光学系の寿命は大幅に減少する。
【0124】
なお、感光材料LSMは、例えば室内の拡散光分布からの、広域スペクトル光に晒されるときにも硬化するが、その理由は、部屋の拡散光分布は、感光材料LSMが反応する波長の光を含むことが多いためである。そのような迷光による感光材料LSMの硬化は、その速度が遅く、制御ができないために、望ましくない。
【0125】
本発明の一態様によれば、発光ダイオードLDから放出される光の強度は変化することがある。強度が高くなるほど、感光材料LSMを硬化光に晒さなければならない時間は短くなる。これによって、感光材料LSMの上を走査する露光システムESの速度は速くなる。勿論のこと、感光材料LSMの種類、空間光変調器SLMにおける応答時間などの、その他の要因も走査速度に決定的である。
【0126】
本発明の一態様によれば、照明ユニットIUは、入力光学系IO、少なくとも1つの空間光変調器SLM、および出力光学系OOを備える。このために、照明源ISからの光は、入力光学系IOを用いて視準され、集束されて、空間光変調器SLMによってパターン化され、出力光学系OOによって感光材料上に集束される。
【0127】
この光は、少なくとも1つの空間光変調器SLMの開口群の少なくとも一部に集束される。次いで、この少なくとも1つの空間光変調器SLMは、出力光学系OO上にパターン化された光を確立し、この出力光学系OOは、パターン化された光を、再び感光材料LSM上の照明スポットISP上に集束させる。
【0128】
なお、光のパターンはまた、空間光変調器SLMの個々の光変調器群LMのすべてが、空間光変調器SLMのすべての開口を光に通過させるか、またはいずれの光も空間光変調器SLMの開口を通過させない位置にある状況も含むことに留意すべきである。
【0129】
本発明の好ましい一態様によれば、立体リソグラフィ装置SAは、64を超える空間光変調器SLMを備える。なお、本発明の一態様による立体リソグラフィ装置SAは、空間光変調器SLMの量に関して非常に柔軟であることに留意すべきである。このために、空間光変調器SLMの数は、1から、例えば100を超える数までの間で変化することに留意すべきである。
【0130】
本発明の一態様によれば、個々の空間光変調器SLMは、4つのモジュールに結合してもよい。このために、本発明の好ましい一態様によれば、4個を超える空間光変調器SLMが必要なときには、2つ以上のモジュールを組み合わせて露光システムESを形成する。これに関して、照明源ISを、例えば、4つの発光ダイオードLDの照明源モジュールを備える、空間光変調器SLMのモジュールに適合させてもよい。
【0131】
本発明の一態様によれば、各空間光変調器SLMは、500個の個別に制御可能な光変調器群LMを備える。勿論、500個の個別に制御可能な光変調器群LMと異なる、ときには大幅に異なる数の空間光変調器SLMを使用してもよい。図を簡略化するために、本明細書を通して、図には、前述のように500個を超えることもあるが、例えば4つの光変調器群を備える空間光変調器SLMだけを示してある。
【0132】
本発明の一態様によれば、入力光学系IOは、例えば、視準光学系CO、例えばマイクロレンズ配列MLの形態の焦点光学系、レンズ類などを含む、レンズシステムを含む。マイクロレンズMLの一例は、例えば、ポリマー層をその上に堆積させた、ガラスのプレートである。次いで、ポリマー層は、空間光変調器SLMの一開口の直前に1つの球形面を与えるように成形される。
【0133】
視準光学系COは、発光ダイオードLDからの光の方向を整合するために使用され、このために視準光学系COからの出力を形成する光は、好ましくは平行である。視準光学系COの導入は、露光システムESに大きな光学損失を導入する可能性がある。さらに、発光ダイオードLDからの光の意図しないフィルタリングが導入されることがある。前述の損失およびフィルタリングの効果として、本発明の一態様においては、発光ダイオードから放出される光の全部が、視準光学系COの後に存在するわけではないことになる。発光ダイオードLDの光放出領域LEから放出される光の損失が50%を超えることは、当該技術においてよく知られている問題である。この理由によって、放出された光を整合して視準できることは重要である。
【0134】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、「平行」の用語は、厳密に数学的な意味で平行であると解釈すべきではない。そうではなく、上記の用語は、物理的に可能な制限の範囲内の精度を有する平行であると解釈すべきものとする。
【0135】
説明したように、入力光学系10はまた、例えばマイクロレンズMLの配列の形態での焦点光学系を含むことがある。マイクロレンズMLの機能は、視準された光を、少なくとも1つの空間光変調器SLM上に集束させることである。以下に説明するように、前記の少なくとも1つの空間光変調器SLMは、複数の開口を含み、マイクロレンズMLが視準された光を集束させるのは、これらの開口上か、またはそれらを下方に通過させてである。本発明の一態様によれば、開口の大きさは、20〜40μmの間であるが、好ましくは30μmである。
【0136】
図2は、入力光学系10がマイクロレンズMLの1つの配列のみを含み、視準光学系COが1つの光学構成要素だけを含む、本発明の一態様を示す。
入力光学系は、最初に、光学構成要素(視準光学系COとも呼ばれる)の第1段階によって光を視準し、次いで、例えばマイクロレンズMLの形態における光学構成要素の第2段階によって、その光を集束させる。光学構成要素は、例えば、鏡または一重レンズ、二重レンズまたは非球形レンズなどの光学構成要素の任意の組合せである。
【0137】
勿論のこと、本発明に関して、マイクロレンズMLおよび視準レンズCOの異なる種類と数の組合せも使用することができる。本発明の好ましい態様において、視準光学COは4つのレンズを含む。視準光学系COおよびマイクロレンズMLを実装する1つの理由は、発光ダイオードLDから放出される光の効率を最適化するためである。さらに、視準光学系COおよび/またはマイクロレンズMLの少なくとも一部を、照明源IS内に含めてもよいことに留意すべきである。
【0138】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの空間光変調器SLMを使用して、視準されて集束された光を、感光材料LSM上の照明スポットISP上にパターン化してもよい。少なくとも1つの空間光変調器SLMは、光スイッチ、光バルブ、マイクロシャッターなどとも呼ばれる、複数の個々の光変調器群LMを含む。
【0139】
本発明の一態様によれば、個々の制御可能な光変調器群LMは、制御ユニットCUによって制御される。制御ユニットCUは、構築しようとする3次元対象物のディジタル層別表現に従って、露光システムESを制御してもよい。図示した制御ユニットCUは、発光ダイオードLDおよび少なくとも1つの空間光変調器SLMの個々の制御可能な光変調器群LMを制御してもよい。
【0140】
本発明の一態様によれば、発光ダイオードLDを制御することは、例えば、対象物の小さい部分だけ、または小さい対象物を構築しようとする場合に、発光ダイオードLDをオフにすることを意味し、これによって、露光システムESに含まれる少なくとも1つの空間光変調器SLMからのパターン化された光を必要としない。
【0141】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの空間光変調器SLM内の光変調器群LMの制御は、パターンに従って光変調器群LMをアドレス指定することによって行ってもよい。パターンは、構築しようとする3次元対象物の一層を表わすことができる。
【0142】
本発明の一実施形態において、図示された制御ユニットCUは、露光システムES以外の立体リソグラフィ装置SAのその他の部分も制御してもよい。代替的に、制御ユニットCUは、立体リソグラフィ装置SAに関するその他の制御システムに含めてもよい。
【0143】
本発明の一態様によれば、立体リソグラフィ装置SAには、構築しようとする3次元対象物のディジタル層別記述を供給してもよい。3次元対象物の層別記述には、3次元対象物が構築工程中に支持を必要する場合には、支持構造を含めてもよい。3次元対象物の各層に対して、露光システムESが、感光材料LSMの全体にわたって走査されて、3次元対象物の個々のディジタル層別記述が、空間光変調器SLMからの光のパターンを決定する。
【0144】
本発明の一態様によれば、出力光学系OOは、空間光変調器SLMからのパターン化された光を、感光材料LSMの表面上の1つまたは複数の照明スポットISP上に集束させる。入力光学系IOと同様に、出力光学系OOには、2つ以上のレンズシステム、例えば2つ以上のマイクロレンズMLの配列を含めてもよい。
【0145】
本発明の一態様によれば、照明スポットISPは、感光材料LSMの表面上に位置する焦点位置としてもよい。なお、照明スポットISPはまた、感光材料LSMの表面下に配置してもよいことに留意すべきである。
【0146】
本発明の一態様によれば、照明スポットISPの大きさは、80から120μmの間、好ましくは100μmである。
図3A〜Eは、本発明の一態様による、照明源IS内に位置する発光ダイオードLDの発光領域LEの原理を示す。図3A〜Eに図示した実施形態は、照明源IS内で使用される発光ダイオードLDの背景にある可能な原理の一部を図示している。図3A〜Eの実施形態のそれぞれは、発光領域LE、光を放出している発光ダイオードLDの一部を示している。
【0147】
本発明の一態様によれば、照明源ISにおいて使用される、好ましい発光ダイオードLDは、発光領域LEを覆う、例えば、ポリマー材料、ガラス材料またはプラスチック材料のカバー(図示せず)を有する。このカバーは、発光領域LEから放出される光の予備集束光学系および/または予備視準光学系として使用してもよい。これによって、本発明の一態様によると、このカバーは、図2と関係して上述した視準光学系COの一部としてもよい。
【0148】
図3Aは、発光領域LEから放出される光の配光角度が、発光ダイオードの光軸OALDから60度である、本発明の一実施形態を示す。
図3Bは、発光領域LEから放出される光の配光角度が、発光ダイオードの光軸OALDから90度である、本発明の一実施形態を示す。
【0149】
図3Cは、発光領域LEから放出される光の配光角度が、発光ダイオードの光軸OALDから60度であり、かつ反射器REが発光領域LEから放出される光の少なくとも一部を反射する、本発明の一実施形態を示す。反射器REを挿入することは、いくつかの目的に役立つ。まず第1に、反射器REは、発光領域LEから放出される光を、少なくとも部分的に同一方向に向けるのを助長する。このために、反射器は、発光領域LEからの光の予備整合手段または予備視準手段とみなすことができる。第2には、発光領域LEからの光を、その光のさらなる処理を容易にする特定の方向に反射するように、反射器REを成形または設計することができる。さらに、反射器REを使用すると、発光ダイオードLDの後側から入る迷光を低減することができる。
【0150】
図3Dは、発光領域LEから放出される光の配光角度が、発光ダイオードの光軸OALDから90度であって、かつ反射器REが発光領域LEから放出される光の少なくとも一部を反射する、本発明の一実施形態を示す。
【0151】
図3Eは、発光領域LEの両側から光軸OALDから最大90度までの配光角度で、光が放出される、本発明の一実施形態を示す。発光領域LEから光が放出されない領域AEが図示されているが、これは発光領域LEの横方向の側部SIから光を放出する発光ダイオードLDを構築することが非常に難しいことを示すためである。そのような発光ダイオードが構築されると、そのような発光ダイオードの側部SIから放出される光の少なくとも一部を利用することが可能となるであろう。
【0152】
本発明の一態様によれば、発光ダイオードLDの発光中心LEは、反射器REの焦点位置にできる限り近くに置かれる。
図3C〜3Eに関して、反射器を実装することによって、発光ダイオードLDの発光領域LEから放出される光の最適利用ができる。このために、これらの実施形態においては、例えばmW、mA、mVなどで測定される、加えられた電力量当たり、より多数の光子を、発光ダイオードLDから利用することができる。
【0153】
反射器REは、発光ダイオードLDの一体化部分とするか、または発光ダイオードLDの外部に設置してもよい。後者の場合には、反射器REは、照明源ISの一部としてもよい。さらに、図から解釈される可能性があるように、反射光のすべてが平行であるとは限らないことに留意されたい。
【0154】
本発明のさらに別の実施形態(図示されていない)においては、照明源ISには、内部反射器を有する発光ダイオードLDを備えてもよく、この内部反射器は、発光ダイオードLDの外部の反射器と一緒に、発光ダイオードLDから放出される光を反射する。
【0155】
なお、図3A〜3Eに関して、発光ダイオードLDから放出される光の配光角度は、前述の60度および90度から変化することがある。したがって、本発明の態様によれば、配光角度はより小さく、例えば、発光ダイオードの光軸OALDから、30度またはさらに10度まで下がる。
【0156】
なお、図3A〜3Eに関して、発光ダイオードLDの発光領域LEだけが図示されており、したがって、例えば固定接続(fixation)や、直流電流接続のいずれも図示されていない。
【0157】
なお、図3A〜3Eに関して、光学系(図示せず)を、発光ダイオードの直後に、例えば、照明源ISの一部として挿入してもよい。そのような光学要素(図示せず)は、発光ダイオードLDからの光を視準する視準光学系COの一部とするのが好ましいが、単に、発光ダイオードLDからの光を集束させるのに使用してもよい。
【0158】
本発明の一態様によれば、発光ダイオードLDおよび例えば光学系を含む照明源ISは、図4に示すようにプリント回路板PCB上に搭載されている。図4の図解は、立体リソグラフィ装置SAにおける照明源ISの実装を行う、1つの方法を示しているだけである。
【0159】
図示されているように、少なくとも1つの発光ダイオードLDが、プリント回路板PCBに制御信号および/または電力を供給するための、電子回路EL、冷却手段CM、および少なくとも1つのソケットSOと一緒に、プリント回路板PCB上に搭載されている。
【0160】
本発明の一態様によれば、プリント回路板PCBには、プリント回路板PCB上に配置される少なくとも1つの発光ダイオードLDへの電源を含めてもよい。さらに、発光ダイオードLDに供給される、例えば、電流または電圧を制御するための制御電子系の少なくとも一部も、プリント回路板PCB上に置いてもよい。
【0161】
電子回路ELがプリント回路板PCB上に搭載されている、本発明の実施形態においては、プリント回路板PCBもソケットSOを備えることが好ましい。これによって、例えば、プリント回路板PCBに電力または制御信号を供給する配線Wの取り外しが容易になり、したがって、プリント回路板PCBを立体リソグラフィ装置SAから取り外すのが容易になる。このことは、例えば、電子回路ELの一部が損傷を受けて、プリント回路板PCBを交換または修理する必要がある状況において、有利となることがある。
【0162】
ここで、勿論のこと、ソケットSOを使用することなく、プリント回路板PCBに電力および/または制御信号を供給することは可能であり、1つの例としては、プリント回路板PCB上に直接的に配線を装着することであることに留意すべきである。
【0163】
発光ダイオードLDが発光しているときには、それらは熱Hを生成しており、したがって、プリント回路板PCBに冷却手段CMを設けて、プリント回路板PCB上に、またはそれと関連して、搭載された構成要素に損傷を与えるのを防止することが必要な場合がある。さらに、発光ダイオードLDからの熱Hは、また、加熱されると膨張する、例えば、鉄におけるように、異なる材料における構造変化を起こさせて、システムの精度に影響を与えることがある。
【0164】
本発明の一実施形態において、冷却手段CMは、共に作用して、プリント回路板PCB上に搭載された構成要素の冷却を最適化する、異なる装置の組合せとしてもよい。
1つの装置としては、プリント回路板PCBから熱Hを移送するために最適化された1つまたは複数の冷却表面CSとすることもできる。1つまたは複数の冷却表面CSには、1つまたは複数の冷却表面CSの間に空気を循環させるファンFAをさらに設けてもよい。例えば、1つまたは複数の発光ダイオードLDから熱を除去するための追加の装置としては、1つまたは複数の発光ダイオードLDから冷却表面CSへとプリント回路板PCBを通過する冷却チャネルCCである。勿論のこと、上記のもの以外の他の冷却装置または要素を冷却手段CMに適用して、プリント回路板PCB上の構成要素からの熱Hの除去を最適化してもよい。そのようなさらなる要素としては、例えば、プリント回路板PCBから熱Hを除去するための、冷却ペースト、冷却水または冷却金属も考えられる。さらに、プリント回路板PCBの温度またはその上の温度を制御するために、冷却手段CMと関連させて、いくつかのペルチエ(Peltier)モジュールを使用してもよい。なお、1つまたは複数のペルチエモジュールで、プリント回路板PCBの温度またはその上の温度を制御するのに十分である場合もあることに留意すべきである。
【0165】
さらに、プリント回路板は、プリント回路板誘導手段PCBGによって改善してもよい。これらのプリント回路板誘導手段PCBGは任意選択にすぎず、これらのプリント回路板誘導手段PCBGがプリント回路板PCBの部分を形成するかどうかは、それらが必要な場合には、プリント回路板PCB上でのそれらの厳密な場所は、露光システムES内でプリント回路板PCBを搭載するシステムまたは方法に依存する。これは、図7Aおよび7Bに関連してより詳細に開示される。
【0166】
媒体のポイント照明の方法および照明ユニットの例、および光を視準して、本発明の実施形態に従って照明する方法は、例えば、参照により本明細書に組み入れてあるWO98/47048に記載されている。
【0167】
本発明の実施形態による、光バルブ配設を介して少なくとも1つの照明面を照明するように配設された、光ガイドの形態の、複数の発光器を含む、照明ユニットおよび媒体のポイント照明の方法の例は、例えば、参照により本明細書に組み入れてあるWO98/47042に記載されている。
【0168】
完全に、または部分的に感光性の材料を含む、横断面の付加処理によって3次元対象物を製造する、迅速プロトタイプ作成装置の一例が、参照により本明細に組み入れてあるWO00/21735に記載されている。この装置は、個々に制御可能な光変調器群の少なくとも1つの空間光変調器によって、感光材料の横断面を照明するための少なくとも1つの光源を含み、この少なくとも1つの光源は、各光ガイドが横断面の小領域を照明するように、空間光変調器配設に対して配列された複数の光ガイドと結合されている。
【0169】
図5A〜5Cは、露光システムESが、発光ダイオードの光軸OALDから最大90度まで放出される、発光ダイオードLDからの光を利用する、本発明の第1の態様を示す。
本発明の第1の態様の範囲は、発光ダイオードLDから放出される光をできる限り利用することである。発光ダイオードLDの発光領域LEからの光の配光角度は、照明源ISにどの種類の発光ダイオードが使用されているかによって変化する。したがって、発光ダイオードLDのいくつかの種類は、例えば、発光ダイオードの光軸OALDから20度未満の配光角度で、高度に集束された光を放出することができる。他方で、その他の種類の発光ダイオードLDは、発光ダイオードの光軸OALDから60度を超える配光角度で拡散光を放出することができる。
【0170】
本発明の第1の態様によれば、露光システムESにおいて、例えば発光ダイオードの光軸OALDから20度未満の配光角度で集束された光を放出する、発光領域LEが使用される。したがって、当業者であれば、放出光の大部分を利用することができる。図5Aは、発光領域LEからの光が発光領域LEから第1の光学レンズOPに向かって直接的に向けられる、本発明の第1の態様による照明源ISを示す。発光ダイオードLDからの光が、放出されるときに比較的に集束されているので、その光が視準光学系に入るまでに、その光を成形する整合光学系を含める必要がないこともある。したがって、第1の光学レンズOPは、発光ダイオードLDからの光を視準する、視準システムの一部としてもよい。このために、本発明のこの態様によれば、光の損失は最小化され、そのような損失は、露光システムESの簡単な構築が理由で、例えば、反射器、光学系などに由来する可能性がある。
【0171】
上記のように、配光角度が広くなるほど、発光ダイオードLDから放出される光の大部分を利用することがより複雑になる。したがって、本発明のさらなる態様によれば、発光ダイオードLDが、発光ダイオードの光軸OALDから例えば60度を超える配光角度で発光しているときに、光の少なくとも一部を利用するための処置を講じなければならない。
【0172】
そのような処置とは、例えば、図5Bに示すように、1つまたは複数の反射器、光学系、などを含めることである。ここで、反射器は、発光領域LEからの光の少なくとも一部を第1の光学レンズOPの方向に誘導する。本発明の一態様によれば、この第1の光学レンズOPは、例えば、焦点光学系、視準光学系、などである。
【0173】
したがって、図5Aおよび5Bに示された照明源ISは、発光ダイオードLDからの光を第1の光学レンズOPに向かって整合させるように適合された複数の異なるシステムの中の2つである。図に示すように、その他の照明源ISを、入力光学系IOに向けて光を整合/誘導することの一部として、発光ダイオードLDの保護体Pを含めて、使用してもよい。どの照明源ISが好ましいかの選択は、発光ダイオードLDの選択に依存し、発光ダイオードLDからの有用な光の量を最適化するために光学系、反射器、光ガイドなどの任意の組合せを使用してもよい。
【0174】
本発明の一態様によれば、図5Bおよび5Cに示された反射器REは、発光ダイオードに対して内部または外部にあってもよい。さらに、内部および外部の反射器REの組合せを、発光ダイオードLDからの光の利用を最適化するために使用してもよい。
【0175】
図5Cに示された照明源ISは、発光領域LEの保護体P、反射器RE、および光を直接的に整合させる第1の光学系の組合せを含む。図5Cに示す本発明のこの態様は、直接的に整合された光は、入力光学系IOの方向に向けられることを示している。
【0176】
入力光学系IOは、視準光学系COおよび少なくとも1つのマイクロレンズ配列MLの形態の焦点光学系として図示された、1つまたは複数の視準レンズを含む。
この少なくとも1つのマイクロレンズ配列MLは、視準された光を、空間光変調器SLMを通過して集束させ、この空間光変調器SLMは、個々の制御可能な光変調器群LMによって、光のパターンを確立する。この光のパターンは、少なくとも1つのマイクロレンズMLの配列によって、出力光学系OOに向けられる。次いで、出力光学系は、光のパターンを感光材料LSMの表面上の照明スポットISP中に集束させる。
【0177】
制御ユニットCUは、発光ダイオードLDおよび空間光変調器SLMを制御する。
図6は、照明源IS内に含まれる個々の発光ダイオードLDの測定および制御を容易にする、本発明の第2の態様を示す。感光材料LSMが同一の強度を有する光で照明されることは、3次元対象物を構築する際、特にこれらの3次元対象物が大きな領域(例えば、100〜300cm)を含むときには、重要な要因である。感光材料LSMが、同一の強度を有さない光で照明される場合には、感光材料LSMの層が均一に硬化しない。走査速度は感光材料LSMが受ける光の量に部分的に依存するので、放射光の強度が増大すると、走査速度を増大させることができる。したがって、光の強度が高くなるほど、感光材料LSM全体にわたってより速く露光システムESを走査させることができる。
【0178】
測定および制御システムの説明を簡単にするために、図6は、第1の照明源1ISおよび第2の照明源2ISだけを図示している。本発明の好ましい一態様によれば、図示された2つの照明源1ISおよび2ISは、4つの照明ユニットIUおよび4つの照明源ISを含むモジュールの一部である。さらに、本発明の好ましい一態様によれば、2つ以上のモジュールが互いに結合されて、走査バーを形成する。
【0179】
図6に示されているように、第1の照明源1ISは、第1の照明ユニット1IUを照明し、さらに第1の照明ユニット1IUは、測定ユニットMUを照明する。図6に示されている空間光変調器SLMは、照明源ISから放出される光のできるだけ多くを測定ユニットMUによって受けさせるように、光を空間光変調器SLM中を通過させる位置に、図示されたすべての光変調器群LMを有する。測定ユニットMUは、制御ユニットCUに電気的に結合された任意の受光センサまたは感光材料に基づくものでよい。
【0180】
測定ユニットMUは、発光ダイオードLDからの光の1つまたは複数の代表値を測定する。代表値は、例えば、波長、強度、照明スポットISPの位置および大きさ、などの表現とすることができる。次いで、この代表値は、個々の発光ダイオードLDを制御するための基礎として使用される。
【0181】
ここで、すべての光変調器群LMが、光に空間光変調器SLMを通過させる位置にある必要はなく、またすべての発光ダイオードLMからの光を測定する必要はなく、より均一に照明された感光材料LSMを得ることできるようになるので好ましいだけであることに留意すべきである。また、発光ダイオードLDのすべてを、対象物を構築するのに使用する必要はなく、したがってこれらの発光ダイオードLDからの光の強度を測定する必要がない状況が起こることもある。
【0182】
発光ダイオードLDを測定および制御手順から除去すると、時間が節約され、それによって立体リソグラフィ装置SAがより効率的になる。同様にして、使用されていない発光ダイオードLDのいくつかが、使用される発光ダイオードと比較して強度の低い放出光を示す場合には、使用される発光ダイオードLDが、より強度の高い光を放出するように調整されて、それによって走査速度、またそれによって3次元対象物を構築する時間を増大させることが可能になる。
【0183】
測定ユニットMUが、照明源ISの発光ダイオードLDからできる限り多くの光を受けるのが好ましい。このことは、例えば発光ダイオードLDに印加する電圧または電流を切り上げることによって、発光ダイオードLDを可能な最高強度で光らせるように調節することと混同すべきではない。
【0184】
なお、発光ダイオードLDがそれを可能にする場合には、制御ユニットCUが、発光ダイオードLDに印加される電流または電圧を制御することによって、発光ダイオードLDからの光の強度、また波長も制御することができることに留意されたい。このために、印加電圧または電流の変化と関係する波長の変化に基づく制御プロファイルを設けてもよい。
【0185】
上述したように、露光システムは、それぞれが構築しようとする3次元対象物の一層の一部を照明する、いくつかの発光ダイオードを備えてもよい。感光材料LSMの均一な硬化を達成するために、個々の発光ダイオードLDのそれぞれを、調節および/または調整する必要がある。これを達成する1つの方法は、発光ダイオードから受ける光の強度を測定することである。個々の発光ダイオードLDすべてからの光の強度が測定されると、すべての測定された発光ダイオードLDが同強度の光を放出するように、個々の発光ダイオードLDのそれぞれが調節される。
【0186】
発光ダイオードLDの測定および調節/調整の両方が、制御ユニットCUによって制御される。制御ユニットは、データプロセッサまたは制御回路を含み、これが、例えば、比例式、積分式および/または微分式あるいはそれらの任意の組合せなどの、異なる調整アルゴリズムに基づく調節/調整を行ってもよい。
【0187】
なお、発光ダイオードLDを調整/較正するときにフィードバックループを使用することはいつも好ましいとは限らないのは、これには発光ダイオードLDからの光の少なくとも一部が、センサによって、感光材料LSM上で終点となるのが防止されるように、センサを配置する必要があるからである。さらに、これには、(1つまたは複数の)センサが、個々の発光ダイオードLDからの光の同一割合を測定することを保証する手段が必要となる。
【0188】
感光材料LSMの新規の層が上塗りされて、露光システムESが使用されていない状況においては、センサが発光ダイオードLDからの光を受けるようにセンサを設置するのが有利であることがある。次いで、フィードバックループを確立して、発光ダイオードLDの較正を行ってもよい。これは、制御ユニットCU、または所望の較正精度に応じて、数回行ってもよいことに留意すべきである。
【0189】
本発明の好ましい一態様によれば、測定ユニットMUは、個々の発光ダイオードLDすべてからの光が測定ユニットMUによって測定できるように、実装してもよい。勿論のこと、測定ユニットMUを、全発光ダイオードLDからのすべての光は受光しないように実装することも可能である。しかし、測定ユニットを本発明の好ましい実施形態に従って実装すれば、より良い結果が得られることになる。なお、すべての発光ダイオードLDからの光を測定することは、同時に行わなくてもよいことに留意すべきである。
【0190】
本発明の一態様によれば、測定ユニットは、塗り重ね装置(リコータ)REC(図示せず)内に搭載してもよい。感光材料LSMのそれぞれの硬化層に対して、塗り重ね装置RECが、露光システムESの走査方向に直角に走査され、これによって、次いで、塗り重ね装置RECが新規の層を上塗りするときに、測定ユニットが時間の無駄なく、個々の発光ダイオードを走査する。本発明のこの態様によれば、測定装置を、そのときに1つの発光ダイオードからの光を測定するようにだけ適合させてもよい。露光システムESの設計に応じて、1つまたは複数の測定ユニットMU、例えば1つまたは複数の光感度センサを使用しなくてはならない。
【0191】
本発明のさらに別の態様によれば、測定ユニットMUは、塗り重ね装置RECが感光材料LSMの新規の層を上塗りするときに、露光システムESが停止している場所の直下に装着してもよい。これによって、硬化させようとする各層の間で測定を行うことができるようになる。次いで、測定ユニットMUを、すべての発光ダイオードLDからの光を同時に受けるように適合された、光感度プレートとして形成してもよい。代替的に、測定ユニットは、露光システムESの下で、走査される1つまたは複数の光感度センサを備えてもよい。センサの数は、露光システムESの下の光センサの走査数によって決めてもよい。
【0192】
本発明の一態様によれば、光感度センサの直径は、1つの空間光変調器SLMからのすべての光を測定できるためには、少なくとも9mmでなくてはならない。
本発明の一態様によれば、露光システムESまたは測定ユニットMUは、発光ダイオードLSからの光の強度を測定するときには、露光システムからの光が、感光材料LSMを照射するのを回避する手段を含む。これは、有害な迷光の量を低減するために行われ、その理由は、迷光によって、制御のできない感光材料LSMの硬化が起こるためである。
【0193】
図7Aおよび7Bは、プリント回路板PCBの取り外しを容易化する、本発明の第3の態様を示す。図7Aおよび図7Bに示されたプリント回路板PCBは、図4に関係して説明したプリント回路板PCBと類似している。なお、発光ダイオードLDを含む照明源ISだけが、図7Aおよび7Bと関係して、プリント回路板PCB上に図示されていることに留意されたい。
【0194】
図7Aに図示された本発明の図示された態様を、1つのモジュールと呼んでもよい。本発明の一態様によれば、1つのモジュールは、4つの照明源ISおよび4つの照明ユニットIUを含む。
【0195】
図7Aに示す本発明の第3の態様は、4つの照明ユニット、および4つの照明源ISを含むプリント回路板PCBを開示する。単に、立体リソグラフィ装置SAの寿命は、発光ダイオードIDの寿命の数倍になることがあるので、発光ダイオードLDの少なくとも1つを交換できることは有利である。
【0196】
本発明の一態様によれば、発光ダイオードLSは、プリント回路板PCB上に装着してもよく、本発明のこの態様に関係して、プリント回路板PCB全体を交換できることが、さらに有利になることがある。図4に関係して説明したように、プリント回路板PCB上に搭載されたいくつかの電気構成要素があることがある。発光ダイオードLDを含む、これらの電気構成要素のそれぞれは、露光システムESに対する潜在的な故障源を表わす。電気構成要素の1つだけが故障する場合には、露光システムESは最適に動作しない可能性があり、このために、この電気構成要素、またはさらにはプリント回路板PCB全体を交換しなくてはならない。
【0197】
本発明の一態様によれば、解除可能なロック機構RLMは、少なくとも部分的に光源ベッドLSB上に置いてもよい。プリント回路板PCBの固定を容易にするためのその他の誘導手段を、プリン具回路板PCB上に配置してもよい。
【0198】
光源ベッドLSBは、例えば、露光システムESを保護するケース/カバーの一部としてもよい。
図7Aは、本発明の一態様の側面図を示す。光源ベッドLSBは、少なくとも1つ、しかし好ましくは4つの解除可能なロック機構(2つだけを図示)を備えてもよい。本発明の一態様においては、プリント回路板PCBを光源ベッドLSBに固定するのに、解除可能なロック機構RLMが1つだけで十分である。
【0199】
図7Aおよび7Bに示す本発明の態様によれば、プリント回路板PCB上のプリント回路板誘導手段PCBGは、例えば爪の形態の、突出部として成形してもよい。光源ベッドLSB上の光源ベッド誘導手段LSBGは、プリント回路板誘導手段PCBGの突出部を受け入れるように適合された光源ベッドLSB内の穴として成形してもよい。少なくとも1つの爪(プリント回路板誘導手段PCBG)が、少なくとも1つの穴(光源誘導手段LSBG)に挿入されると、プリント回路板PCBは、光源ベッドLSBに対して1つの位置に固定される。
【0200】
勿論のこと、図示されている解除可能なロック機構RLMは、プリント回路板PCBを光源ベッドLSBに固定する1つの方法にすぎない。本発明の他の態様においては、光源誘導手段LSBGは、例えば、任意の幾何学的形態の凹部または穴とすることができる。さらに、例えば、プリント回路板誘導手段PCBGとして図示されている突出部がプリント回路板PCB上、または光源ベッドLSB上に位置するかどうかは重要ではないことがある。
【0201】
図7Bは、プリント回路板PCBが、光源ベッドLSBに部分的に接続されている、本発明の一態様の上面図を示す。解除可能なロック機構RLMは、光源ベッドLSBに移動可能に接続されている。このために、解除可能なロック機構RLMは、例えば、回すことによって、プリント回路板PCBの少なくとも一部に重なるか、またはそれを覆う。次いで、プリント回路板PCBは、プリント回路板PCBの左側LSに図示されているように、光源ベッドLSBに固定される。プリント回路板PCBの右側RSに、プリント回路板PCBの部分に重ならないように、またはそれを覆わないように、2つの解除可能なロック機構RLMが回されている。
【0202】
勿論のこと、図示されている解除可能なロック機構RLMは、プリント回路板PCBを光源ベッドLSBに固定する1つの方法にすぎない。本発明の別の態様においては、解除可能なロック機構RLMは、例えば、ラッチ/ノッチシステムまたはネジシステムを用いて、取り外し可能に、例えば両方に回してもよい。さらに、例えば、解除可能なロック機構RLMの可動部分がプリント回路板PCB上に位置するか、または光源ベッドLSB上に位置するかは、重要ではないかもしれない。
【0203】
本発明のさらに別の態様によれば、プリント回路板PCBは、光源ベッドLSBの上に位置し、図7Aに示すように、光源ベッドLSB中に下げられることがない。
プリント回路基板PCBを光源ベッドLSBにロックするように適合された様々なロックシステムがある。本発明の好ましい態様によれば、本露光システムESに好適なすべてのロックシステムに対する共通特徴は、プリント回路板PCBが光源ベッドLSBにロック/固定されるときに、発光ダイオードの光軸OALDが入力光学系の光軸OAOPと一致することである。
【0204】
本発明の一態様によれば、発光ダイオードLDからの光線と、入力光学系の少なくとも一部の光軸OAOPとの間の最大角度が1.5度以下である。
上記の2つの光学軸が、プリント回路板PCBを光源ベッドLSB上または、その中にロックした後に、一致しない場合には、露光システムESは、最適には動作できない。状況によっては、そのような光学軸の整列不良の影響は、考慮するのに値しない。他の状況において、2つの光学軸の間のずれは、光学軸の一方の事後調節または較正を実施することによって少なくとも部分的に補正することができる。そのような事後調節は、例えば、機械的または電気的に行うことができる。
【0205】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、「整列」および「整列する」の用語は、厳密に機械的な意味での整列と解釈すべきではない。そうではなく、上記の用語は、物理的に可能な限界内における精度を有する整合と解釈すべきである。
【0206】
図7Aに示すように、照明ユニットIUは、視準光学系COとして図示された、1つまたは複数の視準レンズを備える入力光学系IOと、少なくとも1つのマイクロレンズ配列MLの形態の焦点光学系とを含む。
【0207】
少なくとも1つのマイクロレンズ配列MLは、視準された光を空間光変調器SLMを通過して集束させ、空間光変調器SLMは、個々に制御可能な光変調器群LMによって光のパターンを確立する。この光のパターンは、マイクロレンズMLの少なくとも1つの配列によって出力光学系OO内に向けられる。次いで、出力光学系が、パターン化された光を感光材料LSMの表面上の照明スポットISP上に集束させる。
【0208】
制御ユニットCUは、発光ダイオードLDおよび空間光変調器SLMを制御する。さらに、制御ユニットは、必要な場合には、一方または両方の光軸の事後調節を制御してもよい。
【0209】
図8〜10は、立体リソグラフィ装置SAの1つの可能な実施形態を示しているにすぎず、立体リソグラフィSAが動作するのに、後述する特徴のすべてが必要であるわけではないことに留意すべきである。さらに、立体リソグラフィ装置SAの詳細のすべてが図示されているわけではないこと、および図示されていない、追加の部分が有利な場合もあることに留意すべきである。
【0210】
図8は、本発明の一態様による、立体リソグラフィ装置SAの正面図/側面図を示す。
立体リソグラフィ装置SAは、1つまたは複数の摺動式槽ドアSVDを備えてもよく、このドアは、例えば、押す、回すなどによって起動される、摺動式槽ドアハンドルSVDHを用いて開けてもよい。摺動式槽ドアSVDは、一方側に摺動させるか、または1つまたは複数のヒンジの周りに回転させることによって、槽V(図示せず)へのアクセスを可能にする。
【0211】
1つまたは複数の摺動式前面ドアSFDを、1つまたは複数の前面パネルFPおよび側面パネルSPと関係して配置してもよい。
摺動式前面ドアSFDは、一方側に摺動させることによって、または1つまたは複数のヒンジの周りに回転させることによって、露光システムED(図示せず)へのアクセスを可能にしてもよい。なお、摺動式前面ドアSFDを透明にして、摺動式前面ドアSFDを開けることなく構築過程を監視できるようにしてもよいことに留意すべきである。
【0212】
1つまたは複数の前面パネルFPが、立体リソグラフィ装置SAの側部まで延びていてもよい。1つまたは複数の前面パネルFPは、機械の状態(例えば、動作中、停止中、故障、その他)、または構築過程において立体リソグラフィ装置SAが所与の時間においてどの段階にあるかを知らせる、1つまたは複数の機械状態インジケータMSIを備えてもよい。この機械状態インジケータMSIは、立体リソグラフィ装置SAのルーフROまたは側部に置いてもよく、また、例えば、ディスプレイ、ランプ、サイレン、その他を備えてもよい。
【0213】
さらに、立体リソグラフィ装置SAには、1つまたは複数の側面ドアSIDおよび1つまたは複数の下部側面パネルLSPを含めてもよく、これらは立体リソグラフィ装置SAの通常動作中には使用されていない。側面ドアSIDおよび下部側面パネルLIPは、立体リソグラフィ装置SAの部品が保全されるときにのみ取り外されるか、または開けられる。
【0214】
なお、本発明の一態様によれば、側面ドアSIDは、摺動式前面ドアSFDの一部としてもよく、また本発明の一態様によれば、下部側面パネルLSPは、摺動式槽ドアSVDの一部としてもよいことに留意すべきである。
【0215】
図9は、本発明の一態様による立体リソグラフィ装置SAの背面図/側面図を示しており、ここで側面ドアSIDおよび摺動式前面ドアSFDは取り外されて、露光システムESが見えている。
【0216】
本発明の一態様によれば、立体リソグラフィ装置SAは、調節可能な1つまたは複数の機械脚部MF上に載せられている。これによって、槽V(図示せず)が立体リソグラフィ装置SA内に位置するときに、感光材料LSMの表面および出力光学系OP(図示せず)が実質的に平行となるように、立体リソグラフィ装置SAを設置するのがより容易となる。
【0217】
図示された露光システムESは、露光システムESを保全または点検するときに使用される、左上部側面ドアUDおよび左下部側面ドアLDを含む。さらに、露光システムは、照明源IS(図示せず)にアクセスするための、ランプハウジングドアLHDを備える。さらに露光システムESは、照明ユニットIU(図示せず)の異なる部分を保護する、保護プレートPPを備える。保護窓PWの側部が、露光バーの外部フレームOFEBと一緒に図9にも示されている。
【0218】
保護窓PW(図示せず)を解放するためのハンドルHDを、露光システムケースESC内に置いてもよい。
図10は、摺動式前面ドアSFDが取り除かれている、本発明の一態様による立体リソグラフィ装置SAの正面図を示す。露光システムESは、感光材料LSM(図示せず)の全体にわたって走査するときに、露光システムキャリッジスリットESCS内を移動する。さらに、図10は、機械がその周りに構築されている、機械フレームMFR、および露光システムエネルギーチェーンSBECのための支持ベースを示す。
【0219】
本発明は、材料の赤外線粉末焼結に対して、顕著で予期しない利点を示し、それによって大きな表面を高精度に迅速に処理することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体リソグラフィ装置用の露光システム(ES)であって、
200〜100000nmの間の波長の光を放出する少なくとも1つの発光ダイオード(LD)と、
複数の個別に制御可能な光変調器群(LM)を備える、少なくとも1つの空間光変調器(SLM)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)と、
少なくとも1つの制御ユニット(CU)を具備し、
前記入力光学系(IO)および出力光学系(OO)は、前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)から放出された光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器群(LM)を介して、照明領域(IA)に伝達するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)は、前記制御ユニット(CU)からの制御信号に従って前記入力光学系(IO)からの光のパターンを確立することを可能にし、
前記出力光学系(OO)は、前記少なくとも1つの空間光変調器(SLM)からの前記光のパターンを照明スポット(ISP)に集束させることを可能にし、
前記露光システム(ES)は、前記発光ダイオード(LD)の光軸(OALD)に対して45度を超える角度で前記発光ダイオード(LD)から放出された光を、前記光軸(OALD)に対して平行な方向にそのような光を向けるように、整合させることができる、露光システム。
【請求項2】
前記露光システムが、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸に対する前記整合された光の角度が1.5度以下となるように、前記光の方向を変えるように、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸に対して45度を超える角度で、前記少なくとも1つの発光ダイオードから放出される光の一部の方向を整合する手段を含む、請求項1に記載の露光システム(ES)。
【請求項3】
前記露光システム(ES)が、前記光が前記入力光学系(IO)に導入される前に、前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)から放出される光を整合する手段を含む、請求項1または2に記載の露光システム(ES)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)から放出される光を整合する前記手段が、少なくとも1つの反射器(RE)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)から放出される光を整合させる前記手段が、少なくとも1つの光学レンズ(OP)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)から放出される光を整合させる前記手段が、少なくとも1つの保護シールド(P)を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項7】
1つの空間光変調器(SLM)から発生する、それぞれの照明スポット(ISP)に集束される光のエネルギーの総量と、前記空間光変調器(SLM)に対応する前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)から放出される光のエネルギーの総量との比が、少なくとも0.1である、請求項1〜6のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置を使用することによって、感光材料から3次元対象物を製造する方法。
【請求項9】
前記露光システム(ES)が、前記感光材料(LSM)の全体にわたって走査される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
立体リソグラフィ装置(SA)用の露光システム(ES)であって、
200〜100000nmの間の波長の光を放出する少なくとも2つの発光ダイオード(LD)と、
複数の個別に制御可能な光変調器群(LM)を備える、少なくとも2つの空間光変調器(SLM)と、
前記少なくとも2つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記少なくとも2つの空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)と、
少なくとも1つの測定ユニット(MU)と、
少なくとも1つの制御ユニット(CU)とを含み、
前記入力光学系(IO)および出力光学系(OO)は、前記発光ダイオード(LD)から放出された光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器群を介して、照明領域(IA)に伝送するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)は、前記制御ユニット(CU)からの制御信号に従って,前記入力光学系(IO)からの光のパターンの確立を可能とし、
前記出力光学系(OO)は、前記少なくとも2つの空間光変調器(SLM)からの前記光のパターンを照明領域(IA)に集束させることを可能にし、
前記測定ユニット(MU)は、それぞれの個別空間光変調器(SLM)によって伝送される光の強度を測定することを可能にし、
前記制御ユニット(CU)は、前記測定値に基づいて、各発光ダイオード(LD)によって放出される光の強度を調整することを可能にする、露光システム。
【請求項11】
前記測定値は、前記少なくとも2つの空間光変調器(SLM)の各個体に関連する、光の強度の代表値であり、
前記制御ユニット(CU)は、前記測定された代表値に基づいて、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)の各固体からの光の強度を調整することを可能にする、請求項10に記載の露光システム(ES)。
【請求項12】
前記露光システム(ES)は、立体リソグラフィ装置(SA)の一部であり、該立体リソグラフィ装置(SA)は、3次元対象物がそれから調製される感光材料(LSM)の表面を平らにするための塗り重ね装置(REC)を具備する、請求項10または11に記載の露光システム(ES)。
【請求項13】
前記測定ユニット(MU)は、少なくとも1つの光感度センサを含み、該光感度センサの出力は、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)の各固体から放出される光の強度の代表値を表わす、請求項10〜12のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光感度センサが、200nmから10000nmの範囲内の光に応答性を有する、請求項10〜13のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光感度センサは、装置内で、光が前記空間光変調器(SLM)によってパターン化される前に前記光の強度を測定することを可能にする位置に置かれる、請求項10〜14のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの光感度センサは、装置内で、光が前記空間光変調器(SLM)によってパターン化された後に前記光の強度を測定することを可能にする位置に置かれる、請求項10〜15のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項17】
前記制御ユニット(CU)が、1つまたは複数の前記測定された代表値に基づいて、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)の各固体から放出される光の強度を制御することを可能にする、請求項10〜16のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項18】
前記制御ユニット(CU)が、1つまたは複数の前記測定された代表値に基づいて、前記少なくとも2つのダイオード(LD)の各固体から放出される光の強度が均一になるように、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)の各固体から放出される光の強度を制御することを可能にする、請求項10〜17のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項19】
前記制御ユニット(CU)が、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)に印加される電圧または電流を制御することによって、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)から放出される光の強度を制御する手段を備える、請求項10〜18のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項20】
前記光感度センサが、前記塗り重ね装置(REC)上に搭載されている、請求項10〜19のいずれかに記載の露光システム(ES)。
【請求項21】
請求項10〜20のいずれかに記載の装置を使用することによって感光材料から3次元対象物を製造する方法。
【請求項22】
露光システム(ES)が、照明領域によって定義される面の全体にわたって走査をしていない状態にあるときに、前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)の各固体から放出される、光の強度が測定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも2つの発光ダイオード(LD)の各固体からの代表値の測定が、1回の走査動作において行われる、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記露光システム(ES)が、前記感光材料(LSM)の全体にわたって走査される、請求項21〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
露光システム(ES)を備える立体リソグラフィ装置(SA)であって、前記露光システムは、
少なくとも1つのソケット(SO)および少なくとも1つの発光ダイオード(LD)を備える、少なくとも1つのプリント回路板(PCB)と、
複数の個別に制御可能な光変調器群を備える、少なくとも2つの空間光変調器(SLM)と、
前記空間光変調器(SLM)に光学的に結合された入力光学系(IO)と、
前記空間光変調器(SLM)に光学的に結合された出力光学系(OO)と、
少なくとも1つの制御ユニット(CU)と、
発光ダイオードの光軸(OALD)が前記入力光学系の光軸(OAOP)と整合されるように、前記プリント回路板(PCB)を解除可能にロックしている、少なくとも1つの光源ベッド(LSB)とを含み、
前記入力光学系(IO)および出力光学系(OO)は、前記発光ダイオード(LD)から放出された光を、前記空間光変調器(SLM)の前記個別に制御可能な光変調器群(LM)を介して照明領域(IA)に伝送するのを容易にし、
前記空間光変調器(SLM)は、前記制御ユニット(CU)からの制御信号に従って、前記入力光学系(IO)からの光のパターンの確立を可能にし、
前記出力光学系(OO)は、前記空間光変調器(SLM)から照明領域(IA)上への前記光のパターンを集束させることを可能にする、立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項26】
前記プリント回路板(PCB)が、解除可能なロック機構(RLM)によって前記光源ベッド(LSB)に解除可能にロックされており、
前記少なくとも1つの発光ダイオード(LD)の光軸(OALD)が前記入力光学系(IO)の光軸(OAOP)と一致するように、前記プリント回路板(PCB)が、前記解除可能なロック機構(RLM)によって解除可能にロックされている、請求項25に記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項27】
前記露光システム(ES)が、2つ以上の光源ベッド(LSB)を含む、請求項25または26に記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項28】
前記立体リソグラフィ装置(SA)が、装置の動作における障害または異常を知らせるための警報を含む、請求項25〜27のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項29】
前記少なくとも1つのプリント回路板(PCB)が、前記入力光学系(IO)の少なくとも一部を含む、請求項25〜28のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項30】
前記少なくとも1つのプリント回路板(PCB)が、少なくとも1つの冷却表面(CS)を含む冷却手段(CM)を含む、請求項25〜29のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項31】
前記少なくとも1つのプリント回路板(PCB)が、例えば、電力供給および/または制御信号のための、少なくとも1組の直流電流接続を含む、請求項25〜30のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項32】
前記解除可能なロック機構(RLM)が、前記光源ベッド(LSB)に移動可能に接続されている、請求項25〜31のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項33】
発光ダイオードの光軸(OALD)および入力光学系の光軸(OAOP)の整合の誤差が20μm未満である、請求項25〜32のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項34】
前記光源ベッド(LSB)、前記露光システム(ES)または前記プリント回路板(PCB)が、前記少なくとも1つの発光ダイオードの光軸(OALD)の位置、または前記入力光学系の光軸(OAOP)の位置の調節のための調節機構を含む、請求項25〜33のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項35】
請求項25〜34のいずれかに記載の装置の使用によって感光材料から3次元対象物を製造する方法。
【請求項36】
前記露光システム(ES)が、前記感光材料(LSM)全体にわって走査される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
発光ダイオード(LD)の数が、空間光変調器(SLM)の数以下である、請求項1〜7、または10〜20のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項38】
発光ダイオード(LD)の数が、空間光変調器(SLM)の数に等しい、請求項1〜7、または10〜20、または37のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項39】
前記入力光学系(IO)が、マイクロレンズ(ML)の少なくとも1つの配列を含む、請求項1〜7、または10〜20、または37、または38のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37、または38のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項40】
前記入力光学系(IO)が、少なくとも1つの視準レンズを含む、請求項1〜7、または10〜20、または37〜39のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37〜39のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項41】
前記入力光学系(IO)が、発光ダイオード(LD)からの光を、複数の異なるビームに分割することを可能にする、請求項1〜7、または10〜20、または37〜40のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37〜40のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項42】
前記出力光学系(OO)が、マイクロレンズ(ML)の少なくとも1つの配列を含む、請求項1〜7、または10〜20、または37〜41のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37〜41のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項43】
前記装置が、前記発光ダイオード(LD)の1つまたは複数から放出された光を、前記空間光変調器(SLM)中に誘導する光誘導手段を具備し、前記光誘導手段が光ファイバの形態である、請求項1〜7、または10〜20、または37〜42のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37〜42のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項44】
前記露光システム(ES)が立体リソグラフィ装置(SA)の一部であり、前記立体リソグラフィ装置(SA)が槽(V)を具備する、請求項1〜7、または10〜20、または37〜43のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37〜43のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項45】
前記制御ユニット(CU)が、前記露光システム(ES)を制御することを可能にする、請求項1〜7、または10〜20、または37〜44のいずれかに記載の露光システム(ES)、あるいは請求項25〜34、または37〜44のいずれかに記載の立体リソグラフィ装置(SA)。
【請求項46】
請求項1〜7、10〜20、25〜34、または37〜45のいずれかに記載の装置における、感光材料(LSM)の使用。
【請求項47】
請求項1〜7、10〜20、25〜34、または37〜45のいずれかに記載の装置において、感光材料(LSM)を硬化させる方法。
【請求項49】
請求項8または9、21〜24、あるいは35〜36のいずれかに記載の方法によって製作される、3次元対象物。
【請求項50】
請求項1〜7、10〜20、25〜34、または37〜45のいずれかに記載の装置を使用することによって製作される、3次元対象物。
【請求項51】
請求項49および50に記載の、3次元対象物。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−506063(P2012−506063A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531452(P2011−531452)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063158
【国際公開番号】WO2010/043557
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(504177804)ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】