説明

近傍界ノイズ抑制フィルム

【課題】 数百MHz乃至数GHzの電磁波ノイズに対して高い吸収能を有する低コストのノイズ抑制フィルムを提供する。
【解決手段】 プラスチックフィルムの一方の面に蒸着法により磁性金属薄膜を形成した後、110〜180℃の範囲内の温度で熱処理してなるノイズ抑制フィルムであって、(a) 前記磁性金属薄膜の光透過率(波長660 nmのレーザ光)が3〜50%であり、(b) 前記磁性金属薄膜の10 cm×10 cmの正方形の試験片の対向辺部に、辺全体を覆う長さの一対の電極を配置し、平坦な加圧板を介して3.85 kgの荷重をかけて測定した表面抵抗が10〜200Ω/□であるノイズ抑制フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、スマートフォン等の携帯情報端末や、パソコン等の電子機器等における近傍界の数百MHz乃至数GHzの電磁波を吸収し得る安価なノイズ抑制フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年携帯通信端末、電子機器等は多機能化及び高性能化に加えて、小型化及び軽量化が求められ、狭小なスペース内に電子部品が高密度に配置されているとともに、高速化も図られている。このため、回路や部品間の電磁波ノイズ、特に数百MHz乃至数GHzの高周波ノイズが大きな問題になってきた。このような近傍界の電磁波ノイズを抑制するために、種々のノイズ抑制フィルムが提案され、実用化されている。
【0003】
このようなノイズ抑制フィルムの多くは磁性材及び/又は導電材を含有する。例えば、特開2010-153542号(特許文献1)は、基材と、Cu等の金属又はカーボンの粒子、鱗片又は細線を含有する導電性塗工材からなる導電層と、フェライト、センダスト、パーマロイ等の軟磁性材料を含有する磁性塗工材からなる磁性層とを有する電磁波ノイズ抑制フィルムを開示している。また特開2006-278433号(特許文献2)は、例えばFebal-Cu1-Si12.5-Nb3-Cr1-B12(原子%)の組成を有するアモルファスフレークのような軟磁性体粉末と樹脂からなるカレンダー加工した2枚以上のシートを積層し、さらにカレンダー加工により一体化した複合電磁波ノイズ抑制フィルムを開示している。しかし、特許文献1又は2に開示のノイズ抑制フィルムはいずれも十分な近傍界ノイズの吸収能を有しておらず、磁性材及び/又は導電材を樹脂に練り込んでシートに成形しているので薄肉化が困難であり、かつ製造コストが高いという問題がある。
【0004】
特開2006-279912号(特許文献3)は、準マイクロ波帯域で発生する電磁波ノイズに対して、その反射係数(S11)を−10 dB以下に、またノイズ抑制効果(ΔPloss/Pin)を0.5以上にするために、抵抗値を空間の特性インピーダンスZ(377Ω)と整合する10〜1000Ω/□に制御した近傍界電磁波ノイズ抑制薄膜として、AlO、CoAlO、CoSiO等のスパッタ薄膜を開示している。しかし、この近傍界電磁波ノイズ抑制薄膜の電磁波吸収能は十分でない。
【0005】
特開2008-53383号(特許文献4)は、面方向と厚さ方向で熱伝導率が異なるグラファイトフィルムと、その上に形成されたFe、Co、FeSi、FeNi、FeCo、FeSiAl、FeCrSi、FeBSiC等の軟磁性体、Mn-Zn系、Ba-Fe系、Ni-Zn系等のフェライト、及びカーボン粒子を含有する軟磁性層とからなる放熱特性に優れた電波吸収・シールドフィルムを開示している。しかし、この電波吸収・シールドフィルムの電磁波吸収能も十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-153542号公報
【特許文献2】特開2006-278433号公報
【特許文献3】特開2006-279912号公報
【特許文献4】特開2008-53383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は、数百MHz乃至数GHzの電磁波ノイズに対して高い吸収能を有し、携帯情報端末や電子機器等に好適な安価なノイズ抑制フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
プラスチックフィルムに磁性金属を蒸着することにより数百MHz乃至数GHzの電磁波ノイズに対して高い吸収能を有するノイズ抑制フィルムを得るべく鋭意研究の結果、以下のことが分った。
(1) プラスチックフィルムに蒸着法により形成した磁性金属薄膜の表面抵抗が数十Ω/□程度であると、近傍界電磁波ノイズに対して優れた吸収能を有するが、このように薄い磁性金属薄膜を精度良く形成することは非常に困難であり、実際に形成される磁性金属薄膜の表面抵抗は大きくばらつく。
(2) このように薄い磁性金属薄膜の表面抵抗は大きな経時変化を受け、完全に安定するのに長期間を要するだけでなく、その間の環境条件(温度、湿度等)により表面抵抗の経時変化が異なる。
【0009】
上記問題を解決するために鋭意研究の結果、本発明者は、プラスチックフィルムは金属に比較して著しく耐熱性に劣り、加熱により大きな熱収縮を受けるおそれがあるにも係わらず、プラスチックフィルムに形成した磁性金属の蒸着薄膜に対して110〜180℃の範囲内の温度で熱処理を施すと、磁性金属薄膜の電磁波吸収能が向上するのみならず、電磁波吸収能のバラツキ及び経時変化が低減し、もって優れた電磁波吸収能を安定して有するノイズ抑制フィルムが得られることを発見し、本発明に想到した。
【0010】
すなわち、本発明のノイズ抑制フィルムは、プラスチックフィルムの一方の面に蒸着法により磁性金属薄膜を形成した後、110〜180℃の範囲内の温度で熱処理してなり、(a) 前記磁性金属薄膜の光透過率(波長660 nmのレーザ光)が3〜50%であり、(b) 前記磁性金属薄膜の10 cm×10 cmの正方形の試験片の対向辺部に、辺全体を覆う長さの一対の電極を配置し、平坦な加圧板を介して3.85 kgの荷重をかけて測定した表面抵抗が10〜200Ω/□であることを特徴とする。
【0011】
前記熱処理は10分〜1時間行うのが好ましい。
【0012】
前記磁性金属はNi又はその合金であるのが好ましい。前記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムであるのが好ましい。
【0013】
前記磁性金属薄膜の表面に保護フィルムが積層されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のノイズ抑制フィルムは、磁性金属薄膜の蒸着後熱処理してなるので、数百MHz乃至数GHzの電磁波ノイズに対して高い吸収能を有するとともに、表面抵抗が安定化して経時変化が実質的になく、もって電磁波吸収能の経時変化もない。このような特徴を有する本発明のノイズ抑制フィルムは、携帯電話、スマートフォン等の各種の携帯情報端末や、パソコン等の電子機器における近傍界の数百MHz乃至数GHzの電磁波ノイズの吸収に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のノイズ抑制フィルムを示す断面図である。
【図2】本発明のノイズ抑制フィルムの磁性金属薄膜の詳細を示す部分断面図である。
【図3(a)】ノイズ抑制フィルムの表面抵抗を測定する装置を示す斜視図である。
【図3(b)】図3(a) の装置を用いてノイズ抑制フィルムの表面抵抗を測定する様子を示す平面図である。
【図3(c)】図3(b) のA-A断面図である。
【図4(a)】ノイズ抑制フィルムの電磁波吸収能を評価するシステムを示す平面図である。
【図4(b)】ノイズ抑制フィルムの電磁波吸収能を評価するシステムを示す部分断面正面図である。
【図5(a)】磁性金属薄膜を蒸着したプラスチックフィルムに対して熱処理を行う装置を示す断面図である。
【図5(b)】図5(a) の装置を用いて磁性金属蒸着フィルムに対して熱処理を行う様子を示す平面図である。
【図6】実施例1及び比較例1の蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるRtpの最高値及び最低値を示すグラフである。
【図7(a)】実施例1の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図7(b)】比較例1の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図8】実施例2及び比較例2の蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるRtpの最高値及び最低値を示すグラフである。
【図9(a)】実施例2の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図9(b)】比較例2の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図10】実施例3及び比較例3の蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるRtpの最高値及び最低値を示すグラフである。
【図11(a)】実施例3の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図11(b)】比較例3の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図12】実施例4及び比較例4の蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるRtpの最高値及び最低値を示すグラフである。
【図13(a)】実施例4の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図13(b)】比較例4の蒸着フィルムサンプルの6 GHzにおけるRtpの分布を示すグラフである。
【図14】実施例4の蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるPloss/Pinを示すグラフである。
【図15】比較例5の熱処理を施した蒸着フィルムサンプル及び熱処理を施していない蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるRtpを示すグラフである。
【図16】比較例6の熱処理を施した蒸着フィルムサンプル及び熱処理を施していない蒸着フィルムサンプルの0.1〜6 GHzにおけるRtpの最高値及び最低値を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明するが、特に断りがなければ一つの実施形態に関する説明は他の実施形態にも適用される。また下記説明は限定的ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更をしても良い。
【0017】
[1] ノイズ抑制フィルム
図1に示すように、本発明のノイズ抑制フィルム10はプラスチックフィルム1の一方の面に磁性金属薄膜2を形成した後、熱処理したものである。
【0018】
(1) プラスチックフィルム
プラスチックフィルム1を形成する樹脂は、十分な絶縁性、耐熱性及び強度を有する限り特に制限されず、例えばポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリアリーレンサルファイド(ポリフェニレンサルファイド等)、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。プラスチックフィルム10の厚さは10〜100μm程度で良く、特に10〜30μmが好ましい。
【0019】
(2) 磁性金属薄膜
磁性金属薄膜2用の磁性金属としてはNi,Fe,Co又はそれらの合金が挙げられるが、蒸着の容易性、導電性及び透磁率の観点からNi又はその合金が好ましい。磁性金属薄膜2はスパッタリング法、真空蒸着法等の公知の方法により形成することができる。
【0020】
(a) 磁性金属薄膜の光透過率
磁性金属薄膜2は非常に薄いために、図2に示すように、厚さが不均一であり、厚く形成された領域2aと、薄く形成された領域又は全く形成されていない領域2bとがある。そのため、磁性金属薄膜2の厚さを正確に測定するのは困難である。そこで、本発明では磁性金属薄膜2の厚さを波長660 nmのレーザ光の透過率(単に「光透過率」という。)で表す。光透過率は磁性金属薄膜2の任意の複数箇所の測定値を平均して求める。測定箇所数が5以上であると、光透過率の平均値は安定する。プラスチックフィルム1の厚さが30μm以下であるとプラスチックフィルム1自身の光透過率はほぼ100%であるので、ノイズ抑制フィルム10の光透過率が磁性金属薄膜2の光透過率と一致する。しかし、プラスチックフィルム1がそれより厚い場合には、ノイズ抑制フィルム10の光透過率からプラスチックフィルム1の光透過率を引いた値が磁性金属薄膜2の光透過率である。
【0021】
磁性金属薄膜2の光透過率は3〜50%の範囲内である必要がある。光透過率が3%未満であると、磁性金属薄膜2が厚くなり過ぎて金属箔のような挙動を示し、電磁波反射率が高く、電磁波ノイズの吸収能は低い。一方、光透過率が50%超であると、磁性金属薄膜2が薄すぎて電磁波吸収能が不十分である。磁性金属薄膜2の光透過率は好ましくは5〜45%であり、より好ましくは8〜30%である。
【0022】
(b) 表面抵抗
光透過率が3〜50%と薄い磁性金属薄膜2の表面抵抗は測定方法により大きく異なることが分った。そのため、磁性金属薄膜2と電極との接触面積をできるだけ大きくするとともに、磁性金属薄膜2と電極とができるだけ均一に密着するように、図3に示す装置を用いて、加圧下での直流二端子法(単に「加圧二端子法」と言う)により表面抵抗を測定する。具体的には、硬質な絶縁性平坦面上に磁性金属薄膜2を上にして載置した10 cm×10 cmのノイズ抑制フィルム10の正方形試験片TP1の対向辺部に、長さ10 cm×幅1 cm×厚さ0.5 mmの電極本体部11aと、電極本体部11aの中央側部から延びる幅1 cm×厚さ0.5 mmの電極延長部11bとからなる一対の電極11,11を載置し、試験片TP1と両電極11,11を完全に覆うようにそれらの上に10 cm×10 cm×厚さ5 mmの透明アクリル板12を載せ、透明アクリル板12の上に直径10 cmの円柱状重り13(3.85 kg)を載せた後で、両電極延長部11b,11b間を流れる電流から表面抵抗を求める。
【0023】
熱処理後の磁性金属薄膜2の表面抵抗は10〜200Ω/□の範囲内である必要がある。表面抵抗が10Ω/□未満であると、磁性金属薄膜2が厚すぎて金属箔のような挙動を示し、電磁波ノイズの吸収能が低い。一方、表面抵抗が200Ω/□超であると、磁性金属薄膜2が薄すぎてやはり電磁波吸収能が不十分である。熱処理後の磁性金属薄膜2の表面抵抗は好ましくは15〜150Ω/□であり、より好ましくは20〜120Ω/□であり、最も好ましくは30〜100Ω/□である。
【0024】
[2] 熱処理
光透過率が3〜50%で、表面抵抗が10〜200Ω/□と非常に薄い磁性金属薄膜2は、図2に示すように全体的に厚さムラがあり、比較的厚い領域2aと比較的薄い(又は薄膜がない)領域2bとを有する。比較的薄い領域2bは磁気ギャップ及び高抵抗領域として作用し、近傍界ノイズにより磁性金属薄膜2内を流れる磁束及び電流を減衰させると考えられる。しかし、このような薄い磁性金属薄膜2の状態は製造条件により大きく異なり、一定の光透過率及び表面抵抗を有する磁性金属薄膜2を安定的に形成するのは非常に困難であることが分った。そこで鋭意研究した結果、蒸着法により形成した磁性金属薄膜2に対して、プラスチックフィルム1の熱収縮が起こり得る100℃超の温度で熱処理すると、磁性金属薄膜2の表面抵抗は若干低下するとともに安定化し、経時変化が実質的になくなることが分った。延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのように熱収縮が起こり得るプラスチックフィルムに対して100℃を超す温度で熱処理を行うということは、従来では全く考えられないことであった。しかし、110〜180℃の範囲内の温度で短時間(例えば10分〜1時間)熱処理すると、プラスチックフィルム1が僅かに熱収縮するだけで、磁性金属薄膜2の表面抵抗が僅かに低下するとともに安定化し、もって電磁波ノイズ吸収能も安定化することが分った。ここで、電磁波ノイズ吸収能の安定化とは、電磁波ノイズ吸収能の経時変化が実質的になくなるだけでなく、製造条件によるばらつき及び製造ロット間のばらつきも低下することを意味する。
【0025】
熱処理条件を変えることにより表面抵抗を調整することができる。例えば、表面抵抗が高めの磁性金属薄膜2に対しては、熱処理温度を高くするか熱処理時間を長くすることにより、表面抵抗を所望の値に低下させることができる。逆に、表面抵抗が低めの磁性金属薄膜2に対しては、熱処理温度を低くするか熱処理時間を短くすることにより表面抵抗の低下を抑制することができる。
【0026】
同じ表面抵抗を有する蒸着フィルムであっても、熱処理なしのものと熱処理したものとでは電磁波吸収能に著しい差があり、熱処理により所望の表面抵抗に調整した蒸着フィルムの方が高い電磁波吸収能を有することが分った。この理由は明らかではない。というのは、非常に薄い磁性金属薄膜の状態(特に組織)の熱処理による変化を評価することは非常に困難であるからである。実験の結果磁性金属薄膜の電磁波吸収能が熱処理温度に応じて変化することが分ったので、本発明では磁性金属薄膜の組織状態を熱処理温度により規定することにする。
【0027】
熱処理温度は110〜180℃の範囲内である。熱処理温度が110℃未満であると、熱処理による電磁波吸収能の向上及びバラツキの低減の効果が実質的に得られない。一方、熱処理温度が180℃超であると、磁性金属薄膜2の表面酸化が起こるだけでなく、十分な耐熱性を有さないプラスチックフィルムでは熱収縮が大きくなり過ぎる。熱処理温度は120〜170℃が好ましく、130〜160℃がより好ましい。熱処理時間は熱処理温度により異なるが、一般に10分〜1時間が好ましく、20〜40分がより好ましい。
【0028】
熱処理した磁性金属薄膜2の表面に保護フィルムを積層することにより、磁性金属薄膜2の保護とともに絶縁性を確保するのが好ましい。保護フィルムとしては、プラスチックフィルム1と同じものを使用しても良い。
【0029】
[3] 近傍界電磁波ノイズの吸収能
(1) 伝送減衰率
伝送減衰率Rtpは、図4(a) 及び図4(b) に示すように、50ΩのマイクロストリップラインMSL(64.4 mm×4.4 mm)と、マイクロストリップラインMSLを支持する絶縁基板20と、絶縁基板20の下面に接合された接地グランド電極21と、マイクロストリップラインMSLの両端に接続された導電性ピン22,22と、ネットワークアナライザNAと、ネットワークアナライザNAを導電性ピン22,22に接続する同軸ケーブル23,23とで構成されたシステムを用い、マイクロストリップラインMSLにノイズ抑制フィルムの試験片TP2を粘着剤により貼付し、0.1〜6 GHzの入射波に対して、反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、下記式(1):
Rtp=−10×log[10S21/10/(1−10S11/10)]・・・(1)
により求める。
【0030】
(2) ノイズ吸収率
図4(a) 及び図4(b) に示すシステムに入射した電力から反射波S11の電力及び透過波S12の電力を差し引くことにより、電力損失Plossを求め、Plossを入射電力Pinで割ることによりノイズ吸収率Ploss/Pinを求める。
【0031】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0032】
実施例1、比較例1
厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム1に真空蒸着法により目標光透過率(波長660 nm)9%のNi薄膜2を形成し、長尺の蒸着フィルムを作製した。蒸着フィルムの任意の部分から10 cm×10 cmの試験片TP1を5枚切り出した。各試験片TP1の任意の5箇所の光透過率を、株式会社キーエンス製の透過型レーザセンサ(IB-05)を使用し、波長660 nmのレーザ光で測定し、平均した。また各試験片TP1の表面抵抗を図3に示すように加圧二端子法により測定した。各電極11は長さ10 cm×幅1 cm×厚さ0.5 mmの電極本体部11aと幅1 cm×厚さ0.5 mmの電極延長部11bとからなり、透明アクリル板12は10 cm×10 cm×厚さ5 mmであり、円柱状重り13は10 cmの直径を有し、3.85 kgであった。両電極11,11を鶴賀電機株式会社製の抵抗計(型名:3565)に接続し、得られた電流値から表面抵抗を求めた。全試験片TP1の平均光透過率は9.1%であり、平均表面抵抗は43Ω/□であった。
【0033】
長尺の蒸着フィルムの任意の部分から切り出した20枚の試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)の各々を図4(a) 及び図4(b) に示すシステムのマイクロストリップラインMSLに粘着剤により貼付し、0.1〜6 GHzの周波数範囲における反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、上記式(1) により0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理していない20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を比較例1として図6に示す。
【0034】
次に、長尺の蒸着フィルムの任意の部分からA4サイズ(210 mm×297 mm)のサンプルSを20枚切り取り、図5(a) 及び図5(b) に示すように、各サンプルSをNi薄膜2を下にして加熱装置40のホットプレート41上に載置し、A4サイズで厚さ3 mmのテフロン(登録商標)製断熱シート42、及びA4サイズで厚さ2 mmの鉄板43を載せた後、150℃で30分間熱処理を行った。熱処理による熱収縮は約1%であった。
【0035】
熱処理した各サンプルSから切り出した10 cm×10 cmの5枚の試験片TP1に対して、上記と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。その結果、熱処理した試験片TP1の平均光透過率は8.9%であり、平均表面抵抗は39Ω/□であった。さらに熱処理した20枚の蒸着フィルムサンプルSの各々から切り取った各試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)に対して上記と同様に0.1〜6 GHzの周波数範囲における反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、上記式(1) により0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理した20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を実施例1として図6に示す。
【0036】
実施例1の20枚の試験片TP2(熱処理あり)及び比較例1の20枚の試験片TP2(熱処理なし)の6 GHzにおける伝送減衰率Rtpの分布をそれぞれ図7(a) 及び図7(b) に示す。各Rtpの頻度は、例えばRtpの値が30 dBの場合、30 dB≦Rtp<31 dBの範囲のRtpを有する試験片の数により表される(以下同様)。図6及び図7から明らかなように、熱処理した蒸着フィルムからなる実施例1の試験片のRtpは熱処理していない蒸着フィルムからなる比較例1の試験片のRtpより高いだけでなく、その分布も狭かった(バラツキも小さかった)。
【0037】
実施例2、比較例2
Ni薄膜2の目標光透過率(波長660 nm)を15%とした以外実施例1と同じ方法で長尺の蒸着フィルムを作製し、その任意の部分から切り出したそれぞれ5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。全試験片TP1の平均光透過率は15.5%であり、平均表面抵抗は52Ω/□であった。
【0038】
長尺の蒸着フィルムの任意の部分から切り出した20枚の試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)の各々に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、上記式(1) により0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理していない20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を比較例2として図8に示す。
【0039】
次に、長尺の蒸着フィルムの任意の部分からA4サイズ(210 mm×297 mm)のサンプルSを20枚切り取り、実施例1と同じ方法で150℃で30分間熱処理を行った。熱処理による熱収縮は約1%であった。熱処理した各サンプルSから切り出した10 cm×10 cmの5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。熱処理した試験片TP1の平均光透過率は15.2%であり、平均表面抵抗は48Ω/□であった。
【0040】
熱処理した20枚の蒸着フィルムサンプルSの各々から切り取った試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理した20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を実施例2として図8に示す。
【0041】
実施例2の20枚の試験片TP2(熱処理あり)及び比較例2の20枚の試験片TP2(熱処理なし)の6 GHzにおける伝送減衰率Rtpの分布をそれぞれ図9(a) 及び図9(b) に示す。図8及び図9から明らかなように、熱処理した蒸着フィルムからなる実施例2の試験片のRtpは熱処理していない蒸着フィルムからなる比較例2の試験片のRtpより高いだけでなく、その分布も狭かった(バラツキも小さかった)。
【0042】
実施例3、比較例3
Ni薄膜2の目標光透過率(波長660 nm)を28%とした以外実施例1と同じ方法で長尺の蒸着フィルムを作製し、その任意の部分から切り出したそれぞれ5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。全試験片TP1の平均光透過率は27.0%であり、平均表面抵抗は107Ω/□であった。
【0043】
長尺の蒸着フィルムの任意の部分から切り出した20枚の試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)の各々に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、上記式(1) により0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理していない20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を比較例3として図10に示す。
【0044】
次に、長尺の蒸着フィルムの任意の部分からA4サイズ(210 mm×297 mm)のサンプルSを20枚切り取り、実施例1と同じ方法で150℃で30分間熱処理を行った。熱処理による熱収縮は約1%であった。熱処理した各サンプルSから切り出した10 cm×10 cmの5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。熱処理した試験片TP1の平均光透過率は26.5%であり、平均表面抵抗は99Ω/□であった。
【0045】
熱処理した20枚の蒸着フィルムサンプルSの各々から切り取った試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理した20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を実施例3として図10に示す。
【0046】
実施例3の20枚の試験片TP2(熱処理あり)及び比較例3の20枚の試験片TP2(熱処理なし)の6 GHzにおける伝送減衰率Rtpの分布をそれぞれ図11(a) 及び図11(b) に示す。図10及び図11から明らかなように、熱処理した蒸着フィルムからなる実施例3の試験片のRtpは熱処理していない蒸着フィルムからなる比較例3の試験片のRtpより高いだけでなく、その分布も狭かった(バラツキも小さかった)。
【0047】
実施例4、比較例4
Ni薄膜2の目標光透過率(波長660 nm)を48%とした以外実施例1と同じ方法で長尺の蒸着フィルムを作製し、その任意の部分から切り出したそれぞれ5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。全試験片TP1の平均光透過率は47.5%であり、平均表面抵抗は217Ω/□であった。
【0048】
長尺の蒸着フィルムの任意の部分から切り出した20枚の試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)の各々に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、上記式(1) により0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理していない20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を比較例4として図12に示す。
【0049】
次に、長尺の蒸着フィルムの任意の部分からA4サイズ(210 mm×297 mm)のサンプルSを20枚切り取り、実施例1と同じ方法で150℃で30分間熱処理を行った。熱処理による熱収縮は約1%であった。熱処理した各サンプルSから切り出した10 cm×10 cmの5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。熱処理した試験片TP1の平均光透過率は46.5%であり、平均表面抵抗は185Ω/□であった。
【0050】
熱処理した20枚の蒸着フィルムサンプルSの各々から切り取った試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理した20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を実施例4として図12に示す。
【0051】
実施例4の20枚の試験片TP2(熱処理あり)及び比較例4の20枚の試験片TP2(熱処理なし)の6 GHzにおける伝送減衰率Rtpの分布をそれぞれ図13(a) 及び図13(b) に示す。図12及び図13から明らかなように、熱処理した蒸着フィルムからなる実施例4の試験片のRtpは熱処理していない蒸着フィルムからなる比較例4の試験片のRtpより高いだけでなく、その分布も狭かった(バラツキも小さかった)。
【0052】
熱処理した蒸着フィルムからなる実施例4の試験片TP2を、図4(a) 及び図4(b) に示すシステムのマイクロストリップラインMSLに粘着剤により貼付し、反射波S11の電力及び透過波S12の電力を測定し、上記[3] (2) の方法によりノイズ吸収率Ploss/Pinを求めた。結果を図14に示す。図14から明らかなように、実施例4の試験片TP2は0.1〜6 GHzの周波数範囲において良好なノイズ吸収率Ploss/Pinを示した。
【0053】
比較例5
Ni薄膜2の目標光透過率(波長660 nm)を0.3%とした以外比較例1と同様に長尺の蒸着フィルムを作製し、その任意の部分から切り出したそれぞれ5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。全試験片TP1の平均光透過率は0.3%であり、平均表面抵抗は3.8Ω/□であった。また長尺の蒸着フィルムの任意の部分からA4サイズ(210 mm×297 mm)のサンプルSを1枚切り取り、伝送減衰率Rtpを測定した。結果を図15に示す。
【0054】
同じサンプルSに対して実施例1と同じ方法で150℃で30分間熱処理を行った後、実施例1と同じ方法で光透過率、表面抵抗を測定した。平均光透過率は0.3%であり、平均表面抵抗は3.7Ω/□であった。さらに熱処理したサンプルSから切り出した試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。結果を図15に示す。
【0055】
図15から明らかなように、光透過率が0.3%のNi蒸着フィルムでは、熱処理の有無にかかわらず0.1〜6 GHzの周波数範囲での伝送減衰率Rtpが不十分であった。
【0056】
比較例6
Ni薄膜2の目標光透過率(波長660 nm)を60%とした以外比較例1と同様に長尺の蒸着フィルムを作製し、その任意の部分から切り出したそれぞれ5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。全試験片TP1の平均光透過率は60.5%であり、平均表面抵抗は390Ω/□であった。
【0057】
長尺の蒸着フィルムの任意の部分から切り出した20枚の試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)の各々に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理していない20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を図16に示す。
【0058】
次に、長尺の蒸着フィルムの任意の部分からA4サイズ(210 mm×297 mm)のサンプルSを20枚切り取り、実施例1と同じ方法で150℃で30分間熱処理を行った。熱処理による熱収縮は約1%であった。熱処理した各サンプルSから切り出した10 cm×10 cmの5枚の試験片TP1に対して、実施例1と同じ方法で光透過率及び表面抵抗を測定した。熱処理した試験片TP1の平均光透過率は59.0%であり、平均表面抵抗は350Ω/□であった。
【0059】
熱処理した20枚の蒸着フィルムサンプルSの各々から切り取った試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)に対して実施例1と同じ方法で0.1〜6 GHzの周波数範囲における伝送減衰率Rtpを求めた。熱処理した20枚の試験片TP2の伝送減衰率Rtpの最高値及び最低値を図16に示す。
【0060】
図16から明らかなように、光透過率が約60%のNi蒸着フィルムでは、熱処理の有無にかかわらず0.1〜6 GHzの周波数範囲での伝送減衰率Rtpが不十分であった。
【0061】
実施例1〜4の試験片(150℃で30分間の熱処理あり)及び比較例1〜6の試験片の光透過率及び表面抵抗、並びに6 GHzにおける平均伝送減衰率Rtp、及び平均ノイズ吸収率Ploss/Pinを表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例5
比較例2の蒸着フィルム(光透過率:15.5%)に対して80℃、110℃、120℃、150℃、170℃及び190℃の各温度で30分間の熱処理を行った。実施例1と同じ方法で長尺の蒸着フィルムの任意の部分から切り出した20枚の試験片TP2(55.2 mm×4.7 mm)の各々に対して、伝送減衰率Rtpを測定した。各熱処理温度での試験片の伝送減衰率Rtpの範囲及び平均値を表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
表2から明らかなように、110℃〜170℃の熱処理温度では、得られるノイズ抑制フィルムの伝送減衰率Rtpは大きく、かつその範囲は狭かった(バラツキは小さかった)。これに対して、80℃の熱処理温度では、伝送減衰率Rtpの向上効果は不十分であり、また180℃を超える190℃の熱処理温度では、伝送減衰率Rtpが低下するのみならず、PETフィルムのような汎用樹脂のフィルムを使用できないという問題も生じた。
【符号の説明】
【0066】
10・・・ノイズ抑制フィルム
1・・・プラスチックフィルム
2・・・磁性金属薄膜
2a・・・厚く形成された磁性金属薄膜領域
2b・・・薄く形成されたか全く形成されていない磁性金属薄膜領域
11・・・電極
12・・・透明アクリル板
13・・・円柱状重り
20・・・絶縁基板
21・・・接地グランド電極
22・・・導電性ピン
23・・・同軸ケーブル
40・・・加熱装置
41・・・ホットプレート
42・・・断熱シート
43・・・鉄板
MSL・・・マイクロストリップライン
NA・・・ネットワークアナライザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムの一方の面に蒸着法により磁性金属薄膜を形成した後、110〜180℃の範囲内の温度で熱処理してなるノイズ抑制フィルムであって、(a) 前記磁性金属薄膜の光透過率(波長660 nmのレーザ光)が3〜50%であり、(b) 前記磁性金属薄膜の10 cm×10 cmの正方形の試験片TPの対向辺部に、辺全体を覆う長さの一対の電極を配置し、平坦な加圧板を介して3.85 kgの荷重をかけて測定した表面抵抗が10〜200Ω/□であることを特徴とするノイズ抑制フィルム。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズ抑制フィルムにおいて、前記熱処理を10分〜1時間行うことを特徴とするノイズ抑制フィルム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のノイズ抑制フィルムにおいて、前記磁性金属がNi又はその合金であることを特徴とするノイズ抑制フィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のノイズ抑制フィルムにおいて、前記プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートの延伸フィルムであることを特徴とするノイズ抑制フィルム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のノイズ抑制フィルムにおいて、前記磁性金属薄膜の表面に保護フィルムが積層されていることを特徴とするノイズ抑制フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【図11(a)】
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【図11(b)】
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【図12】
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【図13(a)】
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【図13(b)】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−16543(P2013−16543A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146344(P2011−146344)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【特許番号】特許第5069365号(P5069365)
【特許公報発行日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(391009408)
【Fターム(参考)】