説明

近傍端末抽出システム、情報端末、制御方法、及び制御プログラム

【課題】互いに正確な位置情報を隠蔽しつつ、近傍ユーザを選別する。
【解決手段】近傍端末抽出システムは、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する一の端末と、予め定められた所定の数字列から構成される他端末の位置情報のうち、任意の桁と同じ桁の数字が、任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、任意の桁と異なる桁の数字を一の端末に対して送信する他の端末と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近傍端末抽出システム、情報端末、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯電話機等の情報端末の普及に伴って、多くの人達が集まる場所に出向いた情報端末のユーザが、近くに存在する情報端末、すなわち、近くに居る相手の人物の存在を相互に報知し合うために、ユーザを識別するための情報を予め第三者サービス機関に登録しておき、登録されたユーザの情報端末から発信される信号を検出することにより、当該ユーザの情報端末の位置情報が取得され、当該取得されたユーザの情報端末の現在位置の付近に存在する、予め当該第三者サービス機関に登録された他のユーザの情報端末に対して、現在位置が取得されたユーザの情報端末に関するアクセス情報(当該ユーザの位置情報等)が報知されることにより、近くに居るユーザの存在を通知するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−328308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムにおいては、あるユーザが、近くに居る相手の人物の情報端末の存在を知るために検出される当該ユーザの情報端末の位置情報は、第三者サービス機関を通じて近くに居る相手の人物に対して報知され、その情報に基づいて、近くに居る相手の人物が先のユーザの存在する場所へ出向くことになるため、複数存在する他のユーザの中から自分の近くに居る他のユーザを選別するに際し、自分の情報端末の大雑把な位置情報とはいっても、必ずしも近くに居るとはいえない他のユーザに対しては、できる限り自分の位置情報を通知して欲しくないないという要望があるのも事実である。
【0005】
また、自分の近くに居るか否かとは無関係に、他の複数のユーザと位置情報の交換をするのではなく、効率的に近くに居る相手を探すため、ブロードキャスト的に自分の位置情報を交換したいという要望もある。さらに、他の複数のユーザの中には、近くに居る相手を探しているユーザに対して、自らの位置情報を偽って通知することにより、不正に当該ユーザの位置情報が取得され、ストーカー紛いの行為が誘発されてしまうという問題もある。
【0006】
また、ユーザとしても、時と場合によってはプライバシー等との関連から、自分の位置情報を秘密にしたい、知られたくないという状況も考え得るが、当該第三者サービス機関に予め登録されたユーザは、当該ユーザの情報端末の位置情報が、基本的には当該第三者サービス機関により検出、交換されてしまうことから、当該第三者サービス機関に対して明かしたくない位置情報までも開示されてしまい、当該第三者サービス機関が登録されているユーザの位置情報をすべて把握しているという点についても情報管理上問題が有るという指摘もある。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、複数のユーザの中から自分の現在位置に近いユーザを探す際に、双方共完全に位置情報を隠蔽しつつ、近くに居るユーザを選別することができる近傍端末抽出システム、情報端末、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における近傍端末抽出システムは、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する一の端末と、予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が、前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記任意の桁と異なる桁の数字を前記一の端末に対して送信する他の端末と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明における近傍端末抽出システムは、請求項1に記載の近傍端末抽出システムにおいて、前記任意の桁は、前記所定の数字列のうち、最下位の桁から順番に送信されることを特徴とする。
【0010】
さらに、上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明における情報端末は、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報を計測する計測手段と、前記計測された位置情報を記憶する記憶手段と、前記位置情報のうち任意の桁の数字を他端末に対して送信する送信手段と、予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記他端末から送信される前記任意の桁と異なる桁の数字を受信する受信手段と、前記任意の桁と異なる桁の数字が、前記自端末における前記任意の桁と異なる桁と同じ桁の数字から所定の数値範囲内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記所定の数値範囲内にあると判定された前記他端末を記憶する記憶手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明における情報端末は、請求項3に記載の情報端末において、前記送信手段は、前記記憶手段に記憶された前記他端末に対してのみ、前記他端末との間で従前に送受信が行われた何れの桁とも異なる桁の数字を送信することを特徴とする。
【0012】
そして、上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明における近傍端末抽出システムの制御方法は、一の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する工程と、他の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が、前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記任意の桁と異なる桁の数字を前記一の端末に対して送信する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明における近傍端末抽出システムの制御プログラムは、一の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する処理と、他の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が、前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記任意の桁と異なる桁の数字を前記一の端末に対して送信する処理と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現在位置が近いユーザを探す際に、お互いに正確な位置情報を隠蔽しつつ、近傍ユーザを選別することができる近傍端末抽出システム、情報端末、制御方法、及び制御プログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における近傍端末抽出システム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における一の端末の動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の実施形態における他の端末の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施形態における一の端末における任意の桁と同じ桁の数字が、他の端末において所定の数値範囲内にあるか否かを判定することを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態における近傍端末抽出システム全体の構成を示すブロック図である。図1において、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、可搬型のパーソナルコンピュータ等の一の情報端末10及び他の情報端末20〜23は、GPS(Global Positioning System)からの電波を受信して自分の現在の位置情報を計測する位置情報計測部110、210と、自分の情報端末の位置情報に関する情報を相手側の情報端末に対して送信する送信部120、220と、相手側の情報端末からから送信された位置情報に関する情報を受信する受信部130、230と、相手側の情報端末から送信された位置情報に関する情報に基づいて、当該相手側の情報端末が、自分の情報端末の近傍に存在するか否かを判定する判定部150、250と、自分の情報端末の位置情報と自分の情報端末の近傍に存在する相手側の情報端末の位置情報とを記憶する記憶部140、240とから構成される。なお、図示はしていないが、自端末の位置情報を記憶、送信する際や、相手側の端末の位置情報を受信、記憶する際に2進、4進、8進といったコード値に変換するためのエンコード部をさらに備えていても良い。
【0018】
なお、位置情報の計測は、上述したGPSによるものであっても、自端末の位置情報をデスクトップ上に予め登録しておいたものであっても良く、特に制限はない。また、図1においては、他の情報端末として、符号20〜23の4台のみを掲載しているが、他の情報端末の台数は4台に限られることなく、任意の台数の他の情報端末が、一の情報端末10の近傍ないしは遠方に複数存在しているものとする。
【0019】
次に、本発明の実施形態における一の情報端末10の動作について説明する。図2は、本発明の実施形態における一の情報端末の動作を示すフローチャート図である。図2の説明に当たり、前提条件として、近傍に居る他の情報端末20〜23を探す一の情報端末10のユーザをU0、ユーザU0の近傍又は遠方に居り、これから近傍検索がなされる他の情報端末20〜23のユーザの集合をUsetとし、GPS等で測量したユーザU0の現在位置Pu0を2次元(XY)座標で表すと共に、このXY座標で表された現在位置を、各座標毎に桁毎に分解する。例えば、Pu0=(13、65)とすると、Pu0x10=1、Pu0x01=3、Pu0y10=6、Pu0y01=5となる。そして、U0の知り合いユーザ集合をUsetに設定し、Usetに対して、Pu0x01をブロードキャスト配信するものとする。
【0020】
図2において、まず、一の情報端末10は、ユーザ集合Usetを初期化し(ステップ(以下、「S」という。)20)、他の情報端末のユーザ集合Usetに属するUaに対して、自端末の現在位置Xの最下位桁であるPu0x01=3を送信する(S21)。そうすると、ユーザ集合Usetに属するUaから、Uaが居るXY座標で表された現在位置の中から、Uaの現在位置Yの最下位桁であるPuay01を受信する(S22)。一の情報端末10は、判定部150において、当該受信されたPuay01に基づいて、他の情報端末Uaが自端末の近傍に居る可能性があるか否かを判定し(S23)、近傍に存在する可能性が高いと判定された場合には(S23:Yes)、S25へ移行して当該ユーザ集合Usetを更新して他の情報端末(Ua)を残存させ、近傍に存在する可能性が高くないと判定された場合には(S23:No)、S24へ移行して当該ユーザ集合Usetの中からPuay01を送信した他の情報端末(Ua)を取り除く。なお、このS23の判定方法については後述する。
【0021】
続いて、S26において、すべてのユーザ集合Usetから他の情報端末の現在位置Yの桁であるPuayを受信したか否かが判断され(S26)、すべてのユーザ集合Usetから他の情報端末の現在位置Yの桁であるPuayの受信が終了していない場合には(S26:No)、S22の処理に戻る。すべてのユーザ集合Usetから他の情報端末の現在位置Yの桁であるPuayの受信が終了した場合には(S26:Yes)、S27へ移行する。ここで、Usetに属する他の情報端末からの応答がないことも想定し、所定の時間応答がない場合は全てのPuayを受信したと判定してもよい。
【0022】
S27において、一の情報端末10とユーザ集合Usetの他の情報端末Uaとが十分近傍位置にあるか否かが判定され、十分近傍位置にあると判定された場合、すなわち、一の情報端末10及び他の情報端末の双方において、位置座標の最上位桁に至るまで送受信を終えたと判定された場合には(S27:Yes)、処理を終了し、十分近傍にあると判定できない場合には(S27:No)、S28へ移行する。また、Usetが空(つまり、送信する相手がいない)であった場合も終了する。すなわち、S27:Noの場合には、ユーザ集合Usetに属し、一の情報端末と近傍位置に有ると考えられる他の情報端末の候補が未だに多く存在することを意味している。なお、このS27の判定方法については後述する。
【0023】
さらに、一の情報端末10から近傍位置にある他の情報端末Uaを絞るために、S28においては、残存している他の情報端末のユーザの集合Usetに対して、自端末の現在位置Xの次の下位桁であるPu0x10=1を送信する。そして、S29において、ユーザの集合Usetから、残存する他の情報端末Uaが居るXY座標で表された現在位置の中から、他の情報端末Uaの現在位置Yの次の下位桁であるPuay10を受信し、S23の処理の戻り、一の情報端末10は、判定部150において、当該受信されたPuay10に基づいて、残存する他の情報端末が自端末の近傍に居る可能性があるか否かを判定する。
【0024】
次に、本発明の実施の形態における他の情報端末20〜23の動作について説明する。図3は、本発明の実施形態における他の端末の動作を示すフローチャート図である。図3の説明に当たり、前提条件は上述した図2の場合と同様である。S31において、他の情報端末20〜23は、一の情報端末10のユーザU0から、一の情報端末10の現在位置Xの下位桁であるPu0x10=1を受信する。S32において、他の情報端末20〜23は、判定部250において、当該受信されたPu0x10に基づいて、自端末が一の情報端末10の近傍に居る可能性があるか否かを判定し、近傍に存在する可能性が高いと判定された場合には(S32:Yes)、S33へ移行して他の情報端末20〜23が居るXY座標で表された現在位置の中から、他の情報端末の現在位置Yの次の下位桁を送信し、当該ユーザ集合Usetとして残存することなり、近傍に存在する可能性が高くないと判定された場合には(S32:No)、S34へ移行して他の情報端末20〜23の現在位置Yの次の下位桁を送信することなく、当該ユーザ集合Usetから脱落し、一の情報端末10の近傍に居ない旨(非近傍)を送信するか、又は一の情報端末10の近傍に居ない旨を送信せずにタイムアウトとなって終了する。なお、このS32の判定方法については後述する。
【0025】
なお、図2、図3の説明において、一の情報端末10のユーザU0の現在位置Pu0を2次元(XY)座標で表すことで説明したが、ユーザU0の現在位置Pu0を表すのに、必ずしも2次元である必要はなく、1次元であっても良いし、また、位置情報として高さ情報も得られるのであれば3次元であっても良いことは勿論のことである。
【0026】
ここで、一の情報端末10と他の情報端末20〜23との間が近傍関係にあるか否かを判定する(図2のS23、S27、図3のS32)に際し、XY座標における最下位桁の数字を送信することにより近傍関係にある他の情報端末を絞っていく点について図4を用いて詳細に説明する。図4は、本発明の実施形態における一の端末における任意の桁と同じ桁の数字が、他の端末において所定の数値範囲内にあるか否かを判定することを説明する図である。
【0027】
いま、情報端末10のユーザU0の現在位置Pu0を、Pu0=(13、65)と仮定し、このXY座標で表された現在位置を、各座標毎に分解して、Pu0x=13、Pu0y=65とし、一の情報端末10が、他の情報端末のユーザの集合Uset=100台に対して、自端末の現在位置Pu0=(13、65)を送信することにより、距離3以下の位置にある他の情報端末を近傍関係にある他の情報端末として探すとする。このようにすると、自端末の現在位置が100台全ての他の情報端末に知られてしまい、一の情報端末と他の情報端末とが、双方とも完全な位置情報を秘匿しながら、近傍ユーザを徐々に選別していくという本発明の趣旨に反してしまうこととなる。
【0028】
そこで、図2の説明において述べたように、まず、自端末の現在位置Xの最下位桁であるPu0x01=3を送信することにより、Pu0x01=3から距離3以下の位置にある他の情報端末を近傍関係にある情報端末であるという判定を行った場合、図4(b)の斜線部に示すように、Pu0x01=3から距離3以下の位置にあるのは、X=0〜6、10〜16、20〜26、30〜36、40〜46、50〜56、60〜66、70〜76、80〜86、90〜96の70%の範囲といった非常に広い範囲内に、一の情報端末が存在することとなるため、一の情報端末10が、果たしてX=0〜6、10〜16、20〜26、30〜36、40〜46、50〜56、60〜66、70〜76、80〜86、90〜96の中の何れの範囲に存在するのかが分かりにくくなり、匿名性が非常に高くなる。そして一の情報端末と近傍関係にあると考えられる他の情報端末Puaについても近傍端末を絞るために、他の情報端末が居るXY座標で表された現在位置の中から、他の情報端末Uaの同様の広い範囲に位置している匿名性のある現在位置Yの最下位桁であるPuay01を送信してもらうことにより、一の情報端末10においてさらに振るいにかけ、最終的に本当に近傍関係にある他の情報端末Uaを探っていくのである。このように、匿名性を保ちつつ、徐々に詳細な位置情報を交換していくことになる。
【0029】
次に、自端末Pu0の現在位置Xの次の下位桁であるPu0x10=1を送信すると、限られたユーザだけにPu0x=13であることが知られることになる。これを仮に、まず、自端末の現在位置Xの最下位桁であるPu0x10=1を送信していたとすると、距離3以下の位置にあるのはX=7〜22の16%の範囲といった狭い領域内にいることが知られてしまう。このため最下位桁から送信している。
【0030】
このような処理を施すことにより、お互いに近傍関係にある可能性のないユーザを徐々に振るい落とすことができ、仮に他の情報端末のユーザが虚偽の位置情報を送信したとしても、最終的に一の情報端末の処理(図2のS23、S27)において振るい落とされることになるので、他の情報端末から一の情報端末の位置情報を知ることができず、近傍端末を検索している最中に途中でふるい落とされた他の情報端末のユーザには、一の情報端末のユーザの位置情報に関して、多くの可能性の残る非常に大雑把な位置情報しか与えられないことになる。これは、虚偽の位置情報を送信するのが、一の情報端末であった場合も同様である(他の情報端末の処理(図3のS32)において振るい落とされることになる。)。
【0031】
以上説明してきたように、本発明によれば、一の情報端末10のユーザU0は、隣接可能性ユーザUsetを知り合いの全ユーザを初期値とし、隣接判定を行い徐々に減らしていき、Usetに属する他の情報端末のユーザUaは、隣接可能性ユーザUsetについて空集合を初期値とし、受信部230(図1)においてU0からブロードキャスト配信を受け、隣接可能性判定に合格し続ける限りUsetをU0に設定し続けるのである。そして、下位桁から送信する(すなわち、Pu0x10よりもPu0x01を先に送信する。)ことにより、位置情報として広い範囲に位置している可能性がある状態から、徐々に範囲を絞ることができるのである。なお、上記説明においては、座標値で表された現在位置を、各座標値を構成する下位桁から送受信する場合について説明しているが、必ずしも下位桁から行う場合に限られず、上位桁から送受信を行っても良いことは勿論のことである。
【0032】
また、本実施形態においては、一の情報端末10と他の情報端末20〜23との間の通信を、無線を介して行う例について説明しているが、通信手段は必ずしも無線に限られず、他の通信手段を用いても良いことは勿論のことである。
【0033】
なお、この図2及び図3に示した一連の動作は、一の情報端末10及び他の情報端末20〜23の図示しない制御部に設けられた図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部140、240に格納されたプログラムを実行することによって行われる。
【0034】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 一の情報端末
110、210 位置情報計測部
120、220 送信部
130、230 受信部
140、240 位置情報、他端末記憶部
150、250 判定部
100 近傍端末抽出システム
20、21、22、23 他の情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する一の端末と、
予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が、前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記任意の桁と異なる桁の数字を前記一の端末に対して送信する他の端末と、
を含むことを特徴とする近傍端末抽出システム。
【請求項2】
前記任意の桁は、前記所定の数字列のうち、最下位の桁から順番に送信されることを特徴とする請求項1記載の近傍端末抽出システム。
【請求項3】
予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報を計測する計測手段と、
前記計測された位置情報を記憶する記憶手段と、
前記位置情報のうち任意の桁の数字を他端末に対して送信する送信手段と、
予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記他端末から送信される前記任意の桁と異なる桁の数字を受信する受信手段と、
前記任意の桁と異なる桁の数字が、前記自端末における前記任意の桁と異なる桁と同じ桁の数字から所定の数値範囲内にあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記所定の数値範囲内にあると判定された前記他端末を記憶する記憶手段と、
を含むことを特徴とする情報端末。
【請求項4】
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶された前記他端末に対してのみ、前記他端末との間で従前に送受信が行われた何れの桁とも異なる桁の数字を送信することを特徴とする請求項3記載の情報端末。
【請求項5】
一の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する工程と、
他の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が、前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記任意の桁と異なる桁の数字を前記一の端末に対して送信する工程と、
を含むことを特徴とする近傍端末抽出システムの制御方法。
【請求項6】
一の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される自端末の位置情報のうち、任意の桁の数字を他端末に対して送信する処理と、
他の端末が、予め定められた所定の数字列から構成される前記他端末の位置情報のうち、前記任意の桁と同じ桁の数字が、前記任意の桁の数字から所定の数値範囲内にあるとき、前記任意の桁と異なる桁の数字を前記一の端末に対して送信する処理と、
を含むことを特徴とする近傍端末抽出システムの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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