説明

送迎支援システム

【課題】本発明は、児童のタクシー送迎サービスを支援するシステムを提供することを目的としている。
【解決手段】送迎サービスを受ける児童又はお年寄りの保護者である利用者が、webブラウザ機能付きのパーソナルコンピュータあるいは携帯電話からタクシー会社のサーバに対して予約を行い、そのサーバにおいて、webコンテンツよりタクシーの予約、予約の確認、キャンセル、送迎中は送迎対象の乗っているタクシーの現在地の表示を行い、送迎の開始時と終了時に利用者の携帯あるいはPCにメールを送信して知らせるシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、児童の送迎に送迎業者の車両を利用することを支援するためのシステムに属する。
【背景技術】
【0002】
近年、働く母親の増加で放課後に学童保育で保育を受ける小学校低学年の児童も、増加の傾向にある。学童保育の多くは市町村などの行政による運営が多くを占め、その保育時間は基本的に朝9時から午後6時までであり、児童の安全のために保護者による送迎を義務づける施設も多い。
【0003】
一方、フルタイムで働く母親にとって、勤務時間は学童保育の保育時間とほぼ一致するため、通常の勤務を行っている限り送迎できない状況が発生する。
【0004】
有償ボランティアにより児童の送迎を行う団体も存在するが、送迎のみのサービスは利用者に対してサービス提供者が少ない状況が多く、児童の送迎サービスを受けたくても受けられない利用者は多いと考えられる。
【0005】
これらの利用者をタクシーなどの送迎業者の顧客として開拓する場合、まず親である契約者の安心感を獲得する必要がある。そのために運転手と面接した上で担当を決めるなどする必要がある。また、送迎の開始と終了、送迎中の現在位置を通知することでより安心感を与える事が出来る。一方で、多忙な利用者のために予約や支払いなどの手間を軽減させることが望ましい。
【0006】
【特許文献1】特開2002−279589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、利用者が送迎サービスの予約、キャンセル、金額の確認などを行い、送迎中は送迎対象である児童の乗るタクシーの現在位置をweb画面にて提供することにより、児童のタクシー送迎サービスを支援するシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる児童送迎支援システムは、送迎サービスを受ける児童又はお年寄りの保護者である利用者がタクシーの予約を行うためのwebブラウザ機能付きのPCあるいは携帯電話と、上記タクシー会社と契約するカード会社と、利用者毎のデータベース、webコンテンツを提供する機能を持つタクシー会社のサーバを備えている。
【0009】
サーバと通信する機能を持つタクシーは、送迎の予約がタクシー会社のサーバから送信され、その予定が実行可能な場合に、送迎予定を格納する記憶装置を持つ。また、GPS機能を持ち、サーバから現在位置を通知する要求を受けた場合に現在位置をサーバに対して送信する機能を持つ。また、送迎開始と送迎終了をサーバに対して送信する機能を持つ。
【0010】
上記利用者毎のデータベースは、利用者の電話番号などの固定的な情報を格納するデータと、月別の利用状況を格納するデータベースに分かれ、月別の送迎データベースで利用者の予約状況や利用の履歴などを保存している。
【0011】
上記webコンテンツを提供する機能は、上記データベースの情報を参照して表示させたり、利用者からの入力をデータベースに反映させたりする機能を持つ。また、タクシーが送迎を行っている間、その位置をユーザの携帯電話、又はPCに送信する機能を持つ。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者はタクシー会社に電話で連絡することなく、定期的な送迎の依頼やキャンセルを行う事が出来るので、送迎の依頼を行いやすくなる。又、送迎サービスを受けている児童の位置を知る事が出来るので、利用者に対して安心感を与えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明を具体的に説明するために、図を使用して詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の児童送迎支援システムは、児童やお年寄りを送迎出来ない利用者に代わって、定期的にタクシーを児童の送迎に使うことを支援する目的で、予約、キャンセル、予約の確認、支払いの手間を軽減させ、送迎の開始時と終了時はメールで利用者に連絡し、児童が送迎サービスを受けている間は、現在位置を表示して利用者に送信することで、その場にいない保護者が児童の状況を把握できる事を目的としている。
【0015】
図1は本システム全体を示す図である。タクシー会社のサーバ1には、記憶装置2の中に利用者の情報を格納するデータベース(DB)3、地図情報DB6、インターネット接続機能9を備え、オペレータの操作用の端末、入力装置10を付属する。利用者の情報DB3は、変更の少ない固定情報4と、月別の送迎情報5がある。固定情報4とは、名前(保護者・送迎対象者)、電話番号(自宅・携帯)、住所、支払いのカード番号、担当運転手、e-mailアドレスなどである。この固定情報の入力は利用者と送迎の契約を行うときに、オペレータが入力する。担当運転手は顧客に安心感を与えるために、必要であれば決めておく。さらに利用者がアクセスして、送迎の予約や確認、現在位置を表示させるwebページを作成するためのCGI(Common Gateway Interface)やASP(Active Server Pages)などのwebコンテンツ作成機能7と、利用者にメールで情報を送信するためのメール作成機能8を備えている。
【0016】
タクシー11は、GPS(Global Positioning System 全地球測位システム)装置12、送迎予定情報を格納する記憶装置14、料金メーター13、運転手が操作する端末16、インターネット接続機能15を備えている。
【0017】
利用者は、PCあるいは携帯電話16を持ち、それにはインターネット接続機能18、端末入力部及び表示部19を備えている。
【0018】
利用者がこのシステムを利用する順序に従って実施例を説明する。利用者が本システムを利用する場合の手順を図3に示す。利用者は、ステップ1でタクシー送迎サービスのホームページである、タクシー会社のホームページにアクセスする。この時、ユーザIDとパスワードでセキュリティを確保し、利用者の情報を第3者に知られないようにする。サーバがステップ2で図9に例示する画面を表示し、この画面からステップ3で予約とキャンセルなどを行う画面に進む。
【0019】
予約を行う場合の手順を図4と図5で説明する。図4のステップ4で図9に例示する画面から「予約」の項目を選ぶと、サーバは、ステップ5で図10に例示する予約ページにジャンプするので、ステップ6で利用者は予約を行いたい日、時間、送迎区間を入力する。他に連絡事項がある場合はその内容を備考欄に入力し、入力が完了すると送信ボタンを押して入力完了とする。
【0020】
サーバは予約依頼を受信すると、ステップ7で、図11に例示する画面を表示させ、予約を受け付けたことを示す。それから図5のステップ8で、利用者情報DBの月別送迎情報に予約情報を追加する。ここで、月別の送迎情報の例を図2に示す。1回の送迎につき1エントリーとし、エントリー毎に順番に番号を付ける。エントリー内の項目はステータス、区間、日時、備考、金額である。ここではステータスを予約中とし、区間、日時、備考を入力したエントリーをデータベースへ追加する。予約時に金額欄は空欄である。
【0021】
それから、ステップ9で顧客の固定情報を参照し、担当運転手の乗るタクシーに送迎の予約情報を送信する。
【0022】
サーバから送迎の予約情報を受信すると、タクシーの運転手はステップ10でタクシーの端末を使用して、送迎の予定を確認して記憶装置に格納する。これで予約の処理は完了である。
【0023】
利用者が送迎予定の確認あるいはキャンセルを行う場合の手順について、図6で説明する。予約時と同様、ステップ3で、図9に例示する画面から、ステップ11で利用者が「今月の状況、キャンセル」の項目を選択すると、サーバはステップ12で図12に例示する画面を表示する。この画面は、利用者の月別送迎情報を元にして、web作成機能により作成され表示されている。
【0024】
利用者が以前行った予約をキャンセルしたい場合、ステップ13で図12に例示する画面において、ユーザはキャンセルしたい予約番号を画面のドロップダウンリストから選択する。このドロップダウンリストの選択肢は、サーバが月別送迎情報から予約中のエントリーだけを選択して、表示させるものである。利用者はキャンセルする番号を選択して送信をクリックする。サーバがこれを受信すると、ステップ14で月別送迎データファイルの対応するエントリーを削除する。そしてキャンセルの処理が完了したことを示すために、ステップ15で図13を表示させ、ステップ16でタクシーにキャンセルの通知を送信する。これを受信したタクシーでは、ステップ17で運転手がキャンセルされた番号の予定をタクシー搭載の記憶装置から削除する。これでキャンセルの処理は終了である。
【0025】
送迎中の手順の例について、図7と図8のフローチャートに従って説明する。送迎を開始すると、ステップ18で運転手は送迎開始をタクシー会社のサーバに送信する。この時から、ステップ21でタクシーはGPS機能を利用して位置情報を取得し、その情報をサーバに数秒間隔で送信する。サーバは送迎開始を受信すると、ステップ19で月別送迎情報のステータス欄を予約中から送迎中に書き換える。そしてステップ20で利用者のPCあるいは携帯電話に、メール作成機能により送迎開始のメールを作成し送信する。このメールには送迎開始時間、現在地情報を表示させるwebのurl(Uniform Resource Locator)を示しておく。ステップ22でこのアドレスのwebに利用者がアクセスすると、サーバは現在位置の表示を要求されたとみなして処理を行う。
【0026】
サーバは図7のステップ23で月別送迎送迎情報にステータスが送迎中のエントリーがあるかを調べる。エントリーが無い場合はステップ25で図15を表示させて処理を終了する。ステータスが送迎中のエントリーがある場合は、サーバは数秒間隔で受信するタクシーの位置情報と、それに対応する地図の画像を地図DBから取得し、ステップ26で図14のように表示させる。
【0027】
送迎が終了すると、図8のステップ27でタクシーの運転手は送迎終了をサーバに対して送信する。そのとき料金メーターから得られた金額も送信する。位置情報の送信は停止する。ステップ28でサーバのメール作成機能が、タクシーから送信された情報を元に、利用者に対して送迎終了の通知と金額をメールで連絡する。そして、ステップ29で利用者別送迎情報DBの月別送迎データのステータス欄を「終了」に書き換え、金額を入力し、処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】システム図である。
【図2】利用者の月別送迎情報の例である。
【図3】予約、キャンセルの処理に入る時のフローチャートである。
【図4】予約時の処理を示すフローチャートである。
【図5】予約時の処理を示すフローチャートである。
【図6】予約状況の確認、キャンセルの処理を示すフローチャートである。
【図7】送迎時の処理を示すフローチャートである。
【図8】送迎時の処理を示すフローチャートである。
【図9】タクシー会社ホームページの画面例である。
【図10】予約画面例の画面例である。
【図11】予約受付画面の画面例である。
【図12】利用状況表示、キャンセル画面の画面例である。
【図13】キャンセル完了画面の画面例である。
【図14】位置情報送信画面の画面例である。
【図15】位置情報送信画面の画面例である。
【符号の説明】
【0029】
1…タクシー会社のサーバ、2…記憶装置、3…利用者情報DB、4…固定情報、5…月別送迎情報、6…地図DB、7…webコンテンツ作成機能、8…メール作成機能、9…インターネット接続機能、10…オペレータ用入出力装置、11…タクシー、12…GPS装置、13…料金メーター、14…送迎予定記憶装置、15…インターネット接続機能、16…端末入力部と表示及び出力部、17…パーソナルコンピュータ又は携帯電話、18…インターネット接続機能、19…端末入力部と表示及び出力部、20…インターネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置、表示装置、入力装置、利用者情報と地図情報を格納する記憶装置、これらを制御する機能を持つ管理装置と、位置情報受信装置、記憶装置、表示装置、入力装置、通信装置を持つ車両と、通信装置、表示装置、入力装置を持つ利用者端末を備え、管理装置が利用者端末から送迎の予約、確認、および解約の要求を受信すると、管理装置は記憶装置に格納している送迎情報を書き換えて管理する一方で、車両に対して予約情報を送信し、車両は受信した予約情報を記憶装置に登録、削除することを特徴とする、送迎支援システム。
【請求項2】
上記車両が位置情報受信装置により入手した位置情報を上記管理装置に対して送信し、管理装置は受信した位置情報とそれに対応する地図情報から、利用者端末に対して地図上に車両の現在地を表示する機能を有する、請求項1記載の送迎支援システム。
【請求項3】
上記車両から送迎中の状態を上記管理装置に対して送信し、それを管理装置から上記利用者端末に対して送信する機能を有する、請求項1および2記載の送迎支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−32136(P2009−32136A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196884(P2007−196884)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】