説明

透明アンテナ

【課題】十分な透明度及び十分な放射特性を有する透明アンテナを提供する。
【解決手段】本発明の透明アンテナは、透明部材を備えた透明アンテナであって、前記透明部材は、350nm〜780nmの可視光波長領域において光を透過でき、100MHz〜20GHzの周波数帯において電磁波を放射する透明導電膜からなる放射素子を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的に透明なアンテナに関するものである。このアンテナを使用することにより、美観を損なうことなく、アンテナを無線機器や無線端末の表面、あるいはディスプレー窓の上に設置することができる。本発明の透明アンテナは、設置場所が限られる小型無線機器にアンテナが設置できるようになるだけでなく、機器の表面にアンテナを設置することにより、機器内部にある電子部品からアンテナを遠ざけることができ、アンテナに与える影響を小さくすることができるため、アンテナの設計を容易にすることができる。
【背景技術】
【0002】
従来、透明アンテナとしては、色々な方式のものが提案されており、例えば、金属を格子状にしたもの(例えば、非特許文献1参照)、極めて薄い金属を使ったもの(例えば、特許文献1参照)、透明電極を使ったもの(例えば、非特許文献2〜6、特許文献2〜5参照)などが挙げられる。
また、非特許文献2〜6に開示された透明電極としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)薄膜が用いられている。
【非特許文献1】M.S.Wu and K.Ito, “Meshed microstrip antennas constructed on a transparent substrate,”IEICE Trans.,vol.E−74,no.5,pp.1277−1282,1991.
【特許文献1】特許第3682480号公報
【非特許文献2】C−F.Huang and L.Chen,“Realization of a printed−on−display antenna for mobile terminals,”Elect.Lett.,vol.38,20,pp.1162−1163,2002.
【非特許文献3】K.Oshima,N.Kidera,K.Niwano,K.Ikawa,R.Sonoda,and S.Kawasaki,“Use of a transparent conductive thin−film on a glass substrate in active integrated antenna arrays with double strong coupling,”IEEE MTT−S Int.Microwave Symp.Dig.,pp.1569−1572,2002.
【非特許文献4】R.N.Simons and R.Q.Lee,“Feasibility study of optically transparent microstrip patch antenna,” IEEE AP−S Int.Symp.,pp.2100−2103,1997.
【非特許文献5】M.Outaleb,J.Pinel,M.Drissi,and O.Bonnaud,“Microwave planar antenna with rf−sputtered indium tin oxide films,” Microwave and Opt.Technol.Lett.,vol.24,no.1,pp.3−7,2000.
【非特許文献6】C.Mias,C.Tsakonas,N.Prountzos,D.C.Koutsogeogis,S.C.Liew,C.Oswald,R.Ranson,W.M.Cranton,and C.B.Thomas,“Optically transparent microstrip antenna,”IEE Colloquium on Antennas for Automotives,pp.8/1−8/6,2000.
【特許文献2】米国特許第5872542号明細書
【特許文献3】特開2001−267836号公報
【特許文献4】特開2003−280815号公報
【特許文献5】特開2006−286244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題がある。
非特許文献1に開示された格子状金属を用いたアンテナは、部分的にせよ可視光を遮るし、特許文献1に開示された金属膜を使用したアンテナの場合も、金属膜を薄くしても可視光の透過率がかなり低くなるので、いずれの場合も小型無線機器の表面に設置することが外観上難しいという問題がある。
【0004】
一方、ITO薄膜は、可視光を透過し透明であるが、抵抗率が高いため、大きな抵抗値をもつ。非特許文献2〜5、特許文献2〜4に開示されているアンテナは、放射素子の抵抗が大きいため、利得が低く、実用的ではない。また、非特許文献2〜5、特許文献2〜4には、透明アンテナにおける抵抗値による利得・放射効率の低下や、透明度と利得・放射効率との関係が明らかにされていない。その上、非特許文献4,5、特許文献2〜4に開示されているアンテナは、給電ラインと直接接続しているため、給電ラインに透明材料を使用した場合、使用された伝送路の損失によって、アンテナの利得が低減する。また、給電ラインに銅などの金属を使用した場合、美観を損なうことになる。さらに、非特許文献6、特許文献5に開示されているアンテナは、ダイポール形状であるため、形状の制限により利得が低い。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、十分な透明度及び十分な放射特性を有する透明アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、透明部材を備えた透明アンテナであって、前記透明部材は、350nm〜780nmの可視光波長領域において光を透過でき、100MHz〜20GHzの周波数帯において電磁波を放射する透明導電膜からなる放射素子を備えたことを特徴とする透明アンテナを提供する。
【0007】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜は、スズドープ酸化インジウム薄膜からなることが好ましい。
【0008】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜は、フッ素ドープ酸化スズ薄膜からなることが好ましい。
【0009】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜が透明な誘電体基板上に成膜されたことが好ましい。
【0010】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜が透明でない誘電体基板上に成膜されたことが好ましい。
【0011】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜は、膜厚が100nm以上、前記可視光波長領域における透過率が60%以上、シート抵抗が20Ω/□以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜は、膜厚が100nm以上、前記可視光波長領域における透過率が40%以上、シート抵抗が5Ω/□以下であることが好ましい。
【0013】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜はスズドープ酸化インジウム薄膜からなり、前記誘電体基板上に前記透明導電膜が成膜された状態での前記可視光波長領域における透過率が30%であることが好ましい。
【0014】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜はフッ素ドープ酸化スズ薄膜からなり、前記誘電体基板上に前記透明導電膜が成膜された状態での前記可視光波長領域における透過率が30%以上であることが好ましい。
【0015】
本発明の透明アンテナにおいて、0.8GHz〜12GHzにおいて、同じ寸法の金属薄膜を用いて作製したアンテナに比べて、利得の低下が6dB以下であり、放射効率が20%以上であることが好ましい。
【0016】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明部材が給電部材に積層されてなることが好ましい。
【0017】
本発明の透明アンテナにおいて、前記給電部材はマイクロストリップラインを有し、該マイクロストリップラインと前記透明導電膜が直接または間接に前記透明部材と対向していることが好ましい。
【0018】
本発明の透明アンテナにおいて、前記給電部材はスロットを有し、該スロットと前記透明導電膜が直接または間接に前記透明部材と対向していることが好ましい。
【0019】
本発明の透明アンテナにおいて、GPS帯における電圧定在波比が2以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の透明アンテナにおいて、前記給電部材は、比誘電率ε、誘電損失正接tanδが、1<ε<11、tanδ<0.003の関係を満たす基板を備えたことが好ましい。
【0021】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明部材は、比誘電率ε、誘電損失正接tanδが、ε<5、tanδ<0.006の関係を満たす透明な誘電体基板を備えたことが好ましい。
【0022】
本発明の透明アンテナにおいて、前記放射素子の幅w、長さL、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.2w≦L≦2.0w、0.15λ≦w≦0.26λの関係を満たしていることが好ましい。
ここで、使用周波数は、個々のアンテナ特有のパラメータである。
【0023】
本発明の透明アンテナにおいて、前記スロットの幅wsl、長さLsl、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.0025λ≦Lsl≦0.15λ、Lsl/30≦wsl≦Lsl/2の関係を満たしていることが好ましい。
【0024】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜が、誘電体筐体をもつ無線機器の表面、または、表示ディスプレーの内外面の一方または両方に成膜されたことが好ましい。
【0025】
本発明の透明アンテナにおいて、前記透明導電膜が、誘電体筐体をもつ無線機器の表面、または、表示ディスプレーの内外面の一方または両方に成膜され、かつ該透明導電膜を挟み込む誘電体基板が積層された構造を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の透明アンテナは、可視光の領域で透明性を持ち、電磁波を放射することができる。本発明のアンテナは、シート抵抗が低く、透明性が高いITO薄膜を使用し、さらにアンテナの形状を最適に設計することにより、十分な透明度を持ちながら、十分な放射特性を持たせることが可能となる。
また、FTO薄膜を使用すると、希少金属のインジウムの使用を避けることができ、コストを下げることができる。
本発明の透明アンテナは、透明で目立つことがなく、窓ガラスに設置することができ、室内アンテナや車載アンテナとして利用できる。また、年々小型化される無線端末の表面やディスプレー上に装着することができ、アンテナの設置場所を確保できるだけでなく、アンテナの設計を容易にすることができる。
本発明のアンテナを使用することにより、透過率が70%以上を保ちながら、アンテナ利得の低下を1dB以下、放射効率を80%以上にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明の透明アンテナは、透明部材を備え、透明部材は、350nm〜780nmの可視光波長領域において光を透過でき、100MHz〜20GHzの周波数帯において電磁波を放射する透明導電膜からなる放射素子を備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、前記透明導電膜としては、シート抵抗が1Ω/□〜20Ω/□の範囲であり、かつ透過率(波長550nm)が60%以上となるスズドープ酸化インジウム(ITO)薄膜を使用することが好ましい。
また、コストが安いフッ素ドープ酸化スズ(FTO)薄膜を使用することもできる。この場合、FTO薄膜としては、シート抵抗が1Ω/□〜5Ω/□の範囲であり、かつ透過率(波長550nm)が40%以上のもの、あるいは、シート抵抗が5Ω/□〜20Ω/□の範囲であり、かつ透過率(波長550nm)が80%以上のものを使用することが好ましい。
【0029】
本実施形態において、放射素子となる透明導電膜に使用するITO薄膜およびFTO薄膜の波長550nmで示す透過率を図1に示す。
ITO薄膜は、シート抵抗が0.6Ω/□からあり、透過率60%以上である。また、FTO薄膜は、シート抵抗が1Ω/□からあり、透過率が40%である。
【0030】
また、図2はシート抵抗がそれぞれ1.6Ω/□、15.5Ω/□となるITO薄膜とFTO薄膜の透過率の波長依存性を示すグラフである。透過率の急激な変動は、膜厚の干渉によるものである。
【0031】
これらの透明導電膜を用いて、透明アンテナとして、図3、4に示すパッチアンテナを基礎検討用に使用した。アンテナ放射素子の抵抗を考慮し、有限要素法(R.F.Harrington,Field computation by moment methods,IEEE PRESS,1993参照)を用いて解析を行った。
図3、4に示すパッチアンテナでは、アンテナの特性を低減しないように、給電系として電磁結合のマイクロストリップライン結合を使用した。したがって、直接励起用のマイクロストリップラインの損失による利得の低減および不要放射の発生を避けることが可能になる。
【0032】
図3に示すパッチアンテナ10は、誘電体基板11、および、その一方の面11a上に成膜され、放射素子をなす透明導電膜12からなる透明部材13と、基板14、その一方の面14a上に成膜されたマイクロストリップライン15、および、基板14の一方の面14aとは反対の面(他方の面)上に成膜されたグラウンド16からなる給電部材17とから構成されている。
また、基板14の一方の面14aに、誘電体基板11の一方の面11aとは反対の面(他方の面)が接合されて、透明部材13が給電部材17に積層されている。
そして、誘電体基板11の一方の面11a側から見て、透明導電膜12とマイクロストリップライン15が対向している。
【0033】
誘電体基板11としては、ガラス基板、樹脂基板、プレキシガラス基板などからなる透明な基板が挙げられる。
基板14としては、ポリテトラフルオロエチレン基板、ガラス基板などからなる透明または不透明な基板が挙げられる。
マイクロストリップライン15としては、銅、アルミニウム、金などの金属からなる金属薄膜が挙げられる。
グラウンド16としては、銅、アルミニウム、金などの金属からなる金属薄膜が挙げられる。
【0034】
このパッチアンテナ10において、誘電体基板11は、その比誘電率εと誘電損失正接tanδが、ε<5、tanδ<0.006の関係を満たしていることが好ましい。
また、基板14は、その比誘電率εと誘電損失正接tanδが、1<ε<11、tanδ<0.003の関係を満たしていることが好ましい。
さらに、放射素子をなす透明導電膜12の幅w、長さL、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.2w≦L≦2.0w、0.15λ≦w≦0.26λの関係を満たしていることが好ましい。ここで、使用周波数は、個々のアンテナ特有のパラメータである。
【0035】
このパッチアンテナ10では、透明部材13と給電部材17を結合することにより、マイクロストリップライン15を備えた給電部材17が、誘電法則を含めたMaxwellの方式と一致する電磁結合によって、電磁エネルギーを放つ。
また、マイクロストリップライン15の幅を変えることにより、伝送線路の特性インピーダンスである50Ω整合を取ることができる。また、マイクロストリップライン15の長さを変えることにより、アンテナの整合を調整することができる。
【0036】
一方、透明導電膜12の長さ(主偏波に対して)を変えることにより、アンテナの共振を調整する。
また、透明導電膜12の幅を変えることにより、アンテナの整合を調整する。
【0037】
このパッチアンテナ10は、誘電体基板11上に透明導電膜12が成膜された状態での上記の可視光波長領域における透過率が30%以上であることが好ましい。
また、このパッチアンテナ10は、0.8GHz〜12GHzにおいて、同じ寸法の金属薄膜を用いて作製したアンテナに比べて、利得の低下が6dB以下であり、放射効率が20%以上であることが好ましい。
【0038】
図4に示すパッチアンテナ20は、誘電体基板21、および、その一方の面21a上に成膜され、放射素子をなす透明導電膜22からなる透明部材23と、基板24、その他方の面24a上に成膜されたマイクロストリップライン25、基板24の他方の面24aとは反対の面(一方の面)上に成膜されたグラウンド26、および、グラウンド26に設けられたスロット27からなる給電部材28とから構成されている。
また、スロット27は、グラウンド26に設けられた細長い溝状の穴であり、このスロット27において基板24の一方の面が露出している。また、グラウンド26の表面側から見て、このスロット27はマイクロストリップライン25と対向している。
さらに、基板24の一方の面に、誘電体基板21の一方の面21aとは反対の面(他方の面)が接合されて、透明部材23が給電部材28に積層されている。すなわち、透明部材23と給電部材28が、スロット27を設けたグラウンド26を介して接合されている。
そして、誘電体基板21の一方の面21a側から見て、透明導電膜22とスロット27が対向し、結果として、透明導電膜22とマイクロストリップライン25が対向している。
【0039】
誘電体基板21としては、上記の誘電体基板11と同様のものが用いられる。
基板24としては、上記の基板14と同様のものが用いられる。
マイクロストリップライン25としては、上記のマイクロストリップライン15と同様のものが挙げられる。
グラウンド26としては、上記のグラウンド16と同様のものが挙げられる。
【0040】
このパッチアンテナ20において、誘電体基板21は、その比誘電率εと誘電損失正接tanδが、ε<5、tanδ<0.006の関係を満たしていることが好ましい。
また、基板24は、その比誘電率εと誘電損失正接tanδが、1<ε<11、tanδ<0.003の関係を満たしていることが好ましい。
また、放射素子をなす透明導電膜22の幅w、長さL、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.2w≦L≦2.0w、0.15λ≦w≦0.26λの関係を満たしていることが好ましい。
さらに、スロット27の幅wsl、長さLsl、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.0025λ≦Lsl≦0.15λ、Lsl/30≦wsl≦Lsl/2の関係を満たしていることが好ましい。
【0041】
このパッチアンテナ20では、透明部材23と給電部材28を結合することにより、マイクロストリップライン25を備えた給電部材28が、誘電法則を含めたMaxwellの方式と一致する電磁結合によって、電磁エネルギーを放つ。
また、マイクロストリップライン25の幅を変えることにより、伝送線路の特性インピーダンスである50Ω整合を取ることができる。また、マイクロストリップライン25の長さを変えることにより、アンテナの整合を調整することができる。
【0042】
一方、透明導電膜22の長さ(主偏波に対して)を変えることにより、アンテナの共振を調整する。
また、透明導電膜22の幅を変えることにより、アンテナの整合を調整する。
【0043】
また、スロット27の寸法(幅、長さ)を変えることにより、透明導電膜22とマイクロストリップライン25の電磁結合を調整する。
【0044】
このパッチアンテナ20は、誘電体基板21上に透明導電膜22が成膜された状態での上記の可視光波長領域における透過率が30%以上であることが好ましい。
また、このパッチアンテナ20は、0.8GHz〜12GHzにおいて、同じ寸法の金属薄膜を用いて作製したアンテナに比べて、利得の低下が6dB以下であり、放射効率が20%以上であることが好ましい。
【実施例】
【0045】
「実施例1」
図3に示すように、透明導電膜12の形状を正方形とし、1575.42MHz中心(GPS帯)への応用を目的とするマイクロストリップライン給電を用いたパッチアンテナ10の放射特性を測定した。
表1に測定に用いた各パラメータを示す。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示すパラメータを用いて、パッチアンテナ10の放射特性を算出した。
図5は、Sパラメータを示すグラフである。この図5より、このパッチアンテナ10は、破線で示す目的とするGPS周波数の1575.42MHzに共振することが分かった。
なお、この実施例1では、比較のために、放射素子を銅薄膜で形成したパッチアンテナの特性を示す。
【0048】
図6は、アンテナの整合状態を示すグラフである。この図6より、ITO薄膜からなる透明導電膜12は、抵抗Rinが55.7Ω、リアクタンスXinが20.3Ωであることが分かった。
【0049】
図7、8は、1.575GHzにおけるパッチアンテナ10の放射特性を示すグラフである。
アンテナの放射特性を、Sパラメータの一番落ちている値の周波数で示す。
図7はφ=0°、θ=90°における垂直面内指向性を表し、図8はφ=90°、θ=90°における水平面内指向性を表す。
また、これら図7、8より、パッチアンテナ10のピーク利得が約4.2dBiであることが分かった。
さらに、ITO薄膜からなる透明導電膜12と、銅薄膜からなる放射素子とを比較すると、透明導電膜12のピーク利得が0.7dB低減することが分かった。
なお、半値幅はそれぞれ、ITO薄膜の半値幅HPBWITO=86°、銅薄膜の半値幅HPBWcopper=85°であった。
また、計算により、透明導電膜12からなる放射素子を備えたパッチアンテナ10の放射効率は62%となり、銅薄膜からなる放射素子を備えたパッチアンテナに比べて、放射効率が27%低減することが分かった。
【0050】
「実施例2」
図9は、実施例2のパッチアンテナを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図9において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ30では、透明導電膜31の形状を円形とした。
このパッチアンテナ30について、表1に示すパラメータおよび透明導電膜31の半径r=24.7mmを用いて、放射特性(利得減、放射効率)を算出した。
その結果、実施例1とほぼ同じ結果が得られた。
【0051】
「実施例3」
図10は、実施例3のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図10において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ40では、透明導電膜41の形状を長方形とした。
このパッチアンテナ40は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0052】
「実施例4」
図11は、実施例4のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図11において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ50では、透明導電膜51の形状を楕円形とした。
このパッチアンテナ50は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0053】
「実施例5」
図12は、実施例5のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図12において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ60では、透明導電膜61の形状を三角形とした。
このパッチアンテナ60は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0054】
「実施例6」
図13は、実施例6のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図13において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ70では、透明導電膜71の形状を円環形とした。
このパッチアンテナ70は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0055】
「実施例7」
図14は、実施例7のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図14において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ80では、透明導電膜81の形状を五角形とした。
このパッチアンテナ80は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0056】
「実施例8」
図15は、実施例8のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図15において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ90では、透明導電膜91の形状を六角形とした。
このパッチアンテナ90は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0057】
「実施例9」
図16は、実施例9のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図16において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ100では、透明導電膜101の形状をH字型とした。
このパッチアンテナ100は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0058】
「実施例10」
図17は、実施例10のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図17において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ110では、透明導電膜111の形状をU字型とした。
このパッチアンテナ110は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0059】
「実施例11」
図18は、実施例11のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図18において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ120では、透明導電膜121の形状をL字型とした。
このパッチアンテナ120は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0060】
「実施例12」
図19は、実施例12のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図19において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ130では、透明導電膜131の形状を十字型とした。
このパッチアンテナ130は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0061】
「実施例13」
図20は、実施例13のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図20において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ140では、透明導電膜141の形状をT字型とした。
このパッチアンテナ140は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0062】
「実施例14」
図21は、実施例14のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図21において、図3に示したパッチアンテナ10の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ150では、透明導電膜141の形状を台形とした。
このパッチアンテナ150は、実施例1のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0063】
「実施例15」
図4に示すように、透明導電膜22の形状を正方形とし、1575.42MHz中心(GPS帯)への応用を目的とするマイクロストリップライン給電を用いたパッチアンテナ20の放射特性を測定した。
表2に測定に用いた各パラメータを示す。
【0064】
【表2】

【0065】
表2に示すパラメータを用いて、パッチアンテナ20の放射特性を算出した。
図22は、Sパラメータを示すグラフである。この図22より、このパッチアンテナ20は、破線で示す目的とするGPS周波数の1575.42MHzに共振することが分かった。
なお、この実施例15では、比較のために、放射素子を銅薄膜で形成したパッチアンテナの特性を示す。
【0066】
図23は、アンテナの整合状態を示すグラフである。この図23より、ITO薄膜からなる透明導電膜22は、抵抗Rinが59.6Ω、リアクタンスXinが2.2Ωであることが分かった。
【0067】
図24、25は、1.575GHzにおけるパッチアンテナ20の放射特性を示すグラフである。
アンテナの放射特性を、Sパラメータの一番落ちている値の周波数で示す。
図24はφ=0°、θ=90°における垂直面内指向性を表し、図25はφ=90°、θ=90°における水平面内指向性を表す。
また、これら図24、25より、パッチアンテナ20のピーク利得が約2dBiであることが分かった。
さらに、ITO薄膜からなる透明導電膜22と、銅薄膜からなる放射素子とを比較すると、透明導電膜22のピーク利得が1.7dB低減することが分かった。
なお、半値幅はそれぞれ、ITO薄膜の半値幅HPBWITO=90°、銅薄膜の半値幅HPBWcopper=89°であった。
また、計算により、透明導電膜22からなる放射素子を備えたパッチアンテナ20の放射効率は34.6%となり、銅薄膜からなる放射素子を備えたパッチアンテナに比べて、放射効率が16%低減することが分かった。
【0068】
「実施例16」
図26は、実施例16のパッチアンテナを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
図26において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ160では、透明導電膜161の形状を円形とした。
このパッチアンテナ160について、表2に示すパラメータおよび透明導電膜161の半径r=24.2mmを用いて、放射特性(利得減、放射効率)を算出した。
その結果、実施例15とほぼ同じ結果が得られた。
【0069】
「実施例17」
図27は、実施例17のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図27において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ170では、透明導電膜171の形状を長方形とした。
このパッチアンテナ170は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0070】
「実施例18」
図28は、実施例18のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図28において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ180では、透明導電膜181の形状を楕円形とした。
このパッチアンテナ180は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0071】
「実施例19」
図29は、実施例19のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図29において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ190では、透明導電膜191の形状を三角形とした。
このパッチアンテナ190は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0072】
「実施例20」
図30は、実施例20のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図30において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ200では、透明導電膜201の形状を円環形とした。
このパッチアンテナ200は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0073】
「実施例21」
図31は、実施例21のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図31において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ210では、透明導電膜211の形状を五角形とした。
このパッチアンテナ210は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0074】
「実施例22」
図32は、実施例22のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図32において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ220では、透明導電膜221の形状を六角形とした。
このパッチアンテナ220は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0075】
「実施例23」
図33は、実施例23のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図33において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ230では、透明導電膜231の形状をH字型とした。
このパッチアンテナ230は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0076】
「実施例24」
図34は、実施例24のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図34において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ240では、透明導電膜241の形状をU字型とした。
このパッチアンテナ240は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0077】
「実施例25」
図35は、実施例25のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図35において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ250では、透明導電膜251の形状をL字型とした。
このパッチアンテナ250は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0078】
「実施例26」
図36は、実施例26のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図36において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ260では、透明導電膜261の形状を十字型とした。
このパッチアンテナ260は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0079】
「実施例27」
図37は、実施例27のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図37において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ270では、透明導電膜271の形状をT字型とした。
このパッチアンテナ270は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0080】
「実施例28」
図38は、実施例28のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図38において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ280では、透明導電膜281の形状を台形とした。
このパッチアンテナ280は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0081】
「実施例29」
図39は、実施例29のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図39において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ290では、スロット291の形状を楕円形とした。
このパッチアンテナ290は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0082】
「実施例30」
図40は、実施例30のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図40において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ300では、スロット301の形状を菱形とした。
このパッチアンテナ300は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0083】
「実施例31」
図41は、実施例31のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図41において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ310では、スロット311の形状を亜鈴形とした。
このパッチアンテナ310は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0084】
「実施例32」
図42は、実施例32のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図42において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ320では、スロット321の形状をH字型とした。
このパッチアンテナ320は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0085】
「実施例33」
図43は、実施例33のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図43において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ330では、スロット331の形状をボウタイ型とした。
このパッチアンテナ330は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0086】
「実施例34」
図44は、実施例34のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図44において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ340では、スロット341の形状をU字型とした。
このパッチアンテナ340は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【0087】
「実施例35」
図45は、実施例35のパッチアンテナを示す概略斜視図である。
図45において、図4に示したパッチアンテナ20の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
このパッチアンテナ350では、スロット351の形状を十時字型とした。
このパッチアンテナ350は、実施例15のパッチアンテナ10とほぼ同等の放射特性(利得減、放射効率)を示した。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の透明アンテナに用いられるITO薄膜とFTO薄膜の波長550nmにおける透過率とシート抵抗との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の透明アンテナに用いられるITO薄膜とFTO薄膜の透過率の波長依存性を示すグラフである。
【図3】本発明の透明アンテナの一例としてパッチアンテナを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図4】本発明の透明アンテナの他の例としてパッチアンテナを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図5】本発明の実施例1の透明アンテナのSパラメータを示すグラフである。
【図6】本発明の実施例1の透明アンテナの整合状態を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例1の透明アンテナの放射特性を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例1の透明アンテナの放射特性を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例2の透明アンテナを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図10】本発明の実施例3の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図11】本発明の実施例4の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図12】本発明の実施例5の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図13】本発明の実施例6の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図14】本発明の実施例7の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図15】本発明の実施例8の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図16】本発明の実施例9の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図17】本発明の実施例10の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図18】本発明の実施例11の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図19】本発明の実施例12の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図20】本発明の実施例13の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図21】本発明の実施例14の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図22】本発明の実施例15の透明アンテナのSパラメータを示すグラフである。
【図23】本発明の実施例15の透明アンテナの整合状態を示すグラフである。
【図24】本発明の実施例15の透明アンテナの放射特性を示すグラフである。
【図25】本発明の実施例15の透明アンテナの放射特性を示すグラフである。
【図26】本発明の実施例16の透明アンテナを示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【図27】本発明の実施例17の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図28】本発明の実施例18の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図29】本発明の実施例19の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図30】本発明の実施例20の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図31】本発明の実施例21の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図32】本発明の実施例22の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図33】本発明の実施例23の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図34】本発明の実施例24の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図35】本発明の実施例25の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図36】本発明の実施例26の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図37】本発明の実施例27の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図38】本発明の実施例28の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図39】本発明の実施例29の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図40】本発明の実施例30の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図41】本発明の実施例31の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図42】本発明の実施例32の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図43】本発明の実施例33の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図44】本発明の実施例34の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【図45】本発明の実施例35の透明アンテナを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0089】
10,20・・・パッチアンテナ、11,21・・・誘電体基板、12,22・・・透明導電膜、13,23・・・透明部材、14,24・・・基板、15,25・・・マイクロストリップライン、16,26・・・グラウンド、17,28・・・給電部材、27・・・スロット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明部材を備えた透明アンテナであって、
前記透明部材は、350nm〜780nmの可視光波長領域において光を透過でき、100MHz〜20GHzの周波数帯において電磁波を放射する透明導電膜からなる放射素子を備えたことを特徴とする透明アンテナ。
【請求項2】
前記透明導電膜は、スズドープ酸化インジウム薄膜からなることを特徴とする請求項1に記載の透明アンテナ。
【請求項3】
前記透明導電膜は、フッ素ドープ酸化スズ薄膜からなることを特徴とする請求項1に記載の透明アンテナ。
【請求項4】
前記透明導電膜が透明な誘電体基板上に成膜されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項5】
前記透明導電膜が透明でない誘電体基板上に成膜されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項6】
前記透明導電膜は、膜厚が100nm以上、前記可視光波長領域における透過率が60%以上、シート抵抗が20Ω/□以下であることを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項7】
前記透明導電膜は、膜厚が100nm以上、前記可視光波長領域における透過率が40%以上、シート抵抗が5Ω/□以下であることを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項8】
前記透明導電膜はスズドープ酸化インジウム薄膜からなり、前記誘電体基板上に前記透明導電膜が成膜された状態での前記可視光波長領域における透過率が30%であることを特徴とする請求項1、2、4、6のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項9】
前記透明導電膜はフッ素ドープ酸化スズ薄膜からなり、前記誘電体基板上に前記透明導電膜が成膜された状態での前記可視光波長領域における透過率が30%以上であることを特徴とする請求項1、3、4、6のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項10】
0.8GHz〜12GHzにおいて、同じ寸法の金属薄膜を用いて作製したアンテナに比べて、利得の低下が6dB以下であり、放射効率が20%以上であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項11】
前記透明部材が給電部材に積層されてなることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項12】
前記給電部材はマイクロストリップラインを有し、該マイクロストリップラインと前記透明導電膜が直接または間接に前記透明部材と対向していることを特徴とする請求項11に記載の透明アンテナ。
【請求項13】
前記給電部材はスロットを有し、該スロットと前記透明導電膜が直接または間接に前記透明部材と対向していることを特徴とする請求項11に記載の透明アンテナ。
【請求項14】
GPS帯における電圧定在波比が2以下であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項15】
前記給電部材は、比誘電率ε、誘電損失正接tanδが、1<ε<11、tanδ<0.003の関係を満たす基板を備えたことを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項16】
前記透明部材は、比誘電率ε、誘電損失正接tanδが、ε<5、tanδ<0.006の関係を満たす透明な誘電体基板を備えたことを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項17】
前記放射素子の幅w、長さL、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.2w≦L≦2.0w、0.15λ≦w≦0.26λの関係を満たしていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項18】
前記スロットの幅wsl、長さLsl、光速を使用周波数で除して算出された波長λが、0.0025λ≦Lsl≦0.15λ、Lsl/30≦wsl≦Lsl/2の関係を満たしていることを特徴とする請求項1ないし11、13ないし17のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項19】
前記透明導電膜が、誘電体筐体をもつ無線機器の表面、または、表示ディスプレーの内外面の一方または両方に成膜されたことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の透明アンテナ。
【請求項20】
前記透明導電膜が、誘電体筐体をもつ無線機器の表面、または、表示ディスプレーの内外面の一方または両方に成膜され、かつ該透明導電膜を挟み込む誘電体基板が積層された構造を有することを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の透明アンテナ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2008−306552(P2008−306552A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152761(P2007−152761)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】