説明

透明カードを用いたカードゲーム機

【課題】ゲームの出力画面上にカードを配置するカードゲーム機において、透明カードを用いカード下を透かして見せることによりカードの種類に応じてカード中の絵柄や画像を変化させる処理を行ってカードのインタラクティブ性を向上させたカードゲーム機を提供する。
【解決手段】画像投影兼カードスキャン面2に透明カード6を複数枚載置しスキャンして自軍リストなどを登録する。ゲーム実行では、プレイヤは透明カード6を動かすことによりバトルを行う。ゲーム機は載置された各カードのカードID,位置および回転の情報を得て自軍リスト情報を更新する。例えは,載置された透明カード6のあるカードが偵察カートであれば、認識されていない敵キャラクタが偵察カードで捕捉されれば、偵察カード内にその敵キャラクタが拡大表示される。ロックオンカードによってその敵キャラクタに照準を合わせて破壊できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード搭載面に複数のカードを載置し、カードの情報を読み取ってゲームを進行するカードゲーム機、さらに詳しくいえば、カード載置面に載置するカードを透明板で形成し、カード下のモニタ画面の画像をカードの透明板を介して視認できるカードゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
カードを用い、カードに記録されたデータを読み取ってゲームを進行させる従来のカードゲーム機として種々のタイプのものが提案されている。
そのなかで、カードリアルタイムストラテジー型のアーケードゲームとして特許文献1が存在する。これは、プレイヤが、ICカードを埋め込み各サッカー選手の写真が印刷された選手カードを購入し、購入した選手カードを選手カード配置パネルに並べると、内部のイメージセンサが選手カードの裏面に記録されたカードデータを読み取り、各カードデータからチームを構成する選手のデータが作成されてゲームの開始となる。プレイヤは選手カード20の配置を変えることにより選手のポジションやフォーメーションを指示することができるものである。
【0003】
上記カードゲーム機において、図9に示すようにカード配置パネル80には多数のカード81が並べられた状態となり、カードが配置されたカード配置パネル部分の画像や絵は覆われ、どのようなものであるか視認することができなくなる。また、カード自体に図柄等が印刷されているため、カードを動かしても図柄の変化はない。
【特許文献1】特開2007−665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにモニタ上にカードを載置するタイプのゲーム機では、モニタの一部を覆ってしまうため、覆った部分のモニタの画像を認識することができなかった。
また、カードにキャラクタやその能力などを印刷しているため、ゲームの出力画面に載置したカード自体に図柄の変化はなく、載置したカードがゲーム中にどのような状態かを把握することは困難である。
【0005】
本発明は上記欠点を解決するもので、その目的は、ゲームの出力画面上にカードを配置するカードゲーム機において、透明カードを用いカード下を透かして見せることによりカードの種類に応じてカード中の絵柄や画像を変化させる処理を行ってカードのインタラクティブ性を向上させたカードゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、ゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報ならびにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、前記カードスキャン手段でスキャンしたイメージ画像からカードの種類を特定する情報を認識し、配置した透明カードの種類の情報を得る手段と、前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、配置したカードの種類がロックオンカードの場合、配置したカードをプレイヤが移動させたとき前記透明カードの位置・回転情報を得て前記出力画面上に表示されるキャラクタを前記カード枠内で連続して表示されるようにしプレイヤが一定時間追跡したとき、前記キャラクタを破壊する処理を行うゲーム処理手段とを有することを特徴とする。
本発明の請求項2はゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報ならびにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、前記カードスキャン手段でスキャンしたイメージ画像からカードの種類を特定する情報を認識し、配置した透明カードの種類の情報を得る手段と、前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、配置したカードの種類が偵察カードの場合、前記出力画面上に表示されるキャラクタを偵察カード内に捕捉したとき、前記透明カードの位置・回転情報を得て該キャラクタを偵察カード内に拡大表示する処理を行うゲーム処理手段とを有することを特徴とする。
本発明の請求項3はゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報ならびにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、前記カードスキャン手段でスキャンしたイメージ画像からカードの種類を特定する情報を認識し、配置した透明カードの種類の情報を得る手段と、前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、配置したカードの種類がプレイヤキャラクタカードの場合、前記透明カードの位置・回転情報を得て前記プレイヤキャラクタカードのキャラクタの情報を前記カード枠内の出力画面上に表示する処理を行うゲーム処理手段とを有することを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載の発明において前記透明カードの種類を特定する情報は、透明カードに印刷された赤外線で検出するバーコードであり、カメラにより前記バーコードを撮像し、撮像した該バーコードがデータベースに格納されている多数のバーコード情報の中から一致するバーコードを検出することにより、一致したバーコード対応のカードの種類を特定し、前記マークは透明カードの隅に印刷された赤外線で検出する基準マークであり、該基準マークを前記カメラで撮像し、各隅の基準マークの検出位置によりカードの回転を演算して回転情報を得るとともに透明カードのバーコードの画面上の撮像位置を算出することによりカードの位置情報を得ることを特徴とする。
本発明の請求項5はゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報を記憶したICメモリ部を含むRFIDを搭載するとともにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、前記RFIDと通信を行う通信部と、前記通信部により出力画面上に載置された透明カードのICメモリ部からカードの種類を特定する情報を読み出すことによりカードの種類を特定する情報を得る手段と、前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、配置したカードの種類がロックオンカードの場合、配置したカードをプレイヤが移動させたとき前記透明カードの位置・回転情報を得て前記出力画面上に表示されるキャラクタを前記カード枠内で連続して表示されるようにしプレイヤが一定時間追跡したとき、前記キャラクタを破壊する処理を行うゲーム処理手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
・ゲームの出力画面上に載置するカードは透明であるので、ガード配置後、ゲーム画面を見やすい。
・カードの図柄とゲーム画面との関連を深めることができるので、プレイヤにカードの能力等を直感的に伝えることができる。
・カードには予めすべて印刷する構成ではないので、ゲーム進行によるキャラクタの成長などを反映することができる。
・図柄のない透明カードの出荷が可能であるので、異なったタイトルで同じカードを用いることが可能となり、印刷した場合に発生する在庫を抱え込むというリスクを減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による透明カードを用いたカードゲーム機の外観を示す斜視図である。 カードゲーム機1は、筐体下部に略水平状態で画像投影兼カードスキャン面2が配置されている。画像投影兼カードスキャン面2の手前の左隅にメニュー選択用コントロールバー5が、同じく右隅に決定ボタン3とキャンセルボタン4がそれぞれ設けられている。右隅の前面位置にコイン投入部20が配置されている。
また、画像投影兼カードスキャン面2の背面にサブモニタ9が配置され、その上部にゲーム機タイトル表示部7が設置され、その左右にスピーカ8が設けられている。
【0009】
画像投影兼カードスキャン面2はゲーム画面を表示するとともに面2に載置された透明カード6をスキャンし、透明カード6に記録されている不可視の基準マーク,QRコードを読み出すためのアクリルを素材としたゲーム画面投影に適した面である。また、透明カード6にRFIDが搭載されている場合にはRFID内のICメモリ部に記憶されているカードIDを読み取る面でもある。
サブモニタ9は待ち受け画面やゲーム画面を表示するもので、プレイヤが視認する上で画像投影兼カードスキャン面2で表示するよりサブモニタ9に表示した方が好ましい画像は、サブモニタ9に表示される。
【0010】
図2は、図1のカードゲーム機の筐体の断面図である。
画像投影兼カードスキャン面2は上述のように透明のアクリルパネルが使用されている。アクリルパネルの裏面に微細な凹凸面加工がしてあり、シボ加工がなされている。なお、ガラスのパネルを用いる場合には裏面にフロスト加工を施し拡散面を形成する。この画像投影兼カードスキャン面2に筐体底部に設けたプロジェクタ16から投影された画像が映し出される。
この画像投影兼カードスキャン面2に赤外線を照射するために該画像投影兼カードスキャン面2の4辺に、基板にLEDを多数配列したLED赤外線光源26が配置されている。LED赤外線光源26からの赤外光は画像投影兼カードスキャン面2の裏面を一様に照射する。
【0011】
筐体の側面に配置されたCCDカメラ14は反射鏡32および反射鏡31を介して画像投影兼カードスキャン面2をスキャンし、画像投影兼カードスキャン面2に載置されている透明カード6に記載されている赤外線で検出できる不可視の基準マーク,QRコードのイメージを撮像する。CCDカメラ14でスキャンしたイメージ画像は、カメラ制御部13を介してCPU10に送られる(図4参照)。
【0012】
図3Aはカードの不可視データマークの一例を説明するための図である。
本発明にかかる透明カード6は枠体65と、この枠体65に形成した透明板66により構成され、その裏面に赤外線で検出できる基準マーク6a,QRコード6bが設けられている。この基準マーク6a,QRコード6bは赤外線で反射する特殊インクで印刷したものである。したがって、図6Aのロックオンカード,図7Aの偵察カード,図8Aのキャラクタカードに示すように可視できる絵柄が印刷されていても、この絵柄部分は検出されずイメージ入力されない。基準マーク6aは透明カード6の3隅にそれぞれ印刷されており、この基準マーク6aはイメージ入力を処理するときに、カードの位置(X情報,Y情報)および傾きのデータを得るのに用いられる。QRコード6bはカードの種類を示すID情報が記述された部分である。
【0013】
図3Bはカードの不可視データマークの他の例を説明するための図である。
この透明カード30の例は、QRコードの代わりにRFID31を搭載したもので、そのICメモリ部にこのカードの種類を示すID情報が格納されている。他の部分の構成は、図3Aと同じであり、赤外線で検出する基準マーク30aの配置は基準マーク6aと変わらない。
このようにRFID31を搭載する透明カードを用いる場合には、カードゲーム機にRFID31のメモリ部の情報をリード/ライトするカードリーダ/ライタを設ける必要がある。
【0014】
図4は、本発明による映像投影タイプカードゲーム機の回路の実施の形態を示すブロック図である。このカードゲーム機は自軍キャラクタが敵キャラクタと戦いを行い、敵に攻撃を加えて相手にダメージを与え、全ての敵キャラクタを破壊した場合、勝利するものである。
コイン投入部20からコインが投入されると、コイン関連装置21は入出力制御装置22を介してCPU10に伝達される。バックアップメモリ23にはコイン数・プレイ数などの設定値が格納される。決定ボタン3,キャンセルボタン4およびメニュー選択用コントロールバー5からの操作信号は入出力制御装置22を介してCPU10に送られる。
映像制御部15ではCPU10からのゲームの画像情報を受けプロジェクタ16で投影するための画像信号に変換する。プロジェクタ16はこの画像信号から画像を再生し、再生された画像は画像投影兼カードスキャン面2に投影される。
【0015】
カメラ制御部13はCPU10の指令に従ってCCDカメラ14を制御し、CCDカメラ14は画像投影兼カードスキャン面2をスキャンし、透明カード6の赤外像のイメージを撮像する。撮像したイメージ画像はカメラ制御部13を通じてCPU10の画像認識処理部10dに送られる。LED駆動部25はCPU10からの指令に従ってLED光源(赤外線光源)26を駆動してLEDを発光させ、画像投影兼カードスキャン面2の裏面を赤外光で照明する。サブモニタ9は上述したようにゲームで表示される画像の内のプロジェクタ16で投影される画像以外のものを表示するもので、画像処理部17はCPU10からの画像形成指示に従い、送られる画像データよりモニタ表示形式の表示画像を作成し、その表示画像をサブモニタ9に表示させる。サウンド処理部18はCPU10からの指令に基づきゲーム中やゲーム待ち受け時のサウンドや音声などをスピーカ8から出力させる。
【0016】
ROM12にはゲーム全体の制御を司る制御プログラム,上記バトルのカードゲームを行うためのゲームプログラムおよびゲームに必要なデータおよび表が格納されている。
必要なデータとしてはカードの種類を認識するためのQRコード認識用パターンのデータが格納される。
表として格納されるのは以下の表1,表2−1,表2−2および表2−3に例示するものである。
【表1】

これはカードの種類を特定するテーブルで、各カードIDに対しキャラクタカード,偵察カードおよびロックオンカードの関係を示し、それぞれには各Indexの情報が格納されている。例えばカードIDが「0x00000000」はデータベースネームが「Char」(キャラクタカード)であり、このIndexは「0x00000000」と特定されている。
【表2−1】

これは表1で特定されたキャラクタのライフ(HP)と魔力(MP)およびどのような行動関数の処理で用いられるかを示すカード管理のテーブル(Data Base(Char))である。例えばIndexが「0x00000000」ものはHPが「120」,MPが「70」であり、「行動関数C」での処理である。
【表2−2】

これは表1で特定された偵察カードの偵察範囲(Radius)と偵察の時間(Time Limit)およびどの行動関数の処理で用いられるかを示すカード管理のテーブル(Data Base(Search))である。例えばIndexが「0x00000000」ものはRadiusが「100」,Time Limitが「100」であり、「行動関数B」での処理である。Radius(半径)は偵察範囲が大きい程有利であり、Time Limit(時間)は偵察成功までの時間が大きい程不利になる。
【表2−3】

これは表1で特定されたロックオンカードの攻撃範囲(Radius)と攻撃までの時間(Time Limit)およびどの行動関数の処理で用いられるかを示すカード管理のテーブル(Data Base(Lock))である。例えばIndexが「0x00000003」ものはRadiusが「70」,Time Limitが「70」であり、「行動関数A」での処理である。Radiusは攻撃範囲が大きい程有利であり、Time Limitは攻撃するまでの時間が大きい程不利になる。
つぎに、RAM11は、CPU10が演算する場合の作業エリアであり、一時的なデータ格納領域として使用される。RAM11にはゲーム中に作成されるスキャンリストや自軍リスト,未認識敵リスト,認識済み敵リスト等のデータが格納される。
RAM11に作成され格納されるデータの例として以下の表3,表4に例示する。
【表3】

これは、随時実行されるカードスキャン処理によって得られるスキャンリストのデータ例を示すもので、例えば、カードIDが「0x00000003」のものが載置されたカード位置X(CardPosX)は「223」,カード位置Y(CardPosY)は「5」である。また、カード回転(CardRot)は「320」である。ここでカード位置X,Yを示す数字は、画像投影兼カードスキャン面2のX軸方向およびY軸方向をそれぞれ数百に分割し、一端を「0」として基準にとった位置からの数値である。X軸方向を「500」に分割すれば、例えば、カード位置X(CardPosX)の「223」は画像投影兼カードスキャン面2の中央に近い位置である。
【表4】

これは、自軍リストのデータ例を示すもので、例えば、カードIDが「0x00000003」のものはカード位置X(CardPosX)は「0」,カード位置Y(CardPosY)は「0」,カード回転(CardRot)は「0」であり、ワーク(Work)はアドレス「0x8000FC00」である。戦闘開始前の手持ちの透明カードを登録した場合の例である。Workには自軍リスト作成時にカードの種類に応じた作業領域が確保され、そのアドレスが記憶される。CardPosX,CardPosYおよびCardRotは自軍リスト情報更新時にスキャンされた情報で上書きされる。
【0017】
さらにゲームプログラムの中にはカードスキャン処理プログラム,画像認識処理プログラム,カード位置・回転情報演算プログラム,ゲーム実行プログラムがあり、ゲーム実行プログラムには自軍と敵キャラクタとが戦いを行うためのプログラムとしてメイン処理プログラム,自軍リスト作成処理プログラム,バトル処理プログラム,自軍リストの情報更新処理プログラム,自軍リスト行動処理プログラム,行動関数プログラムA,B,Cなどが含まれる。
CPU10がROM12の制御プログラムを読み出すことによりゲーム制御部10aの機能が形成されるとともにゲームプログラムを読み出すことによりゲーム実行部10cが形成される。またカードスキャン処理プログラムを読み出すことによりカードスキャン処理部10bが、画像認識処理プログラムを読み出すことにより画像認識処理部10dが、カード位置・回転情報演算プログラムを読み出すことによりカード位置・回転情報演算部10eが形成される。
【0018】
ゲーム制御部10aは待ち受け状態からゲームを開始するまでの待ち受け画面表示制御(サブモニタに対して行う),選択画面の表示制御,ゲーム終了に関する終了画面表示制御を行う。
カードスキャン処理部10bはゲーム開始時の自軍リスト作成やゲーム中の自軍リスト更新をするときに行うもので、画像投影兼カードスキャン面2の裏面をCCDカメラ14にスキャンさせて赤外線検出のイメージ画像を得るものである。
画像認識処理部10dはカードスキャン処理部10bで得られたイメージ画像をデータベースを用いることにより画像認識の処理を行い、認識したQRコードから載置されたカードID(種類)を得る。また、カード位置・回転情報演算部はQRコードが画像投影兼カードスキャン面2の裏面のどの位置でスキャンされたかによってカードの位置(X,Y)を算出し、さらに基準マークの各位置関係により回転角度を演算するものである。
画像投影兼カードスキャン面2の何れかの位置にカードが載置されていれば、面2の全体イメージの中から図3Aで示す透明カードの基準マーク6a,QRコード6bを表示する赤外線イメージ画像を得ることかできる。
【0019】
ゲーム実行部10cはゲーム全体の流れを示すメイン処理,ゲーム開始のときに画像投影兼カードスキャン面2に載置された透明カードについて自軍のリストを作成する自軍リスト作成処理,自軍のリストを更新しながら敵リスト(未認識敵リスト,認識済み敵リスト)を作成し、自軍リストの行動を行うバトル処理,バトル処理中に自軍リストの内容を更新する情報更新処理,自軍リストについて行動関数を実行する自軍リスト行動処理,各行動関数A,B,Cの処理を行う。これらの具体的構成については各処理のフローチャートで説明する。
【0020】
つぎに本発明にかかる透明カードの基本的な機能について説明する。
以下に例示する透明カードの裏面には既に述べたように図3Aに示すような赤外線検出ができる基準マーク6aおよびQRコード6bが形成されている。
図5は、本発明にかかる透明カードを画像投影面に載置した状態を示す図である。
このように画像投影兼カードスキャン面40に投影された背景画像40aの上に透明カード41a,41bおよび41cを載置してもカード直下の画像投影兼カードスキャン面40の画像は透明カード41の中で視認することができる。実際には透明カードの一部には図6A,図7A,図8Aに示すような可視の絵柄が印刷されている。
【0021】
図6Aは、本発明にかかる透明カードの種類としてロックオンカードの具体例を示す図である。図6Bは、ロックオンカードで敵キャラクタに照準を合わせた状態を示す図である。
ロックオンカード50は枠体50aに透明板50bが形成され、透明板50bの中央に照準機52が可視の状態で印刷されている。プレイヤがこのロックオンカード50を載置し枠体50aの中に敵キャラクタ51を捕らえている状態が図6Bである。プレイヤは敵キャラクタ51の動きに合わせてロックオンカード50を移動させて常にロックオン状態とし、一定時間追跡すると敵キャラクタ51は破壊される。
【0022】
このような動作は例えば後述する図16Aのステップ(以下「S」という)601,S602,S603,S605を実行することにより行われる。
ゲーム実行部10cの行動関数Aの処理で、画像投影兼カードスキャン面2に投影された敵キャラクタ51が前回ロックオン状態(フラグが立っている)か否かを判定する(S601)。そして、フラグが立っていれば、そのロックオンカード50が今回もロックオン状態か否かを判定する(S602)。すなわちロックオン範囲内に敵キャラクタの位置(X,Y)が捕らえられているか否かを判定する。捕らえられていれば、つぎにロックオン継続時間が一定時間に達したか否かを判定する(S603)。一定時間に達した場合には敵キャラクタ51にダメージ処理を与える(S605)。例えば、墜落の軌跡を示す画像に切り替え、画像投影兼カードスキャン面2に投影する。
【0023】
図7Aは本発明にかかる透明カードの一例として偵察カードの具体例を示す図である。図7Bは偵察カードで敵キャラクタを拡大表示している状態を示す図である。
偵察カード60は枠体60aに透明板60cが形成され、透明板60cの周囲に、その内部形状が双眼鏡の接眼部の形状になるような黒塗り部60bが印刷されている。プレイヤがこの偵察カード60を画像投影兼カードスキャン面40に載置し枠体60aの中に敵キャラク61を捕らえ接眼部に拡大表示している状態が図7Bである。プレイヤが目視では殆ど画像投影兼カードスキャン面40で視認できない敵キャラクタ61を捕捉している間は拡大表示する。なお、ステータスなども表示する。画像投影兼カードスキャン面40上のMAP内に隠れている敵キャラクタ(未認識敵キャラクタ)を発見する場合などに用いられ、一旦表示するとその敵を表示状態にし、表示状態にした敵キャラクタをロックオンカードで攻撃することができる。
【0024】
図8Aは本発明にかかる透明カードの一例としてキャラクタカードの具体例を示す図である。図8Bはキャラクタカードが画像投影兼カードスキャン面上に多数載置されている状態を示す図である。
キャラクタカード70は枠体70aに透明板70bが形成され、透明板70bにキャラクタ72が印刷されている。透明板70bの下辺に表示されている爆弾アイテム73,HP120,MP66の表示74は画像投影兼カードスキャン面の表示が見えている状態である。この表示はリアルタイムに変化する情報であり、例えば図4のCPU10のゲーム実行部10cは敵キャラクタとの戦いに応じてアイテム取得やダメージ等に合わせた情報表示を図8Aの例示のように表示する。
【0025】
図8Aのキャラクタカードが載置されたゲーム機のゲーム実行部10cは、キャラクタカードが移動すれば、直下の透過されたゲーム画面の情報表示を移動表示するように画像処理を行う。例えば、背景画像45に載置されたキャラクタカード70をプレイヤが横方向に移動させれば、その移動に合わせて情報表示も移動しキャラクタカード70の下辺に常に表示される。このように動作することにより、プレイヤは常に画像投影兼カードスキャン面に載置されるキャラクタカードのアイテム取得やダメージ等の変化する状態をカード毎に視認することができる。また、キャラクタがロックオンされていてその状態を示す画像(例えば汗をかいている状態)がキャラクタカード70内に表示されるが、この表示によりプレイヤは敵キャラクタから攻撃を受ける直前であることを容易に知ることができる。プレイヤはこの表示によってキャラクタカードを移動させて敵の攻撃を避けることができる。
【0026】
つぎに図4のブロック図,図10〜図16Cのフローチャートおよび各表を参照しながら、このバトルゲームの動作,処理について説明する。
図10は本発明にかかるカードゲーム機のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
コイン投入部20にコインが投入されると、その情報はコイン関連装置21,入出力制御装置22を介してCPU10に伝達される。CPU10のゲーム制御部10aはサブモニタ9を待ち受け画面表示からカードゲームを開始するための画面に表示する。プレイヤはサブモニタ9に表示される各選択画面の必要な項目をメニュー選択用コントロールバー5,決定ボタン3,キャンセルボタン4を用いることにより設定する。これにより自軍と敵キャラクタとの戦いのゲーム開始となる。
【0027】
ゲームを開始するにはゲーム実行部10cが画像投影兼カードスキャン面2に自軍リスト作成のための画面を表示する。プレイヤはキャラクタカード70(図8A参照)を画像投影兼カードスキャン面2に載置することとなる。
載置されたキャラクタカードはカードスキャン処理部10bによってカメラ制御部13にスキャン指令が出され、CCDカメラ14は画像投影兼カードスキャン面2をスキャンしイメージ画面を撮像する。このイメージ画像は画像認識処理部10dに送られ、画像認識処理部10dはこのイメージ画像のパターン(QRコード)が表示されている部分を切り出し、切り出したパターンとカードの種類を認識するため各カード種別対応のQRコード認識用パターンと比較し、一致するQRコード認識用パターンを取り出す。QRコード認識用パターンはカードの種類(カードID)が対応付けられているので、表1に例示するように各カードのデータベースネーム(ロックオンカード,偵察カード,キャラクタカード),Indexを得、カードIDを認識できる。このようにして得たスキャンリストから自軍リストを作成する。スキャンリストおよび自軍リストはRAM11に格納される。
【0028】
このようにしてプレイヤの手持ちの載置された透明カードをスキャンし、このスキャンによってカードIDを得、ゲーム実行部10cは自軍リストの作成処理を行う(ステップ(以下「S」という)001)。表4がこのステップで作成される自軍リストの作成例である。登録時の各カードIDの位置(X,Y)および回転の情報は0であり、Workにカードの種類に応じた作業領域が確保される。このカード位置(X,Y)および回転の情報は自軍リスト情報更新時(バトル中)にスキャン処理された情報で上書きされる。例えば表3に示すようなカード位置(X,Y)および回転の情報が上書きされるのは既にのべた通りである。なお、スキャン処理によって得られる上書きされるカード位置(X,Y)および回転の情報はカード位置・回転情報演算部10eよって演算される。カード位置・回転情報演算部10eはQRコードが画像投影兼カードスキャン面2のどの位置でスキャンされたかによってカードの位置(X,Y)を算出し、さらに基準マークの各位置関係により回転角度を演算する。
【0029】
自軍リストを作成すると、つぎにゲーム実行部10cはバトル処理を行う(S002)。バトル処理ではフレーム毎にスキャンを実行しカードの位置と回転を取得し、自軍リストのCardPosX,CardPosY,CardRotのコピーを行うという自軍リスト情報更新,敵思考を反映し、敵リストの作成や自軍リスト行動処理を行う。
ついでバトル処理による結果を表示する(S003)。すなわち、画像処理部17に指示を出し、サブモニタ9にバトルの結果の表示を行う。
以上のゲーム機の処理の流れによってプレイヤのゲームは終了するが、ゲーム制御部10aはゲーム機を終了する時間(例えば午後10時)になったか否かを判断し(S004)、午後10時になれば、ゲーム機のメイン処理を終了する。これは電源を落としてゲーム機のその日の営業の終了とする処理である。ゲーム機終了時間になっていなければ、S001に戻り、プレイヤのつぎのゲーム開始に対し処理を続行する。
【0030】
図11は本発明にかかるカードゲーム機のカードスキャン処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図10のメイン処理でのゲーム開始時のカード載置時のスキャンや、ゲーム処理中にカードが移動したときの位置,回転情報などを得るために随時カードのスキャンが実行される。ここで、ScanList〔〕はスキャンリストの配列を示すもので、Smaxはスキャンリスト要素数、すなわち画像投影兼カードスキャン面に載置されているカードの数を示す。カードスキャン処理部10bは、スキャンリストをクリアする(S101)。すなわち一旦、Smax=0としてスキャンリスト要素数を0にする。
【0031】
スキャンリストをクリアした後は、画像投影兼カードスキャン面2をスキャンする(S102)。スキャンにより表3に例示するように新しいスキャンリストが作成される(S103)。
スキャンリストは画像投影兼カードスキャン面2に載置されている各カードについてスキャンを行い、イメージ画像を得て、それそれのカードID,位置(X,Y)および回転の情報を得て、多数のカードをリストとして作成したものである。例えばカード3枚で行うゲームであれば、スキャンリスト要素数は3となり、スキャンリストはカード〔0〕,〔1〕,〔2〕で形成されたものとなる。これらはRAM11に一時的に格納される。
【0032】
図12は自軍リスト作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
プレイヤが戦闘開始前に、手持ちの透明カードをスキャンしスキャンリストを作成して自軍リストを作成するものである。ここで、MyList〔〕は自軍リスト配列を示すものである。これはRAM11に作られたスキャンリストをコピーしてRAM11に他のアドレス(表4のWorkのアドレス)領域を作り、そこに自軍リストを作成するものである。Mmaxは自軍リスト要素数であり、自軍リストのカードの数を示している。
透明カードの自軍カードを画像投影兼カードスキャン面2に搭載すると、カードスキャン処理部10bは、スキャンを実行する(S201)。スキャン内容は図11に示すように処理される。ついで自軍リストをクリアしSmax=0とする(S202)。
【0033】
S203とS209の間がループによる処理になっており、このループではスキャンしてSmaxの数、ここでは透明カードが3枚であるので、3回S203とS209の間の処理をして回ることとなる。S203はこのような処理(I=0TOSmax−1)を行う開始のステップである。また、S204とS206の間がループによる処理になっており、自軍リストの数、例えば3枚であれば、3回S204とS206の間の処理をして回ることとなる。S204はこのような処理(J=0TOMmax−1)を行う開始のステップである。
つぎにS205ではScanList〔I〕.カードID!=MyList〔J〕.カードID;Smax+=1?の判定がなされる。ScanList〔I〕の〔I〕はスキャンリストの3枚のカードが〔0〕,〔1〕,〔2〕というように指定される状態を示すもので、例えばScanList〔0〕では、表3のスキャンリストの1行目のカードが指定される。そしてMyList〔J〕の〔J〕は上記スキャンリストの各指定に対し自軍リストが3枚であれば、〔0〕,〔1〕,〔2〕が指定されることを示すもので、スキャンリストの各行と自軍リストの各行との比較が行われる。比較処理ではnot equal判定がなされる。
【0034】
そして例えば最初のScanList〔0〕がMyList〔0〕と同じでないと判定した場合、スキャンリストのScanList〔0〕のカードがマイリストカードとしてコピーされる(S207)。すなわち、新しいカードとして追加される。
ScanList〔0〕がMyList〔0〕と同じカードであるならば、MyList〔0〕がScanList〔1〕と同じカードであるか否かを判定する。このようにしてScanList〔0〕がMyList〔0〕,〔1〕,〔2〕に対し判定を行う。
このようにしてScanList〔0〕がMyList〔0〕,〔1〕,〔2〕と同じものは追加のカードとしてコピーせず、異なるものがMyList〔0〕,〔1〕,〔2〕のいずれかとしてScanList〔0〕がコピーすなわち新しいカードとして追加される。
ScanList〔0〕についてS204〜S206のループの処理を終了すると、つぎにスキャンカードが3枚目以下であるか否かを判定する(S208)。3枚目以下であれば、S209のステップに移行し、S204に戻りスキャンリストの次と自軍カードの全てのカードについて一致判定に進む。この例ではScanList〔0〕は1枚目であるのでS203からScanList〔1〕の2枚目のカードについてS204〜S206の判定を行う。このような繰り返し処理をScanList〔2〕の3枚目のカードについても行う。
一方、スキャンカードが3枚目以上(ScanList〔2〕)になっていれば、プレイヤに対し、このような自軍リスト作成のカードの組み合わせで良いかを確認するため画面を表示する(S210)。そしてプレイヤが終了操作をすれば、自軍リスト作成処理が終了する。S210においてプレイヤが終了操作をしなければ、S201のスキャン実行に戻り、再度スキャンして自軍リストを作成するS202以降の処理に移行する。
このようにして新たなスキャンリストのカードが追加されているか否かを判定し、追加されていれば自軍リストに追加する処理を行う。
【0035】
図13はバトル処理の流れを説明するためのフローチャートである。
自軍リスト作成が終了し、プレイヤの操作に従ってゲーム実行部10cはゲームを開始すると、プレイヤの操作にしたがったバトル処理が行われる。まず、ゲームオーバ(例えば自軍がすべて破壊されたなど)か否かを判定し(S301)、ゲームオーバであれば、ゲームを終了する。ゲームオーバでなければ、図11のスキャンを実行する(S302)。そして自軍リスト情報を更新する(S303)。ついで敵思考を反映し、敵リストをRAM11に作成する(S304)。そして自軍リスト行動処理を行い(S305)、フレーム同期を取った後、S301に戻る。
【0036】
図14は自軍リストの情報更新処理の流れを説明するためのフローチャートである。
これは図13のS303の処理であり、自軍リストが既に作られており、カードが3枚選択され、それぞれについて位置が変化していたり、回転が変わっていたりする場合、フレーム毎に表4のCardPosX,CardPosY,CardRotを書き換える処理を行うものである。
S401とS406の間がループによる処理になっており、自軍リストの数、例えばカードが3枚であれば、3回S401とS406の間の処理をして回ることとなる。S401はこのような処理(I=0TOMmax−1)を行う開始のステップである。また、S402とS405の間がループによる処理になっており、スキャンリストの数、例えば3枚であれば、3回S402とS405の間の処理をして回ることとなる。S402はこのような処理(J=0TOSmax−1)を行う開始のステップである。
【0037】
つぎにS403ではScanList〔J〕.CardID=MyList〔I〕.CardID?の判定がなされる。自軍リストの指定した行(最初は0の行)とスキャンリストの指定した行との比較が行われる。比較処理では内容(位置(X,Y)情報,回転情報)が同じか否か判定する。
同じであれば、MyList〔I〕の各フィールド値をScanList〔J〕で書き換える(S404)。すなわちS402とS404の間の処理では、MyList〔0〕に対しScanList〔0〕,〔1〕,〔2〕について同じか否かの判定をし、同じであればMyList〔0〕を同じScanList〔J〕で書き換える。同じでなければ、書き換えることはない。
つぎにMyList〔1〕,〔2〕についてもScanList〔0〕,〔1〕,〔2〕について同じか否かの判定をし、同じであればMyList〔0〕,〔2〕を同じScanList〔J〕で書き換える。同じでなければ書き換えない。
書き換えはMyList〔I〕.CardPosX=ScanList〔J〕.CardPosX,MyList〔I〕.CardPosY=ScanList〔J〕.CardPosY,MyList〔I〕.CardRot=ScanList〔J〕.CardRotでなる。
このようにして自軍リストのすべての行について書き換えのための処理を終了すると、自軍リスト情報更新処理を終了する。自軍リストのすべての行についてスキャンリストの内容が変わっていなければ、いずれの行の自軍リストも更新されない。すなわち、プレイヤがカードを移動させなければ、自軍リストのデータは変わることはない。
【0038】
図15は自軍リスト行動処理の流れを説明するためのフローチャートである。
これは図13のS305の行動処理の詳細であり、バトル中の各カードの表2−1,表2−2,表2−3で示されている、DataBaseのFunc欄に示された行動関数を実行するものである。
まず、S501とS503の間がループの処理になっており、自軍リストの数、例えばカードが3枚であれば、3回S501とS503の間を処理して回ることとなる。
S501はこのような処理(I=0TOMmax−1)を行う開始のステップである。最初の自軍リストの行についてMyList〔〕の行動関数を実行する。これが実行されると、S503からS501に移行する。つぎに自軍リストのつぎの行について行動関数を実行する。このようにして自軍リストのすべての行について行動関数を実行すると、自軍リスト行動処理は終了する。
【0039】
図16Aは行動関数Aの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
これはプレイヤが移動するロックオンカードがロックオンの範囲に敵を捕らえていれば、タイマを起動し、そのタイマのカウント値がある値に蓄積すると攻撃する処理である。 図15の行動処理というループを何回か回ってくるときに、常にロックオンした状態で連続してこの行動関数Aに入ると回ってきた回数でタイマがカウントされ、タイマのカウント値が増加し、所定の回数に達したときに敵キャラクタを攻撃することとなる。この行動関数はフレーム毎に入り、例えば、10フレーム連続でロックオン状態となれば、敵キャラクタの攻撃となる。
ここで、FindList〔〕は認識済み敵リストであり、Fmaxは認識済み敵リスト要素数である。すなわち、敵キャラクタの数である。
【0040】
ゲーム実行部10cは、画像投影兼カードスキャン面2に投影された敵キャラクタ51が前回ロックオン状態(フラグが立っている)か否かを判定する(S601)。そして、フラグが立っていれば、そのロックオンカード50が今回もロックオン状態か否かを判定する(S602)。すなわちロックオン範囲内に敵キャラクタの位置(X,Y)が捕らえられているか否かを判定する。捕らえられていれば、つぎにロックオン継続時間は一定時間に達したか否かを判定する(S603)。一定時間に達した場合には敵キャラクタ51にダメージ処理を与える(S605)。例えば、墜落の軌跡を示す画像に切り替え、画像投影兼カードスキャン面2に投影する。
【0041】
つぎにその敵キャラクタについて非ロックオン状態に移行し、ロックオン継続時間をリセットする。一方、S603でロックオン継続時間が一定時間に達していない場合にはロックオン継続時間を加算する(S604)。これは加算によって所定の時間増加すれば、つぎのフレームでのS603の判定処理のロックオン継続時間は一定時間に達することとなる。
また、S602で、敵キャラクタがロックオン範囲に捕捉されていない場合、非ロックオン状態に移行し、ロックオン継続時間をリセットする(S607)。さらにS601において前回ロックオン状態(フラグが立っている)でない場合、S608とS611の間がループの処理になっており、認識済み敵リストの数、例えば4個であれば、4回S608とS611の間を処理して認識済み敵キャラクタがロックオンされているか調べることとなる。S608はこのような処理(I=0TOFmax−1)を行う開始のステップである。
【0042】
S609においてFindList〔i〕の座標が所定の領域に捕捉されているか否かを判定する(S609)。捕捉されていれば、その捕捉されている敵キャラクタのロックオン状態の要素(番号)を記憶するとともにロックオン状態(フラグを立てる)にし(S610)、S611からS601に移行する。つぎに敵リストのつぎの行についてロックオン状態を調べる。4個の敵キャラクタすべてについてロックオン状態を調べると、S608〜S611のループを抜け行動関数Aを抜ける。
【0043】
図16Bは行動関数Bの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
偵察カードについて、敵キャラクタを捕らえた場合に拡大表示し、以後敵キャラクタを表示し続ける処理である。最初は敵キャラクタは未認識であり、座標を持っているが、その敵キャラクタを発見する(座標をカード内の範囲に捕捉)と、認識済みキャラクタリストに追加し、その敵キャラタを以後表示する。ここで、UnfindList〔〕は未認識敵リストであり、Umaxは未認識敵リスト要素数で、認識されていない敵キャラクタの数である。
この図16BのS701〜S704,S707〜S711は図16AのS601〜S604,S607〜S611と同じ処理であるので、同じ処理のステップについてはその説明の一部を省略する。図16AのS608〜S611は認識済み敵リストについて処理を行うものであるが、S708〜S711の処理では未認識敵リストの処理を行う点で異なるが処理の内容は同じである。また、異なる処理のステップはS705,S706,S712である。
【0044】
S703において未認識敵キャラタのロックオン状態が一定時間に達すると、S705においてその敵キャラクタを未認識リストから認識済み敵リストに移動する。そして、S706で未認識リストから認識済み敵リストに移動した敵キャラクタを削除する。このように処理した後はこの認識した敵キャラクタを捕らえているということを意味するロックオン状態を非ロックオン状態にする。
このようにして敵キャラクタを捕らえた場合に拡大表示し、以後敵キャラクタを表示し続ける。
【0045】
図16Cは行動関数Cの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
プレイヤがキャラクタカードを載置しておくと、敵キャラクタから攻撃を受けるが、その状態を処理するものである。ここで、Work.HPは残りライフを示し、Work.MPは残り魔力を示している。
まず、自軍のキャラクタのHPが0になっているか否かの判定をする(S801)。すなわちWork.HP>0か否かを判定する。Work.HP>0であれば、つぎに自分にダメージを与えた敵キャラクタが存在するか否か、すなわちダメージを受けたか否かを判定する(S802)。一方、HPが0になっていれば、行動不能のパターンに切り替え(S807)、画面にその状態の画像を表示する。例えば、キャラクタが死んでいる画像を表示する。S802において、ダメージを受けた場合、ダメージパターンに切り替え、そのダメージを受けている画像表示にする(S803)。すなわち、画面のHPやMPを書き換える。
【0046】
ダメージを受けていない場合はつぎに自分をロックオンしている敵キャラクタが存在するか否かを判定する(S804)。自分をロックオンしている敵キャラクタが存在すると、自軍のキャラクタをロックオン状態(例えばキャラクタの表示が汗をかいた表示など)に切り替える(S805)。これを見たプレイヤはつぎにこのカードのロックオン状態を解除するために画像投影画面の位置を移動させる操作をすることになる。自分をロックオンしている敵キャラクタが存在しなければ、ダメージも受けていないし、ロックオン状態ではないので通常のパターンに切り替える(S806)。すなわちキャラクタカードの下部のキャラクタの能力はそのままのHP,MPの表示であり、この表示はキャラクタカードの移動に伴い、常にキャラクタカードの下部に表示するように画面のHP,MPの画像が移動する。
【0047】
以上の実施の形態は、図3Aに例示するカードを用いる場合について説明したが、図3Bのカードについても同様に用いることができる。図3BのカードはQRコードではなくRFIDを搭載し、カードIDをRFIDのICメモリ部に記憶されたものであり、このようなカードを用いる場合には、ゲーム機の画像投影兼カードスキャン面の裏面側の近辺にRFIDリーダ/ライタを設置する必要がある。このRFIDリーダ/ライタの読み込みによってカードIDを認識する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
ゲーム出力画面にカードを配置し、このカードを認識することにより行うカードゲーム機である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による透明カードを用いたカードゲーム機の外観を示す斜視図である。
【図2】カードゲーム機の筐体の断面図である。
【図3A】カードの不可視データマークの一例を説明するための図である。
【図3B】カードの不可視データマークの他の例を説明するための図である。
【図4】本発明による透明カードを用いたカードゲーム機の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明にかかる透明カードを画像投影面に載置した状態を示す図である。
【図6A】本発明にかかる透明カードの一例としてロックオンカードの具体例を示す図である。
【図6B】ロックオンカードで敵キャラクタに照準を合わせた状態を示す図である。
【図7A】本発明にかかる透明カードの一例として偵察カードの具体例を示す図である。
【図7B】偵察カードで敵キャラクタを拡大表示している状態を示す図である。
【図8A】本発明にかかる透明カードの一例としてキャラクタカードの具体例を示す図である。
【図8B】キャラクタカードを画像投影面に載置した状態を示す図である。
【図9】従来のカードの一例を説明するための図である。
【図10】本発明にかかるカードゲーム機のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明にかかるカードゲーム機のカードスキャン処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図12】自軍リスト作成処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図13】バトル処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図14】自軍リストの情報更新処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図15】自軍リスト行動処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図16A】行動関数Aの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図16B】行動関数Bの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図16C】行動関数Cの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 カードゲーム機
2 画像投影兼カードスキャン面(モニタ兼カードスキャン面)
3 決定ボタン
4 キャンセルボタン
5 メニュー選択用コントロールバー
6 透明カード
7 ゲーム機タイトル表示部
8 スピーカ
9 サブモニタ
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 カメラ制御部
14 CCDカメラ
15 映像制御部
16 プロジェクタ
17 画像処理部
18 サウンド処理部
20 コイン投入部
21 コイン関連装置
22 入出力制御装置
23 バックアップメモリ
25 LED駆動部
26 LED光源(赤外線光源)
50 ロックオンカード
60 偵察カード
70 キャラクタカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、
カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報ならびにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、
前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、
前記カードスキャン手段でスキャンしたイメージ画像からカードの種類を特定する情報を認識し、配置した透明カードの種類の情報を得る手段と、
前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、
配置したカードの種類がロックオンカードの場合、配置したカードをプレイヤが移動させたとき前記透明カードの位置・回転情報を得て前記出力画面上に表示されるキャラクタを前記カード枠内で連続して表示されるようにしプレイヤが一定時間追跡したとき、前記キャラクタを破壊する処理を行うゲーム処理手段と、
を有することを特徴とする透明カードを用いたカードゲーム機。
【請求項2】
ゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、
カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報ならびにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、
前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、
前記カードスキャン手段でスキャンしたイメージ画像からカードの種類を特定する情報を認識し、配置した透明カードの種類の情報を得る手段と、
前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、
配置したカードの種類が偵察カードの場合、前記出力画面上に表示されるキャラクタを偵察カード内に捕捉したとき、前記透明カードの位置・回転情報を得て該キャラクタを偵察カード内に拡大表示する処理を行うゲーム処理手段と、
を有することを特徴とする透明カードを用いたカードゲーム機。
【請求項3】
ゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、
カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報ならびにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、
前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、
前記カードスキャン手段でスキャンしたイメージ画像からカードの種類を特定する情報を認識し、配置した透明カードの種類の情報を得る手段と、
前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、
配置したカードの種類がプレイヤキャラクタカードの場合、前記透明カードの位置・回転情報を得て前記プレイヤキャラクタカードのキャラクタの情報を前記カード枠内の出力画面上に表示する処理を行うゲーム処理手段と、
を有することを特徴とする透明カードを用いたカードゲーム機。
【請求項4】
前記透明カードの種類を特定する情報は、透明カードに印刷された赤外線で検出するバーコードであり、
カメラにより前記バーコードを撮像し、撮像した該バーコードがデータベースに格納されている多数のバーコード情報の中から一致するバーコードを検出することにより、一致したバーコード対応のカードの種類を特定し、
前記マークは透明カードの隅に印刷された赤外線で検出する基準マークであり、
該基準マークを前記カメラで撮像し、各隅の基準マークの検出位置によりカードの回転を演算して回転情報を得るとともに透明カードのバーコードの画面上の撮像位置を算出することによりカードの位置情報を得ることを特徴とする請求項1,2または3記載の透明カードを用いたカードゲーム機。
【請求項5】
ゲームの出力画面上にカードを任意位置に配置し、配置したカードの種類,位置,回転を検出することにより、ゲームを進行するカードゲーム機において、
カード枠内に透明板を形成したカードであって、該カードの種類を特定する情報を記憶したICメモリ部を含むRFIDを搭載するとともにカード位置および回転を得るためのマークが記入された透明カードを有し、
前記透明カードを前記出力画面上の任意位置に配置したとき、前記出力画面上の透明カードの裏面をスキャンしイメージ画像を読み込むカードスキャン手段と、
前記RFIDと通信を行う通信部と、
前記通信部により出力画面上に載置された透明カードのICメモリ部からカードの種類を特定する情報を読み出すことによりカードの種類を特定する情報を得る手段と、
前記イメージ画像上のカードの位置と前記イメージ画像中の前記マークによって、前記透明カードが配置された位置および回転を算出する透明カードの位置・回転情報演算手段と、
配置したカードの種類がロックオンカードの場合、配置したカードをプレイヤが移動させたとき前記透明カードの位置・回転情報を得て前記出力画面上に表示されるキャラクタを前記カード枠内で連続して表示されるようにしプレイヤが一定時間追跡したとき、前記キャラクタを破壊する処理を行うゲーム処理手段と、
を有することを特徴とする透明カードを用いたカードゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図7A】
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【図8A】
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【図8B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図6B】
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【図7B】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−297303(P2009−297303A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155849(P2008−155849)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】