説明

透明シート上粒子情報読取装置及び透明シート上粒子情報読取方法

【課題】透明な粘着フィルムに付着した足跡鑑識用微粉末の画像を採取する足跡鑑識情報読取装置の提供。
【解決手段】足跡による微細な粒子が付着した粘着フィルムをキャリッジシート30によって挟持しながら搬送路に沿って所定速度にて搬送し、この搬送途中の粘着フィルムに読取スリット50の開口部を通して光源ランプ12が光を照射し、この光が照射された粒子からの拡散光を光学系ユニット20のCCD撮像素子15が受光して電気信号に変換することによって、透過性の粘着フィルムに付着した粒子による拡散光に基づいた足跡鑑識情報を画像として採取するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明シート上に付着した微細な粒子による痕跡を光学スキャンして痕跡を画像として読み取る透明シート上粒子情報読取装置及び透明シート上粒子情報読取方法に係り、特に足跡を転写・採取するために用いる足跡鑑識用の粘着フィルム上に付着した足跡を画像として高精度に読み取ることができる透明シート上粒子読取装置及び透明シート上粒子情報読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、事件現場に残された被疑者の足跡は、犯罪を立証する証拠となるため、足跡の採取は事件の解決にとり重要な鑑識作業となる。この足跡は、現場で採取する場合と被疑者から押収した履物の足跡を採取し作成する場合とがあり、両者をそれぞれ透過光撮影した上、両者の足跡に現れる履物底の傷の有無と形状と磨り減り具合など僅かな違いをも対比する照合作業が行われ、両者が一致すれば犯罪を立証する有力な証拠となる。従来技術による足跡の採取は、粘着層を有する粘着フィルムと粘着フィルムが繰り返し剥離又は貼付が可能な剥離フィルムとからなる足跡鑑識用シートが用いられ、剥離フィルムから剥離
させた転写フィルムを内部から照明が当てられる暗箱上に置き、この粘着フィルムを上部から写真撮影することによって行われていた。
【0003】
なお、前記の足跡鑑識技術が記載された文献としては、下記の特許文献1及び特許文献2が挙げられ、特許文献1には足跡鑑識用シートが記載され、特許文献2には、足跡鑑識用シートをイメージスキャナによって走査し、足跡鑑識情報を読み取る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−208320号公報
【特許文献2】特開2005−27951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の特許文献2に記載された技術は、足跡鑑識用の粘着フィルムをイメージスキャナによって走査し、足跡鑑識情報をデータベース化することが記載されているが、一般のイメージスキャナを使用することを前提としており、この一般のイメージスキャナは紙面に対して斜め方向から光を照射し、この照射による反射光をイメージセンサによって検知するため、透明な粘着フィルムに付着した粉塵や砂等の粒子からの反射光を正確にスキャンすることができないという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題しようとするものであり、透明な粘着フィルムに付着した粒子の画像を撮像することができる透明シート上粒子情報読取装置及び透明シート上粒子情報読取方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために請求項1記載の本発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光軸に沿った光を照射する光源ランプと、前記光源ランプから粘着フィルムを透過した光の光軸上を除く位置に配置され、前記粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備える透明シート上粒子情報読取装置であって、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を光軸上に照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する光源ランプと、前記光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備える透明シート上粒子情報読取装置であって、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する光源ランプと、前記光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置であって、前記光源ランプを粘着フィルムの面に対して斜め方向から光を前記読取スリットの開口部を通して照射する位置に配置し、前記固体撮像素子を光学的に粘着フィルムの面に対して垂直方向からの拡散光を受光する位置に配置したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記何れかの特徴の透明シート上粒子情報読取装置において、前記粘着フィルムに付着した粒子からの反射光を減衰させる低反射板を配置したことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記何れかの特徴の透明シート上粒子情報読取装置において、前記搬送機構が、外枠形状に中抜きされた一対のキャリッジシートによって挟持された粘着フィルムを搬送することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記何れかの特徴の透明シート上粒子情報読取装置において、前記搬送機構が、低粘着性の搬送ローラを複数備え、前記複数の搬送ローラによって粘着フィルムを搬送することを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光軸に沿った光を照射する光源ランプと、前記光源ランプから粘着フィルムを透過した光の光軸上を除く位置に配置され、前記粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備える透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を光軸上に照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程とを行うことを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する光源ランプと、前記光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備えた透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構上に粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する光源ランプと、前記光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構上に粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、前記何れかの特徴の透明シート上粒子情報読取方法において、前記粘着フィルムに付着した粒子からの反射光を減衰させる低反射板を配置し、粒子からの反射光を減衰させることを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の発明は、前記何れかの特徴の透明シート上粒子情報読取方法において、前記搬送機構によって、外枠形状に中抜きされた一対のキャリッジシートによって挟持された粘着フィルムを搬送することを特徴とする。
【0018】
請求項12記載の発明は、前記何れかの特徴の透明シート上粒子情報読取方法において、前記搬送機構に低粘着性の搬送ローラを複数設け、前記複数の搬送ローラによって粘着フィルムを搬送することを特徴とする。
【0019】
請求項13記載の発明は、前記第1から3の特徴の何れかに記載の透明シート上粒子情報読取装置において、前記第1の光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路とを設け、該照射光源切替回路が前記第2の光源ランプを選択的に点灯した状態で固体撮像素子が粒子からの拡散光を受光することを特徴とする。
【0020】
請求項14記載の発明は、前記第13の記載の透明シート上粒子情報読取装置において、前記第2の光源ランプ22からの照射光が前記読取スリットの開口部に向かう方向に開口する円筒状スリットを設け、該円筒状スリットの開口部から照射光を照射するように構成したことを特徴とする。
【0021】
請求項15記載の発明は、前記第7から9何れかに記載の透明シート上粒子情報読取方法において、前記光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路とを設け、該照射光源切替回路が前記第2の光源ランプを選択的に点灯した状態で固体撮像素子が粒子からの拡散光を受光する工程を含むことを特徴とする。
【0022】
請求項16記載の発明は、前記第15の特徴の透明シート上粒子情報読取方法において、前記第2の光源ランプ22からの照射光が前記読取スリットの開口部に向かう方向に開口する円筒状スリットを設け、該円筒状スリットの開口部から照射光を照射する工程を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項17記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、該第1の光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路と、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め20度から45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して照射光源切替回路により選択的に点灯された第1の光源ランプ又は第2の光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置であって、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを粘着フィルムの面に対して斜め方向から光を前記読取スリットの開口部を通して照射する位置に配置し、前記固体撮像素子を光学的に粘着フィルムの面に対して垂直方向からの拡散光を受光する位置に配置したことを特徴とする。
【0024】
請求項18記載の発明は、粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、該第1の光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路と、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め20度から45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備えた透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して照射光源切替回路により選択的に点灯された第1の光源ランプ又は第2の光源ランプが光を照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明による透明シート上粒子読取装置及び透明シート上粒子情報読取方法は、微細な粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って所定速度にて搬送し、この搬送途中の粘着フィルムに読取スリットの開口部を通して光源ランプが光を照射し、この光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換することによって、透過性の粘着フィルムに付着した微細な粒子による拡散光を基づいた足跡鑑識情報を画像として撮像することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の側断面を示す図
【図2】本発明の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の光学系構造を示す図
【図3】本発明の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の走査原理を示す図
【図4】本発明の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の乱反射防止構造を示す図
【図5】本発明の実施形態による足跡鑑識情報読取装置のシート搬送構造を示す図
【図6】本発明の他の実施形態によるシート搬送構造を示す図
【図7】本発明の実施形態の対象となるキャリッジシートを示す図
【図8】本発明の他の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の側断面を示す図
【図9】本発明の他の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の走査原理を示す図
【図10】本発明の他の実施形態の対象となるキャリッジシートを示す図
【図11】本発明の更に他の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の走査原理を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明による透明シート上粒子情報読取装置及び透明シート上粒子情報読取方法を、スキャン対象の粘着フィルムを鑑識用のものとし、読取装置を前記足跡鑑識用の粘着フィルムから粒子によって形成される足跡画像を読み取る足跡鑑識情報読取装置を例にとって説明する。
[足跡鑑識用シートの説明]
まず、本実施形態による足跡鑑識情報読取装置の走査対象となる足跡鑑識用シートは、図7に示す如く、粘着層42及び非粘着層41が積層された粘着フィルム40と、この粘着フィルム40が繰り返し剥離又は貼付が可能な剥離シート(図示せず。)とから構成され、前記非粘着層41は、光を透過するシートであり、前記粘着層42は、前記非粘着層41に積層され、粉塵や砂等の粒子を付着するための粘着性のあるシートである。本発明の第1の実施形態による粘着フィルム40は、図7に示す如く、外枠形状に中抜きされた一対のキャリッジシート30に挟持され、このキャリッジシート30を後述する足跡鑑識情報読取装置が搬送しながら足跡鑑識情報が画像データとして読み取られる。
【0028】
[第1実施形態]
本実施形態による足跡鑑識情報読取方法が適用される足跡鑑識情報読取装置は、図1に示す如く、前記粘着フィルム40を挟持したキャリッジシート30を上方から下方へ搬送路に沿って搬送するためのピンチローラ11及び上側ゴムローラ10と、前記搬送路の途中に配置され、粘着フィルム40に光を照射するライン状の光源ランプ12と、この光源ランプ12からの光を所定範囲のみ透過させるための粘着フィルム40幅方向に細長く開口した読取スリット50と、前記搬送路中の前記読取スリット50の近傍を通過したキャリッジシート30を下方へ搬送して排出するためのピンチローラ13及び下側ゴムローラ17と、前記読取スリット50の開口部を通して粘着フィルム40に照射された光の拡散光を受光し、足跡鑑識情報を画像として採取するための光学系ユニット20と、前記した各部位を制御する制御部(図示せず)とを備える。
【0029】
この光学系ユニット20は、粘着フィルム40からの粒子による拡散光の進行方向を90度変更して反射するための第1ミラー14と、この第1ミラー14によって反射された光を90度変更して反射するための第2ミラー19と、この第2ミラー19によって反射された光を90度変更して反射するための第3ミラー18と、この第3ミラー18によって反射された光を集光するためのレンズ16と、このレンズ16によって集光された光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子であるCCD撮像素子(Charge Coupled Device Image Sensor)15とを備える。
【0030】
本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、前記ピンチローラ11及び上側ゴムローラ10並びにピンチローラ13及び下側ゴムローラ17によってキャリッジシート30を下方へ所定速度にて搬送し、前記光源ランプ12からの光を読取スリット50を通してキャリッジシート30に照射し、このキャリッジシート30上の粉塵や砂等の粒子による拡散光を光学系ユニット20が受光し、この光をCCD撮像素子15が撮像することによって、足跡鑑識情報を画像データとして採取することができる。
【0031】
本実施形態による足跡鑑識情報読取装置の光学系構造は、図2に示す如く、光源ランプ12から照射される光を読取スリット50の開口部を通して粘着フィルム40の面に対して斜め上方向(約20度〜約45度)から照射し、前記光源ランプ12からの照射によって生じる反射光を低反射板80によって減衰させると共に、前記照射によって粉塵や砂等の粒子90から生じる拡散光を粘着フィルム40の面と光学的に垂直に配置したCCD撮像素子15によって検出するように構成されている。なお、前記粘着フィルム40の面に対する照射角度は、実験結果によれば高画質画像情報を得るためには約40度が好ましく、この光学系を表す図においては、第1ミラー14と第2ミラー19と第3ミラー18による光路は省略して図示しており、他の光学系構造を表す図においても同様であり、キャリッジシート30も枠内の断面のために図示を省略している。
【0032】
この粒子90からの拡散光を光学的に粘着フィルム40の面と垂直に配置したCCD撮像素子15によって検出する理由は、図3(a)に示す如く、粘着フィルム40上に粒子が付着していない場合、読取スリット50を通して照射される照射光が粘着フィルム40の表面で反射される反射光と透過する透過光に分光され、粘着フィルム40の面と垂直に配置したCCD撮像素子15に入射されず、粘着フィルム40上に粒子が付着している場合、図3(b)に示す如く、微細な粒子90によって照射光が拡散する拡散光が生じ、この拡散光をCCD撮像素子15によって検出するためである。
【0033】
すなわち、本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、従来技術が、図2に示す反射光の照射位置又は透過光の照射位置の光軸上にCCD撮像素子を配置し、前記反射光又は透過光をCCD撮像素子によって受光する構成であり、反射光には粘着フィルム40からのノイズが含まれ、透過光にも粘着フィルム40からのノイズが含まれるに対し、本実施形態においては、読取スリット50によって光の照射角度を粘着フィルム40の面に対して約20度〜約45度の方向から照射すると共に、前記透明な粘着フィルム40上の微細な粒子90によって生じる拡散光の受光位置にCCD撮像素子15を配置することによって、CCD撮像素子15の位置を光源ランプ112からの光の光軸上を除く位置に配置させ、反射光・透過光・乱反射光をノイズ成分としてCCD撮像素子に受光させず、透明な粘着フィルム40上に付着した粒子画像を撮像することができる。このように、本発明による光学系構造の光源ランプ12とCCD撮像素子15の相対的位置は実施形態に示した位置に限られるものではなく、光源ランプ12から照射される光の光軸上を除く位置にCCD撮像素子15を配置すれば良く、指向性の高いLED光源等を使用するときには読取スリットを除くこともできる。
【0034】
さらに、本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、図4に示す如く、光源ランプ12からの照射光が粘着フィルム40の表面から粘着フィルム40面に対して垂直方向に反射される反射光が照射される位置に、例えば、表面に起毛材を貼り付けた低反射板80によって減衰させることによって、装置内部の乱反射戻り光によるCCD撮像素子に対するノイズ成分を除去することもできる。
【0035】
また、本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、図5に示す如く、粘着フィルム40を挟持したキャリッジシート30をピンチローラ11及びピンチローラ13と、上側ゴムローラ10及び下側ゴムローラ17とによって挟み込み、図中の矢印方向に前記各ローラを回転駆動することによって、粘着フィルム40を光学系に対して搬送するものであるが、本発明による粘着フィルム40の搬送構造はキャリッジシート30を用いるものに限られるものではなく、例えば、図6に示す如く、前記ピンチローラ11及びピンチローラ13に代えて、表面にフッ素系樹脂等の低粘着塗料を塗った低粘着ローラ65を配置し、これらローラの回転によって粘着フィルム40を搬送しても良い。本システムによれば、粘着フィルム40の粘着層42に接するローラとして低粘着塗料を塗った低粘着ローラ65を配置することによって、腰のある粘着フィルム40を搬送することができる。
【0036】
特に本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、光の照射角度を粘着フィルム40の面に対して約20度から約45度の方向から照射する第1の光源ランプ12と、粘着フィルム40の面と光学的に垂直に配置したCCD撮像素子15とを設け、前記第1の光源ランプ12から照射される照射光が粘着フィルム40上の粒子90によって粘着フィルム40の面と光学的に垂直方向に拡散した拡散光をCCD撮像素子15によって受光し、透過性の粘着フィルム40を透過した透過光並びに該粘着フィルム40の粘着層42及び非粘着層41の材質によって乱反射した乱反射光を受光しないように構成したことによって、ノイズの少ない足跡鑑識情報をスキャンすることができる。なお、前記した光の照射角度を粘着フィルム40の面に対して約20度から約45度の方向に設定した理由は、45度以上に設定した場合は透過光量が増加して拡散光量が減少し、20度未満に設定した場合は反射光量が増加して拡散光量が減少し、CCD撮像素子15によるノイズの少ない足跡鑑識情報を得ることが困難になるためであり、発明者らが実験によって得た値である。
【0037】
[第2実施形態]
前記実施形態においては、剥離シートを剥がした状態の粘着層42及び非粘着層41を積層した粘着フィルム40をキャリッジシート30に挟み込んで搬送しながら足跡鑑識情報を読み取る例を説明したが、実際の鑑識作業においては、剥離フィルム43を粘着フィルム40から剥がして足跡を採取した後に剥離フィルム43を粘着フィルム40に被せて保護し、足跡鑑識情報のスキャン時においては、剥離フィルム43を剥がしてスキャンした後に、保存のために再び剥離シートを粘着フィルム40に貼り付ける作業が必要となり、この剥離フィルム43の剥離・貼り付け作業が繁雑となることが考えられ、発明者らは、この作業の繁雑性を低減するため剥離シートを貼り付けた状態の粘着フィルム40から足跡鑑識情報をスキャンする足跡鑑識情報読取装置を発明し、この本発明の他の実施形態による足跡鑑識情報読取装置及び方法を次に説明する。
【0038】
この他の実施形態による足跡鑑識情報読取装置の読み取り対象とする粘着フィルム40は、図10に示す如く、不透過の剥離シート43が貼り付けられた状態で、外枠形状に中抜きされた一対のキャリッジシート30に挟持され、このキャリッジシート30を足跡鑑識情報読取装置が搬送しながら足跡鑑識情報を画像データとして読み取るように動作する。
【0039】
本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、図8に示す如く、図1に示した実施形態の装置同様に、粘着フィルム40を挟持したキャリッジシート30を上方から下方へ搬送路に沿って搬送するためのピンチローラ11及び上側ゴムローラ10と、前記搬送路の途中に配置され、粘着フィルム40に光を照射する光源ランプ12と、この第1の光源ランプ12からの光を所定範囲のみ透過させるための粘着フィルム40幅方向に細長く開口した読取スリット50と、前記搬送路中の前記読取スリット50の近傍を通過したキャリッジシート30を下方へ搬送して排出するためのピンチローラ13及び下側ゴムローラ17と、前記読取スリット50の開口部を通して粘着フィルム40に照射された光の拡散光を受光し、足跡鑑識情報を画像として採取するための前記実施形態と同一構成の光学系ユニット20と、前記した各部位を制御する制御部(図示せず)とを備え、特に本実施形態においては、前記第1の光源ランプ12とは搬送路を線対象として反対の位置に設けたライン状の第2の光源ランプ22と、前記光源ランプ12からの光照射による足跡鑑識情報の読み取りと前記第2の光源ランプ22による足跡鑑識情報の読み取りとを切り替えるために選択的に一方の光源ランプの照射を行う照射光源切替回路(図示せず)とを備える。
【0040】
本実施形態による足跡鑑識情報読取装置の光学系構造は、図9に示す如く、前記第1の光源ランプ12とはキャリッジシートの搬送路を線対象として反対の位置に設けた第2の光源ランプ22から照射される光を粘着フィルム40の透過性の非粘着層41の面に対して斜め上方向(約20度〜約45度、好ましくは25度)から照射し、前記光源ランプ22からの照射によって生じる剥離シート43上の粒子90からの拡散光を粘着フィルム40の面と光学的に垂直に配置したCCD撮像素子15によって検出するように構成されている。この反射型スキャンの際の入射角度が透過型に比べて低くすることが好ましく、この理由は、入射角が小さいほど反射角も小さくなり、CCD撮像素子15に入射する乱反射光等のノイズが低減するためである。
【0041】
本実施形態による光学系構造は、第2の光源ランプ22から照射され、不透過の剥離シート43によって入射角と同様の反射角方向に反射され且つ透過性の粘着層42及び非粘着層41内を透過した反射透過光並びに粘着層42及び非粘着層41による乱反射光を受光せず、粒子90からの拡散光を主に受光する位置にCCD撮像素子15を配置したことによって、比較的ノイズの少ない足跡鑑識情報を剥離シート43を貼り付けた状態でスキャンすることができる。なお、第1の実施形態と同様に反射透過光及び乱反射光を吸収する低反射板を設けても良い。
【0042】
このスキャンした足跡鑑識情報には、前記した乱反射光ノイズ及び剥離シート43と粘着層42との間に混入する気泡ノイズが入る可能性があり、前述した第1実施形態と比較してノイズ光が入る可能性が考えられる。このため本実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、運用として、粘着層42上の粒子が希薄である場合は第1実施形態による透過式の読み取りを行い、粘着層42上の粒子が比較的濃く且つ大量の読み取りを行う場合は、第2実施形態による反射式の読み取りを行うことが考えられる。
【0043】
更に本発明による足跡鑑識情報読取装置は、走査原理を示す図11に示す如く、ライン状の第2の光源ランプ22からの照射光が前記実施形態同様に20度から45度の範囲(好ましくは約25度)で読取スリット50の開口部に向かう方向にスリットが開口する円筒状スリット25を設け、該円筒状スリット25から照射方向が規制された照射光を照射することによって、ノイズのより少ない拡散光をCCD撮像素子15によって受光するように構成しても良い。
【0044】
この実施形態による足跡鑑識情報読取装置は、CCD撮像素子15にて受光する光量が透過性材料を透過する光量に比べて不透過性の剥離シートから反射される光量が低いため、第1の光源ランプの光量に比べて光量が大きい第2の光源ランプ22を用いることや、粘着フィルムの剥離シート43の第2光源ランプ側の表面を高反射率とすることや、円筒状スリット25の円筒内壁を高反射材とすることや、スリットの開口面積を増加させることによって、光量を増加させるように構成しても良い。また、円筒状のスリットではなく、第1の実施形態同様のプレート材に細長いスリットを開口したものを用いてもよい。
【0045】
なお、前述の実施形態においては、読取装置を足跡鑑識用の粘着フィルムから足跡画像を読み取る足跡鑑識情報読取装置を例に挙げて説明したが、本発明による透明シート上粒子情報読取装置及び方法は足跡鑑識用に限られるものではなく、透明シート上に付着した粒子による痕跡を画像として読み取る装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 上側ゴムローラ、11 ピンチローラ、12 第1の光源ランプ、
13 ピンチローラ、14 第1ミラー、15 CCD撮像素子、16 レンズ、
17 下側ゴムローラ、18 第3ミラー、19 第2ミラー、
20 光学系ユニット、22 第2の光源ランプ、25 円筒状スリット、
30 キャリッジシート、40 粘着フィルム、41 非粘着層、
42 粘着層、43 剥離フィルム、50 読取スリット、65 低粘着ローラ、
80 低反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光軸に沿った光を照射する第1の光源ランプと、前記第1の光源ランプから粘着フィルムを透過した光の光軸上を除く位置に配置され、前記粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を光軸上に照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項2】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、前記第1の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項3】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、前記第1の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め20度から45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置であって、前記第1の光源ランプを粘着フィルムの面に対して斜め方向から光を前記読取スリットの開口部を通して照射する位置に配置し、前記固体撮像素子を光学的に粘着フィルムの面に対して垂直方向からの拡散光を受光する位置に配置した透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項4】
前記粘着フィルムに付着した粒子からの反射光を減衰させる低反射板を配置した請求項1から3何れかに記載の透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項5】
前記搬送機構が、外枠形状に中抜きされた一対のキャリッジシートによって挟持された粘着フィルムを搬送する請求項1から4何れかに記載の透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項6】
前記搬送機構が、低粘着性の搬送ローラを複数備え、前記複数の搬送ローラによって粘着フィルムを搬送する請求項1から4何れかに記載の透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項7】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光軸に沿った光を照射する第1の光源ランプと、前記第1の光源ランプから粘着フィルムを透過した光の光軸上を除く位置に配置され、前記粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備える透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を光軸上に照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程とを行う透明シート上粒子読取方法。
【請求項8】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、前記第1の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備えた透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構上に粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程を行う透明シート上情報粒子読取方法。
【請求項9】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、前記第1の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構上に粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して第1の光源ランプが光を照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程を行う透明シート上粒子情報読取方法。
【請求項10】
前記粘着フィルムに付着した粒子からの反射光を減衰させる低反射板を配置し、粒子からの反射光を減衰させる請求項7から9何れかに記載の透明シート上粒子情報読取方法。
【請求項11】
前記搬送機構によって、外枠形状に中抜きされた一対のキャリッジシートによって挟持された粘着フィルムを搬送する請求項7から10何れかに記載の透明シート上粒子情報読取方法。
【請求項12】
前記搬送機構に低粘着性の搬送ローラを複数設け、前記複数の搬送ローラによって粘着フィルムを搬送する請求項7から10何れかに記載の透明シート上粒子情報読取方法。
【請求項13】
前記第1の光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路とを設け、該照射光源切替回路が前記第2の光源ランプを選択的に点灯した状態で固体撮像素子が粒子からの拡散光を受光する請求項1から3何れかに記載の透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項14】
前記第2の光源ランプ22からの照射光が前記読取スリットの開口部に向かう方向に開口する円筒状スリットを設け、該円筒状スリットの開口部から照射光を照射するように構成した請求項13記載の透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項15】
前記光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路とを設け、該照射光源切替回路が前記第2の光源ランプを選択的に点灯した状態で固体撮像素子が粒子からの拡散光を受光する工程を含む請求項7から9何れかに記載の透明シート上粒子情報読取方法。
【請求項16】
前記第2の光源ランプ22からの照射光が前記読取スリットの開口部に向かう方向に開口する円筒状スリットを設け、該円筒状スリットの開口部から照射光を照射する工程を含む請求項15記載の透明シート上粒子情報読取方法。
【請求項17】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、該第1の光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路と、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め20度から45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備え、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送し、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して照射光源切替回路により選択的に点灯された第1の光源ランプ又は第2の光源ランプが光を照射し、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する透明シート上粒子情報読取装置であって、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを粘着フィルムの面に対して斜め方向から光を前記読取スリットの開口部を通して照射する位置に配置し、前記固体撮像素子を光学的に粘着フィルムの面に対して垂直方向からの拡散光を受光する位置に配置した透明シート上粒子情報読取装置。
【請求項18】
粒子が付着した粘着フィルムを搬送路に沿って搬送する搬送機構と、前記搬送路を搬送する粘着フィルムに光を照射する第1の光源ランプと、該第1の光源ランプに対して搬送路を線対象として反対位置に設けた第2の光源ランプと、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプを選択的に点灯する照射光源切替回路と、前記第1の光源ランプ又は第2の光源ランプからの光を粘着フィルムの面に対して斜め20度から45度方向から照射させるための開口部を開口した読取スリットと、前記読取スリットの開口部を通して粘着フィルムに照射した光の粒子による拡散光を受光して電気信号に変換する固体撮像素子を有する光学系ユニットとを備えた透明シート上粒子情報読取装置の透明シート上粒子情報読取方法であって、前記搬送機構が粘着フィルムを前記搬送路に沿って所定速度にて搬送する工程と、前記搬送途中の粘着フィルムに前記読取スリットの開口部を通して照射光源切替回路により選択的に点灯された第1の光源ランプ又は第2の光源ランプが光を照射する工程と、前記光が照射された粒子からの拡散光を前記光学系ユニットの固体撮像素子が受光して電気信号に変換する工程を行う透明シート上粒子情報読取方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−73237(P2012−73237A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185371(P2011−185371)
【出願日】平成23年8月27日(2011.8.27)
【出願人】(000233033)日立コンピュータ機器株式会社 (253)
【Fターム(参考)】