説明

透明又は半透明の液体柔軟剤組成物

【課題】 安定性の良い液体柔軟剤組成物の提供。
【解決手段】 (a)下記一般式(1)の化合物を10〜30質量%、(b)平均付加モル数1〜4のポリオキシエチレンモノフェニルエーテル等から選ばれる有機溶剤を7〜30質量%、(c)香料及び/又は(d)水溶性染料、並びに(e)水を含有し、20℃におけるpHが4.8を超え7未満である透明又は半透明の液体柔軟剤組成物。
【化1】


〔式中、R11はエステル基で分断されている炭素数14〜26のアルキル基等、R12、R13はエステル基等で分断されていてもよい炭素数14〜26のアルキル基等、R14は炭素数1〜3のアルキル基等、Xは陰イオン基である。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明又は半透明の液体柔軟剤組成物、及び液体柔軟剤組成物物品に関する。
【背景技術】
【0002】
エステル基を有する4級アンモニウム化合物を主基剤とする液体柔軟剤組成物のpHを特定範囲に調整することはすでに知られている(特許文献1、特許文献2)。また、外観が透明又は半透明である液体柔軟剤組成物もすでに公知である(特許文献3〜10)。
【特許文献1】特開昭63−6168号公報
【特許文献2】特開平5−98571号公報
【特許文献3】特表2001−515151号公報
【特許文献4】特表2001−524614号公報
【特許文献5】特表2001−524616号公報
【特許文献6】特表2002−505391号公報
【特許文献7】特開2004−60079号公報
【特許文献8】特開2004−232163号公報
【特許文献9】特開2004−84143号公報
【特許文献10】特開2004−84144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エステル基を有する生分解性の4級アンモニウム化合物を主基剤とする液体柔軟剤組成物は、貯蔵中にエステル基の加水分解が起こるため、特許文献1及び2に記載されているようにpHを酸性に調整することで加水分解を抑制している。
【0004】
また近年、審美的観点から、組成物の外観を透明又は半透明にした柔軟剤組成物の開発が行われており、特許文献3〜10には、エステル基を有する4級アンモニウム化合物及び特定のLogPを有する溶剤を用いる技術が開示されている。また、これら透明柔軟剤組成物も加水分解を抑制する目的からpHを酸性に調整している。
【0005】
一方、液体柔軟剤組成物には、嗜好性の点から香料や染料を使用することが一般的に行われているが、酸性条件下では、香料の安定性及び染料の安定性が損なわれる。特に透明柔軟剤に応用した場合には、外観が透明であることを目視できるように透明なプラスティック容器に充填されていることが好適であるが、香料及び染料を含有し、pHが酸性の液体柔軟剤組成物をこのような容器に充填すると、光により著しい香料の劣化及び染料の褪色が引き起こされるという重大な課題がある。これら課題を解決する方法としては柔軟剤組成物のpHを上げることが有効であるが、その場合にはエステル基を有する4級アンモニウム化合物の加水分解が促進される。従って、香料及び染料の安定性と加水分解抑制を両立する技術が強く求められている。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、エステル基を有する4級アンモニウム化合物の加水分解を抑制し、且つ透明なプラスティック容器に充填しても香料の劣化及び染料の褪色を引き起こさない液体柔軟剤組成物、及び液体柔軟剤組成物物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、課題の解決手段として、
(a)下記一般式(1)の化合物を5〜30質量%、
(b)2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、平均付加モル数1〜3のポリオキシエチレンモノブチルエーテル、平均付加モル数1〜3のポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、平均付加モル数1〜3のポリオキシプロピレンモノプロピルエーテル、平均付加モル数1〜4のポリオキシエチレンモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上の有機溶剤を5〜30質量%、
(c)香料及び/又は(d)水溶性染料、並びに
(e)水を含有し、25℃におけるpHが4.6を超え7未満である透明又は半透明の液体柔軟剤組成物を提供する。
【0008】
【化2】

【0009】
〔式中;
11は、エステル基で分断されている炭素数14〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、
12、R13は、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていても良い炭素数14〜26のアルキル基又はアルケニル基であるか、あるいは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、
14は、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、
は陰イオン基である。〕
本発明は、他の課題の解決手段として、請求項1記載の液体柔軟剤組成物を透明又は半透明のプラスティック容器に充填した液体柔軟剤組成物物品を提供する。
【0010】
なお、本発明でいう透明又は半透明とは、660nmの波長における光透過率が30%以上であることをいう。
【発明の効果】
【0011】
本発明の透明又は半透明の液体柔軟剤組成物、及び液体柔軟剤組成物物品では、含有成分である香料の劣化及び染料の褪色が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<(a)成分>
本発明では(a)成分として下記一般式(1)の化合物を含有する。
【0013】
【化3】

【0014】
〔式中、
11は、エステル基で分断されている炭素数14〜26のアルキル基又は炭素数14〜26のアルケニル基であり、
12、R13は、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい炭素数14〜26のアルキル基又は炭素数14〜26のアルケニル基であるか、あるいは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、
14は、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、
は陰イオン基である。〕
より具体的には、下記一般式(1−1)〜(1−3)の化合物が組成物の透明化の点から好適である。
【0015】
【化4】

【0016】
〔式(1−1):
15は、炭素数15〜21のアルキル基又は炭素数15〜21のアルケニル基であり、
16は、炭素数1〜6のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、
17、R18、R19は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
【0017】
式(1−2):
15、R20は、炭素数15〜21のアルキル基又は炭素数15〜21のアルケニル基であり、
16、R21は、炭素数1〜6のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、
18、R19は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
【0018】
式(1−3)
15、R20、R23は、炭素数15〜21のアルキル基又は炭素数15〜21のアルケニル基であり、
16、R21、R22は、炭素数1〜6のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、
19は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
【0019】
式(1−1)〜(1−3):
Aは、−COO−、−OCO−、から選ばれる基であり、B、Dは−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、
aは1の数であり、b及びcは0又は1の数であり、Xは陰イオン基である。〕
一般式(1−1)におけるR15、一般式(1−2)におけるR15及びR20、並びに一般式(1−3)におけるR15、R20及びR23の合計モル数に対して、アルキル基が1〜15モル%、好ましくは1〜13モル%、より好ましくは1〜10モル%、特に好ましくは5〜10モル%であり、アルケニル基が85〜99モル%、好ましくは87〜99モル%、より好ましくは90〜99モル%、特に好ましくは95〜99モル%であり、また、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の割合が10モル%以下、好ましくは8モル%以下、より好ましくは5モル%以下、特に好ましくは3モル%以下であることが、透明化又は半透明化の点から好適である。
【0020】
17、R18は、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基が好適であり、ヒドロキシエチル基が特に好ましい。R19はメチル基が好ましく、A、B及びDは−COO−が特に好ましい。
【0021】
一般式(1−1)〜(1−3)において、A、B及びDが−COO−である化合物は、上記好ましいアルキル組成を有する脂肪酸又は脂肪酸低級アルキル(炭素数1〜3)エステルと対応するジアルキルモノアルカノールアミン(好ましくはジメチルモノエタノールアミン、ジメチルモノプロパノールアミン)、モノアルキルジアルカノールアミン(好ましくはメチルジエタノールアミン、メチルジプロパノールアミン)、及びトリアルカノールアミン(好ましくはトリエタノールアミン、トリプロパノールアミン)から選ばれるアルカノールアミン、好ましくはトリアルカノールアミンとの脱水エステル化反応、あるいはエステル交換反応で製造したアミンを、ジアルキル硫酸(炭素数1〜3)、ハロゲン化アルキル(炭素数1〜3)から選ばれるアルキル化剤を用いて4級化反応を行うことで製造することができる。
【0022】
脂肪酸又は脂肪酸エステルは、牛脂、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油から選ばれる油脂をケン化して得られる脂肪酸組成のものが好適であり、特に透明化の点、香料及び染料安定性の点から牛脂、パーム油及びヒマワリ油から得られる脂肪酸組成のものが良好である。
【0023】
また、これらは炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基を多量に含有するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析や、特開平6−41578号公報に記載されているようにメチルエステルを減圧蒸留する方法、あるいは特開平8−99036号公報に記載の選択水素化反応を行うことで炭素−炭素不飽和結合を2つ以上含有する脂肪酸の割合を制御する方法などにより製造することができる。
【0024】
なお、選択水素化反応を行った場合には不飽和結合の幾何異性体の混合物が形成するが、本発明ではシス/トランスが25/75〜100/0、好ましくは50/50〜95/5(モル比)が好ましい。
【0025】
エステル化反応あるいはエステル交換反応における脂肪酸又は脂肪酸エステルとアルカノールアミンのヒドロキシ基との比率は、0.3:1〜1.2:1が好ましく、0.5:1〜1.0:1がより好ましい。
【0026】
(a)成分は一般式(1−1)〜(1−3)の化合物の混合物にすることができ、トリアルカノールアミンと、脂肪酸又は脂肪酸エステルとをエステル化反応又はエステル交換反応させ、続いて4級化反応を行うことで、一般式(1−1)〜(1−3)の化合物の混合物が得られる。
【0027】
本発明では、特に(a)成分の合計量中、一般式(1−1)を10〜30質量%、一般式(1−2)の化合物を35〜50質量%、一般式(1−3)の化合物を20〜50質量%含有する混合物が、特に加水分解安定性及び香料/染料安定性の両方を満足できるため好適である。
【0028】
このような混合物を得るためには、脂肪酸又は脂肪酸エステルとトリアルカノールアミンのヒドロキシ基との比率を0.4:1〜1.0:1、好適には0.5:1〜0.7:1のモル比にすることが好ましい。
【0029】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、平均付加モル数1〜3のポリオキシエチレンモノブチルエーテル、平均付加モル数1〜3のポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、平均付加モル数1〜3のポリオキシプロピレンモノプロピルエーテル、平均付加モル数1〜4のポリオキシエチレンモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上の有機溶剤であり、加水分解抑制効果及び香料/染料安定化効果の点から、平均付加モル数1〜4のポリオキシエチレンモノフェニルエーテル、及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールが好ましく、平均付加モル数1〜4のポリオキシエチレンモノフェニルエーテルが特に好ましい。
【0030】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は香料であり、(d)成分の水溶性染料と共に含有することができる。(c)成分は、単独の香料成分を用いてもよく、複数の香料成分を特定の比率で含有する香料混合物として用いることもできる。香料成分としては、「香料の化学」(赤星亮一著、日本化学会編,産業化学シリーズ,昭和58年9月16日発行)や「合成香料 化学と商品知識」(印藤 元一著、化学工業日報社、1996年3月6日発行)や「香料と調香の実際知識」(中島 基貴著、産業図書(株)、1995年6月21日発行)に記載のものを用いることができる。
【0031】
香料成分としては、炭化水素系化合物、アルコール系化合物、エーテル系化合物、アルデヒド系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、ラクトン系化合物、カルボン酸系化合物、環状ケトン系化合物、シッフ塩基化合物、シッフ塩基以外の含窒素化合物(二トリル、アミン、オキシム、キノリンなど)、天然精油類を挙げることができる。以下、それらの具体例を挙げる。
【0032】
(炭化水素系化合物)
リモネン、α−ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、ジペンテン、カンフェン、ミルセン、オシメン、α−フェランドレン、p−サイメン、β−カリオフィレン、β−ファルネセン、1,3,5−ウンデカトリエン、ジフェニルメタン。
【0033】
(アルコール系化合物)
リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ミルセノール、ラバンジュロール、ジヒドロミルセノール、アロオシメノール、テルピネオール、イソプレゴール、ファルネソール、ネロリドール、ビサボロール、デセノール、エチルリナロール、cis−3−ヘキセノール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、2,6−ジメチル−2−オクタノールと3,7−ジメチル−3−オクタノールとジヒドロ−α−テルピネオールの混合物(通称=テトラヒドロムゴール)、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール(商品名=アンバーコア/花王)、アニスアルコール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(商品名=バクダノール/アイエフエフ社)、ベンジルアルコール、ボルネオール、セドロール 、α,α−ジメチルフェニルエチルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール、オイゲノール、イソボルネオール、フェノキシエチルアルコール、フェニルエチルアルコール、チモール、2,2,6−トリメチルシクロヘキシル−3−ヘキサノール、3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノールと3,5,6,6−テトラメチル−4−メチレン−2−ヘプタノールの混合物(商品名=コヒノール/アイエフエフ社)、l−メントール、4−(1−メチルエチル)−シクロヘキサンメタノール(商品名=マイヨール/フィルメニッヒ社)、3,7−ジメチル−4,6−オクタジエン−3−オールと2,6−ジメチル−3,5−オクタジエン−2−オールを主体とする混合物(商品名=ムゴール/アイエフエフ社)、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール(通称=ネロリドール)、クレゾール、3−(5,5,6−トリメチル ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−シクロヘキサノール(通称=イソカンフィルシクロヘキサノール)、3−イソカンフィルシクロヘクサノールの異性体混合物( 商品名= カンダルム/ロン・プーラン社)、4−メチル−3−デセン−5−オール(商品名=ウンデカベルトール/ジボダン社)、3−メチル−5−フェニルペンタノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(商品名=サンダルマイソルコア/花王)、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール(商品名=サンダロール/ジボダン社)
trans−2−ヘキセノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、10−ウンデン−1−オール、2,6−ノナジエン−1−オール、ロジノール、ヒドロキシシトロネロール、ターピネン−4−オール、6,6−ジメチル−ビシクロ−[3.1.1]−2−ヘプテン−2−エタノール(通称=ノポール)、パチュリアルコール、ベチベロール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−プロパノール、p−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロヘキサノール、アンブリノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、スチラリルアルコール、シンナミックアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、1−フェニル−2−メチル−2−プロパノール、1−フェニル−3−メチル−3−ペンタノール、カルバクロール、3−ヒドロキシ−5−メトキシトルエン(通称=オルシノールモノメチルエーテル)、イソオイゲノール、サンタロール、イソボルニルシクロヘキサノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(商品名=バグダノール/アイエフエフ社)、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−ブタン−1−オール(商品名=ブラマノール/シムライズ社)、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール(商品名=エバノール/ジボダン社)、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール(商品名=ポリサントール/フィルメニッヒ社)。
【0034】
(エーテル系化合物)
アネトール、セドロールメチルエーテル、ジフェニルオキシド、1−メトキシ−4−(2−プロペニル)−ベンゼン(通称=エストラゴール)、2,4−ジメチル−4,4a,5,9b−テトラヒドロインデノ[1,2−d][1,3]ジオキシン(商品名=マグノラン/シムライズ社)、1,2−ジメトキシ−4−(1−プロペニル)−ベンゼン(メチルイソオイゲノール)、2−エトキシナフタレン(β−ナフトールエチルエーテル)、2−メトキシナフタレン(β−ナフトールメチルエーテル)、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン(商品名=ガラクソライド/アイエフエフ社)、2,2−ジメトキシエチル−ベンゼン(フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール)、3’,(6)7−ジメチル−3,4,4α,5,8,8α−ヘキサヒドロ−スピロ[1,4−メタノナフタレン−2(1H),2’−オキシラン](商品名=ルボフィクス/フィルメニッヒ社、ここで3’,(6)7は、−3’,6−と−3’,7−の構造を有する混合物を示す)、4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)テトラヒドロ−2H−ピラン(通称=ローズオキサイド)、2,2,5,5−テトラメチル−4−イソプロピル−1,3−ジオキサン(商品名=ベルドキサン/花王)、3α,6,6,9α−テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1−b]フラン(商品名=アンブロキサン/花王)、(2R,4S)−または(2S,4R)−2,4−ジメチル−4−フェニルテトラヒドロフラン(商品名=ルバフラン/クエスト社)、2−(2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル)−5−メチル−5−(1−メチルプロピル)−1,3−ジオキサン(通称=カラナール)、ベンジルイソオイゲノール、示性式C10H18Oで示される環状モノテルペンエーテル(通称=ライムオキサイド)、ネロールオキサイド、ミロキサイド、1,8−シネオール、ローズオキサイド、リメトールメントフラン、リナロールオキサイド、ブチルジメチルジヒドロピラン、アセトキシアミルテトラヒドロピラン、メトキシシクロドデカン、1−メチル−1−メトキシシクロドデカン、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、トリシクロデセニルメチルエーテル、セドロキサイド、3a−エチルドデカヒドロ−6,6,9a−トリメチル ナフト[2.1−b]フラン(商品名=グリサルバ/アイエフエフ社)、2−エトキシ−9−メチレン−2,6,6−トリメチルビシクロ[3.3.1]ノナン(商品名=ボワジリス/ジボダン社)、アニソール、ジメチルハイドロキノン、p−クレジルメチルエーテル、アセトアニソール、ジヒドロアネトール、メチルオイゲノール、フェニルエチルイソアミルエーテル、β−ナフチルイソブチルエーテル。
【0035】
(アルデヒド系化合物)
ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、2−メチルデカナール、2−メチルウンデカナール、7−ウンデセナール/8−ウンデセナール/9−ウンデセナール/10−ウンデセナールの混合物(商品名=インタレーベンアルデヒド/アイエフエフ社 )、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、2−(フェニルメチレン)−ヘプタナール(通称=アミルシンナミックアルデヒド)、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒド(通称=シクラメンアルデヒド)、4−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デシリデン−8)−ブタナール(商品名=デュピカール/クエスト社)、バニリン、エチルバニリン、2,2−ジメチル−3−(p−エチルフェニル)−1−プロパナール(通称=p−エチルジメチルヒドロシンナミックアルデヒド)、ヘキシルシンナミックアルデヒド、2−フェニルプロパナール(ヒドラトロパアルデヒド)、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール(商品名=ヘリオナール/アイエフエフ社)、3,4−メチレンジオキシ ベンズアルデヒド(通称=ヘリオトロピン)、4−tert−3−(4−tert−ブチルフェニル)−プロパナール(商品名=リリアール/ジボダン社)、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドと3,5−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=トリプラール/アイエフエフ社または商品名=リグストラール/クエスト社)、1−メチル−4−(4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド(ベルンアルデヒド)、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドと3,5,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドの混合物(イソシクロシトラール)、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドと3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=リラール/アイエフエフ社)、4−(4−メチル−3−ペンテン−1−イル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドと3−(4−メチル−3−ペンテン−1−イル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドの混合物(商品名=マイラックアルデヒド/アイエフエフ社)、2,6,10−トリメチル−9−ウンデセナール、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド(商品名=センテナール/フィルメニッヒ社)、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、トリメチルヘキシルアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、trans−2−ヘキセナール、cis−4−ヘプテナール、2,6−ノナジエノール、cisー4−デセナール、ウンデシレンアルデヒド、trans−2−ドデセナール、トリメチルウンデセナール、2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナール、シトロネラール、ペリラアルデヒド、メトキシジヒドロシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、7−ホルミル−5−イソプロピル−2−メチル−ビシクロ−[2.2.2]−2−オクテン[商品名=マセアール/クエスト社]、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテナール(商品名=ボロナール/シムライズ社)、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−ブタナール(商品名=セトナール/ジボダン社)、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、クミンアルデヒド、3−(p−t−ブチルフェニル)−プロピルアルデヒド、p−エチル−2,2−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロピルアルデヒド、p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、メチルバニリン。
【0036】
(ケトン系化合物)
アセトフェノン、α−ダマスコン、δ−ダマスコン、アリルヨノン、7−メチル−3,4−ジヒドロ−(2H)−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン(商品名=カロン)、カンファー、4−アセチル−6−t−ブチル−1,1−ジメチルインダン、シス−ジャスモン、2−ペンチル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(ジヒドロジャスモン)、エチルマルトール、ゲラニルシクロペンタノン、ヘリオトロピルアセトン、α−ヨノン、β−ヨノン、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン(商品名=イソ・イー・スーパー/アイエフエフ社)、4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン(商品名=コアボン/アイエフエフ社)、2,6−ジニトロ−3,5−ジメチル−4−アセチル−tert−ブチルベンゼン(ムスクケトン)、1−(2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセニル)−trans−2−ブテノン(イソダマスコン)、イソメントン、カルボン、メントン、マルトール、1−(2−ナフタレニル)−エタノン(メチルβ−ナフチルケトン)、1−(2,2−ジメチル−6−メチレンシクロヘキシル)−1−ペンテン−3−オン(α−イソメチルイオノン)、4−(1,1−ジメチルプロピル)−シクロヘキサノン(p−ペンチルシクロヘキサノン)、4−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン(通称=ラズベリーケトン)、6−アセチル−1,1,2,4,4,7−ヘキサメチルテトラリン、3,3,5,5−テトラメチル−4−(1−エトキシビニル)シクロヘキサノン(商品名=ケファリス/ジボダン社)、4−(4−メトキシフェニル)−2−ブタノン(アニシルアセトン)、セドリルメチルケトン、アセトイン、ジアセチル、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプチルケトン、d−プレゴン、ピペリトン、1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナン、ゲラニルアセトン、ヌートカトン、メチルヨノン、イソメチルヨノン、α−イロン、β−イロン、γ−イロン、β−ダマスコン、ダマセリン、α−ダイナスコン、β−ダイナスコン、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフラノン、シュガーラクトン、p−t−ブチルシクロヘキサノン、アミルシクロペンタノン、ヘプチルシクロペンタノン、6−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(商品名=フロレックス/フィルメニッヒ社)、4−メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−5―オン(商品名=プリカトン/フィルメニッヒ社)、4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン、1−(p−メンテン−6−イル)−1−プロパノン(商品名=ネロン/ジボダン社)、p−メチルアセトフェノン、ベンジルアセトン。
【0037】
(エステル系化合物)
ギ酸シトロネリル、酢酸4−アリル−2−メトキシ−フェニル(通称=アセチルオイゲノール)、メトキシ−4−アセトキシプロペニルベンゼン(通称=アセチルイソオイゲノール)、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、グリコール酸アリルアミル、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸アリル、フェノキシ酢酸アリル、2−ノネン酸メチル、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、ケイ皮酸ベンジル 、プロピオン酸ベンジル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸アミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸ベンジル、酢酸セドリル、酢酸シンナミル、酢酸cis−3−ヘキセニル、酢酸シトロネリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、イソ酪酸ジメチルベンジルカルビニル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、デシル酢酸、マロン酸ジエチル、N−メチルアントラニル酸メチル、フェニルグリシド酸メチル、2,6,6−トリメチル−2,4−シクロヘキサジエン−1−カルボン酸エチルエステル(商品名=エチルサフラネート/クエスト社)、アセト酢酸エチルエチレングリコールケタール、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2−カルボキシレート(商品名=フルテート/花王)、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸ノピル、酢酸リナリル、酢酸ヘキシル、イソ酪酸アミル、イソ酪酸ボルニル、ジヒドロジャスモン酸メチル、アニス酸メチル、アンスラニル酸メチル、メチルアンスラニル酸メチル、安息香酸メチル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル(商品名=ポアレネート/花王)、酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸フェニルエチル、ピバル酸フェニルエチル、プロピオン酸フェニルエチル、酢酸p−クレジル、酢酸プレニル、cis−3−ヘキセニルメチルカーボネート(商品名=リファローム/アイエフエフ社)、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸シンナミル、オクチンカルボン酸メチル、2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸メチル(メチルアトラレート)、酢酸α−(トリクロロメチル)−ベンジル(通称=ローズフェノン)、酢酸スチラリル、酢酸p−メンテン−8−イル(酢酸テルピニル)、酢酸トリシクロデセニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、2−メチル酪酸エチル、プロピオン酸スチラリル、酢酸o−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸グアイル、酢酸ベチベリル、メチル2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチルベンゾエート、ギ酸エチル、ギ酸cis−3−ヘキセニル、ギ酸リナリル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、シクロペンチリデン酢酸メチル、酢酸cis−3−ヘキセニル、酢酸trans−2−ヘキセニル、酢酸イソノニル、酢酸ラバンジュリル、酢酸ミルセニル、酢酸メンチン、酢酸メンタニル、酢酸n−ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタニル、酢酸アニシル、酢酸ヘリオトロピル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸シンナミル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、酪酸リナリル、酪酸ゲラニル、酪酸シトロネリル、酪酸ベンジル、イソ酪酸シス−3−ヘキセニル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ゲラニル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ベンジル、イソ酪酸フェニルエチル、イソ酪酸トリシクロデセニル、イソ吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸シトロネリル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、イソ吉草酸フェニルエチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸エチル、チグリン酸シトロネリル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸p−クレジル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸ベンジル、ケイ皮酸フェニルエチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸フェニルエチル、ジャスモン酸メチル。
【0038】
(ラクトン系化合物)
クマリン、6/7−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−(2H)−1−ベンゾピラン−2−オン(商品名:フロレックス/フィルメニッヒ社、ここで「6/7」は、6−と7−の構造を有する混合物である)γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、ω−6−ヘキサデセンラクトン(慣用名=アンブレットリド)、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン(エチレンブラシレート)、エチレンドデカンジオエート、オキサシクロヘキサデカン−2−オン(通称=シクロペンタデカノリド)、オキサシクロヘキサデセン−2−オン(商品名=ハバノライド/フィルメニッヒ社)、9−シクロヘキサデセノリド( 商品名=セントライド/シナローム社)、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、ジヒドロクマリン、ジャスモノラクトン、ジャスミンラクトン、シクロペンタデカノン、シクロペンタデカノリド、12−ケトシクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、12−オキサ−16−ヘキサデカノリド、11−オキサ−16−ヘキサデカノリド、10−オキサ−16−ヘキサデカノリド。
【0039】
(カルボン酸系化合物)
3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン酸(慣用名=ゲラン酸)、3,7−ジメチル−6−オクテン酸(慣用名=シトロネリル酸)、フェニル酢酸、2−メチル−2−ペンテノ酸。
【0040】
(単環式ケトンであって、環を構成する炭素数が16以上の化合物)
3−メチルシクロペンタデカノン、9−シクロヘプタデセン−1−オン、シクロペンタデカノン、5−シクロヘキサデセン−1−オン(シクロヘキサデセノン)、3−メチルシクロペンタデセノン(商品名=ムセノン/フィルメニッヒ社)。
【0041】
(シッフ塩基化合物)
アンスラニル酸メチルと2−メチル−3−(4−メトキシフェニル)プロパナールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと2−メチルペンタナールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルとデカナールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと2−メチルウンデカナールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロパナールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルとリグストラールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと3,5,5−トリメチルヘキサナールのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと2−メチル−3−(p−イソプロピルフェニル)−プロピオンアルデヒドのシッフ塩基、アンスラニル酸メチルと3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナールのシッフ塩基、ヒドロキシシトロネラールとインドールのシッフ塩基。
【0042】
(シッフ塩基以外の含窒素化合物)
シトロネリルニトリル、ゲラニルニトリル、2−シクロヘキシリデン−2−フェニルアセトニトリル(商品名=ペオニル/ジボダン社)、3,7−ジメチル−2(3),6−ノナジエンニトリル(商品名=レモニル/ジボダン社、ここで2(3),6は、−2,6−と−3,6−の構造を有する混合物である)、4−(1−メチルエチル)−ベンゾニトリル(通称=クミニルニトリル)、インドール、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム(商品名=ステモン/ジボダン社)、イソブチルキノリン。
【0043】
(天然精油類)
アニス油、バジル油、コリアンダー油、エレミレジノイド、ハッカ、ラバンジン油、ラベンダー油、イランイラン油、レモン油、ライム油、ナツメグ油、オレンジエッセンス油、オレンジ油、パチュリ油、ペッパー油、ペパーミント油、ペチグレン油、パイン油、ローズマリー油、スチラックス油、トンカビーンズレジノイド、アルモーゼ油、セダーウッド油、グアイアックウッド油、パルマローザ油、リアトリックスレジノイド、ラブダコアオリバナムレジノイド、オポポナックス油、オレンジビター油、オレンジフラワー油、サンダルウッド油、トリーモスアブソリュート、ベチバー油、オークモス油、グァヤク油、ケード油、シダー葉油、バーチ油、ラブダナム油。
【0044】
なお、上記の天然精油類において、油と記載したものは、オイルの他にアブソリュート、コンクリート、レジノイドなどの形状のものでもよい。
【0045】
<(d)成分>
本発明の(d)成分は水溶性染料であり、(c)成分の香料と共に含有することができる。(d)成分としては、例えば染料便覧( 有機合成化学協会編,昭和45 年7月20日発行,丸善(株))、染料ノート第22版((株)色染社)、法定染料ハンドブック(日本化粧品工業連合会編、1988年11月28日発行、(株)薬事日報社)などに記載されているものから選ぶことができる。
【0046】
本発明では、特に酸性染料、直接染料、反応性染料から選ばれる化合物が好適であり、酸性染料、直接染料が特に好ましい。また、水溶性染料は分子中に水性基を有するものが好ましく、分子内にアミノ基もしくはスルホニル基、又はアミノ基とスルホニル基の両方を有する水溶性の青色系染料、緑色系染料、赤色系染料、紫色系染料、黄色系染料などを挙げることができる。なお、ここで用いたアミノ基とは、フタロシアニン系のような環状のアミノ基を意味するものではない。このような(d)成分の水溶性染料としては、例えば、下記の各染料を挙げることができる。
【0047】
(青色系染料)
C.I.Direct Blue1、C.I.Direct Blue2、C.I.Direct Blue6、C.I.Direct Blue15、C.I.Direct Blue41、C.I.Direct Blue86、C.I.Acid Blue1、C.I.Acid Blue7、C.I.Acid Blue9、C.I.Acid Blue15、C.I.Acid Blue22、C.I.Acid Blue29、C.I.Acid Blue62、C.I.Acid Blue90、C.I.Acid Blue104、C.I.Acid Blue112、C.I.Acid Blue117、C.I.Acid Blue138、C.I.Food Blue1、C.I.Reactive Blue13、C.I.Reactive Blue49、C.I.Reactive Blue78、C.I.Basic Blue75、C.I.Basic Blue129。
【0048】
(緑色系染料)
C.I.Direct green1、C.I.Direct green6、C.I.Direct green28、C.I.Acidgreen3、C.I.Acid green9、C.I.Acid green16、C.I.Acid green20、C.I.Acid green28、C.I.Food green3。
【0049】
(赤色系染料)
C.I.Direct Red2、C.I.Direct Red13、C.I.Direct Red17、C.I.Direct Red28、C.I.Direct Red33、C.I.Direct Red46、C.I.Direct Red75、C.I.Direct Red79、C.I.Acid Red32、C.I.Acid Red33、C.I.Acid Red37、C.I.Acid Red42、C.I.Acid Red52、C.I.Acid Red87、C.I.Acid Red138。
【0050】
(紫色系染料)
C.I.Direct Violet1、C.I.Acid Violet11、C.I.Acid Violet15、C.I.Acid Violet41、C.I.Acid Violet49。
【0051】
(黄色系染料)
C.I.Acid Yellow3、C.I.Acid Yellow17、C.I.Acid Yellow23、C.I.ReactiveYellow2、C.I.Reactive Yellow102、C.I.Reactive Yellow18、C.I.Reactive Yellow85、C.I.Basic Yellow28、C.I.Basic Yellow36、C.I.BasicYellow51、C.I.Basic Yellow67。
【0052】
本発明では、トリフェニルメタン構造、フタロシアニン構造、アントラキノン構造、キサンテン構造を有する染料が好ましく、トリフェニルメタン構造、フタロシアニン構造をもつ染料がより好ましい。特に好適な染料としては、C.I.Acid Blue9、C.I.Direct Blue86、C.I.Acid Blue112、C.I.Direct green1、C.I.Acid Violet49、C.I.Acid Red52を挙げることができる。
【0053】
<(e)成分>
本発明の(e)成分は水であり、水中に微量に存在するカルシウム、マグネシウムなどの硬度成分や鉄などの重金属を除去した水が好ましく、イオン交換水又は蒸留水を用いることができる。また、水を殺菌あるいは滅菌する目的から少量の塩素を含有しても差し支えない。
【0054】
<その他の成分>
本発明の液体柔軟剤組成物には、柔軟効果をさらに向上させる目的、及び貯蔵安定性の向上の点から、(f)成分として非イオン界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含有することが好ましい。
【0055】
非イオン界面活性剤としては、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、特に下記一般式(2)の非イオン界面活性剤が良好である。
【0056】
24−E−〔(R25O)−R26 (2)
〔式中、R24は、炭素数8〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R25は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。R26は、炭素数1〜3のアルキル基、又は水素原子である。dは2〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは5〜40、特に好ましくは10〜60の数を示す。Eは−O−、−COO−,−CON−又は−N−であり、Eが−O−又は−COO−の場合eは1であり、Eが−CON−又は−N−の場合eは1又は2である。〕
一般式(2)の化合物の具体例として、以下の化合物を挙げることができる。
【0057】
24−O−(CO)−H
〔式中、R24は前記の意味を示す。fは8〜100、好ましくは10〜60の数である。〕
24−O−(CO)−(CO)−H
〔式中、R24は前記の意味を示す。g及びhはそれぞれ独立に2〜40、好ましくは5〜40の数であり、(CO)と(CO)はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。〕
【0058】
【化5】

【0059】
〔式中、R24は前記の意味を示す。i及びjはそれぞれ独立に0〜40の数であり、i+jは5〜60、好ましくは5〜40の数である。R27、R28はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。〕
本発明の液体柔軟剤組成物には金属封鎖剤〔以下(g)成分という〕を含有することが、香料の安定性並びに水溶性染料の褪色防止の点から好ましい。具体的には、下記の化合物を挙げることができる。
【0060】
(1)フィチン酸などのリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0061】
(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0062】
(3)2-ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1-ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸などのホスホノカルボン酸又はこれのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0063】
(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなどのアミノ酸又はこれらのアルカリ金属 塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0064】
(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸。ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸又はこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩。
【0065】
(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩。
【0066】
(7)アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
【0067】
これらの中で、上記(2)、(5)、及び(6)の群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、上記(2)、(5)の群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。特に好ましい(g)成分は、染料の褪色防止効果の点から、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン4酢酸が好適である。
【0068】
本発明の液体柔軟剤組成物には、(h)成分として無機塩を含有することができる。無機塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムが貯蔵安定性の点から好ましい。但し、脂肪酸塩類などの界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は上記制限を受けるものではない。
【0069】
本発明の液体柔軟剤組成物は、貯蔵安定性を改善する目的で(i)成分として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を配合しても差し支えないが、透明な外観を得るために種類や含有量などに留意する必要がある。配合できる化合物としては、トリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリエステル、ソルビタンエステルを挙げることができる。
【0070】
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記(b)成分以外の溶剤として(j)成分を含有してもよい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる溶媒であり、特にエタノールが匂いの点から好ましい。
【0071】
<液体柔軟剤組成物>
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記した各成分を下記の含有量になるように混合して得ることができる。
【0072】
(a)成分は、柔軟性能を向上させる観点から、5〜30質量%、好ましくは10〜28質量%、より好ましくは15〜25質量%である。
【0073】
(b)成分は、外観の透明感や香料、染料の安定性の向上といった観点から、5〜30質量%、好ましくは6〜25質量%、より好ましくは7〜20質量%である。
【0074】
(a)成分/(b)成分は、外観の透明感の向上といった観点から、質量比で好ましくは5/1〜1/2、より好ましくは4/1〜1/1.2、特に好ましくは4/1〜1/1.5である。
【0075】
(c)成分は、嗜好性の向上の観点から、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。なお、調合香料中には、溶剤や希釈剤を用いることがあるが、本発明において(c)成分の配合量は全て、これらの溶剤、希釈剤を除いた、処方中の質量比とする。
【0076】
(d)成分は、嗜好性の観点から、0.00001〜0.01質量%、好ましくは0.00002 〜0.008質量%、より好ましくは0.00002〜0.006質量%である。
【0077】
(f)成分は任意ではあるが、貯蔵安定性改善効果、柔軟性向上効果の点から好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.8〜8質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
【0078】
(f)成分は貯蔵安定性を改善させる目的から、0.5〜10質量%、より好ましくは0.8〜8質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
【0079】
本発明では貯蔵安定性を改善する目的から(g)成分、(h)成分、(i)成分を含有することが好適であり、(g)成分を好ましくは50〜2000ppm(質量基準)、より好ましくは50〜1000ppm、特に好ましくは50〜500ppm、(h)成分を好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.02〜3質量、(i)成分を好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.02〜3質量%含有することが好ましい。
【0080】
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記各成分を(e)成分である水に溶解、又は分散させた水溶液の形態である。特に(a)成分は組成物中にマイクロエマルジョンあるいは(c)成分に可溶化された状態と推察される。
【0081】
本発明の液体柔軟剤組成物の25℃におけるpHは、4.6を超え7未満であり、好ましくは4.8を超え、6.5以下、より好ましくは4.8を超え、6.0以下である。pHは、(株)堀場製作所製pHメータD-52S、pH電極6367-10Dを用いて測定したものである。
【0082】
特許文献1〜10には、エステル基を有する4級アンモニウム化合物を含有する液体柔軟剤組成物のpHが記載されており、それらの発明の詳細な説明にはpH2〜5の範囲で用いることが記載されている。しかしながら、加水分解を抑制する目的から、実施例などではpHが最大でも4.6程度であり、一般的には2〜4の範囲に調整されている。
【0083】
これに対して、本発明では驚くべきことに、(b)成分を特定量含有することにより、pHを上げても加水分解を抑制することができ、さらに(c)成分である香料の劣化を抑制でき、且つ(d)成分の水溶性染料の褪色を抑制できるものである。
【0084】
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸やクエン酸、コハク酸、りんご酸、乳酸などの有機酸を酸剤として用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどをアルカリ剤として用いることができる。
【0085】
<液体柔軟剤組成物物品>
本発明の液体柔軟剤組成物物品は、審美的観点から、上記透明又は半透明の液体柔軟剤組成物を透明のプラスティック容器に充填したものである。透明又は半透明とは、上記したとおり、660nmの光透過率が30%以上を意味するが、本発明においては、前記光透過率が50%以上の容器が好ましく、80%以上の容器がより好ましい。
【0086】
光透過率は、島津製作所製のUV−2500PC型測定器を用い、660nmの波長の光透過率により求めることができる。
【0087】
プラスティック容器は熱可塑性樹脂からなるものが好ましく、熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂、酸変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系ポリマー(ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)などが通常挙げられる。本発明では透明・又は半透明の点からポリオレフィン系樹脂及びポリエステル樹脂が好適であり、特に透明性の点からポリエステル樹脂が好ましい。
【0088】
ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸と多価アルコールの重合により得られるものであり、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、サクシン酸の少なくとも1種以上が好ましく、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール類、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類の少なくとも1種以上が好ましい。また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、オキシ酸の重合体、あるいはオキシ酸の共重合体からなるものでも差し支えない。オキシ酸としては乳酸、εカプロラクトン、p−オキシ安息香酸、p−βーヒドロキシエトキシ安息香酸などを挙げることができる。
【0089】
ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などの芳香族ポリエステル樹脂や、ポリエチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂などの脂肪族ポリエステル樹脂や、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂のようなオキシ酸の重合体、あるいは 芳香族ポリエステルにポリオキシアルキレングリコールを共重合させたポリエステルエラストマーが好適であり、特にポリエチレンテレフタレート樹脂が容器の透明性の点から好適である。
【0090】
プラスティック容器には、上記熱可塑性ポリエステル樹脂にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有させることが、(c)成分である香料の安定性及び(d)成分である水溶性染料の褪色抑制性の点から好ましい。
【0091】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2、4−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェノールが公的であり、特に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2、4−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールが、柔軟処理した衣料の異臭発生抑制効果の点から好ましい。
【0092】
本発明では上記紫外線吸収剤をポリエステル樹脂樹脂100質量部に対して好ましくは0.001〜0.3質量部、特に好ましくは0.005〜0.2質量部が容器の透明性と衣料を処理したときの異臭発生抑制効果の点から好適である。
【0093】
本発明のプラスティック容器には、容器の透明性を損なわない程度に顔料を含有することが香料の安定性及び水溶性染料の褪色抑制性の点から好ましい。顔料としては粒度分布0.05〜0.45μm、平均粒径0.20〜0.30μmであることが好ましい。好適な顔料としては酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、群青などの無機顔料、フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系の有機顔料を挙げることができ、好ましくは無機顔料がであり、特に酸化チタンが好適である。酸化チタンとしてはルチル型、アナターゼ型いずれであってもよい。
【0094】
顔料の含有量は、上記した特定範囲の光透過率を満足できる範囲の量であり、熱可塑性樹脂100質量部に対して好ましくは0.001〜2.0質量部、特に好ましくは0.005〜1.5質量部が容器の透明性と衣料の異臭発生抑制効果(香料の安定性)の点から好適である。
【0095】
本発明のプラスティック容器の製造法としては、熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤及び顔料をドライブレンドにより溶融混練し、成形して得ることができる。これらの組成物を溶融混練する手段としては、単軸押出機、2軸押出機、あるいはブラベンダータイプの混練機を使用することができ、成形手段としては、射出成形、(延伸)ブロー成形、射出ブロー成形などの成形法を適用できる。
【0096】
また、本発明のプラスティック容器は、紫外線吸収剤、顔料を配合するマスターバッチを、上記混練機を用いて作製し、紫外線吸収剤が目的の範囲の濃度になるようにドライブレンドしたものを、射出成形などの成形法で成形してもよい。また、本発明のプラスティック容器は、同一組成の層からなる単層だけでなく、異なる組成の層からなる多層構造でもよい。
【0097】
本発明のプラスティック容器の形態は制限されず、プレート成形体、フィルム成形体、シート成形体、ボトル成形体、トレー成形体など様々な形態にすることができる。
【実施例】
【0098】
<液体柔軟剤組成物の調製方法>
表1に示す成分を用いて、次の方法により、液体柔軟剤組成物を調製した。300mLビーカーに、柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の95%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。一つの羽根の長さが2cmの攪拌羽根が3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(300r/m)、所要量の(b)成分、(f)成分を溶解させた。
【0099】
次に、所要量の(a)成分と(i)成分を予め混合した混合品(40℃)を添加した。そのまま5分攪拌後、順次、(c)成分、(d)成分、(g)成分、(h)成分を添加し、5分攪拌後、35%塩酸水溶液と48%水酸化ナトリウム水溶液で目標のpHに調整し、出来あがり質量にするのに必要な量の60℃のイオン交換水を添加した。
【0100】
その後10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら25℃に冷却した。なお、表1に示すpHは冷却後(25℃)のpHを記載した。
【0101】
<容器>
容器1;ポリエチレンテレフタレート樹脂(表中PETと記載)100質量部を溶融状態にして、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール0.1質量部、及び酸化チタン1.0質量部を添加した。これらの混練には2軸押出機を利用した。2軸押出機により押出された溶融樹脂を乾燥することで、ポリエステル樹脂組成物を作成した。このポリエステル樹脂組成物を用いて、延伸ブロー成形により、平均肉厚0.9mm、内容量1000mlの延伸ブローボトルを成形した。この容器の660nmの光透過率が30%以上であった。
【0102】
<液体柔軟剤組成物物品>
表1に示す容器に表2に示す液体柔軟剤組成物を容器1に充填して、液体柔軟剤組成物物品を得た。
【0103】
〔(a)成分の加水分解抑制効果、匂い劣化、色相劣化抑制効果〕
液体柔軟剤組成物を50℃に20日間保存し、定法によって保存後の組成物の酸価、ケン化価を測定した。下記式によって(a)成分の残存率を算出し、加水分解抑制効果を見積もった。
100−{((保存後の酸価)−(初期の酸価))/((ケン化価)−(初期の酸価))X100}(%)
〔液体柔軟剤組成物の評価〕
点数が1を○、1より大きく2未満を△、2以上を×として評価し、表1に示す。
【0104】
評価基準(室温及び50℃、20日間の保存後での外観)
3…組成物が分離もしくは白濁している。
2…組成物がやや分離もしくは白濁している。
1…全く変化がない。
【0105】
評価基準(50℃、20日間の保存後の匂い)
3…組成物の匂いが変化している。
2…組成物の匂いがやや変化している。
1…全く変化がない。
【0106】
評価基準(50℃、20日間の保存後の色)
3…組成物の色が変化している。
2…組成物の色がやや変化している。
1…全く変化がない。
【0107】
〔衣料の柔軟処理における柔軟性の評価〕
(柔軟処理方法)
バスタオル(木綿100%)5枚を市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0667質量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間)。その後、洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行い、排水後3分間脱水を行った。その後、再度30Lの水道水を注水後、表1の液体柔軟剤組成物を7ml添加し、5分間攪拌した。その後、脱水し、室内で自然乾燥させた。この操作を5回繰り返した衣料の柔軟性評価を下記の方法で評価した。
【0108】
(衣料の柔軟性評価)
上記処理した衣料の匂いを10人のパネラー(30代男性10人)により下記の基準で判定し、10個の平均を取り、平均点が0以上1未満を○、1以上1.5未満を△、1.5以上を×として判定した。
0…非常に柔らかく仕上がった。
1…柔らかく仕上がった。
2…やや柔らかく仕上がった。
3…柔らかに仕上がらない。
【0109】
以下に実施例に用いた成分を示す。
【0110】
(a)成分
合成例1:(a−1)の合成
ヒマワリ油を原料としたヨウ素価90gI/100g、酸価201mgKOH/gの脂肪酸とトリエタノールアミンを反応mol比1.95/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従って脱水縮合反応を行ない、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを主成分とする縮合物を得た。次にこの縮合物に対してジメチル硫酸を0.95当量用い、エタノール溶媒存在下、定法に従って4級化を行ない、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノールを10%含有する第4級アンモニウム塩混合物を得た(以下、(a−1)という)。
【0111】
合成例2:(a−2)の合成
牛脂脂肪酸を原料としたヨウ素価92gI/100g、酸価199mgKOH/gの牛脂脂肪酸とトリエタノールアミンを反応mol比1.85/1にて合成例1と同様の操作を行い、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノールを10%含有する第4級アンモニウム塩混合物を得た(以下、(a−2)という)。
【0112】
合成例3:(a−3)の合成
ヒマワリ油を原料としたヨウ素価90gI/100g、酸価201mgKOH/gの脂肪酸とトリエタノールアミンを反応mol比1.85/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で定法に従って脱水縮合反応を行ない、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを主成分とする縮合物を得た。次に溶媒不在下で、この縮合物に対してジメチル硫酸を0.95当量用い、定法に従って4級化を行なった後、エタノールで希釈し、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノールを10%含有する第4級アンモニウム塩混合物を得た(以下、(a−3)という)。
【0113】
(a−1):合成例1で得たN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とする反応物
(a−2):合成例2で得たN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とする反応物
(a−3):合成例3で得たN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とする反応物
(b−1):フェノキシエタノール
(b−2):ポリオキシエチレン(平均付加モル数3)モノフェニルエーテル
(b−3):2−メチル−2,4−ペンタンジオール
(b−4):1,4−シクロヘキサンジオール
(b−5):ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(c−1)、(c−2):下記表1に記載の組成物
【0114】
【表1】

【0115】
(d−1):C.I.Acid Blue9
(d−2):C.I.Direct Blue86
(d−3):C.I.Acid Red52
(f−1):ポリオキシエチレン(平均付加モル数23)ラウリルエーテル
(g−1):エチレンジアミン4酢酸
(h−1):硫酸ナトリウム
(h−2):塩化マグネシウム
(i−1):オレイン酸とソルビタンとの脱水縮合物。オレイン酸/ソルビタンのモル比は3/1である。
(j−1):エタノール
【0116】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(1)の化合物を5〜30質量%、
(b)2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、平均付加モル数1〜3のポリオキシエチレンモノブチルエーテル、平均付加モル数1〜3のポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、平均付加モル数1〜3のポリオキシプロピレンモノプロピルエーテル、平均付加モル数1〜4のポリオキシエチレンモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上の有機溶剤を5〜30質量%、
(c)香料及び/又は(d)水溶性染料、並びに
(e)水を含有し、25℃におけるpHが4.6を超え7未満である透明又は半透明の液体柔軟剤組成物。
【化1】

〔式中、
11は、エステル基で分断されている炭素数14〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、
12、R13は、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい炭素数14〜26のアルキル基又はアルケニル基であるか、あるいは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、
14は、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、
は陰イオン基である。〕
【請求項2】
請求項1記載の液体柔軟剤組成物を透明又は半透明のプラスティック容器に充填した液体柔軟剤組成物物品。





【公開番号】特開2006−161229(P2006−161229A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357031(P2004−357031)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】