説明

通信アダプタ

【課題】 ソフトウェアを格納するためのメモリを家電機器側では不要とすることができ、かつダウンロードソフトウェアに基づく通信アダプタ本動作時の処理速度を速くすることができるようにする。
【解決手段】 家電機器2に適したソフトウェアに基づいて動作する通信アダプタ1に、表示された2次元コードを変換して得られる、前記ソフトウェアを含む信号を受信する受信手段14と、前記信号に含まれるソフトウェアを格納する書き込み消去が可能なメモリ11,12と、前記ソフトウェアに基づく処理を行うアダプタ制御部30と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から家電機器に適したソフトウェアをダウンロードして動作する通信アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家電機器を通信アダプタを介してインターネットやホームネットワークなどのネットワークに接続し、接続する機器毎に必要となるソフトウェアは後から通信アダプタへダウンロードして動作する方式が提案されている。例えば、家電機器に通常動作に必要なソフトウェアを予め内蔵させておき、このソフトウェアを通信アダプタにダウンロードして動作させたり、新たなソフトウェアをインターネット上のソフトウェア供給会社のサーバからパソコン等にダウンロードし、通信手段を用いて通信アダプタに転送するなどにより、ソフトウェアの追加、更新を行えるようにしている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−78036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、家電機器にソフトウェアを内蔵させた場合には、家電機器側にソフトウェアを格納するためのメモリを必要とし、家電機器のコストアップにつながる。
【0005】
また、インターネット上のソフトウェア供給会社のサーバからパソコンにダウンロードし、通信手段を用いて通信アダプタに送信する場合は、通信アダプタに転送するプログラムをパソコンに用意しなければならず、手間がかかる。
【0006】
また通常、ダウンロードされるソフトウェアには、各家電機器に応じた各種設定データを設定するためのデータ設定処理部分と、通信アダプタが通常動作時に制御処理を行うためのアダプタ制御処理部分が含まれている。そのうちデータ設定処理部分は、家電機器オブジェクトデータやコマンド変換テーブルデータなどのデータ部分であり、オブジェクトの登録、コマンド変換テーブルの設定をすれば、その後、必要なくなるデータである。しかし、従来のダウンロードされるソフトウェアは、データ設定処理部分とアダプタ制御処理部分に分割されておらず、これらデータ設定処理部分とアダプタ制御処理部分からなるソフトウェア全体が一度にダウンロードされてメモリに格納されるようになっている。そのため、ダウンロードソフトウェアのサイズが大きくなり、動作に必要なメモリ領域を削減しなければならず、このダウンロードソフトウェアに基づく通信アダプタ本動作時の処理速度が遅くなってしまうという難点があった。
【0007】
本発明の技術的課題は、ソフトウェアを格納するためのメモリを家電機器側では不要とすることができ、かつダウンロードソフトウェアに基づく通信アダプタ本動作時の処理速度を速くすることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信アダプタは、家電機器に適したソフトウェアに基づいて動作する通信アダプタであって、表示された2次元コードを変換して得られる、前記ソフトウェアを含む信号を受信する受信手段と、前記信号に含まれるソフトウェアを格納する書き込み消去が可能なメモリと、前記ソフトウェアに基づく処理を行うアダプタ制御部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信アダプタにダウンロードするソフトウェアを2次元コード化し、これを例えば携帯電話などで読み取って通信アダプタに転送することにより、ダウンロードするようにしているので、ソフトウェアを格納するためのメモリを家電機器側に用意する必要がなくなって、家電機器のコストアップを抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、図示実施形態により本発明を説明する。
図1は本発明の実施の形態1に係る通信アダプタを用いたホームネットワークの全体構成図、図2は本実施形態の通信アダプタのハードウエアを示す構成図、図3はホームネットワークに接続されたコントロールパネルの構成図、図4はその通信アダプタの各部がもつ機能を表す論理構成図、図5はそのダウンロードされるソフトウェアの構成図、図6はその分割されてダウンロードされるソフトウェアの構成図、図7はそのダウンロード動作処理を示すフローチャート、図8はそのメモリマップを示す図、図9はそのアダプタのダウンロード処理を示すフローチャート、図10はそのアダプタの本動作処理を示すフローチャートである。
【0011】
本実施形態の通信アダプタ1は、図1のようにエアコン2aや電気温水器2bなどの家電機器2を無線通信媒体3により構築されるホームネットワーク3aに接続し、ホームネットワーク3aに接続されたコントロールパネル4等からの操作や動作状態の監視を可能とするために用いられる。そのため、通信アダプタ1は、接続する家電機器2に対応するソフトウェアを外部からダウンロードして動作するようになっている。なお、ホームネットワークの通信媒体はEthernet(登録商標)などの有線でも構わない。
【0012】
家電機器2と通信アダプタ1の間は、図2のようにシリアル通信I/F5,6を介して通信が行われる。また、ホームネットワークへは例えば無線LAN等のネットワーク通信I/F7を介して接続される。また、家電機器2に適したソフトウェアが2次元コード化されて表示されたダウンロードソフトウェアA及びダウンロードソフトウェアBを、2次元コードリーダ(ここでは携帯電話)13にて変換して得られる前記ソフトウェアを含む信号を、2次元コードリーダ(携帯電話)13のIrDA送信機(投光器)13aより受ける受信手段すなわちIrDA受信機(受光機)14が設けられている。通信アダプタ1のマイコン8は、CPU9と書き込み消去が可能な内蔵メモリ(Flashメモリ)11とから構成されているとともに、外付けのEEPROM12が設けられている。
【0013】
コントロールパネル4は、図3のように通信アダプタ1の間の通信を行なうシリアル通信I/F15と、LCDコントローラを有するマイコン16と、タッチパネルを有するLCD表示器17と、サウンド(スピーカ)18と、タッチパネルコントローラ19とから構成されている。
【0014】
次に、本実施形態の通信アダプタ1の論理構成について図4に基づき図1,2を参照しながら説明する。機器インタフェース部21は、シリアル通信I/F6を介した通信処理を行なうものであり、ネットワークインタフェース部22は、ネットワーク通信I/F7を介した通信処理を行なうものである。IrDA受信部(受光部)40は、2次元コードリーダ(携帯電話)13から送られてくる赤外線を搬送波とする信号を受信するものである。基本制御ソフトウェア23は、ネットワーク通信I/F7を介してホームネットワーク3aと通信するための電文の作成や解釈、コマンド変換テーブル24を利用して機器インタフェースコマンドとネットワークインタフェースコマンドとの変換を行い、ダウンロードソフトウェア25は、ダウンロードに係るソフトウェアであって、シリアル通信I/F6を介して家電機器2と通信を行うための電文の作成や解釈を行うとともに、基本制御ソフトウェア23へ家電機器オブジェクトデータ26の受け渡しを行う。ダウンロード制御部27は、IrDA受信機(受光機)14を介して2次元コードリーダ(携帯電話)13から転送されてくるソフトウェアを、あるいはネットワーク通信I/F7を介してホームネットワーク3aに接続されているコントロールパネル4(図1)に格納されているソフトウェアをダウンロードする機能をもつ。
【0015】
これを更に詳述すると、家電機器オブジェクトデータ26は、通信アダプタ1が管理する家電機器情報、例えばエアコンの場合、運転状態、設定温度などの属性とON/OFFや20℃などの属性値をもつ情報のことである。
【0016】
ダウンロードされるソフトウェアは、図5のように各家電機器に応じた、つまり通信アダプタ1が起動するための各種設定データを設定するデータ設定処理部分のコード(データ設定処理コード)25aと、通信アダプタ1が通常動作時に制御処理を行うためのアダプタ制御処理部分のコード(アダプタ制御処理コード)25bとで構成されており、図6のようにこれらにデータ識別子25c,25dを付けて2次元コード化し、ダウンロードソフトウェアAとダウンロードソフトウェアBに分割することで、データ設定処理コード25aとアダプタ制御処理コード25bとを容易に分離させてダウンロードすることができるようになっている。なお、送信側および受信側でダウンロード手順が予めきちんと取り決められていれば、データ識別子25c,25dがなくともデータ設定処理コード25aとアダプタ制御処理コード25bとを分離させてダウンロードすることができることは言うまでもない。
【0017】
データ設定処理コード25aは、通信アダプタが動作するための、換言すれば通信アダプタとしての機能を実現するための設定処理を行い、一度しか参照されないコードである。具体的には、通信アダプタ内に保持する家電機器オブジェクトデータの登録やコマンド変換テーブルの設定、あるいは通信設定に関する処理を実行するためのコードが含まれる。これらは、登録設定時に基本制御ソフトウェアを利用して設定データなどが一度参照されて、外付けのEEPROM12などのデータ格納部に通信アダプタ内で保持するデータ形式で格納されれば、この分割されたダウンロードソフトウェアそのものは必要なくなる。
【0018】
アダプタ制御処理コード25bは、通信アダプタが本動作開始後に、何度も参照され、プログラム動作中常に実行されるコードである。具体的には、ネットワークインタフェース部22および機器インタフェース部21間の相互データの変換処理などが含まれる。
【0019】
したがって、ダウンロードソフトウェアを、前述のように2次元コード化するとともに、ダウンロードソフトウェアA(データ設定処理コード25a)とダウンロードソフトウェアB(アダプタ制御処理コード25b)とに分割し、2次元コードリーダ(携帯電話)13にて順次変換して得られる前記ソフトウェアを含む信号をIrDA受信機(受光機)14にて受信し、ダウンロード制御部27により、ダウンロードソフトウェアA(データ設定処理コード25a)は比較的動作の遅い外付けのEEPROM12に格納させ、ダウンロードソフトウェアB(アダプタ制御処理コード25b)は書き込み消去が可能で比較的動作の速い内蔵メモリ(Flashメモリ)11に格納させることで、ダウンロードしたソフトウェアに基づく本動作時の処理速度を速くすることができる。また、ソフトウェアを格納するのに必要なメモリの使用量を削減でき、低メモリ容量、低コストのワンチップマイコンを利用することが可能となる。
【0020】
また、ダウンロードソフトウェアを2次元コード化することにより、ソフトウェアを格納するためのメモリを家電機器側では不要とすることができ、その分、家電機器のコストを削減することができる。
【0021】
また、ダウンロードソフトウェアを、各家電機器2に応じた各種設定データを設定するためのデータ設定処理コード25aと、通信アダプタが通常動作時に制御処理を行うためのアダプタ制御処理コード25bとに分割構成することで、ダウンロード1回あたりのソフトウェアの大きさを小さくすることができて、ダウンロードされる相手機器(2次元コードリーダ(携帯電話)および通信アダプタ)の負担を軽減させることができる。
【0022】
また、受信手段として、赤外線を搬送波とする信号を受信するIrDA受信機(受光機)14を用いているので、2次元コードリーダ13として、IrDA送信機(投光器)13aを備えるのが一般化されつつある携帯電話の使用が可能となる。
【0023】
次に、本実施形態の通信アダプタのダウンロード動作処理、およびそれに続く本動作について、図7乃至図10に基づき、図1乃至図6を参照しながら説明する。まず、電源の投入があると、通信アダプタ1は、当該アダプタが管理すべき家電機器2に対してどのような家電機器であるのかの情報(例えばエアコンであるのか電気温水器であるのか等の情報)を要求し(ステップS111)、家電機器2の応答による当該家電機器の情報の入力があると(ステップS112)、次にダウンロードソフトウェアを受信したか、つまり2次元コードリーダ(携帯電話)13からソフトウェアが転送されてきたか否かをみて(ステップS113)、ソフトウェアが転送されてきたならば、このソフトウェアはダウンロードソフトウェアAであるか否か、つまりデータ設定処理コード25aであるか否かをみて(ステップS114)、データ設定処理コード25aであれば、このデータ設定処理コード25aをEEPROM12に格納するとともに(ステップS115)、このデータ設定処理コード25aを用いて家電機器オブジェクトやプロパティの登録、機器インタフェースコマンドとネットワークインタフェースコマンドとのコマンド変換テーブルの作成、マッピングデータ(図8)の作成を行い(ステップS116)、これらのデータをEEPROM12に格納する。
【0024】
ステップS116で登録、作成されたデータのEEPROM12への格納が終了すると、次に通信アダプタ1は、ダウンロードソフトウェアを受信したか、つまり2次元コードリーダ(携帯電話)13から新たにソフトウェアが転送されてきたか否かをみて(ステップS117)、ソフトウェアが転送されてきたならば、このソフトウェアはダウンロードソフトウェアBであるか否か、つまりアダプタ制御処理コード25bであるか否かをみて(ステップS118)、アダプタ制御処理コード25bであれば、このアダプタ制御処理コード25bを内蔵メモリ11に格納し(ステップS119)、本動作へ移行する(ステップS120)。
【0025】
また、ステップS114にて受信したダウンロードソフトウェアがデータ設定処理コード25aでないと判定された場合は、ステップS118に飛び、受信したダウンロードソフトウェアがアダプタ制御処理コード25bであるか否かをみて、アダプタ制御処理コード25bであると判定されれば、アダプタ制御処理コード25bに変更があったと判定し、この変更されたアダプタ制御処理コード25bを、内蔵メモリ11における前回アダプタ制御処理コード25bを格納した領域に上書き処理して(開始アドレスを一致させて)格納し(ステップS119)、つまりアダプタ制御処理コード25b部分のみ独立して変更し、本動作へ移行する(ステップS120)。
【0026】
また、ステップS118にて受信したダウンロードソフトウェアがアダプタ制御処理コード25bでないと判定された場合は、アラーム出力して(ステップS121)、処理を終了する。以上が通信アダプタのダウンロード動作処理である。
【0027】
ダウンロード動作処理(図7、図9)が終了すると、アダプタ制御処理コード25bに基づく本動作(図10)が開始され、通信アダプタ1から家電機器2に対し例えば一定時間おきに状態通知要求がだされ、これに応答して家電機器2から現在の状態を知らせる通知が通信アダプタ1に入力する。家電機器2側に状態変化がなければ、通信アダプタ1と家電機器2間での前記状態通知要求と状態通知が繰り返されるだけである。しかし、家電機器2側に状態変化があれば、取得した状態通知から状態変化があったことがわかるので、状態変化があったことがホームネットワーク3aからコントロールパネル側の通信アダプタ1を介してコントロールパネル4に通知され、コントロールパネル4側でその家電機器2の状態が表示される。また、逆にコントロールパネル4から家電機器2の制御を行った場合は、この制御情報がホームネットワーク3aから家電機器側の通信アダプタ1を介して家電機器2に通知され、この制御情報に従った家電機器2の動作変更が行われる。
【0028】
なお、前述の実施の形態1では2次元コード化されてダウンロードされるソフトウェアを、各家電機器に応じた各種設定データを設定するためのデータ設定処理部分と、通信アダプタが通常動作時に制御処理を行うためのアダプタ制御処理部分とに分割された2枚構成としたものを例に挙げて説明したが、この実施の形態1で重要なことはソフトウェアをデータ設定処理部分とアダプタ制御処理部分とに分割可能に構成することであり、このように構成するのであれば各部分を単一(1枚)の2次元コードに埋め込んでもよいし、各部分を2以上(2枚以上)に分割してもよいことは言うまでもない。
【0029】
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2に係る通信アダプタのハードウエアを示す構成図、図12はその通信アダプタの各部がもつ機能を表す論理構成図、図13はその通信アダプタのダウンロード動作処理を示すフローチャートであり、各図中、前述の実施の形態1のものと同一部分には同一符号を付してある。なお、説明にあたっては前述の図5、図6、及び図8を参照するものとする。
【0030】
本実施形態の通信アダプタは、通信アダプタ1のマイコン8のCPU9に外付けするメモリとしてRAM12Aを用いるとともに、ダウンロード制御部27Aにより、IrDA受信機(受光機)14が2次元コードリーダ(携帯電話)13から転送されてくるダウンロードソフトウェアA(データ設定処理コード25a)を受信すると、このデータ設定処理コード25aを書込み消去が可能な内蔵メモリ(例えばFlashメモリなど)11Aに格納させ、このデータ設定処理コード25aを得たアダプタ制御部30がデータ設定処理コード25aに基づく処理を終了すると、次に2次元コードリーダ(携帯電話)13から転送されてくるダウンロードソフトウェアB(アダプタ制御処理コード25b)を内蔵メモリ11Aのデータ設定処理コード25aが格納されている領域に上書き処理して(開始アドレスを一致させて)格納させることで、ダウンロードソフトウェアをダウンロードするのに必要な内蔵メモリの使用量を削減して、低メモリ容量、低コストのワンチップマイコンの利用を可能ならしめた点が前述の実施の形態1のものと異なっており、それ以外の構成は前述の実施の形態1と同一である。
【0031】
次に、本実施形態の通信アダプタのダウンロード動作処理について、図13に基づき、図5、図6、図8、図11及び図12を参照しながら説明する。まず、電源の投入があると、通信アダプタ1は、当該アダプタが管理すべき家電機器2に対してどのような家電機器であるのかの情報(例えばエアコンであるのか電子レンジであるのか等の情報)を要求し(ステップS211)、家電機器2の応答による当該家電機器の情報の入力があると(ステップS212)、次にダウンロードソフトウェアを受信したか、つまり2次元コードリーダ(携帯電話)13からソフトウェアが転送されてきたか否かをみて(ステップS213)、ソフトウェアが転送されてきたならば、このソフトウェアはダウンロードソフトウェアAであるか否か、つまりデータ設定処理コード25aであるか否かをみて(ステップS214)、データ設定処理コード25aであれば、このデータ設定処理コード25aを内蔵メモリ11Aに格納するとともに(ステップS215)、このデータ設定処理コード25aを用いて家電機器オブジェクトやプロパティの登録、機器インタフェースコマンドとネットワークインタフェースコマンドとのコマンド変換テーブルの作成、マッピングデータ(図8)の作成を行い(ステップS216)、これらのデータをRAM12Aに格納する。
【0032】
ステップS216で登録、作成されたデータのRAM12Aへの格納が終了すると、次に通信アダプタ1は、ダウンロードソフトウェアを受信したか、つまり2次元コードリーダ(携帯電話)13から新たにソフトウェアが転送されてきたか否かをみて(ステップS217)、ソフトウェアが転送されてきたならば、このソフトウェアはダウンロードソフトウェアBであるか否か、つまりアダプタ制御処理コード25bであるか否かをみて(ステップS218)、アダプタ制御処理コード25bであれば、このアダプタ制御処理コード25bを内蔵メモリ11Aにおけるデータ設定処理コード25aが格納されている領域に上書き処理して(開始アドレスを一致させて)格納し(ステップS219)、本動作へ移行する(ステップS220)。
【0033】
また、ステップS214にて受信したダウンロードソフトウェアがデータ設定処理コード25aでないと判定された場合や、ステップS218にて受信したダウンロードソフトウェアがアダプタ制御処理コード25bでないと判定された場合は、アラーム出力して(ステップS221)、処理を終了する。以上が本実施形態の通信アダプタのダウンロード動作処理である。このダウンロード動作処理は電源投入がある度繰り返される。
【0034】
なお、この実施の形態2においてもダウンロードされるソフトウェアを、各家電機器に応じた各種設定データを設定するためのデータ設定処理部分と、通信アダプタが通常動作時に制御処理を行うためのアダプタ制御処理部分とに分割された2枚構成としたものを例に挙げて説明したが、この実施の形態2で重要なことはソフトウェアをデータ設定処理部分とアダプタ制御処理部分とに分割可能に構成することに加えて、ソフトウェアの最終的に動作に必要な部分が内蔵メモリに格納されるようにすることであり、ダウンロードされるソフトウェアの分割数は単一(1枚)でもよいし、2以上(2枚以上)としてもよいことは言うまでもない。ただし、この実施の形態2では、ソフトウェアを単一(1枚)構成とする場合、これに分割可能に埋め込んでいる各部分(各処理コード)の数だけ、同じ2次元コードの読み取り、転送を繰り返す形でダウンロード動作が進行する。
【0035】
したがって、この実施の形態2では、ダウンロードソフトウェアのサイズが小さくなり、動作に必要なメモリ領域の確保が容易となる。このため、書込み消去が可能な内蔵メモリのみを有する通信アダプタであっても本発明を適用することができるとともに、ダウンロードソフトウェアに基づく通信アダプタ本動作時の処理速度を速くすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタを用いたホームネットワークの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタのハードウエアを示す構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタを用いたホームネットワークに接続されたコントロールパネルの構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタの各部がもつ機能を表す論理構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るダウンロードソフトウェアの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るダウンロードソフトウェアの分割構成図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタのダウンロード動作処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタのメモリマップを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタのダウンロード処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタの本動作処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係る通信アダプタのハードウエアを示す構成図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る通信アダプタの各部がもつ機能を表す論理構成図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る通信アダプタのダウンロード動作処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 通信アダプタ、2,2a,2b 家電機器、11,11A 内蔵メモリ、12 EEPROM(メモリ)、14 IrDA受信機(受信手段)、25a データ設定処理部分(データ設定処理コード)、25b アダプタ制御処理部分(アダプタ制御処理コード)、27,27A ダウンロード制御部、30 アダプタ制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器に適したソフトウェアに基づいて動作する通信アダプタであって、
表示された2次元コードを変換して得られる、前記ソフトウェアを含む信号を受信する受信手段と、
前記信号に含まれるソフトウェアを格納する書き込み消去が可能なメモリと、
前記ソフトウェアに基づく処理を行うアダプタ制御部と、
を備えることを特徴とする通信アダプタ。
【請求項2】
前記受信手段は、赤外線を搬送波とする信号を受信することを特徴とする請求項1記載の通信アダプタ。
【請求項3】
前記ソフトウェアは単一の2次元コードで構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通信アダプタ。
【請求項4】
前記ソフトウェアはデータ設定処理部分とアダプタ制御処理部分で構成され、各部分が分割可能に単一の2次元コードに埋め込まれていることを特徴とする請求項3記載の通信アダプタ。
【請求項5】
前記ソフトウェアは複数の2次元コードで構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通信アダプタ。
【請求項6】
前記ソフトウェアはデータ設定処理部分とアダプタ制御処理部分で構成され、各部分が複数の2次元コードに分割されていることを特徴とする請求項5記載の通信アダプタ。
【請求項7】
前記書き込み消去が可能なメモリは、マイコン内蔵メモリとマイコン外付けメモリから構成され、マイコン内蔵メモリにはアダプタ制御処理部分を書き込み、マイコン外付けメモリにはデータ設定処理部分を書き込むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信アダプタ。
【請求項8】
前記受信手段が前記データ設定処理部分の前記ソフトウェアを含む信号を受信すると、前記メモリに格納させ、前記アダプタ制御部が前記データ設定処理部分に基づく処理を終了すると、
前記アダプタ制御処理部分の受信待ちを行い、前記受信手段が前記アダプタ制御処理部分の前記ソフトウェアを含む信号を受信すると、前記メモリの前記データ設定処理部分が格納されている領域に上書き処理して格納させるダウンロード制御部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信アダプタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−222730(P2006−222730A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34100(P2005−34100)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】